梨子「よっちゃんのどこが可愛いのかわからない」 善子「!?」 (17)

善子「(お昼休み。部室に忘れ物を取りに来たらリリーがいて...)」サッ

善子「(と、とっさに隠れちゃった。えっ、ていうかリリー今なんて?)」

梨子「う~ん」ポチポチ

善子「(ケータイ見ながら唸ってる...)」

梨子「やっぱりよっちゃんのどこが可愛いのかわかんないなぁ…」

善子「(聞き間違いじゃなかった…!)」ガーン



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梨子「う~ん」ポチポチ

善子「(さ、最近私リリーに嫌われるようなことした…?っていうかさっきから何を見ながら唸ってるの?)」

梨子「それにしても可愛いなぁ。よっちゃんの写真」

善子「!?!?」

善子「(えっ、なに、私の写真なの!?可愛いの!?でもさっき可愛さがわかんないって…)」

梨子「可愛いなぁ、クレープ食べてるよっちゃん…」

善子「(…そんな写真撮ったかしら?)」

梨子「さすが花丸ちゃん」

善子「(ずら丸からもらった?いや、あいつにも撮られた記憶ないんだけど…)」

梨子「あ、本文あったんだ。なになに『善子ちゃんはカメラ向けると変なポーズするから撮るの大変だったずら』だって」

善子「(盗撮じゃないの!)」

梨子「あはは。確かによっちゃんカメラ向けると変なポーズするよね」

善子「(変なポーズじゃなくて堕天使のポーズよ!カッコ良いでしょ!?)」

梨子「『写真ありがとう』っと」ポチポチ

善子「(とりあえずずら丸にはあとでデコピンね)」

梨子「とりあえずこの写真は待ち受けにしよう」ポチポチ

善子「(恥ずかしいからやめて!)」

梨子「それにしても…」

善子「?」

梨子「う~ん」

善子「(また唸りだしたわ)」

梨子「やっぱり写真だけだとよっちゃんの可愛さがわかんないなぁ…」

善子「(!?ど、どういうこと?)」

梨子「この写真だとただの可愛いよっちゃんだもんなぁ…」

善子「(ほんとにどういうこと!?っていうかあんまり可愛いって言わないで欲しいんだけど…///)」

梨子「よっちゃんのどこが可愛いのか…。それは写真で表現できるほど簡単じゃないと思う」

善子「(真顔で何言ってるのよリリーは)」

梨子「よっちゃんは可愛いけど、改めてどこが可愛いのかと聞かれると全部説明するのが難しい…」

善子「(『どこが可愛いのかわからない』ってそういうこと!?)」

梨子「う~ん…」

梨子「とりあえず毎回よっちゃんが『ヨハネ、堕天!!』って言いながら登場するのは可愛いとして…」

善子「(え、あれ可愛いの?カッコ良くない?)」

梨子「そのあとみんなが『善子ちゃんお疲れ~』って言って『善子じゃなくてヨハネよ!』ってツッコむまでが恒例になってるし」フフッ

善子「(だってなかなかヨハネ呼びが定着しないし…。最近はたまにルビィと千歌さんが『ヨハネちゃん』って言ってくれるくらいだし…)」

梨子「ヨハネよ!ってツッコんでるときのよっちゃんも可愛いんだよね~」クスッ

善子「(リ、リリーの可愛いの基準がわからない)」

梨子「う~ん…」

善子「(……)」

梨子「ズバリ、よっちゃんの可愛さといえば…」

善子「(か、可愛さといえば?)」

梨子「ギャップ…かな」

善子「?」

梨子「堕天使モードのよっちゃんと素のいい子のよっちゃんのギャップが可愛い」

善子「(ヨハネは堕天使が素なんだけど!?)」

梨子「あっ、今のはさすがに訂正しなきゃ」

善子「(まったくよ)」ウンウン

梨子「よっちゃんは堕天使モードでもいい子だもんね」

善子「(ちがああああああう!堕天使だから!悪い子だから!)」

梨子「あー、でもこれ言うとよっちゃんに全力で否定されそうだから黙っとこ」

善子「(ぐっ…!)」

梨子「よっちゃんの可愛いところか~」ウ~ン

善子「(ていうかリリーさっきから心の声がダダ漏れよ。そういうのは思うだけにしなさいよ)」

善子「(…いや、思われるだけでも恥ずかしいけど)」

梨子「とりあえずよっちゃんは可愛い」

善子「(だ・か・ら!///)」

梨子「あと優しい。私服とか可愛い。けっこう抜けてる。何言ってるかわかんないときはちゃんと説明してくれる」

善子「(後半のは褒めてるの!?)」

梨子「よっちゃん、堕天使モードのときはたまに何言ってるかわかんないからなぁ」

善子「(そ、それくらいヨハネのリトルデーモンなら理解しなさいよっ)」

善子「(まぁ私もたまに自分で何言ってるのかわかんないときも…)」

梨子「多分よっちゃんも自分で何言ってるのかわかんないときあるよね、あれ...」

善子「(ぐはっ!)」

梨子「まぁ、そういうところも可愛いんだけど」

善子「///」

善子「(こ、これ以上は聞くのも悪いわね。忘れ物は放課後にして教室に戻りま…)」

花丸「善子ちゃん何してるずらー?」

善子「!?」

梨子「!?」

善子「ず、ずら丸!?何でここに…」

花丸「善子ちゃんが部室に行ってなかなか戻らないから見に来たずらっ」

梨子「よ、よっちゃん?」ガラッ

善子「あ、リリー…」

花丸「あれ?梨子さんも部室に用事だったずらか?」

梨子「う、うん。…あ、花丸ちゃん写真ありがと」

花丸「ずら!」

善子「えっとねリリー…。こ、これはね…」アタフタ

梨子「よ、よっちゃんもしかして…私のひとり言聞いてた?」アワワ

善子「い、いえっ。ヨハネも今来たところ…」

花丸「えーっ。教室出てって20分以上経ってるずら。それに善子ちゃん部室のドアの前で…もがもがっ」

善子「ずら丸!ちょっと黙りなさい!」

梨子「や、やっぱり聞いてたんだ…」

善子「えっと、その………うん」

梨子「……」

善子「……」

梨子「よっちゃん」

善子「な、なに?」

梨子「わ」

善子「わ?」

梨子「忘れてええええええええええええええ!!///」ダッ

善子「あっ、ちょっ、リリー!?」

花丸「すごい勢いで走っていったずら…」

善子「はぁ、まったくリリーは…(ていうか私のほうが恥ずかしかったんだけど!)」

花丸「ずら?」

善子「とりあえずずら丸」

花丸「なに?」

善子「デコピン2回ね」スッ

花丸「なんで!?」

善子「その答えは自分自身に聞きなさい」

花丸「えっと………、あー」

善子「心当たりがあったようね」

花丸「あはははは」

善子「ふふふふふ」

花丸「さらば!」ダッ

善子「ちょっ、待ちなさいずら丸!」ダッ


コラーマチナサイ! デコピンハイヤズラー!


ちなみにその後、『よっちゃんに顔合わせづらい~。』という理由で部活を休もうとしてた梨子を曜と千歌が無理やり引きずって来たのは別の話。


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