【オリ主】史上最強の弟子ケンイチ もう一人の最強の弟子 (17)

これはいじめられっ子の少年、白浜兼一が武術を極めた達人が集う梁山泊へ弟子入りする物語。


に、梁山泊と闇以外の勢力と、そこに弟子入りするオリ主を放り込んだ物語である。


更新速度は遅いですが、まあこんなssがあるんだ程度の認識でお願いします。

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特A級の達人を更に超越した力を持つ『超人級』


殺人拳:【拳魔邪神】シルクァッド・ジュナザードと【二天閻羅王】世戯 煌臥之助

活人拳:【無敵超人】風林寺 隼人と【神羅拳皇】勘解由小路 一心


武術界はこの殺人拳と活人拳の二つの思想と、この四人で拮抗していた。


そんな中、いじめ対策で活人拳の道に入ることになる少年が二人。

白浜兼一と鬼柳海斗だ

鬼柳海斗(16) 身長160㎝ 体重47㎏

私立天晴学園に通う1年生だ


海斗「はぁ……」


学園に向かう海斗の足取りは重く、既に家を出てから12回目のため息となる。

理由はイジメ。単純なようで事はそれなりに深刻だ

海斗は勉強ができない訳でも、ルックスがそこまで悪い訳でもない。だが何故か小学生の時からずっとイジメの標的にされ育ってきたのだ。


「おい鬼柳!」

海斗「ヒィッ!?」


恐る恐る振り返るとクラスで海斗をイジメているグループのリーダー、高下猛である。

身長185㎝で筋肉質の巨漢で、小学生の頃からずっと海斗をイジメている男だ。

しかしその実力は高く、幼稚園の頃から空手をやっていて全国大会でも上位に入る程である。


海斗「た、高下君……」

高下「お前よぉ……誰に断って道の真ん中歩いてんだよ?」

海斗「だ、誰に断ってって……」

高下「お前如きが、道の真ん中歩いていい訳ねえだろ!邪魔なんだよ!」


高下の拳が海斗の鳩尾に突き刺さり、あまりの痛みに海斗は蹲って嘔吐する。


海斗「げぇっ……うっ……」

高下「チッ……汚えなぁ」


唾を吐き捨て、高下は海斗を放置して歩いて行った。


海斗「……クソッタレ」


悔しさから涙を流し、地面を殴る。

拳からは血が流れるが、今の海斗には気にならなかった。


「あの……大丈夫ですか?」

海斗に声をかけたのは、同年代ほどの女の子だった。

艶のある長い黒髪を靡かせ、聖母を思わせる優しい瞳で海斗を見ている。


海斗「あっ……」


その少女の、最早神々しいとまで言える美しさに海斗は目を奪われ硬直した。


「あの……」

海斗「あ、はい!だ、大丈夫です生きてます!グッ……」


勢いよく立ち上がるが、鳩尾に激痛が走り再度蹲る。


「まあ……大変。歩けそうですか?」

海斗「む、無理っぽいです……」

「そうですか……では失礼します」

海斗「え、うわぁ!?」


少女は、その細身で海斗を担ぎ上げた。


海斗「ちょ、ちょっと!?」

「ご無礼を、お許しください。しかし、一刻も早く適切な処置ができる所へ行かねばなりませぬので、どうかご容赦を」


そう言って手際よく海斗を気絶させ、学園とは反対方向に歩き始めた。

武家屋敷を思わせる巨大な門と、大昔の名家のような造りの屋敷。

その屋敷の一室で、海斗は目を覚ました。


海斗「こ、此処は……」

「気付かれましたか」


横から安堵したような声が聞え、振り向いてみると先程の少女が正座していた。


海斗「あ、貴女は……」

「もう大丈夫ですよ」

海斗「え?あ、本当だ……痛くない。貴女が治してくれたんですか?」

「いえ、私は此処まで運んだだけで、治したのは別の方です」

海斗「そ、そうでしたか……」


少女と、腹部の痛みを治してくれた人への感謝の反面、自分の情けなさへの怒りが湧き上がる。


「まあまあ、落ち着け若者よ」


いつの間にか、少女の隣に2mを超える筋骨隆々な老人が立っていた。

海斗「うわああああああぁぁぁぁぁぁ!!」


部屋の隅っこまで後退る


「そこまで驚かんでもいいだろ」

海斗「えっ……あ、すいません……」

「ハッハッハッ……それだけ元気ならもう大丈夫だ」

海斗「え、えっと……貴方は?」

「俺の名は勘解由小路一心。世界最強の四人の男に名を連ねる1人だ」

海斗「せ、世界最強……」


『世界最強』というあまりにも突飛な言葉が出てきたが、海斗は疑う気にも笑う気にもなれず唯々圧倒的な存在感を放つ老人を見上げていた。



今日はここまでにします

梁山泊、闇ときて……どうしましょうかねぇ

海斗「世界最強……あの、勘解由小路さん!」

一心「ん?」

海斗「世界最強という事は、貴方は何かの武術の達人ですか?」

一心「クックック……我流だから達人と呼べるか分からんがな、生涯無敗の3引き分けだ」


その言葉を聞き、海斗の中で何かが弾けた。

小学生からいじめられ続け、生涯無勝だった自分と対極の存在が目の前にいる。そう思うと、居ても立っても居られなくなった。


海斗「勘解由小路さん!俺を……俺を弟子にしてください!」


両膝を付き、土下座する。


一心「それは……さっきの君の怒りと関係があるのかな?」

海斗「……はい。俺、小学生の頃からずっといじめられてて……何も悪い事はしていないのに、悪目立ちしたことはなかったのに……今日も、ただ歩いてただけで文句言われて殴られて……」

一心「俺に弟子入りして強くなれたとして……君はそいつ等に復讐するか?」

海斗「違います……俺は理不尽な力に立ち向かう勇気と、俺と同じ境遇の人を助ける為の力が欲しいんです!」


そう言い切った海斗の眼には、確かに信念があった。


一心「クックック……聞いたか皆!」

海斗「え?」


襖が開くと、そこには三人の人間がいた。

一方その頃


兼一「え、梁山泊って二つあるんですか?」

秋雨「うむ。人数は我々より少ないが、経済的には圧倒的に上回ってるからね。本当に危ない時には資金援助をしてもらっている」

逆鬼「ま、金があっても俺はあっちの梁山泊には住みたくねえけどな」


束の間の休息。兼一は割と衝撃的な事実を師匠達から明かされていた


兼一「え、何故です?」

逆鬼「あっちの梁山泊には【無敵超人】風林寺隼人の永遠の好敵手……【神羅拳皇】勘解由小路一心っていう化け物がいるんだよ」

兼一「ちょ、長老の好敵手!?」

秋雨「うむ。素晴らしい方なのだが、外見や年齢に反して子供みたいな方で、破天荒で乱暴者なのが玉に瑕なのだよ」

兼一「は、破天荒で乱暴者……」


兼一のいじめられっ子センサーが反応し

剣星「それだけじゃないね」

兼一「あ、馬師父」

剣星「あっちの梁山泊の豪傑は問題児ばかりね」

兼一「貴方がそれを言いますか」


白昼堂々とエロ本を読んでいる剣星を、兼一は白い眼で見ている。


秋雨「いや、剣星のいう事も間違いではないよ」

兼一「え?」

秋雨「【神羅拳皇】勘解由小路一心、【鬼の横綱】五百木雅人、【西洋剣術の奇人】アレシア・ブライトン、【居合の狂人】九十九真名……これがもう一つの梁山泊メンバー。人呼んで【活人四奇傑】」

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