【ミリマス】765学園物語HED √FW A (93)

P「…」

放課後、俺はとある教室の前で壁にもたれ掛かりながらスマホを弄っていた

もちろん理由なくこうしているわけではなく、ある人物を待っているのだ

それから数分後、教室のドアが開いた

その人物を視認し、俺は壁から身体を離した

「お待たせ」

P「よし、じゃあ行こうか」

P「恵美」

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【ミリマス】765学園物語 √FW - SSまとめ速報
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靴箱で靴を履き替え外に出る

校門を出ると、恵美が指を絡めてきたので俺も握り返した

去年の秋、俺達はすれ違いながらも互いの気持ちをぶつけ合い晴れて恋人となった

その後も色々あったが、こうして今も関係は続いている

P「やっぱり掃除、手伝った方が良かったか?」

恵美「だーいじょぶだって、それにあれはアタシの仕事だし」

P「うーん…」

恵美「それよりも、会える時間が減ってるんだからもっとアタシを甘えさせてよ」

P「ん、そうだな」

三年生に進級してから俺と恵美は別のクラスになってしまった

ただでさえ休み時間くらいしか会えないのに移動教室の多いうちの学園では本当に時間が合わない

教室に恵美の姿が無いのは割とつまらないものだ

恵美「あ、今日ちょっと町に行きたいんだけど」

P「何か買うのか?」

恵美「うん、ちょっとストッキングをね」

P「ストッキングか」

恵美「そ、もうそろそろ寒くなってきたし…それに」

恵美「誰かさんがしょっちゅう破いてくれるからすぐ足りなくなるんだよね~」

P「…恵美が悪い」

恵美「えー…」

P「まあ、善処はする」

正直恵美が魅力的すぎるのが悪いと思う

P「他には何か買うのか?」

恵美「んー、特には無いかな~」

P「了解」

町のアパレルショップで恵美がストッキングを買っている側で、俺はある物を見ていた

恵美「P、なんか福引き券もらった…って、なに見てんの?」

P「下着だが」

俺は女性用の下着を見ていた

恵美「…普通こういうのって男の子は恥ずかしがるんじゃないの?」

P「誰も着用してない下着なんてただの布じゃないか、何も恥ずかしくないだろう」

恵美「そんなもんなの?」

P「少なくとも俺はな」

恵美「で、なんで下着見てたの?」

P「ん、特に理由は無いけど…恵美に似合いそうなものがあれば良いなと」

P「まあ下着に限らず恵美なら何を着けても似合うと思うけど」

恵美「ちょ、は、恥ずかしいからやめてよ!」

P「ははは」

真っ赤になって照れる恵美の攻撃を躱しながら俺達はアパレルショップを出た

P「そういえば恵美、さっき何か言ってなかったか?」

恵美「あ、さっき買い物したらさ、福引き券貰ったんだよね」

P「福引き…あれかな?」

指を差した先にテントがあり、そこで福引きをやっているようだ

恵美「ちょっと見てみよっか」

P「ああ」

俺達はテントに向かって歩き出した

中々に盛況なようで、割と人が並んでいる

恵美「景品は?」

P「三等が米7kg分、二等がラーメンセット6kg分、一等が最高級牛肉5kg分で特等が…」

P「ハワイ行きブライダルトラベルチケットだってさ」

恵美「ハワイか~アタシ行ったことないなぁ」

P「俺も外国行ったのは一昨年の東南アジア旅行くらいかな」

恵美「あ~、あれ楽しかったよね~」

一昨年の話をしていると、俺達の番がやって来た

P「3枚で」

福引き券を渡し、福引きを回す

まあどうせ当たらないだろう

とティッシュを恵美に渡しながら思っていると…

金の玉が出た

P「えっ」

恵美「えっ」

瞬間、ベルが鳴り響く

もっとも、強く振りすぎてベルが壊れたのか、途中から恐らくボランティアの佐竹さんが口でベルの真似をしていた

チケットを渡され困惑する

まさか当たるなんて微塵も思っていなかった

恵美「あ、あはは」

P「へんなところで運を…」

P「ただいま」

恵美「お邪魔しまーす」

恵美を連れて家に帰る

志保「お帰りなさい兄さん…と、恵美さん」

P「ただいま、志保」

恵美「やっほ」

P「俺達は部屋にいるけど、お茶とかはいらないから」

志保「わかりました」

P「さてと」

パソコンを起動し、貰ったチケットの詳細を調べる

P「恵美」

恵美が肩口にパソコンを覗く

恵美「ハワイ行きブライダル旅行」

恵美「新婚の気分を味わえる旅行です、ドレスを選んだり、結婚式の練習が出来ます」

P「日程は二泊三日、再来週の三連休だな」

恵美「結婚式か~、結構興味あるけど…」

P「せっかく当たったし、行ってみるか?」

恵美「良いの?」

P「俺も興味はあるし、それに…」

恵美「それに?」

P「ま、俺達の将来の参考になるかも知れないしな」

恵美「…うん!」

恵美がはにかむ

恵美「けどハワイか~水着も持っていった方が良いよね~」

P「水着か…」

恵美の水着、もう何度も見ているが…

P「…」

恵美「どしたの、急に黙り込んで」

P「恵美」

恵美「ちょ、なんでスイッチ入ってんの!?」

恵美をベッドに押し倒す

P「お前が悪い」

恵美「意味わかんない…!?」



恵美とアフタースクールにパーリーなタイムを過ごした

一旦ここまで
恵美が魅力的すぎるのが悪い
うん

恵美「早速買ってきたストッキング開けるハメになったんだけど~?」

恵美がジト目で俺を見る

P「ま、まあそういうこともある」

恵美「ま、良いけどさ~」

そう言いつつ着替えを済ませた恵美は、俺の膝にもたれ掛かってきた

その頭を撫でる

恵美「旅行、楽しみだね」

P「ああ」

恵美「二人っきりで旅行行くのって去年のゴールデンウィーク以来かな?」

P「そうか、もうそんなになるか」

恵美と二人で旅行、そう考えるだけでテンションが上がる

しかしその前に

P「さてと」

恵美「?」

P「旅行の前に週明けに小テストだが、恵美は大丈夫か?」

恵美「………………」

P「勉強、しようか」

恵美「あい…」

遅くまで勉強した

それから二週間後

恵美「着いた~眩し-!」

俺達はハワイにいた

P「思ってたよりは暑くないんだな」

むしろ過ごしやすい良い季候だ

恵美「アタシもそれ思った、ハワイって年中太陽が照りつける常夏の島ってイメージだったけど」

P「ま、過ごしやすくて良いな」

空港から出ているバスに乗って、ホテルへ移動する

チェックインを済ませ、荷物を預けた俺達は一度ハワイを見て回ることにした

恵美「お土産いっぱいあるね」

P「日本では滅多に見られない物ばかりだからかな、新鮮だ」

恵美「あ、これとかエレナは喜びそうじゃない?」

P「これなんかは海美が喜びそうだ」

まだ初日にも関わらず、俺達は土産物を物色して時間を過ごした

気が付くと3時間も土産物を物色していた

P「そろそろ戻るか」

恵美「そだね」

俺達はホテルに戻り、部屋に案内される

部屋は中々に広く、設備も中々に快適だった

なにより

恵美「ねえP!見てよこれ、ドリンクバー!部屋にドリンクバーついてる!」

恵美が面白いくらい喜んでいた

ソファーに座っていると、恵美が後ろから手を回してきた

恵美「はい、ドリンク」

P「さんきゅ」

受け取って一口飲む

恵美「ほんとのほんとに二人っきりだね」

P「ああ」

なんだかんだで常に誰かが近くにいたので、完全な二人っきりと言うのは久しぶりだ

恵美「思う存分いちゃいちゃ出来るね」

学園でいちゃいちゃすると周りから冷やかされ、家でいちゃいちゃすると何故か志保が恵美のことを親の仇を見るような目で見るので、開放的にいちゃいちゃすることはなかった

…やることはやってるけど

恵美「みんなと一緒にいるのも好きだけど、こうやってPと二人っきりっていうのも大好きかな」

P「俺も同じだ」

P「恵美と二人の時間は、ずっと大切にしていきたいと思ってるよ」

恵美「ありがと」

恵美がキスをしてくる

恵美「アタシも、Pと一緒の時間がなにより大切だから、ずっと一緒に刻んでいきたい」

そして俺達は、いつの間にか空になっていたカップを置いて

一回目のシャワーを浴びた

一旦ここまで

翌日

恵美「いやー、綺麗な海だね~」

水着に着替えた恵美が砂浜を見渡しながら言う

P「学園の海水浴で行く海も中々綺麗だが…やっぱり格が違うな」

澄んだ青空に白い砂浜、適度な透明感のある美しい海が俺達の前に広がっている

恵美「なんかハワイが人気あるのわかるなー」

P「そうだな、実物を見ると良くわかる」

確かにこれなら来たくなる

P「この辺りで良いか」

恵美「うん」

俺は持っていたパラソルを地面に突き刺した

パラソルを開くと恵美がシートを敷き、そこに座る

そしてハンドバッグから日焼け止めを取り出すと、腕に塗り始めた

恵美「♪~」

P「日焼け止め、毎回塗るのは大変そうだな」

恵美「まあね、でも塗らない方が大変だし」

恵美「Pも塗っといた方が良いよ?あ、それともアタシが塗ったげようか」

P「俺が恵美に塗りたい」

恵美「塗ってるうちに間違いなくスイッチ入るから駄目」

P「そんなことは…あるぞ」

恵美「でしょ?…まあ背中は塗って貰うけどさ」

P「任せておけ」

恵美「無駄に言い声出さなくて良いから」

結局互いに日焼け止めを塗り合い、馴染ませてから俺達は海に入った

P「そういえば」

恵美「んー?」

P「新しい水着、可愛いな」

恵美「でしょ!へへー、琴葉とエレナと一緒に見に行ってさ~」

P「よく似合ってる、滅茶苦茶可愛い」

恵美「ま、まあアタシがPに可愛く見られたいから買ってきたわけだし?可愛くなかったら困るって」

P「それもそうだけど、やっぱり可愛いもんは可愛い」

恵美「も、もう、顔が赤くなっちゃうじゃん!」

二人で海に漂う

P「なんかこうやってると去年の海水浴を思い出すな」

恵美「あ~そういえばあの時もこうしてたっけ」

P「まああの時と違って気持ちは晴れやかだ」

恵美「うっ、だ、だってあの時はさ」

P「わかってる、でもな」

俺は恵美の手を握る

P「あの時の気持ちがあったから、俺達は今こうしていられるんだ」

P「だから俺は、あの時の気持ちに感謝してる」

恵美「…」

恵美が手を握り返してくる

恵美「ねえ、P」

P「ん?」

恵美「ありがとね、アタシを見つけてくれて」

P「…俺は恵美がどこに行ったって見つけてみせるよ」

P「俺は恵美が好きだからな」

恵美「ん、待ってる」

俺達は手を繋いだまま、波に身を委ねた

去年の海水浴のようにその後波に飲まれ、恵美の水着が流された後俺達は砂浜を歩いていた

P「こっちの方は人が少ないんだな」

恵美「ホテルとか店から離れてるからじゃない?」

P「まあわざわざ離れる理由もないしな」

恵美「アタシ的には賑やかなのも良いけど、静香に波の音を聞きながら散歩するのもありかなー」

P「まるで世界に俺達しかいないみたいだ」

恵美「世界にウチらだけならさ、アダムとイブになっちゃう?」

P「ほう」

恵美「なんちゃって…って目がマジなんだけど!?」

P「丁度良いところに岩陰が」

開放的な場所でしろいものを解放した

一旦ここまで
√A系は基本短いです
後765学園、ゲーム開発始めました

ティラノビルダーを使ったゲームの方です
ノベマスでも良かったんだけど、選択肢とか入れたかったし

恵美「あー、やり過ぎた…」

P「まだまだいけるぞ」

恵美「や、アタシが無理」

ホテルに戻り、ぐったりしている恵美

日はまだ高かったが、戻ってきたのには理由があった

P「時間的にはそろそろだな」

恵美「多分」

それから間もなく、部屋の電話が鳴った

P「はい、はい、わかりました」

内線の内容は予想通りのものだった

P「よし、降りようか」

恵美「ん」

恵美の手を引いて起こす

そのまま手を繋ぎながら、俺達はエントランスへ向かった

エントランスに降りた俺達をスタッフが出迎える

それぞれ別室に通され、衣装合わせを行った

初めて着るスーツは中々慣れなかったが、なんとなく気が引き締まるような気がした

チラッと新婦側の控え室の方を見る

恵美も同じように衣装合わせをしているんだろう

恵美のウェディング姿をイメージしてみるが、中々出てこない

…ま、これは明日の楽しみにしておくか

一旦ここまで
後数回で終わり

恵美「どうだった?」

体にあったスーツ選びが終わり、控え室の外で待っていると恵美が戻ってきた

P「ああ、スタッフさんのおかげでなんとか形になったよ」

P「恵美の方は?」

恵美「アタシの方も、すっごく良い感じ」

P「明日が楽しみだ」

恵美「うん、楽しみにしててよ」

その後夕飯を食べ(ホテルの食事は何故か大盛の中華だった)、俺達は部屋に戻った

恵美「…ねえ」

ソファに座ってドリンクを飲んでいた恵美が声をかけてくる

P「どうした?」

恵美「進路、決まった?」

P「…」

俺達が高等部を卒業するまで半年を切った

大学部に進学することは確定しているが、その先はまだ未定だった

P「恵美は決まったのか?」

恵美「具体的には決まってないけど、やりたいことならあるよ」

P「やりたいこと?」

恵美「アタシはさ、どっちかと言うと表に立つよりは裏方の方が性に合ってるんだよね」

恵美「アタシが手伝って、相手が喜んでくれたならアタシも自分の事のように嬉しくなる」

恵美「だからアタシは、誰かのためになることがしたい」

恵美「…こんな感じかな」

P「…そっか」

恵美らしいな

恵美「ま、当て嵌まるのはメイクとかそんな感じかな~」

恵美「それで、Pは?」

P「俺は…」

P「俺には夢ってやつがない、昔からそういうものを持ってなかった」

P「だから目標もなかったんだ、去年までは」

P「でも今は違う、大切な目標が出来た」

恵美「聞いても良い?」

P「俺はあの日、恵美とずっと一緒に歩いて行くって決めた」

P「俺の目標は恵美を笑顔にすることだ」

P「だから恵美が誰かのために働きたいなら、俺はその場を用意する」

P「恵美のやりたいことを全力で支援する、それが俺の進む道だ」

恵美「P…」

P「だから恵美、もっと俺を頼って欲しい」

恵美「…もう、今でも十分過ぎるくらい頼ってるのに、これ以上されたらP無しじゃ生きていけなくなるじゃん」

P「俺はとっくに恵美なしじゃ生きていけないようになってるよ」

恵美が俺の背中に額を押し当てる

恵美「この背中に、アタシの全部乗っけるよ」

P「ああ」

恵美「きっとぐらぐらして、不安定だと思う」

P「そういうとき、恵美は後ろから支えてくれるだろ?」

恵美「アタシの全部、Pに乗せるから」

恵美「Pの全部も、アタシに乗せてよ」

P「ああ、俺の全部を恵美に乗せるよ」

P「二人でお互いを背負って行こう」

恵美「うん」

そういってベッドに倒れ込んだ

手を繋ぎ、見つめ合う

恵美「明日、最高の日にしよ?」

P「もちろん」

俺達はそのまま目を閉じ、眠りに落ちていった

一旦ここまで
恵美に依存されたい

翌日

いよいよ結婚式の予行練習が始まった

昨日仕立てられたスーツを着て、恵美を待つ

控え室の扉が開き、青いドレスを着た恵美が照れくさそうに歩いてきた

P「恵美…」

恵美「ど、どうかな?」

P「綺麗だ、凄く綺麗だ」

恵美「な、なんかすっごい照れるんだけど」

P「俺も…何だかドキドキしてる」

スタッフが式の流れを説明する

それを聞き、俺は左腕の肘を張った

恵美が俺の左腕に自分の腕を絡めたのを確認すると、俺は歩き出した




白い砂浜を二人で歩く

今日は貸切になっているようで、他の人は見当たらない

恵美「青い空の下で、海のせせらぎを聞きながら大切な人と歩く…か」

恵美がこの結婚式のキャッチフレーズを呟く

恵美「なんかさ、上手く言葉に出来ないけど…アタシ、来て良かった」

P「恵美…」

恵美「普段もこうやって腕組んで歩くけど、それとはまた違うんだよね」

恵美「練習でこれなんだから、本番だとアタシどうなるかな」

そういって笑う恵美

P「俺も」

恵美「ん?」

P「俺も正直込み上げるものがあるよ」

P「上手く言葉に出来ないけどさ…でも今はそれで良いんじゃないか?」

P「これはきっと俺達がこの先見つける物なんだと思う」

P「だから今は、気持ちだけ感じておこう」

恵美「…うん!そだね!」

P「おっとと」

体全体で俺の腕に抱き付く恵美

恵美「そうと決まれば、全力で楽しも-!」

そういって俺の腕を抱いたまま走り出す恵美

P「あ、こ、こら走ると危ないぞ!」

恵美「アタシが転びそうになったらちゃーんと支えてくれるんでしょ?」

恵美「だから大丈夫!」

P「そうじゃなくて俺の足が絡みそ…あーっ!」

目的地に到着した俺はラフなスーツに着替えた

部屋を出ると恵美は既に着替え終わっていて

恵美「おーい!早く早く-!」

ブランコの上から手を振っていた

ブランコに案内されると

恵美「ほら、結構良い景色じゃない!?」

P「おお」

恵美の言う通り素晴らしい景色が広がっていた

一旦ここまで
ちょっとゲームの方に構い過ぎてた

恵美「今、アタシ達だけが見てる景色だよ」

P「ああ」

水平線の向こうまで広がる蒼空と蒼海

それはまるで可能性に見えた

恵美の隣に座る

すぐに恵美が肩に頭を預けてきた

恵美「アタシ、幸せ者だなって思う」

恵美「この景色をPと一緒に見られて、そして何よりも」

恵美「Pが隣にいてくれて」

恵美「でもさ」

恵美「ウチらならもっともっと幸せになれるよね」

恵美が俺を見上げる

俺は恵美の目を見て

P「もちろん」

そう答えた

それを聞いた恵美はにっと笑うと

恵美「よーし!幸せになるぞー!」

と立ち上がった

P「恵美」

俺も立ち上がる

恵美「ん?」

P「愛してる」

恵美「アタシも!」

恵美「Pのこと、愛してる!」

そういって俺に飛び付き

キスをした

「…」

写真立てに入ったびしょ濡れになって笑う男女の写真を見る

「懐かしいなぁ…」

あの後二人ともバランスを崩して海に落ちたんだっけ

お互いびしょびしょなのがなんだか可笑しくって、思いっきり笑ったなぁ…

スタッフには苦笑いされたけど

それでもやっぱり楽しかった

あの時の気持ちを持ち続けたから、今のアタシがある

あの人と一緒にいられて良かった

「お~い、準備出来たか~?」

玄関から愛しい人の声が聞こえる

「今行く~!」

アタシは写真立てを置き直すと、玄関に向かった

恵美「行ってきます」

そのびしょ濡れになって笑う二人の写真の隣には

結婚式の日、沢山の友人に囲まれて笑う二人の写真があった

尾張名古屋

短い上に間開けるとかどうしようもなくて申し訳ない

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