犬娘「ご主人様!今日って何の日か知ってる?」幼女「燃えるゴミの日」 (55)

幼女「今日のゴミ当番は犬だったでしょ。ちゃんと出しといてよね」

幼女「じゃあ私は学校あるから」バタン




犬娘「」

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犬娘「...は?」


犬娘「ちょっと待ってよ!?今日は私の誕生日でしょ!なんで飼い主のくせに覚えてないの!?」

犬娘「なにこれ、倦怠期?確かに私とご主人様の絆は中年夫婦以上にあるけどさぁ!これはないだろぉ!!!!」

犬娘「あああああああんもううううううううう!!!!!!気付いてよおおおおおおおおおお!!!!!」バタバタ



猫娘「朝っぱらからうっせえニャ...馬鹿犬」ゴシゴシ



犬娘「もうやだああああああああああああああ!!!!!せっかくの誕生日が忘れ去られるなんてやだああああああああああああ!!!!!」バタバタ

猫娘「うるせぇって言ってんだろうニャ!!!!この馬鹿アホうんこ年中発情期のクソ犬!!!!」ゲシッ



犬娘「ごふぉっえっ!?」ドゴォ

犬娘「い、痛い...いいところ入った...クリティカル...」



猫娘「今、何時だと思ってんニャ!騒ぐならもっと日が昇ってからにしろニャ!」



犬娘「もう8時だよ!とっくに日は出て登校出社タイムだよ!」

犬娘「というかいきなり蹴るなんて酷い!私は何にもしてないのに!」

猫娘「うるさいニャ。騒音でムカつくやつは一発ぶん殴っていいって法律があるニャ」


犬娘「ないよ!そんな法律!」

犬娘「...あ、そうだ。猫ちゃんは今日何の日か知ってる?」


猫娘「ハロウィンの次の日ニャ」



犬娘「」



猫娘「いやぁ...昨日は楽しかったニャ。やっぱりパーティーはいいニャ」

猫娘「おかげでちょっと寝不足ニャ、今日はゆっくり休むとするニャ」


犬娘「...」

犬娘「同居人の誕生日くらい覚えとけや!!!!!!」ゲシッ


猫娘「にゃふっ!?」ドゴォ


犬娘「なんなの!?なんでみんな私の誕生日覚えてないの!?」

犬娘「そりゃ何かゲームで適当に決めた見たいな日付だけどさぁ!ここまで分かりやい誕生日も中々ないよ!逆に覚えやすいよ!」

犬娘「どいつもこいつもハロウィン、ハロウィンって...ここ日本じゃん?お盆あるならハロウィンいらないじゃん?よく考えたらする必要ないじゃん!」



猫娘「こ、このやろ...よくも蹴りやがったニャ」スクッ

猫娘「上等ニャ!今日こそ決着をつけてやるニャ!表に出ろニャ!!!!」

犬娘「ふんだ、私はこれからバイトがあるもんね。アホの猫ちゃんに付き合う義理はないよ!じゃあバイバイ!」ダッ


猫娘「おっ?逃げんのかニャ?まさかこの前の勝負で私に負けたことをまだ気にしてるのかニャ」


犬娘「」ピクッ


猫娘「まあ仕方ないニャ。猫は全てにおいて犬に優れているからニャ...本能で戦いを避けるのも無理はないニャ」

猫娘「ほらさっさと行けニャ、負け犬(笑)お前は尻尾振って馬鹿みたいに舌出してる姿が似合ってるニャ(笑)」


犬娘「...」


犬娘「んだとゴラアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」ドンガラガッシャーン

犬娘「言っとくけどね!前のやつは私の反則負けみたいなもんで、ルール無用の勝負なら実質私の勝ちだったんだからね!」

猫娘「負けは負けニャ。弱い犬ほどよく吠えるニャ」

犬娘「ああんっ!?やっぱり猫は犬に比べて馬鹿だよね!私は弱い者いじめするほど性格悪くないもん」

猫娘「ぷっ...そのセリフを言っていいのは強いやつだけニャ」


犬娘「」プチッ


犬娘「...そんなに戦りたいなら付き合ってあげるよ」モヤモヤ

犬娘「食らえ!クレイジーワンコキック!!!!!」ブンッ


猫娘「はっ!そんなヘナチョコキック当たるかニャ!五連猫邪羅死パンチ!!!!」ブンッ

.........................................................
.............................................


犬娘「...」ゴシゴシ


犬娘「...はぁ、猫ちゃんとバトってたら案の定バイトに遅刻しちゃった」

犬娘「罰として店長に皿洗いやらされるし...ここ時給はいいんだけど店長が厳しいもんなー」

犬娘「あー後片付けってめんどくさい...全自動皿洗い機でも導入すればいいのに」


狼男「犬氏、新しい皿の追加でござる」ドサッ


犬娘「うげっ...まだ増えるの?」

犬娘「ここのメイド喫茶、平日のお昼だってのにお客さん来すぎでしょ...私も接客に行った方がいいんじゃないの?」


狼男「ウサギ氏が盛り上げてくれてるので大丈夫でござる。拙者も時間がちょっと空いたから手伝うでござる」

カチャカチャ カチャカチャ


犬娘(...そうだ、いとこの狼くんなら私の誕生日覚えてるかも)

犬娘「ところで狼くん。今日が何の日か知ってる?」


狼男「今日?昨日はハロウィンで、今日も何か特別な日だったでござるか?」


犬娘「」


犬娘(ちょっ...嘘...なんで狼くんまで覚えてないの?)

犬娘(えっ?従兄だよね?半分家族みたいなもんだよね?忘れるか普通...)


犬娘(はっ!?)ピキーン


犬娘(そ、そうだ...違う、私の誕生日を忘れてるんじゃない。上書きされてるんだ...私の誕生日がハロウィンに)

犬娘(例えるならクリスマスの次の日が誕生日の子供、昨日のパーティーで私の誕生会もまとめてやったことになってるんだ。誕生日のケーキとプレゼントをクリスマスにまとめられるのと一緒で)

犬娘「くそぅっ!!!!ハロウィンなんかくたばれ!!!!!!」ガシャーン

狼男「ちょっ!?そんな乱暴にしたら割れるでござるよ!」


犬娘「何がハロウィンだよ!ちょっと前まではハロウィンなんて、カボチャ食べる日くらいの認識だったのに馬鹿騒ぎしやがって!」

犬娘「せめてお菓子くらい配れよ!コスプレしてウェーイやるだけなんて猿でも出来るよ!」

犬娘「というか年末にイベント重なり過ぎだよ!ハロウィン終わったらもうクリスマスで年末でお正月じゃん!もっと上半期にもイベント増やしてよ!イースターとかさあ!」

犬娘「あーもう...ハロウィンなんてぶっ潰れろぉ!!!!!!」



狼男「...」


狼男「分かる」

狼男「同意でござる。確かにハロウィンなんてなくなればいいでござる」

犬娘「おっ!狼男くんもそう思う?だよね!私の誕生日が潰れるハロウィンなんてない方が...」



狼男「そもそも近頃の若者が騒ぐイベントなんて、合法的にリア充共が暴れたいだけでござる。もっと言えば適当な女とヤりたいだけでござる」

狼男「そんな猿以下の思考しかないやつらがやってるイベントなんて潰せばいいでござる。ガス爆発でも起こればいいのに」


犬娘「えっ...何もそこまでは...」


狼男「クリスマスもそうでござるが、元々の行事の意味が失われるのは問題だと思う。確かに年月が経つにつれ、物事が変化するのは至極当然のことだ」

狼男「しかし、それでも限度があるというもの。日本では最近のハロウィンやクリスマスなどの西洋のイベントは元々の意味が失われ、単なる企業の金集めの道具としか見られてないだろう」

狼男「私はリスペクト、敬意表す行為が現代社会に置いて欠如していってると思う。金は大切だが、それより大切なものがあるのではないだろうか?」

犬娘「お、狼くん...キャラ変わってない?」


狼男「人という生物は心で進化して来たと私は思う。いつの時代も人を動かすのは信念だ」

狼男「過去の偉人達も命や、名誉や金を捨てて戦い、散って逝き歴史にその名を残したのだ。私は怖い、やがて人がこの志を失うことが」

狼男「もし人間が...ロボットのように感情を失い、涙を流さなくなる日が来るとしたら、その時こそ最後の審判と言えるのかもしれない」

狼男「いや、終末は既に始まって...」



犬娘「あっー!ちょっと私ウサギちゃんのヘルプに行ってくるね!皿洗いよろしく!」ダッ

犬娘(や、やばい...あのままだと私もアッチ側に浸かるところだった)

犬娘(何か私とは別のベクトルで、ハロウィンを憎んでる目だったよあれ...こわっ)

兎娘「ヘーイ!盛り上がってるー?」


イエエエエエエエイ


兎娘「んじゃご主人様達も盛り上がってきたところで一曲歌っちゃおっかなー!曲名は...」

兎娘「くたばれ!犬と猫!」



デエエエエエン♪デンデンデデデデン♪



犬娘「どんな歌だよ」

犬娘「しかし兎ちゃん、いつの間にあんなに盛り上げ上手になってたんだろ...私と若干キャラ被ってるし」

犬娘「まっ、結局私が一番人気だからいいけどさ」

紳士「そこのメイドさん、注文してもよろしいかな?」

犬娘「あっ!はーい!何にしますか?ご主人様」

紳士「ではこのオムライスをお願いしようか」

犬娘「オムライスですね!かしこまりました!」


紳士「...ところで君、何か悩み事があると見たが、どうかしたのかね」


犬娘「えっ...よく分かりましたね」

紳士「ふっ、伊達に年は食ってないさ。良ければ話してみなさい」

犬娘「...実は」カクガクシカジカ

犬娘「...ということがありまして」

紳士「ふむ...みんなから誕生日が忘れ去られているか」

犬娘「みんな酷いんですよ!年に一回の日なのに...私にとってはハロウィンよりもずっと大切なことです」


紳士「...私はそれは君の勘違いだと思うな。話を聞くと、君達はとても強い絆で結ばれてるように見える」

紳士「様々な困難を乗り越えて来た、家族にも近い関係だ。そんな大切な人の誕生日ならきっと覚えてるはずだよ」

紳士「家に帰ればケーキと一緒に出迎えてくれるはずさ。自信を持ちたまえ」


犬娘「ご、ご主人様...」ウルウル

犬娘「そ、そうですよね!忘れてるわけないですもんね!」

犬娘「話を聞いてくれてありがとうございました!おかげで自信が持てました!」

犬娘「ではオムライス急いで持ってきますね!」


紳士「おっと、すまない。追加で注文してもいいかな?」

紳士「ドンペリを一本...君の誕生日祝いとして貰おうか」


犬娘「ひゅー...かっこいい」




犬娘(...そ、そうだよね。ご主人様が私の誕生日を忘れるわけないもんね)

犬娘(いや、これはきっとあれだ!サプライズ的なやつなんだ!家に帰ったらクラッカーが鳴って「お誕生日おめでとうー!」的な展開!)

犬娘(ひゃっはあああああああああああ!!!!!!いいじゃん!そういうのも悪くないじゃん!かーっ、気付いたのが惜しいなこりゃ!)

.........................................................
.............................................


犬娘「よっしゃ!今日の仕事終わり!さっ、早く帰ってケーキ食べよっと」ダッ

犬娘「ん?待てよ?いきなり帰ったら、まだパーティーの準備中で気まずい雰囲気になるかも」ピタッ

犬娘「先にメール送っておくか。ご主人様へ、今から愛しの愛犬が帰るねハートっと...」ポチポチ

犬娘「よし、30分ぐらいかけて帰ろう。これなら向こうも準備万端だろうし」



兎娘「待てぃ!」



犬娘(げっ...兎ちゃん...)

犬娘「な、何か用?ちょっと私、急いでるんだけど」

兎娘「犬ちゃん!はい、誕生日プレゼントの人参型ボールペン」スッ


犬娘「えっ」


兎娘「今日誕生日だったでしょ?はいこれ」


犬娘「う、うそ...なんで覚えて...」


兎娘「なんでって、そりゃ友達の誕生日なんだから覚えてて当然でしょ。語呂いいし」


犬娘「う、うわああああああああん!!!!!兎ちゃんは私の本当の友達だよおおおおおおおおお!!!!」ダキッ

兎娘「ちょっ!?なんで泣いてんの!?」

犬娘「ごめんねええええええええ!!!!今まで影の薄い知り合い程度の仲だと思っててごめんねええええええええ!!!!」


兎娘「おいコラ待てテメェ」

犬娘「ありがとう!このボールペン大事に使うよ!一生持ってるね!」

兎娘「いやそこまでしなくても...私の誕生日にもお返しちょうだいよね」

犬娘「もちろんだよ!倍返しにして返すつもり...あれ?」


犬娘「兎ちゃんの誕生日っていつだっけ?」

兎娘「...あ?」プチッ


犬娘「えーっと...私が11月1日でしょ?猫ちゃんが2月22日で、ウサギの日ってあったっけ?」

犬娘「兎ちゃんの誕生日って6月だっけ?」


兎娘「...」


犬娘「あれ違った?なら8月?」

兎娘「...」


犬娘「分かった!12月だ!」

兎娘「ふざけんじゃねえぞボケエエエエエエエエエエエ!!!!!!」ドンガラガッシャーン

兎娘「なんで覚えてないんだよ!?私の誕生日は3月3日だろうが!!!!覚えとけよ!」

犬娘「えっ?でも3月3日ってひな祭り...」

兎娘「耳の日でウサギの日なんだよ!!!!!悪かったな!分かりにくくて!」


兎娘「そりゃさぁ!ウサギって鳴かないし、語呂合わせもないし不便だけどさぁ...覚えやすいだろ!ひな祭りと一緒の日なんだから!!!!」

兎娘「ついでに言うと両さんと同じ誕生日だよ!!知ってる人も多いだろ!」

兎娘「というかウサギとしては"3"って数字が嫌なんだよね!なんで犬が"1"、猫が"2"でウサギが3なの!?運命的なものを感じるよ!!!!」

兎娘「結局、ウサギが永遠の三番手ってこと!?なんでっ!?犬や猫よりも可愛いのに!!!!」


犬娘「それは人に寄るんじゃないかな...」

兎娘「ウサギってペットとしても飼いやすいじゃん!ギャーギャー鬱陶しい犬や、どこでも爪研ぎする猫する猫に比べたら大人しいもんだよ!モフモフだし」

兎娘「なんでずっと犬や猫に負けて三位なの!?これはもう神の悪戯が入ってるレベルだよ!いい加減、私を主役にさせろよ!!!!」



犬娘「...ウサギちゃん三位、三位って言ってるけどさ...ペットとしてなら魚とか鳥にも負けてるんじゃ」



兎娘「ああああああああああああああっっっ!?!?!?」

兎娘「お前今なんてった!?戦争だろうがッ・・・!心で思っててもそれを言葉に出したら戦争だろうがッ・・・!!」

兎娘「いいぜ、そっちがその気ならやってるよ!!食らえ私の新必殺!こころぴょんぴょんワール...」


犬娘「うるさい」ブンッ


兎娘「へぶちっ!?」ドゴォ

ビューン

ドグシャアアアアン!!!!!



犬娘「あ、もうこんな時間だ。じゃあ私帰るね」

犬娘「プレゼントありがとねっ、兎ちゃん」ダッ




兎娘「ご、ごのやろぉ...手加減なしでぶん殴りやがっで...」ボロッ

兎娘「ふ、ふはは...まあいい。既に計画は始まってる、ウサギが犬と猫を倒し、王者となる日が刻一刻と...」

兎娘「その時まで...精々平和に暮らすんだな..."幸運の女神"はウサギの手、いや足の中に...」


兎娘「ウササササササササ!!!!!ウササササササササササササ!!!!」


兎娘「...やっぱこの鳴き声じゃ駄目だな」

~~~~ 30分後 ~~~~


犬娘「...」ゴクリ


犬娘「と、とうとうこの時間がやってきたか。ちょっと緊張するな」

犬娘「う、うへへ...きっとみんな家の中で待ってるんだろうな。私が来た時の段取りとか決めて」

犬娘「...家に入る前に電話とかした方がいいかな?」


犬娘「いや!このまま行こう!何かそれだとサプライズがバレてるみたいに思われるかもしれないし」

犬娘「ふぅーっ...よし、深呼吸だ」


犬娘「いざ、出陣!」



ガチャ

シーーーーーン


犬娘「...あれ?」

犬娘「だ、誰も迎えに来ないぞ。おかしいな」キョロキョロ

犬娘「あっ!そっか!リビングで待ち伏せしてるんだな!よーし」ダッ


バンッ


犬娘「たっだいまあああああああああ!!!!!!」ドーン



猫娘「うっせぇニャ。夜くらい静かにしてろニャ」ゴロゴロ

幼女「ん、おかえり」



犬娘「...えっ」

犬娘「え?ちょっ...えっ?」


幼女「もうご飯出来てるからチンして食べてね」

猫娘「今日は魚ニャ。いらないなら私が貰うニャ」


犬娘「は?うん?ちょっと...」

犬娘「ご、ご主人様?今日が何の日か知ってる?」


幼女「今日?何かあったっけ?」



犬娘「」

犬娘「」




犬娘「」

犬娘「」パクパク



猫娘「幼女、私は先に風呂入ってくるニャ」スタスタ

幼女「じゃあ次は私ね。今日は犬が最後だから、ちゃんと床拭いといてね」



犬娘「」パクパク



猫娘「あーいい湯だったニャ」ホカホカ

幼女「食べ終わったなら自分の皿は自分で洗っといてね」



犬娘「」ゴシゴシ

犬娘「」ゴシゴシ


犬娘「」ポロポロ

幼女「ふぅ、スッキリしたっと」ホカホカ

幼女「空いたから入って来ていいよ。あ、リンス切れてたから今日はシャンプーだけで我慢してね。ついでに明日買ってきて」



犬娘「」チャプン

犬娘「」ブクブク


犬娘「」ポロポロ


ガラッ


犬娘「」ホカホカ



猫娘「幼女、このメロンはもう食べていいんじゃないかニャ?」

幼女「だーめ、あと1日で食べ頃なんだからそれまで待つの」

猫娘「ちぇっ...1日くらい違っても味は変わらないニャ」


犬娘「」

............................................................
.............................................


猫娘「さて、私は明日バイトがあるし早めに寝るとするニャ」スタスタ

幼女「私もそろそろ寝よっと。犬はまだ起きてるの?なら電気消しといてね」スタスタ


犬娘「」


犬娘「」


犬娘「」



ボーン ボーン ボーン



犬娘「」チラッ



『11/2 0:00』



犬娘「」

犬娘「」クラッ


犬娘「」バタッ

犬娘「...はっ!」バッ

犬娘「わ、私いつの間にか寝ちゃってたんだ...今何時だろ」キョロキョロ


『11/2 7:00』


犬娘「うっ...うぅぅ」ポロポロ

犬娘「うわああああああああああああああああああん!!!!!!誕生日過ぎてるううううううううううう!!!!!」シクシク

犬娘「くそがあああああああああああああああ!!!!!私の誕生日返してよおおおおおおおおおおお!!!!!!」



ガチャ



幼女「ハッピーバスデー!」

猫娘「トゥーユーニャ!」



犬娘「...へ?」ポカーン

幼女「誕生日おめでとう!ちょっと遅れちゃったけど...はいこれ、プレゼント!」

猫娘「ニャ!これは特製の巨大ジャンボケーキニャ!」


犬娘「う、うそ...こんなことが...」


幼女「私からのプレゼントの巨大ジャンボジャーキーだよ!」

猫娘「私はこの温泉ペア旅行のチケットをやるニャ!幼女と一緒にゆっくりしてこいニャ!」


犬娘「まるで夢みたい...ここは天国か...」


ガラッ



「「「「 犬!お誕生日おめでとぉーーーーー !!!!! 」」」」ドーン



犬娘「み、みんなありがとう!最高の誕生日だよ!!!!」

.........................................................
.............................................



犬娘「...ん」パチッ

犬娘「...」チラッ


『11/2 9:00』


犬娘「......」

犬娘「はぁ」





犬娘「夢オチかあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」





犬娘「いやそんな予感してたけどさぁ!ここまでストレートに来ると逆に怪しくてちょっと本物かと思っちゃったよ!」

犬娘「あああああんもおおおおおおおおおおおお!!!!期待させやがってえええええええええ!!!!!ちくしょおおおおおおおおおおお!!!!!」バタバタ


犬娘「...」ピタッ


犬娘「...お腹空いた。何か食べよ」スクッ

犬娘「何かないかな、作るのはめんどくさいからすぐ食べられるやつで」ガサゴソ

犬娘「...何もないな。品揃えの悪い冷蔵庫」バタン


犬娘「他は...む」キョロキョロ



メロン『』キラン



犬娘「あれは...ご主人様が食べるのを楽しみにしてた一玉10万円の夕張産高級メロン...」ゴクリ

犬娘「か、勝手に食べたら怒るだろうな...あれ貰った時は普段、クールなご主人様が狂喜乱舞してたくらいはしゃいでたし」

犬娘「...」


犬娘「ええい、んなもん知るかあああああああああああ!!!!!10万より私の心の傷の方が重いわあああああああああああ!!!!!!」サクッ

犬娘「んまああああああああい!さすが夕張産高級メロン一玉10万円!果肉がずっしり詰まっててジュシー!」モグモグ

犬娘「それでいてこの煌めく黄金の果汁!いくらすすっても飽きないぜえええええええええ!!!!」ズルズル



ダイオウグソクムシ「」モゾモゾ



犬娘「おっ!君はペットのダイオウグソクムシくん!どうしたの?食べたい?この夕張産高級メロン一玉10万円をォ!」

犬娘「ハッハッハッハ!遠慮はいらんよ!無礼講、無礼講!食いたまえ!」


ダイオウグソクムシ「♪」モグモグ


犬娘「んめえええええええええええ!夕張産高級メロン一玉10万円うめえええええええええええ!!!!」ムシャムシャ

ダイオウグソクムシ「」ゲフッ


犬娘「あー...食った食った。さすがに朝からメロン一個を丸ごと食べたらお腹に溜まるね」

犬娘「そういや今は朝の9時だったね。ご主人様は学校、猫ちゃんはバイトに行ったか」


犬娘「...」


犬娘「うぅっ...孤独だ。腹は満たされても心は満たされない...」シクシク

犬娘「なんでみんな忘れてるんだよぉ...悲しいよぉ、辛いよぉ...」シクシク


ダイオウグソクムシ「」ポンポン


犬娘「...ごめん、ダイオウグソクムシに慰められても余計みじめになる」

犬娘「くそおおおおおおお!!!!こんな家出てってやる!捨て犬になってやるぞおおおおおおおお!!!!」ダッ

犬娘「じゃあねグソくん!また会う日までさようなら!」


ダイオウグソクムシ「」フリフリ



バタンッ



犬娘「ああああああああああああああああああ!!!!!走るのって気持ちいいいいいいいいいい!!!!」ダダダッ

犬娘「そうだ!私は今、自由なんだ!何者にも縛られることがなくこの大空の下を走り回ってるんだ!」

犬娘「空よ!風よ!大地よ!海よ!私はあなた様の元に戻って来ました!生んでくれてありがとおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」



通行人(なんだこいつ...)

ザザー...ザザー...


犬娘「特にやることもないので海に来てしまった」

犬娘「秋の海っていいなぁ...夏と違って人がまったくいないし、波の音でここが都会だってことを忘れさせてくれるよ」

犬娘「はぁ...貝になりたい。貝になって波に運ばれながら、海という名の宇宙を渡り歩きたい」

犬娘「...」


犬娘「ご主人様のばっきゃろおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

犬娘「猫ちゃんのマヌケ!アホ!永遠の二番手!!!!犬の下位互換!!!!」

犬娘「あースッキリする!まるで海が私の相談相手になってくれてみたいだよ!もっと叫んでストレス解消しよ」



ヤッホオオオオオオオオオオオ!!!!!!!




鮫娘「しゃ、しゃーく...なんだあの人...」ザパッ

..........................................................
.............................................


犬娘「...もう日が暮れて、暗くなってきたな」

犬娘「今頃はご主人様も家に帰ってきて、晩ご飯の準備してるんだろうなぁ...」


グゥー


犬娘「...お腹空いた」

犬娘「どうせ家出するなら財布と携帯持ってくればよかった...外も冷えてきたし、ちょっと寒い」ブルッ


犬娘「...」


犬娘「帰ろ...」フラッ

犬娘「やっぱり私はご主人様の飼い犬になってるのが一番いいや。今回のことは忘れよう...人間生きていれば一つくらい、大切なことをうっかり忘れても仕方ないよね」

犬娘「...でも」


犬娘「お祝いしてもらいたかったなぁ...誕生日...」ポロッ

フラフラ フラフラ


犬娘「た、ただいまぁ...」ガチャ



ッパーン!!! パーン!!!



幼女「た、誕生日!」

猫娘「お、おめでとうニャ」



パラパラッ...パラパラッ...






犬娘「...え?」





犬娘「な、なにこれ?また夢見てるの?」ゴシゴシ


猫娘「何言ってるニャ、ちゃんと現実ニャ」

幼女「ほ、ほらこれ!誕生日のケーキ」


ケーキ『』ドーン


犬娘「!?」ビクッ

犬娘「えぇっ!?マジっ!?私の誕生日って昨日なのにっ!?」


猫娘「じ、実は昨日は一昨日のハロウィンパーティーの疲れが溜まってると思って、わざと忘れてフリをしてたんだニャ」

幼女「そ、そうそう...せっかくの誕生日にそんな思いさせたくなかったからね。ドッキリさせようと思って今日に誕生会をやることにしてたんだ」


犬娘「そ、そうだったんだ...なら言ってくれれば良かったのにぃ...」ウルウル

幼女(や、やばい...泣いてるよ。やっぱり忘れてたこと気にしてたんだ)

猫娘(あ、危なかったニャ...私が偶然、兎から昨日が犬の誕生日だってことを聞かニャかったら...またこいつが暴れそうになってたニャ)

幼女(しかし犬の誕生日はワン、ワンワンの1月11日だと思い込んでたけど、11月1日だったのか...微妙に紛らわしいよ)

猫娘(私はてっきり11月11日だと思ってたニャ...猫の日と違って犬の日はそれっぽいのが複数あるから分かりにくいニャ)

幼女(犬が家にいなくて助かったよ...急いでケーキ買ってきて、ご馳走作ったからね)


幼女「ほ、ほら!早く上がりなよ。犬の好きなお肉がいっぱいあるからさ」

猫娘「それともいらないのかニャ?」


犬娘「ううん!食べる!」ダッ

犬娘「うわぁ...美味しそう!これ全部食べていいの!?」


幼女「うん、どうぞ召し上がれ」

猫娘「私達の分も残しとけニャ」


犬娘「やったー!いっただっきまーす!」



幼女「な、何とか間に合ったね」ボソッ

猫娘「ほんとニャ...そもそも誕生日なら昨日言っとけニャ」

幼女「一時はどうなることかと思ったよ、キレてまた家を壊されたら洒落にならないからね...」

猫娘「あいつは一度暴れると手が付けられないからニャ...まさに狂犬ニャ」


犬娘「あっ!そうだ!プレゼントは!?誕生日のプレゼント!」

幼女「えっ...」

猫娘「プ、プレゼントかニャ?」


犬娘「うん!誕生日って言ったらプレゼントでしょ!」


幼女「ど、どうする?プレゼントなんて用意してる暇なかったんだけど...」ボソッ

猫娘「でもこれでプレゼントがないと分かったら台無しニャ...確実に空気が悪くなるニャ」


ゴニョゴニョ ゴニョゴニョ


犬娘「ん?二人ともどしたの?」



猫娘「プ、プレゼントは...」

幼女「わ、私でーす!な、なんて...」

犬娘「...」


幼女(や、やっぱりダメか)


犬娘「...えっ?本当にご主人様がプレゼントなの?」

幼女「う、うん...私を一日自由に出来る権...な、なんちゃって」


犬娘「...何でもしていいの?」

幼女「...私が嫌がらないことなら」


犬娘「...」


犬娘「うっひょおおおおおおおお!やっりぃー♪最高のプレゼントだよ!」

犬娘「ぐへへ...何しよっかな!お風呂入って一緒の布団で寝て...それからは...」ゴクリ


幼女「ちょ、ちょっと!?何か危ない予感がするんだけど!」

猫娘「諦めろニャ、これしか道はないニャ」

犬娘「うひひひひ...ご主人様...」ジュルリ


幼女「」ゾクッ

幼女「そ、そうだ!せっかく誕生日なんだから、あの貰ったメロンみんなで食べよっか!ちょうど食べ頃だし」


犬娘(ん?メロン...?)


幼女「えーっと...確かメロンはここに置いて...ん?あれないぞ?」ガサゴソ

幼女「ねぇ、誰かどこかに置いた?」


猫娘「私は知らんニャ」

犬娘「...」


幼女「おかしいなぁ~...確かに今朝はあったのに」


犬娘「あ、あの...ご主人様。そのメロンさ...」

犬娘「わ、私が食べちゃったんだよね」

幼女「...は?」ブチッ


犬娘「誕生日が忘れられたと思ってイライラしてさ!本当にごめん!」

犬娘「で、でも許してくれるよね!あのメロンも誕生日プレゼントみたいなもんだし!」



幼女「メロン...私が楽しみにしてたメロンを...食べた?」ブツブツ



犬娘「うん!美味しかったよ!さすが夕張産高級メロン一玉10万円、安物とは味が違ったね!」

犬娘「あ、でも安心して?私だけで独り占めしたわけじゃないからね、グソくんも一緒に食べたし」


ダイオウグソクムシ「」ビクッ

幼女「...」

幼女「...」スタスタ


犬娘「あれ?ご主人様どうしたの?」

猫娘(や、やべえニャ...幼女の入っちゃいけないスイッチがオンになったニャ...)



幼女「...」ガサゴソ

幼女「...」ドサッ


幼女「...」キュッキュッ



犬娘「なにあれ...?段ボールに何か書いてる?」



幼女「...」ズルズル


『メスです かわいがってください』


幼女「入れ」

犬娘「は、入れって...ご主人様、それ段ボールだよ?」


幼女「入れ」ギロッ


犬娘「」ビクッ

犬娘「は、はい...」スッ


幼女「」ズルズル

幼女「」グイッ


ガチャ


ポイッ



犬娘「えっ、ご主人様...?」ポツーン



バタンッ

娘「ちょっ...ご主人様!ここ外だよ!?中に入れてよ!」ドンドン




猫娘「い、いいのかニャ?家から追い出して」

幼女「いいの、どうせもう誕生日は終わってるんだし。特別扱いする必要ないよ」

幼女「さっ、ご飯の続き食べよ」スタスタ




犬娘「ご、ご主人様あああああああああああああ!?開けてよおおおおおおおおおお!暗いよ、怖いよ、寒いよおおおおおおおおおおお!!!!!」ドンドン

犬娘「メロン食べてごめんなさいいいいいいいいいい!どうか捨てないでええええええええ!!!!」






おわり

おわりです
今日中にギリギリ投下出来てよかったです

可愛い!乙でした!

可愛いなぁ。最高だにゃあ

近所迷惑甚だしいな

飼い主と猫が糞すぎる犬も乱暴だし
やっぱり兎が一番ぴょん
おつ

久しぶりだな、乙

猫娘「にゃーん...」幼女「捨て猫...?」
の次でいいの? 知らん間に何か書いてる?

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