泉「ふと思ったんですけど、園城寺先輩って」 (16)

泉「長ないですか?」

浩子「…」

浩子「一理ある」

泉「ずっと園城寺先輩って呼んでるんですか?」

浩子「泉お前…そこをつつき出すとお前も無事で済まへんで…」

泉「そんな重い背景が…?」ゴクリ

浩子「ないねん」

泉「さよですか」

浩子「うむ」

泉「言うても、船久保先輩は一年前からこの部にいたわけじゃないですか」

泉「長いなーとか思ったことあったですよね?」

浩子「いやそこはあれやから」

浩子「呼ぶ機会がないやん。一年前は」

泉「え? あー…」

浩子「弱かったし、接点なかったから。あの人と」

泉「聞いたことありますよ。去年の秋に覚醒したとか」

浩子「そうそう」

泉「ぶっちゃけ顔覚えてなかったみたいな」

浩子「あー…言うとくわ。泉が園城寺先輩の顔覚えてないらしいですよって」

泉「いや言うてないですし」

浩子「言うたやろ」

泉「いやいy」

浩子「実質」

浩子「実質言うたやろ」

泉「…!」

泉「確かに…!」ゴクリ

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浩子「しかも泉それ、自分成績の芳しくない二年三年の先輩方の名前覚えてへんってことやん」

浩子「これLINEで流しとくわ」

泉「先輩…! 忘れて下さい…!」

浩子「いやお前が先輩の名前覚えろや」

泉「え…?」

泉「ああ」

浩子「まぁぶっちゃけうちの部多すぎやからな」

浩子「普通に全員の名前覚えてへん子はおるよ。ウチの学年にも」

泉「あっ…いやでも、それはいけないことなので、重々反省して…」

浩子「江口先輩とか一年生三人くらいしか覚えたはらへんと思うで」

泉「ぶふっ!」

泉「くふ…それめっちゃありますよね…」

浩子「だってさ、野島は絶対覚えててー、あと如月やろ?」

泉「あー、それで三人ですか」

浩子「そうそう、あと矢島で」

泉「…せーんぱいっ♪」

浩子「何や」

泉「せーんぱいっ♪ ん!ん?」

浩子「お前誰や」

泉「…」

泉「まぁ私実質ぅー、実質私、三年なんで」

泉「私一年でレギュラー取ったから実質三年なんで」

浩子「黙っとけアホが」

泉「アホちゃいますよ!一年でレギュラーとったんですからアホじゃないですよ!」

浩子「ぷくく…うっさいねんお前…藤山に刺されてしね」

泉「…」

泉「先輩…」

泉「最下位いじりは」

泉「あかん!」

浩子「くく…いやだってあの子あれやん」

浩子「あの子ほんっまに下手やん…」

泉「いやほんまに下手ですよ!ヤバいです」

泉「リアルにルール分かってへんと思いますよ」

浩子「伝説の三筒切りやもんな」

泉「あれほんまにやばかったですよ!私丁度見てたんですけど」

泉「こんな顔なりましたもん」

浩子「きっしょ」

泉「きしょくないですー!」

浩子「元からきしょいもんな」

泉「元からもきしょくないですー!」

泉「まあでも私結構仲良いんで」

浩子「ふーん」

泉「ていうか先輩はあれなんですか?」

泉「全員の名前ちゃんと覚えてるんですか?」

浩子「いやいやいや」

浩子「私は覚えてるやろ」

泉「あっ、まあ確かに」

浩子「そら覚えてるゆーねん」

浩子「私が覚えてなかったら…くふっ」

浩子「おかしいやろ? 色々」

泉「まぁですよねー」

浩子「そーですよー。覚えてるーゆーねん」

泉「データの女王ですもんね」

浩子「うっさい[ピーーー]」

泉「何でですかー!」

浩子「何でとかちゃうやん」

浩子「嫌やん。普通に」

泉「嫌ちゃいますよー! えー、嫌なんですか先輩?」

泉「あっ」

泉「データの女王先輩!」

ぺしっ

泉「いったーーーー!」

浩子「ごめん」

泉「いや私も悪かったんで」

泉「えーでも普通に羨ましいんですけど」

泉「私もそんなん欲しいです」

浩子「黙れってお前もう」

泉「ちゃいますって! ほんまにそんな感じで呼ばれてみたいんですよ」

浩子「…マジなん? それほんまにマジで言ってんの?」

泉「えー、だっていいじゃないですかー」

浩子「えぇー…マジかぁー…」

浩子「それは私からしたら頭狂ってるとしか思えへんわぁー」

浩子「頼むから病院に行って欲しい」

泉「そんなことないですって!」

泉「私も頑張ってそういう呼び名作ってもらいますから」

浩子「ふーん…まぁ頑張ったら? ふっ…」


泉「はいっ! 頑張りますっ!」

二行目は浩子「うっさい死ね」ですね。これでちゃんと表示されるのかな?

浩子「あー…何の話やったっけ」

泉「えーっと…」

浩子「ああ」

浩子「あれあれ」

浩子「あのー…」

泉「園城寺先輩の名前が長いっていう」

浩子「そうそう。ちょ…私今、ちょっと…名前出てこーへんかった…ふふ…」

泉「あー…これは介護ですね」

泉「園城寺先輩に一週間24時間つきっきりで介護ですわ」

浩子「ほんまそれやわ」

泉「これLINEで流しとくんで」

浩子「泉お前先輩舐めとんちゃうで」

泉「嘘です嘘です」

泉「私こないだ歩いてたら、園城寺先輩がおったんですよ」

浩子「ほお」

泉「で、(あ、園城寺先輩やー♪)って、園城寺先輩に声かけようとして思ったんですけど」

浩子「あー、分かる」

泉「分かります!?」

浩子「それ私も思ったことあるもん」

泉「あー、ですよねー! やっぱり!」

浩子「いやそれほんまめっちゃ分かるで」

浩子「なんか園城寺先輩って言うと…」



浩子「長いよな!!!」

泉「絶対長いですよね!!!」

どっ

泉「しかもちっちゃいじゃないですか!」

浩子「あー、それもめっちゃ分かる!」

泉「『園城寺先輩』ってめっちゃ長いのに園城寺先輩は」

泉「ちっちゃいじゃないですか!!!」

浩子「なー! 絶対小さいよなー!!!」

浩子「園城寺やのになー!!!」

泉「絶対ちっちゃいですよねー! 園城寺やのに!」

浩子「あれ男子にもてるよなー」

泉「あー、言いますもんねー」

泉「そういえば聞いたんですけど」

泉「小柄な人ほどおっきくなる傾向にあるらしいんですよ」

浩子「?」ぺたー

泉 コクン

浩子「正にそれやん」

泉「やばいですよねー」

浩子「あれか? 圧縮される的な」

泉「押されて、その分出たみたいな?」

浩子「そうそう」

泉「まぁごく近くに押されてない人もいますけどね」

浩子「あの人はやばい」

泉「清水谷先輩やばいですよねー」

浩子「あの人は…」



浩子「やばい」

泉「あの人はやばい」

泉「いやけど、絶対ちっちゃいですよねー」

浩子「ふっ、そこに戻るんかい」

泉「園城寺であれはちっちゃすぎますよ」

浩子「じゃあ逆に何やったら小さくない?」

泉「何でしょうね…二条」

浩子「自分割と高い方やろ」

泉「船久保」

浩子「船久保…って感じではなくないか?」

泉「じゃあ…あ」

泉「江口!」

浩子「おお」

浩子「それええやん!」

泉「ですよねー! これなら丁度いいですよ!」

浩子「丁度いいな」

泉「江口似合ってますよねー適度な可愛さも残しつつの」

浩子「江口先輩が園城寺でもいけるんちゃう?」

泉「いけますいけます!」

浩子「まぁ、ゆうて園城寺やけどな。園城寺先輩は」

泉「ゆうてちっちゃいですしね」

浩子「仮にやで」

泉「おお」

浩子「姉帯っておったやん? Bブロックの」

泉「あー見ました見ました。あのめっちゃ身長高い」

浩子「あいつの身長が197cmらしいんやけど」

泉「ふむふむ」

浩子「園城寺先輩が147cmやとして」

浩子「『あねたい』は一文字当たり49.25cmなのに対し、『おんじょうじ』先輩は一文字当たり24.5cmや」

泉「なんですか一文字当たりって」

泉「けどそれはエグいっすね」ゴクリ

浩子「エグいやろ? どう考えてもエグいわ」

泉「24.75cmの差ですもんね」

浩子「二倍以上やで?」

泉「4文字197cmと6文字147cmって…」

浩子「圧勝やろ」

泉「え? 勝ちなんですか?」

浩子「そらお前…密度で考えてみぃや」

泉「…!」

浩子「姉帯なんかお前、すっかすかやないか」

浩子「それに比べて園城寺先輩と来たら…」

泉「凄いですね…」

浩子「あのちっさい体に六文字やで?」

泉「うわ、なんか園城寺先輩がものっすごい可愛く思えて来た…!」

浩子「やろ? せやろ? それがお前あれや…」

浩子「ギャップ萌えや」


泉(鬼才………!)

泉(でもそれやったら割るくだり要らなくなかったっすかっ………!)

泉「いやでも、私嫌なんですよー。長いの」

浩子「おお? お前先輩の名前バカにしとんのか?」

浩子「園城寺先輩は指先一つでレギュラー選抜も操れるんやで?」

泉「いや違うんですって!」

泉「こう、軽く園城寺せんぱーい! って呼ぼうとした時に」

泉「長いとこう、距離を感じるじゃないですか」

泉「なんかそれが寂しいなー、って…」

泉「あんな素敵な夏の思い出も出来たのに、そこで距離を感じるのがなんか嫌で…」

浩子「泉…」

浩子「好きやで」

泉「…んん?」

すっ… ぎゅっ…(泉を抱きしめる)

泉(うわ、先輩胸ちっさー)

浩子「人は自分にないものを持った誰かを求めるって言うやろ?」

浩子「私にはそういう…人との距離や関係について真剣に悩める、泉みたいな感じ方は出来ん…」

浩子「私に足りない物は泉が持ってるんかもしれん…私達、お互いがお互いを支え合うべきなんかもしれん…」

浩子「これから二人寄り添って…いつまでもそうやって歩いていこう」

浩子「結婚してくれ…泉…」

泉(先輩胸ちっさいなー)

泉「先輩…私ちょっとドキドキしてきたんですけど…」

浩子「うわー可哀相やなー。可哀相な頭の子やなー」

ぱっ

泉「先輩…」

泉「それは流石に酷い!」

泉「酷過ぎる!」

泉「色々と!」

浩子「何や? 泉が私に謝らせる気か?」

浩子「まぁええで。百億万円持ってきたら謝ったるわ」

泉「いや、おかしい」

泉「謝罪の概念が根本から崩れ去っている」

泉「あと百億万という単位はないです」

浩子「黙れボケカス、うっさいんじゃ」

泉「…先輩って時々飛翔しますよね…」

泉「一つ上のステージに…」

浩子「天才科学者やからな」

泉「うわー…科学者こえー…」

手が疲れてきたので休憩します。

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