【ラブライブ×ポケモン】穂乃果「オトノキ地方を旅する!」真姫「Part2よ!」(再) (168)


【ラブライブ×ポケモン】穂乃果「オトノキ地方を旅する」【安価あり】
【ラブライブ×ポケモン】穂乃果「オトノキ地方を旅する」【安価あり】 - SSまとめ速報
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【ポケモン×ラブライブ】穂乃果「オトノキ地方を旅する」真姫「Part2ね!」【安価】
【ポケモン×ラブライブ】穂乃果「オトノキ地方を旅する」真姫「Part2ね!」【安価】 - SSまとめ速報
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登場キャラクター

・穂乃果(トレーナー) :オトノキチャンピオンを目指してバッジを集めている。
オーダイル♂Lv.36
チルタリス♀Lv.34
ストライク♂Lv31
ドテッコツ♀Lv.32
cロトムLv29
テッカニンLv.28
レアコイルLv33
イーブイ♀Lv20
ポケモンのタマゴ

・真姫(考古学者見習い) :有名な考古学者、ニシキノ博士の娘。古代文字を読むことが出来るので、UTX団に狙われている。 穂乃果、凛と一緒に旅している。
エルレイド
シャンデラ
バタフリー
タテトプス
マルマイン

・凛(???) :5年前の海難事故にて行方不明になったはずの少女。ポケモンの技を使えるらしいが……?
穂乃果、真姫と一緒に旅している。
マッギョ?


・花陽(トレーナー) :ポケモンマスターになるため、旅をしている。現在、5年前に行方不明になった幼馴染の凛に会うため、リッピー湖を目指している。
ベトベトン
スターミー
ペリッパー
ジュカイン
メタモン

・海未(トレーナー) :オトノキリーグで穂乃果を倒し、チャンピオンになるため旅をしている。
リザードン
ハクリュー
ニダンギル
ペンドラー
フラエッテ
ライボルト

・ことり(コーディネーター→トレーナー) :穂乃果に勝てないと言うコンプレックスから、英玲奈の下でトレーナーの修行をしている。
ベイリーフ
ヒノヤコマ
バンギラス

・絵里(???) :氷タイプを使う、とても強いトレーナー。UTX団所属。
デリバード
オニゴーリ
ツンベアー
トドゼルガ

・希(???) :チャンピオンのツバサや、絵里と仲がいい。 穂乃果や真姫に、旅の助けになるものを色々与えたりと、謎の多い少女
ソーナンス

・にこ(四天王『夢幻』) :オトノキの四天王でもあり、トップコーディネーターでもある。夢特性のポケモンを持つ。 UTX団を潰そうとしている。
バシャーモ

・ツバサ(チャンピオン) : オトノキ地方チャンピオン。にこと共にUTX団を潰すべく動いている。
ボーマンダ

・英玲奈(四天王『鉄血』):四天王の一角。その実力はツバサに並ぶほど。鋼タイプを繊細かつ豪快に操るその姿から、『鉄血』と呼ばれている。
エアームド

・あんじゅ(???):海未の師匠。穂乃果や真姫にも戦い方を教えた、因みに修業はかなりのスパルタ。ポケモンに技を教えたりなど、ポケモンの育成に関して人一倍秀でている。


・UTX団 :プレートを集めたり、古代の宝石を奪おうとしたり。目的は謎。

復活しました。
前回の続きからやり直します。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1476793632


バッドスメル『……』



にこ「……なんかこっち見てるわよ。舐めてるわね」

花陽「あっ!せ、せいれいプレート持ってますよ!」

にこ「じょーとーじゃない!ドア開いた瞬間、最大火力でぶっ飛ばして――」カチッ

花陽「いや、バッドスメルは部屋に監禁するんじゃ……」

にこ「……ふっ、演技よ演技!あんたが目的を見失なってないか試したのよ!」

花陽「な、なるほど!さすがオトノキクイーン、本当に忘れてたのかと思いました!流石です!!」

にこ「と、とーぜんよ……アハハ……」

にこ(それにしても、いったいどうやって……)



命「どうやって入ったんでしょう?」

イヤミ「ふんっ、そんなことは捕まえてから取り調べで吐かせればいい。さっさとバッドスメルを閉じ込めろ」

命「は、はい!」ポチッ

ガシャアーーン!!

千鶴子「……」



花陽「や、やった!扉が閉まりました!」

にこ「そうね。っていうか私何の為に呼ばれたのかしら」

花陽「あっ、見てください。バッドスメルに動きが……」


バッドスメル「やれ、マルノーム」

ポンッ

マルノーム「マールノー」ボシュッ

じゅわぁぁぁぁ———



にこ「なっ!か、壁が溶けて……!?」

花陽「マルノームのいえき・・・・・・まさか、脱出する気じゃあ———」

花陽(あれ?)

イヤミ『にこさん、すぐに突入を!』

にこ「やれるもんならやってるわよ!でもドア鉄板で塞がられてんじゃない!!」ガチャガチャ

イヤミ『ぐっ……!』

命『そ、そんな……!』

にこ「っ...こうなったら扉をぶっ壊して……!」

花陽「にこさん!モニター貸してください!!」バッ

にこ「ち、ちょっと花陽!?」

花陽「メタモン!へんしん解除!!」

にこ「……へ?」



部屋の中
壁「」グニュグニュグニュ!

メタモン「め〜た〜」

バッドスメル「なにっ!?」

メタモン「メ〜タ〜」カチッ

ポンッ

ベトベトン「ベートー!」

花陽『ベトベトン、がんせきふうじ!!』

ベトベトン「べトォォ!」ドゴォ

バッドスメル「ぐっ、溶かした壁が塞がれた……!」




花陽「やった!ここからでも声は届くみたいです!」

にこ「……メタモンを壁にへんしんさせてたのね」

花陽「はい!メタモンには私の合図でボールを開けるように言っておいたんです!下水道を住み処にするベトベトンなら、スカンプーの悪臭にだって耐えられます!」

にこ(この子……!)

花陽「さらにメタモン、ベトベトンにへんしん!」

メタモン「メ〜」カッ
メタベトン「べ〜ト〜ベ〜ト〜!」

花陽「バッドスメル、洋服の恨みです。すこし痛い目にあってもらいます!!」

ベトベトン「ベートー!」

メタベトン「ベ〜ト〜!」

バッドスメル「っ……」



命「花陽さん……」

イヤミ「A班は部屋の周りを包囲!B班は至急にこさんの所へ!コラッタ1匹逃がすな!!」

千鶴子「……」

ギリッ


にこ「こっちは扉を壊してみるわ。なんとか時間稼いで!」ポンッ

バシャーモ「シャモォォォ!」ゴォォォ!



バッドスメル「出てこい、マタドガス!」ポンッ

マタドガス「マータドガース!」

マルノーム「ノーム!」

花陽「行くよ!ベトベトン、メタモン!」

ベトベトン「べトォ!」

メタベトン「ベ〜トォ!」

バッドスメル「悪いが遊んでる暇はない。マタドガス、シャドーボール!」

マタドガース「ドガー!」シュバァ!

花陽「ベトベトン、ヘドロばくだん!」

ベトベトン「べートー!」ドドドド

ドゴォ!

花陽「メタモン、マタドガスにかなしばり!」

メタベトン「ベトベ〜!」ギィンッ

マタドガス「ドガッ!?」バギィンッ!

バッドスメル「くっ、うっとうしい……マルノーム、のしかかり!」

マルノーム「ノーーム」ノシィッ

メタベトン「ベトッ……!」ズシリッ

花陽「負けないでメタモン、れいとうパンチ!」

メタベトン「ベ〜ト〜〜!」パキパキッ

ドゴォッ
マルノーム「マルゥ!?」

花陽「そこです!ベトベトン、かなしばり!!」

ベトベトン「べートー!」ギィンッ

バッドスメル「なっ……!」

花陽「やった!」



命「す、すごい。花陽さん……」

イヤミ「離れた場所から指示してるのに、バッドスメルを押している……」

千鶴子「……えぇ、本当。すごいですわね」


にこ「へぇ、なかなかやるじゃない。チャモにー、私たちもいいとこ見せないとね!」

バシャーモ「シャモォォォオ!!」ドゴッドガァッ



花陽(ポケモンに攻撃しながら、バッドスメルの動きを封じる!)

花陽「ダブルがんせきふうじ!」

ベト・メタ「べ〜—ト〜—!!」ドドドドドドド

マタドガス「ドガァッ!!」

マルノーム「ノムゥゥ!」

バッドスメル「ぐっ……!」

花陽「よし!あと一息……!」

バッドスメル「……マタドガス、どくガス」

マタドガス「ドガー!」ボシュゥゥ!

花陽「えっ!」

バッドスメル「……」

花陽(どくガス?ベトベトンには効かないのに、なにを考えて……)

命「花陽さん!」

イヤミ「バッドスメルは!?」

警察「」ゾロゾロ

花陽「あっ、みなさん。今——」

ガシャンッ!

花陽「えっ!?」

にこ「な、なに、なんの音?」

花陽「……あっ!と、扉を塞いでいた鉄の壁が無くなってます!」

イヤミ「な、なに!?命ぉ!」

命「え!い、いや、私は何も……!」

にこ「はんっ、好都合じゃない!さっさと突入してとっつかまえてやるわ!」ズカズカ

花陽「あ、にこさん。今部屋の中にどくガスが充満してるから、マスクを……」

バッドスメル「……マルノーム、ほのおのパンチ」

マルノーム「ノーーーム!!!!」ボォォォ!

花陽「っ! あぶない!!」ダッ

にこ「へ?」ガチャッ



———ドゴォォォォーーーーン!!



警察「わぁ!?」

命「きゃあ!!?」

イヤミ「と、扉が吹き飛んで……!」

花陽「に、にこさぁぁん!」

にこ「なによ?」背後から

花陽「ぴやぁ!」ビクゥ

バシャーモ「シャモッ!」ダキッ

にこ「ありがとチャモにー、助かったわ」トッ

千鶴子「…マタドガスのどくガスに引火させたのですね」

命「で、でも、こんな大爆発、バッドスメルも無事じゃないんじゃ……」

花陽「め、メタモン……ベトベトン……!」ダッ

にこ「ちょ、花陽!」

バチバチッ

命「な、なんの音……?」

バチバチバチッ

イヤミ「部屋の煙が……」


そこにいたのは―――


バッドスメル??「ギギ、ギギギ」バチバチバチ

花陽「ひっ!?」


爆発によってガスマスクも服も全て吹き飛ばされ、右腕を失ったバッドスメルの姿。しかし――


命「な、なんですかあれ!?」

にこ「あれが・・・・・・バッドスメルの正体?」


右腕の断面から見えるのは、様々なコードからバチバチと音を立てながら火花を散らす精密機械の断片――


イヤミ「ロボット・・・・・・!?」


バッドスメル「スカン、プー」ポンッ

スカンプー「プゥゥ!」ピュッ

花陽「ぴゃああ!?」サッ

プ〜〜ン

命「ふがっ!?」

にこ「ま、マスクマスク……!」

バッドスメル「くろい……きり」

スカンプー「プゥゥゥ!」ブシュゥゥ!

花陽「うっ!し、視界が……!」

イヤミ「逃がすか!ダーテング、きりばらい!!」ポンッ

ダーテング「ダーテーン!!」

シュバァ


命「い、いない!?」

イヤミ「くっ、どこに……!」

警察「ぐわぁ!」

命・イヤミ「!?っ」

警察「こ、この!まて!!」

バッドスメル「ジジ、ジジジ……」

イヤミ「いつの間にあんなところまで!」

にこ「はん!ロボットなら手加減しないわよ!!チャモにー、ブレイズキック!!」

バシャーモ「シャモォォ!!」ヒュンッ

ドゴォォォ!

バッドスメル「ガ、ガピ……」バラバラ

命「ば、バラバラに……なんて威力……!」

にこ「どんなもんよ!」

イヤミ「……まて、せいれいプレートは……?」

命「へ?そ、そういえば、どこにいったんでしょう……?」

イヤミ「さ、さがせ!全員でくまなくさがせー!!」


花陽「メタモン!ベトベトン!大丈夫?」

メタモン「メタ〜」ボロッ

ベトベトン「ベトー」ボロッ

花陽「ま、待っててね、すぐにポケモンセンターに……」

花陽(あれ?なんかベトベトンの体についてる……?)スッ

花陽「これって……」


その後、花陽はポケモンたちをポケモンセンターへ
警察たちの懸命な捜索にもかかわらず、せいれいプレートは見つからなかった。

数時間後……
別室
イヤミ「技術班によると、遠隔から操作するタイプの機械のようでした。」

花陽「遠隔って事は……遠くから本物のバッドスメルが操作して立ってことですか?」

にこ「そう考えるのが妥当でしょうね……」

千鶴子「あの、それでせいれいプレートの方は?」

命「現在捜索中ですが、有力な情報はまだ……」

千鶴子「そうですか・・・まぁ盗まれてしまったものは仕方ありませんわね」

花陽「……」

にこ「それにしても、バッドスメルのやつ、どうやってあの部屋に入ったのかしらね?」

花陽「はい……脱出の時にマルノームのいえきで壁に穴をあけてましたけど…」

命「その時に空けた穴以外には、いえきによる穴は見つかりませんでした。くろいきりがはれたら、まるで最初からそこにいたかのように……」

花陽「……最初から?」ガタっ

にこ「花陽?」

花陽「……なるほど、そういうことだったんですね」

命「ど、どうしたんですか?」

花陽「謎は、全て解けました。バッドスメルがどうやって侵入したか、そして……せいれいプレートがどこにあるか……バッドスメルが、誰なのか!」

千鶴子「なっ……!?」

イヤミ「……本当ですか?」

花陽「はい!みなさん、10分後、コレクション部屋に集合してください!」


10分後
にこ「だいぶ匂いがましになったんじゃない?」

千鶴子「スカンプーの液がかかったところに蓋をかぶせることで、なんとかなったようですわね」

命「…あの蓋の中には、においが充満しているんですね……」ブルッ


花陽「お、おまたせしました!」タタタッ!

にこ「遅いわよ花陽!」

イヤミ「…それで、わざわざここに連れてきてどうするつもりですか?」

花陽「あ、ちょっと待ってください。えーっと……」キョロキョロ

千鶴子「あらあら、どうかしましたか?」

花陽「たぶん、この鎧の置物……」

千鶴子「ち、ちょっと!?」

命「花陽さん?」

花陽「えい!」

ガシャーン!

命「ええええ!?」

イヤミ「おい、なにして——!!?」

にこ「ち、ちょっと、それ……」

千鶴子「っ……」

命「鎧の中に、せいれいプレートが!?」

花陽「千鶴子さんので間違いないですよね?」

千鶴子「……えぇ、間違いなく私のせいれいプレートですわ」

イヤミ「し、しかし、なぜそこにあると?」

花陽「単純に、この部屋だと隠せるのはここしかなかったので」

命「隠せる?」

花陽「はい、バッドスメルは、爆発の煙がはれたとき、既にプレートを持っていませんでしたから、この部屋の中に隠したんだって思ったんです。自分と同じ様に…」

命「同じ様に……?」

にこ「ってことは、まさか…!」

花陽「はい。くろいきりが部屋にあふれたとき、バッドスメルは突然現れたんじゃありません、最初からこの部屋にいたんです。この鎧の中に…」

命「そ、そんな…い、いったいいつから!?」

花陽「そ、それは分かりません…というか、全部私の推測でしかないんですけど…」

にこ「ちょっ…急に自身なくさないでよ…」

千鶴子「……でも少し突飛な発想なのではなくって?最初から鎧にいたなんて」

イヤミ「いや、そうでもないですよ」

千鶴子「え?」

イヤミ「確かに普通なら考えつきません。だからこそ、警察も鎧の中までは調べなかった…確証はなくても、可能性はあります。」

にこ(意外ね、花陽のこと目の敵にしてると思ってたけど…)


命「で、でももし、それが本当だとしたら…!」

イヤミ「あぁ、そういうことになるな…」

にこ「えっ、なに、なんなのよ?」

花陽「バッドスメルは、ロボットでしたよね?それを鎧の中に仕込めるのは…」

千鶴子「捜査に協力して頂いた方…つまり、警察の方の誰かってことですわね」

にこ「なっ…!?」

花陽「…そう、ですね……つまり———」





花陽「犯人(バッドスメル)は、この中にいます!」



命「は、花陽さん?」

にこ「こ、この中って、あんた…!」

イヤミ「それはつまり、私か命のどちらかがバッドスメルということですか?」ギロッ

花陽「そ、そういうわけではなくってですね…」

にこ「どっちなのよ…」

花陽「わ、私はそもそも…い、いや、それより命さん!ハチちゃんに、せいれいプレートについている、バッドスメルの匂いを辿らせてください!」

命「えっ、で、でも……」

イヤミ「バッドスメルの破片から調べてみましたが、特になにも見つからなかったぞ?」

花陽「でもこのせいれいプレートは、バッドスメルが直接触ったものです。なにか、新しい手掛かりが見つかるかもしれません!!」

イヤミ「……まぁ、そういうことなら」

命「…わかりました!」



命「ハチ、頑張って、あなたなら絶対できます!」

ハチ「ワン!」

命「かぎわける!」

ハチ「ワゥ!」クンクン

にこ「…ねぇ、ほんとにうまくいくの?」

花陽「はい、絶対大丈夫です。あの二人なら……」チラッ

千鶴子「……」

花陽「そういえば、保険金の方はどうなるんですか?」

千鶴子「……そうですね。見つかったなら、保険金はおりないでしょうね」

花陽「なるほど、それは残念ですね……」

にこ「ち、ちょっと…」

ウインディ「ワン!」タタッ

命「あっ、ハチ!」

イヤミ「突然動き出したぞ?」

花陽「追いかけましょう!」


ウインディ「……」クンクンッ

命「この部屋って……」

花陽「……千鶴子さんの部屋、ですよね?」

千鶴子「え、えぇ、そうですけど……」

ウインディ「ワンッ!」尻尾パタパタ

命「? ハチ、そのクローゼットがどうかしたの?」

イヤミ「開けても構いませんか?」

千鶴子「はい、構いませんよ?」ホッ

ガチャ

イヤミ「……特に何もないようだ「ワンッ!!」……ん?」

花陽「……」カチッ


クローゼットの奥をゴソゴソと漁るハチを誰もが注目する中、花陽だけが悟られないよう、千鶴子に目を向けていた。
やがて、ハチが何かを咥えて顔を出した。それは、その場にいた誰もが既視感を持つもの。

命「なっ、それって!」

イヤミ「バッドスメルがつけていた、スカタンクのガスマスク!」

にこ「な、なんでそんなところに…!」

ほとんどの者が驚愕を露わにする中、明らかに動揺を隠せないものが一人。

千鶴子「そ、そんなはずは……!!」

そう呟くと、ちらりと、部屋の奥にある金庫に目を向ける。花陽はその瞬間を見逃さなかった。

花陽「ジュカイン、リーフブレード!!」

即座にモンスターボールを投げると同時に指示を出す花陽。ボールから飛び出したジュカインは即座に両腕の緑刃で、金庫を×字に切り裂いた。
ガラガラと崩壊する金庫の扉。その中から現れたのは、大量のスカタンクのガスマスクとバッドスメルの着ていたライダースーツさらには色とりどりの大量の宝石……今までバッドスメルに盗まれた財宝たちだった。

しんと静まり返る室内、命がハッと我に返りすべてを理解したように溜息を吐く。そしてゆっくりと千鶴子に近づいて、口を開いた。

命「千鶴子さん、あなたがバッドスメルなんですね」



千鶴子は、強欲なコレクターだった。

バッドスメルとして数々の宝石を窃盗し、さらに元々持つ資金で様々な骨董品を買い占めた。
だが、その資金が底をつき始めたらしい。普通の生活もままならないほどの金欠となってしまった千鶴子。こうなれば自分のコレクションを売るしかない、しかし、千鶴子のコレクターとしての意地がそれを躊躇させた。

そんな千鶴子の元に、とある女性が現れた。

「せいれいプレートを高額で売ってほしい。」

その額は、ある科学者が買い取ると言って提示してきた値段の約十倍。
せいれいプレートは学術的な価値もあり、コレクションお気に入りの一つだったが、背に腹は代えられず、渋々その女性の提案に乗った。

そして、千鶴子に欲が生まれる。

せいれいプレートをバッドスメルに盗まれたことにすれば、さらに保険金を受け取ることができる。と……

そのため、精巧なせいれいプレートのレプリカを作り、あえて警察の前で盗みを成功させるつもりだったのだが……

千鶴子「クローゼットにマスクなんて、しまった覚えはないのですが……」

ぼやくようにそう呟いて連行されていく千鶴子をよそに、花陽は気付かれないように一人こっそりと別の部屋へと移動する。その手には、ハチがクローゼットから見つけたスカタンクのマスクが握られていた。

花陽「……メタモン、へんしん解除」

マスク「」グニョーン

メタモン「メタ~」

花陽「ありがとう。怪我してるのにごめんね…」ナデナデ

にこ「ふーん、そういうことだったのね」

花陽「ぴゃあ!?に、ににににこさん!?」

にこ「……そのメタモンの持ってるの、バッドスメルの服の一部?」

花陽「は、はい。バッドスメルとのバトルの後、ベトベトンの体についてたので……」

にこ「なるほど、それでわざわざウインディに探し当てさせることで、千鶴子の動揺を誘ったのね」

花陽「はい、正直賭けでしたけど……あ、あの!こ、このことは内緒に……」

にこ「いや、別に私はいいけど……。あんたは、それでいいの?これ、ほとんどあんたの手柄みたいなもんじゃない」

花陽「い、いえ、そんなことはありませんけど……私は――」


言いかけて、花陽は窓の外に目を向ける。その視線の先には、嬉しそうにハチに抱き着く命の姿がある。ふと、自分が初めてバトルに勝った時のことを思い出した。穂乃果に会って、ポケモンを信じること、ポケモンが信じる自分を信じることを教えてもらい、初めてつかんだ勝利。
命がイヤミに責められているときも、花陽は自分と重ねていた、まだ穂乃果と出会う前の、まだポケモンも自分も信じれなかった自分自身。
自分のやったことは、他人から見ても自分から見ても、ただの偽善の自己満足でしかないんだろう。


それでも、私は———

彼女のように、教えてあげたかった。
私のように、知ってほしかった。
自分と、ポケモンの可能性を、そのすばらしさを。


花陽「……これでいいんです。これで―――」



翌日
にこ「そういや、あんたリッピー湖に用があるのよね?」

花陽「はい、そうですけど……」

にこ「私もちょっとリッピー湖で調べたいことがあるから、一緒に行きましょ?」

花陽「ほ、本当ですか!?是非!」パアァッ

命「花陽さーん、にこさーん!」

花陽「あっ、命さん!」

にこ「見送りに来てくれたの?」

命「はい!お二人とも、捜査にご協力、本当にありがとうございました!」

花陽「い、いえ、私はなにも……」

にこ(まぁ、にこは本当に特になんもしてないけど)

命「私、もっと頑張って、いつかオトノキ地方一の警察官になってみせます!ハチと一緒に!」

ウインディ「ワンッ!」

命「花陽さんも、オトノキリーグ頑張ってください!」スッ

花陽「はい!命さんも!」グッ


見事バッドスメルを捕まえることで、自分に自信を持つことができた命。
彼女はきっとこれからも、立派な警察官として成長していくことだろう。

そして、ついにリッピー湖の近くまで来た花陽。
そこで、彼女が目にするものとは…?


にこ「そういえば、あんたいつ千鶴子がバッドスメルだって思ったの?」

花陽「千鶴子さんって最初にハグされた時、色々な香水の匂いに混ざって微かにスカンプーのにおいがしたんです。数時間後には消えてましたけど。」

にこ「つまり最初からってわけ・・・っていうかあんたの鼻どうなってんのよ。ポケモンよりすごいんじゃないの?」


TO BE CONTINUED...


その頃
オトノキ地方一の温泉街、イヤシティ

穂乃果「はぁ〜、気持ちよかったね〜」ホクホク

真姫「えぇ、温泉なんていつぶりかしら」ホクホク

凛「ねぇねぇ穂乃果ちゃん真姫ちゃん!温泉卵だって、食べたいにゃー!」

穂乃果「いいねー!食べよ食べよー!」

真姫「ちょっとー、ポケモン捕まえに行くんじゃなかったのー?」

穂乃果「あとであとでー!」

真姫「まったくもう・・・」

グゥ〜・・・

真姫「・・・わ、私も食べようかしら///」

復活記念
タマゴ判定
コンマ直下の2倍
ゾロ目の場合更に倍


タマゴ判定
79×2=158

現在798
時々動いているようだ。生まれるまでもう少しかな?

今日はここまで、今月中にもう一度更新する予定。

こんな時間に人がいるかわからんが、投下してくよ


トクイシティ
公園

「いあいぎり!」「シザークロス!」

ガギィィンッ!!

色違いカイロス「カイロォォォ!!」グォンッ!

ストライク「ストッ……!」ズザァッ

ヒデコ「よーし、カイロス!そのまま角ではさんじゃえ!」

色違いカイロス「ロォス!」グァッ!

穂乃果「飛んで躱して!」

ストライク「ストォッ!」ヒュンッ

穂乃果「旋回してつばめがえし!!」

ストライク「ストラー!」ビュゥンッ!

ヒデコ「角で受け止めて!」

ガギンッ!!

ストライク「スッ!?」ギギギッ

カイロス「カイッ……!」ギギギッ

穂乃果「なっ……!?」

真姫(弱点のつばめがえしを、あえて受け止めた!?)

ヒデコ「ハサミギロチン!!」

穂乃果「やばっ!か、かげぶんしん!!」

ストライク「スト!」シュンシュンシュンッ!

カイロス「カイィ!!」スカッ

穂乃果「あ、あっぶなー……」

真姫(モブシティのフミコ。さすが、既にバッジ8個集めてるだけのことはあるわね……)


真姫(見たところ、パワーはカイロスの方が上だけど、スピードはストライクに分がある。でも、気になるのは……)

凛「ねぇねぇ真姫ちゃん、あのカイロスの角についてる石、綺麗だねー!」

真姫「えぇ、そうね……(あれってもしかして…)」

ヒデコ「いやー強いね穂乃果」

穂乃果「フミコこそ!でも、まだまだこれからだよ!」

ヒデコ「ふふっ、そうだね。それじゃあこっちも全力でいかせてもらおうかな」スッ

穂乃果「? (なに、あの腕輪……)」

ヒデコ「いっくよーカイロス!メガシンカ!!」カッ

カイロス「カイィィィ!!!」カッ

キィィィィンッ!!

メガカイロス「カイローース!!」

穂乃果「か、カイロスに……」

凛「羽が生えたにゃ……」

真姫「やっぱり、キーストーンとメガストーンだったのね・・・・・・!」

ヒデコ「さぁ、本当の勝負はこれからだよ!」



ヒデコ「カイロス、いあいぎり!!」

穂乃果「それならこっちは、シザークロス!」

メガカイロス「カイッ!」ヒュッ

ストライク「ストッ!」シュンッ

ガギィィンッ

ストライク「スト!?」ズザァッ

穂乃果「なっ!?」

真姫「いあいぎりにシザークロスが押し負けるなんて・・・・・・!」

凛「さっきよりパワーが上がってるにゃ!」

穂乃果「ぐっ……つばめがえし!」

ヒデコ「シザークロス!!」

ストライク「ストッ―――ラァァァァァ!!」ビュゥンッ!

メガカイロス「カイ!」シュガァ!

ドゴオオオ!!

ストライク「ストォ!?」ギィィンッ!

真姫「つ、つばめがえしまで・・・!」

穂乃果「ま、まずい・・・ストライク!空中でいったん距離をとって!」

ストライク「スッ・・・!」ヒュッ

穂乃果「つるぎのまい———」

ヒデコ「させないよ!カイロス、こっちも飛んで接近!」

カイロス「カイローーース!!」シュンッ

ストライク「ラッ———!?」

ヒュンッ!ヒュンヒュンヒュン!!

凛「ふ、振り切れないにゃ!」

真姫「スピードは全くの互角のようね」

穂乃果「っ・・・それなら、かげぶんしん!」

ストライク「ストラーーー!!」シュンシュンシュン!

真姫「よし!これなら———」

ヒデコ「かげぶんしん全部にいあいぎり!」

メガカイロス「カイローース!!」ヒュガッ


ズバズバズバズバ————

凛「は、はやい・・・!」

ズバァッ!!

ストライク「ストァ!?」

真姫「当たった!」

穂乃果「そ、そんなっ…! ストライク!立て直し「遅いよ!カイロス、捕まえて!」」

メガカイロス「カイッ――」

ヒュゥンッ!

ストライク「ストッ!?」」

真姫(一瞬でストライクを掴んだ…!)

ヒデコ「ちきゅうなげ!」

メガカイロス「カイッ!」ドゴォオ!

ストライク「ラアァア!!」

穂乃果「ス、ストライク!大丈夫!?」

ストライク「スト・・・!」グググッ

ヒデコ「へぇ、なかなか頑丈だね。でも、これで決めるよ!ハサミギロチン!!」

カイロス「カイロォォォォォオオオオオオ!!」ギュゥゥンッ

穂乃果「ストライク躱して!かげぶんしん!!」

ヒデコ「遅いよ!いっけーーーーー!」

ストライク「ストッ・・・!」

メガカイロス「カイッロォォォォォォォォス!!」

ズバァァァンッ!!







ストライク「ス、と……」ドシャッ


真姫「・・・ストライク、戦闘不能よ」



穂乃果「ストライク、お疲れさま。ゆっくり休んでね」チューンッ

ヒデコ「やったねカイロス!メガシンカばっちり!」

メガカイロス「カイ!」

シュウゥゥゥ

カイロス「カイロッ!」

穂乃果「すごいねヒデコ!メガシンカ、私初めてみたよ!」

ヒデコ「穂乃果のストライクも、なかなかやるね。メガシンカがなきゃ危なかったよ!」

真姫(相変わらずすぐ仲良くなるわね・・・)

凛「ねぇねぇヒデコちゃん、その石ってどこでもらったの?」

真姫(凛まで!?)

ヒデコ「この町にいる、メガシンカについて研究しているヤザワ博士って人からだよ。今その人のところで修行させてもらってるんだ」

穂乃果「へぇーいいなー!メガシンカかぁ・・・私のオーダイルもメガシンカできるのかな?」

ヒデコ「いや、確かオーダイルは・・・そうだ!貴女たちも来てみない?ヤザワ研究所!」

凛・穂乃果「いいの!?」

ヒデコ「うんっ!っていうか、流れでバトルになっちゃったけど、元々は穂乃果に研究所に来て欲しかったんだった」テヘヘ


穂乃果「へ?私・・・?」


ヤザワ研究所
「貴女が穂乃果ちゃんと真姫ちゃんね。待ってたわ」

穂乃果「は、はい。はじめまして・・・?(この人、どこかで・・・?)」

真姫(っていうかどう見てもあの人の母親よね・・・)

凛「むー、凛もいるよー!」

「あら、元気な子ね。ごめんなさい。そしてはじめまして、私は———」スッ

穂乃果・真姫・凛「?」

「にっこにっこにー!でおなじみ!『夢幻のにこ』の母、ヤザワ博士です♪」

・ ・・・・・

ヤザワ「あ、あれ?」

穂乃果・真姫(・・・なに今の?)

凛「ちょっと寒くないかにゃー?」

ヤザワ「」グサッ

ヒデコ「ちょっ!?」




穂乃果「そ、それでヤザワ博士。私を待ってたって・・・」

ヤザワ「えぇ、まずはこれを見てもらえる?」pi!


にこ『ぼやぼやしてる暇ないわよ?とびひざげり!』

バシャーモ『シャモオオ!』


穂乃果「これって・・・」

真姫「穂乃果とにこちゃんが戦ったときのビデオ?」

ヤザワ「フカヤマ博士の助手がこっそり撮ってたらしいわよ」

凛「相手の子、ヤザワ博士にそっくりだにゃー!」

ヤザワ「えぇ!私の自慢の娘よ!!」ドヤッ

ヒデコ(出た、親バカ・・・・・・)


にこ『ブレイズキックよ!』


凛「わわっ!穂乃果ちゃんが負けちゃうよ!」

穂乃果「いや、既に負けちゃってるんだけど・・・」

真姫「あれは引き分けでしょ?」ムッ


穂乃果『オーーーダイルゥーーーーー!!!!』


オーダイル『ダッ————イッッッッルァァァァアアアアア!!!!』

pi(ストップ)!
凛「あっ、いいところだったのに!」

ヤザワ「ここ。ここのオーダイルを見てちょうだい」


穂乃果「オーダイル、ですか?」

真姫「これって・・・」


ヒデコ「なんか、オーダイルの色が・・・赤?いや、オレンジ色に光ってませんか?」

凛「わー、ホントだにゃー!」

真姫「(あの時見たのは、気のせいじゃなかったのね)でも、これって一体・・・」

穂乃果「まさか、メガシンカ?!」

ヤザワ「いや、それは無いわ。メガシンカには、メガストーンとキーストーンが必要だし、そもそもオーダイルはメガシンカできないわ・・・まだ発見されてないだけかもしれないけどね」

穂乃果「そうなんだ・・・」シュンッ

ヒデコ「でもメガシンカじゃないなら、これっていったい・・・」

真姫「・・・まだ確認されてない、新しい現象?」

ヤザワ「えぇ、おそらくは・・・ねぇ穂乃果ちゃん、この時のこと何か覚えてない?ポケモンの技を受けたような痛みがあったとか、オーダイルの見ているものが見えたとか!」

穂乃果「え、えーっと・・・この時のことはただバトルに夢中で、あんまり覚えてなくって・・・」

真姫「この時に限らず、あなたバトル中のことなんてほとんど覚えて無いじゃない」

穂乃果「もぉ〜真姫ちゃーん!!」ジタバタ

凛「穂乃果ちゃんらしいにゃー」

ヤザワ「そう・・・ねぇ穂乃果ちゃん。しばらくこの研究所で修行してみない?」

穂乃果「へ?」

ヤザワ「この最後のアクアテール、げきりゅうのパワーアップを考慮しても威力が強すぎる。きっとこの現象が起因してるわ。研究者としてこれを調べたいということもあるけど、この力を制御できるようになれば、きっと貴女はもっと強くなれる。・・・そしてそれはきっと、この先あなたたちに襲いかかる大きな脅威から、きっと守ってくれる」

穂乃果「えっ、それってどういう・・・」

ヤザワ「どうする、穂乃果ちゃん?」

穂乃果「あっ、私は・・・・・・」



にこ『その子のこと、頼んだわよ』



穂乃果「・・・断る理由はありません。にこちゃんとも約束したんです。私は、強くなりたい。強くならなくちゃいけないんだ!」


真姫「穂乃果・・・」

穂乃果「修行、よろしくお願いします!」


次の日
ヒデコ「穂乃果ー、準備はいいー?」

穂乃果「ち、ちょっと待って!え、えーっと、これをこうして・・・」アセアセ

オーダイル「だ、ダイ・・・」アセアセ

真姫「腕輪つけるだけなのに何を手間取ってるのよ・・・」

ヤザワ「悪いわねフミコちゃん。自分の修行だってあるのに・・・」

フミコ「いえ、私も穂乃果とのバトルは楽しいし、色々勉強になるので!」

ヤザワ「そういってもらえると助かるわ」

凛「ねぇねぇ博士。あの機械って何なんですか?」

ヤザワ「あれはバトルパルス測定器。バトル中の脳波や心拍数をまとめてデータ化した物をパルス信号にまとめて、この画面に映し出してくれるの。」

凛「パル?パルシェン・・・?」

ヤザワ「よ、ようするに、バトル中に穂乃果ちゃんとオーダイルがどういう状態かを知ることができるのよ!」

凛「へー、すごいにゃー!」←なんかすごいことだけは分かった

穂乃果「・・・よしっ、用意できましたー!」

オーダイル「ダイー!」

ヤザワ「それじゃあヒデコちゃんよろしく!」

ヒデコ「はーい!いっくよー!!」ポンッ


ヒデコの手持ち
安価下2
防御種族値120以上
伝説・準伝説・御三家以外


ギガイアス「ギガー!!」

ヒデコ「穂乃果、特訓っていっても本気で行くよ!」

穂乃果「もちろん!じゃないと意味がないからね!」

ヤザワ「それじゃあ、バトルスタート!」

穂乃果「オーダイル、みずのはどう!」

オーダイル「オーダイー!」ドォンッ!

ヒデコ「アイアンヘッドで打ち消して!」

ギガイアス「ギガーー!」ガキーン!バシャッ!

凛「直撃にゃ!」

真姫「でも、大したダメージにはなってないわ」

穂乃果「こうそくいどうで回り込んで!」

オーダイル「ダイルッ!」シュンシュンッ!

ギガイアス「ギガ!?」

穂乃果「アクアテール!」

オーダイル「オーーダイーーー!!」シュバァッ!

ドガゴォオ!!

ギガイアス「ギッ―――!!」ズガァァ!

ヒデコ「うわっ、すっごい威力・・・!」


ヤザワ「すごいわね、穂乃果ちゃんとオーダイル。バトルパルスを見る限り、息ぴったり!」

真姫「と、とーぜんでしょ!」カミノケクルクル

凛「なんで真姫ちゃんがうれしそうなの?」

ヤザワ「けど・・・データだけをみるならヒデコちゃんの方が上ね」

凛・真姫「えっ・・・?」

ヒデコ「よーし、私たちも気合入れていくよ!ギガイアス、すなあらし!」

ギガイアス「ギガァァァ!!」ヒュゥゥゥゥゥ――

ヒュゴォォォオオオ!!

真姫「きゃっ!」

凛「わわっ!!」

ヤザワ「ギガイアスの得意なフィールドを作り上げた・・・ここからのヒデコちゃんは強いわよ」


ヒデコ「さぁ、いくよギガイアス!ストーンエッジ!」

ギガイアス「ギガアアアアア!!」ヒュドドドドド!!

穂乃果「っ―――」


・・・・・・・

・・・・

・・

四日後

穂乃果「」ズーンッ↓↓↓

ヒデコ「あちゃー・・・」

ヤザワ「ほ、穂乃果ちゃん、元気出して!」

凛「なーんにも起こらなかったね。しかも五連敗にゃ」

穂乃果「」グサッ

真姫「ちょっと凛!」

ヤザワ(バトルパルスを見る限り二人の息はぴったりだけど、そこから何か変化が起こる兆しがなかった・・・あれは偶発的に起こったもので、穂乃果ちゃんは関係ないのかしら・・・)

ヤザワ「まぁ、今日はここまでにして、明日は条件を変えてやってみましょう」

穂乃果「はい・・・」

凛「穂乃果ちゃーん、元気出すにゃー!美味しいもの食べてまた明日———」

———ゴ

凛「っ———!」バッ

真姫「凛、どうかした?」

凛「みんな、早くここから離れて!」

ヒデコ「な、なに、どうしたの?」

凛「いいから早く!」グイグイ


———ゴゴゴゴゴゴ!

真姫「きゃあ!」

穂乃果「じ、地震!?」

ヤザワ「違う、これは・・・・・・!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!


凛「下から、何か来る・・・!!」



ドゴォーーーーーン!!


ヒデコ「わああ!?」

ヤザワ「あれは、ドリュウズ?いえ、大きすぎるわ。ロボット・・・?」

穂乃果「あ、あのマークは・・・!」

真姫「・・・また来たってのね」

ウィーン

「ハロー!癖毛ちゃんにサイドテールちゃん♪」

「やあ。また会えてうれしいよ」

真姫「あ、あんたたちは!」

穂乃果「ラブカ遺跡で会った・・・!」

涼「赤髪の君を迎えにきたよ」カチッ

レベッカ「あのちびっ子もいないし、今度こそ連れてっちゃうんだから!」


真姫「確か、涼とレベッカ・・・」

レベッカ「ベッキーって呼んでちょうだい♪」ウインクパチンッ

ヤザワ「あのマーク、まさかUTX団!」

凛「う〜、また出たにゃ・・・」

穂乃果「あれ、凛ちゃんUTX団を知ってるの?」

凛「うん。凛も追いかけ回されたことあるにゃ・・・」

涼「おや?君は・・・」

レベッカ「あら?電気猫ちゃんまでいるじゃない!涼、二人とも頂いちゃいましょ!『二ホビット追うものは一ホビットも得ず』よ!」ポンッ

ナッシー「ナッシィーー!」

涼「レベッカ、それは意味が真逆なんだが・・・。しかし、鉄血の手柄を私たちが奪うというのも、悪くはない」ポンッ

デスカーン「デースー!」

穂乃果「そんなことさせない!いくよ、チルタリス!」ポンッ

真姫「おとなしく捕まるわけないじゃない!バタフリー!」ポンッ

凛「凛だって!」パチパチッ

ヒデコ「な、なんだかよくわからないけど、私も助太刀するよ!ギガイアス!」ポンッ

真姫(いくらあいつらが強いっていっても、四人がかりなら・・・!)

涼「四人がかりなら勝てる。と思っているのかな?」指パチンッ

UTX団したっぱ×10「」ズラッ

穂乃果「そ、そんな・・・!」

レベッカ「ソーリー。でも私たちもあとがないのよ。あなた達は癖毛ちゃんと猫ちゃんを捕えなさい!」

UTX団下っ端「はっ!」シュザッ!


真姫「くっ!」

ヤザワ(・・・)ザッ

涼「デスカーン、くろいまなざし!」

デスカーン「デスッ!」クワッ

ヤザワ「きゃあっ!?」ギシッ

涼「申し訳ないが、助けを呼びにいけないよう、動きを封じさせてもらったよ」

ヒデコ「博士!このっ・・・博士に何すんのよ!ギガイアス、ロックブラスト!」

ギガイアス「ギガァッ!」ドンドンッ!

レベッカ「ナッシー、リーフストームよ!」

ナッシ―「ナッシー」ビュゥゥゥゥウウン!!

ギガイアス「ギガァッ!?」ドゴシャァァア!

ヒデコ「ギガイアス!?(ロックブラストごと押し返された!?この人・・・強い!)」

レベッカ「ふふふっ♪」


穂乃果「ヒデコ!」

涼「それでは、君は私がお相手しよう。デスカーン、シャドーボール!」

デスカーン「デスカーーン!!」ゴッ

穂乃果「! チルタリス、はがねのつばさで弾き返して!」
チルタリス「チルゥ!」ガキーンッ!ドゴッ

デスカーン「デスッ!?」ボゴォッ

涼「ほう、なかなかやるね」

穂乃果(いける、穂乃果だって強くなってるんだもん!これなら・・・!)

涼「だが、まだまだ荒い・・・」カチッ

ポンッ

ゴルーグ「ゴルー・・・」ゴゴゴゴゴ

穂乃果「お、おおきい・・・!」

チルタリス「チ、チル・・・!」

涼「実力の差を教えてあげよう。強大な力に打ちのめされるのも、また成長というものさ」

―――


―――


穂乃果「・・・」

ヒデコ「そ、んな・・・」

ヤザワ「ふ、二人とも・・・」



ブロロロロ――

レベッカ「ふふふっ、イージーな仕事だったわね」

涼「あぁ、あの二人、なかなかいいものは持っているが、まだまだ私たちの敵ではなかったな」

真姫「・・・」スヤスヤ
凛「・・・」むにゃむにゃ





ガギィィンッ

ゴルーグ『ゴル・・・』

ストライク『スト!?』

穂乃果『そ、そんな・・・(つるぎのまいを積んだストライクのつばめがえしが全く効いてない・・・!)』

涼『そんなものかい?ならば、終わらせてあげよう』

穂乃果『っ・・・ストライク、かげぶんしん!』

ストライク『ストラッ!!』

涼『ゴルーグ、じゅうりょくだ』

ゴルーグ『ゴルー』ズンッ

ストライク『スッ———!?』ズシッ

穂乃果『なっ!?』

涼『やれ、アームハンマー』


ドゴオオオォォォォ————・・・


穂乃果(チルタリスも、ロトムも、ストライクでさえ・・・)

ヒデコ「ごめん、穂乃果。隙をつかれて二人を連れてかれちゃった・・・」

穂乃果「・・・ヒデコのせいじゃ、ないよ」

穂乃果(にこちゃんに負けてから、いろんな人とバトルして、レベルを上げて・・・強くなったはずだった。でも、調子に乗っていたわけでも、油断していた訳でもなかった。それなのに・・・)

穂乃果(全く歯が立たなかった・・・!!)

穂乃果「ごめん・・・ごめんね、りんちゃん、まきちゃん・・・!!」

ヤザワ「穂乃果ちゃん・・・」




ヒデコ「穂乃果、追いかけよう」

穂乃果「え?」

ヒデコ「確かに、全然敵わなかったかもしれない。でも、それはあきらめていい理由にはならないよ!本当にあの二人が大切なら、見苦しくっても食らいつかなきゃ!」

穂乃果「ヒデコ・・・」

穂乃果(そうだ、落ち込んでいる場合じゃない。バトルじゃ勝てなくたって、真姫ちゃんと凛ちゃんを取り返さなきゃ)

穂乃果(にこちゃんにだって頼まれたんだから———)

穂乃果「あっそういえば・・・・・・!」ゴソゴソ

『どうしても困ったことがあれば、これを使いなさい。だそうよ?』

穂乃果「にこちゃんからもらったこの笛・・・・・・」

ヒデコ「なにそれ、笛?」

ヤザワ「あら?それって・・・」

穂乃果(使えって、普通に吹けってことなのかな・・・・・・笛を吹いたところで、なにが変わるのかは分からないけど・・・・・・)スッ


〜♪


穂乃果(にこちゃんお願い・・・・・・穂乃果に力をかして———!)



〜♪
ビュゥンッ―――!



ブロロロロ――

真姫「ちょっと!これ解きなさいよーー!!」ギャーギャー

凛「にゃ~!!」ゴロゴロ

レベッカ「もーシャラァップ!もう一回眠らせちゃうわよ!」

涼「本部まであと一時間か・・・なにも起こらなければいいが・・・」

したっぱ「涼様、何かが高速で接近してきます!」レーダーpipi!

涼「なに・・・?」

レベッカ「ち、ちょっと、これかなりのスピードじゃない!?」

涼「外の映像を映してくれ」

したっぱ「はっ」カタカタッpi!

凛「あっ!穂乃果ちゃんだにゃー!」

真姫「ヒデコもいるわね。二人ともなにかに乗ってるけど・・・?」

涼「あれは、あのポケモンはまさか・・・!」






―――ビュゥゥゥン!




ヒデコ「見えたよ穂乃果!UTX団の車!」

穂乃果「間に合った・・・!ソラくん、マルちゃん、全速力であの車を追って!」

ラティオス(ソラ)[任せろ!]

ラティアス(マル)[りょうかーい!]

ビュゥゥゥウウンッ!!!



涼「むげんポケモン、ラティオスとラティアス・・・!」

真姫(『むげん』・・・もしかしてあの笛は・・・)

凛「ねぇねぇ真姫ちゃん」ヒソヒソ

真姫「?」

レベッカ「なんであの二匹が・・・!ちょっと、もっとスピードでないの!?」

したっぱ「これが限界です!」

涼「落ち着くんだレベッカ。少し到着が遅くなるが、地面に潜ればいいだけの話だ」



ウィーーン

穂乃果「あっ!ドリルに変形してる!」

ヒデコ「させないよ!」カチッ


ヒデコ手持ち
第6世代まで
攻撃or特攻種族値130以上
伝説・準伝説・御三家以外


安価>>47

アブソル


ヒデコ「アブソル、メガホーン!」ポンッ

アブソル「アブ!アーーーブッ!!」ギュォオオオン!!

ドゴォオンッ!!



レベッカ「きゃあああ!?」

涼「なっ!ど、ドリルにメガホーンが突き刺さった!?」

真姫「なんてパワーなの・・・!」



穂乃果「すごっ・・・」

ヒデコ「行くよ穂乃果!」

穂乃果「う、うん!でもどうやって中に入れば・・・」

ラティオス[我々に任せろ。マル!]

ラティアス[はいはーい!ようは穴開ければいいんだよね?]

穂乃果「と、友達が中にいるから、壊さないようにね?」

ラティアス[分かってるって!]コォォォ

ラティオス[行くぞ!]コォォォ

――ラスターパージ!
――ミストボール!

ドゴォォォン!!



したっぱ「うわぁ!」
キキィィィーッ

涼「くっ、機体に穴が・・・!」

レベッカ「なにストップしてんのよ!早く走らせなさい!!」

したっぱ「は、はい!ただ今・・・」


ヒュゥンッ!

穂乃果「真姫ちゃん!凛ちゃん!助けに来たよ!」

真姫「穂乃果!ヒデコ!」

レベッカ「このっ・・・全員で捕まえて!!」

したっぱ達「ハッ!」ポンポンポンッ


ヒデコ「こっちは私に任せて、穂乃果はふたりを!」カチッ

穂乃果「うん!」


安価下2
ヒデコの手持ち
第6世代まで
素早さ115以上
伝説・準伝説・御三家以外
>>1のキャラの手持ちとかぶらないもの



ヒデコ「ゼブライカ、ワイルドボルト!」ポンッ

ゼブライカ「ゼブラァァァアアア!!」バリバリバリッ

ドガァァンッ!!

したっぱ「は、はやい・・・!」

レベッカ「もう!なにやってんのよ!!」

涼「・・・」



穂乃果「二人とも、だいじょうぶ?」

真姫「えぇ、眠らされてただけで、怪我はしてないわ」

穂乃果「そっか。凛ちゃんも・・・あれ?」

凛「・・・」

穂乃果「り、凛ちゃん、寝てるの?」

真姫「いえ、とにかく凛も無事よ。とにかく今は脱出しましょう」

穂乃果「わかった!テッカニン、二人の縄を切って!」ポンッ

テッカニン「テッカ!」ズバッズバッ!

穂乃果「マルちゃんは二人をお願い!ソラくんは私とヒデコのところに!」

ラティアス[はーい♪二人ともよろしくね]

真姫「よ、よろしく・・・(頭の中に声が・・・)」


ヒデコ「ニトロチャージ!」

ゼブライカ「ゼブゥゥ!!」ボォッ!

したっぱ「うわー!!」

ヒデコ(今のところうまくいってるけど・・・あの二人がいない。どこにいったの・・・?)キョロキョロ

穂乃果「ヒデコ!捕まって!」

ヒデコ「あ、うん!ゼブライカ戻って!!」チューン!

ガシッ(穂乃果がヒデコの手を掴む音)

したっぱ「ま、待てーー!!」

ビューン!

ヒデコ「外に出た、このまま一気に―――」


「くろいまなざし」


ちょっと中途半端だけど、今日はここまで



「くろいまなざし」

ズァアッ

ラティオス[ぐわっ!?]
ラティアス[きゃあ!?]

ズシャァッ!

穂乃果「わっ!」
真姫「きゃあ!」
凛「っ・・!」
ヒデコ「うぐっ!」


涼「・・・悪いが、先回りさせてもらったよ」

レベッカ「さっすが涼♪ついでにラティアスとラティオスもゲットね!」

したっぱ達「」ズラッ
ポケモンたち「」ゾロゾロ

ラティオス[くっ・・・すまない、みんな]

穂乃果「・・・んーん、ソラくんたちのせいじゃないよ」

ヒデコ「でも、こりゃちょーっとまずいかも・・・」

涼「さぁ、余計な怪我をしたくなければ――」


真姫「マルマイン、スピードスター!」ポンッ

マルマイン「マルマーー!!」キュィンキュィン!!ドゴゴゴゴゴ!!

したっぱ「わー!!」

レベッカ「ち、ちょっと!?」

穂乃果「ま、真姫ちゃん?!」

真姫「なによ、大人しく捕まる気はないんでしょ?なら先手必勝よ!凛!!」

凛「…うん!」目パチッ

バヂッバヂッ

凛「たああああああ!!」


――かみなり!!

ドゴォォォンッ!

穂乃果「な、なんか凛ちゃんのかみなり、いつもより強くない?」

真姫「さっきめいそう積んでたのよ」

ヒデコ「っていうか何!?なんで凛ちゃんポケモンの技使えるの!?」



ラティオス[俺たちも手伝おう、マル!]

ラティアス[うん!]

[[りゅうのはどう!!]]

ドドドゴォォォオオン!

レベッカ「こんのぉぉ!大人しくしなさい!!ナッシ―、リーフストーム!!
」ポンッ!

ナッシー「ナァッシィィィィ!!」ビュゥゥゥゥウウン!!

ヒデコ「カイロス、ハサミギロチン!!」ポンッ!

カイロス「カイーーロォォォォオオス!!」ズバァッ!!

ビュワアアア!

レベッカ「!!(リーフストームを切り裂いた!?)・・・へぇ、ハサミギロチンを防御に使うなんて、あなた面白いわね」

ヒデコ「さっきは油断したけど、今度は負けないよ!」

真姫「穂乃果、あなたもリベンジ果たしてきなさい」カミノケクルクル

凛「穂乃果ちゃん、ファイトにゃ!」

穂乃果「・・・うん!」ザッ

涼「・・・話は終わったのかい?」

穂乃果「・・・待っててくれたんですか?」

涼「まぁね。十分力の差を見せてあげたと思ったが、まだまだ足りなかったようだ。」ポンッ!

ゴルーグ「ゴルー・・・」ゴゴゴゴゴ

涼「今度こそ、完膚なきまでに叩き潰してあげよう。」

穂乃果「・・・」


穂乃果(真姫ちゃんも凛ちゃんも、一度負けた穂乃果のこと、信じてくれてる・・・)

――絶対に負けない。負けるわけにはいかない・・・

穂乃果「二人を、渡すわけには行かない・・・」ポンッ!

オーダイル「ダイッ!」

穂乃果「お願い、オーダイル。穂乃果に、力を貸して・・・」キィィィィンッ

オーダイル「・・・ダイ」キィィィィンッ

シュゥゥゥゥ

涼「何――?」



――強く、もっと強く!

二人を、全部を、守れるように強くなりたい!!

穂乃果「ああああああああああ!!」キィィィィンッ
オーダイル「ダイルアアアアアアアア!!」キィィィィンッ


―――ボシュゥゥゥゥウウウウ!!





研究機材つきトラック
ブロロロロ―――

ヤザワ(研究所にあるありったけのポケモンを持ってきたわ・・・まってて穂乃果ちゃん、ヒデコちゃん・・・!)

研究員「は、博士!穂乃果ちゃんとオーダイルのバトルパルスが・・・!!」

ヤザワ「え? こ、これって・・・!!」


―――シュウウウゥゥゥ

穂乃果の声に呼応するように、何処からともなく現れた水流がオーダイルの体を球形に包む。

そして、オーダイルからオレンジ色の光が発せられた次の瞬間、水流は一気に高熱の蒸気となって弾け飛んだ。

「い、いったいなにが……?」

突然のことに面食らうも、涼はその衝撃に持ちこたえる。目の前で起きた爆発、それに似た現象を彼女は知っていた。

水蒸気爆発。水が高温の物質に接触することで気化されて起こる、爆発現象。

かつて涼は、それに似た技を使うポケモンに会ったことがある。
しかし、その技はそのポケモンにしか使えるはずがなく、そもそも今のは技と呼ぶにはあまりにも威力が低すぎる。
不可解な点はいくつもあるが、今は自分の仕事に専念することにした。爆発によって巻き起こった蒸気で相手の姿は確認できない。しかし、涼のゴルーグにとって、それは関係のないことだった。

涼「ゴルーグ、シャドーパンチ!」

ゴルーグの両腕から、半透明の黒い拳が飛び出す。敵の回避率に関係なく、敵の現在地を正確に捉える必中の技、シャドーパンチ。その拳はまるで巨大な矢の如く、煙を払いのけなが、その中心を射抜く。

ドゴムッ!

命中の音と確かな手応えを感じ、涼はほくそ笑む。しかし、煙が晴れてオーダイルの姿を確認した瞬間、息を飲んだ。
まず目に入ったのはオレンジ色。普段水色の表皮は赤に近い橙色へと変化している。いや、それだけならまだしも、そこの周囲には陽炎が揺らめき、絶えず蒸気に包まれている。つまりは、その表皮からは高温が発せられていた。
そして、オーダイルの特徴の一つ。頭にある王冠のようなヒレが、中心から右にずれ、斜めに傾いている。それは、何処かトレーナーである、穂乃果のサイドテールを思わせた。

全く見たことのない、オーダイルの亜種。それが、ゴルーグの巨大なシャドーパンチを、片腕で受け止めていた。

涼「な……んだ?それは……!?」

涼(メガシンカ?いや、そもそも彼女はキーストーンもメガストーンも持っていない!いったいなにが……)

穂乃果「こうそくいどう!」

涼「! しまっ」

穂乃果の叫びに我に返り、咄嗟にゴルーグに指示を出そうとする涼。しかし、オーダイルは既にモーションに入っている。シャドーパンチを払いのけ、こうそくいどうで瞬時にゴルーグに接近し懐に入る。

穂乃果「アクアテール!」

オーダイル「ダィィイ!」

オーダイルの最強技、水を纏った巨大な尾の一撃が、ゴルーグに叩き込まれる。その威力に、ゴルーグはバランスを崩し、地響きをあげながら後ろに倒れた。
ゴゴゥッ!地響きとともに土煙が上がる。涼は目を疑った。アクアテールは確かにみずタイプの中でも高威力の物理技ではある。しかし、だからと言って330㎏もの巨体を持つゴルーグの体を押し倒すほどの威力があるとは到底思えない。
それほどまで、あのオーダイルのパワーが上がっているということ。

涼「ゴルーグ、大丈夫か!?」

ゴルーグ「ゴル……」

ボボッ!

ゴルーグ「ゴルゥ!?」

突然、ダメージを受けたかのようにゴルーグが怯む。それはトレーナーなら一度は経験したことがある現象。

涼(これは……やけど?バカな!いったいいつから……!?)




穂乃果「こうそくいどう!」

涼「っ……じゅうりょく!」

一旦、涼は分析を放棄する。あのオーダイルの力は自分の知識では計り知れない。考えれば考えるほど対応に遅れてしまう。ならば、ただ力でねじ伏せるのみ。
ゴルーグが両腕をオーダイルに向けると、不可視の力がオーダイルの体を拘束する。じゅうりょくとは、その名の通り重力。元々は命中率上昇とひこうタイプの無力化のための技だが、涼はこれを相手の動きを封じる際に使用していた。

グググ・・・まるで巨人の手で上から押さえつけられているかのような力が、オーダイルを押さえつける。倒すなら今―――

涼「アームハンマァー!!」

ゴルーグ最大威力の技。ゴルーグの特性てつのこぶしと、330kgという体重から繰り出されるアームハンマーがオーダイルに襲い掛かる。それに対して穂乃果は…

穂乃果「オーダイルーーー!!」

指示はなかった。ただ方向と共に自身の拳を突き出す。
そして穂乃果とほぼ同じタイミングでオーダイルも拳を突き出した。穂乃果のオーダイルの技構成で、拳を使うのはれいとうパンチただ一つ。しかし突き出されたその拳は、まるで高温に熱せられた鉄のように赤く光を帯び、蒸気が噴き出していた。

ドォン!


力と力の衝突により、地鳴りのような重低音が空気を揺らす。音は衝撃波となり、嵐のように土煙が巻き起こる。爆風に吹き飛ばされないよう涼は腰を低くして足で地面を掴むように力を入れるが、穂乃果はただ棒立ちで爆発の中心を眺めていた。
そして、煙が晴れ、少し遅れて同時に地鳴りが響き渡る。それは、ゴルーグが倒れた音だった。仰向けに倒れ、気絶している。

ゴルーグ、戦闘不能。

しかし、逆にそれが涼に冷静さを取り戻させた。UTX団の幹部として数々の修羅場をくぐってきた涼にとっては、逆境こそが順境。

涼「出てこいジュペッタ」

涼のボールから出てきたのは、赤い目に黒く刺々しい体。ぬいぐるみポケモンのジュペッタ。その口のチャックの引き手の先端には紫のメガストーンがピアスのように下がっている。

涼は胸のブローチをカチリと指で押すと、中には漆黒のキーストーンが入っていた。

涼「深淵なる闇よ。彼の者を冥界へと誘え!」

――メガシンカ

涼のキーストーンから放たれた光が、ジュペッタのメガストーンの光とつながる。
本来ジュペッタの内部に含まれている膨大な呪いのエネルギー。メガシンカによってそれが制御可能となり、新たな四肢となってチャックから飛び出す。赤紫色の下半身に、触手のような三本の爪。灰色だった体は黒さを増し、より禍々しく姿を変えた。

涼「認めよう、君は強い……私も、全力で相手になろう!」



真姫「マルマイン、ころがるよ!」

マルマイン「マルルルルルルル!」ゴロゴロゴロ!

ラティアス[ミストボール!]

ラティオス[ラスターパージ!]

ドゴォォォオオン!

真姫「よし!これなら……」

「ふはははははは!むだむだぁ!」バァンッ!

ドリュウズロボ「そんな攻撃では、ドリュウズロボに傷一つつけられないよ!」

真姫「そ、そんな……!」

ドリュウズロボ「さぁ、まずはマルマインをやっつけちゃおうかな!」ギュルルル!

ラティオス[サイコキネシス!]カッ

ドリュウズ「ぐっ!動きが…!」ググッ

真姫「ナイスよソラ!マルマイン、スピードスター!」

マルマイン「マルルルゥ!!」キュンキュンキュンッ!ドゴゴゴゴ!

ドリュウズロボ「ふん!なんどやっても同じだと・・・」

パキッ
真姫「(よし、一点集中攻撃で、小さいけどひびを入れられた!)凛、今よ!」


凛「………」スゥ-ッ




あんじゅ『いい、凛ちゃん。機械とか鉄みたいな硬い物に、ただ電気を流すだけじゃ、壊れないものもあるわ』

あんじゅ『そういう時は、あなたの最大の技である『かみなり』、その威力を一点に集中させて打ち出すの』

あんじゅ『イメージは槍よ。全てを焼き貫く───』


───かみなりのやり!


ドゴォォォオオオンッ!!

ドリュウズロボ「か、かみなりが、機体を貫いたぁ!?ば、馬鹿なぁあ!?」ジジジジ

真姫「エルレイド!」ポンッ

ドゴォォォオン!

シュンッ
エルレイド「エルッ」シュン!

したっぱ1「う、う~ん・・・」
したっぱ2「こ、ここは・・・?」

真姫「あんた達が操縦してたのね。爆発する前にエルレイドに助けてもらったのよ。怪我されても目覚め悪いしね」

凛「・・・でも、許したわけじゃないからね」バチバチッ

したっぱ1,2「ヒィッ!!」





オーダイル?「ダイイイ!」

ドゴォォオ!!
ジュペッタ「ジュペェ!」ズザァッ!

涼「ジュペッタ、大丈夫か!」

ジュペッタ「ジュペッ…!」

穂乃果「…」

涼「(互角……いや、わずかにあっちの方が上、か…!)ふふふっ、面白くなってきたな……!」

穂乃果「オーダイル、こうそくいど―――」

パキィンッ!

穂乃果「あっ――……」

涼「?」

オーダイル「ダイ……!」バタンッ
シュゥゥゥゥ…

涼(なんだ?突然オーダイルが倒れて、元の姿に戻っていく……?)

穂乃果「――……」

フラァッ――


涼「っ!」ダッ

ダキッ!

涼「大丈夫か!?」

穂乃果「ハァ…ハァ…!」

涼(体が異常に熱い…それにひどい発汗量だ。早く水を…!)ガサガサッキュポンッ

涼「さぁ、ゆっくり飲みなさい…」

穂乃果「……」コクッコクッ

オーダイル「ダイ…」ズルズル

涼「心配はいらない。おそらく軽度の脱水症状のようだ…」ハッ

涼(私は、いったい何を…敵であるこの子の心配をするなんて…)

涼(あの正体不明の現象……私のメガジュペッタと互角以上に渡り合えるほどの力……)

涼(そして、戦ってわかる。この娘とオーダイルの強く、固い絆……それがあの現象を起こしたというのか)

涼(本来は敵であるはずなのだが、私は……この娘に羨望にも尊敬にも似た感情を抱いている)

涼「メガシンカを超える絆の力、か……」

真姫「穂乃果!」凛「穂乃果ちゃん!」

涼「……」

そっと地面に穂乃果を寝かせる涼。

真姫「ちょっと……穂乃果になにしたのよ!エルレイド!」

エルレイド「エル!」シュンッ

涼「…パンプジン」ポンッ

パンプジン(特大サイズ)「パーン!」ドォォン

エルレイド「エルッ!?」

真姫「なっ!?」

凛「お、大きいにゃ…!」

涼「…本来なら、任務を全うするべきなのだが、その娘…穂乃果クンに免じて、今回は手を引こう……レベッカ」

レベッカ「えー!まぁ、涼が言うなら…」

ヒデコ「ちょっと!まだ勝負は……!」

レベッカ「あら、このままやったらどうなるか、わからないほど未熟なのかしら?」

ヒデコ「っ……」


したっぱ1「り、涼様、レベッカ様ぁ!!」

したっぱ2「わ、我々もお助けください!」

涼「そうしたいのは山々なんだが…どうやら時間が無いようだ」

ヤザワ「みんなー!!」ブロロロロロ!

フミコ「ヤザワ博士!」

レベッカ「というわけなの、ごめんね?」パチン

したっぱ1,2「そ、そんなぁ!!」

真姫「そう簡単に逃がすわけないじゃない!ソラ!マル!」

ソラ&マル[りゅうせいぐん!]ドドドドドド!

レベッカ「シンボラー!」ポンッ

涼「さらばだ。また会おう」

シュンッ!

ドガガガガガガガ!!

真姫「くっ、逃げられた…!」

凛「穂乃果ちゃん!穂乃果ちゃあん!!」

ヒデコ「早くヤザワ博士の車に!」



―――



アツい、アツい―――

(だれ?)

熱いよ、穂乃果―――

(誰かが、私を呼んでる…)

『ワニィィィーーーーーー!!』

(!?)

『ワニィ!ワニャアアアアア!!』

(ワニノコ!?ワニノコの体が燃えて…!)ダッ!

『ワニノコ!!』

(早く、早くワニノコのところへ……)

『ワニノコ!大丈夫―――』

ガシッ

ボッ

『えっ―――』

(ワニノコの火が、私に――!?)

『う、うわあああああああああ あ あ あ あ あ !!!!』

(熱い! あつい!! ア ツ イ !!!)

『ワニィィィィイイイイイイイ!!』ボロボロボロ

『ワニ、ノ、コ……!』

(ワニノコの体が崩れて……!!)

『ワ、二――』ボロボロボロ

まるで燃えカスが風に吹かれていくように、ワニノコが、そして自分の体が指先から崩壊していく―――





(い―――)

『いやあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!』


「っ!!?」バッ!!

ヒデコ「わっ!」

凛「ほ、穂乃果ちゃんが起きたにゃ!」

真姫「穂乃果!大丈夫!?」

穂乃果「ここは……?」ボー…

ヤザワ「私の研究所よ。よかった、目を覚まして……」ホッ

凛「うー!穂乃果ちゃん穂乃果ちゃーーん!!」ギュー!

真姫「もう!心配させないでよね!!」グスッ

穂乃果「二人とも……そっか、私あの人と……」ハッ!

穂乃果「あの!ワニノコ…じゃなくて、オーダイルは!!?」

ヤザワ「オーダイルなら、もうすっかり元気よ。疲労は激しかったけど、怪我は大したことなかったから…」

穂乃果「そっか……よかった――」

真姫「ゼンッッッゼン良くないわよ!!」ガタッ!

穂乃果「わっ!?ま、真姫ちゃん?なんで怒ってるの?」

凛「……」ギューッ

ヒデコ「……穂乃果、あんた三日も寝込んでたんだよ?」

穂乃果「……え?」



ヤザワ「体のあちこちに軽度の火傷、更に脱水症状も起こしてたわ」

穂乃果「やけど……?」

真姫「でも、あの涼って人、ほのおタイプは使ってなかったけど……」


ヤザワ「……実はね、みんなを追いかけている間。オーダイルと穂乃果ちゃんのバトルパルスに、ある変化が起きていたのよ」

穂乃果「あ、そういえば腕輪付けっぱなしだった…」

Pi!

ヤザワ「これを見て、上が穂乃果ちゃん。下がオーダイルなんだけど……」


Pipipi!pipipi!

真姫「えっ!?」

ヒデコ「穂乃果のバトルパルスが、二つに分かれた?」

ヤザワ「というより、穂乃果ちゃんから別のパルスが生まれたって感じね」

Pipipi!pipipi!

ヒデコ「オーダイルと穂乃果のパルスが重なった……でも今のって」

真姫「まるで新しく出たパルスが、穂乃果のパルスをオーダイルの方へ引っ張ってるみたい……」

ヤザワ「えぇ、でもまるで誰かに無理やり押さえつけられているかのように、パルスが乱れてるわ」

真姫「ということは……あの現象は穂乃果の意志とは関係なく、誰かが意図的に起こしてるってこと?」

ヤザワ「結果だけならそう見れるわね……そもそも、一人から二つのバトルパルスが現れること自体、あり得ないことなんだけど…」

ほのりん「???」←わかってない

ヤザワ「このパルスの結果、もう少し詳しく調べる必要があるわね。今の段階では何もわからないけど、一つだけ確かなのは……この力は使うべきではないということ」

穂乃果「えっ…」


ヤザワ「おそらく穂乃果ちゃんの体に影響がでたのは、この現象のせいだと思われるわ。この力は危険よ。今回は比較的軽症で済んだけど、下手したら……命に関わるかもしれないわ」


『ワニィィィーーーーーー!!』
穂乃果「っ…」ゾクッ!

ヤザワ「穂乃果ちゃん、この現象が出たらすぐオーダイルはボールに戻しなさい。バトルパルスが関係している以上、オーダイルを戦闘から外せばこの現象は収まるはずよ。いいわね?」

穂乃果「……わかり、ました」

真姫「……」



―――2日後

凛「わぁああ!キーストーンだぁ!」

真姫「本当にもらってもいいんですか?こんな貴重な物3つも……」

ヤザワ「えぇ、その代わり、メガストーンを見つけたら私に報告してね?」

穂乃果「はい!お世話になりました!ヒデコも、またね!」

ヒデコ「うん。穂乃果、ぜったいバッジ8個集めてね!待ってるから!」

穂乃果「もっちろん!」




穂乃果「えーっと、次の町は……」

真姫「……穂乃果」

穂乃果「ん?なぁに真姫ちゃん」

真姫「……約束して、あの力は、もう使わないって……」

穂乃果「う、うん……」

凛「二人ともー、はやくはやくーー!」

穂乃果「あっ、ま、待ってよ凛ちゃーーん!!」

真姫「……」



TO BE CONTINUED...


タマゴ判定
コンマ直下


タマゴ判定
40

現在
838/1000
時々動いているようだ。生まれるまでもう少しかな?


今日は終わり。

ここからかなりのオリジナル展開が始まります。
できるだけわかりやすいように書いていきますので、ついてきていただければ嬉しいです。

人いるかわからないけど、捕獲安価だけやります。



夜霧の道
PM7:00

ヒュウゥゥゥ――……

真姫「ちょっと、本当にここ通らなきゃいけないの……?」

穂乃果「うん。ここ抜ければポケモンセンターがあるみたいだよ」

凛「あれー?真姫ちゃんひょっとしてビビってるにゃー?」ニヤニヤ

真姫「べ、別に、ビビッてなんかな――」

ガサガサッ!!

真姫「ひゃああああ!?」ビックゥ!!

第一世代~第六世代まで
ゴーストタイプ含むポケモン、未進化限定
ヒトツキ、ヒトモシ以外
安価下2


ミカルゲ「ケケケケー!」フヨ~

穂乃果「あれは、ミカルゲ……?」図鑑ピコピコ

凛「……」ニヤニヤ

真姫「な、なによ!別にビビッてないわよ!!」

凛「まだ何も行ってないにゃ」ニヤニヤ

穂乃果「よーしっ!いくよ、テッカニン!」ポンッ


―――

ポォンッ!

穂乃果「やったー!ミカルゲ、ゲットだよ!」


穂乃果の手持ち
オーダイル♂
チルタリス♀
レアコイル
ストライク♂
ドテッコツ♀
テッカニン♂
イーブイ♀
ミカルゲ♂
cロトム

ポケモンのタマゴ(838/1000)

来週か再来週あたりに更新します。



次回登場ポケモン

第一~第六世代
伝説、準伝説、御三家以外

安価下2


すいません、ビクティニの話はどう考えても長編になりそうで、じっくり考えたいので、今回は最安価にさせてください!
絶対いつかはやりますんで!もうほんと!ごめんなさい!


次回登場ポケモン
第一~第六世代
伝説、準伝説、幻、御三家以外

安価下2


――それは、遠い過去の記憶。
子供の頃、ライフ湖でいつものようにうみちゃんとことりちゃんと遊んでいた時のことだった。かくれんぼで隠れる場所を探していたら、気付いたら知らない場所についてしまった。周りはいつの間にか樹海のように木が生い茂っていた。霧の深い道をすすんでいると、歌が聞こえてきた。
声のする方にかけて行くと、大人のお姉さんが目を閉じて楽しそうに歌っていた。
太陽のように煌めくオレンジ色の長い髪。雪のように白い肌。横顔からだけれど、とても綺麗な人だということが分かる。お姉さんの周りは、まるでその場所だけ別の世界かのように、キラキラと輝いていた。

やがて歌が終わり、お姉さんが私の方を向く。なぜだろう、その人は初めて会うはずなのに、煌めくオレンジ色の髪と、透き通った宝石のような青い瞳には、どこか既視感を覚えた。

『待ってたよ』

まるで、久しぶりに友達に会うような、懐かしむような笑顔でその人は手を振る。後ろを振り向いてみるけど、私以外に人はいない。視線を戻すと、お姉さんは私に笑顔を向けたまま手招きをしていた。
知らない人について行っちゃいけないって、お母さんにいつも言われているけど、何故だか私はこの時、その人のことを知っている気がして、招かれるままに歩いて行った。

お姉さんは、ポンッと、私の頭に手を置く。不意に、その人の手が光を放った。でも、眩しいほどの強い光じゃない。ほんのりと、夕焼けのような温かく優しい光。

『この力は、きっとあなたを助けてくれるから、だから――』











『ほのかちゃん、みーっけ!』

不意に声がして、振り返るとことりちゃんが私を指さしながらパタパタと走ってきた。気付いたら私は周りに隠れるものが何もない。湖のふちにぽつんと立っていて、周りには木も、霧も、お姉さんもいなくなっていた。

夢だったのかな?

撫でられたところに手を置いてみると、かすかに温もりが残っている気がした―――。




オトノキリーグを目指し旅を続ける穂乃果。次の町を目指す途中、今はちょっと休憩して、食事の時間だ。


穂乃果「……えっと、凛ちゃん。これ、なに?」

凛「カレーライスだよ!」

ドス黒いなにか『』ドヨーン

真姫「……じゃあこっちは?」

凛「野菜炒めだよ!」

ドス黒いなにか『』ドヨーン

穂乃果「……じ、じゃあそれは?」

凛「サラダだよ!」

ドス黒いなにか『』ドヨーン

真姫「見分けがつかないわよ!どう料理したらこんなおぞましいものができるわけ!?」

穂乃果「っていうかなんでサラダまで真っ黒なの!焼いたの!?」

凛「むー、だから言ったにゃー!凛に料理は無理だって!!」

真姫「開き直ってんじゃないわよ!」


ギャーギャー!!


ポケモンたち「ガヤガヤ」ポケモンフーズモグモグ

イーブイ「ブイー♪」モグモグ

ガサガサ

イーブイ「ブイ?」チラッ

凛「うぅ……苦いにゃー、まずいにゃー」ジャリジャリ

真姫「タ、タベモノヲソマツニシチャイケナイノヨ……うぷっ」ジャリジャリ

穂乃果「(凛ちゃんに料理はさせないようにしよ)……ん?どうしたのイーブイ」

イーブイ「ブイブイ!」

ガサガサガサ
ゴンベ「ゴンゴーン!」ガサガサ

イーブイ「ブ、ブイ?」

真姫「あれは……ゴンベね」

穂乃果「ゴンベ……へぇ、おおぐいポケモンだって!」図鑑ピコピコ

凛「もしかして、凛の料理のにおいにつられてきたのかな?」

真姫「いや、それはないでしょ」

凛「」ガーン

ゴンベ「ゴン……ゴンッ!」
指さすゴンベ

イーブイ「ブ?」
顔を向けるイーブイ

ゴンベ「ゴーン!!」ガララララ
ポケモンフーズを流し込むゴンベ

イーブイ「ブイイ!?」

穂乃果「あぁ!」

真姫「い、イーブイのご飯を……」




ゴンベ「ゴン……」ゲップ

皿「」カラーン

凛「た、たべちゃったにゃ……」

イーブイ「ブイィ……ブイ!ブイブイブイ!!」

ゴンベ「ゴーンゴーン!」ピューン!

イーブイ「ブイ!?ブイブーイ!」タタタタ!

穂乃果「あっ、ち、ちょっとイーブイ!?」タタタ




コウリュウの村

ラクシャータ「みんなー、ご飯ができましたよー!カイリキー、手伝ってください」

カイリキー「リキッ!」

ポケモンたち「」ワラワラ

ラクシャータ「今日のカレーは上手にできたんですよ。あら?ゴンベがいませんね……」キョロキョロ

カイリキー「リキ?」キョロキョロ

ゴンベ「ゴンゴーン!」タタタ

ラクシャータ「あ、いましたね!あら……?」




イーブイ「ブイブーイ!ブーイッ……ブイィ!!」スピードスター!

ゴンベ「ゴン!?ゴンゴーン!!」ワタワタ

ラクシャータ「いけない!カイリキー!」

カイリキー「リキィ!!」ザッ

インファイト!
ドガガガガガ!!
スピードスターをすべて叩き落とすカイリキー。
イーブイ「ブイ!?」

ゴンベ「ゴン~……」
カイリキーの後ろに隠れるゴンベ。

カイリキー「リキ……!」ギロッ

イーブイ「ブ、ブイ……」タジッ

ラクシャータ「あなた、どうしてゴンベをいじめるんです?」

イーブイ「ブイー……」

穂乃果「イーブイーー!!」

イーブイ「ブイ!ブイブーイ!」ピョンッ

穂乃果「大丈夫だった?」ナデナデ

凛「真姫ちゃん、はやくはやく!!」

真姫「ち、ちょっとまって……」ゼェゼェ

ラクシャータ「あなたたちは……?」



―――





凛「おいしいにゃー!」

イーブイ「ブイブイー!」モグモグ

穂乃果「うん!このカレー、甘口でとってもおいしい!」

真姫「ほんとね……まともな昼食を食べれてよかったわ」

凛「真姫ちゃんそれどーいう意味!?」

真姫「言葉通りだけど?」

穂乃果「まぁまぁ二人とも……」

ラクシャータ「この度は、うちのゴンベが申し訳ありませんでした」

カイリキー「リキ……」ペコリ

ゴンベ「ゴン……」ペコリ

穂乃果「んーん。わかってもらえたなら!それに、こんなおいしいものごちそうになったんだし!ねっ、イーブイ」

イーブイ「ブイ!ブイブイ!」ニコニコ

ゴンベ「ゴン~」ポリポリ

穂乃果「それにしてもここって……?」

ポケモンたち「ワイワイ!」

凛「いろんなポケモンたちがいるにゃー!」

真姫「ほんとね。それも、珍しいポケモンもたくさんいるわ……」

ラクシャータ「はい!ここはコウリュウの村。名前の通り、ポケモンたちのコウリュウの村です。ここでは様々な地方から、海を越えて、いろいろなポケモンたちが交流に来る場所なんです」

穂乃果「へえ、他の地方からも……」

真姫「すごい場所ね……でも大丈夫なの?いかにもポケモンハンターに狙われそうな場所だけど」

ラクシャータ「ふふふ、心配はありません。強いポケモンたちもたくさんいますし、なによりこのカイリキーがいますから」

カイリキー「リキッ!」

ラクシャータ「このカイリキーは、もともとここに住むポケモンの母親代わりをしていたんですが、ある人に特訓していただいて、すっごく強いんですよ」

真姫(母親代わりってことは、メスだったのね……)

凛「へー、かっこいーにゃー!」

トテトテ
真姫「……ん?」



安価直下
第七世代・御三家のどれか



言い方が悪かったですね、再安価します。

安価直下
第七世代(サンムーン)
御三家
モクロー
ニャビー
アシマリ

のうちどれか。

該当しない場合安価下。



ニャビー「ニャービー!」トテトテ

真姫「見たことのないポケモンね……」

穂乃果「ニャビーだって、かわいー!」

凛「わー猫だにゃー!こっちおいでー!」

ニャビー「ニャ……ニャクシッ!」ボフッ

真姫「きゃっ!」

凛「わっ!火吹いたにゃ!」

穂乃果「えーっと、毛づくろいで体内に溜まった毛玉を火の玉にして飛ばすんだって」

ラクシャータ「すいません。この子ちょっと風邪気味みたいで……」

真姫「そ、そうなの……驚かさないでよね、もう」ナデナデ

ニャビー「ニャーン」ゴロゴロ



今日はここまで、
凛ちゃん猫アレルギーですが、ポケモンは平気です。

修論がおわらねぇぇぇ!!
年明けたら投下する!


ラクシャータ「ふふっ、どうやら懐かれたようですね。その子、どうやらトレーナーに捨てられたようなんです」

穂乃果「えっ、捨てられたって」

真姫「……勝手な奴もいるのね」ナデナデ

凛「こんなかわいいのにねー」

ラクシャータ「ふふふっ、みなさんが優しい方でよかったです。よろしければ今日は止まっていきませんか?」

穂乃果「え、で、でも……」

真姫「いいじゃない穂乃果。ジムは逃げないわよ」ナデナデ

凛「真姫ちゃんデレデレにゃー。あっ、凛もみんなと遊びたーい!」

ラクシャータ「穂乃果さんはチャンピオンを目指してるんですよね?それならここのポケモンたちとのバトルはとても参考になると思いますよ」

穂乃果「う~ん……そういうことなら!」


穂乃果「ミカルゲ、あくのはどう!」

ミカルゲ「ケケケー!」ドゥンッ!

リングマ「グマァァア!!」ストーンエッジ!


凛「いっくよー、それー!」ポーンッ!

ハーデリア「ワンワン!」
イーブイ「ブイブーイ!」
ゴンベ「ゴーン!」
キャッキャ!


真姫「そういえば、ラクシャータ。あの石像は?」

村の中心に位置する、武装した騎士とエルレイドの石像。

ラクシャータ「このコウリュウの村の創設者、白騎士様です」

真姫「えっ。白騎士って、あの英雄の?」

真姫(白騎士。最強の剣であり盾である相棒、エルレイドとともに、かつてロータ地方のアーロンと共に戦争を止めるべく尽力した英雄。アーロン同様、波導を使うことができたと言われている)

ラクシャータ「去る大戦で白騎士様は命を落としてしまった白騎士様の遺骨は、彼の遺言により、この地下にある神殿に納められています。死してなお、この村を見守ってくれているのです」

真姫「そうなの……素敵な人ね」









ピピピ!ピピピ!

??「あれがターゲットね……」

??「でも美咲ちゃん。この村、ポケモンがいっぱいだよ?大丈夫なのかな……?」

??「私たちなら余裕よ。これも、私たちの目指す新世界のためよ、小雪」

??「うん。そうだね……涼ちゃんとの新世界のために……!」

??「えぇ、とりあえず明日の襲撃に備えて、仕込みをするわよ」







穂乃果「ふへぇ……疲れたぁ……ここのポケモンたち、ほんと強いよ」

真姫「お疲れ様」ニャビーナデナデ

ニャビー「ニャー」ゴロゴロ

ラクシャータ「穂乃果さん、もう少しで晩御飯の準備ができますので、先にお風呂に入ってきてください」

穂乃果「あ、ありがとうございま―――」

凛「穂乃果ちゃん!真姫ちゃん!ここのお風呂すっごいよ!天然の温泉でお肌つるつるだにゃー!!」スッポンポーン

ラクシャータ「り、凛さん!?」

穂乃果「ちょっ凛ちゃん!だから人前で裸にならないでって――」

真姫「まったく……」ナデナデ

真姫(あら?なにかしらこれ……)プチッ

ニャビー「ニャ!?」ビクッ

真姫「あっ、ごめんなさい。痛かった?」ナデナデ

真姫(小石?それにしてはなんか機械っぽいような……)

凛「真姫ちゃーん、早くはいろーよー!」

真姫「はいはい……」ポイッ

夜明け前
ラクシャータ「……」カタカタ

穂乃果「ラクシャータさん?」

ラクシャータ「あら、穂乃果さん。起こしてしまいましたか?」

穂乃果「んーん。穂乃果はちょっとトイレに……それ、カレーですか?」

ラクシャータ「はい。私のカレーは長時間煮込む必要があるので」

穂乃果「あっ、じゃあ穂乃果も何か手伝いますよ!」

ラクシャータ「あ、ありがとうございます。では穂乃果さんはお米を――」

寝室

凛「にゃ~……」zzZ

真姫「……」スゥスゥ



??「小雪、準備はいい?」

??「うん。大丈夫だよ」

??「そう。なら、いくわよ……」


カチッ―――





ドゴォォオオン!!



穂乃果「わぁ!?」

ラクシャータ「きゃあ!?」

突如、小屋の壁が破壊される。
カイリキー「……」

ラクシャータ「か、カイリキー?な、なにをして――」
カイリキー「リキィィイイ!!」ダッ!

穂乃果「あぶない!チルタリス、コットンガード!!」ポンッ

チルタリス「チルゥッ!!」モコモコモコッ!

カイリキー「リッッキイイイイイイ!!」ゴォォォオオ!

ほのおのパンチ

ドゴォオオオ!!
チルタリス「チッ……ルゥッ……!!」グググッ

カイリキー「リイィィィイイキイイイイイイ!!」ブオォン!

チルタリス「チルゥウ!?」ドゴオオン!!

穂乃果「ち、チルタリス!!」

ラクシャータ「や、やめてくださいカイリキー!どうしたんですか!?」

真姫「ちょっと、なんの音!?」

凛「二人とも、大丈夫!?」

カイリキー「リキイイイイイイイイイイ!!!」バリバリッ!

凛「!? 真姫ちゃん凛に捕まって!!」

―――かみなりパンチ!!

ドガァ―――ン!!





すんません、今日はここまでです



シュッ!
凛「お、重いにゃ……」

ラクシャータ「あ、ありがとうございます。凛さん」

真姫「よく三人担いで動けるわね……」
背中に真姫、右腕に穂乃果、左腕にラクシャータを抱える凛。

チルタリス「ち、チル……」

穂乃果「い、一撃で小屋が吹き飛んじゃった……」

カイリキー「リキ……」ズシンッズシンッ

ラクシャータ「カイリキー……!」

穂乃果「……真姫ちゃん、凛ちゃん。ラクシャータさんをお願い!」

真姫「なっ、なに言ってんのよ!?」

穂乃果「穂乃果は、あのカイリキーを食い止めるから、みんなは安全な場所へ!」カチッ

凛「……安全な場所なんて、無いにゃ」

穂乃果「えっ…… !?」




村のポケモンたち「」ゾロゾロ

真姫「か、囲まれてる…」

ラクシャータ「み、みんな、いったい何が……?」

??「はぁい♪」

穂乃果「!」

??「はじめまして、私はUTX団幹部の美咲よ」

??「同じく。UTX団幹部の小雪です……」ペコッ

穂乃果「UTX団……こんなところにまでっ!」

凛「もー、ほんっとしつこいにゃー!!」

ラクシャータ「あなた達……みんなになにをしたんですか!?」

美咲「ふふふ、ちょっとウチの科学者がつくった装置で操らせてもらってるの。」

穂乃果「な、なんてこと……!」

美咲「安心して、UTX団の方針に従って、この子たちを人質にとるようなことはしないわ」

小雪「でも、大人しく捕まってくれないなら……」

ポケモンたち「」ジリジリ

穂乃果「ぐっ……」

ラクシャータ「み、みなさん……」

美咲「さぁ、真姫ちゃんと凛ちゃん。こっちへ――」



「ゴ オ オ オ オ オ オ オ オ ンッ!!!!!」
ハイパーボイス!!

穂乃果「えっ?」

ドゴォォオオン!!

美咲「きゃあ!?」

小雪「わわっ!」

凛「な、なになに!?」

ゴンベ「ゴンゴーーーン!!」

ラクシャータ「ご、ゴンベ……?」

ニャビー「ニャビッ!」ボフッ!!
ひのこ!

ひのこがカイリキーの頭に当たる。
カイリキー「カイッ……!!」グラッ

ドシィィンッ!!

凛「か、カイリキーが!」

穂乃果「ひのこ一撃で……?」

ニャビー「ニャー!」ヒョイッ

真姫「? なにそれ……?」

真姫(黒焦げになってるけど、これって昨日ニャビーについてた石…?)

真姫「まさか、これで操ってる……?」



ラクシャータ「これを、村のポケモン中につけたというのですか!?」

美咲「……はぁ、まさかこんな早くばれちゃうなんてね」

小雪「うぅぅ……で、でも、ポケモンたちはたくさんいるし、装置は小さいし、簡単には……」

穂乃果「でも、突破口は見えた……凛ちゃんと真姫ちゃんは村のポケモンをお願い!」

真姫「えっ……」

凛「ガッテンにゃ!」

ラクシャータ「わ、わたしもお手伝いします!」
ニャビー「ニャビッ!」
ゴンベ「ゴン!」

穂乃果「私は、この二人の相手をする……行くよ、ストライク!チルタリス!」ポンッ

真姫「ほ、ほのk」
リングマ「グマアアアアアア!!」
真姫「!!?」




美咲「へぇ、あなた一人で私たち二人に勝つっていうの?」

穂乃果「はい……真姫ちゃんと凛ちゃんは私が守ります!」

美咲「ふふふっ、いいわねその目……私ね、あなたのような人、好きよ」カチッ

小雪「み、美咲ちゃん……?」ビクッ

美咲「自信と、信念に満ちた瞳……その目が、その顔が、絶望に染まる様を見るのが、すっごく好きなの♡」ウットリ

穂乃果「っ……!」ゾッ

美咲「さぁ出番よ、ピジョット」ポンッ

小雪「また美咲ちゃんの悪癖が出ちゃった……おいで、ユキノオー」ポンッ

穂乃果(勝たなきゃ、二人を守るためにも!もしもの時は、あの力で……!!)

美咲「小雪、わかってるわね?最初からフルパワーで叩き潰すわよ」スッ

小雪「う、うん。えっと、ごめんね?」スッ

穂乃果「!! (あれって、キーストーン……まさか!)」






美咲「天を統べる大いなる翼、戦場を駆けよ!」カッ




小雪「永久凍土の波、抗うもの全てに結氷の裁きを!」カッ




「「メガシンカ!!」」





ギュオオオォォォォ―――!!



穂乃果(そ、そんな!二人ともメガシンカなんて……!!)



メガピジョット「ピジョォォオオオオオ!!」

メガユキノオー「ノオオオオオオオオ!!」



小雪「ちょっと卑怯な気もするけど……お仕事だから」

美咲「ふふふっ♪いいわねその顔。もっと、絶望をみせて……♡」



店舗の悪さに定評のあるどうも>>1です。

先の展開は考えてあるので、落とさないよう頑張ります。
今日はこれまで

来週投稿します。

うわ気づいたら2週間たってる。社会人パネェ
投下ー




シンシン――

ノクタス「ノクーーー!!」ドヒュン!ドドドド!

真姫「ミサイルばり…!エルレイド、接続(コネクト)!!」
エルレイド「エルッ!」キィンッ!

ドドドド!!

「上!」
「エル!」ギンッ
「左下!!」
「エルッ!!」ギンッ
「後ろぉ!!!」
「エルゥウッ!!!」ギィンッ
ギンギンギンギンギンギンッ!!

ノクタス「ノクッ!?」

キラッ
真姫「見えた!エルレイド、左膝にサイコカッター!」「エルッ!」シュンッ

ズバァッ!
ノクタス「ノクゥ……」バタンッ

ビシッビシッ!
エルレイド「エルッ……!」

真姫「っ……メンドウなあられね……!」

ラクシャータ「すごい、真姫さん……」


ラクシャータ(エルレイドと息がぴったり……でも、なにかしらこの違和感)

ラクシャータ(真姫さんが指示を出してからの、エルレイドの動きが速すぎる……声を出すのと、初動がほぼ同時……あれはもしかして―――)


ドゴォォオオン!!

「「!!?」」


ラクシャータ「な、なんの音です!?」

真姫「あの方向は……穂乃果!?」ダッ

ギャラドス「ギャオォオオオ!!」

ラクシャータ「真姫さん!!」

真姫「っ――!!」

バリバリバリッ!!
ギャラドス「ギャォ……」プスプス

凛「真姫ちゃん行って!穂乃果ちゃんのところへ!」

真姫「凛、ありがと!」ダッ

真姫(穂乃果……今度は私が――!!)



穂乃果「ロトム、リーフストーム!ミカルゲ、あくのはどう!!」

ロトム「キシシシシシ!!」ヒュゴォオオオ!!
ミカルゲ「ケケケケケ!!」バシュゥウウウ!!

美咲「あら、なかなかいい攻撃ね。でもダメよ。そんな別々の攻撃じゃ……お手本を、見せてあげるわ。小雪」

小雪「う、うん。えっとユキノオー、こおりのつぶて!」
美咲「ピジョット、かぜおこしよ!」

ユキノオー「ユキノォオオオオオオ!!」
ピジョット「ピジョオオオオオオオ!!」

ゴッッ!!!

穂乃果「なっ……!(二つの技が合体して……!!)」

ゴォォオオオオオオ!!
ボヒュゥウ!!

穂乃果「(こっちの技を簡単にかき消した……!)ロトム、ミカルゲ!躱して――」

美咲「無駄よ。メガピジョットの特性はノーガード。敵の攻撃を堂々と受けるその王者の風格は、敵にも影響させて無意識に躱すという選択肢を無くすわ」

ドゴォオオオオオオン!!

穂乃果「わっ……!!」



シュゥゥゥゥ……

ロトム「キシ……」パタン
ミカルゲ「ケケ……」パタン

穂乃果「そ、そんな、まとめてやられちゃうなんて……!」

美咲「うふふふっ、いいわぁその顔♡」

小雪「も、もう美咲ちゃん……あの、二人掛りで申し訳ないんですけど、あなたのポケモンはあと一体ですし、もう諦めた方が……」

穂乃果「っ……」ポンッ

オーダイル「ダイッ!」

小雪「ま、まだやるんですか……?」

美咲「ふふっ、いいじゃない。そうこなくっちゃ♪」

穂乃果「(……もう、これしかない)お願いオーダイル、力をかし「スピードスタァーー!!」


ドゴゴゴゴゴ!!
ピジョット「ピジョ!?」ユキノオー「ユキッ!?」

マルマイン「マルゥ!」
真姫「……穂乃果、なにしようとしてたの?あの力は使わないでって、約束したでしょ!?」

穂乃果「真姫ちゃん……でも、このままじゃ真姫ちゃんと凛ちゃんが……!」

真姫「っ……私は………」

小雪「えっと……、仲間割れ?」

真姫「……私は!あんたに守られなきゃならないほど、弱くないわよ!!マルマイン、スピードスター!!」

マルマイン「マルルルゥ!!」ドドドドド!

美咲「……なるほど、すこしはやるみたいね……小雪、私がやるわ」

小雪「う、うん……」

美咲「ふふっ、あなたも素敵な顔見せてね……ピジョット!」

ピジョット「ピジョォオオ!!」バサァッ!
ビュオォォオオ!!
グググッ

真姫「なっ……(まさか……!?)」

ビュオォオオオオ!!
ドゴゴゴゴゴ!!
マルマイン「マルゥ!?」

真姫「わ、技でもない、羽ばたきだけで、スピードスターを押し返した……!?」

真姫(でも……!)

マルマイン「マ、ルゥ……!」ブルブルブル

真姫「ごめんなさい、マルマイン……!」

真姫(せめて、だいばくはつであの二体を道ずれに……!)

美咲「かぜおこし!」

ピジョット「ピジョッットォ!!」バサッ
ビュォオッ

真姫「!?」

マルマイン「マルゥウウ!!」

ドゴォォオオオオオオオン!!



マルマイン「ま、るぅ……」プスプス

美咲「あぶないあぶない……よくやったわピジョット」

ピジョット「ピジョッ」

真姫(そんな……だいばくはつのエネルギーを、ただのかぜおこしで防ぎきるなんて……!)

真姫(格が、違いすぎるっ……!!)ギリッ

美咲「あぁぁぁ……! いぃ。いいわぁその表情!!やっぱり、ちょっと生意気そうな娘の悔しそうな顔は格別ねぇ♡」

小雪「美咲ちゃぁん……」

真姫「っ……このっ―――」


ボシュゥゥウウウウウ!!

「「「!!??」」」

穂乃果「……」

オーダイル?「ダイィィ……!」シュゥゥゥ……

小雪「な、なにそれぇ!?」

美咲「オーダイルの色がオレンジに? これって……」

真姫「ち、ちょっと穂乃果!?」

穂乃果「……真姫ちゃん、凛ちゃんと一緒に逃げて」

真姫「なっ……!?」

真姫(穂乃果、もう汗をかいて……!)

穂乃果「オーダイル、こうそくいどう!!」

オーダイル?「ダイッ!!」シュンッ

メガユキノオー「ユキッ!?」

小雪「わっ!?」

穂乃果「たぁあああああ!!」バッ!

オーダイル?「ダイルァアアアアア!!」ボシュゥゥウウ!!

ドゴォオオ!!
メガユキノオー「ノオォォォォーー!!?」ズザザザザッ!

小雪「ゆ、ユキノオー!!」



ボボッ!!
メガユキノオー「ノオッ!!」ボボッ!!

小雪「や、やけど……なんで?い、今の技、ほのおのパンチ……?」

美咲「炎っていうよりは熱って感じね。蒸気も噴出してたし……きっとあのオーダイルにしか使えない、特別な技……」

穂乃果「みずのはどう!!」

オーダイル?「ダイィッ!!」ドヒュンッ

メガピジョット「ピジョォ!」バシャァッ!

美咲「……考えてる暇はなさそうね。ピジョット、でんこうせっか!」

メガピジョット「ピジョットォォオオオオ!!」ギュォオ!

穂乃果「受け止めて!!」

オーダイル「ダイルァア!!」ガシィッ!!

ズザザザザザザッ!!
メガピジョット「ピッ……!!」

オーダイル?「ダイッ……!!」グググッ
穂乃果「ぐぅっ……!!」

真姫「ほ、穂乃果!?」

穂乃果「だ、いじょうぶ……!!」ポタポタ

美咲「畳み掛けなさい、小雪!」

小雪「う、うん!ユキノオー、じならし!」

メガユキノオー「ユキィィイイ!!」ドシィンッ

ゴゴゴゴゴ!!

オーダイル「ダイ!?」

穂乃果「わぁ!」

真姫「きゃあっ!?」

ボゴォッ!

真姫「!?」

真姫(さっきのだいばくはつと、じならしの衝撃で足場が……! 落ち……!!)

真姫「穂乃果―――!!」

穂乃果「まきちゃ―――!!」

ドドドドドドドドド!!




嘲笑にも似た笑いが口から洩れる。実際それは何もできない自分を嘲笑った声なのだろう。

(情けない、本当に……)

ギュッと握りしめた拳が小さく震えている。

理不尽に狙われる怒りもある
力の差を見せられた恐怖もある。

しかし、それ以上に、
自分はただ、守られているだけの存在で、
何もできないという悔しさ。

―――あの日、にこちゃんと勝負をした日から、いつかこんな時が来る気がしていた。

『真姫ちゃんは、私が守るから』

旅を続けたい、穂乃果の旅についていきたい。
……それは、私のわがままでしかない。

けど、きっと穂乃果はそんなこと思っていない。
『私だって真姫ちゃんと旅を続けたいもん!』
自惚れかもしれないけど、たぶんそう言ってくれると思う。
だからこそ自分の身も削って、あの力の反動も考えずに……いや、考えた上でなお、私を守ろうとしてくれている。

でも……

「守られるだけなんて、そんなの嫌よ……!」
「エル……」

(もっと、もっと強くなりたい。もっと―――)

フツフツ、フツフツ
悔しさが内側で煮えたぎり、熱い雫となって目からこぼれる。

そしてそれは一直線に白い床へと吸い込まれ―――

突如、涙の跡から光の波紋が広がった。



それは神殿全体をなぞるように走ると、中心に位置する白騎士の石像が眩い輝きを放つ。

「エルッ……!?」
「な、なに……?」

不可思議な現象に、エルレイドは真姫を庇うように前に立つ。
神々しくすらある光は、やがて二人の前で人の形へと収束していく。
そして光が収まり、現れたその姿に思わず真姫は息を飲んだ。


「白騎士……!?」



人型だった光は小さく、さらに小さく球状に姿を変え、真姫の目の前に浮かぶ。

「これは―――」

『君なら、きっと正しく使ってくれるだろう。私と、相棒の魂を、君に託そう』

頭の中に直接響く声に戸惑いながら、真姫は光る玉を手のひらに乗せる。
光はより一層大きくなり、エルレイドと真姫を包み込んだ―――。





「っ――!」

たまらず穂乃果は膝をついた。
正体不明の力、オレンジ色のオーダイル。
まるで砂漠に薄着で放り出されたような感覚。白熱灯に至近距離で周囲を囲まれたように、ジリジリと焼けるような熱が体中にまとわりつく。さらに、オーダイルがダメージを受けるたびに、穂乃果も同じ個所に鈍い痛みが走っていた。

しかし、今回は何とか意識を保っていられる。それは不幸中の幸い、相手がこおりタイプだということ。降り続けるあられと凍えるような冷気は、発熱する体には心地よい。

「あら残念。もう終わりなの? せっかく楽しくなってきたのに」
「あ、あの、大丈夫ですか?」

方やつまらなそうに、方や心配そうに声をかける二人の敵をにらみつける。
UTX団幹部の涼は、その力をメガシンカと同等か、もしかしたらそれ以上かもしれないと評価した。
しかし、今回相手はメガシンカ2体。しかもトレーナーはUTX団幹部でダブルバトルも手馴れている。
穂乃果のポケモンを5体倒し、さらにパワーアップしたオーダイルを相手にして、メガユキノオーとメガピジョットはようやく疲労の色を見せ始めた。しかしそれでもまだ余力は残しているようだ。
確かに相手はUTX団で、悪党だが、トレーナーとしての腕は穂乃果より上だった。その事実に穂乃果はギュッと胸元を抑える。

ドォォオン!
雷が落ちたような音が聞こえる。向こう側では凛とラクシャータがポケモンたちを戻すために奮闘している。

……そうだ、こんなところで座っている場合じゃない。

足がふらつきそうになるのをこらえながら、再び立ち上がる。


UTX団が何を考えているかなんてわからないけど、二人を渡すわけにはいかない!


(私が、守らなきゃ……!!)

「う、ああぁぁあああああああああああああ!!!」










ベシンッ!!

穂乃果「あだぁっ!?」



後ろからの衝撃により、間抜けな声とともに穂乃果は前に倒れる。
痛む後頭部を抑えながら振り返ると、真姫が腕を組んで仁王立ちしていた。

「ま、真姫ちゃん……?」

「ほぉのぉかぁ……!!」

ゴゴゴゴ……
真姫は背後に般若のオーラを浮かばせながら、穂乃果をにらんでいる。つまりは怒っていた。激おこマキマキ丸である。

「……」

「え、えっと……真姫ちゃ――」

バチィイインッ!!

「ぶへぇっ!?」

「「!!??」」

突然、真姫の腰の入ったビンタが穂乃果の頬にクリーンヒットする。これには修羅場を潜り抜けてきたUTX団幹部も唖然とする。


「な、なにするの真姫ちゃん!!」

「うるさい!約束破った罰よ!」

鬼気迫る表情で詰め寄る真姫に、穂乃果は後ずさりながらギュッと両手に力を込める。こうしてる今も体に帯びる熱は穂乃果の体力を奪っていく。

「だ、だって……私はただ、真姫ちゃんと、凛ちゃんを―――」

「それが腹立つって言ってんのよ!!」



まるで、悪いことをした子供が言い訳をする時のような、泣きそうな弱々しい顔に、真姫は容赦なく感情をぶつける。

「あんたの中で、いつから私は『守らなきゃいけない』ような存在になったの?私のこと見下して、勝手に私よりも強い気になって、自分だけ傷ついて……ヒーローでも気取ってるわけ?!」

真姫の言っていることは、ほとんど言いがかりに近かった。しかし、穂乃果は何も言い返せない。
『二人は私が守らなきゃ』
その責任感はつまり、自分が二人よりも強いという自信から来るものに他ならない。
もちろん穂乃果はそんなつもりはなかった。しかし――

「そんなの……私が望む友達の形じゃないわ!!」







「真姫ちゃん……」

「まったく、年上だからって何様よ!私より頭悪い癖に!!」

「酷くない!?今言うことじゃないよね!!?」



「とにかく!……私だって戦えるんだから、あんたは少し休んでなさい!!」

「……」

キュゥウウン――

穂乃果が目を閉じると、オーダイルが淡い光を放ちながら元の姿に戻っていく。
力を完全に制御できたわけではないが、発動と解除のコントロールはきくようだ。

「―――わかった。少しだけお願いね」

「……えぇ」

穂乃果と入れ違いになるように、美咲と小雪に対峙する。

「うふふ、見せつけてくれるじゃない♪」

「あ、あの、真姫ちゃん。別に、私たち真姫ちゃんに酷いことするわけじゃないよ?ちょっとプレートを読むお手伝いして欲しいだけで……」

「お断りよ」

和解というにはあまりにも一方的な条件を、きっぱりと一刀両断する。
モンスターボールからエルレイドを出しつつ、二人をにらみつける。

「聞き分けのない子ね……」
まるで我儘な子供にあきれるような溜息を吐きつつ、しかし美咲は違和感を覚える。圧倒的な差を見せられ、戦意喪失してきた者は何人も見てきたが、さっきの真姫はそれと同じ目をしていた。
しかし今は戦意喪失どころか、むしろ自信に満ち溢れている。
不審に思いながらエルレイドに目を向けると、あるものに気づき、美咲の顔色が一変した。

真姫のエルレイドの首。鉄製のチョーカーに飾られた純白の宝玉。

「……なるほど、そういうことね」




真姫(もう、怖くない。)
確かな意思とともに左腕のメガバンクルの中心、キーストーンに触れる。瞬間、圧倒的な光量が放出される。それに呼応するように、エルレイドの宝玉――メガストーン、エルレイドナイトが神秘的に輝く。

「清廉なる白銀の意志。守護の魂よ!その力、今ここに示しなさい!」

エルレイドのメガストーンと、真姫のキーストーンが、互いの絆を光として具現化し、一つにつなぐ。

「メガシンカ―――!!」

絆の光はエルレイドの体を包み込み、その姿を変えていく。

背中のマントは穢れを知らない純白。
両腕の刃は情熱が宿ったような紅蓮。

それは、守るための力。

――もう私は、穂乃果の後ろで守られるだけの存在じゃない。

友を守るための盾。
敵を斬るための剣。



真姫「穂乃果も凛も、この場所も……全部全部私が、私たちが守って見せる!!さぁ、いくわよ。エルレイド!!」

メガエルレイド「エルゥァアアアアアアアア!!!」

今日はここまで!

>>139と140の間抜けてました。


「な、なんで……? いったいこれは……?」

『君は、なんの為に力を望む?』

突然の事に半ばパニックに陥る真姫に、白騎士は鋭い声で質問を投げる。
思わずその迫力に押し黙りそうになるが、自分の全てを見透かされそうな、宝石のように綺麗な瞳は、自然と真姫に心の内を打ち明けさせた。

「私は……強くなりたい。もう、後ろで守られるだけなんて嫌!私はーーー!!」

感情の爆発とも呼べる叫びが、神殿内で反響する。
それを受けてなお、白騎士は凛とした態度を崩す事なく、しかし真姫を見ながら花が咲いたような笑みを浮かべた。

続きは来週投下予定

あれ?もう1ヶ月も経ってる……(吐血)

もうみんな見てないだろうけど投下しまーす。



小雪「メガエルレイド……」

美咲「へぇ、貴女もメガシンカを……けど、貴女一人で私達に勝つつもり?」

真姫「……一人じゃ、ないわ。私には、穂乃果が、凛が……みんながついてるもの」

美咲「あら、かっこいいわね……それじゃあお姉さん達が、現実を教えてあげるわ♪想いだけじゃどうにもならないってことをね!エアスラッシュ!」

小雪「こおりのつぶて!」

ピジョット「ピジョォォオオオー??!!」

ユキノオー「ユキィィイイイイー??!!」

美咲「さぁ、全方位からの無数の攻撃、防げるかしら?」

真姫「……エルレイド。サイコブレード展開」

メガエルレイド「エルッ!」ズバシィッ!!

真姫「いくわよ……接続(コネクト)!!」キィィィイイイン---


小雪「? なに、コネ??」

ギュォォオオオーーー!!

真姫「っ????!!」

メガエルレイド「エルァァアアア!!」

ズガガガガガガガガ!!

美咲「なっ!?あの量の攻撃を……!」

小雪「ぜ、全部捌いて……!?」





美咲(しかも、明らかに死角からの攻撃も瞬時に反応している……!!)

ガガガ!ガッ!ガガガガガガ!!

真姫「??テレポート!!「エルッ!!」」シュンッ!!

メガユキノオー「ユキッ!?」

小雪「わっ!?」

真姫「インファイト!!「エルゥゥゥァアアア!!!」」ドガガガガガガガ!!

メガユキノオー「ユッーーーキィィイ!!」

小雪「ゆ、ユキノオー!」

美咲「(速い……いや、早い!) でんこうせっか!!」

ピジョット「ピジョォオオオ!!」

真姫「テレポート!「エルッ!」」バッズシッ

メガピジョット「ピジョォ!?」

美咲「なっ!? ピジョットの背中に……! それならもう一度でんこうせっかで振り落としなさい!」

真姫「させないわ!かみなりパンチ「エルウウウ!!」!」バリバリバリ!!
ドゴォォオ!!

ピジョット「ピ!?ジョォォオオオ!!」ズシャァアア!

美咲「ぐっ……!(指示を受けてからの動きが段違いだわ……なんなの、あの初動の早さは……!!)」




??エルレイドは本来、相手の考えを敏感にキャッチし、相手より先に攻撃することができる能力を持っている。

しかし、ポケモンバトルにおいて、基本的にポケモンはトレーナーの支持に従い動く。そのため敵の考えをキャッチしても、トレーナーの戦術を崩しかねないため、ほとんどのエルレイドはこの能力を使うことはない。

しかし、仮に。
この能力を敵ではなく、自身のトレーナーへと使うことができたなら。

トレーナーの指示、考えを即時に理解し、敵よりも早く動くことができる!



真姫(もちろん、そう簡単には行かなかった。エルレイドは目の前の敵と背後の私、2つ同時に意識を向けながら戦わなきゃいけないし、私自身も指示からの初動が早い分、エルレイドの動きを最大限に活かせる指示を即断しなければならない)

真姫「連続テレポート!!」

メガエルレイド「エルルルルル!!」シュバババババ!!

真姫(まだ練習の域を出なかったけど、メガシンカでエルレイドのサイコパワーが上がったからか、いつもより上手くシンクロできてる)

真姫「インファイト「エルァァァアアア!!!」!」ドガガガガガ!!

メガユキノオー「ユキィィ!!」

メガピジョット「ピジョォ!!」

真姫(いける!これならっ??!)











美咲「勝てる。とでも思っているのかしら?」


-??

なんかダッシュが?になっちゃう……
書き直して再度投下
――――




小雪「メガエルレイド……」

美咲「へぇ、貴女もメガシンカを……けど、貴女一人で私達に勝つつもり?」

真姫「……一人じゃ、ないわ。私には、穂乃果が、凛が……みんながついてるもの」

美咲「あら、かっこいいわね……それじゃあお姉さん達が、現実を教えてあげるわ♪想いだけじゃどうにもならないってことをね!エアスラッシュ!」

小雪「こおりのつぶて!」

ピジョット「ピジョォォオオオー??!!」

ユキノオー「ユキィィイイイイー??!!」

美咲「さぁ、全方位からの無数の攻撃、防げるかしら?」

真姫「……エルレイド。サイコブレード展開」

メガエルレイド「エルッ!」ズバシィッ!!

真姫「いくわよ……接続(コネクト)!!」キィィィイイイン---


小雪「? なに、コネ??」

ギュォォオオオ――――!!

真姫「っ――――!!」

メガエルレイド「エルァァアアア!!」

ズガガガガガガガガ!!

美咲「なっ!?あの量の攻撃を……!」

小雪「ぜ、全部捌いて……!?」





美咲(しかも、明らかに死角からの攻撃も瞬時に反応している……!!)

ガガガ!ガッ!ガガガガガガ!!

真姫「―――テレポート!!「エルッ!!」」シュンッ!!

メガユキノオー「ユキッ!?」

小雪「わっ!?」

真姫「インファイト!!「エルゥゥゥァアアア!!!」」ドガガガガガガガ!!

メガユキノオー「ユッ―――キィィイ!!」

小雪「ゆ、ユキノオー!」

美咲「(速い……いや、早い!) でんこうせっか!!」

ピジョット「ピジョォオオオ!!」

真姫「テレポート!「エルッ!」」バッズシッ

メガピジョット「ピジョォ!?」

美咲「なっ!? ピジョットの背中に……! それならもう一度でんこうせっかで振り落としなさい!」

真姫「させないわ!かみなりパンチ「エルウウウ!!」!」バリバリバリ!!
ドゴォォオ!!

ピジョット「ピ ジョォォオオオ!!」ズシャァアア!

美咲「ぐっ……!(指示を受けてからの動きが段違いだわ……なんなの、あの初動の早さは……!!)」





―――エルレイドは本来、相手の考えを敏感にキャッチし、相手より先に攻撃することができる能力を持っている。

しかし、ポケモンバトルにおいて、基本的にポケモンはトレーナーの支持に従い動く。そのため敵の考えをキャッチしても、トレーナーの戦術を崩しかねないため、ほとんどのエルレイドはこの能力を使うことはない。

しかし、仮に。
この能力を敵ではなく、自身のトレーナーへと使うことができたなら。

トレーナーの指示、考えを即時に理解し、敵よりも早く動くことができる!



真姫(もちろん、そう簡単には行かなかった。エルレイドは目の前の敵と背後の私、2つ同時に意識を向けながら戦わなきゃいけないし、私自身も指示からの初動が早い分、エルレイドの動きを最大限に活かせる指示を即断しなければならない)

真姫「連続テレポート!!」

メガエルレイド「エルルルルル!!」シュバババババ!!

真姫(まだ練習の域を出なかったけど、メガシンカでエルレイドのサイコパワーが上がったからか、いつもより上手くシンクロできてる)

真姫「インファイト「エルァァァアアア―――!!!」!」ドガガガガガ!!

メガユキノオー「ユキィィ!!」

メガピジョット「ピジョォ!!」

真姫(いける!これならっ??!)











美咲「勝てる。とでも思っているのかしら?」




ガクッ

メガエルレイド「エル!?」

真姫「!? (なに?急にエルレイドが膝を……!?」

小雪「こおりのつぶて!」

美咲「エアスラッシュ!」

真姫「っ! エルレイド、もう一度撃ち落とすわよ!サイコブレード展開「エルッ!」」ズバシィッ!!

---パリッ

真姫「―――え?」

バリバリバリバリ!!!

メガエルレイド「エ ル ウ ウ ウ ァ ア ア !?」

真姫「え、エルレイド!?」

真姫(なに今の!?エルレイドから電気が……!)

美咲「ほらほら、ボサッとしてていいのかしら?」

真姫「! しまっ―――」

―――ド ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ!!!

メガエルレイド「ルッ―――!!」ズシャァア!




真姫「エルレイド! い、いったいなにが……?」

美咲「大方、かみなりパンチの暴発、といったところかしらね?」

真姫「なっ! そんな、指示もしてないのになんで……!」

小雪「えっと、メガシンカは確かに強力です。ポケモンに体が変化するほどの過剰なエネルギーを送り込みます。だけど……」

美咲「そんな力を急に手に入れて、すぐに使いこなせると思う?メガシンカのパワーを扱うには、それなりの訓練が必要なのよ。貴女、見たところだとさっきメガストーンを手に入れたばかりでしょ?むしろ今までよく戦えた方だわ」

真姫「そんなっ………!」

メガエルレイド「エルッ……!」グググッ

美咲「さてお嬢さん、これが最後よ。私達と一緒に来なさい。そうすれば少なくとも怪我をしないで済むわ」

真姫「………」

バサァッ

メガエルレイド「エルッ!!」

真姫「……えぇ、わかっているわ。エルレイド………そんなの、オコトワリシマス!!」



美咲「……そう、残念ね。小雪、あれやるわよ」

小雪「うん……ごめんね真姫ちゃん、ちょっと痛いかもしれないけど……」

真姫「……エルレイド、サイコブレード最大展開!!」

メガエルレイド「エルレ―――イ!!」ズッッッ!!!!

ギュォォオオオ―――!!

真姫「制御するのが難しいなら、この一撃にメガシンカのエネルギーを全部込めて、あんた達を倒す!!」

美咲「やってみなさい。最後に面白いものを見せてあげるわ。メガシンカを極め、鍛錬の先にたどり着いた私達の合体技、食らいなさい!ピジョット、ぼうふう!」

小雪「ユキノオー、ふぶき!」

メガピジョット「ピジョォォオオオオ!!」

メガユキノオー「ユッキノォォオオオオオオ!!」

暴風と吹雪。
共に天候を連想させる2つの技。訓練を重ね洗練されたそれらは、打ち消し合う事なく融合し、1つの技として姿を変える。

名を豪雪嵐(ごうせつあらし)。

豪快に荒れ狂う風に舞い踊る雪は、氷の刃となって飲み込んだ者をズタズタに切り裂く。


対して、メガエルレイドのサイコブレードはエルレイドの身体の5倍以上にまで広がっていた。
バリィ!!とはじける様な音がして、サイコブレードは雷を纏った。それは先にあったかみなりパンチの暴発。自身にもダメージがかかるが、その身を焦がすような激痛に耐えながらも、エルレイドはサイコブレードを展開し続ける。


真姫「いっけーーエルレイド!!サイコカッタァーーー―――!!!」


「エ ル レ イ ィ ィ ィ イ―――!!」

電撃を纏った膨大なサイコエネルギーを放出したその一撃は、十字を描くように重なり、エルレイドの刃から離れ、豪雪嵐と真っ向から衝突する。

エルレイドはメガシンカが解けてしまっていた。それは真姫が言った通りに、一撃に全てのメガシンカエネルギーを込めた代償。

エルレイド「エルッ……!」

それでも、その一撃は、豪雪嵐に圧されていた。後退しながら徐々にその形を崩していく。

美咲(さぁ、新しい力を手に入れて、それでも勝てない絶対的な力の差の前に、貴女はどんな顔を見せてくれるのかしら?)

勝利を確信した美咲は、期待を込めて真姫の方へ視線を移す。









「―――言わなかったかしら?」




その顔は、美咲が望んでいたものとはかけ離れていた。

絶望するでもなく、虚勢をはるのでもない。まるで高らかに勝利を宣言するかのような、大胆不敵で、挑発的な笑み。

「『私達が』守ってみせるって!!」





「たきのぼり!!」

「ダイルァァアア!!」ゴゴォッ!!

エルレイドの隣を青い閃光が駆け抜ける。
それは、特性「げきりゅう」の光を帯びたオーダイル。重力に抗い、奔流を掻き分けて進む技「たきのぼり」の勢いを持って、サイコカッターを押すように後ろから激突する。

美咲「オーダイル!?いつの間に……!」

ほのまき「いっけぇぇぇえええええええ!!!」

「ダ イ ル ア ア ア ア ア ア ア ア ――――――!!!」

咆哮と共に、オーダイルはたきのぼりを維持したまま両腕をサイコカッターに叩きつける。勢いを増したサイコカッターは押し出されるようにグンッと前に進み、豪雪嵐を切り裂いた。

小雪「豪雪嵐が……!?」

美咲「負けたっていうの?こんな子供に!?」

合体技が破られたことに動揺を隠せない2人。そしてそれは決定的な隙となった。
まだ、攻撃は終わっていない。

オーダイル「オォォ―――ダイィィイイ!!」

メガユキノオー「ユキ!?」

メガピジョット「ピジョォ!?」

爆音が鳴り響いた。オーダイルのたきのぼりによって強化されたサイコカッターがメガユキノオーとメガピジョットに直撃する。

吹き飛ばされたユキノオーは光を発するとメガシンカが解除され、目を回して気絶してしまった。

ユキノオー、戦闘不能。



穂乃果「やった!」

真姫「待って、ピジョットは………!!」

バサァッ!!

力強い羽ばたきの音と共に風が巻き起こり、土煙を吹き飛ばす。あの攻撃を受けてなお、メガピジョットはまだ動けていた。

美咲「残念だったわね。これでトドメよ!!
ピジョット、ぼうふう―――」


―――かみなりのやり!!

ドゴォォオオオオン!!

雷鳴が轟く。

メガピジョット「ピジョォオオオオオオ!!!」

美咲「なぁっ!?」

でんきタイプ最強の技「かみなり」を、巨大な槍の形として凝縮した一撃は、メガピジョットを貫くだけではなく、その巨大さをもって飲み込んだ。

バリバリバリと炸裂する雷光に包まれるメガピジョット。フラフラと地面に倒れ、雷光が収まるとメガシンカが解けた元の姿に戻っていた。

ピジョット、戦闘不能。


凛「凛だって……助けてられてばっかじゃないよ!」



真姫「まさか、今更3対2が卑怯なんて言わないわよね?」

美咲「(いつの間にか、操ってたポケモン達も倒されてる……でも)……ふふ、貴女たち、これで終わったとでも思ってるの?」ポンッ

小雪「わ、私達、まだ戦えるポケモンはいるよ……?」ポンッ


ドードリオ「アーー!!」

ルージュラ「ジュラァ!!」


美咲「3人でも10人でもかかってくればいいわ。実力の差を教えてあげる」

真姫「上等よ……!!」

穂乃果「諦めない、絶対に………!!」

凛「っ―――!」バチッバヂッ



ヒュォォ―――


「―――……」ボソッ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年05月16日 (火) 02:02:09   ID: HqYlhjKF

えーめっちゃ楽しみに待ってたのに
おわり?

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