先輩「もしかしたら、私はレズかもしれない」 後輩「へー」 (33)

放課後 部室
後輩「まあ、いいんじゃないですか、それも」

先輩「良くないよ! わたしはノーマルでありたいの!」

後輩「……レズはノーマルじゃないんですか?」

先輩「だって、普通は男の人を好きになるはずで……」

後輩「じゃあ、先輩は私のことが好きじゃないんですね……」ウルウル

先輩「そんなことないよ! 後輩ちゃんのこと大好きだよ!」ギュ



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後輩「ほら、先輩は女性が好きなんでしょう」

先輩「ち、違う!」

後輩「なにが違うんですか? さっき、好きだって言いながら、私のこと抱きしめてくれたじゃないですか」

先輩「それは友達として好きって意味で……」

後輩「恋愛感情ではないと?」

先輩「そう! そういうこと! 同性の子に恋愛感情を抱くのはおかしいって話!」

後輩「では、男の人にムラムラするんですか?」

先輩「ムラムラ?」

後輩「そうです。男の人と性行為をしたいんですか?」

先輩「な、なんでそうなるの!?」

後輩「恋なんて、結局はその人と性行為をしたいってことでしょう?」

先輩「恋っていうのは、その人と一緒にいたいって思うことだよ!」

後輩「では、私とは一緒にいたくないと?」

先輩「そ、それは……」

後輩「ほら。先輩の理論だと、先輩は私に惚れているレズビアンってことになりますね」

先輩「違うもん……」

後輩「素直に認めればいいのに。私は、先輩の想いをちゃんと受けとめてあげますよ。なんとなくわかってましたし」

先輩「わかってた?」

後輩「はい。だって先輩、私の胸をよく揉んだりするじゃないですか。あれって、私の身体に興奮してるってことですよね?」

先輩「してないよ! あれは、冗談のつもりで……」

後輩「冗談で、あんなに激しく揉む人はいないと思いますよ」

先輩「むうう。後輩ちゃんが巨乳なのがいけないんだよ……」

後輩「見事な責任転嫁ですね。これからはさらしを巻くようにします」

先輩「ダメだよ! それじゃあ、後輩ちゃんの柔らかいおっぱいを堪能できないじゃん!」

後輩「堪能しなくて結構です」

先輩「後輩ちゃんの胸は私のなの!」

後輩「なに言ってるんですかね、この変態は」

後輩「私の身体は、いずれ現れる私の運命の人のものです」

先輩「……後輩ちゃんはどんな男の人が好きなの?」

後輩「なんですか、急に」

先輩「なんか気になってさ」

後輩「うーん。男性を好きになったことがないからなあ……」

先輩「一度もないの!?」

後輩「ないですよ。だって、性的に興奮するような人がいないんですもん」

先輩「えっ?」

後輩「男の人を見てても、『ああ、この人の肉棒に激しく突かれたい』とか思わないんですよね。私、性欲ないのかなあ……」

先輩「な、なに言ってんの!? そんなこと、普通の人は思わないから!」

後輩「えー? でも、恋って、『あの人を無茶苦茶にしたい、されたい』っていうところからはじまるものですよね?」

先輩「違うよ! 初めは『この人と一緒にいたい』って感じるの! そういうのはアブノーマルな性癖の人の欲求だよ!」

先輩「えっ?」

後輩「男の人を見てても、『ああ、この人の肉棒に激しく突かれたい』とか思わないんですよね。私、性欲ないのかなあ……」

先輩「な、なに言ってんの!? そんなこと、普通の人は思わないから!」

後輩「えー? でも、恋って、『あの人を無茶苦茶にしたい、されたい』っていうところからはじまるものですよね?」

先輩「違うよ! 初めは『この人と一緒にいたい』って感じるの! そういうのはアブノーマルな性癖の人の欲求だよ!」

後輩「そうなんですか?」

先輩「そうだよ!」

後輩「それだと、私は先輩と付き合わないといけなくなるんですが」

先輩「……どうして?」

後輩「私がいつまでも一緒にいたいと思うのは、先輩なので」

先輩「な……」カァァ

後輩「うーん。でも、やっぱり付き合うのはないかなあ……」


先輩「か、からかわないでよ!」

後輩「なに怒ってるんですか……」

先輩(あれ、どうして私……)

後輩「先輩はレズではないんですよね? なら、これで良かったんじゃないんですか」

先輩「……そうだよね。これで良いんだよね。あははー。ごめんね。大声だしちゃってさ」

先輩「……」

後輩「……」

先輩「……」

後輩「……あの、先輩?」

先輩「……ごめん。聞いてなかった。なんの話だっけ?」

後輩「いえ、なにも話してないですけど。……先輩が突然黙ってしまったので」

先輩「あー、ちょっと考えごとしててさ」

後輩「ごめんなさい。さっきはあんな誤解を生むようなことを言ってしまって……」ウルウル

先輩「こ、後輩ちゃん……!?」

後輩「もう先輩を困らせるようなことは言わないので、許してください……」ポロポロ

先輩「気にしてないから! 大丈夫だから!」

後輩「本当ですか……?」

先輩「わたし、あれぐらいのことじゃ怒らないよ! 寛大な先輩だからね!」

後輩「でも……」

先輩「いいからいいから。後輩ちゃんは黙ってわたしの胸に飛び込んでくれればいいの!」

後輩「な、なんで私が……」

先輩「だって、泣いてるんだもん。もう、私からいっちゃうからね!」ギュウ

先輩「ごめんね。不安にさせちゃって。でも、本当に怒ってないよ」ナデナデ

後輩「なら、いいんですけど……」

先輩「だから、安心してわたしに抱きついてていいからね」

後輩「べ、別に私が抱きついてるわけじゃないです!」

先輩「んー。じゃあどうして、わたしの胸に頭を擦りつけてるの?」

後輩「先輩が頭を撫でてくるから、逃げようとしてるだけですもん……」ギュ

先輩「そっか。ごめんね。でも、もう少し、なでなでさせて」

後輩「……仕方ないですね」ギュウ

先輩「うん。ありがとう」ナデナデ

後輩「……先輩」

先輩「なあに?」

後輩「そろそろ離してくれませんか?」

先輩「えー、もう少しこのままがいい」

後輩「ダメです。もう下校時間ですし。……それに、私も落ち着きましたから」

先輩「そっか。そういうことなら仕方ないね」

後輩「今日も、まともに活動しませんでしたね……」

先輩「文芸部なんて、そういうものでしょ。むしろ、毎日、部室に来てるわたし達は偉いと思うよ」

後輩「確かに。3年生の人たちなんて、文化祭前に1,2回顔出しに来たくらいでしたもんね」

先輩「去年までは、わたしもそんな感じだったんだよ」

後輩「そうなんですか? でも、私が入部してからは、毎日部活に出てますよね?」

先輩「うん。どうしてだと思う?」

後輩「……文学に目覚めたからですか?」

先輩「えへへ。秘密だよ!」

後輩「なんですか、それ……」

先輩「さっ、帰ろう」

後輩「……なんですか、この手は」

先輩「手繋ごうと思って」

後輩「なんで、先輩と手を繋がないといけないんですか」

先輩「わたしが、後輩ちゃんと手を繋ぎたいから」

後輩「……そんな曖昧な理由じゃ嫌です」

先輩「じゃあ、私が後輩ちゃんにムラムラしてるからってことでいいよ」

後輩「ま、また、いい加減なことを言って……」

先輩「……」チュ

後輩「……!」カァァ

先輩「手繋ぐ?」

後輩「は、はい……」

先輩「後輩ちゃんの手は暖かいね」

後輩「あ、あの……」

先輩「そういえば、手が暖かい人って、心が冷たいらしいよ」

後輩「先輩!」

先輩「……なに?」

後輩「こっち見てください!」

先輩「……やだ」

後輩「自分の行動で照れるくらいなら、はじめからしないでください!」

先輩「ごめんね。後輩ちゃんを抱きしめたら、ムラムラしてきちゃって……」

後輩「そこじゃないです」

先輩「違うの!?」

後輩「ほっぺにキスされたくらいで怒りませんよ」

先輩「いや、充分、怒られても仕方のない行動だと思うけど……」

後輩「ええ。先輩以外の人なら怒ってますよ」

先輩「それって……」

後輩「そんなことはいいですから、なんで私の問いかけを無視したんですか!」

先輩「え、ええ……そこなの……?」

後輩「無視されて、私はすごいショックだったんですからね!

先輩「ご、ごめんなさい」

後輩「また同じことしたら許しませんから」

先輩「肝に銘じておきます……」

先輩「あのさ、後輩ちゃん」

後輩「なんですか!?」

先輩「どうして、そんなに怒るの? たかが、わたしに無視されたくらいで」

後輩「……いいじゃないですか、別に」

先輩「良くないよ。教えてくれないと、もう話さないかもしれないよ」

後輩「や、やだ! そんなの……嫌です……」

先輩「なら、ちゃんと教えて?」

後輩「……先輩に構って欲しいからです」

先輩「そうだよね。一緒にいるんだもん。楽しくお話したいよね」

後輩「……にやにやしないでください。不快です」

先輩「そっかそっか。後輩ちゃんは、わたしに構って欲しいんだね!」

後輩「……うるさいです」

先輩「そっかー。じゃあ、静かにしたほうがいいー?」

後輩「……好きにすればいいんじゃないですか」

先輩「いいの?」

後輩「……いいですよ」

先輩「わかった。じゃあ、わたしのしたいようにするね」モミッ

後輩「きゃっ! な、なにするんですか!」

先輩「後輩ちゃんの胸を揉んでるんだよ」

後輩「は、離してください!」

先輩「わたしのしたいようにしていいんでしょ? だから、気が済むまで揉ませてもらうからね」

後輩「なに言って……」

先輩「わたしね、後輩ちゃんに付き合えないって言われたとき、すごく悲しかった」

先輩「その時に気づいたんだ。後輩ちゃんはわたしにとって特別な存在なんだって、後輩ちゃんのことが好きなんだって、気づいたの」

先輩「そうしたらさ、後輩ちゃんにムラムラしてきちゃったんだよね。後輩ちゃんの言うとおり、恋愛感情と性欲はイコールなのかもしれないね」

後輩「だからって、私の意志を無視して、身体を弄ばないでください!」

先輩「……嫌なの?」

後輩「当たり前でしょう!」

先輩「そっか。でも、やめないよ」

後輩「な、なんで……」

先輩「後輩ちゃんがわたしを好きになってくれるまでやめない」

後輩「こんなことされて、好きになるわけないじゃないですか!」

先輩「後輩ちゃんがわたしと付き合えないと思った理由って、わたしに興奮しないからでしょ?」

後輩「それは……」

先輩「まあ、わたしは、後輩ちゃんみたいな魅力的な身体じゃないし、仕方ないけどね。でも、こうやって後輩ちゃんの身体をまさぐれば、興奮してくれるよね?」モミモミ

後輩「もう……だから……やめてください……」

先輩「なに? わたしのこと好きになった?」モミモミ

後輩「もう既に先輩のことが好きだから、やめてください!!」

先輩「そっかそっか。やっと、わたしのことを……ん? すでに?」

後輩「そうですよ! だから、もう……あ! だ、だめ……」

先輩「ご、ごめん……」パッ

後輩「はあ、はあ……」

先輩「後輩ちゃん、大丈夫……?」

後輩「なんで離すんですか!」

先輩「ええ……?」

後輩「先輩の馬鹿! あと少しだったのに!」

先輩「あ、えっと……、もう一回揉めばいい?」

後輩「いまさら揉まれたって、もう興ざめですよ!」

先輩「は、はい……」

後輩「最後までしてくれないなら、もう触らせませんから」

先輩「わ、わかりました……」

後輩「じゃあ、行きましょうか」

先輩「待って! 大事な話をしてないよ!」

後輩「大事な話?」

先輩「後輩ちゃん、わたしのこと好きだったの……?」

後輩「そうですけど。さっきから言ってますよね?」

先輩「え、でも、好きになったことがないって……」

後輩「『男の人は』好きになったことないです」

先輩「じゃあ、なんで付き合えないって……」

後輩「……それはノーコメントでお願いします」

先輩「ちゃんと言ってくれなきゃやだよ!」

後輩「……言いたくないです」

先輩「もしかして、わたしがあんなことをしたから、嫌々好きって言ってるだけなの……?」

後輩「違いますよ! 私は先輩のことが本当に好きですよ!」

先輩「なら、どうして教えてくれないの……」

後輩「……先輩、狡いですよ。そんな顔されたら、言わずにはいられないじゃないですか」

後輩「怖かったんです」

先輩「怖い……?」

後輩「はい。先輩に告白して、拒絶されるのが怖かっただけなんです……」

先輩「確かに、あの時は後輩ちゃんへの気持ちを気づいてはいなかったけど、告白されたからって後輩ちゃんから離れたりしないよ」

後輩「そうかもしれません。いえ、先輩がそんなことする人じゃないってわかってたんです。なのに私は……」

後輩「先輩に嫌われるのが怖くて、先輩と一緒にいられなくなるなんて恐ろしくて……」

後輩「自分の気持ちを隠したんです……」

後輩「私は先輩が思ってる以上に臆病者なんですよ」

先輩「……」

後輩「臆病な自分を隠すために虚勢を張って、弱い自分を覆い隠したんです……」

先輩「……」

後輩「だから、先輩に対して生意気な態度をとってしまうんです。……その後に、先輩に嫌われたらどうしよう、って怯えるくせに。馬鹿ですよね、私」

先輩「あのさ、後輩ちゃん」

後輩「私のこと嫌いになりました……?」

先輩「うんとね。全部知ってたよ?」

後輩「えっ」

先輩「だって、私が遅れて部室に来ると泣きながら待ってたり、メールを返さないと翌日に涙目でわたしの教室に来てたりしたじゃん」

後輩「そんなこと! して……ますね……」

先輩「臆病で泣き虫な後輩ちゃんだって知ってたよ。だから、生意気なこと言われても笑って許せたの。可愛いな、って」

後輩「可愛くなんて……」

先輩「わたしにとっては可愛いの。愛おしいの」

後輩「先輩……」

先輩「だから、付き合おう? 絶対、わたしは後輩ちゃんの傍から離れないから」

後輩「……たとえ、先輩が離れようとしても、私が離しませんよ」ギュウ

先輩「よし! じゃあ、そろそろ行こっか!」

後輩「そうですね。もう外真っ暗ですし」

先輩「今日はどこ寄ろうか? 初デートってことになるし、今日は奮発しよー!」

後輩「……私の家に行きましょう」

先輩「さっきの続き? いいよー。たくさん気持ちよくしてあげるね」

後輩「……先輩、覚えてますか? 私が考える恋愛感情を抱く理由を」

先輩「相手に対してムラムラすることが条件なんでしょ?」

後輩「そうです。私は先輩を見てて性的欲求を感じたので、恋愛感情を抱いたんです」

先輩「なるほど。わたしに抱かれたいって思ったんだね!」

後輩「違いますよ」

先輩「へ?」

後輩「この人を滅茶苦茶にしたいって思ったんです」

先輩「なっ……!」

後輩「先輩、行きましょう。快楽の向こう側に」

先輩「ま、待って! 心の準備が!」

後輩「大丈夫ですよ。優しく、でも先輩がよがり狂うように抱いてあげますからね」

先輩「ふ、ふにゃあああああああ!」














END

以上です。
ありがとうございました。

なんて不毛なやり取りだ!

百合百合
乙です

不毛、つまりはパイパンなんだな

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