女神「私の声が聞こえますか?」(522)

ーーー真っ白な空間ーーー


??「誰だ…?」

女神「私は女神…貴方達の世界をはじまりから見守ってきた者です」

??「…ここは?」

女神「ここは勇者のみが訪れることを許された場所」

??「……勇者?」

女神「そうです。貴方は勇者に選ばれたのです」

??「…ぬ!?」

女神「貴方のいる世界が魔王に侵食されつつあることはもうご存知ですね?」

??「いや、あの__」

女神「貴方には魔王を打ち倒すだけの力と、何者にも屈することのない強い心を持っています」

??「おい、ちょっと待___」

女神「想像を越えるような辛いこともあるでしょう。しかしこの女神に選ばれし勇者である貴方ならば__」

??「ストップ!ストップ!!」

女神「?どうかされましたか?」

魔王「いや…我がその魔王なのだが……」

女神「」


女神「…えっ?」

魔王「えっ?」

女神「貴方…魔王?」

魔王「おう」

女神「ゆ、勇者じゃなくて?」

魔王「…うむ」

女神「………え゛っ!?」


女神「ちょ、ちょっと待って!え?何?どういうこと?」アタフタ

魔王「…おい、取り敢えず落ち着け」

女神「あ…ご、ごめんなさい……」

魔王 (コイツ本当に女神か…?)

女神「えと、何で…魔王がここにいるのですか…?」オロオロ

魔王「…そんなことはこっちが聞きたい。お前さんの声で目が覚めたらここにおったのだ」

女神「そんな…おかしい、おかしいわ…確かに勇者の器に相応しい人間を選んだ筈なのに…」

魔王 (人間?……ふむ…)

魔王「あぁ、それについてだが__」

女神「よりにもよって魔王なんかを選んじゃうなんて…」ブツブツ

女神「でも寄せられた資料にもちゃんと載ってるし…」ブツブツ

魔王「…」

魔王「おい、話を__」

女神「こんなの、クビじゃ済まされないわ…」ブツブツ

魔王「……」イライラ

女神「どうしよう…どうしよう…」ブツブツブツブツ

魔王「おぉい!!!」

女神「ひぇッ!?」ビクッ

魔王「話しを聞けと言うておろうが!」

女神「~~っ!ごっ…ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!!」ビクビク

魔王 (………コイツ本当に女神か?)

魔王「…いや、分かれば良い。我も少し熱くなり過ぎた」

魔王「……で、話をしても良いか?」

女神「あ、え?あ……はい、どうぞ…」

魔王「…貴様、今"勇者の器に相応しい人間を選んだ"と言ったな?」

女神「えっと…はい…確かに言った…ような…」タジタジ

魔王「………取り敢えず言ったことにしろ」


魔王「それでだ、かく言う我もこう見えて人間だぞ」

女神「…ああ~、なるほど。どうりで……」

魔王「……」

女神「……」

魔王「……」ソワソワ

女神「……?」

魔王「……」

女神「……え、あれっ?人間なのですか?魔王なのに?」

魔王「気付くのが遅い」


女神「…でも、魔王は人間を滅ぼそうとしているのですよね?」

魔王「確かに、それは魔族の悲願ということになっているな」

女神「では、貴方は人間なのに、人間を滅ぼそうとしているのですか?」

魔王「答えてやる義理は無い」

女神「む……では、人間なのにどうして魔王になれたのですか?魔王になれるのは魔物や魔族だけのはずですが…」

魔王「それを今から説明しようといていた」

女神「むむ…」

魔王「我は人間と言ったが、正確には人間と魔族の混血でな。見た目は人間のものだが中身は歴とした魔族だ」

女神「人間と魔族の……確かに、法則上全く有り得ない訳ではありませんが…」

魔王「うむ。そして我は我が野望の為、魔王へと成り上がったのだ…ッ」グッ…

女神「つ、強い者なら誰でも魔王になれるという話は本当だったのですね…」

魔王「ああ、血族に囚われる愚かな人間らとは違って、魔界は基本的に力が全てだからな」

女神「…ええと、これを纏めると、つまり貴方は人間でありながら魔族でもあるから、魔王にもなれたし勇者にもなれると…」

魔王「大方、そんなところだろうな」

女神「そう……ですか………」

女神「……」

女神「………」

女神「…………そんな話、聞いてない」

魔王「は?」

女神「そんなの学校で習わなかったし教科書にも載ってなかった…」

魔王「お、おう」

女神「あぁあぁどうしよう…魔王を勇者に選んじゃったなんて…どうしよう…」ズゥゥゥン

魔王 (……どうにも気の弱い奴だな)


魔王「だったら勇者など辞めてやろう。こんな称号、我にとっては不名誉なことこの上ない」

女神「……ダメです…」フルフル

女神「勇者の銘は剥奪できない決まりになっているのです…」

魔王「我の知ったことではない。つべこべ言わずにさっさとやらぬか」ギロ

女神「ッ……」ビクッ

女神「だ、ダメなものはダメなんです!そんなことを許してしまうと、それを後ろ盾にして世界中で勇者が生まれることになってしまいます!」

魔王「ぬ…………確かにそれは面倒だ」

女神「だから、何か別の方法を考えなければならないのですが……」


魔王「…………」

女神「…………」

魔王「…………」

女神「…ホントは、ここで私がカッコ良く勇者に語りかける筈だったのに…」

魔王「…あぁ、見る影も無いな」キッパリ

女神「!!」ガ--ン

魔王で勇者な完璧超人とダメダメポンコツ女神とのハートフルストーリーか!


女神「………そう、ですよね…」

魔王「お前さん、女神に向いていないのではないか?」キッパリ

女神「………です………よね……」

女神「……ふぇ…」ウルッ

魔王「っ!?!?」ギョ

女神「わ、私、分からなくなってきちゃった…うぇ…どうしよう…どうしよう」ウルウル

魔王「ちょ、ええ!?まだ泣くには早いだろ!何か良い打開策は考えつかんのか!?」

女神「で、でも…うぅ…マニュアルに…載って、ない、っから…ぐすっ…」ポロポロ

魔王「マニュアルって何だ!お、おい!泣くなと言うておろうが!」


>>16

笑いあり、シリアスあり、ほのぼのありなストーリーにしてみたいです(願望)

_____________
__________
______

魔王「落ち着いたか?」サスリサスリ

女神「はい…ご迷惑をおかけしました…」

魔王「良い」

女神「…あの…」

魔王「何だ」

女神「あの……ありがとう、ございます」

女神「私こんな感じなのに、貴方は魔王で、でも、こんなに迷惑かけたのに、心配してくれて…」

魔王「…良いと言うておる。気にするな」

魔王「それよりもこれからどうするかを考えねばなるまい。手伝ってやるからもう少し頑張れ」

女神「…はい」

女神 (……うぅ…初仕事でまさかこんなことになるなんて…)

魔王 (まさかあの忌まわしき女神とこんなことになるとはな…)

魔王「まず状況を整理しよう。お前は何に困っている?それは何故だ?」

女神「え?ええっと………」ウ-ン

女神「魔王……さんが、勇者になられて、魔族が勇者になってしまったことが問題です」

女神「特に、魔王と勇者を掛け持ちしてしまっていることは非常に深刻です」

女神「その一番の理由は、勇者としての本分を全うできないからです」

魔王「勇者としての本分?」

女神「はい。勇者は本来、魔王を斃すことを使命として存在しています。ですが、この場合だと自分で自分を殺さないといけなくなってしまいます」

魔王「それは遠慮願いたいな」

女神「でしょうね……。それに、勇者はその使命を果たすまでは、天の加護で死んでも自動で復活するようになっているのです」

魔王「つまり、魔王である我が死んでも勇者の加護で復活する、ということか」

女神「はい………」

魔王「しかし、我が死ぬということは魔王が滅びるということであろう?ならば勇者の使命は全うされているのではないか?」

女神「…えと、そこなのですが……」

女神「…もしここで魔王さんが亡くなった場合、天の加護が発動すると同時に勇者の使命を全うすることになります」

女神「そして、勇者の使命を終えるには、今のように私に直接会ってその旨を報告しなければならないのです」

魔王「うむ」

女神「……一方で、天の加護は亡くなった瞬間に勝手に発動します」

魔王「あー…つまり、手動と自動の差で先に復活してしまうということか?」

女神「………」コクリ

魔王「なるほどな、正に八方塞がりという訳か」

女神「はい…だから、私が……何とかしなければ、ならないのですが……」ギュッ

魔王「…………………」

魔王「一つ提案がある」

女神「…?何ですか?」

魔王「我がお前さんに手を貸すのはどうだ?」

女神「……え…?」

魔王「聞こえなかったか?手を貸すと言っておるのだ」

女神「え、や…手を貸すって……でも、最悪の場合、私は貴方を__」

魔王「理解している。…その上で協力を申し出ている」

魔王 (女神の超自然的な力で我が消滅すれば、一 時的にだが魔王も勇者もいなくなる。それが一番安全で手っ取り早い方法だからな)

女神「自分が…どうなっても良いと言うのですか?」

魔王「どうこうされるつもりも更々ない。むしろそうならない方法を考える為に協力するのだ」

魔王「…それに、だ。我を消滅させれば、よもやお前さんが更なる罰を受けるのではないのか?」

女神「それは……そうですけど…」

魔王「ならばお前さんの不利にはならぬと思うがね」

女神「でも…貴方がそうまでして協力なさる義理は無かったのでは…?」

魔王「ではこちらも言うが、お前さんも処分するべき相手の身を随分と案じているではないか」

女神「…それは……生きとし生けるものに慈悲を捧げるのは女神として当然のことですし…それに…」

女神「…………それに……魔族の王と呼ばれる人が、こんなにも情に厚い方だとは思わなかったから…」

魔王「…我も同じだ」

女神「え?」

魔王「我が宿敵を従える神が、ここまで俗で弱腰で泣き虫な奴だとは思わなかった」

女神「う…」グサ

魔王「…それに神というのは非情な奴等だとばかり思っていた」

魔王「己の都合やただの気まぐれで我らを蹂躙する、血も涙もない者共だと恨んでさえいた」

女神「……」

魔王「だが違った。それだけのことだ」

女神「……そう、ですか」

魔王「…お前さんを見ていると放って置けないのだ。それに乗りかかった船だ、最後まで付き合ってやろう」

魔王「お前さんにはワシがついている。だから共に頑張ろうぞ」

女神「…」ウル…

女神「」ゴシゴシ

女神「はい…!」

魔王 (………放って置けるはずも無いな)

_____________
__________
______

魔王「それで、具体的に我は何をすれば良いのだ?」

女神「とりあえず、勇者になってしまわれた以上、魔王討伐の旅に出る必要があります」

魔王「……と言われても、我が魔王だから旅の必要性が無いように思えるが…」

女神「勇者の役割は何もそれに限ってはいないのですよ?」

女神「人々を救い、善行を尽くすことが、勇者の使命を果たしその名を返上する第一歩となるのです」

魔王「…つまり、人助けの旅をしろと?」

女神「まぁ…そういうことになりますね」

魔王「…何とも複雑な気分だ。魔王が人間の為に善行とは…」

女神「良いではありませんか。この上ない程に素晴らしい響きですよ?」

女神「しかも、良いことをすればする程、私の加護でその後の人生が順風満帆になる特典付きです」

女神「…勿論、人間へ害が及ばない範囲でですよ?」

魔王「そうか、それは残念だ。…だがタダ働きではないのだな」

女神「それぐらいしないと勇者なんてやってられないかと思いまして」

魔王「話がわかるではないか」

女神「……引き受けて、下さいますか?」

魔王「条件がある」

女神「…内容は?」

魔王「魔族の殺生を最低限に留めたい。我が同胞に対して限界まで譲歩することを認めろ」

女神「…他には?」

魔王「今のところはそれだけだ」

女神「………」

魔王「………」

女神「…わかりました。」

魔王「……そうか、ならば引き受けよう」ニヤリ

女神「!」パァ

魔王「悪い条件でも無いだろうしな」

女神「…交渉成立ですね。では早速、これから貴方を人間界の王城へと送ります」

魔王「うむ。まずはその国の王に顔を出せば良いのだな?」

女神「そうです。その後の_とは王様が話し_下さると思_ます。

魔王 (…目が霞む)

魔王「…そうか、わかった」

女神「ど_か、旅の道_、お気を付__下さ_____」

魔王 (ぐ…意識が…遠退く____)

_____________
__________
______

ーーー東王国の王城ーーー


魔王「…?」

魔王「ここは、何処だ?」

?「うわぁぁ!」

?「な、何じゃ!?」

?「陛下!危険です!お下がり下さい!」

魔王「!」

東国王「これは何事じゃ!」

近衛兵A「貴様ッ!一体何処から現れた!」ジャキッ

近衛兵B「怪しい奴め!名乗れ!」

貿易商人「ひぃぃぃ……」ガタガタ

魔王 (もしや、ここは玉座の間か…?)

大臣「陛下!早く安全な場所へ!」

東国王「う、うむ」

魔王 (…女神の奴め…もう少し場所を考えて送らないか…)

魔王 (いや、まずは国王を引き止めなければ)


魔王「」スゥ--ッ…




魔王「お待ち下さい陛下ッ!!!」ゴオォォッ




東国王「うおぉ!?」ビクゥッ

近衛兵A「な…何という声量…!」キィィン…

近衛兵B「耳が破裂しそうだ…」キィィン…

魔王「国王陛下!私は決して怪しい者などではございません!」

東国王「な、何…?」

大臣「陛下!そのように不審な者の話に耳を傾けてはなりません!避難を!」

魔王「陛下!どうか私の話をお聞き下さい!」

大臣「なりません陛下!早くこちらに!」

魔王「陛下!どうか話を!」

魔王「国王陛下!」
大臣「国王陛下!」

東国王「…」

東国王「…お前は、何者だ?」

大臣「陛下!」

魔王 (よし…!)

魔王「……私は……」

東国王「…」

近衛兵A「…」

近衛兵B「…」

大臣「…」

貿易商人「ひぃぃ…」ガタガタ

魔王「……」











魔王「……女神に選ばれし、勇者にございます」


続く


また明日投下します。

コメントありがとうございます。
凄く嬉しいです。

もしかしたらどこかに書いてるかもですが、実は女神は今回が初仕事だったりします。

あと、魔王が虐殺を考えなかったのには理由があります。
その設定を回収できるかどうかは別の話ですが。

魔王「私は……女神に選ばれし、勇者にございます」

東国王「な、勇者じゃと…!?」

魔王「はい」

大臣「…陛下!そのような者の戯れ言など信用なりません、お早く!」

東国王「待て。…お主が本物の勇者ならば、身体の何処かに勇者の紋章が刻まれている筈じゃ。それを見せなさい」

魔王 (紋章?……これか)

魔王「はい、ここにございます」

近衛兵A「!左手の甲に龍と剣の紋章!?」

近衛兵B「では、貴方は…」

大臣「本物の…勇者…」

東国王「うむ。兵よ、武器を降ろせ」

近衛兵達「はっ!」ザザッ

東国王「…勇者よ、先の無礼、すまなかった」

魔王「いえ、とんでもございません。寧ろ、このような無作法な参上をしてしまった私をお許し下さい」

東国王「良い。…ところで、お主がここに現れたということは…」

魔王「はい、女神様の御神託を賜り、魔王討伐の命を承りました」

東国王「なんと、やはりそうであったか…。そうか、遂に…遂に魔王が討ち滅ぼされる時が来たのだな」

魔王「………」

東国王「そうと決まれば何か支援をせねばなるまいな。大臣よ、勇者殿の為にこの国で最高の武具と薬を用意させよ」

大臣「畏まりました」

東国王「そして勇者殿、この先の旅は長いものとなるだろう。まだ未完成ではあるが、世界地図を用意させよう」

魔王「はっ、ありがとうございます」

東国王「旅の仲間は城下にある酒場で募ると良い」

魔王「はっ」

東国王「この先の旅路だが、まずはこの国の北西に位置する海洋国へ向かえ」

東国王「そこから更に海を渡って西へ西へ向かうと中央国がある。旅の拠点には最適な場所であろう」

東国王「それから、明 日には勇者殿に渡す物資が揃っていることだろう。明 日のこの時間、またここへ来ると良い」

魔王「ありがとうございます」

東国王「うむ、では下がって良いぞ」

魔王「はっ、失礼致します!」

貿易商人「…あの~…」

東国王「…おっと、すまなかった。貿易の話だったな。許可しよう。お主も下がって良いぞ」

貿易商人「ふへ?……あ、ありがとうございます」

貿易商人 (まだ何も話してないけど……いいのかな…?)

_____________
__________
______

ーーー東王国城下ーーー

ガヤガヤ…ガヤガヤ…

魔王「ふぅ~、久々に誰かの下に立つと肩が凝って敵わん」コキコキッ

魔王 (しかしあの国王、やけに手際が良かったな。この瞬間に備えて練習でもしていたのだろうか?)フッ

魔王 (まぁ、どうでも良いことだな)

魔王「…ぬ、ここか、酒場というのは」

魔王 (旅の供なんぞ本来は不要なのだがな……まぁ、それもまた一興か)

魔王「失礼する」ガチャッ

店主「あ、いらっしゃい。アンタも勇者様の仲間になりたいクチかい?」

魔王「何…?どういうことだ?」

店主「あら、アンタあの声が聞こえなかったの?」

魔王「声?」

店主「いやね、さっき手前の広場でお役人さんが声を張り上げててさ」

店主「何でも勇者様が仲間を選びにここらの酒場へやって来るらしいんだ」

魔王「そ…そうか」

魔王 (どうりで人が騒がしいと思えば…)

魔王「…あー、いや、仲間になりに来たわけではない」

店主「?じゃあこんな昼から呑みにでも来たのかい?」

魔王「いや…実は我が勇者だったりするのだが」

店主「あら…!アンタがそうなのかい!?」

ザワッ

<おい、今の聞いたか!?
あいつが件の勇者…?>
<何か、イメージと違うね…
オッサンじゃねーか>

魔王「……余り歓迎されていないようだが」

店主「あぁ、すまないね。アタシらてっきり若い人が勇者になるもんだとばっかり思っててさ」

魔王「普通はそうなのか?」

店主「あぁ、お話の中では20にも満たない美男美女ばかりが勇者になってたらしいんだけどね…」

店主「見たところ、アンタは40は越えてそうだし、…結構イケメンで立派な髭のダンディな殿方だけど…喋り方と言い、勇者というより魔王なイメージ?」

魔王「うっ……うむ、そうなのか」ギクッ

魔王 (…確かに、先代の魔王達と闘った勇者は皆若かったな)

魔王「まぁ、紋章がここにあるからして、我が勇者で間違いは無いがな」スッ

店主「…うん、確かに勇者の紋章だ。疑ってすまなかったね」

魔王「いや、気にしていない」

店主「折角だからついでにさ、それ、皆にも見せてやりなよ」

魔王「この紋章をか?ふむ…こうか?」クルッ

\おぉ…!/

店主「もっと高く」

魔王「こうか?」

\おおぉ!!/

魔王「…………」

魔王「皆の者、我は勇者だ!」ドヤッ

\おおおぉぉぉぉぉ!!!/
\勇者様ー!/\ステキー!!/\ヒュ-ヒュ-!/

魔王「……………………フッ」ニヤ

店主「…それじゃあ、気を取り直していくよ…」コホン…

店主「ようこそ、勇者様!ここは人々が旅を求めて集う冒険の酒場!三人までなら雇用できるよ!さあ、どんな人をお望みですか?」

魔王「仲間か…うーむ、そうだな…」チラッ

青年剣士「勇者様!俺を選んで下さい!」

少女戦士「私、回復魔法も使えますよ!」

男僧侶「即死魔法ならお任せ下さい!」

魔王「……」チラッ

女武闘家「アタシならモンスターなんてちょちょいのちょいです!」

女神「あ、足手まといにはなりませんよ!」

男賢者「ふぅ…」

魔王「…ふーむ……………ん?」

女神「…?」

魔王「」

魔王「ちょ、お前!!何でここに!?」

女神「ひぇ!?」ビクッ

魔王「ちょっとこっち来い!」

女神「えっえっあ、ちょっと!襟引っ張らないで下さいよぉ~!」ズルズルズル…






少女戦士「……あの二人、知り合いなのかな?」

青年剣士「…さあ?」

_____________
__________
______

ーーー酒場の裏路地ーーー

女神「の…喉が潰れそう…」ゲホゲホ

魔王「説明して貰おうか。何で女神様がこんな酒場にいるんだ?」

女神「何でって、見張りですよ!」

女神「良く良く考えてみたら、魔王に人間界をほっつき歩かせるなんて危険極まりないではありませんか!」

魔王「気付くのが遅い」

女神「だから私も旅に同行させて頂きます!」

魔王「……」ゲンナリ

女神「なっ!その反応はなんですか!?イヤと仰っても付いて行きますからね!」

魔王「…まぁ、仕方あるまい。女神様自ら善行の旅とは殊勝なことだな」

女神「嫌味ですか?」ジト-

魔王「とんでもない」

女神「…まぁ、何はともあれ、これから宜しくお願いしますね、魔王さん!」ニコッ

魔王 (面倒見切れるだろうか…)

_____________
__________
______

ーーー東王国城下街の酒場ーーー

店主「…お、帰ってきた」

魔王「すまなかったな、突然出て行って」

店主「いんや、構わないさ。…それで、その子は仲間にするのかい?」

魔王「あぁ。契約書とかがあれば頼む」

ザワ…ザワ…

ザワ…ザワ…

魔王「おぉ、いきなり騒がしくなったな」

店主「まあ、三つしかない枠が一つ埋まっちまったからね。嫉妬してんのさ」

女神「視線が痛いです…」

店主「羨ましいのさ。誇っていいんだよアンタは」

女神 (うーん…何か、複雑……)

魔王「署名したぞ。…さて…次の仲間は…」チラッ

<お、俺を!
いえ私を!>
<フガフガ…
右隣の方を!>

魔王「うーむ…」

魔王「……では、そこの君」

青年剣士「そこって……俺すか!?」

魔王「それからその手前の君」

少女戦士「も、もしかして私!?」

魔王「うむ、そうだ。二人共、これから宜しく頼むぞ」

青年剣士「は……はい!何処までもお供致します!」

少女戦士「宜しくお願いします!」

青年剣士 (やったな!まさか本当に勇者様と冒険できるなんて!)ボソボソ

少女戦士 (うん!しかも二人一緒に!)ボソボソ

店主「…決まりだね。さぁ!勇者様が三人お選びになったよ!ほら、散った散った!」

<クッソ~…
あんな奴より俺の方が…>
<まぁ、期待はしてなかったわよ…

女神「…皆さん随分と潔く帰っていきましたね」

店主「巷では"勇者の仲間になる確率はギャンブルで五億ゴールドを稼ぐ確率に等しい"だなんて囁かれてたからねぇ。皆ダメ元だったんだろうさ」

魔王 (流石に盛り過ぎだと思うが…)

少女戦士「ご、五億…あわわわ…」

魔王「…大丈夫か?」

少女戦士「すいません…足が震えてしまって…」ガタガタ

青年剣士「俺も…」ガクガク

魔王「…何処か、腰を落ち着かせられるところを探そうか」

女神「すぐそこに甘味処がありますよ?」

魔王「………」

魔王「…食べたいのか?」

女神「はぃ///」

魔王「正直だな」

魔王「…まぁ、ならばそこへ行こうか。店主よ、世話になったな」

店主「いやいや、アタシこそ貴重な経験ができたよ。夜は専ら酒を振舞ってるから気が向いたら来な」

魔王「ああ。…では、行こうか」

青年剣士「よし、肩を貸すから一緒に歩こう」カクカク

少女戦士「う、うん…」カタカタ

女神 (生まれたての子鹿みたい…)

ここから4人の自己紹介タイムに入ります

_____________
__________
______

ーーー東国城下街の甘味処ーーー

少女戦士「ここのケーキおいしいですね!///」モグモグ

女神「えぇ、本当ですねぇ…///」ウットリ

青年剣士 (凄く幸せそうだ…)

魔王 (……おい、女神よ)ボソッ

女神「?どうかしましたか?」モグモグ

魔王 (これから我はどうしたら良いのだ?)ボソボソ

女神「」ゴックン

女神 (というと?)ボソボソ

魔王 (パーティというものは何分初めてで、右も左も分からんのでな。いまいち勝手が掴めんのだ)ボソボソ

女神 (そうですねぇ。う~ん……まあ、取り敢えず自己紹介ですかね?)ボソボソ

魔王 (適当だな…)

魔王「……あー…取り敢えず、ここらで自己紹介でもしようか」

少女戦士「あ、そうですよね、ごめんなさい!スイーツが美味しくて頭から抜けてました!」

魔王 (さっきまでの緊張は何処へやら…)

魔王「…まあ、まずは我から名乗ろうか」

魔王「我は勇者だ。勇者の名を授かったのはつい先程な故、その力がどのようなものかはまだ我にもわからぬ」

魔王「魔法は攻撃系のものに限るが大体修得している。武器は選ばずに使いこなせる自信があるが、まあ基本は剣だな」

少女戦士「武器も魔法も何でもいけちゃうなんて…流石勇者様!カッコイイです!」キャ-

魔王「ふはは、褒めても何も出んよ。…して、次に名乗るのは誰だ?」

青年剣士「あ…じゃあ次は俺が!」

青年剣士「俺のことは魔法剣士って呼んで下ふぃあ……さい」カチコチ

少女戦士「あははっ魔法剣士ったら緊張し過ぎ~!」ケタケタ

青年剣士「うっさい!」

魔王「そんなに気を張らなくとも良い」

女神「そうですよ、リラックスリラックス、です」

少年剣士→魔法剣士「は、はい…」

魔法剣士「ええっと、俺は、幼少期の頃から国属の剣士だった父から剣術を、魔導の研究をしていた母から魔法を教わって育ちました」

魔法剣士「特に剣術には自信があります。魔法は、攻撃系のものは基礎的なものなら扱えます」

魔法剣士「回復系は使えませんが、補助系は得意分野です」

女神「教育熱心なご両親なのですね~」

魔法剣士「厳しいなんてものじゃなかったですけどね…」ハハ…

魔王「補助系の魔法が得意とは珍しいな。我とはまた違った役回りになりそうだ」

魔法剣士「はい。お役に立てるように精一杯頑張ります」

少女戦士「………終わった?」

魔法剣士「終わったよ」

少女戦士「はーい!次は私の番ですね!私は僧戦士といいますっ!13歳です!何卒どうぞ宜しくお願いしますっ!」

魔王「おぉ、元気だな。こちらこそ宜しく頼む。…確か、僧戦士は回復魔法も使えるのだったか?」

少女戦士→僧戦士「はい!元々はこの街の教会で僧侶として修業してました」

僧戦士「でも神父様に『僧侶よりも戦士の才能がある』と言われたのでついこの前転職したんです」

女神「戦士なのですか?剣士や武闘家ではなくて?」

僧戦士「はい。『あの女神像を軽々と持ち上げられるお前は間違いなく戦士の才能がある』と」

魔法剣士「…5mを越える石膏の女神像です」

女神「まぁ…!」

魔王「……それは…確かに凄いな…」

僧戦士「えへへ…///」

魔王 (まぁ、我ならば…いけなくもないか?)

女神「…じゃあ、最後は私ですね。私の名前は女神といいます。以後、お見知り置きを」

女神「私は回復魔法しか使えないのですが、逆にそれに於いては誰にも負けないと自負しております」

女神「皆さんのお役に立てるように、一生懸命頑張らせて頂きますね」ニコッ

僧戦士 (…ねぇねぇ、女神さんって凄く綺麗な人だよね…。名前も何だか神々しいし…)ボソッ

魔法剣士 (確かに。しかも勇者様と知り合いみたいだし…ミステリアスな雰囲気の人だよな…)ボソボソ

女神 (き…綺麗な上にミステリアスだなんて…///)

魔王「お前さん達、この女の外面に騙されてはいかんぞ。コイツはこう見えても泣き虫で弱虫でイジケ虫な俗物だからな」

女神「ちょ…!?」

僧戦士「えっ、そうなんですか?」

魔法剣士「意外です…」

女神「ちょっと!余計なこと言わないで下さいよ!」

魔王「フーハハハ。どうせ褒められて調子に乗っていたのだろう?」

女神「なっ!…そ、そんなことありませんよ!?」ギクッ

魔王「……」ニヤニヤ

女神「そ、そ、そんな顔しても違うものは違うんですからね!」

魔王「……」ニヤニヤニヤニヤ

女神「ち、違っ……違うんですってばぁ…」ウルウル

僧戦士 (かわいい…)

魔法剣士 (かわいい…)

風呂とかご飯があるので小一時間ほど席を空けます

再開します

4人はこの後、話が盛り上がって長いこと喋ってます

_____________
__________
______

ーーー数時間後ーーー

カランカラン♪
<ありがとうございました~

魔法剣士「すっかり話込んでしまいましたね」

女神「ええ。いつの間にか宵の口ですね…」

僧戦士「ん~…私、何だか眠たくなってきました…」ウトウト

魔法剣士「はははっ、あれだけはしゃげば誰だって疲れるよ」

女神「食べっぷりも豪快でしたものね~」

魔王「…全くだ」ゲッソリ

魔王 (東王国から前資金が出ていなかったら本気で危なかったぞ…)

魔王「…さて、もうそろそろ頃合いであろう。旅の支度もせねばならぬであろうし、今日はこれで解散としよう」

魔王「女神よ、今日はひとまず宿を取ろうと思うのだが、良いか?」

女神「ええ、構いませんよ」

魔王「うむ、そうか。…そういう訳で、我らはこのまま宿に向かう。お前さん達も家に帰って出発に備えると良い」

魔法剣士「あっ……いえ!俺らも一緒に泊まります!宿まで案内しますよ」コッチデス

女神「え…しかし、良いのですか?これからは長い旅になりますし、ご両親に挨拶の一つでもして差し上げた方が…」

魔法剣士「いえ……実は俺ら、勇者様のお供にならなくても旅に出るつもりだったんで、もう朝には別れを済ませてるんです。な、僧戦士?」

僧戦士「…んぅ…………うん…」

女神「あら、そうなのですか…?」

魔法剣士「はい。…あと…それに、その…ええと……何というか…その…」

女神「…あ、なるほど、思春期というやつですね」

魔法剣士「そ、そんなんじゃないですよ!あ、ほら、着きましたよ!ここです!」

魔王 (………?)

魔王「うむ。案内感謝する」ガチャ

店番「…あら、いらっしゃいませ」

魔王「二人部屋を二つ頼む」

店番「畏まりました」

女神「勇者様、出発はいつになさりますか?」

魔王「ぬ、そうだな……各々の準備が整い次第ここを発とうと思うのだが、皆はそれで良いか?」

魔法剣士「了解です」

女神「構いませんよ」

僧戦士「………ぅぇ……?」ウツラウツラ

魔王「…まぁ、概ね大丈夫だろう。ならば各自準備ができたら我に申せ。…金はこれで足りるか?」

店番「…はい、ありがとうございます。あちらの奥にある二部屋をご利用下さい」

魔王「ああ」

魔王「…さて、他に用が無ければ取り敢えず部屋に__」


______ドガアァァァァァン‼︎‼︎__



僧戦士「っ、ふぁ!?」ビクッ

店番「きゃあ!」グラグラ…

女神「ッ…この衝撃は……!?」グラグラ…

魔法剣士「これは……外からですね…かなり近いです」

僧戦士「えっ何?敵!?」キョロキョロ

魔王「分からん。だが休むのはもう少し先になりそうだな」

魔王「そこの店番よ」

店番「え……わ、私ですか?」

魔王「うむ。すまぬがなるべく人を表に出さぬように呼びかけてくれ。頼めるか?」

店番「えっ、あ……あ、はい!」

魔王「良い返事だ。我々も急ぐぞ、行こう」

魔法剣士「はい!」

続く

続きはまた明日投下します

投下再開します

_____________
__________
______

ーーー城下街の広場ーーー

__ドガァァァァァン‼︎‼︎‼︎

\キャァアアァァ!!/
\誰かぁ!助けてぇ!/
\うえぇぇん!!お母さーん!!/

飛竜「グオォォアアアァ‼︎‼︎」

魔法剣士「ド……ドラゴン…ッ!」

魔王「あれは飛竜か」

女神「ご存知なんですか?」

魔王「ああ、竜族では比較的メジャーな方だな。鱗や甲殻は堅いが知能はそれ程高くない」

僧戦士「へぇ、詳しいんですね~」

魔王「う、うむ、まあな」ギクッ

魔王「嗜みのようなものだ。知識は備えていると役に立つからな」

魔王「…そんなことより、この状況をどうにかせねばなるまいな」

魔王「今は兎に角、奴の足止めをするべきだろう」

魔法剣士「け、怪我人はどうしますか?」

魔王「各々の判断に任せる」

魔王「今は一秒でも時間が惜しい。焦らず、できることからやるんだ。いいな?」

僧・剣「はい!」

魔王「聞いていたか女神よ。お前さんも早く__」

<皆さん大丈夫ですか!?今回復しますね!

あ、ありがとうございます…>

<勇者様が来て下さいましたので、きっともう安心ですよ。他の方にも伝えてあげて下さいね(ニコッ

おお、そうか…ありがてぇ…>

魔王「…ふ、こんなときだけ良く動く」

_____________
__________
______


飛竜「グゴアァァアア!!」ドゴオォォン

街人「きゃあ!」ドテッ

街人「…………ッ!」

飛竜「グルルル……!」ズシン、ズシン

街人「や……やだ………来ないで……!」ブルブル

__ボオッ

飛竜「!」ボゴォン

街人「え…?」

魔法剣士「……こっちだ、化け物ッ」ジャキッ

飛竜「グオォォ!!」バサッ

<ウオォォォ!

グオアァァ!>

__ドガァン!ドガアァァン!

街人「あ…助かった、の…?」

僧戦士「大丈夫ですか!?」タッタッタ

僧戦士「立てますか?ケガとかありますか?私回復できますよ!」

街人「あ、いえ…特に怪我などは…って、僧戦士ちゃんじゃない」

僧戦士「へ?あ、街人さん!ご無沙汰です!」

街人「挨拶なんていいから、貴方も早く逃げないと危ないわ!ほら、一緒に逃げましょう!」

僧戦士「ふふ、心配ご無用ですっ!私こう見えても頑丈なんです!」

街人「そういう問題じゃ__」

僧戦士「それに、今の私は勇者パーティの一員ですからー!それじゃー!」タッタッタ…

街人「あ、あ、ちょっと!」

街人「……行っちゃった……余り無茶しなければ良いのだけれど…」

_____________
__________
______


飛竜「ガァァ!」ゴウッ

魔法剣士 (火炎球!?くっ、避けれるか!?)

__ズガアァァァン‼︎

魔法剣士「ッッ!?」ドサァ

魔法剣士「ケホッ…ぐ……当たってしまった…」ヨロ…

魔法剣士 (くっ…初戦闘が竜族だなんて聞いてないぞ…!?普通はスライムとかで戦闘慣れするもんなんじゃないのか!?)

女神「魔法剣士さんっ!」トテトテ

魔法剣士「女神さん…!」

女神「大丈夫ですか?すぐ回復しますね」ピカアァ…

魔法剣士「はい、ありがとうござ…め、女神さんッ!後ろ!後ろ!!」

女神「へ?」

飛竜「グアァァッ!」ビュオオオォォウ

女神「きゃあっ!?こ、こっちに来ますよ!?」ギュウゥ

魔法剣士「………」

魔法剣士 (駄目だ…防げない…!せめて女神さんだけでも……!)

__…ッタッタッタッタ

僧戦士「どっ__」スタッ

魔法剣士・女神「…!」

僧戦士「せえぇぇぇい!!」ドゴオォ

飛竜「!?」ズシャア

僧戦士「ハァ、ハァ、二人共、無事?ゼェ、ハァ」

女神「も、もう駄目かと…」ガクブル

僧戦士「ハァ、そっか、間に合って、良かった…」

魔法剣士「今のは本当に助かった。ありがとう僧戦士」

僧戦士「……へへ…//」テレッ

魔法剣士「……で、そのデカい戦斧はどこから持ってきたんだ?」

僧戦士「武器屋に置いてあったのを借りました!」ドヤッ

魔法剣士「…………後でちゃんと買えよ?」

僧戦士「わかってるよ~」









魔法剣士 (……………それにしても…女神さんの胸、柔らかかったな…)

__ズシン、ズシン

僧・剣・女「!」

飛竜「グルルルル……!」

僧戦士「……っ、まだピンピンしてるね。結構渾身の一撃だったんだけど」

魔法剣士「厳しいな…。でも勇者様なら或いは………」

魔法剣士「……………あれ、勇者様は?」

女神「……そういえば見ないですね。一体どこに__」

魔王「ここだ」ヌッ

女神「きゃああぁぁぁ!!」ギュウゥ

魔法剣士 (あ、柔らかい)

女神「い、いつ私の後ろに…?」

魔王「いや今来たところなのだが…」

魔王「そんなことはどうでも良い。それより少し困ったことになった」

<グルルルル……
<何だトカゲ野郎!私を食べても美味しくないぞ!

魔法剣士「困ったこと…と言いますと?」

魔王「うむ、先程から魔法を唱えても一向に発動しないのだ」

魔法剣士「えぇ!?大変じゃないですか!」

女神 (…………あ)

魔法剣士「ここ最近で何か思い当たる節はありますか?」

魔王「……いや、特にないな」

女神「…………」ダラダラ

<ガウ!
<え、ちょっ…いやいや、ホントに美味しくないよ!?

女神「あの、まお…勇者様、ちょっと来て頂けますか?」

魔王「ぬ?何だ?」

女神「ちょっと、こちらの方に……」グイグイ

魔王「おおぅ、いきなり引っ張るでない」

魔法剣士「あ、二人共どこへ………」

魔法剣士「…行ってしまった……」

魔法剣士「女神さん、何かご存知の様子だったけど…」

<わぁー!!魔法剣士ぃー!!

魔法剣士「…え!?僧戦士!?」

僧戦士「助けてーー!!;;」ポカポカ、ポカポカ

飛竜「………」ジュルリ…

魔法剣士「」

魔法剣士「………このトカゲ野郎ゥ!僧戦士から脚をどけろぉ!」ダダダダ

_____________
__________
______

ーーー裏路地ーーー

女神「……ここなら大丈夫ですね」

魔王「何なんだ一体。お前は何を知っている」

女神「あの、ですね………非常に申し上げ難いのですが…」

女神「魔王さんの一部の魔法を封印させて頂いたことを、言い忘れていました…」

魔王「」

女神「具体的には、暗黒魔法と即死魔法、そして攻撃魔法の三種類です」

魔王「我は暗黒魔法と攻撃魔法しか習得しておらんのだが……」

女神「はい…つまり、実質的に魔法が使えない……ということになりますねぇ…」ア、アハハ…

魔王「早くその封印を解かぬか」

女神「……………」

魔王「……まさかできないとか言うのではあるまいな?」

女神「…………えっと、まだ、教わっていなくて……です…ね…」ダラダラ

魔王「………」(^^)

女神「ひぃ!」ガタガタブルブル

魔王「もう良い……こうなったら腕っ節一本で戦ってやろう」

魔王 (魔界から離れていてただでさえ力が入らないというのに…)イライラ

魔王「おい女神よ」

女神「はいっ」ビクッ

魔王「戦闘では役に立てよ?」

女神「は、はいっっ!」ビクビク

魔王「………はぁ…」

_____________
__________
______

ーーー城下街の広場ーーー

僧戦士「やあぁぁ!」ブオン

飛竜「…!」ガキンッ

僧戦士 (くっ…やっぱり弾かれちゃう…)スタッ

飛竜「ゴアァァアア!!」ゴウッ

僧戦士「ッ!」

僧戦士 (さっき魔法剣士にやった火炎ブレス…!)

__ドガァァァン‼︎‼︎

僧戦士「うくっ!」ドサッゴロゴロゴロ

僧戦士「ハァ、ハァ…あ、ぶなかった……」ゾクッ

魔法剣士「僧戦士!大丈夫か!?」タッタッタッ

僧戦士「ハァ…ハァ…っハァ…」

僧戦士「まだまだ、余裕だよ…!」

魔法剣士「分かりやすい嘘を…」

僧戦士「よ、余裕だもん!まだいけるよ!」

魔法剣士「そもそもチビっこいのにそんなものを振り回して戦うことが無茶なんだ。一旦引いて呼吸を整えた方が良い」

僧戦士「で、でも__」

僧戦士「……?」

魔法剣士「……僧戦士?どうした?」

僧戦士「何か…飛竜の様子が変だよ」

魔法剣士「え?」クルッ

飛竜「……」ジィ--

魔法剣士 (何だ…?どこかを見ている?一体何を__!?)

少年「………っ…」ガタガタ

魔法剣士 (あんなところに、まだ逃げてない人がいたのか…!)

飛竜「グオアァァァ!!」バサッ

魔法剣士 (まずい、早く注意をこちらに__)

僧戦士「ッ!」タッタッタッ

魔法剣士「!おい、僧戦士!?」

魔法剣士 (子供の方に走っていって何を……)

魔法剣士 (…まさか、庇う気か!?)

魔法剣士「僧戦士、待__」

飛竜「ガアァァァ!!」ゴウッ

少年「ぁ……!」

僧戦士「……ッ」ズザザ

少年「…え?」

僧戦士「間に、あった……!」

__ズガアァァァァン‼︎‼︎‼︎

魔法剣士「僧戦士ぃぃッ!!!」

続く

また明日投下します

投下再開します

ソーセージは誰か言うと思ってたw

僧戦士「……………っ……」

僧戦士 (あれ…私、どうなって……)

魔王「…どうやら、間に合ったようだな」シュウウゥゥ…

僧戦士「…!勇者様!!」

魔王「待たせてすまない。良くぞここまで耐えてくれた」

僧戦士「……もぅ、本当に遅すぎますっ!」

魔法剣士「僧戦士ー!」タッタッタッ

魔法剣士「僧戦士、大丈夫か!?」

僧戦士「うん、へーきだよ」

魔法剣士「勇者様もご無事ですか!?」

魔王「問題無い。この大盾は中々に頑丈だ」

魔法剣士「そうですか、良かった……」ホッ…

魔法剣士「でもそれ、ちゃんと買って下さいね?」ジト…

魔王「お………おう」

魔王 (まだ何も言ってなかったのだが……)

飛竜「ゴアァァアア!!」

魔法剣士「…ッ、落ち落ち気を抜いてもいられないか…!」ジャキッ

魔王「目眩しだ、魔法剣士」

魔法剣士「!閃光魔法ですか?」

魔王「うむ。時間稼ぎになる筈だ。できるか?」

魔法剣士 (光属性と炎属性の複合補助魔法…そんな高度な魔法、まだ使えないけど…)

魔法剣士 (そんなこと、言ってられないよな…!)

魔法剣士「はい!やってみます!」ダッ

タッタッタッ__ザザッ

魔法剣士「………」バッ

飛竜「?」ジロリ…

魔法剣士「閃光魔法ッ!」

__カッ_ピキイィィィン___

飛竜「ギャオォゥ!?」

魔法剣士「!!できた!」

魔王「ほう、上出来だな」

魔法剣士「へ?あ、いえ、あの…ありがとうございます///」テレッ

_____________
__________
______


ーーーその頃、僧戦士ーーー

少年「僧戦士お姉ちゃん……」

僧戦士「少年君、怪我は無い?」

少年「うん…」

僧戦士「ここは危険だよ。さ、早く逃げて」

少年「でも…お母さんが見つからなくて……」

僧戦士「大丈夫、みんな先に避難してる筈だよ!だからきっとすぐ会えるよ」ナデナデ

少年「……そうかな」

僧戦士「そうだよ。それに、少年君が怪我をしたら待っているお母さんが悲しんじゃうよ。だから、ね?」

少年「……うん、そっか、そうだよね!ありがとうお姉ちゃん!」

僧戦士「お礼はいいから、早く急いで!」

少年「うん!」ダッ

僧戦士「上手く逃げるんだよ~!」フリフリ

_____________
__________
______


ーーーその頃、女神ーーー

女神「はぁ、ふぅ……はぁ、はぁ……」トテトテ

女神「魔王さん……はぁ、はぁ……速過ぎぃ……」トテトテ

_____________
__________
______

魔王「僧戦士よ、子供は無事逃がせたか?」

僧戦士「はい!バッチリですっ!」

魔王「うむ、そうか」


<まお…勇者様~~!!

魔王「やっと来たか、女神。遅いぞ。もっと早く走れ」

女神「す、すみませ…げほげほ……っはぁ、はぁ」orz

魔法剣士「だ、大丈夫ですか?」サスリサスリ

女神「あ……ありがと……ございま……」ゼェ、ゼェ

魔王「…さて、これで漸く四人揃ったな。飛竜の拘束がもうすぐ解ける。手短に作戦を説明するぞ」

魔王「我が出来得る限り壁となる。僧戦士は隙を窺って飛竜に攻撃しつつ回復してくれ。

魔王「だが奴に対しての物理攻撃は陽動にしかならん。無茶はするなよ?」

僧戦士「はい!」

魔王「女神は我の後ろに隠れながら回復を頼む」

女神「……………」ゼェ、ゼェ、ゼェ

魔王「返事!!」

女神「ひゃ!?あ、ひゃい!!」ビクッ

魔王「全く…。さて、魔法剣士だが、お前が一番の鍵となる」

魔法剣士「お、俺がですか?」

魔王「あぁ。飛竜は打撃は殆ど通らないが、氷魔法がよく効くのだ。今、それができるのはお前さんしかおらぬ」

魔法剣士「なるほど…」

魔王「それから、お前さんには定期的に守備強化魔法を唱えて貰う。奴の攻撃は重いからな。下手すれば一撃で持っていかれるぞ」

魔法剣士「わ…分かりました」ゾクッ

魔王「それから三人とも、危険を感じたら迷わず我の後ろに隠れろ。命は保証してやる。良いな?」

魔法剣士・僧戦士「はい!」

女神「は……はい!」

飛竜「グォアアァァァ!!」

魔王「絶妙なタイミングだな…!皆、来るぞ!敵の攻撃に備えよ!!」ガチャ

飛竜「ゴアアァァァ!!」ビュオオオ

女神「ッ!き、来ますよ!?魔王さん!こっちに来ます!!」ギュウウゥッ

魔王「見れば分かる!」

ドガァァッ

魔王「ッぬぅぅ……ッ!!」ガキィィィン

魔王「二人共、今だ!」

僧戦士・魔法剣士「はい!」ダダッ

飛竜「ガァ!!ガアァ!!」ゴゥッゴウッ

魔王 (火炎ブレスか…)

魔王「フンッ!」バゴン、バゴン

魔王 (ここらで一つ、試してみようか…)

魔王《どうした、飛竜の子よ。貴様の力はその程度か》

飛竜「!?」

魔王《そんなものでこの我を斃せると思うなよ、この虫ケラ風情が》

飛竜「グギャオォオオォ!!!」

魔王 (よし、挑発に乗ったな)

僧戦士「おりゃあぁぁ!」ブンッ

飛竜「_!ガォゥ!」スッ

僧戦士 (外した…!でも…!)

魔法剣士「本命はこっちだ!氷結魔法!」バシュシュシュシュッ

飛竜「ガアァァ!?」バキバキィン

女神「!攻撃が通った!」ギュッ

魔王「うむ。それにあの二人、中々良い連携を取る」

飛竜「グオォォ!」ブォン

魔法剣士「うわッ!」ビュンッ

魔法剣士 (あ、頭を掠めた…危ねえ……!)

僧戦士「このお!魔法剣士から離れろ!」ブン、ブン

飛竜「!」バサッ

飛竜「………」スゥゥゥッ…

僧戦士 (!火が来る!)ガバッ

魔法剣士「な…!?お前、また庇って……!」

魔王 (…今だな)

魔王《何をしている。こっちだ、"トカゲ"》

飛竜「ア゛ァァン!?」クルッ

魔王《来ないのか?臆病者の"トカゲ"が》

飛竜「ぶっ殺してやらぁぁぁ!!」ビュオオォォ

女神「いやあぁぁぁこっちに来たあぁぁぁ!!!」ギュゥゥゥ--ッ

魔王「ええい、うるさいぞ女神!!気が散るから少し黙っていてくれ!!」ガキィン、キィン、ガキィィン

女神「うえぇぇん……!」

魔王 (…ふ、それにしてもいいパンチを持っているじゃないか!少しは見直したぞ!)ガキン、キィン

僧戦士「………い、今、勇者様が何かしたのかな?」

魔法剣士「分からない…けど、何にせよ助かったみたいだ。俺らも加勢しよう!」

僧戦士「う、うん!」

魔法剣士 (……念の為、僧戦士に守備強化魔法をかけておこう)

寝落ちしそうなので一旦止めます

今日か明日にまた投下します

投下再開します

女神を無能にさせ過ぎたかな…

タッタッタッザザッ

魔法剣士「当たれ!氷結魔法!」バシュシュシュッ

飛竜「ゴアァ!?」バキィン

魔法剣士「よし!」

飛竜「ガアァァ!」ブンブンッ

僧戦士 (!怯んでる…!今なら!)ダッダッダ

魔法剣士「!?僧戦士、何を__」

僧戦士「でやあぁぁぁぁ!!」ブオォン

飛竜「グォアァァ!!」ドガァアア

女神「!凍った部分を攻撃した!」

魔法剣士「氷を押し込んで無理矢理ダメージを通したのか、やるな…!」

まだ始まったばかりだ

RPGッてのは、キャラクターが成長していく物語なんだろう?

ガンガンいこうぜ!

魔王「…………いや、まずいぞ…」ギリッ

女神「えっ?」

飛竜「……」ギロッ

僧戦士「…!?」ゾクッ

僧戦士 (嘘……何で、動け__)


ドガアァァァァン‼︎‼︎‼︎

女神「……ッッ!!!」ブルッ

魔法剣士「な……嘘…だろ……?」ワナワナ…

魔王 (攻撃を誘ってのクロスカウンター……ただの飛竜がここまで頭を回すか…!)ギリッ

魔法剣士「僧戦士……!僧戦士ぃぃぃぃッ!!!」

>>176

その言葉は>>1に大きな勇気を与えたのであった

僧戦士「………あ……ぅ…ぐ………ゲホッ」

僧戦士 (今、何が………?)

僧戦士 (痛い……私、死ぬの……?)

女神「魔王さん!!このまま走って下さい!!」ギュウッ

魔王「女神…!」

女神「まだ回復が間に合います!!急いで!!!」ポロポロ

魔王「…くっ!」ダダダダ

飛竜「グォォ__」スッ…

魔王 (しかし…このままでは間に合わぬ…!)

魔法剣士 (このままでは間に合わない……それなら……!)

魔法剣士「速魔法!速魔法!速魔法!」

魔王「!でかしたぞ魔法剣士!!」ギュイィィイン↑

飛竜「__ォォアァァァ!!」ビュオッ

女神 (お願い……!間に合って……!!)








魔王「ッ!」ガキイィィィィイン

魔法剣士「よし!間に合ったッ!!」

飛竜「…!!」ギリリッ

魔王 《…………すまぬな、飛竜の子よ》

飛竜「!」

魔王《……我々の、勝ちだ》

魔法剣士「氷結魔法!」シュババババッ

飛竜「グオアァ!」バキバキィン

魔法剣士「氷結魔法!」シュババババァッ

飛竜「ガアァァ…!」バキイィィン

魔法剣士「氷結魔法ッ!」

【MPが足りない!】

魔法剣士「氷結魔法ォッ!!」

【MPが足りない!】

飛竜「ォオァァアア………!」

飛竜「………」ズシィィン…

魔法剣士「ハァっ………ハァっ………」

魔法剣士「………倒…した…?」

魔王「あぁ…そのようだ」

魔法剣士「……………は!僧戦士ッ!!」ダダダッ

魔法剣士「女神さん!僧戦士は!?」

女神「平気ですよ。今回復が終わりました」ヒザマクラ

僧戦士「……ん…………ごめんなさい…」シュン…

魔法剣士「…………いや…生きてて良かった…」ヘナヘナ

魔法剣士「……………」

魔法剣士「……………」

魔法剣士「……はははっ」

女神「魔法剣士さん?」

魔法剣士「勝ったんだ……」

魔法剣士「勝ったんだ…!俺達……!」

女神「…………」

女神「………ええ。しかも一人も欠けることなく…」ニコニコ

僧戦士「………うん!」

女神 (その後、私達は街の人達から最大限の賞賛と感謝を頂きました)

女神 (このことは国王様も大変喜んでおられ、あれよあれよという間に何だか良く分からない勲章まで戴いてしまいました)

女神 (国王様主催の宴まで開かれてしまって、私達はずっとその中心にいた気がします)

女神 (戦いの後も忙しい時間が続いて、私も皆さんもとっても疲れてしまいました)

女神 (でも、こんなにも多くの人の笑顔が見れて、私としてはとても幸せです)

女神 (…そうそう、今回の事件の被害者なのですが、負傷者は多数おられたものの、亡くなった方は一人もいなかったそうです)

女神 (それもこれも、魔王さんパーティのおかげですね~♪)

女神 (……え、私はどうだったか?………………もっと精進します………)

女神 (と、とにかくっ、私達の旅は、初日から波乱万丈に始まったのでした……)


戦闘終了。投下はもう少し続きます

白熱したバトルシーンが書きたい…………
などと考えていた>>1は手の施しようのない阿呆でした
次からは自分の力量と相談します

続き書きます

おまけ

_____________
__________
______

魔王 「…………」

飛竜「……ガルル……!」ボロ…

魔王《飛竜の子よ、聞こえるか。我は魔の者。訳あってこのような場所に潜んでいる》

飛竜「……!」

魔王《飛竜の子よ、お前は何故この街を襲った?今のお前では無謀だと、分からない筈はないだろう》

飛竜「………………」

魔王《………答える気は無いか》

魔王《……………早目にここを立ち去ると良い》ザッ、ザッ、ザッ__

飛竜《…………………父と》

魔王「!」

飛竜《………母の…そして、殺された全ての同志達の仇である》

飛竜《一匹残らず焼き殺すまで、この怒りは収まることを知らぬだろう……!》

飛竜《貴様も邪魔立てするというのなら、私の敵に他ならぬ!失せろ!》

魔王《…………考え直す気には、なれんようだな》

飛竜《ああ。例えこの身が朽ち果てようとも、貴様らを呪い続けてやろう……!》ギリリ…

魔王《……そうか。ならば、思うままに動くと良い》

魔王《だがお前はいつか気付くであろう。その屍の山を越えた先にいる者の末路を》

魔王《そしてお前は後悔し、また絶望するだろう。我には、それが分かる》

飛竜《何……?》

魔王《……お前は一生かけても償いきれぬ罪を背負うことになる》

魔王《そして、これまで他者に向けられていた憎悪は、それだけでは飽き足らなくなる》

魔王《それがお前をどこまでも追い詰める》

魔王《………お前の思うより、遥かに耐え難いものだ》

飛竜《……貴様も、同じ道を歩んだというのか?》

魔王「………………」

魔王《飛竜の子よ、今すぐここを立ち去れ。今なら追手は来まい》

飛竜「…………」

魔王《お前はまだ若い。復讐に溺れた我の二の足を踏んではならぬ》

魔王《……誰にも、お前と同じ悲しみを背負わせてはならぬ》

飛竜「……………………」

魔王《さあ、行くんだ》

飛竜「……………」

飛竜《貴殿の名をお聞かせ願いたい》

魔王《……………生憎だが、名乗れる名は持ち合わせていない》

飛竜「…………………」

飛竜《貴殿のこと、そしてこの恩、胸に刻まさせて頂く》

飛竜「……」バサッ

_____________
__________
______

僧戦士「…!見て!飛竜が……」

飛竜「…」バサッ………バサッ………

魔法剣士「帰って行く……」

女神「…………………」

女神 (魔王さん………………)

続く

レスありがとうございます
続きはまた明日投下します

投下再開します

しばらくデカい戦闘はないと思うので、
封印はそれまでに辻褄合わせて解こうと思います

今回は軽~いノリで…

_____________
__________
______

ーーー出発の日、城下街入口ーーー

魔王「皆、準備はできているな?」

女神「はい!」

魔法剣士「できてます」

僧戦士「バッチリですよ!」

魔王「うむ、そうか」

魔王「馬車の運転手も宜しいか?」

運転手「おう、いつでもいけますぜ?」

魔王「うむ。……では、出発するとしよう」

僧戦士「ちょっとちょっと!テンション低いですよ勇者様!」

魔王「は?」

僧戦士「こういうときはこうするんです!」

僧戦士「皆さん!出発しますよ~!!」

女神「おぉ~!!!」
魔法剣士「お、おぉー!……//」

魔王「……お前さん達、テンション高いな」

_____________
__________
______


ーーー3日後、草原ーーー

ガタゴトガタゴト…

女神「………」ポケ-

魔法剣士「………」ポケ-

僧戦士「………」ポケ-

魔王「…………」

魔王「…テンション低くないか?」

魔王「もう少し…………こう、何かあるだろう」

女神「……だって…草の上しか進んでないし…」

魔法剣士「モンスターは未だに出てこないし…」

僧戦士「やることないし…」

運転手「ま、ここらはモンスターも殆どいないですからね。この前のドラゴンも異例中の異例ですよ」

運転手「平和なもんですぜ、ここらは」

女神「ほら……………」

魔王「………………まあな」

_____________
__________
______


ーーー更に4日後、草原ーーー


女神「……zzz……」スゥ…スゥ…

僧戦士「ねぇねぇ魔法剣士」

魔法剣士「んー?」

僧戦士「暇だしさー、しりとりしよー」

魔法剣士「ん…いいよ」

僧戦士「いいよって……どっちさ」

魔法剣士「やるって意味だよ。じゃあ俺から行くぞー」

魔法剣士「しりとり」

僧戦士「りんご」

魔法剣士「ごりら」

僧戦士「らっぱ」

魔法剣士「ぱんつ」

ベシッ

魔法剣士「痛っ」

僧戦士「そーいう下品な言葉は使わないで」ジト…

魔法剣士「おぉ……すまん」

僧戦士「全く…続けるよ」

僧戦士「つみき」

魔法剣士「きつね」

僧戦士「ねこ」

魔法剣士「こあら」

僧戦士「らっぱ」

魔法剣士「ぱんつ」

ゲシッ


<脛はやめろよ!
魔法剣士が悪いんじゃん>
<ラッパときたら普通パンt…いや、今のはわざとじゃない
…………もういいよ。じゃあ続けるよ。つみき>
<きつね__
_________




魔王「………」

魔王「運転手よ、次の村まで後どれくらいかかりそうだ?」

運転手「んー、大体3日かそこらかね」

魔王「……………」

女神「……zzz……」スゥ…スゥ…

_____________
__________
______


ーーー更に次の日、草原ーーー

女神「……………」ゴロ-ン

僧戦士「……………」ゴロゴロ

魔法剣士「……………」ゴロ-ン

魔王「……………」ゴロロ-ン

運転手「………………………」

運転手「………お、勇者様、モンスターでs__」

僧戦士「!」ガバッ
魔法剣士「!」ガバッ
女神「!」ガバッ
魔王「!」ガバッ

運転手「がっはっはっは!じゃ、ちょっくら頼みますぜ!」

_____________
__________
______


ーーー馬車の外ーーー

スライム「!」

魔王「何だ、スライムか…。ならば軽くあしらって__」

僧戦士「きゃあぁぁかわいいぃぃぃ!!」ギュウゥッ

スライム「!?!?」

女神「……!」

魔法剣士「ちょ、僧戦士?」

僧戦士「しかもこの肌触り!この弾力!この抱き心地の良さ!」プニプニ、モチモチ

女神「…………」ソワソワ

僧戦士「ん~~たまんない!!」ムギュウゥゥウッ

スライム「~~!~~!!」

魔王「…そのスライムが気に入ったのか?」

僧戦士「うん!ビビッと来た!」

僧戦士「ねぇ、みんな………」










僧戦士「私、これ飼う!!」

_____________
__________
______

ーーー馬車の中ーーー

ガタゴト…ガタゴト…

僧戦士「…………………」ムスッ

魔法剣士「……そろそろ機嫌直せよ」

僧戦士「ヤダッ!!」



女神 (……私も抱きたかったなぁ……)ワキワキ、ワキワキ

投下終了

続きはまた明日投下します

刺身こんにゃく(スライム)で美味しくいただしました

投下再開します

スライムは結局野に返しちゃいました

>>224
やめたげてよォ!

_____________
__________
______

ーーー草原の村ーーー

女神「やっと着きましたねぇ…」

僧戦士「長~~~~~~~~い……」

魔王「ああ…今は早く宿に向かおう」

魔王 (腰が痛いなどとは死んでも言えんな…)サスリサスリ…

魔法剣士「その前に、この村の教会にお祈りしていきましょうよ」

魔王「祈りぃ…?なぜ我らがそんな事をせねばならんのだ」

僧戦士「え?…だって…ねぇ?」

魔法剣士「うん…勇者様が勇者様だからですよ」

魔王「……訳が分からぬ。我が勇者であることと教会に祈りに行くことに何の関連性があるのだ」

女神「あ、それはですね、勇者の義務だからです」

魔王「義務?」

女神「はい。勇者は様々な恩恵を受けることができる代わりに、幾つかの義務が課せられているのです」

女神「例えば、教会で祈りを送ることで女神の特別なご加護を受けることができるのですよ」エッヘン

魔王「そうか、ならばやらんで良いな」

女神「やって下さいお願いします(懇願)」

魔法剣士「勇者様、行かなきゃ駄目ですからね?」

僧戦士「そうですよー。神に背くことは人道に背くことって、神父様も仰っていましたよ?」

魔王「……そうか」

魔王 (…下らんな。神の独裁を自ら望むか)

魔王「…まあ、義務と言われればやるしかあるまい。さっさと済ませてしまおう」

僧戦士「あ、ちょっと、待って下さい勇者様~」タッタッタ…

魔法剣士 (…………)

女神「?魔法剣士さん、どうかされたのですか?」

魔法剣士「あ…いえ、何でもありません」

_____________
__________
______

ーーー草原の村の教会ーーー

魔法剣士「………」

僧戦士「………」

魔王「………」

女神「………」

女神 (自分に祈るって、何か変な気持ち…)

魔王「…………さて、そろそろ良いだろう。早く宿に__」

村長「おや、貴方がた、もしや勇者様御一行ではございませぬか?」

魔王「ん?……いかにもだが…誰だお前さんは」

村長「おお!やはりそうでございましたか!ワシはこの村の村長でございます!」

村長「勇者様、どうぞ私共にお持て成しをさせて下され!」

魔王「いや、我らは宿に__」

村長「遠慮することはございません!ささ、どうぞこちらへ…」

女神「だそうですよ勇者様。せっかくのご厚意ですし、お邪魔させて頂きましょうよ」

僧戦士「お菓子出して貰えるかなぁ」

女神「もしかすれば出して貰えるかもしれませんよ?」

僧戦士「わぁ!やった!早く行きましょう勇者様!」

魔王「う、うむ…」

魔法剣士「あんまり迷惑かけるんじゃないぞ?」

僧戦士「うるさいなぁ、わかってるよ」

魔王 (腰が………)サスリサスリ…

投下終了

書き溜めが尽きたので次からは投下頻度が落ちると思います

投下再開

_____________
__________
______

ーーー草原の村、村長宅ーーー

村長「ささ、勇者様方、こちらへどうぞお掛けになって下され」

魔王「ああ」ドッコイショ

魔王 (あ゛ぁー……)

村長「おい、村娘や!おるか!」

パタパタパタ……

村娘「おじいちゃん、どうかしたの?」

村長「勇者様が来て下さっておる」

村娘「!ゆ、勇者様が!?本当に!?」

村娘「感激です!まさか勇者様にお会いできる日が来るなんて…!」キラキラ…

村長「ほっほっほ、昔から村娘は勇者様に憧れていましてのう…」

魔王「そうなのか?」

村娘「ハイ!」

村娘「それに、この様な美男子な方であらせられるなんて……!///」

魔王「……………フッ」

魔王 (この女、中々世辞が上手いな……)ニヤ

村娘「あの、よ、宜しければ………その……あ、握手して下さいっ!!」バッ







魔法剣士「……………………え?」

魔法剣士「え、俺にですか?」

村娘「はい!勇者様!///」

魔王「……………………」


_____________
__________
______


説明中……

_____________
__________
______

村長「本当に申し訳ございませんでした……」フカブカ

村娘「すみません………」フカブカ

魔王「もう良い…我もよく間違われる故、こういうことには慣れている」

村長「ありがとうございます…」

村娘「…そ、そうだ!まだ何もお出ししていませんでしたよね!私、何か持ってきましょうか?」

村長「お…おお!そうじゃな、そうしてくれ」

村娘「では、少々お待ち下さい」ペコリ

村長「あぁ、待て…。村娘よ、一緒にあの封筒も頼む」

村娘「…!」

村娘「は…はい。すぐ持ってきます」

パタパタパタ…

女神「………」

女神「彼女は、お孫さんですか?」

村長「ええ。今年で17になります」

魔法剣士「可愛らしいお孫さんですね」

僧戦士「む…!」

僧戦士 (魔法剣士…私にはそんなこと一言も言ってくれないのに…!)モヤモヤ…

村長「ええ、優しくて思い遣りのある、自慢の孫です」

村長「……と、そんなことより、遠路はるばるこの村へようこそいらっしゃいました」

村長「城下街でのドラゴンとの戦いは話に伺っております。激戦の末、見事退けたと…」

村長「そのような勇ましいお方が中継地としてここへおいでになると知り、村一同大変心を躍らせておりました」

魔王「…………」


…パタパタパタ

村娘「お待たせ致しました」

魔法剣士「あ、どうもありがとうございます」ペコリ

僧戦士「わぁ、クッキーだ!食べても良いですか!?」

村娘「ええ、好きなだけどうぞ」

村長「今はそのような粗品しか用意できませぬが、また後 日、村総出で振る舞わせて頂きます故、どうかご勘弁下さい…。」

村娘「……」

村長「…出される料理の方も、質素なものばかりかとは思いますが…腕に、よりをかけて作らさせて頂きます」

魔王「………………」

村長「……何分貧しい村でして、交通や設備など不便な点も多々あるかとも思いますが、私共も勇者様御一行を参考にさせて頂き、日々__」

魔王「御託は良い。そろそろ本題に入らぬか」

村娘「!」ビクッ
村長「………!」

女神「……ッ、勇者様、いきなりそんな…!」

僧戦士「…………………え?どういうこと?」キョトン

魔王「こ奴らはただ挨拶をする為だけに我らを招いてはいない、ということだ」

魔王「……金まで用意しているのなら、尚更な」

女神「勇者様…!」

魔法剣士「…金って……もしかしてその封筒ですか?」

村娘「…!」ギュ…

魔王「しかも、先程から執拗に茶を濁しているところを見るに、さぞ無茶な要求を押し付けてくるつもりなのだろうな」

村娘「…お、おじいちゃん…」オロオロ…

村長「むぅ………」

女神「勇者様!わざわざ人を脅すようなことをしてどうするのですか!」

魔王「我は回りくどい輩は好かぬのだ。要望があるならそれを先に言えば良かろうに」

魔王「終いには金なんぞで釣ろうとするとはな。これだから低俗な人間は……」

村娘「……っ」ズキッ

魔法剣士「勇者様…!流石にそれは…!」ガタ

女神 (っ!私達の為に一生懸命集めてくれたお金なのに……!)ムカッ

女神「勇者様!!いい加減に__」
魔王「頼みがあると言うのなら遠慮なく話してみよ」

女神「___え?」

魔王「…だが報酬は要らぬ。余計なことはせずにとっとと要件だけを話せ」

村娘「……そ、それって…!」

魔王「…二度は言わんぞ」

村娘「…………!」パアァ

村長「あ…ありがとうございます…!何とお礼を申し上げたら良いか…!」

魔王「礼も特には要らん。……だが、そうだな…料理には期待させて貰おうか」

村娘「あ……はい!きっとお口に合うものをお作り致します!」

魔王「うむ、期待している」

魔王 (……これで良いのだろう?女神よ)ボソボソ

女神 (何も良くありませんよ…言ってる魔王さんが一番回りくどいじゃありませんか…)ボソボソ

女神 (頼みますから冗談でもこんなことしないで下さい……)ボソボソッ

魔王 (……ああ、気を付けよう)ボソ


魔王 (…冗談で言ったつもりもないがね)

おまけ


魔法剣士「…はぁ……何事もなくて良かったな、僧戦士」

僧戦士「…………んむ?」モキュモキュ

魔法剣士「…お前……話聞けよ…あとクッキー口に詰め過ぎだろ…ハムスターかよ……」

投下終了

創作って難しいんだな

次回はまた後日

投下再開

_____________
__________
______

女神「それで、私達に頼みたいことというのは?」

村長「はい……とあるモンスターの討伐をお願いして頂きたいのです」

魔法剣士「と言いますと?」

村長「ここからやや離れたところの森に棲んでいるモンスターなのですが…」

村長「実は何年も前から、その森を通りすがった者への被害が相次いでいるのです…」

魔王「…もしや、山岳方面にいる輩のことか?」

村長「…!ご存知なのですか?」

魔王「いや。……だがここからでも魔の力を強く感じていた」

村娘 (…魔の…力…)

村長「…仰る通りです。かの森のモンスターは、ここらの地域の生物と比べて明らかに異質なのです」

村長「………そうですか…やはり……それ程の力を…」

女神「国に要請はされたのですか?」

村長「勿論でございます。何度か調査・討伐隊を派遣したこともございました」

村長「ですが、何れの部隊も酷く怯えた様子で逃げ帰って来たそうで…」

村長「それなのに、森の瘴気は年々強くなる一方なのです」

村長「…最早、私共ではどうすることもできない状況なのでございます」

僧戦士「それ程の強者、ということですねっ…!」

魔法剣士「……それで、肝心のモンスターとは一体?」

村娘「……………」

村長「……いえ……モンスターは森の深層に閉じ籠って表に姿を現さない故、私共も把握はしておりませぬ…」

村長「ただ…放っておくと非常に危険な存在であることだけは、火を見るよりも明らかでございましょう」

魔王「…………」

魔王「……討伐隊からそのモンスターについての情報は得られなかったのか?」

村長「いえ…皆憔悴しきっていたらしく、詳しいことは私にも…。その姿を直接見た者もいないとのことで……」

魔王 (妙だな…それだけの魔力を垂れ流しておきながら、動かずただ何年も身を隠し続けていただけだというのか…?)

村長「今となっては、頼れる者は勇者様しかおりませぬ…どうか、何卒、お願い致します…」フカブカ

村娘「…」フカブカ

魔王「……」

魔王「……あい分かった。その討伐、我らが引き受けよう」

魔王「皆もそれで良いな?」

魔法剣士「はい」
女神「勿論です!」
僧戦士「了解ですっ!」

魔王「……ということだ」

村長「ありがとうございます…!」

魔王「…これで話はついたな。では我らはそろそろ失礼しよう」

魔王「よ…どっこいしょっと………」

魔王 (あ、しまった)

女神「あれ、勇者様?腰を痛めてらっしゃるのですか?」

魔法剣士「え?本当ですか?大丈夫ですか?」

魔王 (くそ…勘付かれたか…)

魔王「いや、大丈夫だ」

女神「遠慮しないで下さい。私、手を貸しますよ」

魔王「いや、だから大丈夫だと__」

女神「ちゃんとお身体は大切になさって下さいね…?」サスリサスリ…

魔王「年寄り扱いするでない!…おい、やめんか女神!一人でも歩けるわ!」

魔王「おい!話を聞けぇぃ!」

____________

僧戦士 (やっぱりあの二人は仲が良いな♪)ニパニパ

_____________
__________
______

おまけ1

僧戦士「ねぇねぇ、勇者様」ツンツン

魔王「ぬ?何だ?」

僧戦士「さっきちょろっと言ってましたけど、勇者様って魔力とかを察知できるんですか?」

魔王「ああ。お前さんも魔力を鍛えればできるようになるぞ」

僧戦士「ホントですか!?」

魔王「うむ。それだけではない。魔力を鍛えると視力も上がる」

僧戦士「へー!」

魔王「背も伸びる」

僧戦士「へぇー!」キラキラ

魔王「頭も良くなる」

僧戦士「へぇ~!!」キラキラ

僧戦士「じゃあ!じゃあ!勇者様!」

僧戦士「魔力を鍛えれば胸も大きくなりますか!?」

魔王「うむ、無論だ!」

僧戦士「へぇ~~!!」キラキラキラ

僧戦士「ねー魔法剣士ぃ!私魔力鍛えるー!!」タッタッタッ

女神「魔王さん!本当に信じちゃうから嘘ばっかり言わないで下さい!」

魔王「はっはっは、すまんな」

_____________
__________
______

おまけ2

魔法剣士「ところで勇者様。さっき仰っていた魔力を鍛える方法が知りたいのですが、具体的に何をすれば良いのですか?」

魔王「そうだな…毎日の運動と栄養管理が第一だな。特に青汁は欠かせない」

魔法剣士 (何か…いかにもおじさんっぽいな…)

続く

また後日投下します

女神「魔王さん、お相撲は好きですか?」

魔王「……なぜそんなことを聞く」

女神「いえ、何となくそんな気がしたので」

魔王「……………?」



投下再開

_____________
__________
______

ーーー草原の村の宿、男性陣の部屋ーーー

魔王「やれやれ、やっとまともに寛げる時間ができた」ドッコイショ

魔法剣士「お疲れ様です、勇者様」

魔王「まあ、別段疲れてはおらんがね」

魔法剣士「…でも腰__」
魔王「それ以上は言うな」

魔法剣士「す…すいません…」

魔王「…それより魔法剣士よ、村長の依頼の件だが、明 日には決行しようと思う。良いか?」

魔法剣士「あ、はい。了解です…」

魔法剣士「…………」

魔法剣士「……………」

魔法剣士「…………はぁ…」

魔王「……魔法剣士よ」

魔法剣士「……え?あ…はい、何ですか?」

魔王「何か悩みでもあるのか?」

魔法剣士「えっ?」

魔王「いや、随分と深刻そうな顔をしていたものでな」

魔法剣士「いえ、そんなことはありませんっ!」キリッ

魔王「全く隠せておらんぞ」

魔法剣士「う……」

魔法剣士「……俺って、顔に出やすいタイプですかね?」

魔王「ああ、かなりな」

魔法剣士 (マジか……気を付けないとなぁ…)

魔王「…で、何を考えていたのだ。隠さず我に話せ」

魔法剣士「……………………」

魔法剣士「……僧戦士のことで、少し…」

魔王「彼奴がどうかしたのか?」

魔法剣士「……そんなに……大したことではないのですが…」

魔法剣士「飛竜との戦いのとき、あの子が無茶ばかりしていたのを覚えていますか?」

魔王「あぁ…人を庇っていたり、無鉄砲に攻撃を仕掛けていたりしていたな」

魔法剣士「はい。……それがちょっと、心配なだけです」

魔法剣士「まるであの子が…何かに強迫されてやっているように見えて……」

魔王「強迫……?」

魔法剣士「………!あ、いや、あくまでそんな気がしただけです!俺の考え過ぎですよきっと!」

魔法剣士「ほら、それに、この先の戦闘でも同じようなことが起こるかもしれないじゃないですか」

魔法剣士「それが心配だなぁって……それだけです」

魔王「………そうか」

魔王 (嘘が下手にも程がある。本当に顔に出るのだな…)

魔王 (何か事情があると見えるが…これ以上聞くのも野暮か)

魔王「……さて、夜も更けてきた頃だ。そろそろ寝るとしよう」

魔法剣士「あ…じゃあ、明かり消しますね」

魔王「ああ、頼む」

パチンッ

魔法剣士「じゃあ、お休みなさい、勇者様………」

魔王「………うむ」

_____________
__________
______

ーーーその頃、女性陣の部屋ーーー

ガチャッ

女神「僧戦士さん、お風呂あがりましたよ~」ゴシゴシ

僧戦士「………!……」ビクッ

女神「……?」

女神 (何してるんでしょう…後ろ姿でよく分かりませんね…)

女神「……僧戦士さん?」クルッ

僧戦士「……………ぁ……っ!」ポロポロ

女神「……!!僧戦士さん!どうしたのですか!?」

僧戦士「…や……こ、れはっ……なんでもなく、て……」ポロポロ

女神「そんなはずありませんよ!何かあったのですか?」

僧戦士「違、うんです…!勝手に、溢れてきただけ、なんです……」ポロポロ

女神「勝手に溢れてきただけって……」

僧戦士「違うんです…ごめんなさい…ごめんなさい……」ポロポロ

女神 (何かのストレス……でしょうか…)

女神 (兎に角、何とかしてあげないと…)

女神 (………でも…今の私にできることなんて……)

女神「…………」

女神「僧戦士さん……」ギュッ

僧戦士「………!」

女神「大丈夫ですよ……大丈夫……」ナデナデ…

女神「私たちが、いつでもそばにいますからね…」

僧戦士「………」

女神「だから…一人で、思い詰めないで下さいね……」ナデナデ…

僧戦士「………」

僧戦士「………うん…」ギュウッ

女神 (今の私にできることなんて、これくらいしかない……)

女神 (……仮にも女神なのに……なんて役立たずなんだろう、私…)

続く

また後日投下します

_____________
__________
______

ーーー次の日、村から魔の森への道ーーー

魔王「……見えてきたな。あれが件の森だ」

魔法剣士「へぇ…一見すると普通の森ですね…」

僧戦士「でも、何が来るか分からないんですよね?」

魔王「ああ。警戒するに越したことはないな」

僧戦士「だってさ、魔法剣士。油断しちゃダメだよ?」

魔法剣士「それはこっちのセリフだ。お前こそ道に迷ったりするなよ?」

僧戦士「もー、そんなことしないよ!」

女神「………………」

魔王「…女神も、気を引き締めていけよ?」

女神「………………」

魔王「…またこいつは人の話を……」イライラ

魔法剣士「ま、まあまあ……」アセアセ

僧戦士「…………」

僧戦士 (女神さん、私なら平気ですよっ)ボソ

女神 (…僧戦士さん……でも……)ボソボソ

僧戦士 (大丈夫です!もうすっかり元気になりましたよ!ほらっ!)ボソボソ

クルックルッ

僧戦士 (ね?)ボソッ

女神「……………」

女神 (けれど…何かあったら言ってくださいね?)ボソボソボソッ

僧戦士 (分かってますよ~♪)ボソボソ


<二人共何やってるんですか~!置いていっちゃいますよ~!

僧戦士「はぁ~い!!」

僧戦士「ほら、女神さん、行きましょう!」

タッタッタッ……

女神「…………………」

女神 (……それでも…やっぱり心配ですよ……)

_____________
__________
______

おまけ

僧戦士「そう言えば、女神さんって、胸大きいですよね」

女神「へ?……あぁ~……確かに、並よりかは大きいかも知れないですね…」ポヨポヨン

僧戦士「…そっかぁ……」

僧戦士 (…それに比べて私の胸は……)ツルツルペタペタ

僧戦士「…………」ズウゥゥゥン…

女神「…あ、あれ?僧戦士さん、どうかしましたか?」

続く

次回はまた後日に

投下再開

シリアスが続きます

_____________
__________
______

ーーー森の入り口ーーー

魔法剣士「着きましたね、森……」

女神「ち、近くで見ると意外に暗いんですね……」

魔王「ああ。話によればかなり深い森と聞く」

魔王「皆、ここからは強烈な魔力に充てられることになるであろう。十二分に気を付けよ」

僧戦士「魔力に充てられる…って、どういうことですか?」

魔王「過剰な魔力は生物を内側から破壊するのだ。最悪の場合は死に至らしめることもある」

魔法剣士「死……ですか。分りました、気を付けます」

_____________
__________
______

ーーー森の中ーーー

僧戦士「…………」

魔王「…………」

シィ--ン………

魔法剣士「……静か、ですね……」

女神「…この森には動物がいないのでしょうか…」

僧戦士「何だか、不気味ですね…」

女神「………」ブルブル…

魔王「…女神よ、怖いのか?」

女神「………いえ…大丈夫です」

魔王「……………そうか。ならば先に進むぞ」

_____________
__________
______

ーーー森の中腹ーーー

女神「……随分深くまで来ましたね……」

魔王「ああ。魔力もかなり濃くなってきているようだ」

女神「…………」

女神 (…この木……木から木が何本も生えている……)

女神 (それに、あっちの木は葉も枝も無い…)

女神 (幹が地面に向かって湾曲してるものもある……)

女神 (どの植物も、魔力の影響で歪に育っているのでしょうか…)」

僧戦士「……………」フラ…

魔法剣士「…僧戦士、大丈夫か……?」

僧戦士「ん…大丈夫…まだまだいける」

魔法剣士「……無理するなよ…?」

僧戦士「うん…」

_____________
__________
______

ーーー森の奥ーーー

女神「…………」

女神 (植物の石化に…溶解…そして異形化……)

女神 (森の様相が一層酷くなってきてる…)

僧戦士「…はぁ………はぁ………」フラフラ…

魔法剣士「………………」グッタリ

女神「…お二人共、大丈夫ですか?ご気分が優れないのでは……」


僧戦士「…ん……大丈夫……」フラフラ…

女神「ですが、とても平気そうには……」

僧戦士「…大丈夫です………大丈…夫………」フラ…フラ…

僧戦士「…ぅ………」ガクッ

魔法剣士「!僧戦士!」トスッ

魔法剣士「っぐ……!」ヨロヨロ…

魔王「おっと」トスッ

魔王「…危ないところであったな」

魔法剣士「う………すみません……」

女神「………」

女神「…魔王さん…これ以上二人を進ませるのは……」

魔王「…ああ…止むを得んな」

魔王「僧戦士、魔法剣士……二人は村に戻ると良い」

僧戦士「!」
魔法剣士「…」

僧戦士「待って下さい!私はまだ大丈夫です!」

女神「僧戦士さん……」

魔法剣士「…止めろ僧戦士……勇者様の仰る通りだ…」

僧戦士「そんな…!で、でも…ッ!」

女神「僧戦士さん……どうか分かって下さい。これ以上は本当に危険なのです…」

僧戦士「い、嫌だ!私も行く!私も一緒に__」

僧戦士「ぅッ!……ゲホッ、ゲホッ!!……!?」ゴボッ

魔法剣士「!僧戦士!?」

女神「僧戦士さん、血が…!」

僧戦士「……ッ……」ドロドロ

魔王「…………」

魔王「……僧戦士よ…いつから我慢していた?」

僧戦士「……!」

魔王「…我は確かに言ったはずだ。最悪の場合は死に至ると」

僧戦士「………」

魔王「命に関わることだったのだぞ。何故こうなるまで黙っていたのだ」

魔王「…………」

魔王「……僧戦士よ…いつから我慢していた?」

僧戦士「……!」

魔王「…我は確かに言ったはずだ。最悪の場合は死に至ると」

僧戦士「………」

重複申し訳ない

魔王「命に関わることだったのだぞ。何故こうなるまで黙っていたのだ」

僧戦士「…………ごめんなさい……」ポロ…

魔王 (………確かに、魔法剣士の言う通りかもしれんな…)

魔王「……魔法剣士、僧戦士を村まで送ってやれるか?」

魔法剣士「…分かりました」

魔法剣士「……僧戦士、行こう。おんぶしてやるから…」

僧戦士「……うん」ヨジヨジ

魔法剣士「…じゃあ、俺らは先に帰ります。魔王さん、女神さん、どうかご無事で…」

女神「ええ…後のことはお任せ下さい」

魔法剣士「はい」

ザッ…ザッ…ザッ……

魔王「…では我らも進もうか」

女神「…はい」

女神 (…僧戦士さん……)

_____________
__________
______

ーーー草原の村への帰路ーーー

魔法剣士「………………」

僧戦士「………………」

魔法剣士「……なあ、僧戦士?」

僧戦士「………?」

魔法剣士「お前……もしかして、まだ"アイツ"の言ったことを真に受けてるのか?」

僧戦士「……」

魔法剣士「…だとしたら、もう__」

僧戦士「分かってるよ、分かってる」

僧戦士「……ちゃんと、分かってる……」

魔法剣士「……………」

_____________
__________
______

おまけ

魔王「女神、お前さんは森にいても平気なのか?」

女神「あ、はい。女神なのでそういったものには干渉されません」

魔王「おお…何気に初めて女神っぽいことを言ったな」

女神「…魔王さんってつくづく失礼ですよね……」

魔王「事実なのが悪い」

女神「むぅ…」

_____________
__________
______

おまけ2

僧戦士「魔法剣士……」グイグイ

魔法剣士「ん?」

僧戦士「あたま~……」

魔法剣士「?……あー、はいはい」

魔法剣士「次からちゃんと頼めよ?」ナデナデ

僧戦士「……♪」

投下終了

次回はまた後日に

_____________
__________
______

ーーー森の深層ーーー

女神「……魔王さん……これは…」

魔王「凍った草木に酸の池…そして溶岩流の川……か」

魔王「魔界でもこれ程の光景は見れぬ。まるで地獄だな」

女神「……」ビクビク…

魔王「……女神よ、怖いのならばお前さんも__」

女神「!嫌です!」

女神「私だって…魔王さん達のお役に立ちたいんです…っ!」ビクビク…

魔王「……」

女神「………っ」ビクビク…

魔王「…まあ、この環境で何事もないならば連れて行く価値はあるだろう」

女神「…!ですよね!ですよね!」パアァ

魔王 (…やれやれ…)

_____________
__________
______

ーーー森の最深部、広大な緑地ーーー

魔王「……ん?」ザッ……ザッ……

魔王「何だ?急に自然が戻ったが…ここが最深部なのか……?」

女神「わぁ…凄く大きな木……それにこんなに沢山……まるで宮殿みたい…」

魔王「ああ。先ほどの地獄が嘘のようだな」

女神 (萌黄色の天井から木漏れ日が差してて、少し暖かい……)

女神「……綺麗……」

魔王「見惚れている場合ではない。敵が近いかもしれぬ。我の傍を離れるでないぞ」

女神「あ…はい、すみません」テテテ…

_____________
__________
______

魔王「…………」ザッ……ザッ……

女神「…………」トテトテ…

女神「…!」ピタ

魔王「ぬ?どうした女神」

女神「魔王さん、あれを…」スッ

異形体「______」ピクッ…ピクッ…

魔王「…?……あれは…人間なのか?まだ息があるようだが…」

女神「…ええ…異形化が進んではいますが、恐らく元は人間かと…」

女神「…ですが………」




女神「……………あれは『バグ化』しているかと思われます…」

続く

魔王「バグ化だと…?」

女神「はい。"この世界"はまだ不完全なので、ごく稀に法則を無視したこのような現象を起こしてしまうのです」

女神「あの方は、そのイレギュラーの発端であり…被害者かと思われます…」

女神 (でも、今になってこれだけの規模のバグが発生するなんて…)

魔王「…つまり、これだけの魔力は全てあの者から放出されているということか…俄かには信じられぬ話だな」

魔王「……で、どうすればそのバグ化とやらを鎮めることができる?」

女神「私があの人に近づいて安定化を図ります。そうすれば、当分の間は大丈夫かと…」

魔王「そんなことができ得るのか?」

女神「封印の方法なら一通り教わっていますので、恐らくは可能です」

魔王 (実践の経験はないということか…)

女神「なるだけ早く終わらせますので、魔王さんはここでお待ち下さい!」トテテテ…

魔王「………」

異形体「_____」…ビクッ、ビクッ

魔王「…ん?」

異形体「___」ビクビクッ!、ビクッ!

魔王「…まさか…ッ!!」

魔王「待て女神!それ以上近づくな!」

女神「え?」

シュバアァッ

女神「…!?」

女神 (氷結魔法!?どうして…!?)

魔王「女神ッ!!」ダダダダッガシッ

女神「きゃっ!」ドンッ

<バキィィンッ

魔王「くっ!」ドサッ
女神「うっ!?」ドサッ

<メキメキバキバキ…ドオォォォン……

女神「!巨木が…」ゾクッ

魔王「ボサっとするな女神!次が来るぞ!」ガシッ

女神「あっ!」グイッ

異形体「___」キュイィィイ…

魔王 (あの光の集まるような魔力の溜まり方…光線魔法か…!)

異形体「__」イィ………

異形体「_____」

シ-ン………

女神「………来ませんね、攻撃…」

魔王「……………」

女神「……そもそも、バグに攻撃されることなんてありえ__」ソロ-リ…


異形体「______」ビクンッ


異形体「__」キュイイィ…

女神「ひぇ!?」サササッ

異形体「____」ィ…

シ-ン………

魔王「どうやら一定の範囲内のものに反応するようだな」

女神「……そんな…」

女神 (あり得ない…。いくら発端が人間だとしても、バグが一定のルーチンに従って行動するだなんて…)

女神 (これではまるで指示された機械と同じ…でも仮にそうだとして、バグにそんな細工ができる存在なんて…)

魔王「女神よ」

女神「……………へ?あ、はい、何でしょう?」

魔王「少し作戦を練ろう。このままでは埒が開かぬ」

女神「あ…そう、そうですね。そうしましょう」

魔王「…?」

女神 (今こんなことを考えても仕様がありませんものね…)

続く

女神「作戦って、要するにどうやってあの異形体に近づくか…ということですよね?」

魔王「具体的に言えばそうなるな」っ石

女神「……えっと…魔王さん、その石は?」

魔王「これか?実験道具だ」ポイ

女神「実験?どういう__」


バゴオォォンッ


女神「きゃあ!?」ビクゥッ

魔王「……ふむ…的確に狙ってくるな」

女神「びっ……びっくりした…」ブルブル…

魔王「もう一度いくぞ」ポイポイポイッ

女神「え!?ち、ちょっと待__」


ズガアァンッ
 バキイィィンッ
  ドガアァァンッ


女神「いやああぁぁぁ!!」ギュウゥ

魔王「一々くっ付いてくるでない。離れろ」

女神「だって、心の準備が…」ビクビク…

魔王「戦闘で心の準備などできぬ。早く慣れることだな」

女神「うぅ……」

女神「…そ、それで……?今のアブナイ実験で何か分かったのですか?」

魔王「ああ」

魔王「奴は動くものを確実に狙い撃つが、どうやら複数の標的を同時に攻撃することができぬようだな」

魔王「これに漬け込めば奴の攻撃を強引に突破できるやもしれぬ」

女神「やっぱり最後はゴリ押すんですね…」ゲンナリ…

魔王「仕方なかろう。これ以上の案を我に求めるな」

魔王「文句を垂れる暇があるなら、精々『心の準備』とやらでもしているが良い」

女神「…!むー!」ムカ-ッ

女神「何か魔王さんっていっつもイヤミな感じですよねっ!」プンスカ

魔王「さてな」

女神「もういいです!そんなに言うならさっさと終わらせましょう!……少し怖いけど!」

魔王「うむ、その意気だ。最後まで気を保てよ」

続く

シンゴジラ見てないので分からないです
展開が被ったりしてたらごめんなさい

_____________
__________
______

魔王「良いか女神、まず我がこの大岩を砕く」

魔王「お前さんはそれと同時に異形体のもとへ向かい、奴を封じ込めろ」

女神「はい…でも、私の足では間に合う気がしないのですが…」

魔王「だろうな。故に途中までは我が手を引いてやる」

魔王「だが我は囮になる為にどうしても動き回らねばならん」

魔王「結局は自分の足で辿り着く必要があることは、肝に命じておけよ」

女神「は、はい…」ドキドキ…

魔王「…では3つ数えた後に作戦を開始する。準備は良いな?」

女神「は……はい!大丈夫ですっ!」

魔王「………数えるぞ……」

女神「………」ゴクリ…


魔王「3……………2……………」


異形体「____」



魔王「1……………」






魔王「今だ!!」ブォン

バコォォンッ

異形体「___」ビクンッ

魔王「女神!走るぞ!!」ガシッダダダ

女神「わっ!」グイ


キュイイィィィン…





ドガガガガガガガガァァァァァァアン!!!!

女神「~ッ!?~~ッ!!?」

魔王 (全て消されたか…!想定内だが、やはりほぼ一瞬だな…!)ダダダ

魔王「女神!ここからは別行動だ!後は自分で走れ!!」

女神「……ぁ……!」ビクビク…

女神 (こ……こんなの、敵いっこない…っ!)

魔王「おい!何をしている女神!」

異形体「__」キュイィ…

魔王 (まずい…光線魔法が…!)

魔王「女神!早く走れ!!」

女神「ぁ…ぅ…!」

魔王「女神ィッッ!!!」ゴゥッ

女神「ッ!!」ビクンッ

女神「は、はいッ!!」

タッタッタッ…

魔王 (よし、何とか間に合ったか…!)


異形体「__」イィィン…


ズドオオオオオォォォ__!!!

魔王 (来た…!だがこの威力…盾で防げるか!?)

ガギャアァァァッ!!
魔王「ぬぐおおぉッ!」ズザザ、ザザ

__オオオオォォォォン………

魔王「……ッ…何とか凌いだか…」シュウウゥゥ…

魔王 (その代わり…この盾が使い物にならなくなったな)ドロドロ…

魔王 (一応、東王国でも指折りの防具だったはずだが…)ポイ、ガシャン

魔王 (これは流石に、長くは持たせられんな…!)ダダダッ…

_____________
__________
______

<ドガアァァン
ズガアァァァン>

女神「はぁ…!はぁ…!っはぁ…!」タッタッタッタ…

女神 (あと少し…!あと少しで辿り着く…!)

ボオッ……

女神「ッ!?」ザザッ

女神 (あの火炎魔法、もしかしてこっちに来る!?)

ゴオォォ……

女神 (どうしよう…!どうすれば……!)

女神 (こんなとき、魔王さんがいれば…!)

女神 (魔王さんが………)

ゴゴゴ……

女神 (………)

女神 (…………………)

女神 (…違う…私が何とかしなくちゃ駄目だ…!)

女神 (役に立つって決めたんだ…!私が…何とかするんだ!!)

ゴゴゴゴゴ…

女神 (…来る!)


ボゴオオオォォォッ


女神「ッ!」

ドガアアァァァァンッ!!

__モクモク……

女神「……はぁ……はぁ…!」シュウウゥゥゥ…

女神 (……できた…火炎魔法の"解析"…)

女神 (まだ……不完全、だったけれど…)フラ…

女神 (……いや…そんなことよりも今は………!)ヨロ…ヨロ…

異形体「___」

女神 (この異形体を、何とかしなきゃ…!)グッ…

続く

女神「……」ゴクリ…

女神 (大丈夫…手順通りにやればできるはず…)

女神 (バグを安定化させるには…)

女神 (まず、その発端となる媒体に直接触れる…)ギュ…

異形体「____」

女神 (次に、二次的な異変…多分、この場合は膨大な魔力の放出…それを抑える…)フオォォン…

異形体「__オ_ァ__」

女神「……………」

異形体「_ァ__ァァァ___」

女神「……?」

異形体「__イタイ…__」

女神「…!」

異形体「__イタイ…イタイ…__」

女神「…こ、れは……?」

異形体「イ…タイ…!タスケテ__イタイ!…イタイ!!__」

女神 (…そうか…今までは魔力を放出することで、バグとしての存在を辛うじて保てていた…)

女神 (それを無理に抑えてしまえば、それだけ媒体に負荷がかかってしまう…)

異形体「イタイ!イタイイタイイタイイタイ!!!」ビクビクッ

女神 (姿が変わって、世界から隔離されても、この異形体は痛みを感じて苦しんでるんだ…)

女神(この人は今も、しっかりと"生きている"んだ…!)

異形体「アガアアアアアアァァァァァ!!!」ビクンビクンビクン

女神「ッ!聞こえますか!?大丈夫、大丈夫ですよ!すぐ終わりますからね!」

異形体「アアアアア!!!オアアアアアアアア!!!」ジタバタ

女神「頑張ってください!負けちゃダメです!」ギュウッ

女神「くぅ………!」

女神 (…よし、何とか魔力は抑えられた…!)

女神 (次は……媒体の内部にアプローチをかけて、バグそのものに接触する…)

女神 (…つまり………)






女神 (私自身を、一度バグ化させる……!)ギリッ

女神 (さっきは気が付かなかったけれど、反撃のルーチンが仕組まれているこのバグのエネルギー量は尋常じゃない…)

女神 (この規模だと…下手をすれば、私は壊されてしまう…)

異形体「ガアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

女神 (でも、考えてる暇なんて無い…手遅れになる前にやるしかない…!)ギュッ

女神「………ッ」ドクン…ドクン…

女神「………くっ…!うぅぅ……!」ドクン、ドクン

魔王「女神!」タッタッタッ

女神「ま…魔王さんっ!もう大丈夫なのですか!?」ドクン

魔王「ああ、攻撃は止んだ!何かしたのか!?」

女神「はい!つい先程、彼の魔力を封じたところです!今は__」

ピシピシッ

女神「__あぁッ!!」ピシッ…ピシッ

魔王「!」

魔王 (何だこれは…!女神の身体が、ひび割れていく…!?)

魔王 (これもバグの影響だというのか…!?)

魔王「いかん、これ以上は危険だ!早くそれから離れろ!」

女神「………」ドクン、ドクン

女神「……………」ドクン、ドクン

女神「…離れたくありません」

魔王「何…!?」

魔王「駄々を捏ねている場合ではないのだぞ!いいから離れるんだ!」

女神「嫌です!」

魔王「女神!!」

女神「嫌ですッ!!」

女神「例えここで死んだとしても、絶対に離しません!」

魔王「貴様いい加減にしろ!自分が何を言って__」
女神「この人はッ!!」

魔王「…!」

女神「……十年以上も、ずっと、ずっと苦しんできてたんです!」

異形体「アガアアアアアアアアアァ!!!アアァァァァァアアアアア!!!」

女神「彼を、一秒でも早く助けてあげたいんです!」ポロ…

女神「だって…こんなの、辛過ぎるじゃないですかっ……!」ポロポロ…

魔王「…」

魔王 (分からぬ…。何故そんなものの為にお前の命を投げ出す必要があるのだ)

魔王 (何故…)

ピシピシッ

女神「あッ…ぐぅぅッ!!」ピシッ

魔王「…!女神!」

女神「ッ…!!……私は、大丈夫ですよ…!」ハァ…ハァ…

女神「ほら…全然、へっちゃらです……!」ニコ…

魔王「……」

魔王「…もう一度聞く。離れなければ本当に死にかねんぞ。それでも良いのか?」

女神「構いません…!この人を…この森を…命を、救う為なら…!」

魔王「……そうか」

魔王「ならば、何も言うまい。処理に集中しろ」

女神「…!ありがとう、ございます…!」

魔王 (命を救う為に、自らの命を捨てるか。……我には、理解できぬ)

続く

_____________
__________
______

女神「……ア…ガ…」ピシッ…ピシッ…

魔王「…………」

異形体「_____」ビクン…ビクン…

女神 (苦しい……苦しイ……)

女神 (デも、コノ人の痛ミは、きっとこんナモのではナかっタはず…)

女神 (我慢……我マん……)

女神「……………」

女神 (よシ…バグ化……完リョう…)

女神 (次は…ばグを、私ニ、移し変エテ、ばイ体トシての、役割ヲ、私が完全、に受け継グ……)

女神「……………」ピシッ…

女神 (かかンリョう)

異形体「___」

異形体「__________」

女神 (最、ゴ、に……コの、ばぐを、私を経テ異次元、へ飛バす)

女神「…………」

魔王「………」

女神「……………」

女神 (完了)

女神 (後は、自己シュう復だケ…)

女神 (アー、あー、あー)

女神 (私は女神、23歳独身です)

女神 (よし…完了…)

女神「………っはぁッ!」プハ

女神「はぁ……!はぁ……!…はぁ………!」

魔王「終わったのか?」

女神「…はい…これでもう、大丈夫です…」クタ…

魔王「そうか。ご苦労だったな」

女神「ありがとうございます…」ニコ

魔王 (全く…僧戦士といい、どいつもこいつも無茶ばかりしおってからに…)フゥ

魔王「ひびは入ったままだが、それは放っておいて良いのか?」

女神「あぁ、これなら多分平気です。暫くすれば元通りですから」

女神「あ、でもワレモノ注意ですからね!優しく丁寧に扱って下さいよ?」

魔王「ふっ…調子の良い奴だな」

異形体「………ぁ……う……」

女神「!」
魔王「…!」

異形体「…私は…………」

女神「大丈夫ですか!?私の声が聞こえますか!」ギュ

異形体「……そこに誰か…いるのか……?」

女神「はい!ここにいます!私はここに!」ギュッ

異形体「………誰かいるのなら…伝えてくれ…」

異形体「草原の村の……家族に…すまなかったと……」

魔王 (こいつ…草原の村の民か…)

女神「そんな…!駄目です!貴方が自分の口で伝えるんです!だから__」

女神「………!!」

異形体「______________」

女神「…………」

魔王「……」

魔王「…死んだ、か」

女神「………………」

女神「………」ポロポロ…

魔王「…女神…」

女神「助けられなかった……!魔王さん……私…ッ!」ポロポロ

魔王「………」

魔王「お前さんは良くやった。人事は尽くしたのだ」

魔王「…余り、自らを責めるなよ」

女神「…うっ……ひっぐ……」ポロポロ…

ギュウッ

女神「うわあぁぁぁ!あぁぁぁ!」ボロボロ…

魔王「……」

魔王 (まあ…こんな時ぐらいは、抱きつかせてやるか…)

異形体「____________」

魔王「………」

魔王 (やはり女神の言い分を肯定することはできない)

魔王 (一つの命を助ける為に自らを滅ぼせば、他の多くの命に対して何の施しもできなくなる。明らかに不合理だ)

魔王 (……だが合理主義に偏れば、助ける命と切り捨てる命を選別することになり、そこに格差が生じてしまう…)

魔王 (全ての命を救う為にはやはりどこかで身を削らねばならなくなる)

魔王 (その点に関して言えば、女神は神として正しい行動を取ったことになる訳か。……難儀なものだな)

また後で投下します

_____________
__________
______

ーーー帰還直後、草原の村ーーー

ガヤガヤ…ガヤガヤ…

僧戦士「勇者様ー!女神さーん!」タッタッタッ、ギュッ

女神「わっ僧戦士さん!」ポフッ

女神「もうお身体は大丈夫なのですか?」ナデナテ

僧戦士「はい!バッチリです!」エヘヘ-

魔王「そうか。ひとまずその言葉を聞けて安心した」

魔法剣士「お二人の方こそ、どこか悪くなされたりしていませんか?」

魔王「まあ紆余曲折あったが、この通り五体満足でいられている」

魔法剣士「そうですか…良かった……」

女神「それにしてもびっくりしました。まさか村の方全員に出迎えて頂けるなんて…」

村長「申し訳ございません。私共も気が気でなかったもので…」

魔法剣士「僧戦士が負傷して帰ってきちゃいましたからね」

僧戦士「…ごめんなさい」シュン…

村娘「い、いえいえ!こうして無事に戻って下さったのですから、お気になさらないで下さい!」

村娘「それよりも……」チラ

村長「……」コクリ

村娘「…あ、あの、勇者様。少し宜しいでしょうか…?」

魔王「ぬ、どうかしたか」

村娘「…森の怪物は……どうなりましたか?」

女神「……!」

魔王「依頼通り、討伐させて貰った」

村娘「…そう……ですか……。…ありがとうございます」

村長「…………」

女神「……………」

女神「………彼からの言伝を、預かっています」

村長「…!?」

村娘「え…それって……!」

村長「や、奴は…奴は何と言っていましたか!?」

魔王「………」

女神「………」

女神「家族に、済まなかったと……そう、仰っておられました」

村長「……そうですか………そう、ですか……」グッ…

村娘「……っ……」ポロ…

魔王「…勝手ながら我らで弔わせて貰った。今は、森の奥で眠っている」

女神「……私が、力不足なばかりに…」ギュッ

村娘「そんな…!父を苦しみから救って頂いたのです!感謝の言葉もございません!」

村長「村娘の言う通りです。…これで奴も漸く報われるでしょう」

村長「勇者様、御一行の皆様…本当にありがとうございました…」ペコリ

村娘「……」ペコリ

女神「……」

魔王「…」

僧戦士「え…?ど、どういうこと?」オロオロ…

魔法剣士「…いや…分からない…。けど、あのお二人のご家族が、亡くなったんだと思う」

僧戦士「………そっか…」

草原の村の件はこれで終了です

需要があれば続きます

おまけ1


ーーー数日後、旅の道中ーーー

テクテクテク…

僧戦士「ねぇねぇ勇者様、次の…海洋国でしたっけ?そこまで後どれくらいで着くんですか?」

魔王「ぬ、そうだな…このペースだとあと1日前後といったところか」

魔法剣士「あと少しですね」

魔王「ああ、もうひと頑張りだ」

僧戦士「外国かぁ…楽しみだなぁ…♪」ワクワク

女神「………」

女神「…あ、そうだ!皆さんちょっと宜しいですか?」

僧戦士「?」

魔王「何だ、藪から棒に」

女神「実はですね……」

女神「私、火炎魔法が使えるようになったんです!」ジャジャ-ン

魔法剣士「へ、へぇ…」

僧戦士「へー!凄いですね!女神さんおめでとー!」パチパチパチ

女神「ありがとうございます///」テレテレ

魔王「…………」

魔王「………ん?それだけか?」

女神「はい!」ニコニコ

魔王「…お…おう……」

おまけ2


女神「えっと、それでですね…早速お披露目しても宜しいでしょうか?」チラッチラッ

僧戦士「何をですか?」

女神「火炎魔法です!」

魔王「まだその話を引っ張るのか…」

女神「一回だけ!一回だけですから!ね!?」

魔王「お前さんは子供か」

魔法剣士「良いじゃないですか。魔法を覚えて嬉しくなる気持ちは俺にも分かります」

僧戦士「魔法剣士も昔は通りすがりの人とかに自慢してたもんね~」ニヤニヤ

魔法剣士「そ、その話はやめろよ…」

おまけ3


魔王「……まあ、一度くらいなら良いか。やるならさっさとやれ」

女神「はい!ありがとうございます!」

女神「行きますよ~……!」ゴゴゴゴゴ…

僧戦士「おお!何だか凄そう!」

魔王 (ほう…魔力量は流石といったところか……)

女神「火炎魔法!」



ボスン………



魔法剣士「………」

僧戦士「………?」

女神「…………あれ……?」

女神「か、火炎魔法!火炎魔法!火炎魔法!」ボスン、ボスン、ボスン

魔法剣士「女神さん、大丈夫ですか…?」

女神「……お、おかしいなぁ…あはは…」

魔王「…散々自慢しておいてそれか」

女神「う…」

魔王「期待外れにも程があるな」

女神「う゛っ…」グサッ

魔王「無駄な時間を食った。さあ、先を急ぐぞ」ザッザッ

僧戦士「あ、勇者様!え、えっと…女神さん!諦めたら試合終了ですからねっ!頑張ってください!」

女神「う~……」シクシク

魔法剣士「………」

魔法剣士 (今の火炎魔法…見たことない予備動作だった…)

魔法剣士 (……どうやって習得したんだろう…)

続く

覚えてくれている方がいるか分かりませんが続き書いていきます

ーーー海洋国ーーー

僧戦士「わぁ…!」

ザァァァ…ザァァァ…

僧戦士「海だ……!」






僧戦士「海だぁ~~っ!!」

魔王「ほぅ、街と海が一望できる。これは中々良い眺めだな」

女神「潮風も気持ち良いですね~」サラサラ

僧戦士「見て見て魔法剣士!海!海が見えるよ!」

魔法剣士「はしゃぎ過ぎだよ僧戦士、少し落ち着けって…」

僧戦士「だって、こんなに広いんだよ!?これ全部水なんだよ!?驚かない方が__むぐ!」

魔法剣士「はいはい、少し静かにしてなさい…」ギュッ

僧戦士「…む?……むぐっ!?///」

女神「お二人は海は初めてなのですか?」

魔法剣士「はい、実際に見るのは初めてです」

僧戦士「むぐー!///」

魔王「それにしては随分と落ち着いているな、魔法剣士よ」

魔法剣士「まぁ、こいつが俺の分まで喜んでくれたので」ナデナデ

僧戦士「むぐぐ~!><」ジタバタ

魔法剣士「あ、ごめん」パッ

僧戦士「ぷはぁ!ぜー…ぜー…」

僧戦士「もー!窒息するところだった!魔法剣士のバカ!///」

魔法剣士「ごめんって」ナデナデ

僧戦士「う~!///」

女神「ふふっ…。それにしても、こんなに綺麗な場所ならみんなで海洋国を見て回りたくなりませんか?」

魔王「見て回る…?」

女神「つまり観光ですよ!」

魔王「お前さんという奴は…」

僧戦士「!いいですね!私も観光したい!ねぇねぇ魔法剣士も行こ!」グイグイッ

魔法剣士「うお、だからはしゃぎ過ぎだって…」

魔王「待て待て…お前さん達、まずは王に謁見して船を取り付けさせる方が先だぞ。その為にここへ来たのだからな」

僧戦士「はぁーい!」

テクテク…

魔王「…やれやれ、好奇心が強過ぎるのも困りものだな」

女神「微笑ましくて良いではありませんか」ニコニコ

魔王「…魔王の手が迫りつつあるやも知れぬというに、このような心構えで良いのか…?」

女神「時には休憩も必要ですよ。…それに、魔王の手なんて最初から迫りませんしねっ」クルッ

魔王「ふ……呑気なものだ」

_____________
__________
______

ーーー海洋国市場ーーー

ガヤガヤ…ガヤガヤ…
<ラッシャッセエェェェェ!!

僧戦士「うわぁ~!すごぉぉい!」キラキラ

女神「に、賑やかですね~!自分の声も聞こえなくなりそうです!」ア-ア-!

魔王「ここは貿易の盛んな国らしいからな。人の往来もまた相応なのであろう」

女神「え!?なんですって!?」キコエナイ-!

魔王「だから貿易が盛んな国だと言うておる」

女神「防壁がお魚の国!?」

魔王「……………」(^ω^#)ピキピキ

女神「……あ、あれ?勇者様?どうしてそんなに先を急いで……あの…勇者様~?」

僧戦士「見て見て魔法剣士!この装備すっごく可愛いよ!この食べものも美味しそう! 」グイグイ

僧戦士「あ、あっちにも!ほらほらこっちにも~!」グイグイグイグイ

魔法剣士「う゛わっ、ちょ……僧戦士、もう少しゆっくり__」

僧戦士「わぁ~っ!うわぁ~っ!!」キラキラ

魔法剣士「……」

魔法剣士「…全く、しょうがないな僧戦士は」ニコ

僧戦士「?どしたの魔法剣士?疲れちゃった?」

魔法剣士「お前が元気過ぎるんだよ…」

僧戦士「ふ~ん、全くしょうがないな~魔法剣士は」

魔法剣士「あ、あはは…」

?「…失礼、横通るぞ」ザッ、ザッ

魔法剣士「あ、すみません」サッ

僧戦士「………?」

僧戦士 (あれ…なんだろう…この声どこかで聞いたことあるような…)チラッ

?「……」ザッ、ザッ

僧戦士「……ッ!?」ドクンッ

魔法剣士「…?どうした、僧戦士?」

僧戦士「……あ………ううん…何でもない…」

僧戦士 (…今の人…まさか…)

魔王「…む、そこにいたのか、魔法剣士」ザッザッ

魔法剣士「あっ勇者様。すみません、僧戦士がぐいぐい引っ張るもので…」

魔王「はっはっは、僧戦士はああなると止まらぬからな」

魔法剣士「少しは落ち着いて欲しいですね…」グッタリ

魔法剣士「……あれ、そう言えば女神さんはどこです?」

魔王「…あぁ、あいつか?」

<ゆ、勇者様~!置いてかないで~っ!アッスミマセン…

魔王「………」

魔法剣士「………」

魔王「…いや、知らんな」

魔法剣士 (ひ、ひどい…)

魔王「お前さんこそ僧戦士と一緒ではないのか?」

魔法剣士「えっ…?僧戦士ならここに…………あれ?」

魔法剣士「僧戦士?」キョロキョロ

_____________
__________
______

僧戦士「はあ…!はあ…!」タッタッタッ

僧戦士 (どこ…!?どっちに行ったの____)




僧戦士 (______お父さん…!!)

タッタッタッ…

続く

生きてたのか...あんたが来るのを待ってたんだよ!

>>447
ありがとうございます
覚えてくれていた人がいて嬉しいです

僧戦士「………」テク、テク…

僧戦士「…………っ!」ピタ

?「……」

僧戦士 (いた…!やっぱりお父さんだ…!)

?「…」チラ

?「……」ダッダッダ

僧戦士「…っ!?ま、待って!」タッタッタ

_____________
__________
______

ーーー海洋国市場ーーー

魔法剣士「僧戦士ー!僧戦士ー!」

女神「僧戦士さ~ん!…う~ん…見つかりませんね…」

魔法剣士「あいつ、どこまで遠くに行ったんだ…?」ソワソワ

魔王「こうなると既に商店街から離れている可能性も有り得るな」

女神「もしそうなら探すのは難しいかもしれませんね………あっ」

魔法剣士「あぁあぁぁ…俺が付いていながら……俺が……」ズウゥゥン

女神「だ、大丈夫ですよ!ただの迷子ですし、その内ひょっこり戻ってきますって!」アセアセ

魔法剣士「…だと良いのですが…」

魔王「…しかしただ呆けている訳にもいくまい。取り敢えずは王城へ向かうとしよう」

魔王「その後、手分けして僧戦士を捜索する。二人はそれで構わぬか?」

女神「あ、はい!了解ですっ」
魔法剣士「はい…」

魔王「……」

魔王 (……杞憂であることが好ましいが…)

_____________
__________
______

ーーー海洋国の路地ーーー

?「…」ダッダッダ

僧戦士「はぁッ、はぁッ、待って!待ってってば!」タッタッタ

僧戦士「__っ!?」ズザザッ

僧戦士 (え…見失った…?こんなに細長い路地で…?)ハァ…ハァ…

僧戦士「…はぁ………ふぅ……」

僧戦士「………」

テク、テク、テク…

僧戦士 (さっきの人は…本当にお父さんだったのかな…?)テク、テク…

僧戦士 (それに、何で私から逃げたりしたんだろ…)

僧戦士 (……もしかして…引き返した方が__)

<そっちに行ったぞ!逃すな!

僧戦士「!」ビクッ

<回り込んで捕らえる!二番隊は北西、三番隊は東を塞げ!
<<<了解ッ!!

ダダダダダ…

僧戦士「……?何だろ?」タッタッタ

今日はここまでです

_____________
__________
______

ーーーその頃、海洋国王城、玉座の間ーーー

海洋国王「_ほう、そなたが勇者か。そなたらの話はこの国にも伝わっておるぞ。別国のこととはいえ、誠に大義であったな」

魔王「はっ、光栄であります」

魔法剣士 (………)
女神 (き、緊張する……)カチコチ

海洋国王「城の者から話は聞いている。船が欲しいのであったな?」

魔王「はい。中央国へ向かう上でどうしても欠かせぬもの故、こうしてお願いに参った次第でございます」

海洋国王「うむ、他ならぬ勇者一行の頼みとあらば断るわけにもいくまい。すぐに手配させよう」

海洋国王「__と、言いたいところだが、船はこの国の宝でもある」

海洋国王「相手が勇者といえど、タダで渡すわけにはいかぬ……そうは思わぬか?」ジロ

女神「…っ?」ビクッ

魔法剣士 (…脅迫…?)

魔王「…なれば、如何致せば宜しいでしょうか?」

海洋国王「…………」

魔王「…………」

女神「…」ゴクリ

海洋国王「……ふっ、そう構えずとも良い。一つ厄介事を頼まれてはくれまいかと思ってな」

魔王「…と仰られますと?」

海洋国王「なに、些細なことではあるのだが…実は娘が城を抜け出していてな。船の対価としてその捜索に協力して欲しいのだよ」

魔王「はっ…そういうことでしたら、我々も尽力させて頂きます」

海洋国王「うむ、助かる。私にはあれが必要なのでな」

魔王「心中お察し致します」

魔王「……ところで、差し支えなければ姫様のお名前と特徴を伺っても宜しいでしょうか?」

海洋国王「おお、そうであったな。名前は海姫、歳は13、黒い長髪に翠の瞳が特徴だ。もし何かしら情報を入手することがあれば城の者に伝えてくれ」

魔王「承知致しました」

海洋国王「うむ。では下がって良いぞ」

魔王「はっ、失礼致します!」バッ

魔法剣士 (…女神さん、終わりましたよ)ツンツン

女神 (あ…は、はいっ)カチコチ



テクテク…

ギイィィ………バタァン






海洋国王「…………………」

_____________
__________
______

ーーー海洋国王城前ーーー

テクテク…

女神「…ぷはっ!き、緊張しました~…」

魔王「肝の小さい奴だ。まるで小魚だな」

女神「ゔっ…そこまで言わなくても…」シクシク

魔法剣士「…………」ソワソワ

女神「…?魔法剣士さん、どうかしたのですか?」ゴシゴシ

魔法剣士「…え、あ…いえ、何でもありません」

魔法剣士「それより、海姫様の御身が心配です!急ぎましょう!」

魔王「…ああ、そうだな」

女神「…魔法剣士さん…」

おまけ

女神 (魔法剣士さん…本当は僧戦士さんのことで頭がいっぱいなのですね…)

女神 (こんなときこそ、私がしっかりしないと…!)フンスッ

魔王「やめておけ、どうせろくなことにならん」

女神「なぁ!?し、失礼な!…………え?あれ?」

魔王「………」

魔王「フッ」

女神 (読まれている…!?)ガガーン

後日また投下します

_____________
__________
______

ーーその頃、海洋国の路地裏ーー

僧戦士「確か声はこっちから…」テクテク

僧戦士「……あっ!」


少女「…………ッ、く……」グッタリ…

僧戦士 (酷い怪我…!もしかしてこの子が追われてたの…!?)

僧戦士「だ、大丈夫ですか!?」タッタッタッ

少女「…!」ガバッ

僧戦士「今治療します、じっとしてて!」

少女「よ、寄るな…!!」ジャキッ

僧戦士「…っ!?で、でも怪我をして__」

少女「来るなぁッ!!」ブンッブンッ

僧戦士「わっ!ちょっ…!待って!私はただ__」


兵隊長「_そこまでです!!」

少女・僧戦士「!」

ダダダダダッジャキ!

僧戦士「えっ、な、何…?」

兵隊長「もう逃げ場はございません。貴方様には大人しくしていただきます」

少女「ッ…囲まれた…!」ギリッ…

僧戦士「ち、ちょっと待って下さい!何が何だか分からないけど、怪我してる人にそんな乱暴なこと…!」

兵隊長「……何だ貴様は?邪魔立てするならば反逆行為と見なすぞ」

僧戦士「違います!私はこの人の手当てをしたいだけです!」

兵隊長「このお方には指名手配がかかっている。拘束が最優先だ」

僧戦士「でもこのままじゃ死んじゃう!お願いします!!」

兵隊長「…………………」




兵隊長「…これより反逆者二名を拘束する」スッ…

僧戦士「!そんな……!」

兵隊A「二人にはご同行願います」

少女「嫌っ…!お前達に国は渡さない…!このッ、化け物共め…ッ!!」

兵隊A「……ご同行願います」

僧戦士「………」

僧戦士「…ッ」スチャッ…

兵隊達「!!」ジャカジャカッ!!

兵隊長「…ほう、その戦斧で抵抗するか?」

僧戦士「良く分からないけど、大人しく捕まる気はないです」

僧戦士「それに、目の前の人を見殺しにするつもりもないです」

兵隊長「…この兵量差で勝てると思うのか?」チャキ

兵隊達「……」ジリ…ジリ…

僧戦士「…戦うとは、一言も言ってないですよ?」

兵隊長「何?…………!まさか__」


僧戦士「でぇぇいッ!!」ブォンッ!

ドゴオオォォォ

兵隊B「なッ!?」

兵隊C「か、壁をブチ抜いただと!?」

<ひいいい!命だけはご勘弁を~!!
<ご、ごめんなさい~!ちょっと通るだけなんです~!

兵隊A「…ゴホッゴホッ…なんて馬鹿力だ…!」

兵隊長「お前達何をしている!早く追わんか!」

兵隊達「…!はッ!」

ダダダダダ…




兵隊長「…あのガキ…やってくれたな…」ギリリ…

明日また投下します

こんな時間ですが投下します

_____________
__________
______

ーーーどこかの廃教会ーーー

パアアァァァ…

僧戦士「…うん、傷はこれで大丈夫。追っ手も来てないし、もう安心だよ」ニコ

少女「……そう…」ツ-ン

僧戦士「…あ、あれ?もしかして怒ってる?」クルッ

少女「…怒ってない」プイ

僧戦士「ホント?」クルッ

少女「ホント」プイ

僧戦士「ホントにホント?」クルッ

少女「しつこい。ウザい」キッパリ

僧戦士「ご、ごめんなさい…」

僧戦士「…私、もしかして余計な事しちゃったかな…?」

少女「……」

少女「…助けてくれたことには感謝してる」

少女「でも、当分は人と関わりたくないの。…ごめんなさい」

僧戦士「…?何かあったの?」

少女「……貴方には、関係ない…」

僧戦士「そんなことないよ、もしかしたら力になれるかも…」

少女「…無理だよ…。貴方じゃきっと何もできない」

僧戦士「そ、そんなこと…」

少女「…とにかく、もう私に関わらないで」

僧戦士「………………」

僧戦士「……ううん、やだ…」

少女「………。貴方、いい加減に__」
僧戦士「私もね」

少女「…っ」

僧戦士「…人に見捨てられて、誰も信じられなくなったときがあるの」

少女「…」

僧戦士「そのときね、色んな人が私を助けてくれて…凄く励まされたから…だから…」

少女「……だから、今度は私を助けるの?」

僧戦士「…」コクリ

少女「……何それ、馬鹿みたい」キッパリ

僧戦士「う゛…」グサ

少女「………」

少女「……ねえ」

僧戦士「…?なあに?」

少女「貴方、人に見捨てられたって言ってたわよね」

僧戦士「……うん」

少女「……誰に、捨てられたの?」

僧戦士「…………」




僧戦士「……私の…お父さん…」


少女「……そう」

僧戦士「……っ」ギュッ

少女「……はぁ」

少女「お互い苦労してるのね…取り敢えずお疲れ様」

僧戦士「あ、あはは…私が励まされちゃったね…」

少女「……自己紹介」

僧戦士「えっ?」

少女「してなかったわよね」

少女「海姫よ…私の名前。貴方は?」

僧戦士「あ…僧戦士…」

少女→海姫「…そう…。短い間だと思うけど…宜しくね、僧戦士」スッ

僧戦士「…!!」パアッ

僧戦士「うん!うん!宜しくね~っ!!」ムギュウゥッ

海姫「ぐ……苦しい…」

ーおまけー

僧戦士「ねーねー、海姫ちゃんって大人びて見えるけどいくつなの?」

海姫「…私?この前13になったばかりだけど…」

僧戦士「じゅっ…!?」

僧戦士 (私と同い年!?)

海姫「…?どうかしたの?」

僧戦士 (私と同い年なのに、私より大人っぽくて…私より……)

海姫「ねえ、大丈夫?」ポヨン
僧戦士「……」ペッタンコ

僧戦士「負けた……」ズウゥゥゥゥン…

海姫「え……な、何…?」

後日また投下します

ーーーどこかの廃教会ーーー

僧戦士「ねぇ海姫ちゃん、これからどうすればいい?」

海姫「……取り敢えず、今は人手が欲しいの。一人じゃできることが限られるから」

僧戦士「んもー何言ってるの!一人じゃなくて私もいるじゃん!」エッヘン

海姫「…逆。貴方のことしか数えてないの。私じゃ戦力にすらならない」

僧戦士「あ、そ、そっか…」オロオロ

僧戦士「……って、戦力?そんなもの集めてどうするの?」

海姫「…この国から、膿を取り除くのよ。海洋国王に代わって…私が」

僧戦士「……えっ、それってクーデター…?」

海姫「…似たようなものね」

僧戦士 (も、もしかして凄いことに足を突っ込んじゃったのかな……)ダラダラ…

海姫「ねぇ僧戦士、貴方の知り合いに協力してくれそうな人はいない?」

僧戦士「え!?………えっとぉ…」

僧戦士 (きっと怒られちゃうけど…)

僧戦士「…勇者様なら、話を聞いてくれるかも…」

海姫「…!!?」

海姫「あ、貴方!」ガシッ

僧戦士「ふぇっ!?」ビクッ

海姫「貴方っ…伝説の勇者と知り合いなの…!?」

僧戦士「う、うん。勇者様の旅にお供させて貰ってるの」

海姫「………」ポカ-ン

僧戦士「…えと、海姫ちゃん…?」オロオロ…

海姫「…僧戦士ッ!!」グワシッ

僧戦士「むぎゅっ!?」ビクゥ

海姫「お願い、貴方達に頼みがあるの!」

海姫「私の…私達の国を、どうか救って…!」

僧戦士「う…海姫ちゃん?」

海姫「王城の者は頼れない…!もう貴方達しかいないの、お願い…ッ!」ギュウッ

僧戦士「ち、ちょっと待って!海姫ちゃんって、一体何者なの…?」

海姫「…私はこの国の第一王女よ」

僧戦士「……第一…王女?」

海姫「ええ」

僧戦士「……つまり、お姫様?」

海姫「…」コクリ

僧戦士「…えっ?……えっ!?」




僧戦士「えええぇ__」
海姫「しッ叫ばないで…!」カポッ

僧戦士「むぐぐ~…」

続く

_____________
__________
______

僧戦士「__じゃあ、海姫ちゃんはお父様を止めようとして逃げてきたんだね」

海姫「ええ…。昔から国王のやり方には納得いかなかったけれど、今回のは度が過ぎている」

海姫「………国王は…魔族と取引しているのよ」

僧戦士「ま、魔族…!?」

僧戦士 (神父様から聞いたことある…確か、『一日で国一つ滅ぼせるような恐ろしい魔物』をそう呼ぶって言ってた…)

海姫「それだけじゃない……既に要人の一部が魔物にすり替わって、この国を動かしてるの」

僧戦士「…!じゃあ、この国は魔物に乗っ取られてるってこと…!?」ゾク

海姫「…悔しいけど…過言じゃないわ…」グッ…

僧戦士「そんな…」

海姫「だからお願い、勇者様にこのことを伝えて…!もう一刻の猶予もないの…!」

僧戦士「…っ、わ、分かった。海姫ちゃん、一緒に勇者様の所へ行こ!」

海姫「ええ…!」

?「…それは困るな」

海姫「!?」クルッ
僧戦士「…!誰!?」ジャキッ


僧戦士「………っ!?」ドクン

?「…久しぶりだな、我が娘よ」




僧戦士「……戦士お父さん…?」

?→戦士「………」

海姫「娘……じゃあ、この人が…」

僧戦士「お父さん?本当にお父さんなの?」

戦士「ああ。そうとも」ナデナデ

僧戦士「…ぁ…!」

僧戦士 (この感触、覚えてる…!ごつごつしてて、力強くてっ…!)

戦士「大きくなったな、僧戦士」

僧戦士「………本当に、お父さんだ…」ウルッ

戦士「僧戦士、家に帰ろう。また二人でやり直そう」

僧戦士「…え…でも、勇者様や魔法剣士が……」

戦士「みんなには俺からちゃんと言っておくさ。付いてきてくれるね?」ナデナデ

僧戦士「……………」ポ-

僧戦士「……うん…わかっ__」
海姫「待って、僧戦士…」

僧戦士「!」
戦士「…」

海姫「…貴方…私達が勇者と会ったら"困る"と言っていたわね」

海姫「つまり、勇者にこの国のことを覚られるのが嫌だったんでしょう?」

戦士「……」

僧戦士「え……それって…」

海姫「…この男も海洋国側の人間ということよ」

僧戦士「!!」

僧戦士「そんな…嘘だよね、お父さん?……お父さん!」

戦士「…………」

戦士「…チッ」プスッ

僧戦士「!?」サッ

僧戦士 (今何か刺された…?っ…眩暈が…)グラリ

戦士「姫様がここにおわせられるとは存じておりませんでした。お久しぶりでございます」

海姫「…生憎だけど、私は貴方を知らない。頭の悪い男ということを除いてはね」

戦士「元からこのような問答は得意でないのです」

戦士「…やはりこちらの方がしっくりくる」ブオン、ブオンッ

海姫 (…あの戦斧、僧戦士のものより大きい。それを片手で…)

戦士「……さて、僧戦士。お前にも来てもらおう。秘密を漏らされると厄介だからな」

僧戦士「…はぁ…はぁ…」ヨロヨロ…

僧戦士「……ッ、はぁ…」スチャ

戦士「…その状態で戦うか。流石は俺の娘だ」

戦士「…だが」ブンッ

僧戦士「くぅ…ッ!」ガキィン

戦士「はッ」ブオンッ

僧戦士「きゃあ!」ドゴォ

ドガシャアァンッ

戦士「流石に相手にならん」

海姫「僧戦士!…っ!コイツ、自分の娘を躊躇いもなく…!」ギロ

戦士「…おや…。姫様、どうやらお時間のようです」

海姫「?何…?」

<いたぞ!海姫様だ!

海姫「!」

ダダダダダッ

兵隊長「姫様、見つけましたぞ!もうお諦め下さい!」

海姫「ッ…!こんな時にッ…!」ギリリ…

兵隊長「!これは戦士殿、お勤めご苦労様であります!後は私共にお任せ下さい!」

戦士「ああ、頼む。二人とも生かして捕らえろ」

兵隊長「は…二人とも、でありますか?」

戦士「そうだ。もう片方には個人的な用がある。やれるな?」

兵隊長「はっ!ご命令とあらば!」

ーーーーーー

兵隊A「…さあ、姫様、今度こそはご同行願います」

海姫「…………」

海姫「一つ条件がある」

兵隊A「…なんなりと」

海姫「あの子を…僧戦士を、治療してあげて…」

僧戦士「……はっ………はっ……」ググ…

兵隊A「…彼女の命は命令により保証されております。ご安心を」

海姫「……そう」

海姫「いいわ…。どこへなりと連れて行って頂戴…」

兵隊A「…失礼致します」

続く

_____________
__________
______

ーーその頃、海洋国の路地裏ーー

ザワザワ…

魔王「__して、この壁はいつ頃壊されたのだ」

青年「小一時間くらい前かなぁ。誰かが兵隊の人達に追われてたみたいでさ」

魔王「ふむ…その逃げた人物の特徴などは分からぬか?」

青年「さあ?俺は居合わせてなかったから何とも」

魔王「…そうか。時間を取らせたな」ザッ、ザッ

老人「おぉ、そこの兄ちゃんちょいと待ちなされ」チョイチョイ

魔王「む…?もしや我のことか」

老人「そうじゃそうじゃ」

魔王「我に何か用か?」

老人「今兄ちゃんが話しておった壁ェ壊した娘さんのことだけんども、わしがし~っかり覚えとるよお」

魔王 (……娘?)

魔王「その話、詳しく聞かせろ」

老人「あんれはウチの孫娘よりも歳若い娘さんじゃったよ」

老人「大きィ斧と海姫様を担いだそれは奇妙な娘さんじゃったのう」

魔王「……何だと!?今なんと言った!」

老人「はんれ、聞こえんかったかのう。じゃからの?あんれはウチの__」

魔王 (よもや僧戦士がこの件に関わっていたとはな)

魔王 (それに姫の方はただの家出とばかり思っていたが…この状況を見るにかなり切羽詰まっているようだな)

魔王 (この一件、我の想像以上に根が深いのやもしれぬ)

老人「けんど、婆さんの若い頃はそれはもう綺麗でのお__」

_____________
__________
______

ーー海洋国の宿屋ーー

魔法剣士「__何ですって!?つまり二人は武力行使された可能性があるってことですか!?」

魔王「そこまでは言っておらぬ。証拠がない以上はあくまで仮定に過ぎん」

女神「で、ですが、もし本当なら一刻も早くお二人を見つけ出さないと…!」アワワ…

魔王「落ち着け。闇雲に探しても恐らく二人は見つからんだろう」

魔法剣士「ではどうすれば!」ガタン

魔王「…落ち着けと言うておる。いつものお前さんらしくないぞ」

魔法剣士「…!俺は、別に……」グッ

女神 (……やはり、僧戦士さんのことが…)

魔王「考えてもみるが良い。軍が僧戦士たちと接触したということは、何らかの情報を持ち帰っているということだ」

女神「…!なら王城に直接向かえば良いということですね!」

魔法剣士「!」

魔王「左様。後手に回らざるを得なくなる点は癪だが、最も確実な方法のはずだ」

魔法剣士「……ッ」

魔法剣士「俺、先に王城に行ってきます!」バタバタ

魔王「…何!?おい、だから落ち着けと…!」

女神「魔王さん、私たちも急ぎましょう!」クイクイッ

魔王「……こやつらは…」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom