弟「は?鎖骨骨折で全身麻酔の手術?」 (5)

今日は弟のサッカーの試合の日だな。親が両方死んで今は大学生の兄と一緒に暮らしているな。

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弟「兄貴。準備できたから送ってくれ。」

兄「いいよ。ついでにお前の試合を観戦でもしようかな。」

弟「やめろよ。そもそも俺、スタメンで出れるかわかんねえよ?」

そんなことを話しながら弟と兄は兄の車に乗り込んだな。

クルマでだいたい15分ぐらい行ったところに弟の中学があるな。そこのグランドが今日の試合会場になっているな。

弟は途中でセブンに寄ってもらってメロンパンを買ったな。1試合終えた時にこれを食うのが弟のお気に入りだな。

弟「じゃあ、頑張るな。」

兄「おう。頑張れ。応援してるぜ」

弟はグランドに走って行ったな。それからだいたい1時間ほどしてグランドのピッチ作成が終わってアップが始まったな。そのくらいの時間になってから他のチームもぞろぞろとグランドに入ってくるな。

それでまた30分ほど経って試合開始の笛がなったな。弟はスタメンに選ばれてグランドに入り、兄はそれをニコニコしながら見送ったな。


弟「いってぇ。」

前半の初めに弟はペナルティーエリアで派手に転ばされたな。もちろんPKのチャンスだな。

友「弟ナイス!お前蹴れよ!」

友だけじゃなくて他の奴も監督も弟が蹴れ。と指示してきたな。

弟「入るかわかんねえけど、とりあえず蹴るか。」

助走をつけたな。

弟「とりゃっ!」

ボールはクロスバーの上を飛んで行ったな。

弟「はぁ…」

友「弟!気にすんなよ!PKのチャンス作ってくれただけマシだぜ!」

友は超いい奴だな。弟は男ながら惚れそうになったな。

弟「悪りぃ。ありがとう」

試合の続きか始まるな。相手のゴールキックをボランチのやつがカットして、そのままトップの弟の方へ裏に抜けるパスが飛んできたな。

弟「ナイスボール!」

弟がボールに向かって走り出したその瞬間に、弟の後ろの相手選手が2人のしかかってきたな。

弟「いってぇぇ!!」

相手1「わ、悪りい!大丈夫か?」

相手2「立てるか?」

すぐ謝ってくれて、弟は伸びて来る手を掴んで起き上がったな。だけど、右の肩らへんが経験したことのないような、痛みを持ってたな。

弟「いてぇ…脱臼かな?」

友「弟!大丈夫か?一回外でようぜ。」

主審と友に連れられて弟は外に出たな。

弟「いてぇ、いてぇ、いてぇ。」

あまりの痛さに何も考えられなくなったな。すぐ監督と保護者会の会長。そして兄が走ってきた。

監督「どんな感じだ?肩か?」

弟「わかんねえっす。とにかく痛えっす。」

監督「すまん。ちょっとさわるぞ。」

監督は弟の鎖骨を触ってきたな。

監督「鎖骨真ん中ぐらいから下に沈んでるな。多分折れてるぞ。」

それを聞いた弟は泣きそうになったな。

会長「ちょっと周辺の病院に連れてかないとまずいかしらねぇ…」

兄「それなら俺送りますよ。」

会長と兄が車に横になる形で乗せてくれたな。途中で友や他の仲間が心配そうに見てるのがわかったな。



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