軽巡ハロウィン (41)



天龍型から夕張型まで。

軽巡洋艦実装分。工作艦もいます。



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【 天龍型 】


グミ、チョコ、キャンディ、ビスケット。
煎餅、キャラメル、かりんとう。

個包装の菓子を小分けして、ハロウィン仕様の袋に詰める。
カラフルなリボンで綺麗に結んで出来上がり。



龍田「天龍ちゃん何やってるの~」

天龍「おお龍田、いいところに!」

龍田「お菓子の詰め合わせ?」

天龍「明日はチビ達がわんさか来るだろうからなー」

龍田「こんなにたくさん」

天龍「足りなくなると大変だからな」

龍田「駆逐艦の子達、全員分作るの~」

天龍「いつも怖い思いをさせてるからな、たまには優しくしてやらなきゃな」

龍田「……」(天龍ちゃんはいつも優しいわよ)


龍田「わざわざ小分けしないで、袋から直接渡せばいいんじゃない?」

天龍「ばっきゃろー!そんなの味気ないだろ?」

龍田「でも、こんなに作るの大変よ~」

天龍「そうなんだよ、このリボンを結ぶのが意外と難しくてな」

龍田「あらあら」

天龍「頼む龍田!ちょっと手伝ってくれ」

龍田「え~、どうしようかな~」

天龍「頼む!オレだけじゃ全然間に合わない」

龍田「仕方ないな~」キュッキュッ

天龍「うお?メチャクチャ上手いな!」

龍田「これくらい普通よ~、天龍ちゃんが不器用過ぎなの」

天龍「うっ、くっ」

龍田「ほらほら、手が止まっているわよ」

天龍「お、おう!よーし、一気に作るぜ!」






雷「天龍ー!遊びに来たわよー」ドアガチャバターン!

電「はわわっ!お菓子がたくさんなのです」

天龍「うおおっ!?お前ら、何でいきなり」

天龍「ヤバイ!龍田、隠せ隠せ!」

龍田「こんなにあるんだから無理よ~」

暁「べ、別にお菓子なんか興味ないんだからねっ」

響「キスチョコ、嫌いじゃない」

天龍「あー、ダメダメ。これは明日の分だ、我慢しろ」

電「はわっ、はわわわ」チラッチラッ

暁「だ、だから別に欲しがってなんかないんだから」チラチラ

雷「そうよそうよ、子供じゃないんだから」チラチラチラッ

響「チョコビス、嫌いじゃない」ジーッ

天龍「はあ……お前ら」

龍田「うふふ」


天龍「ほら、ちょっとだけな。みんなには内緒だぞ」

電「い、いいのですか?」

暁「そ、そこまで言うなら仕方ないわね」

雷「私チョコビスー!」

天龍「こらこら、ちゃんとお礼を言わなきゃダメだかんな!」

電「天龍ちゃんありがとうなのです」

響「天龍スパスィーバ」

雷「天龍ありがとう!」

暁「あ、あの、えっと……」モジモジ

響「暁」

雷「暁」

電「暁ちゃん……」

暁「……あの、ありがとう」ゴニョゴニョ

電「暁ちゃん!」パアアッ!

暁「お、お礼くらいちゃんと言えるし!」

天龍「よーし偉いぞ暁!ほら、特別にでっかいのやる」

暁「も、もうっ!頭クシャクシャしないでよ」



【 球磨型 】


球磨「座敷わらしクマ」

多摩「猫娘にゃ」

北上「お菊さんだよー」イチマイ タリナーイ

大井「お岩さんです」ウラメシヤー

木曾「俺もやるのか?」

大井「当たり前でしょ?ハイこれ、衣装」つ ドレス

木曾「何で俺だけ洋風なんだよ!?」

北上「あ、ちなみにシンデレラね」

木曾「お化けですらねぇ!」

球磨「末っ子の特権クマ」

多摩「黙って着るにゃ」

北上「ほらほら、早く着ちゃいなよー」

木曾「ふざけんなよ!何だよこのフリフリは?」

大井「何よ、もっとセクシーなのが良かったの?」

球磨「それじゃ、写真を撮るクマ」

木曾「よせ馬鹿、写真は止めろ!」

多摩「もっと笑うにゃ」

木曾「だからよせ!ああもう、引っ付くなって!」キソー



【 工作艦 】


提督「お疲れさん」

明石「あっ、提督!お疲れ様です」

提督「お菓子の手配はどうなっているかな」

明石「もう倉庫に搬入されています。執務室に運びましょうか?」

提督「いや、明日にしてもらえるかな」

提督「まだ駆逐艦も起きている時間だし、なるべく内緒にしたい」

明石「それでは明朝にお持ちしますね」

提督「済まない。助かるよ」


提督「明石は明日どうするんだ」

明石「明日は酒保(売店)に張り付きですね」

明石「去年もですけど、意外に当日購入する方が多いんです」

明石「お菓子の他にも衣装や小道具とか……まあ、予定通りにはいかないものです」

提督「せっかくの祭事なのに裏方とは気の毒だな」

明石「いえいえ」

提督「ふむ……明石、これから何か予定はあるか?」

明石「えっ?えーっと、作業も終わったんで、後はご飯を食べて寝るだけです」

提督「そうか。よし、飯に行くぞ。ご馳走してやる」

明石「えっ」

提督「頑張っている娘には何かしてやらんとな。何か食べたいものはあるか」

明石「え、ええー?」

提督「そうだな、せっかくだし少し気の利いた店にしてみるか」

明石「そ、そんな急に言われても、あの」

提督「遠慮するな。接待に使ういい店があるんだ、旨いぞ」

明石「わっ、私、今仕事終わったばかりでこんな恰好だし」

提督「ああ、そうだな。それじゃあ支度が済んだら呼んでくれ」

提督「俺は店の予約をしておこう」

明石「は、はううっ……」

提督「それじゃあ、また後でな」


明石「二人っきりでお出掛け……お洒落なお店でディナー……」

明石「こ、これって、デート?」

明石「え、ええええーっ? ///」

明石「もう、提督の馬鹿馬鹿っ!どうして急に言うのよ」

明石「あああ、どうしようどうしよう」

明石「こっちの可愛い服の方が……いや、やっぱりこのシックな方が」

明石「靴!どうしよう、こないだ履いてからそのまま」

明石「し、下着は一応新しいのを下して…… ///」

明石「いやいや馬鹿馬鹿、そんな事なんてある訳ないない ///」

明石「髪もネイルも今からじゃ全然間に合わない」

明石「あーっ、もうっ!提督の馬鹿馬鹿ー!」



【 大淀型 】


提督「さあ、いよいよハロウィンだな」

大淀「駆逐艦の子達も、朝からみんなソワソワしています」

提督「お菓子も沢山用意したし、準備万端だよ」

大淀「それにしてもすごい数ですね。種類も色々ですし」

提督「駆逐艦全員分だからな。運ぶのも大変だったよ」

大淀「これだけあれば、悪戯されませんね」クスクス

提督「おっ、そろそろ誰か来そうかな」

大淀「可愛いお化け、楽しみですね」ウフフ


赤城「ハッピー・ハロウィン!」ドアガチャバタン

加賀「お菓子を貰えると聞いて」ドアガチャバタン

提督「」

大淀「」

赤城「トリック・オア・トリート!」

加賀「さすがに気分が高揚します」

提督「えーっと……」

大淀「ハロウィンなんだから、仮装をしてない人は駄目です」

提督「というか、大人は駄目」

赤城「……」

加賀「……」

赤城「ぷっぷくぷぅ~」プクー

大淀「顔芸しても駄目です」

加賀「ビッグセブン!ビッグセブン!」

提督「モノマネしても駄目。しかも似てねぇ!」



【 阿賀野型 】


阿賀野「きらり~ん☆ハッピーハロウィーン!」

能代「そういえば酒匂は今年が初めてだったわね」

酒匂「思ったより本格的なんだね」

阿賀野「ウチのハロウィンは凄いわよぉ。毎回大賑わいなんだから」

酒匂「あんまりはしゃいで怒られないかな」

能代「大丈夫よ。むしろ提督が率先して動いているわ」

矢矧「お祭り好きが揃っているからな」

能代「仕事は仕事、遊びは遊び!要するにメリハリよ」

阿賀野「衣装も用意したわ。結構高かったんだからぁ」サッ

矢矧「これは……水着じゃないか」

能代「ハロウィン関係ないじゃない」

阿賀野「サキュバスっていう外国のお化けだよ。関係ないどころかドンピシャよ!」

矢矧「こんなのでお化けとは、外国人は馬鹿ばかりだな」


能代「ちょっと!?これ、透けてるわよ」

矢矧「おい、こっちなんて紐だぞ?」

酒匂「こ、こんなの島風ちゃんだよ~」

阿賀野「大丈夫よこれくらい。堂々としてたらいいから」

阿賀野「こういうのはねぇ、中途半端が一番駄目なの」

阿賀野「変に恥ずかしがってると逆にみっともないんだから」

矢矧「い、いや、しかしだな」

酒匂「ひゃ~!あたし矢矧ちゃんみたいにスタイルよくないし」

阿賀野「酒匂は可愛いから大丈夫☆」

阿賀野「むしろそれくらい慎ましい方が一部の層からは人気なのよ」

酒匂「ぴゃ!そ、そうなの?」

阿賀野「人気者になれるわよ~」

酒匂「ぴゃーあ!酒匂頑張る~!」


矢矧「わ、私は嫌だぞ、こんなのは破廉恥だ」

阿賀野「酒匂の為、酒匂の為」ヒソヒソ

矢矧「む」

阿賀野「あの子、この鎮守府に全然馴染めてないわ」

阿賀野「個性的な面々に埋もれて、気付いてさえもらえてない」

阿賀野「着任以来、酒匂が私達以外の艦娘と話してるのを見た事ある?」

矢矧「そ、それは……」

阿賀野「先の大戦の時だってそう。あの子は結局、ずっとひとりぼっちのままだった」

阿賀野「どこかで何かを変えないと、いつまで経ってもこのままよ」

能代「……」

阿賀野「いい?私達がきっかけを作ってあげるの」

阿賀野「馬鹿やって派手に騒げば、話のタネにはなる筈よ」

阿賀野「笑われてもいい、馬鹿にされてもいい」

阿賀野「あの子がみんなと笑い合えるようになるなら、私は全裸でだって歩くわよ」

矢矧「阿賀野姉……」

能代「やれやれ、仕方ないかな」

阿賀野「よーし、行くわよ!最新鋭軽巡阿賀野型、全艦ド派手に出撃よ!」



那珂「あ、あわわ……」



【 川内型 】


那珂「うわああーん!」

川内「那珂?どうしたの」

那珂「大変だよ!大変なんだよ!」

那珂「阿賀野ちゃん達が大変なんだよ!」

那珂「すごい衣装で目立とうとしているよ」

那珂「このままじゃ那珂ちゃん負けちゃうよ!目立てないよ!」

川内「別にいいじゃん」

神通「二番じゃ駄目なんですか」

那珂「遊びじゃないんだよっ!」バンッ!

川内「!」ビクッ

那珂「アイドルなんだよ?一番キラキラして、一番目立たなきゃ駄目なんだよ!」


那珂「那珂ちゃんアイドルだけど、お仕事もちゃんとやってるよ!」

那珂「遠征も哨戒も一所懸命やってるよ!手を抜いた事なんて一度もない!」

那珂「みんなが遊んでいる時も、みんなが休んでいる時も、ずっとレッスン頑張ってる!」

那珂「バックダンサー(駆逐艦)の子達だって、厳しい練習を耐えてきてるんだから!」

那珂「那珂ちゃんアイドルだよ!それなのに普通の娘に負けてちゃ、みんなに顔向け出来ないよ!」ポロポロ

神通「那珂ちゃん……」

川内「神通」チラ

神通「……仕方ありません。でも今回だけですよ」

那珂「神通ちゃん!」パアアァッ!


川内「それで、私達は何をすればいいの」

那珂「うん、この衣装を着て一緒にステージに出て欲しいの」

神通「え?それだけですか」

那珂「歌やダンスは那珂ちゃん達の方が上手いから、衣装さえ同じなら絶対勝てるよ!」

川内「えっと、でも私達は歌ったりは出来ないよ」

那珂「二人は那珂ちゃん達の近くで手を振ってくれてたらいいよ、笑顔でね」

神通「それくらいなら……まあ」

那珂「ありがとー!それじゃあ、はい、これ衣装」サッ

神通「急なのによく準備出来ましたね」

那珂「うん、買ってきた」

神通「お金はどうしたんですか」

那珂「那珂ちゃんの定期を解約したよ」

神通「なっ……!?」


那珂「怒らないでね。お金はまた貯めればいいんだよ」

那珂「でもね、今日のステージは今日しかないんだよ」

那珂「この日を楽しみにしてくれてる人が、いっぱいいるんだ」

那珂「もしかしたら、今日初めて観に来た人もいるかもしれない」

那珂「もしかしたら、今日が最後に観たステージになる人もいるかもしれない」

那珂「たくさんの人が、いろんな思いで集まって来てくれてるんだよ」

那珂「だからね、いつだってアイドルは輝いてなきゃいけないんだ」

那珂「たった一度の今日が特別な一日になるように、いつだって頑張らなきゃ駄目なんだよ」

那珂「ワガママ言ってゴメンね。でも協力してくれて良かった。本当にありがとう」

川内「那珂……」

那珂「じゃあ、那珂ちゃんもう行くね!二人とも着替えたらすぐに来て。みんな待ってるからね」



川内「……ふざけてるように見えてたけど」

神通「はい」

川内「いつの間にか立派になっていたね」

神通「私達の妹ですから」

川内「うん」

神通「自慢の……妹です」

川内「……うん」


川内「よっし、それじゃあ早速着替えようか。みんな待ってるみたいだし」

神通「サイズが合えばいいんですが……」

川内「そういや何の衣装だっけ?サキューバとかスキューバとか言ってたけど」ガサゴソ



つ [ マ イ ク ロ ビ キ ニ ] 

つ [ 透 け 透 け ワ ン ピ ー ス ]


川内「」

神通「」




【 長良型 】


長良型の仮装は定番のジャック・オー・ランタン。
大きく立派なカボチャの仮面で揃い踏み。



五十鈴「普通ね」

長良「普通だね」

五十鈴「ホント普通」

長良「こんなのでいいのかな」

名取「いや、でも定番だし」

五十鈴「これじゃ全然目立てないわよ」

名取「別に無理に目立たなくても」

五十鈴「でもせっかくのお祭りなのにね」

長良「それじゃあみんなでバク転でもする?」

五十鈴「出来ないわよ」

長良「なら衣装を変えるとか?阿賀野さんが着てたのとか」

五十鈴「絶対無理!あんなの通報されるわよ」

名取「ま、まあ普通でいいよ」


名取「……あ、あれ?」

五十鈴「何よ」

名取「どうしよ、名取のカボチャがない」

長良「えーっ?もうパレード始まるよ」

五十鈴「バカね、何やってんのよ」

長良「あんな大きなものが無くなる筈ないんだけど」

五十鈴「誰かが間違えて持って行ったとか」

名取「う、ううん、もう一回探してくるね」



◇◇◇


利根「大きなカボチャを手に入れたのじゃ」

利根「これを被ってお化けに変身するのじゃ」カポ

利根「うむ、これなら吾輩と気付くまい」

利根「これで筑摩をびっくりさせるのじゃー」クシシ





利根「筑摩」

利根「トリック・オア・トリートなのじゃ!」ババーン!

利根「フフ怖なのじゃ、フフ怖なのじゃ」

利根「悪戯されたくなかったら、お菓子を渡すのじゃ」

利根「む、これは吾輩大好物のチョコパイではないか」ペカー

利根「やった、やった、チョコパイなのじゃ」ピョンピョン

利根「ん?二つもいらないのだ。ひとつは筑摩が食べるとよいぞ」

利根「それでは吾輩は帰るのじゃ、お菓子ありがとうなのじゃ」





利根「くふふ…やったのじゃ。チョコパイが手に入ったぞ」

利根「筑摩の奴、全然吾輩だと気付いておらぬ」カポ

利根「愉快、愉快。まさかお化けの正体が吾輩だとは思うまい」

利根「よし、カボチャはここに仕舞って、筑摩の所に戻るのじゃ」タタター






利根「筑摩よ、どうしたのじゃ」シレッ

利根「何と、カボチャのお化けが現れたとな?」

利根「むむ、吾輩の居ない隙を狙うとは、お化けの奴め」

利根「筑摩は大丈夫だったか?悪戯なぞされてはおらぬか」

利根「ふむ?お菓子を渡したら帰っていったとな」

利根「今度来たらすぐに吾輩を呼ぶといいぞ、お化けなんかやっつけてやるからな」





利根「ん、チョコパイ?こ、これは、その、さっき拾ったのじゃ」

利根「何、没収?拾った物は食べちゃ駄目?」

利根「ま、間違えた!これは貰ったんじゃった、さっき知らない人がくれたのだ!」

利根「何、没収?知らない人から物を貰っては駄目?」

利根「う、あの、その、違うのじゃ、このチョコパイは大丈夫なのだ」

利根「お、思い出した!ホントはお化けが落していったのだ!」

利根「悪そうなお化けだったのだ、きっと悪戯して手に入れたお菓子なのじゃ」

利根「そう!そうなのじゃ!だから食べても大丈夫なのじゃ」





利根「よし、それじゃあチョコパイを食べるかの」

利根「半分あげるから、筑摩も一緒に食べるのじゃ」

利根「知っておるか?これはとっても甘くて美味しいのじゃぞ」

利根「楽しくて美味しくて、今日はとってもいい日じゃの」

利根「まさしくハッピーハロウィンじゃ」ニコーッ



◇◇◇


阿武隈「クッキー焼いてきたよ」

由良「いい匂い」

鬼怒「どうしたのそれ」

阿武隈「駆逐艦の子達が欲しがるから」

鬼怒「それでわざわざ?ホント世話焼きだね」

由良「あー、でもパレード始まるから待ってる時間ないよ」

阿武隈「うん、ちょっと行って渡してくるね」

鬼怒「全員分じゃないよね」

阿武隈「そんなには流石にちょっと……」

鬼怒「それなら間に合いそうだね」

阿武隈「うん、急いで行ってくる」






由良「……帰ってこないね」

鬼怒「あ、愛宕さん」

鬼怒「阿武隈を見ませんでした?」

愛宕「阿武隈ちゃんなら、あそこで揉みくちゃになってたわよ」

鬼怒「えーっ?」






阿武隈「……」チーン



由良「うわー……」

鬼怒「ボロ雑巾みたいだね」

由良「ほら、大丈夫?立てる?」

阿武隈「う、うん……」ヨロヨロ

鬼怒「お菓子持って駆逐艦の所なんて行くからだよ」

阿武隈「全員分はないから早い者勝ちだよ、って言ったら殺到しちゃって……」

由良「そりゃこうなるよね」

鬼怒「芋を持って猿山にダイブするようなもんだよ」

阿武隈「順番に並んでねって言ったのに、言ったのに……」グスグス

鬼怒「でもまあ、喜んでくれたんでしょ?」

阿武隈「うん、多分」

鬼怒「多分て」

阿武隈「しっちゃかめっちゃかで、よく分かんないや……」

鬼怒「どれだけ人気者なのさ……」



【 夕張型 】


陰になり日向になりして姉妹を守る、秋月型のマスコット。
可愛い姿とは裏腹に、大和も認めた強力兵器。
長10cm砲ちゃんと人は呼ぶ。



夕張「改造してくれ?」

夕張「あなた達もハロウィンに行きたいの?」

夕張「よーし、それなら本格的にやるわよー!」


  カーン! カーン! カーン! カンカンカーン!


夕張「完成ー!長10cm砲改二ハロウィン仕様よ!」

夕張「小道具もミニチュアで用意したわ。お祭り楽しんできてねー」






提督「やあ、キミ達もか。今日は本当に賑やかだね。はい、お菓子だよ」

長門「む、何だ?お菓子が欲しいのか。よし、少し待っていろ」

陸奥「あらあら可愛いお化けさん達ね。はい、お菓子をどうぞ」

大和「きゃーっ、可愛い!お菓子?はいはい、たくさんありますよ~」

日向「ほう、なにやら愉快な恰好だな。どれ、餅をやろう」

榛名「お菓子ですね、はいどうぞ。イタズラは駄目ですよ~」



◇◇◇


照月「お祭り楽しそうだね」

長月「みんな華やかな衣装だよ」

秋月「ゴメンね。着任したばかりでお金がないの」

長月「秋月姉さんのせいじゃないよ、贅沢は敵だよ」

照月「貯蓄は大切だもんね、我慢するわ」

長月「でも……お菓子食べたいなぁ……」

照月「衣装がないからパレードは無理でも、お菓子だけ貰えないかな」

秋月「駄目よ。それは駄目」

秋月「みんな楽しんでいるんだから、普段着なんかで行っちゃ駄目」

秋月「お祭りの雰囲気に水を差すわ」

長月「仮装してない人はお菓子を貰えないんだって。赤城さん泣いてた」

照月「いや、赤城さんは大人だからなんじゃ……」

秋月「普段着でお菓子をねだるなんて、それはお祭りじゃなくて物乞いよ」

長月「う、うん……そうだね」


   ドアガチャバターン!!


秋月「長10cm砲ちゃん?どうしたの、その恰好」

長月「うわ、すごいよ!お菓子がこんなに」

照月「こっちも!こっちの袋も全部お菓子よ!」

秋月「あ、あなた達、まさか悪い事を……」ヘナヘナ



照月「トリック・オア・トリート!?」

秋月「夕張さんにお願いした?」

照月「すごーい!キャラメルにチョコレートも!マシュマロまである」

長月「僕知ってる!これポッキーっていうんだよ、TVで観た事あるもん」

秋月「こ、これは……全部あなた達がしてくれたの……?」

秋月「うん……うん、そうね。……ありがとう」

秋月「それじゃあ、みんなで食べましょう」

長月「僕、お茶淹れてくるね」

照月「すごいわ、本当にお祭りね」


長月「美味しい、美味しい。甘い」

照月「こんなに美味しいの初めて食べたわ」

秋月「たくさんお仕事頑張って、来年はみんなで行きましょう」

秋月「衣装だって買って、パレードもステージも楽しみましょう」

長月「僕も頑張るよ!」

照月「照月MVP取るから」

秋月「ええ、みんなで頑張りましょう」

秋月「うふふ、そうね、あなた達も一緒にね」ナデナデ

長月「お菓子もう一個食べていいかな」

照月「こっちのビスケットも美味しいわよ」

秋月「ほらほら、二人ともこぼしちゃダメよ」




長月「姉さん、ハロウィン、楽しいね!」



おしまい。

長月って書いてるの初月だよね、たぶん

>>33

…初月です。申し訳ない。

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