西住みほ 「みんなの心の闇、ですか?」 (158)

【大洗女子学園】


みほ「上で観戦?」

杏「そーそー、今日は西住ちゃんにみんなの動きを見てほしくてねー」

杏「自分で試合してたら中々集中できないでしょ、だからそういうことでよろしく」

みほ「いきなり呼び出されたと思ったら、そういうことなんですね」

杏「あんこうチームは冷泉ちゃんが車長を務めるらしいから、心配しなくていいよ」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1476199354


杏「チームの底上げってことでさ、協力してくれる?」

みほ「分かりました、会長の期待に沿えるよう、皆さんの一挙手一投足を見守りたいと思います」

杏「思ってくれたこと、全部言ってくれていいよー、私が後で伝えとくからさー」

杏「ストレートにバーンと、厳しいこと言っちゃってもいいよ、私が後で柔らかく変換するよ」ニシシ

みほ「はい、思ったこと、全て言うようにします」

杏「私は隣で西住ちゃんの言うことメモに留めておくからさ、まあ置物だと思っていいよ」

杏「模擬戦始まるよ、それじゃあよろしくねー」


杏(こうやって見てみると、本当にみんな上手になったねぇ)

杏(それぞれの持ち味を最大限に生かしてる、これも西住ちゃんのお陰かな)

杏(指導冥利に尽きるだろうねぇ、でも優しすぎるのがタマにキズだからなぁ)

杏(メモでも取らないと、直接は絶対言わないだろうからさ、ま、それは私の役目だよねぇ)


杏(あ、うさぎさんがレオポンに追われてる、弱肉強食だねぇ)

杏(レオポンの一撃は、あ、外れた、あの距離で外すのはちと厳しいなぁ)

杏(西住ちゃん、ちょっとこれには苦言出るんじゃない?)チラ

みほ「...今の外すかぁ、死んだ方が良いかな」

杏(!?)


杏(え、え、えと…)

杏(わ、私の聞き間違いかな、西住ちゃんがそんなこと言うわけ…)

みほ「うさぎさんなんて精神的にも弱いんだから、追い込んだらもうそこで終わりなのに」

みほ「ツチヤさんも自分の操縦過信しすぎ、一回事故でもして地獄見れば良いのに」

みほ「あの笑顔ぶっ壊れるくらい、海にでも落ちて死んじゃえばいいや」

杏「」


みほ「あ、アリクイさん、もうやられたんだ」

みほ「まあそうだよね、あんな急造チーム、ただの置物だよあんなの」

みほ「アヒルさん、今の一発で仕留めたのは悪くないけど、ちょっと動きに無駄ありすぎかな」

みほ「カモさん、発見されてすぐさま撃破されちゃった、本当に良いカモだね」


杏「ちょ、ちょっと、西住ちゃん...?」

みほ「あぁ、ウサギさん、あっけなく負けちゃった、桂利奈ちゃん運転まだまだだね」

みほ「まあ操縦はセンスもあるから仕方ないか、練習頑張ってね、私はもう使いたくないけど」ニコッ

杏(う、うそでしょ...)


みほ「あ、カメさん、まだ残ってるんだ」

杏(!)

みほ「今は二人だから、仕方ない、けど」

杏「......」ゴクッ

みほ「ちょっと、河嶋先輩は下手すぎるかな、いや、下手だね」

杏「あ、あの、西住ちゃん、それはちょっと...」


みほ「よくあれで外すよね、目玉付いてるのかな」

みほ「付いてないかもね」

みほ「いや、付いてないよね」

みほ「付いてたらあんな外し方しないし」

みほ「付いてるなら私が外してあげよっと」

杏「」


みほ「カバさんチーム、センスは凄いあるんだけど、残念だなあ」

みほ「宝の持ち腐れっていうのかな、本当にもったいない」

みほ「ああ、ほら、今のも、なんでその技術を持ってその発想が浮かぶの」

みほ「戦車道って知ってる?知らないよね?知ってるならそんなこと出来ないよね?」

みほ「ああもう、本当に雑魚ばっかりで嫌になっちゃう」

杏「ちょ、ちょっと!西住ちゃん!」バンッ


杏「いくら何でも言い過ぎじゃないのそれ!みんな必死に頑張ってるんのにさ!」

杏「西住ちゃんとは言えど、それ以上みんなのこと馬鹿にしたら、むぐっ」

みほ「...会長、ちょっと黙ってくれませんか」

みほ「これをお願いしたのは会長ですよ、ほら、もう二両だけですから」

みほ「後少しの間だけ、静かにしてもらえませんか」ニッコリ

杏「」ガタガタ


みほ「賢い人は嫌いじゃないですよ、ほら、見ましょうか」

杏「う、うん...っ」ポロポロ

みほ「麻子さん、素晴らしいね、センス溢れてる」

みほ「勝つ場面から逆算して、攻撃を組み立ててるんだね、すごい、すごいよ麻子さん」

みほ「でも、相手は常識の通用しないアヒルさんなんだから」

みほ「臨機応変に対応できないそのやり方じゃ、結果は見えてるよね」


『模擬戦終了、生徒は至急校庭に戻ってくるように』

みほ「はあ、負けちゃったか、あんこうチームの一員として悔しいなぁ」

杏「そ、そうだね...」ビクゥ

みほ「ほら、会長、校庭に行きましょう、今日の練習は終わりです」


杏「あ、うん、すぐ行く、から、ちょっと待っててね」ガタガタ

みほ「はい、では外で待ってますね」

杏「...ふぅ、よ、ようやくこの空間から逃げ出して」

みほ「...次から別の人使いたいし、麻子さん首吊って死んでくれないかなぁ」ボソッ

杏「ひっ」ゾクッ


みほ「...ですので、うさぎさんチームはもうちょっと自信を持ってくれていいですよ」

みほ「以上で私の思ったことは終わりです、次からも皆さん頑張りましょう」

みほ「麻子さん、今日はお疲れ様でした、ありがとうございます」

麻子「いや、負けてしまってすまない、次からは本気出す」

みほ「ええ、次があれば本気出してくださいね」ニッコリ


杏「......」ソロリ

杏「か、河嶋、ちょっと時間あるか...」

桃「はい、会長、何か御用でしょうか」

杏「あ、ああ、今日のことでちょっと相談が」

みほ「あ、会長!こんなところにいたんですねっ」


杏「っ」ビクゥ

みほ「あの、すいません、河嶋先輩」

みほ「今日、上から見ていて思ったことを会長と話したいので、少し先にお話してもよろしいですか」

桃「あ、ああ、分かった、私も少し用事があるから、また終わり次第声を掛けよう」

みほ「わかりました、ありがとうございます、河嶋先輩」ペコリ


みほ「さて、会長」クルリ

杏「な、なに...?」

みほ「ちょっとあちらで、お話しましょうか」ニッコリ

杏「」ガタガタガタガタ


【聖グロリアーナ女学院】


ダージリン「オレンジペコ、お茶を用意してもらえるかしら」

オレンジペコ「はい、ただいま」

ダージリン「オレンジペコ、こんな格言を知ってるかしら」

オレンジペコ「はい、ノーベル文学賞を受賞した、ウィンストンの言葉ですね」

ダージリン「オレンジペコ、お願いがあるのだけれど...」


「オレンジペコって、本当はとても有能じゃないかしら」

「ええ、あのダージリン様の希望することを全て叶えているわね」

「辟易する人も多い中で、あの適材適所という言葉が似合うあの働きぶり」

「見れば、ダージリン様の近くにおられるせいか、品位も上がったように見えますわ」

「これからの聖グロリアーナ女学院も安泰ですわね」


アッサム「あら、オレンジペコ、こんなところにいましたか」

オレンジペコ「アッサム様ですか、どうしましたか」

アッサム「いえ、いつもこの時間ならダージリンの近くにいるものかと思ってね」

オレンジペコ「はい、でも今日は港に英国からの物資が届く予定が入っておりまして」

オレンジペコ「その中から、一番最初に紅茶を選んできてダージリン様にお渡ししようかと」


アッサム「あなたは、本当に良く出来た後輩ね」

オレンジペコ「いえいえ、そんなことありませんよ」

アッサム「謙遜せずともいいわ、あなたの何がそこまでしてあなたを揺り動かすのかしらね」

オレンジペコ「ダージリン様のお役に立つのに、理由なんか必要ありませんよ」ニコッ

アッサム「ふふっ、そうなのね、それは失敬したわ」


アッサム「ところで、最近、あなたと同学年の生徒との間で良からぬ噂を聞いたのだけど」

オレンジペコ「良からぬ噂、ですか、それはいったいどのような?」

アッサム「ええ、あなたが同学年に嫉妬の目を向けられているとの話よ」

アッサム「まあ、そういうことがあってもおかしくないと思ってるけど、どうなのかしら」


オレンジペコ「いえ、初耳で私も驚いています、どうしてそんな噂が立ったのでしょうか」

アッサム「分からないわ、でもまあ、あなたがそう言うなら安心ね」

アッサム「また何かあったら言ってね、それじゃあ、ダージリンによろしく」

オレンジペコ「はい、アッサム様も、良い一日をお過ごしください」


アッサム「とは言ったものの」

アッサム「あの子はあまり感情を表に出さない気弱なタイプだから」

アッサム「本当は何かあったけど、隠し通してるかもしれないわね」

アッサム「さて、一年生女子寮のフリースペースにカメラを仕掛けたけれど」

アッサム「何も起きないことを祈るしかないわね、あ、誰か来たわ」


ペコ『何でしょうか、話しって』

生徒『あの、本当に言いにくいことなんだけど』

アッサム「ダメね、私の祈りは十秒さえもたないみたい、何か起こる流れだわ」

アッサム「やっぱりあの子、妬まれて、あれ、でも少し様子が」


生徒『ペコ、今日って洗濯係じゃない?だから、今日は少し早く帰ってきてほし』

バキッ

アッサム「…えっ」

ペコ『』バキッ ベキッ

生徒『や、やめて!お願い!顔は、いた、やめ、あ、ごめんなさい!ごめんなさい!』


ペコ『...私は何も考えずに謝る人は嫌いです、どうして謝ってるんですか』

生徒『疲れも溜まってるのに関わらずオレンジペコに洗濯を、きゃあ!』

ペコ『上級生がいない時にはオレンジペコ様と呼んでくださいと言ったはずですが』

生徒『い、いたい、やめ、ご、ごめんっ、あ、ああああぁ...っ』

アッサム「え、え、これ、ど、どういう」


生徒『あ、ああぁあぁ、もう、もうやめようよぉぉ…』

生徒『こんな、こんな生活、なんで、なんでなのぉ、いやだよぉ…』

ペコ『言ったはずですよ、私は将来、ダージリン様の立ち位置になるんですから』

ペコ『使える人間は使う、その事前練習です、むしろ光栄に思ってください』

生徒『で、でも、こんな、そんな寄生的な生活してたら、いつかは身を滅ぼすに、ひっ』

ペコ『言葉には気を付けてください、利用してあげてるんです、それとも』


ペコ『私が、ダージリン様にお告げしましょうか?私を妬んでいる人間がいると』

ペコ『ダージリン様が全幅の信頼を置いているこの私が、あなたのありもしない所業を』

ペコ『どうなるか楽しみですね、さて、賢いあなたは、どうしますか』

生徒『ご、ごめんなさい、せ、洗濯し、してきますね、う、うううぅぅぅっ』ポロポロ

ペコ『それでいいんです、賢い人は好きですよ、お願いしますね』


アッサム「な、なによこれ、は、早くダージリンに伝えないとっ」

ペコ『さて、画面の向こうの人、聞こえてますか?』カメラニラミー

アッサム「ひぃ!」

ペコ『誰でしょうか、ええ、分からないですが、確か昼にお話した方がいましたね』

アッサム「ひ、あ、ああぁ...っ」


ペコ『そう言えば、話は変わりますが、ダージリン様に新しいお茶っ葉を届けまして』

ペコ『その中に、この国では認可されていない劇薬が混入していたそうですよ』

ペコ『ダージリン様、最近はお茶を沸かすのは私にお任せしていますから』

ペコ『私の良くない噂が流れちゃうと、間違って、そのお茶を淹れてしまいそうです』ニコニコ


アッサム「ひ、うぐ、だめ、それはだめ、だめぇぇぇ...」

ペコ『この話を聞いてるお方が、明晰なお方であることを祈っておきますね』

ペコ『それでは、明日からも、よろしくお願いしますね』

ペコ『アッサム様』ニッコリ

アッサム「ひぃっ、いや、いや、いやぁぁぁ......」ガタガタガタガタ

一回寝ます、昼頃帰ってきます
ブリザードなワニさん書いて終わります、それでは又後で失礼します

誠子「淡お茶尭深漫画取って」

淡「はい一年の我慢」

尭深「弘世菫様居なくなってから誠子ちゃんだらけ過ぎ」

照「・・・留年した」

菫「オマエハバカだな私はプロトップ一位の王姫だ」

誠子「何処で差が付いたのかしら」

京太郎「境遇慢心」

水面ちゃん「照オネェちゃん去年個人戦4位ってホント」

照「SEIKO誠子私の誠子」

誠子「うわ気持ち悪いですね」

淡「留年生は黙って新部長の誠子様に従え」

安価スレ立てます安価して下さい


【プラウダ高校】


カチューシャ「ちょっと!遅刻なんてどういうことよ!」

生徒「すいません、補修を受けてしまって、連絡が遅くなってしまいました」

カチューシャ「補修なんて気が緩んでる証拠ね!あんたなんか永久凍土で穴掘ってなさい!」

生徒「...はい」


ニーナ「うわぁ、出たべ永久凍土の穴掘り」

アリーナ「こんながっぱしゃっけえ日にゃだんだでな」

ニーナ「んだんだ」

ノンナ「......」


クラーラ『ふう、今日の練習も疲れましたね』

ノンナ『ええ、しかしカチューシャは今日も可愛かった』

クラーラ『こうしてロシア語で話すことの出来る同士がいて私は幸せです』

ノンナ『それは私のセリフです、カチューシャの目の前で彼女を褒めれる日が来ようとは』

クラーラ『これからもよろしくお願いしますね、ノンナ』

ノンナ『ええ、私の方こそ...あら、あれは』


生徒「......」キョロキョロ

生徒「」ダッ

ノンナ「何をしているんですか」

生徒「っ」ビクッ

生徒「ノ、ノンナ副隊長...」


ノンナ「塹壕、もう終わった、と言うわけではないのでしょう」

生徒「す、すいません...」フラフラ

ノンナ「...体調が芳しくないようですね」

生徒「ごめん、なさい、昨日から歩くのも辛いくらいで...」

ノンナ「しかし、これはこれ、それはそれです」

ノンナ「責務を全うせずに逃亡するのは、感心できませんね」


生徒「すい、ません、今すぐ、戻り、ます...」フラフラ

クラーラ『さすがブリザードのノンナですね、カチューシャの命令は絶対ですから』

ノンナ「......」

クラーラ『ノンナ?』

ノンナ「待ってください」

生徒「は、はい...?」


ノンナ「そう言えば、今日は猛吹雪が吹き荒れるらしいですね」

生徒「そう、でしたね...」

ノンナ「ところで、あなたはもう10個掘ったようですが」

生徒「え、でも、まだ...」

ノンナ「この猛吹雪じゃ、明日の朝には塹壕は見えないでしょう」

ノンナ「ご愁傷様です、頑張りが一晩で消えるのは悲しいでしょうが」

ノンナ「自然の前で無力な人間は、大人しく床に入るとしましょう」


生徒「あ、あの、それって、もしかして」

ノンナ「既定の数を掘ったのでしょう?仕事が終われば帰宅の時間ですよ」

生徒「あ、ありがとうございます」

ノンナ「はて、何のことやら、それでは」

ノンナ『お体、お大事に』


クラーラ『珍しいですね、ブリザードとも呼ばれるあなたがああいう手を取るとは』

ノンナ『私はカチューシャの右腕であり、副隊長でもありますから』

ノンナ『副隊長として、チームの全員の体調を管理するのも役目の一つですよ』

クラーラ『なるほど、ところで今日のカチューシャの寝顔ですが...』


ノンナ「見回り、異常はありませんね、日記もまだです、早く帰って今日の分を...」

ノンナ「ん、クラーラ、でしょうか、こんな時間に外に出て何を」

ノンナ「クラーラ、どうしましたか、もう消灯時間は過ぎて」ヒョイ

生徒「」グッタリ

クラーラ「......」


ノンナ「っ!何をしているんですか!」

クラーラ『ノンナ、ですか』

ノンナ「大丈夫ですか!今すぐ部屋に戻って温かいものを...」

生徒「...てない」

生徒「まだ、全部、掘ってない...」


ノンナ「塹壕はもういいと言ったはずです!どうしてここまで無理をし、て」

ノンナ「クラーラ、あなた、まさか」

クラーラ『...同志カチューシャの命令です』

ノンナ『この子は体調が悪いと聞いたはずですよ!このままだと命に関わります!』

クラーラ『ええ、でもそれに何か問題でも?』


ノンナ『っ、あなたは本当にプラウダの一員ですか!?』ガシッ

クラーラ『私はカチューシャに憧れてここへと来ました』

クラーラ『私はプラウダの部員の前に、カチューシャの部下ですよ』

クラーラ『そのカチューシャの命令とあらば、私はなんだって引き受けますし』

クラーラ『その命令を聞かぬ者には、死んでも命令を遂行してもらいます』


ノンナ『クラーラ、あなたがそんな人だとは思いませんでしたよ...っ』ギリッ

クラーラ『ノンナこそ、あなたがそんな甘いお方だとは』

クラーラ『ほら、その子を離してください』

ノンナ『...消灯の時間には寝るようにと、厳命されているのをお忘れですか』

クラーラ『...あぁ、そう言えば、そんな命令もありましたね』


クラーラ『命令とあらば、仕方ありません』

ノンナ『明日、このことをカチューシャに報告します』

ノンナ『元々は、カチューシャの命令ですから厳格な処罰はないでしょうが』

ノンナ『明日から、この学校で普通の生活が送れるとは思わないように』

クラーラ『私はカチューシャのご希望に沿っただけですよ』

ノンナ『お互いの信頼関係あっての命令です、心を蔑ろにするのとは訳が違います』


クラーラ『そうですか、それならすることは一つですね』ガシッ

ノンナ『な、ぐっ、かはっ、や、め...っ』

クラーラ『別に他の方からどう思われようと知りませんが、カチューシャに良く思われないのは嫌ですから』

クラーラ『カチューシャから嫌われるくらいなら死んだ方がマシですが、死にたくもないので』

クラーラ『今ここで、ノンナを止めることにしましょうか』グググッ


ノンナ『 ~っ、か、は、うぁっ』

クラーラ『そう言えば、外は猛吹雪のようですね』

クラーラ『私は、猛吹雪の中、塹壕を掘っている生徒のことを探しにノンナが出るのを見ました』

ノンナ『な、なに、言って...っ』

クラーラ『この吹雪の中、外に出かけるのは良くないと注意したのですが、戻って来ませんでした』

クラーラ『ノンナは明日の朝、冷たくなって発見されるでしょう、悲しいことです』

ノンナ「」ガタガタガタ


クラーラ『さて、ノンナはここでどうすべきですか、と尋ねたいところですが』

クラーラ『ここまですれば、いつかはノンナも口を割ってしまうでしょう』

クラーラ『となれば、私のすることは、一つしかありませんね』ニコッ

ノンナ「ひ、いや、た、たすけて、や、め、かはっ」

ノンナ「言いません、から、言わないからっ、たすけて...っ」


クラーラ『分かりました、そこまで言うなら助けましょう』パッ

ノンナ「がはっ、ひ、はぁ、はぁ、ああぁ」

クラーラ『それでは、この子を一緒に埋めましょうか』

生徒「」

ノンナ「え、ぁ、ひっ!」


クラーラ『この寒い中、これだけ放置されたら、どうなるかはお判りでしょう』

クラーラ『大丈夫ですよ、助ける間も無く、このまま亡くなりますから』

ノンナ「あ、あ、あ、ああぁぁぁ...」

クラーラ『こうやって、一緒に罪を重ねていきましょう』

クラーラ『そうすれば、あなたも私も、お互いを裏切れなくなりますから』

クラーラ『さすがは同志ノンナ、どこまでも私と同じ道を歩んでくれるのですね』ニコッ


ノンナ『ち、ちが、私は、こんな、こんなこと望んで...』

クラーラ『それとも、あなたも一緒に永久凍土の下に埋もれることをご希望ですか』

ノンナ『ひ、う、ううん、いや、それは、いや...っ』

クラーラ『ええ、それでは、ノンナのすることは一つしかありませんね』

ノンナ「う、ううぅぅ、ごめんなさい、ごめんなさいぃぃ...」ポロポロ


クラーラ『ふふっ、それでは穴を掘りましょうか、大丈夫、明日は口裏を合わせますから』

クラーラ『自分の命令によって、部下の命が亡くなったようなものですからね、カチューシャは』

クラーラ『いったい、どんなお顔をされるんでしょうね、今から楽しみです』

クラーラ『思う存分、絶望に打ちひしがれて、泣いてくれるといいですねぇ』ウットリ

ノンナ「ぅ、うあああぁぁぁぁぁぁ......」ポロポロ

少し用事で外します
夜にまた来ます、8時までには終わらせます、失礼します

乙です。

翌日のカチューシャを書いて欲しいと言うのは贅沢ですかね?




カチューシャ「う、うぅぅぅ、うわあああああああああああああん」

ノンナ「カチューシャ、元気を出してください」

カチューシャ「だ、だって、私のせいで、私のせいでええええぇぇぇぇ!」

ノンナ「大丈夫です、あれは、カチューシャのせい、では」

ノンナ「せいでは、ありません、から、だからっ」グスッ


カチューシャ「え、の、ノンナ...?」

ノンナ「ごめんなさい、ごめんなさい、カチューシャ、私をお許しください」

ノンナ「あ、ああ、ごめんなさい、あ、ぅぅ、うぐぅぅぅ」ポロポロ

カチューシャ「ノンナ、どうして、あなが、謝るのよ...っ」ポロポロ

ノンナ「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいぃ...っ!」ダキッ


カチューシャ「ノンナ、あなたが、気にすることじゃないの、これは、私のせいなの」

ノンナ「違うんです、でも、ごめんなさい、あ、ああぁ、うああぁぁぁ...」

カチューシャ「それでも、これは私の責任だから、だから、あなたが、ノンナが」

カチューシャ「責任を感じなくても、いいの、ね、だから、自分のことを責めないで、よっ」

ノンナ「いつか、いつか、必ず、本当のことを言います、だから、だから」


カチューシャ「いいわ、ゆっくりでいい、だから、そんなに自分のことを思い詰めないで」ヨシヨシ

ノンナ「う、うぅぅ、うう、うわああああああああああああああん!」

カチューシャ「いつか、ノンナが言えるようになったら、本当のことを、教えてね」

ノンナ「はい、はい...っ」ギュゥ



クラーラ(まっ、そんなことは、何があってもさせませんけどね)クスッ

おぉ。
要望に答えていただき感謝いたします。


【黒森峰女学園】


エリカ「ふう、今日の練習は一段と疲れたわね、雨に降られるなんて聞いてないわよ」

エリカ「小梅、いつになく調子悪かったけど大丈夫かしら、雨の日はまだ怖いのね、きっと」

「......」ボソボソ

エリカ(あら、工廠の裏に誰か...)

エリカ(こんな危ない崖があるところ、誰が来てるのよ、えっと)

エリカ(あれは、隊長と、小梅?」ソッー


まほ「赤星、雨の日はまだ苦手か」

小梅「すいません、今日は雨足が強くて、少しあの日のことを」

まほ「みほは、大洗で元気にやってたじゃないか」

まほ「あの日のことを悔やむ必要はない、気にするな」


小梅「分かっています、でも、主力となった今年だからこそ」

小梅「あの時、私が連覇を途絶えさせた責任が、なおさら」

まほ「そうか、お前はこれから、どうしたいんだ」

小梅「っ、最近、辞めることも考えています」

エリカ(な...っ)


まほ「なるほど、確かに最近、お前は心此処にあらずという場面が増えていたからな」

小梅「はい、このままでは、皆さんに迷惑をかけてしまうので、すいません」

まほ「ふむ、しかし、私に相談してきたということは、だ」

まほ「まだ、続けたいとも思っているのだろう」

まほ「自分の好きな戦車道を、こんなところで辞めていいものかと、思っているんじゃないか」


小梅「...はい、本当に、どうじだらいいか、分からなくてっ」ポロポロ

小梅「もう、なにもわがらなくで、どうしたらいいのか、わがらなくでっ」

小梅「ごべんなざい、こんなお手間を掛けさせてしまって、ずいまぜん」グスッ

エリカ(...小梅、あの子、あんなに思い悩んで)


まほ「ふむ、しかし、お前が最近使いものにならないのも事実だしな」

小梅「ごべんなざい、本当にずいまぜんっ」

エリカ(ちょ、ちょっと、さすがにそれは強く言い過ぎでは…)

まほ「この重圧から解放されたい、しかし辞めるのも嫌、よくある悩みだ」


まほ「しかし、この悩みはそう簡単に解決できない、時間を要するものだと思う」

まほ「その間、お前はチームに迷惑をかけ続けることになるだろう、それは辛いことだ」

小梅「う、うぅ、うぅぅぅぅぅっ!」ポロポロ

まほ「さて、こういう時、何も悩まずに済む方法が一つだけある」


小梅「教えてくだざいっ、もう、私、本当に辛くで、し、し、死にたい、ですっ」

エリカ(な、そんな馬鹿なこと考えてたのあの子!)

まほ「そうか、死にたいか、なるほど」

まほ「では、今ここで死ね」

エリカ(...へ、え?)


小梅「っ、隊長、私は軽く死のうだなんて、考えては」

まほ「ああ、知ってる、だから、私はお前に本気で死んでもらいたいと思っている」

まほ「まあ、苦しいのも嫌だろう、ここにはドイツの提携先から色々なものが流されてきてな」

まほ「こういったものもある、痛みはあまりないだろう」ジャキッ

エリカ(え、なに、なに、私はなにを見ているの)


小梅「あの、え、ほ、本気ですか...」

まほ「もちろんだ、お前も本当に死にたいのだろう、残念だがこうするしかない」カチャッ

小梅「ひ、いや、た、たすけて、ください、まだ、まだ死にたくは...っ」

まほ「ほう、それは、私に対して嘘を吐いたということだな、良い度胸だ」

まほ「明日から、ろくな生活を送れるとは思わないことだぞ」


小梅「ご、ごめんなさい、あの、でも、わたし、どうしたら」

まほ「どうするんだ、赤星、今ここで選べ、選べ、選べ」

まほ「私に嘘を吐いて、ここで死なずに、学校生活を諦めるか」

まほ「これで、一切の苦しみなく、この世を諦めるか」

小梅「だ、だめですっ、わたし、そんなの、え、えらべない、です」


まほ「選ぶしかないんだ、選べないならこの引き金を引くだけだぞ」

小梅「ひっ、いや、まって、まって、たすけて、いやだぁぁぁ...」

まほ「...まあ、気持ちは分からなくもない、確かに、この二択は辛いだろう」

まほ「だから、第3の選択肢をあげよう、ほら、お前のものだ」ジャキッ


小梅「え、え、あの、隊長...?」

まほ「ほら、死にたいんだろう、お前の手で終わらせたらどうだ」

まほ「私の手で終わらせはしない、自身の手で終わらせるという選択肢をやろう」

小梅「いや、いや、まだ、だから、わた、わたし、死にたく...っ」


まほ「そうか、それなら学校を辞めてしまえ、親のお金で入った学校を、お前のわがままで」

まほ「お前のご両親はさぞ悲しむだろうな、黒森峰に行った自慢の娘が退学だなんて」

まほ「地域の評判も悪くなるんじゃないか、なあ、そうだろう、赤星小梅」

小梅「ひ、ひぃ、こないで、いや、こないでっ」


まほ「そうか、じゃあ、死のうか」ジリジリ

小梅「や、や、やああぁぁ、ああぁぁ」アトズサリ

まほ「死ね」ガチャッ

小梅「いやあぁぁ!」ダッ

エリカ「危ないっ!」

小梅「え」ガラッ


エリカ「危ないっ!」

小梅「え」ガラッ

小梅「きゃあああああああぁぁぁぁぁぁ...!」

まほ「ふむ、崖から落ちてしまったか、この崖から落ちたらひとたまりもないだろう」

まほ「なあ、エリカ」

エリカ「あ、あ、あ、あああぁぁぁ」


まほ「どうした、エリカ、腰でも抜けてしまったのか、情けないな」

エリカ「ひ、ひとごろし、この、ひとごろしっ!」

まほ「はて、何を言っているんだエリカは」

エリカ「見てたんですよ!た、隊長が小梅を追い詰めて、崖から落としてっ」

まほ「だから、何を言っているんだ、ここには、私はいないぞ」


エリカ「な、なに言って!」

まほ「だから、ここには、小梅しかいなかったじゃないか」

まほ「小梅が一人で、落ちてしまったんだな、可哀想な奴だ」

エリカ「え、は、ど、どういう意味で...」

まほ「エリカ、私は頭の悪い奴は好きじゃないぞ」ガチャッ

エリカ「ひっ!」


まほ「エリカ、ここには私達はいなかった、いいな」

エリカ「そ、そんなことやっても、すぐにバレて...むぐっ!」

まほ「残念だ、エリカ、この引き金を引いた瞬間、お前のその非凡な才能も無くなるなんてな」

まほ「きっと、お前の死体は見つからないだろうが、お焼香は焚いてやろう」

エリカ「」ガタガタガタ


まほ「これが、最後のチャンスだぞ、エリカ」

まほ「ここに私達はいなかった、いたのは小梅だけだった、そうだな」

エリカ「...はぃ」

まほ「そうだな!」

エリカ「は、はい!」

まほ「よろしい、明日からもよろしく頼んだぞ」


小梅「」ベッチャリ

エリカ「あ、あああぁ、小梅、小梅ぇぇぇ...っ」

エリカ「絶対、絶対許さない、絶対敵は取ってあげるから...っ」

まほ「そうそう、エリカ、先に言っておくが」

エリカ「っ」ビクッ


まほ「変な気を起こそうなんて、考えない方がいいぞ」

まほ「お前も、目の前でご家族の方が亡くなるのを見たくはないだろう」

まほ「そういうことだ、お前が優秀な右腕であり続けることを祈っておく」

エリカ「」ガタガタガタ


【エキシビションマッチ】


エリカ「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」ゼェゼェ

エリカ(あの後、また二人が表向き『退学処分』となった)

エリカ(この学校では、退学処分は珍しくない、けど)

エリカ(きっと、隊長が迫って、それで死ぬのを拒んだから)

エリカ(私は今でも『利口な右腕』として振舞っている、けど)


エリカ「もう、もう嫌よっ、次は、次はきっと私、いや、絶対に嫌っ」

エリカ「副隊長、うん、みほなら、きっと、隊長を、止めてくれるっ!」

エリカ「...っ、いた、みほ!」

みほ「うわ、え、エリカさん?どうして、こんなところに」

エリカ「ねえ!お願い!隊長を、まほさんを止めて!」

みほ「え、え、えぇ...?」


エリカ「...というわけなの、だから、お願い、助けて!」ポロポロ

みほ「...そんなことがあったんですか」

エリカ「お願い、このままじゃ、私、私までこ、殺されちゃう、からぁ」

みほ「なるほど、よく頑張りました、怖かったでしょう、エリカさん」ギュッ

エリカ「あ...っ」


みほ「もう、大丈夫ですよ、私に全部、任せてください」ヨシヨシ

エリカ「あ、う、うぅ、うぅぅ、うあああああぁぁ...」

みほ「お疲れ様でした、ほら、ここじゃ人目につきますから、こっちに来てください」

エリカ「うん、うん、ありがとう、ありがとう、みほ...っ」

みほ「いえいえ、それは私の言葉ですよ、エリカさん、だって」

みほ「西住流の暗部を知った人が、これほどまでに馬鹿で、良かったですっ」カギガチャッ


エリカ「え...」

みほ「ねえ、エリカさん、なんで妹なら大丈夫だと思ったんですか」

みほ「お姉ちゃんの血を引く人間ですよ、そこまで頭が回りませんでしたか」

みほ「馬鹿なところは相変わらずですね、センスが無いのは仕方ありませんよ」

みほ「もっと社会のお勉強してくださいね、エリカさんはここでさよならですけど」ニコッ


エリカ「え、あ、あぁ、ひいいいぃ!」ダッ

エリカ「誰か!誰か助けて!ねえ!誰か!助けてええええ!」ガンガンガン

みほ「いるわけないじゃないですか、この時間の工廠周辺に」

みほ「頭空っぽなんですかね、大丈夫、すぐに確認してあげますから」


エリカ「ひ、やめ、お願い、お願いします、たすけて、たすけてぇぇ...」

みほ「ほら、落ち着いて、エリカさん、ね」グイッ

みほ「次は利口な人になるといいね」クチビルサワサワ

みほ「馬鹿は死んでも治らないけど」クスッ

エリカ「ひゃ、あ、あぁ、いや、いや...」ガタガタガタ


みほ「それじゃあ、お別れの時だね」ググッ

エリカ「がっ、やめ、い、や、しに、た、くな、い...っ」

みほ「次の人生では戦車道なんて選ばないようにするんだよ、それじゃあ」グググッ

エリカ「ぁ、うぁ...ぁ... ......」

みほ「ばいばい、エリカさん」


みほ「もう、ボコのやつ見逃しちゃった」

みほ「ま、いっか、録画してあるから、また帰って見よっと」

みほ「ねえ、会長さん、いるんでしょ、出てきてください」

杏「っ」ビクゥ

杏「あ、ちが、ごめ、な、なにも見てないから、ね...?」ビクビク


みほ「心配しないでください、怒ってはいません、むしろ」

みほ「あの場で出てこなかったこと、あれは賢明な判断だと思います」

みほ「自分の身の保全を一番に考えるその姿勢、私は大好きですよ」

杏「はは、はっ、あり、がとう...」

みほ「ほら、帰りましょう、みんな心配してます」


みほ「帰って、また、戻ってきてください、これの処分をしないといけないので」

杏「あ、うん、そう、だね...」

みほ「...ねえ、会長、会長は利口な人だから、大丈夫だと思いますけど」

杏「な、なにかな...」


みほ「ここで、何も言わずに、これからも平穏な生活を送っていくか、それとも」

みほ「事件が発覚して、大洗女子学園が廃校になった挙句」

みほ「大切に育ててきてもらったご両親の死に目に会えない」

みほ「どちらが良い選択か、会長は、もちろん知っていますよね」ニコニコ


杏「う、うん、大丈夫だから、だから、家族は...っ」

みほ「知ってますよ、会長、じゃあ、戻りましょう」ニコッ

みほ「ふふっ、楽しかったなぁ」クスッ

杏「」ガタガタガタ

――――
――


優花里「と、言うような、西住殿サイコパス説もあった中で」

みほ「私はその噂より、結論までに妄想話を3時間聴かされたことの方が驚きだよ」

優花里「西住殿は最初から最後まで、心の底からチームのみんなを信じ続けたと思っています!」

みほ「秋山さんの話は最初から最後まで、薬キメてたとしか思えないけどね」


優花里「私は、西住殿の判断は間違ってなかったと思います!」

みほ「サイコパス秋山さん、寄らないで?」ニッコリ

優花里「凄い、西住殿にありがとうって言われちゃいましたぁ」

みほ「文字数しか合ってないよ、秋山さん」

優花里「えへへっ」


おしまい

だからえへへっじゃねえよゆかりん
西住殿以外のサイコパス説についてはどうなんだよ

クラーラ「Я должен говорить немного. Пожалуйста, приезжайте в спину(少しお話があります。裏に来てください)」

まほ「シュトゥルムティーガーの主砲で、人間大砲をやってみないか?きっと楽しいぞ」ニッコリ

乙でした。
はらはら感で楽しめました。

このオチで思った。
もしかして、黒森峰みほ「もし流されたのが私の戦車だったら?」の作者さんですかな?


>>138
駄犬「私の独断と偏見で選びました!!」

誰かブラックエンジェルズ(当然ザ・松田も)と仕事人、夜神月と機動刑事ジバン呼んでこい

>>143
それと外道坊とゴルゴ13とG-3Xもですね

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom