それは、とある秋の日の出来事でした。

岸（ふあ～ぁ、よく寝た……うわ、炭谷からめっちゃLINEきてる）

『岸さんFAしませんよね？　来年も一緒にバッテリー組ませてもらえますよね？　岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん岸さん』

岸「……怖いっちゅーの……ん？」（美声）

岸「えっ、なにこの声……声が裏返ってる？」ﾀﾕﾝ

岸「たゆん？」

岸「」

岸「えーと、待て待て待て……は？　なんで俺の胸におっぱいついてるの？　理解不能理解不能理解不能」ﾓﾐﾓﾐﾓﾐ

岸「んっ……本物、ですねこれは……えぇ……」（困惑）

岸「か、鏡を……はぁ！？　一体どういうことだよこれ！？」

岸「俺、女になってるじゃねーか！！」

岸「ゆ、夢なら早く醒めてくれー！！」

-30分後-

岸「お、おかしい……まだ目が醒めない……ひょっとして、現実？」

岸「いや待て待て、落ち着いてまずは誰かに相談しよう……」

岸「田辺監督は……ダメだ、あの人はもう監督業じゃない」

岸「森コーチは……やめとこう、どう考えたって頭のおかしい人扱いされる」

岸「となると……」

　
　
　
－－炭谷、大事な話がある。すぐに俺の部屋に来てほしい。

炭谷「来ましたよ岸さァン！！」ﾊﾞﾀｧﾝ

岸「うわッ早ぇ！？　ていうか今までどこにいたお前！？」ﾋﾞｸｯ

炭谷「岸さんが外泊するときは基本部屋のドアの前で一晩中見張ってるんですよバッテリーなんですから当然ですよね！！　ていうか岸さんは！？　あれっ、あなた誰ですか！？　ちょっと、警察呼びますよ！！」

岸「それはこっちのセリフだよ！！」ﾊﾟｧﾝ!

炭谷「痛ァイ！！　……はっ、この見事なまでの腕の振れっぷりはひょっとして岸さん！？」

岸「そ、そうだよ！！」

炭谷「えぇ……朝っぱらからなに女装なんてしてんすか。しかもヘリウムまで吸って」

岸「そんなんじゃねえよ！　これマジなやつだって！！」

炭谷「おっ、おっぱいでかいっすね」ﾓﾐﾓﾐ

岸「あ、あふ……」ﾋﾞｸｯ

炭谷「ちょ、ちょっと変な声出さないで下さいよ……」

岸「つうか人の話を聞け！！」ﾊﾟｧﾝ!!

炭谷「痛ァイ！！」

←説明した。

炭谷「え……じゃあマジで岸さんなんすか」

岸「そうだよ……ヤバいよこれ、どうしよう……」

炭谷「そんな……FAも間近だっていうのにマズイでしょそれ！」

岸「FA云々の前に俺の人生の危機だよ！！　妻子もあるってのに……」

炭谷「だ、大丈夫っすよ！！　最近はほら、父親も母性を持つべきってよく言うじゃないっすか！！」

岸「フォローになってねぇよ！！」

炭谷「と、とりあえずどうします？　練習出ますか？」

岸「いや出るったって……この身体じゃあ……」

炭谷「アイシング（サポーター）とかつけたら、上手いことごまかせませんかね？」

岸「いやそれじゃ練習できねぇじゃん……」

炭谷「というかこれ、病院案件じゃないっすか？」

岸「病院行って何とかなるのかこれ……」

　
　
　
今季FAの動向が注目されていた西武・岸孝之！！

彼が女性になってしまったというニュースはその日のうちに広まり、球界と二丁目に激震を与えた！！

西武・辻新監督『岸が女の子になった？　カワイイの？』

楽天・梨田監督『来年から地元仙台で活躍する彼の姿を見たかったね……』

日ハム・栗山監督『俺は岸が好きだった！！　でも女になったのならもう興味はないね』

西武・炭谷捕手『これからは僕が『女房役』ではなく『旦那役』として、岸さんを支えたいと思います！！』

岸「炭谷ェ……」

……

岸「ていッ！！」ｼｭｯ

炭谷（かわいい……でも球質は以前と比較にならないほど軽い……）ﾊﾟｼｯ

森投手コーチ「うーん……」

岸「……やっぱりダメです……よね？」

森投手コーチ「女子プロリーグなら十分通用すると思うけどねぇ……」

岸「ううっ……」

炭谷「き、岸さん、NPB（日本野球機構）からJWBL（日本女子プロ野球機構）にFAとか前代未聞ですよ！　きっと話題になりますって！！」

森投手コーチ「それフォローになってないぞ炭谷」

岸「すみません……今日はもう上がります……」ｼｮﾝﾎﾞﾘ

炭谷「あっ、ちょっと岸さん！！」

森投手コーチ「岸……可哀そうに……」

岸（もうダメだ……全力で投げても100km/hに届かない……やっとFA権を手にしたってのに、俺の現役生活はこんなことで終わるのか……？）

炭谷「岸さん、稲村亜美路線がまだ残ってますよ」

岸「お前はもうお黙り。ていうかなんで俺の思考読めるの？　エスパーなの？」

炭谷「そんなことよりこのままじゃ岸さん、帰り道にレイプされちゃいますよ！！」

岸「それはない」

炭谷「またまた～。8月にソフトバンク打線にレイプされっぱなしだったのもう忘れたんですか？」※投球回数20回、15失点、自責15（8月対SB戦計3試合の合計）

岸「あばばばばば……」ｶﾞｸｶﾞｸ

炭谷「というわけで岸さん。俺に一ついいアイディアがあるっす」

岸「なんだよ……一応聞くけど」

炭谷「俺と一緒に風呂入りましょう！！」

岸「オラァッ！！」ﾊﾞｷｨ

炭谷「痛ァイ！！」

死ね

岸「聞いて損したわ！！」

炭谷「ま、待ってくださいよ！　実は俺聞いたことあるんすよ！　水かけると女になって、お湯かけると男に戻るって人の話！！」

岸「マンガじゃねーか！！」

炭谷「いや……最近マンガでもこんな安直な展開ってないっすよ」

岸「そこ？」

炭谷「とにかく！　ダメ元でやってみるのもアリじゃないっすか！？」

岸「ダメに決まってるだろ！！」

炭谷「そんなこと言わずに！！　さぁさぁ早くいきましょう！　ヒアウィゴー！！」

岸「ていうかなんで一緒に入って当然みたいな反応なんだよ！？」

炭谷「え、だって岸さん。そのまま男湯突っ込むつもりっすか？」

岸「え？　あ、そうか……」

岸谷「仮に女湯入って、いきなり男に戻っちゃったらそれはそれで事件ですよ。別の意味で来季の活躍が危うくなりますよ」

岸「お、おう」

炭谷「だから俺が誰も来ないか見張ってるんで、その間に男湯に入るのがベストでしょ？」

岸「いや、だったら別にシャワー室使えｂ」

炭谷「オラアッ！！」ﾊﾞｷｨ

岸「ちょっ、お前！？　施設の備品破壊してんじゃねえよ！！」

炭谷「こんなぬるいシャワーなんかじゃダメっすよ……さ、もっと大きな風呂に……」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ

岸「お、おまえ拳から血がダラダラ出てるぞ。それで来季絶望とかほんとやめてね……」

若獅子寮・浴場。

炭谷「ここなら外部の人来ないっすから安心です。今のうちにどうぞ」

岸「お、おう……たしかにここなら大丈夫か……」ｶﾞﾗｶﾞﾗ

浅村「お、ホンマに女になっとるやんけ！！」

雄星 「はぇ～、すっごい……」

メヒア「オッパイ」

中村（ニッコリ）

秋山「あ、なるほど。そういうことなんすね」（納得）

森「これなら俺の方が背高いっすねｗ」

岸「誰が呼んだ！　誰が呼んだ！？」

浅村「よっしゃ！　お湯かけたるわ！！　優勝逃したからビールの代わりにお湯かけや！！」

岸「ちょ、やめてっ……ああもう、そこのベネズエラ人！！　どさくさに紛れてチチ揉むな！！」

メヒア「ゴ飯ガススムゥ～」ﾓﾐﾓﾐ

中村（ニッコリ）

岸「くっ、殺せ！！」（ヤケクソ）

秋山「……あっ！？　岸さん男に戻ってますよ！！」

岸「えっ？　あっ、本当だ！！」

メヒア「oh...」ｹﾞﾝﾅﾘ

岸谷「うわ、汚っ！　そんなもんブラブラさせながらこっち来んなや！！」

岸「えぇ……」

森「なんてこった……こっちの大きさでも勝てないというのか……」（絶望）

炭谷「岸さん、戻れましたか！？」ｶﾞﾗﾗｯ

岸「ああ、おかげ様で……」

炭谷「今、栗山さんが心配して駆けつけてくれましたよ！！」

岸「え？　巧さんが？　っていうかお前、いったいどれだけの人を呼んｄ……」

日ハム・栗山監督「ああよかった……俺が好きだったのはこの岸なんだよ！！　来年からウチにきて一緒にやろう、岸！！」（熱視線）

岸「」

おわり

これ西武というかパリーグファンじゃないと分からなさすぎるネタや