【ラブライブ!】~1レスSS キャラクターとお題を下さい~  (51)

 このスレは、キャラクター指定とお題を頂くことにより、>>1が1レスSSを書くスレッドです。
 SSを投下し終わったときに、

↓1のラブライブ!(無印 サンシャイン)キャラ(以外の場合は安価下)が
↓2する(エログロゲロは安価下)

 と書きます。
 そうしましたら、キャラクター(もしくはカップリング)お題(例・新婚旅行)を頂ければ幸いです。
 
 ただ、1レスで収まらないほど筆が乗る場合もあります。
 その際には、ああ、楽しそうだなコイツと思って頂ければ、こちらとしても楽です。

 では、スタートします。

↓1のラブライブ!(無印 サンシャイン)キャラ(以外の場合は安価下)が
↓2する(エログロゲロは安価下)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1476786512


前スレを張るのを忘れてました。
外部板になりますが。

1レスSS キャラとお題を下さい

1レスSS キャラとお題を下さい その2だよ!

では、あんじゅが深夜徘徊するSSを書いてきます。

 もしも正体がバレればこの場所にはいられない。
 なんて考えていた時期が私にもあった。
 世は道連れ、旅の恥もかき捨て。
 あ、この世というのは、深夜の夜と掛かっているの。
 ――なんて、ね。

 深夜に徘徊したきっかけは、夜中にお腹が空いたことだった。
 冷蔵庫を開けても何もなくって、
 でも目をつぶっても眠気なんて訪れなくて、
 これが自分にも他人にも厳しいツバサだったら
 カロリーメイトがあるでしょ、用意してないの? ドジね。
 って冷たくあしらわれるはず。

 私はあなたみたいに完璧にはできてませんよー
 なんて、頭のなかにツバサに文句を言いながら――ふと、気がついた。
 歩けば気が紛れるかも? って。
 深夜に出歩くなんて、多少の知名度を持つA-RISEのメンバーがしたら騒動になるかも
 という気持ちは、お腹すいたー! でも何か食べるのはいやー! って衝動にかき消された。

 音を立てないように静かにドアを開けると、聞こえてくるのは虫の声。
 普段は練習ばかりで疲れちゃって周りの風景なんて気にしたことなかったけど――クスクス。
 虫さんたちと同じように、聞くものを癒やす音色はなかなか奏でられないけれど。
 何か心が軽くなって、スキップでもしたい心持ちになった。
 秋の空気はなんとなく不思議、少し歩くだけでお腹も――
 そう、油断したとき。
 お腹がくぅって鳴った。

 恥ずかしい! 周りをキョロキョロ。
 って深夜だった。誰も居ないよね?
 ちょっと歩けばコンビニエンスストアもあるけれど、そこまで響くようなお腹の音じゃないはず。
 ――コンビニ、か。

 もしも私がA-RISEのあんじゅだってバレたら
 もしも深夜に出歩いているなんてことが分かってしまったら
「マスクくらいは……していこうかな」
 家に戻ってマスクをして、髪の毛を結んで、これでよし。
 ぱっと見私の正体はわからない、はず。
 A-RISEはろくにメディア展開もしていないから、私の正体に気づくのは一部の
 スクールアイドルをよく知っている人だけ。

 UTXではよくライブをしているから、その観客がいるって可能性もあるけど――まあ、いいか。
 クスクス。
 これも深夜の魔力っていうのかしら。
 東京は入り組んだ路地が多くて、繁華街を離れるとあっという間に暗い道が周囲に溢れる。
 私の住んでいるところは秋葉原とはちょっと離れているし、新宿や渋谷とか有名なマチからも遠いから
 結構自由なの。おまわりさんが24時間体制でパトロールしているなんてこともないし。
 
 最も小柄なツバサや、μ'sのにこさん当たりとは違って、私はオトナだから。
 声をかけられても問題はないんだろうけどね――ふふ。
 そうこう考えているうちに、コンビニにたどり着いた。
 別に入って何かを買うとかそういう選択肢は取れない。
 一応スタイルキープのために日々苦労している、ぽっちゃり禁止アイドルA-RISE。
 ホットスナックなんて以ての外! 油分は大きなカロリーになってぽっちゃりルート!
「ダメよダメダメ、英玲奈に殺される――!」
 
 何かを食べようと思うのが気の間違いだ。
 このまま周囲1キロ位を歩き回って、疲れれば帰ってしまえばいい。
 そうだ。それで行こう。
 と、私が考えたその時のことだった。

「あれー、あんじゅちゃん?」

 肝が冷えた。
 確かに女の子の声だったけど、私の正体に一発に気づいた当たり相当なマニアな子――って
 聞き覚えがあるその声に、私は振り返った。

「星空凛ちゃん……ふう……驚かさないで」
「驚かせる? ああ、夜だもんね――えへへ、あんじゅちゃんもラーメン屋さん巡り?」

 ラ、ラーメン屋さん巡り?
 たしかに星空凛ちゃんのプロフィールにはラーメンが大好きなことがアピールされてたけど。
 だってこの時間だよ? この時間に営業をしているということはほぼほぼ24時間営業しているということだよ?
 たしかに東京のラーメン屋さんなら。深夜に来るお客さんを見越して、営業時間を長くするのもあるかもしれない。
 
「こんな時間に、ラーメン屋さんやってるの?」
「もちろん! 凛のお気に入りは煮玉子メンマもやしネギキャベツニンニクアブラ全部のせ!」
「か、カロリー高そうね……深夜にそんなの食べて大丈夫なの?」
「μ'sで動いているから大丈夫!」

 そ、そう――私もA-RISEで相当動いているはずなのに、なぜカロリーを気にしなければいけないの?
 ツバサや英玲奈に比べて胸はあるし、セクシー担当としてはなかなかいい線いっていると思う。
 それなのに、ああそれなのに。
 たまにはメガ盛りのパフェをむさぼり食べたい、身体に悪そうなラーメンだって食べてみたい――
 こんにゃくやところてんやカロリーメイトや食べるとお腹が膨らむサプリメントなんかじゃ

「ねえ、凛ちゃん。そのラーメン屋さん、紹介してくれない?」
「もっちろん! あんじゅちゃんは細いから、まずは小サイズが基本になるかなー」
「ラーメンのサイズに大中小があるの……?」
「うん、注文するときに店員さんがやって来て、スープの味や脂の量、野菜の量、麺の細さを選べるから」
「難しいわね……」
「だいじょうぶ、今度凛が全部説明してあげるから! ねねね、連絡先交換しよ!」

 A-RISEとμ'sは合同で練習をするくらい仲がいいけど
 きっと連絡先を交換しているのはリーダーのツバサと穂乃果さんとか
 英玲奈は社交性の欠片もないから無いだろうし
 私もμ'sのメンバーとは距離を置いているところがあったからないし。
 だからこれが初めてなのだ。
 音ノ木坂学院に通う女の子の連絡先は。

 でも、なんとなく嬉しい。
 二人で再会の約束だけして、別れる。
 今度会うときには、マスクも外して素の私にならなくちゃ。

↓1のラブライブ!(無印 サンシャイン)キャラ(以外の場合は安価下)が
↓2する(エログロゲロは安価下)

μ's、A-RISE、Aqours、Saint snow のキャラクターをそれぞれ混合(例 ほのツバダイ聖良)させてもOKです。
一般的にサブ、またはモブ(スクフェス除く)と言われているキャラクターでも構いません。

安価了解しました。
むっちゃんはよいつむトリオのむつで良いのかな?
安価もこれからという時間ですがもう眠いので続きはまた明日。申し訳ない。

 困ったことになった。
 このままじゃ、いつもの三人組が解散になってしまう――!
 
 勝負のきっかけは休み時間。
 昨日と同じように三人で昼食を採っていると
「やあやあ、よいつむトリオ! 今日はその三人と勝負をしに来たよ!」
 初めて呼ばれるそのあだ名に、頭にはてなマークを浮かべながら振り返れば、
 何事かと言わんばかりに鼻息荒く、でも子犬のような目はいつもの通りで――
 千歌ちゃんです♡

 千歌ちゃんは転入生の梨子ちゃん、同級生(私達もだけど)の曜ちゃんを引き連れ
 胸を張ってこちらに宣言するのでした。
「勝負に負けたら、トリオを解散してもらうよ!」
 ――ええ!?
 って、どういうこと? たしかにいつも三人組でいるけど
 Aqoursの二年生メンバーである三人とは訳が違うし。
 解散も何もグループを作った覚えがない。

 どどど――! どういうこと――!!
 誰も答えてくれる人はいません。

~~~~~~~~~

 放課後のことです。
 千歌ちゃんに呼び出された私たちは、顔を見合わせながら
 これから何が起きるのかという不安に苛まれていました。
 もう、千歌ちゃんってばトリックスター☆とか言ったら、とたんに笑顔になって
 私達を解放してくれるかなと思ったりもしましたけど――えへへ。

 そういうごまかしや、たばかるような真似をするのは友達らしくないなって思ったから。
 突拍子もない提案でも、まあ仕方がないよねって。
 田舎らしい校風のせいかな?
 それとも私達の性格?
 毎日毎日同じ景色や同じ顔を見ていたら、友達よりも同士って感じになって
 一蓮托生、もう一生ついていきます! なんてことになっても、不思議じゃないかも。

 さて、やれやれと言った感じの、いかにも巻き込まれて迷惑してますなんて顔をした梨子ちゃんに連れられて
 私たちは卓球台の前へとやって来た。
 卓球といえば千歌ちゃんの得意競技で、いやあ、私普通なんだよね。という彼女のあんまり普通じゃない点だ。
 まさか――私達は顔を見合わせ。
 得意げな千歌ちゃんを見やる。

「そう! 今日の勝負の内容は卓球! まあ、もっとも私が出たら勝っちゃうから、監督に専念するけどね!」

 ほ、と思ったのもつかの間。
 あっちのチームには運動神経抜群の高飛び込みの選手の曜ちゃんがいる!
 よくも悪くも普通未満の私たちには強大すぎる壁が、待ち受けていた――!

「わかった! じゃあ。私助っ人呼んでくる!」


 そういうと同時によしみがダッシュ!
 残った私たちはというと、顔を見合わせて首を傾げる。
 千歌ちゃんもキョトンとした表情を浮かべて――

「あー! 逃げたな―! 追うぞ! そいつがルパンだ―!」
 
 同じようにダッシュ!
 途端に騒がしくなった体育館の中で、顔を見合わせることしか出来ない私達。
 まったくもって。
 苦労性?
 違うかな。
 むしろ貧乏性? ――クスクス。

~~~~~~~~~~~

 息も絶え絶えと言わんばかりに、ゼーハー言ってるよしみが連れてきたのは
 なんと、松浦果南ちゃん! 
 Aqoursのメンバーにして運動お化け(って、泣きながら千歌ちゃんが言ってた)

「こらー! 千歌は練習サボって~! って言いたいところだけど、私もね、今日はお店の手伝いが合って帰らなきゃいけないから」
「ええー! 果南ちゃん今日は練習参加しないの!? じゃあ、こんなことやってないで、さっさと練習行こうよ」
 
 千歌ちゃんが呼び出したんじゃないんかい!
 とツッコミたいのを我慢して。
 卓球勝負は始まるのでした――。

~~~~~~~~~~~

「曜が相手なんてね。これもAqoursの宿命のなせる技かな」
「時折果南ちゃんが千歌ちゃんの幼なじみなんだなって感じる時があるよ」
「うわー、なにそれー。侮辱?」
「ちょっともう! なんでチカの幼なじみであるのが侮辱なのさ!」

 曜ちゃんに敵うわけがない、最初から決め込んでいた私たちは
 よしみが連れてきた助っ人にすべてを託すのでした。
 できれば梨子ちゃんを引っ張り込んでから参加しますので
 なんて、する気もない約束(おおよそ叶えられるはずも無さそう)をして。

 多分だけど。
 この二人の勝負で決着はついてしまいそうな気がするから――

「サービスエースでさっさと勝負を決めなくっちゃね」
「悪いけど果南ちゃん、瞬発力は私のほうがあるんだから」
「持久力に勝るものはないんだよ、曜ちゃん?」
「すぐに勝負を――決める!」

 果南ちゃんから放たれたサービスエースをすげもなく打ち返し、ラリーが始まる。
 カコンカコンと言った小気味のいい音を建てて続いていく。
 ガチ勝負! と言った感じの二人に引き気味だった私達も興味を持って勝負を見守る。
 卓球の球はすごいスピードでお互いの陣地を行ったり来たりしていて、目で追うので精一杯。

「どうしよう、チカより上手だ」
 
 うん。千歌ちゃんは泣いていい。
 反復横跳びをするみたいの動きから、卓球台を離れてのラリーが始まる。
 これ、日本代表? オリンピック? とにかく。

 私達の出番は無さそうだね――。 

↓1のラブライブ!(無印 サンシャイン)キャラ(以外の場合は安価下)が
↓2する(エログロゲロは安価下)

 きっかけは希ちゃんの一言。
 ねえ、凛ちゃんは誰かと入れ替わりたいとか思ったこと無いん? って。
 凛はそんなこと考えたこともなかったから首を傾げたけれど
 もっと女の子っぽい外見になりたかったのかも、って思った。
 だって凛はバリバリのショートカット娘。
 生まれてこの方髪を腰まで伸ばしたことのない筋金入り。
 胸もないし、男の子にも間違えられちゃうし、制服がスカートじゃなかったら、
 もっともっと、性別不詳って感じがするだろうし。
 
 でも、仮に入れ替わったとしても、ちょっぴり乱暴でがさつな凛のこと。
 胸がある子に変貌したら、胸が痛いくらいに動き回って迷惑をかけて、
 あ、それだと男の子の視線を集めまくり? あんまり興味はないけど。
 うーん、もっと両者にメリットがあるような子と入れ替わりたいなー。
 同じ元気印の穂乃果ちゃんと入れ替わっても、海未ちゃんとかに――は? 入れ替わったのですか
 って冷たく返されるのがオチだろうしなー。

「お悩みやね」
「だって、凛、誰かと入れ替わりたいとか思ったこと無いし」
「花陽ちゃんとかと入れ替わりたいと思ったこと無いの?」
 
 あー、かよちんかー。
 たしかにバリバリの女の子って感じのかよちん。
 胸も結構あるし、柔らかそうなほっぺたは凛の憧れだ。
 凛にはぷにぷにしたところなんて、きっとほとんどないから。
 あ、でもお尻くらいは柔らかいかも? キュッと引き締まってるけど――エヘヘ。

「ああ、でもかよちんか――凛もかよちんと入れ替われたら面白いかも」

 スポーツ万能になったかよちん。
 その体らしからぬダッシュを見せて、反復横跳びも何百回もできちゃう。
 シャトルランなんかも!
 たしかにお互いにメリットがあるのかも? μ'sのダンスはお互い振り付けが違うから、きっと思い悩んじゃうだろうけど。

「じゃじゃーん、のぞみん特製、もしも水晶!」
「もしも水晶?」
「これを使えばあら不思議、好きなこと入れ替われるのです!」
「ええ! じゃあ、希ちゃんになっておっぱいボインボインになりたい!」
「ウチは別、だって元に戻れなくなっちゃうでしょ?」

 シュンとした。
 凛は胸がほっとんど無いから、おっぱいが大きな人には憧れを持ってる。
 ダンスとかで大変って声は聞いたこと無いけど(ニコちゃんが怒るからだと思う)
 こう一度でいいから。

「胸が大きいって大変だしー、男子の視線がウザいしー、肩がこるしー、おっぱいの下のあせも痒いしー、いいことなんてなにもないわー」
「なにそれ」
「おっぱいが大きい人に入れ替わって、そんな上から目線で言ってみたいの!」
「……いや、まあ、困ることも多いと思うけど別に上から目線ってわけじゃ」

 凛の発言に思わずがっくしと言った感じの希ちゃん。
 よしよーし。
 凛が撫でてあげますからねー。


「それはもう、ええねん! もしも水晶、使う?」
「使って欲しいんでしょ?」
「うん、まあ、効果も確かめたいし……実証できれば、それに越したこと無いし」

 なるほど。凛は実験体ってところ。
 ちょっと格好いいかも? ライダーとか、ガイガーとか、いろんなヒーローは
 本人の意志に関わらず改造をされたりしているけれど。
 もしも水晶は、凛が嫌だと断ればそれまでの代物で――まあ、断ったら他のメンバーに同じことを聞くんだろうけど。
 とにかく、この興味深い産物に凛は――。

~~~~~~~~~~~

 凛とかよちんが入れ替わって20分。
 ようやく身体が馴染んだ気がする。
 こんなこと言ったら多分怒られるだろうけど、鈍いカンジがするんだよね、この体。
 でもすぐに自分の体のように動かせるようになるはず――って、希ちゃんが言ってた。
 かよちんがバク宙なんてしたら、みんな驚くだろうな―。

「っていうことはもしかして、花陽が凛ちゃんと入れ替わっても、運動神経抜群にならない?」

 かよちんは悲しそう。
 凛の身体だから、動きやすいと思うよーって元気づけてもズーンと重しをつけたみたいなかよちんは
 しばらく何にもできそうもないくらいに沈んでた。
 うむむ、なにか元気づけられることはないかなー?

「そうや、自分の体が華麗に動いているところを見たらちょっとは元気づけられるんと違う?」
「わかった、じゃあ、バク宙します!」
「きゃあああ! 凛ちゃん失敗したら花陽の首がもげちゃうよおぉ」

 確かに慣れない体になったから、いつもみたいに出来ないかも。
 首から下が全く動かなくなった花陽ちゃんに、はい、もしも水晶の効果終わり
 って身体をお返しするのも悪すぎるし……。
 でもこのままだとなんとなく面白くないなー。せっかく入れ替わったんだから何かしたいなー?
 あ、そうだ!

「かよちん、ラーメン食べに行こう!」
「ええ!? ど、どぉしてぇ!?」
「一度かよちんの身体で限界まで食べてみたかったんだ、二郎いこうニ郎!」
「やめてー、体中がニンニクマシマシになっちゃうう!!」

 だ、ダメかあ……いい案だと思ったんだけどなー。
 おにぎりを食べるってわけにも行かないだろうしなー
 どうすれば入れ替わったからできること、っていうのが思いつくかなー。
 そう思って希ちゃんを、希ちゃん?

「ぐー」

 ね、寝てる……。
 もう! せっかく真剣に凛が悩んでるのに、台無しだよ!
 あ、それじゃあ、こういう案はどうかな?

「ねえ、かよちん、ごしょごしょごしょ……」
「ええ!? でも元に戻れなくなっちゃったら……」
「その時はその時ニャ!」
「い、いいのかなあ……」

~~~~~~~~~~

「……ん?」

 身体が軽い――こんな気持はじめ……はじめて?
 ウチは身体から感じる違和感に、慌てて上体を起こすと、真っ先に異変に気づいた。
 胸が……ない!
 それに視線が低い、これは――!

「ニコっち! ニコっち!」
「なぁに? のぞみん」

 そこには
 ウチがいた。

↓1のラブライブ!(無印 サンシャイン)キャラ(以外の場合は安価下)が
↓2する(エログロゲロは安価下)

 静音バイクというものが開発されてから、私の生活は一変した。
 文字通り音の出にくいバイクで、自転車みたいに静かなのが特徴なの。
 バイクっていうと、珍走団や爆音族のイメージがあったから驚いちゃった。
 まあ、バイクは大きな音を出してナンボだっていう人もいないこともないんだけど。
 それでも、前に比べればバイクのイメージは格段に良くなってる。
 私も慌ててバイクの免許を取ってしまうくらいには。

 静かなバイクというとスクーターのイメージがあるかもしれない。
 ちっちゃくてかわいいの♡
 たしかに原付やスクーターもちっちゃくて良いんだけど
 ツーリングをするにはあまり向かないのよね。
 と言うか見たこと無い。
 希がおすすめだって見せてくれた水曜どうでしょうで原付で長距離を走行するシーンが有ったけど
 あんなのは例外中の例外なんじゃないかと。そう思う。

 静音バイクは小型のバイクから大型のバイクまで多分に取り揃えている。
 希は大型を乗り回しているけど、私みたいな初心者は中型。
 だから今までは二人で旅行をするなんてことはまったくなかったんだけど。
 
 とある日のこと。
 休日にありがちな、工具を持ってバイクをメンテナンスしている人になりきっていると
 近くに中型のバイクが停まった。
 見たこともない型式だったから、おかしいなあと思ったんだけど
 ヘルメットを取ったその姿を見て驚いた。
 バイクはデカくてナンボ、大きな音をたててナンボだと言っていた希が
 中型の静音バイクに乗ってやって来たのだ。

「おはよエリち、プリティーリズムは元気?」
「なによそれ、もしかして私のバイクの名前?」
 
 アニメの名前じゃない――と、私が呆れ返っていると。
 希はバイクを降りて、私の肩を掴むと。

「今度の休み、長距離でどっかいこ!」
「え?」
「ツーリングやツーリング、今まで大型と中型の差で全くできんかったけど」
「! ええ! いいわね!」

 希と旅行に行くなんて、卒業旅行で東京ディズニーランドに行ったっきりだ。
 大学を卒業して社会人になってからも、家こそ近いもののお互いに忙しかったし。
 連絡は取り合っていたからお互いの顔を忘れるほど距離が遠のいたことはないんだけどね。
 そして数日後。
 私と希は待ち合わせをして、ぐっと手を合わせる。
 大きな音をたててたときと違って安全運転。
 大型のときは軽とか煽りまくってたもんね――成長したものね。ちょっとホロリ。
 
「それにしても大きな荷物ね、言ってくれれば私も準備したのに」
「あー、これは、罰ゲームみたいなもんやからなあ」
「罰ゲーム?」
「テント入ってんねん」

 テント?
 テントってアレ、キャンプする道具?

「どうして!?」
「いやあ、これから軽井沢行くやん? ホテルめっちゃ豪華やん? 楽しみは取ってこうと思うて」
「置いてきなさい……って、わけにも行かないのよね」
「エリちのぶんの寝袋もあるから安心や」
「どこをどう安心しろと言うのよ!」
 
 頭痛くなってきた。
 最近仕事でも頭痛を感じることが多くて、ただでさえ薬ばっか飲んでるっていうのに。
 でもこういう、素っ頓狂なところ、高校時代と全然変わってない。
 仕事柄? それとも地の性格っていうのかな?
 まあ、お互いおばあちゃんになってもこのままだと困るわね、さすがに。

 高速に乗らず一般道で行きたいという希の要望に答えたけど、
 私は早くも後悔していた。
 渋滞がピークなのである。
 基本的にルートは希のハンドパワーで(大真面目)決めてある。
 だから渋滞の多い道もあるだろうし、少ない道もあるだろう――少なくとも東京を出るまでは。
 
 暑い。
 モワーっとした夏の湿気が全身を包み込む、車と車の間にいるから、よけいに。
 走ってしまえば風も手伝って、多少の寒さも感じるくらいになるんだけども。

「暑いわね……」
「まったくなあ……東京はカージャングルやね」
「初めて聞いたわよその言葉」

 それでも渋滞を抜け、山道に入ってくると。

「さむっ! 風つめた!」
「寒いなあエリち。いやいや、このルートを選んだのは失敗やったね」
「そういうこと言わないでよやる気なくなるでしょ」
「今日はこのへんで野宿やで」
「保護されるわよ!?」
 
 現代日本の警察は無駄に優秀だし、この辺りでキャンプなんて張ってたら確実に連絡が行く。
 スマホで写真を取られるなんてこともあるかもしれない。
 もっとも。
 ああ、もっとも。
 ココらへんを通っているのが私達以外にいないんだけど。

 と言った漫才と野宿を繰り返し。
 たどり着いたは、軽井沢。

「お、おお……本当に、本当にハンドパワーだけで着くとは思わんかった!」

 さすが希ね。
 最初から最後まで私を先導し続けて疲れたでしょうに。
 しかも何泊かはテント暮らし。
 本当に保護されなくてよかったわ。
 元スクールアイドルの女性が、なんて報道されたら穂乃果たちに笑われるでしょ。
 かしこいかわいいエリーチカが、なんでそんなことにって言われるに決まってる。

 それにしても――大きく伸びをして、今日泊まるホテルを見やる。
 大きくて、豪華で、何日も前から予約してやっと泊まれるホテル。
 ここだけの話、まともにお風呂に入れたのは序盤の2日だけだったから、微妙にばっちいし。
 体を洗うのは水で濡れたタオルのみって、どこのサバイバーよ!
 本当、現代日本にいるっていうのに苦労の連続だったわ。
 でも。

「楽しかったわね」
「何言うとるんエリち」
「え、何かおかしなこと言った?」
「旅行は家に帰るまでが旅行なんよ」

 ――そうでしたね。

↓1のラブライブ!(無印 サンシャイン)キャラ(以外の場合は安価下)が
↓2する(エログロゲロは安価下)

安価了解しました。
考えてたんですが頭がぼーっとしてきたので寝ます。
また明日。
おつかれさまでした。

 唐突ですが――。
 私はお菓子作りが趣味です。
 よく、μ'sのメンバーに差し入れに持っていっては喜ばれてます。
 海未ちゃんからは――ほのかや花陽の体重が標準を超えるのでやめてくださいと、注意をよく受けてしまうんだけど。
 μ'sのダンスはよく動くから、カロリー的には問題ないよね? それとも穂乃果ちゃんと花陽ちゃんは、ところ天とかもずくを使ったお菓子にしようかな? ブーブー言われちゃうかも?――くすくす。

 練習が終わって、流れる汗をタオルで拭いていると、穂乃果ちゃんが話しかけました。なあにと言って振り返ると。
「ことりちゃん、一緒に和菓子を作らない?」
 穂乃果ちゃんの家は代々続く和菓子屋さんです。
 私も時々お手伝いに駆り出されることが合って、とっても大変なんだけどとっても楽しいんです。
 でも、ついたばかりのお餅はとっても熱くって、昔はよく火傷みたいになっちゃってたっけ。

「実はね、お店の新商品を作ろうと思って」
 私がポケポケと考え事をしていると、穂乃果ちゃんの話が先へと進み始めました。
 お店の新商品かあ、依然食べたカレー餅の大福は大失敗で売れ残りが大量発生したって聞いたけど。
 それでも何かを産み出さないと営業が厳しいのかな? 老舗とはいえ色々と考えているんだなあっていうこと?
「穂乃果ちゃんに任せられたの?」
「お小遣いが増えるって言うから、えへへ」
 なるほど、そういうことですか。
 
 今度の日曜日に私の家で和菓子を作ろう
 ということになりました。
 海未ちゃんは家の用事があるから残念ながらパスです。
 作詞で鍛えられている海未ちゃんのこと、豊富なアイデアで私達の助けになることは確実って感じだったから残念です。
 でも穂乃果ちゃんと二人きりなんて久しぶりだな
 μ’sが結成される前から、大抵誰かしらいるのが当たり前だったから。
 なんだか変な感じです。
 でも――私としてはちょっと嬉しいかも?
 穂乃果ちゃんを独占しているって感じでしょうか。
 
「いろんな材料を買ってきたね」
 穂乃果ちゃんがそう言います。
 言葉通り、私たちは甘いものから辛いものまで様々なものを買いました。
 ちなみに材料費は穂むらのご主人こと、穂乃果ちゃんのお父さん持ちです。
 おそらく穂乃果ちゃんは気づいていないと思いますが、かなり期待されているのだと感じます。
 だってそうじゃなくちゃ材料費なんてくれないはず――それとも娘には甘いっていう新しい一面?
 違うかな? ――くすくす。
 
「私はチーズ大福っていうのが良いと思うんだけど」
 そう、提案してみます。
 お菓子作りが得意でも、和菓子は専門外。
 穂むらのおまんじゅうは昔から食べてるけど――ふふふ。
 薄い皮にたくさん入ったこしあんに中にはいったクリームチーズ。
 美味しそうだと思いませんか?
 すると穂乃果ちゃんは呆れも混じった表情で。
「ことりちゃん、ガチだね」
 ええ!? 真剣なのじゃいけないの? 
 穂乃果ちゃんのお小遣いがアップすれば、いろんなことができるようになって
 みんなのやる気もきっとアップするって思ったのに!

「こういうのって最初はおふざけで、徐々に真剣な方向に行くと思わない?」
「だって食材がもったいない……」
「そうだけど! 例えば、このカレー粉と私の大好きないちごを合わせるとか」
「それはただのカレー味のいちごだ……カレー味のいちごっていちごなの? カレーなの?」
「いちごなんじゃないかな……」
 真面目な議論になったところで、私たちは時間の確認をします。
 余計なことはしていられません、なにせ買い物に時間がかかっているから。
 穂乃果ちゃんがいくらの醤油漬けとか買いそうになるのを止めたりしなければもっと早かったんだろうけど。
 でも、たしかに大福の皮だけといくらだったら合うかもしれないな……。
 ご飯にも合うし。
 ――って、そうじゃないそうじゃない。

「美味しいものを作ろう」
 そう、私は宣言しました。
 食べ物を粗末にしてはいけません。
 そのように穂乃果ちゃんに忠告をして。
 うう、ちょっと厳しかったかな? 穂乃果ちゃん目に見えてシュンとしちゃったし。
「わかったよことりちゃん」
「わかってくれた?」
「余った食材は食べよう」
 太っちゃうよお!?
 私の声が台所に響き渡りました。
 だって和菓子の代表の大福や羊羹の他に5000円分のお菓子だの何だのと言った食材があるんだもん。
 ――あ。
「クリームチーズといちごを合わせたら……」
「唐突に何!?」
「思いついちゃったんだもん……」

 わいのわいの。
 二人でお喋りをしながら――ほとんど、和菓子とは関係のないことばかりを話し合いながら。
 私たちは和菓子作りを続きました。
 そして。
「できた! これが真姫ちゃんが普段使いにしている薬だよ!」
「って、なんでやねーん!」
 生まれて初めてツッコミをしました。

↓1のラブライブ!(無印 サンシャイン)キャラ(以外の場合は安価下)が
↓2する(エログロゲロは安価下)

難産でしたorz コメディも向いてなければほのぼのも向いてないのかなあ……。

安価了解しました。
今日はとてもやることが多かったので、眠いので寝ますorz
おつでした。

 遊園地の中心はいつも騒がしい。
 まあ、それも当然か。なにせここは秋葉原の中心地にあるアキバランド。 
 何万もの人を収容できる、都内でも有数のテーマパークだ。
 辺りを見回すと、大人から子どもまでみんな楽しそうだ――その中で私だけ不安に苛まれている。
 ここ、アキバランドには一人でやって来たわけじゃない。もう一人相方がいる。その人は、私と同じグループのA-RISEのメンバーじゃない。あんじゅは山に芝刈りに、英玲奈は川に洗濯に行っている。嘘だけど。
 私の相方は、μ’sのリーダーである高坂穂乃果さん。
 二人で過ごす名目は、お互いのグループの信仰を深めるためとなっているけど、その実そうではなく――なんというか、とても恥ずかしいけど。
 デートなの♡♡♡
 学校も違うし、スクールアイドルとしてはライバル同士である私達だけれど、妙に気があって付き合い始めたの。
 そんな私達のことを、口が悪いあんじゅなどは月とスッポンだなんて言うけれど――どっちがスッポンなのかは気になるわね。
 
 ともかく私達二人は、アキバランドの視察という名目でデートをしている。
 μ'sに注目をしてからしばらく、こんなふうになるなんて思いもしなかったけど。
 東條希ちゃんとかはものすごい冷やかしてくるし、逆に花束を送っていた矢澤にこちゃんとかは、気の毒そうな視線を向けてくる。
 惚れた弱みというやつか、どんなに無理難題を言われてもついつい許してしまうのよね。そこが、気の毒――なのかもしれないけれど。
 今だって私を放っておいて、売店まで行ってしまったし。ツバサちゃんの分も買ってくるから、って言ってたけど、売店までの距離を考えるにそのことを覚えているのかどうかは怪しい。
 そんなことを言えば、あーまた満点ツバサちゃん、私のことをバカにしてーなんて言うに決まってる。その満点ツバサっていうの意味がわからないからやめてほしいと思っているのはここだけの話――クスクス。
 
「ツバサちゃーん!」
 あ。穂乃果さんが戻ってきた。
 手に握られているアイスは一つだけ、どうやら私の分はとうに記憶の彼方に飛んでいってしまったみたい。
 やれやれ、と思いながら私はここだよーって手を振る。
「はぁー、すっごい混んでたよー、さすがはアキバランドだね―」
「そうだったの、私のことなんてとうに忘れて遊んでいるのかと思ったわ」
 なんて意地悪を言ってみる。
 穂乃果さんは頬を膨らませながら唇を突き出して、
「そんなことしないよー、だって今日はデートの日だもん」
 そうだね。
 困ったことに、こういう他愛もない話をしているのが楽しい。
 一人でウダウダと考えがちな性格だから、明るくリーダーシップが合って引っ張ってくれる人だと嬉しい。
 私も一応A-RISEのリーダーなんだけどね――他のメンバーがしっかりしているものだから。なんてね。
 
「それで、今日はどこに連れて行ってくれるの?」
「ふっふっふー、ソレは見てのお楽しみだよ」
 なんだか妙な不安を感じるのは私だけだろうか。
 穂乃果さんは正直な性格だから、何かを企んでいたりすればすぐに分かる感じがする――今回の場合は、怪しげな笑いでピンときた。
 きっと、とても嫌なことを企んでいる。
 それは、多分少し迷惑になりかねないことでもあろうけど、エヘヘと笑っている穂乃果さんを見てると、ついなんとなく許してしまう。海未さんからは、あんまり甘やかすのはやめてくださいって言われてるけど――クスクス。
「こっちの道は……ずいぶん子どもが多い……」
 確か、子ども向けのヒーローショーが行われている場所だ。
 確かタイトルは……太陽戦士サンロード、とか何とか言ったっけ。
 ヒーロー物のお約束としては、女優を目指すアイドルの登竜門で、出演するとなかなかの芸歴になって優遇されるという話だ。
 だから私も――子ども向けだとバカにしないで、実はしっかりと見ている。
 もちろんあんじゅや英玲奈には秘密にしていたはずなんだけど、どこかから情報が漏れて穂乃果さんに伝わった?
 ――まさかね。

 晴れてヒーローショーを見ることになった私達は、できるだけ後ろの方の席に陣取り、多くの子どもたちの奇異の視線に包まれながら椅子に座った。
 ニッコニコの穂乃果さんを見るに、私の趣味がバレたというわけではなく、純粋にサンロードを楽しみにしてきたのだろう。そういえばμ'sの練習は朝早い時間に行われているらしいけど、日曜の朝だけは時間を確保していると言っていたっけ。
 ニチアサキッズタイムに夢中になっている高校生二人――マニアックな人はいいけど、スクールアイドルとしては決してプラスにはならないわね、こんなところで正体がバレたら大変だわ。
 それはともかく。
 開演時間になってもショーがなかなか始まらない。途端に周りにいた子どもたちが騒ぎ出す。何かがおかしい。長年アイドルとして活動してきた勘がそう告げている。
「綺羅ツバサさん、高坂穂乃果さんですね?」
 名前を呼ばれて背中がビクリと震える。
 振り返るとスタッフと書かれた腕章を付けた、眼鏡をかけた知的そうな面持ちをした女性が立っていた。
「何のことかし」
「私に何か用ですか?」
 惚けようとした私と穂乃果さんの声が重なった。
 ああ、なんか厄介事に巻き込まれるサインだわ――これは。

 司会が逃げた。
 スタッフの方はそう告げると、私達の肩を掴み。
「お願いです、スクールアイドルの二人にしか出来ないことなの。何とか場を盛り上げて欲しい」
 そう言われても――カンペもなければ台詞も覚えていない、ただ怪人の名前くらいしかわからない。

 スタッフの人ができるだけフォローをするということだったけど、私はただただ不安でしかなかった。
 でも、穂乃果さんが、やりますと言った手前、私だけがお断りするというわけにもいかない。はあ、と一つため息を付いて。
「わかりました。出来る限りのことはやります」
「お互いにデュエットしていただいてもいいんですよ?」
 そんな自分を安売りするようなことは出来ません。

「会場のみんなー! 元気かな―!」
 穂乃果さんのマイク越しに聞こえる大きな声が会場を包み込む。散々待たされた子どもたちのテンションは最悪で、返事もまばらだ。
 超アウェーな状況に心の中だけで苦笑をする。A-RISEのライブじゃこんなことはありえないものね――でも、μ'sは確か。
「おー、返事が聞こえないぞ―! コレじゃあサンロードがやってこれなくなっちゃうぞ―!」
 途端に上がり始める返事。
 場を盛り上げるのは上手みたいだ、ちょっと悔しい。
「じゃあ、今度は私が呼ぶわよ、サンロード―!」
「「「サンロードー!」」」
 私の掛け声とともにおどろおどろしいBGMが流れ始め、舞台袖から戦闘員であるチョッカーと、怪人ヌッコロス(妙にリアル)が現れる。
「ゲハハハハ! この会場は怪人ヌッコロス様が頂いた!」
 あー、なるほどこういう流れなのね。
「サンロードは! サンロードはどうしたの!」
「そうよ、あなたなんてお呼びじゃないわ!」
「ふっふっふ、サンロードの移動用のバイクに仕掛けをして会場にはたどり着けないようにしちょるわ」
 せこい。
 そんなことができるなら毎回やりなさいよ。
「さあ、戦闘員たち! 司会のお姉さんたちと会場の子供達を人質にするのだ! あ、人質に立候補する子はいるかな? いたら元気よく手を上げるのだ!」
 
 ということで、おそらく流れの上に乗っているのだろう――私たちは怪人ヌッコロスの人質となり、多くの子どもたちと一緒にステージの上に立っていた。こんなことを言っても栓のないことだけど、人質の子どもたちはみんな楽しそうで、緊張感というものがまるで無い。
 戦闘員の人たちも、原作ではキーとしか喋れないはずなのに、足場に気をつけてね、とか、できるだけ動かないようにね、とフォローが万全だ。あんたら本当に悪の戦闘員か。
「でも、サンロードは! サンロードは必ず来てくれるわ!」
「そうだよ! みんなでもう一度呼べばサンロードは来てくれるはず!」
 流れに乗っているかどうかはわからないけど、とりあえずサンロードが来てくれないと私も司会から解放されないので、彼らが来てくれるような発言をしてみる。ちらりとスタッフのカンペを見ると、もっと粘ってと書いてある、どうしろと言うんだ。
「わかった――穂乃果、歌います」
「穂乃果さん!?」
「さあ、ツバサさんも!」
「ええ!?」
 私達の正体が一部の人にバレるどころか、ここらへんのお客さんでスクールアイドルに興味がない人がたくさんいるはずだし、唐突に司会が歌ったところで、ふーんという反応が当然だ。
「ほうほう、いい余興よ、歌うが良い司会のお姉さん!」
 お前も乗らないでいいんだよ。
 
 二人で話し合った結果、UTXで披露したユメノトビラをデュエットで歌い、さも寒々しいことになると思いながら周りの反応を見ると、口をぼんやりと開けたままの子どもたちと、シーンと静まり返る会場。
 あ、コレはやってしまったかな、と思ったその時。
 大きな歓声が辺りから上がり始めた。よく見ると、ヒーローショーが行われてる会場のすぐ近くにもお客さんが集まっていて、私達の歌を聞いていたのだと確認できる。
 あ、気がつくと戦闘員の人まで拍手してる。だからあなた達は悪の戦闘員でしょうが。
「ううむ、予想以上にいい歌だった、まるで俺も改心してしまいそうなほどに」
 ユメノトビラはそんな曲じゃないから。
 その時、サンロード登場のBGMが鳴り響き! 私達が歌ったとき以上の歓声が上がり始める。
 そうだよ、このノリだよ!
 穂乃果さんには悪いけど、ヒーローショーでヒーローが登場した瞬間が一番盛り上がるんだから。
 あ、でも、唇を突き出している穂乃果さんを慰めるという仕事ができてちょっとお得かもわからない。

 サンロードによって改心しかけたヌッコロスもやっつけられ、優しかった戦闘員たちも退散。その後司会の仕事も無難に乗りこなし、はあと一息ついていると、先程来たスタッフの人がこちらへとやって来て。
「さすがね、A-RISEのリーダー綺羅ツバサにμ'sのリーダー高坂穂乃果」
 ずいぶんと私達のことに対して詳しいな?
 多少観客の中で私達の正体に気づいた人がいたとは言え、この人は歌う前から知っている様子だったし。
「特に綺羅ツバサ……私の正体に気づかない?」
 と、スタッフの女性は髪の毛をばさっと外し、メガネを外す。
 ――ああ!
「た、高翌梨先生!」
「いやあ、毎日レッスンのときに会っているのに、気づかないなんて悲しいぞツバサ、ああ、すまんね穂乃果くんも巻き込んでしまって」
「いやあ、詳しい事情はあんじゅちゃんから聞いてたんで――」
「まさか……みんなグル……?」
「そんなことない、サンロードもヌッコロスもちゃんとしたヒーローショーのスタッフだ」
 それ以外は? とは怖くて聞けなかった。
 これはつまり、私と穂乃果さんを共演させて、どれくらいのパフォーマンスができるかというのを見るための実験。
 お、お、お金かけすぎでしょおおおおおおおおおおおおおお!!!

↓1のラブライブ!(無印 サンシャイン)キャラ(以外の場合は安価下)が
↓2する(エログロゲロは安価下)

なんかやる気が出なかったので、更新途絶えて申し訳ないです。
これから頑張りたいと思います。

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↓2する(エログロゲロは安価下)

あげるのを忘れてたので……

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