学生「パック開けるぞー」幽鬼うさぎ「こんにちは」【遊戯王SS】 (36)

パソコンのデータ整理してたら昔書いたこのSSが出てきたので供養
1年くらい前に書いたものなのでだいぶ古いこと言ってますが見逃してください

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1477304041

学生1「パック買おうぜ!パック!」

学生2「どっちを買うか悩むぜ!」

学生1「よーし…俺はこれだ!」

学生2「俺はこれを買おう!開封…お、インフェルノイドリリス!いいカードだ!」

学生1「お!羨ましいな!俺も何か当たればいいなー!」

学生1「よっと!」ビリ


幽鬼うさぎ「こんにちは…レアカードだよ」

学生1「…!」

学生1「…なんだこりゃ!攻撃力0かよ!使えねー!」

幽鬼うさぎ「!?」

学生2「なぁにこれぇ。あ、でも守備力高いから壁チューナーとしてなら使えるね」

学生1「なんか相手を破壊する効果あるけど効果を無効にできないんじゃなー。俺には使えないな」

幽鬼うさぎ「え、あの…」

学生1「そうだ!これ売ってそのお金でまた新しいパック買おうっと!」

学生2「そうだね、このカードはいい値段で売れるみたいだし。次に期待だよ!」

幽鬼うさぎ「ま、待ってよ!せっかく袋から出てこられたのに一度も戦わないなんて…!」

\アリガトゴザイマシター/

学生1「へへっ売れたぜ!」

学生2「さーて何が出るかな?」

学生1「うおおおおおおおお!!プトレマイオスきたァーーーーー!」

学生2「えええ!?なんて引き!」

幽鬼うさぎ「待ってってば…」

~~~

幽鬼うさぎ「ふん。いいもんいいもん」グスン

幽鬼うさぎ「私強いもん。きっと違う人がすぐ買って使ってくれるもん」

幽鬼うさぎ「…」

幽鬼うさぎ「…」

幽鬼うさぎ「…」

幽鬼うさぎ「なかなか誰も買ってくれないよぅ…」

幽鬼うさぎ「なんでぇ…なんでぇ…」グスグス

トレミスM7「…無理もないよ。君は値段がとてーも高いからね…」

幽鬼うさぎ「わぁ!?誰!?」ビクッ

トレミスM7「僕はこの店の番人、トレミスさ…」

トレミスM7「3000円とか訳の分からない値段をつけられ、売られつづけることはや2年…」

トレミスM7「たとえどんなに強くても、値段が高いとなかなか買って貰えないものなんだよ…」ズーン

幽鬼うさぎ「そ、そんなぁ…」

トレミスM7「それに君は数ある幽鬼うさぎの中でもシークレットレアと来ている…」

トレミスM7「よほどのマニアか富裕な人が店に来てくれない限りはずっとこのショーケースの中で生き続けるだろうね…」

幽鬼うさぎ「そんなのやだぁ…」ガクガク

トレミスM7「まぁ売れ残り同士、仲良くやろうじゃないか…」

幽鬼うさぎ「勝手に売れ残りにしないで!」

トレミスM7「はぁ…本当は僕だってデュエルで使って貰いたいのに…」

トレミスM7「…ん?」


子供「…あー!!トレミスー!」

子供「おとーさーん!買ってー!トレミス買ってー!これで僕のセイクリッドデッキできるのー!」

父「おいおい。トレミスは高いから駄目だってずっと前から言って…」

父「…えっ!?1000円切ってる!?やっす!?なんで、店員さん!?」

店員「トレミスは再録されましたから。値段が落ち着いたんですよ」

父「そ、そうだったんですか!」

父「良かったなボウズ!ついてるぜ!トレミス買ってやるぞ!」

子供「わーいわーい!」


トレミスM7「…」

幽鬼うさぎ「…」

トレミスM7「さよーならwwwwwww売れ残りさんwwwwwww」

幽鬼うさぎ「ひどいよぉ!!」

【数日後】

幽鬼うさぎ「いつまでこんなとこにいなくちゃいけないの…」グスン

プトレマイオス「助けてくれー!『いつか禁止になるだろうから』って理由だけで売るなんてそりゃないよー!」

インフェルノイドティエラ「誰がインフェルノイドの落ちこぼれだ!お願いだから出してー!!」

海外版ヒッポ「なんでわしこんなとこに入れられたんや…?わしはストレージに行くべきじゃないんか…?」

幽鬼うさぎ「出してよぉ、出してよぉ…」

幽鬼うさぎ「ぐすん、ぐすん…」


男「…む、あのカードは」

男「環境を滅ぼす光を持つもの…その手先だ!」

男「…買おう。店員さーん」

幽鬼うさぎ「…?」

店員「お買い上げありがとうございましたー」

幽鬼うさぎ(買ってもらった…!)

男「うん…いいカードだ」

男「さっそくデッキに入れて親戚の子と戦ってみよう」

幽鬼うさぎ(やっとこれで、デュエルに使って貰えるんだ…!)

子供「ゴッドネオスを召喚!効果を発動するぜ!」

男「そこで幽鬼うさぎだ。ゴッドネオスを破壊させてもらおう」

子供「げっ!そのカード強すぎるぜ!どこで手に入れたんだ?」

男「このカードなら、宇宙から降ってきたよ」

子供「くそー馬鹿にしやがってー!」


幽鬼うさぎ(活躍できた…やったぁ!)

幽鬼うさぎ(私、ちゃんと戦える強いカードなんだ!)

幽鬼うさぎ(本当に買ってくれてありがとう!)

幽鬼うさぎ(私、これからもずっとがんばる…!)


子供「いいなー!いいなー!!」

子供「羨ましい!俺にそのカードくれないかな!?」

男「え?」

幽鬼うさぎ「!?」

幽鬼うさぎ(え、ちょっと…)

男「…うーん。これは高価なカードなんだけど…」

子供「頼むよ!なんでもするから!」

男「いや、お、お願いだから」

子供「欲しいー!欲しいー!」

男「…ふむ」

男「確かに…君には強いデュエリストの素質がある」

男「きっと君なら僕よりも上手く使ってくれるだろう。このカードでワクワクを思い出すんだ」スッ

幽鬼うさぎ「!?!?」

子供「ガッチャ!サンキューな!」

幽鬼うさぎ「ちょ、えええ!?」

男の息子「キキィ!」

男「子供たちが、頑張れって」

子供「サンキュー!」


幽鬼うさぎ(…)

幽鬼うさぎ(まぁ、持ち主が変わっただけだし…)

【それから数日後】

子供「いっけー!シャドーミスト!」

子供2「うわぁー!」

子供3「やったねアニキ!」


幽鬼うさぎ(あの日以降…この新しい持ち主は全然私を使ってくれなくなった)

幽鬼うさぎ(私はずっとデッキケースの隅っこにいるばかり…)

幽鬼うさぎ(こんなんなら、まだショーケースの中にいた方がマシだった…)


子供「ふー、ちょっと疲れたなー。デュエルは頭を使うからな!」

子供2「じゃあカードショップ行こうよ!また新しいパック出たんだって!」

子供3「そうだね、行こう!」ダッ


幽鬼うさぎ(…え?)ポツーン

幽鬼うさぎ(デッキだけ持ってってケースを忘れるなんて…!)

幽鬼うさぎ(だいたい公園でデュエルなんて!デュエルはちゃんと屋内でやってよ!)

幽鬼うさぎ(ああもう私がいるのに…早く気付いて…)

ザッ

幽鬼うさぎ(…あ、人影。帰ってきてくれたんだ)


男2「お、デッキケースがあるぜ!忘れ物か?」

男3「そうみたいですね。何か入ってます?」

幽鬼うさぎ「!?」ビクッ

幽鬼うさぎ(え…誰…?)

男2「おひょー!幽鬼うさぎのシクが入ってる!うらやまだぜ!」

男3「いいですね!貰っちゃいましょう!」

男2「え、いいのか?そんなことして…」

男3「心まで守備表示になっちゃダメです!思い切って盗っちゃいましょう!」

男2「それもそうだな!いただきングだぜ、俺!」

幽鬼うさぎ(えええ!?ちょっとお!?)

幽鬼うさぎ(た、助けてぇ…!)

男2「ところで…幽鬼うさぎってなかなか可愛いよな」

男3「俺もそう思います。一部では男の娘だっていう説もありますけど」

男2「俺はそれでも構わないんだけどな…実はこの娘を見たときから俺のホープ♂がかっとビンビンで…」

男3「じ、実は俺も…俺のペンデュラム♂もお楽しみで…」

男3「このカード、売れば高いですけど…カードはお金じゃない。性欲処理にだって使える」

幽鬼うさぎ(!?)

男2「くっ、やっぱり我慢できねぇ!」

男3「俺はもう幽鬼うさぎとエクシーズする!イクぞ!」

男3「そうですね。もうシクとかカードの価値なんてどうでもいいです。エンターテイメントしましょう」ヌギヌギ

幽鬼うさぎ(い、いやぁぁぁぁぁ!!!)

幽鬼うさぎ(誰か!誰かぁあああ!!)

男2「うっ…希望の光が…」ドピュ

男3「レディース…&…ジェントルメーン!(暗喩)」ドピュ

幽鬼うさぎ(あうっ…!)ビクゥ!

男2「はぁはぁ…」

男3「すごい背徳感だ…」

男2「ところで、勢いで抜いちゃったけどこれどうする?シクの幽鬼うさぎなんて売ったらいい値段するけど」

男3「いや…やめときましょう。こんな汚れたカードなんて売ったら遊戯王が穢れますよ」

男2「お前の言うとおりだぜ!これはその辺に捨てるか!」

男3「でもこの白いの見られたら恥ずかしいんで、靴で取り除いてから去りましょう!」

グシャッ ザッザッ…

幽鬼うさぎ(もうやめてぇ…やめてよぉ…!)

幽鬼うさぎ(ぐすっ…えぐっ…ひぐっ…うああっ…!)

幽鬼うさぎ(…もう夕方)

幽鬼うさぎ(あの子、結局デッキケース取りに帰ってきたけど私がいなくなったことに気付いてない…)

幽鬼うさぎ(私、こんなところで死んじゃうのかな…)

幽鬼うさぎ(いやだよ…こんなの…)


青年「…」サッサッ


幽鬼うさぎ(…あ、公園を掃除してる人がこっちに近づいてる…)

幽鬼うさぎ(もうだめ…私、ごみとしてこのまま捨てられちゃうんだ…)

幽鬼うさぎ(うう…楽しくない人生だったな…)


青年「…?」

青年「これは…幽鬼うさぎか」ヒョイ

幽鬼うさぎ(…?)

青年「シークレットレア…だが砂まみれで傷だらけでしわくちゃで、なんか濡れてるし臭い…」

青年「捨てられたんだな、きっと」

幽鬼うさぎ(そうだよ…私はもうただのごみなんだもん…)

青年「…」

青年「だが修繕すればまだギリギリ使えそうか…」

青年「持って帰ろう」スッ

幽鬼うさぎ(…え?)

幽鬼うさぎ(拾ってくれるの…?私を…)

青年「ただいま」

青年2「おせーよ!どこで道草食ってたんだ!?」

青年「公園の掃除だ。そのついでにカードを拾った」

青年3「ぬおっ!?それは幽鬼うさぎのシークレット!ブルーアイズマウンテン1杯に匹敵する値段の…!」

青年2「でもボロボロじゃねーか。デュエルに使えるのか?」

青年「わからない。だが修理はやってみようと思う」

青年「…協力、頼めるか?」

青年4「うん。難しそうだけどやってみるよ」

青年4「ほーら、いい子ちゃんだねー」チャプ

幽鬼うさぎ(お湯…あったかい…)

青年「…それにしてもひどい汚れだ。一体どんな使い方をしたんだ」

青年4「ここの汚れも拭いてあげるからねー…おっと、千切れちゃわないよう慎重に…」

幽鬼うさぎ(なでなで…気持ちいい…)

青年3「おい、もっと一気に汚れを取る方法とかは無いのか?」

青年「口を挟まないでくれ。今は真面目な作業をしてるんだ」

青年3「ぐっ…」

青年4「お湯にある程度浸けたら次はタオルで包んで…」

青年4「アイロンを押さえつけて水気を取る。ちょっと熱いかもしれないけど我慢してね」

幽鬼うさぎ(あっ…つ…)

幽鬼うさぎ(でも私…綺麗になってる…)

幽鬼うさぎ(…嬉しい)

青年4「この作業を数十回繰り返せば…これでよし!」

青年2「おー!まだちょっとの傷があるけどすっげー綺麗になったな!」

青年3「流石だな!3日前にカップ麺のスープを溢して台無しになってしまった俺のレッドデーモンズドラゴンを直しただけはある!」

青年「恩に着る。このカードはありがたく使わせてもらう」

青年4「うん!きっと幽鬼うさぎも喜んでくれると思うよ」


幽鬼うさぎ(使ってくれる…私を…)

幽鬼うさぎ(…私、また使って貰えるんだ)

幽鬼うさぎ(…ありがとう)

青年「ジャンクシンクロンを召喚!効果でスピードウォリアーを特殊召喚し、ジャンク・ウォリアーをシンクロ召喚!」

青年「さらに緊急テレポート発動!幽鬼うさぎを特殊召喚する!」

青年「これで俺のフィールドにはレベル5のシンクロモンスターとレベル3のチューナーが揃った!合計レベルは8…光り差す道となれ!シンクロ召喚!現れよ、クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン!」

青年2「なんだそれ!?スターダストじゃないのかよ!?インチキ効果もいい加減にしろ!!」


幽鬼うさぎ(こうして私はまた、モンスターカードとして活躍できるようになった)

幽鬼うさぎ(これまで色々あったけど…人生、何があるかわからないよね)


青年3「レッドデーモンズドラゴン・スカーライトをシンクロ召喚!これで貴様に勝ち目はない!」

青年「リビングテッドの呼び声を発動!墓地から幽鬼うさぎを特殊召喚する!」

青年3「待って!!」


幽鬼うさぎ(やっぱり、カードはデュエルで使われてなんぼだよね!)

幽鬼うさぎ(だってそれが、私たちデュエルモンスターズがここに生まれてきた理由なんだもん!)

幽鬼うさぎ(さぁ、私は今日も頑張るんだから!)


おしまい

お目汚し失礼しました
依頼出してきます

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