五河志織「精霊……?」 (22)

デート・ア・ライブのSS、性転換注意。五河志織たんがかわいすぎて作った。
普段は台詞調ですが、戦闘シーンは地の文が発生します。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1375546771

琴里♂「お姉ちゃーん!起きろー!」
志織「……ん」

 元気な声。激しく揺れるベッド。
 時刻は午前5時50分、普段ならあと10分は寝れる。

志織「私のかわいい琴里よ……」
琴里「なーに?僕のかわいいお姉ちゃん?」
志織「オトートノカタキヲトルノデス……ガクッ」
琴里「寝るなー!」

 どすどすと琴里はベッドの上を跳ね、がくがくと志織の体が揺すられる。

志織「うぅ……ベッドから降りて……酔いそう」
琴里「お腹すいたー!メシー!」
志織「うっ……ぐっ!」

志織「ぐあああああ!」

 志織は頭まで布団を被り、苦しみの声を上げた。 

琴里「お姉ちゃん!?」
志織「うぅっ……このままじゃ……お姉ちゃんは見境なしに、琴里をくすぐってしまう……」
琴里「まさかお姉ちゃん、Tウィルスに感染して……」
志織「そうなの……琴里、お姉ちゃんの事は良いから逃げて……」
琴里「お姉ちゃんを放っておけるわけないよ!僕、今すぐ血清を探してくるから!」

志織「……ふぅ」

*

 それから10分。

志織「何があった……の?」
琴里「お姉ちゃん大丈夫だからね!すぐに血清を見つけるから!」

 見るも無残に散らかった台所。

志織「……せっかく掃除したのに」グスッ

琴里「お姉ちゃんもう大丈夫なの!?」
志織「……大丈夫ダヨー」
琴里「本当!?」
志織「オレサマオマエマルカジリ……じゃなくて、ワタシ コトリ トモダチ」
琴里「よかったー」

志織「ソウダヨー、だから朝ご飯ができるまで大人しくしててね」
琴里「はーい」

テレビ『今日未明、天宮市付近で空間震が発生。付近の住人に避難を呼びかけるとともに……』

志織「……最近多いよね」カチャカチャ
琴里「んー」
志織「去年くらいかな、天宮市で増えたの」
琴里「そーだな……予定よりちょっと早いな」ボソッ
志織「早いって、何が?」
琴里「そんなことより早くメシー」

志織「はいはい……あ、こらっ!ご飯の直前に飴舐めない!」ジューッ
琴里「ゴリュゴリュガリガリバリバリ!」
志織「噛み砕くのも駄目!まったく……ちゃんとご飯食べるんだよ?」
琴里「へへっ、お姉ちゃん大好きー」
志織「よく言うわ。じゃ、ご飯にしよ」
琴里「メシー!」

志織「今日は中学校も始業式だよね、お昼ご飯何かリクエストある?」
琴里「ラーメン○郎!」
志織「お姉ちゃんそんな不健康な物認めません」
琴里「えー!食いてー!食いてー!」
志織「絶対にダメです!」
琴里「じゃあ、デラックスキッズプレ-ト……」

志織「まぁ……それなら、じゃあ昼は久しぶりにファミレス行こうか」
琴里「よっしゃー!絶対だぞ!地震が起きても火事が起きても、フォミレスがテロリストに占拠されても……空間震が起きても!絶対だぞ!約束だぞ!」
志織「はいはい」

志織「(甘やかしすぎたかなー……まぁいいか。子供らしくいられるのは今だけだし)」

*

2-4

ヒョコッ
志織「(新しいクラスか……うぅ、知らない人ばっかだ)」

折紙♂「五河志織……」
志織「ひゃっ!」
折紙「……」
志織「え……わ、私?」
折紙「……」コクッ

志織「えっと……(この人誰?私の名前知ってるみたいだけど……)」
折紙「覚えてないのか?」
志織「……うん」
折紙「そうか……」スタスタ……

宏人♀(以下宏子)「しっおっりぃー!」ガバァッ!
志織「きゃぁっ!?」
宏子「元気そうね、セクシービースト志織!」
志織「宏子……後ろから急に抱き着くのびびるよ……」
宏子「なんでアンタ鳶一君に話しかけられてるのよこの淫乱テディベア!」
志織「い、淫乱テディベア……!?じゃなくて、鳶一君って?」

宏子「誰って、鳶一君は鳶一君だよ!鳶一折紙!つい今さっきアンタが楽しそうにお話してた相手よ!」
宏子「ウチの高校が誇る超天才児で常に学年上位!体育の成績はダントツ!しかも!去年の『恋人にしたいランキング』三位に入ったイケメン!」

志織「あ、あの宏子……」
宏子「でもあの調子でしょ?男子の中で最高難度!ついた通り名は永久凍土!マハ・ブフーラ!」
宏子「ま、私はこの人の方がタイプなんだけど」

 宏子は志織にゲームの画面を見せる。

志織「乙女ゲームじゃん……」
宏子「そういえば『男子が選んだベストカップル』は私たちで二位よ。最悪ね、全然うれしくない」
志織「それ私のセリフだと思う……」

珠恵(以下珠緒)「はいはい、お前ら席付けー」
宏子「タマさん!」
珠緒「皆さん、おはようございます。これから一年間このクラスの担任を務める、岡峰珠緒です」
モブA「タマさーん!」
モブB「やったー!授業中寝放題や!」

折紙「……」じー
志織「あ……こ、こんにちは(隣の席気まずいよー……)」
折紙「……」じー
志織「あの……何ですか……?」
折紙「別に」じー
志織「 ( こ わ い ) 」

*

キーンコーンカーンコーン

モブ「起立、礼」
全員「さよならー」

宏子「志織ー!午後ヒマなら一緒にご飯食べましょ?」
志織「ごめん、今日は先約あるから」
宏子「もしや男!?あの鳶一君と仲良くするだけじゃ飽き足らず、男と昼飯を食う約束ぅ?このしりがるがぁー!」
志織「男って……琴里だよ!」
宏子「うん、知ってる。アンタと一緒に飯食う男なんて弟くらいよね」

志織「そうだけど……そうだけど……」イジケー
宏子「アンタ、割とマジでレズだと思われてるわよ」
志織「うぅ……」
宏子「そのせいで男子が声かけずらいって、」

志織「で、でも……」
宏子「こんなにかわいいのに残念な子だねぇ」
志織「べつに、かわいくないもん……」
宏子「大丈夫だよー、アンタが生き遅れたらアタシが貰ったげるから」
志織「もしかして私のレズ疑惑、宏子が原因?」

ウゥゥゥゥゥゥゥウウウウウ……

宏子「な、なに?」

『これは訓練ではありません。空間震の発生が予測されました。近隣住民の皆さんは、速やかに最寄りのシェルターに避難してください。繰り返します……』

宏子「ちょっと、ありえないんですけど……」
志織「早くシェルターに行こう」

ざわざわ……

珠緒「お、お前ら落ち着けぇー!落ち着けぇー!そ、そこ!押さない!喋らない!……そ、そうだおすし、おすしだ!おすしなんだ!お前ら!」

ざわざわ……

宏子「タマさんかっわいー、あの調子なら全然平気じゃん」
志織「だね」

折紙「……」スッ……パタパタパタ……
志織「……?」
志織「(いったいどこに行くんだろう……なにか忘れ物でもしたのかな?」

忘れ物?
そういえば、琴里はちゃんと非難できたのだろうか?

宏子「志織ー、なにぼんやりしてんの?早くシェルターに入りましょーよ」
志織「あ!……ご、ごめん。ちょっと待って……電話かけさせて……」

プルルルル……プルルルル……

志織「(出ない……)」

朝の約束。

  『よっしゃー!絶対だぞ!地震が起きても火事が起きても、フォミレスがテロリストに占拠されても……』
  『空間震が起きても!絶対だぞ!約束だぞ!』

志織「混乱してて電話どころじゃないんだ、きっと……そうだ、GPS……!」

 志織の額に一筋、汗が流れた。迷わず志織は駆け出した。

宏子「ちょ、ちょっと志織!どこ行く気!?」
志織「忘れ物!」

 『五河 琴里  ファミリーレストランジョニーズ』

志織「ごめんなさい、通してください!」
モブ「ちょ、なんだよ!?押すなよ!」

志織「はぁ……はぁ……」
志織「(なんで……避難してないの?)」

 『五河 琴里  ファミリーレストランジョニーズ』

志織「(位置が変化してない……)」

 閑散とした街。誰もいない。志織は震えた。
 まだこの中に、弟が一人ぼっちでいるの?

志織「ばか……!琴里のばか!なんでばか正直に待ってるのよー!?」

 チカッ

 志織の叫びと同時に、小さな光。

 カッ

 それを覆い尽くすように、灼き尽くすような眩い光。

 ドォオオオンッ!!!!

 爆発。視界の中で。

 志織の身体が爆風で吹き飛ばされる。

 *

「ポイントにて空間震確認!」

「来たか……」

 *

――――――精霊


 志織は目の前の光景が理解できなかった。
 突然の爆発。地面に打ち付けた体中が痛い。
 ほんの目と鼻の先のクレーター。文字通り消え去った建物。

 だが、それらの思考全てが一瞬にして消えた。
 煙幕を切り裂き、目の前に現れた少年によって。

 鍛え上げられた肉体を包む不思議な形状の紫色の甲冑。右手には身の丈ほどある巨大な剣。
 だがそれよりも目を引いたのは、少年の危うさだった。
 勇ましくも、抜き身の刃のような鋭く危うい、獰猛さを秘めている……

 志織の思考は、すべて奪われた。

??「お前……」

 少年は、志織を見下ろす。

??「胸のあたりが妙に膨らんでいるが、いったい何の装備を隠している?」

 少年が志織に近づき、手を伸ばす。

志織「え?」

 少年は触った。志織の胸を。沈み込む指。

志織「い、いやぁっ!」

 志織は少年を突き飛ばす。

??「……!?」

 少年は驚いた顔で自分の右手を見た。

志織「い、一体あなたは何なの!?」

 涙目で、胸を押さえながら志織は喚く。

??「俺は……」

 答えるよりも前に、何かが発射される音がした。
 音のした方……頭上には黒い鳥のような物が数体、こちらに飛んできている。
 少年は庇うように志織の前に立ち、右手を出す。

??「無駄だ。何故学習しない」

 少年の前に紫色の膜のようなものが形成され、そこにロケット弾が着弾する。
 ロケット弾は膜の上で爆発したが、爆風一つとして、志織には吹かない。

 鳥が近づく。だんだんとシルエットだけでなく、ちゃんとした姿が見えるようになった。
 体中を覆うパワードスーツに、装甲。人間だ。
 そしてその中心には……

志織「鳶一君……?」

 折紙は再びロケットランチャーを発射する。
 少年は高く飛翔し、それら全てを斬り裂く。
 目の前が緋色に染まる。

 少年が、振り向く。

志織「(どうして……?)」

 少年の表情は、あまりにもその強さには不釣り合いだった。一瞬の出来事だ。

 容赦ない相手からの追撃を捌いてゆく。避けたりせず、全てを徹底的に空中で破壊する。

志織「(私を庇っている……?)」

 再び剣を振り下ろすと、いともあっさり重装備した男たちが散ってゆく。
 ゆっくりと、少年は地上に戻る。
 と、同時に少年のすぐ目の前に巨大な銃口。鳶一折紙の装備だ。
 少年は眉ひとつ動かさず銃口の前に手をかざすと、銃口から漏れ出ていたはずの光が消えた。

 少年の攻撃を、折紙は的確にかわしてゆく。
 ある一点で、折紙の動きが鈍る。

折紙「五河志織……何故、君がここに?」
 
 答えを聞く間もない。

 少年の斬撃が、折紙の装備を破壊する。

折紙「むしろ、軽い……!」

 折紙は重火器類の装備を外す。
 そして先ほどとは比にならないスピードで間合いを詰め、少年に殴り掛かる。

 地面に倒れた少年の顔を、折紙は何度も何度も殴る。
 目はギチギチに開かれ、歯は噛みしめられている。
 一つ一つ、丁寧に憎しみを込めて……

 少年の頭部が地面にめり込んでいる。しかし、彼の手は円満な動作で折紙の腕を掴んだ。

??「お前は何をしていた?」
折紙「!?」

 少年の顔には掠り傷一つない。
 折紙は天高く放り投げられるが、すぐに体制を整えてサーベルを取り出す。



 二人の少年が、雄叫びを上げる。

 二つの剣と剣が、ぶつかり合い……

 辺りは眩い光に包まれ、志織の意識はそこで途切れた。

投下終了です。
十香♂の鎧は黄金聖闘士のサガみたいなのをイメージしてる。

全員性転換って誰得?

いや、否定してる訳ではないけれども
ごめんなさい

乙したー

TS好きなオレ得。

攻略対象が男かよ
士道だけ変えておけばいいのに

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年07月05日 (土) 01:44:01   ID: PlXwilKJ

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