ミカサ「私のエレンとアルミン」(156)


ミカサ「エレンとアルミン」


ミカサ「二人は私の幼馴染み」


ミカサ「とても可愛い」

ミカサ「エレンは朝の寝癖が可愛い。私に冷たいと見せかけていつも優しいところが可愛い。割りとすぐ泣くところなんてきゅんきゅんする」

ミカサ「アルミンは顔が可愛い。体力ないけど頑張って訓練してるの可愛い。身長低いからいつも上目遣いで鼻血でそうになる」


ミカサ「私達はいつも3人一緒だった……」


ミカサ「ご飯を食べるのも、お風呂に入るのも、寝るときも一緒だった」


ミカサ「11歳最後の月、お風呂に3人で入ったときアルミンが」


ミカサ「ねえミカサ、やっぱりこういうのって、良くないと思うんだ。ミカサも女の子なんだから、その、僕たちとは体の作りが違うんだし、僕たちは男なんだし、えっ?何してるのミカサそれ以上近づいちゃ駄目だってばぁ!タオルで隠してよぉ!」

ミカサ「と真っ赤になり、その横でミカサお前マフラー外したら?とうんざりしているエレンを見たときなど」

ミカサ「全身が震えた」


ミカサ「一緒に寝るときは、私はとりあえず真ん中を陣取った」


ミカサ「どちらの太股にも顔を埋められるから」

ミカサ「寝相が酷いふりをして二人の体臭を嗅ぐ。幸せ。楽園はそこにあった」

ミカサ「でもエレンの脇をペロペロしてたときアルミンに見つかったのは焦った」


ミカサ「大丈夫、あと5分したらアルミンの脇もチュッチュする予定だったと言ったら」

ミカサ「わけがわからないよ…」

ミカサ「と泣かれた。アルミンの泣き顔はエレンの次に可愛い」


ミカサ「エレンとアルミンは仲良し」

ミカサ「よく二人で分厚い本を見ながら喋っていた」

ミカサ「しかしエレンは中途半端なアウトドア男子なので、途中で飽きてアルミンを他の遊びに誘ってた」


ミカサ「エレンが憲兵団の人達の制服に落書きをし、アルミンが駄目だよやめてよぉと泣くのが定番だった」

ミカサ「その度にグーパンからのパン攻めしなきゃいけない、私の気持ちも解って欲しい」

ミカサ「アルミンはパンは口に入れなくてもいいんじゃない?って言ってたけど」

ミカサ「そんなことはない。必要だから」

ミカサ「なんならアルミンにもパン攻めしたいの、って言おうと思ったけど」

ミカサ「言う前に実行したら思ったより卑猥でエレンと気まずくなってしまったので、もうアルミンにはパン攻めしないと心に誓った」


ミカサ「そんな風に私達はいつも3人一緒だった…」

ミカサ「のに」

ミカサ「訓練生になってからは離ればなれになる時間ができてしまった


ミカサ「男子寮と女子寮。二人は男子寮、私は女子寮」

ミカサ「漢字一文字違うだけなのに何故区別されなくてはいけないのだろう。男も女も最初のおは合ってるんだし一緒でいいと思う」

ミカサ「神に創られたとき人は性別の概念などなかったはずなのに」


ミカサ「この世界は残酷」


ミカサ「訓練生になってから私はどこか淋しい日々を送っていた」

まミカサ「ご飯は一緒に食べるけど、さすがに同期の前でパン攻めはできない。私だって常識は持っている」

ミカサ「何よりパン攻めしたことによりエレンの可愛さとアルミンの卑猥さが、皆に知れ渡るのが怖かった」

ミカサ「……アルミンにはパン攻めしちゃいけないんだった」

ミカサ「その代わりに口元に食べかすを付けたエレンと」

ミカサ「あっ、エレンてばパンくずついてるよ」

ミカサ「えっ?どこだよ?」

ミカサ「ここだよぉ」ペロッ

ミカサ「ミカサ……///」

ミカサ「をしようと思ったのに」

ミカサ「マルコが横から、あははエレン口に付いてるよ~と教えてしまったので失敗に終わった」


ミカサ「何故なのマルコ…私になんの恨みがあるの…」

ミカサ「早く友蔵のところに帰ればいいのに……そう思った」


ミカサ「しかし私はめげない」


ミカサ「エレンが駄目ならアルミン」

ミカサ「でもアルミンは食べ方が綺麗だから、口に何か付いたりはしない」

ミカサ「スプーンですくった自分のスープを口に運ぶふりをして、アルミンの唇に押し付ける手もあったが」

ミカサ「そのとき私はアルミンの向かいに座っていたので、不自然に腕を伸ばしたら頭のいいアルミンは気づいてしまうと思い、実行できなかった」

ミカサ「これはアルミンが体調を崩したときを狙うしかないな、と思った」


ミカサ「一週間後アルミンは風邪を引いて医務室で休むことになった」


ミカサ「エレンの寝相でアルミンは布団を蹴飛ばされていたから、当たり前だと思う」

ミカサ「アルミンはもうエレンは自分のベッドで寝てよね…と弱々しく言っていたようだが」

ミカサ「それはいけない」


ミカサ「大丈夫、エレンの寝相なんて私が直して見せるから、二人はいつも一緒にいて」


ミカサ「風邪を引いたアルミンは食欲が落ちていた」


ミカサ「可哀想なアルミンーーーー」

ミカサ「 おでこにタオル乗っけて、頬を赤らめ、少し涙目になったアルミンちゅっちゅしたい」


ミカサ「本当に辛そうだった」

ミカサ「だから私はスープを食べさせてあげることにした」

ミカサ「優しい塩味のスープをすくい、ベッドから半身を起こしたアルミンの唇へ運び」

ミカサ「慎重に指を動かしスープが唇の端から溢れるように謀る」

ミカサ「透明な液体がアルミンの白い顎を伝っていく」

ミカサ「ん、ごめんねミカサ…。うまく飲み込めなくて…」


ミカサ「いいの、私が拭いてあげればいいことだから、ほんといいから」

ミカサ「私は自分のハンカチをそっと取り出し…」


ミカサ「たが、その前にアルミンの桃色の舌がペロッと動いて、溢れたスープを舐め取った」

ミカサ「私はかたまったーーーー」


ミカサ「舌だけでは舐めきれず、手でも拭い、指に付いたスープをペロペロしているアルミン」

ミカサ「あ、ペロペロしてる指をハンカチで拭けばいいんだ」

ミカサ「私はそっとアルミンの指をハンカチで包んだ」


ミカサ「このハンカチは洗ってはいけないのだ」

ミカサ「そうお告げがあった」


ミカサ「一部始終を見守っていたエレンとまた気まずくなったので、2度とこのハンカチが量産されることはない」

ミカサ「世界にひとつだけのハンカチ」

ミカサ「エレンがくれたマフラーも世界にひとつだけだよ」


ミカサ「そういえばいつも私ばかりが二人の体臭を嗅いでいるので」

ミカサ「二人も私の体臭嗅がないかな、と思った」


ミカサ「しかしいくらなんでも、私の体臭嗅がない?なんて提案は出来ない」

ミカサ「私はエレンのマフラーを利用することにした」

ミカサ「その日は早めにお風呂にはいって、二人を外に呼び出した」

ミカサ「エレンは自由時間を潰されて不機嫌そうだったけど、結局、来てくれて」

ミカサ「なんだよ。用があるなら早く話せよ」

ミカサ「素晴らしいツンデレ」

ミカサ「私がわざと」

ミカサ「えっと…等と口ごもっていると」

ミカサ「不安そうな顔になって、は?なんかあったのか?なんて顔のぞきこんでくるのきゅんきゅんきゅん」

ミカサ「ほんと、エレンに心配かけちゃいけないなって」


ミカサ「思いながら、私はまたくちごもった」

ミカサ「エレンは」

ミカサ「なあ、どうしたんだよ?」

ミカサ「何かあったなら話せよ」

ミカサ「ハッキリしないなんて、お前らしくねえ…」

ミカサ「誰かにいじめられたのか?んな奴ぶっとばせよ!」

ミカサ「…お前が出来ないってんなら、オレが代わりに…」

ミカサ「早トチりかわいいだきしめたいハグハグぎゅっぎゅっ」

ミカサ「アルミンも不安そうな顔をしていた」


ミカサ「そんなこんなで時間を潰し
、時はきた」

ミカサ「くしゅ!」

ミカサ「エレンのくしゃみである」


ミカサ「私はこの時を待っていた。素早く体臭の染み付いたマフラーを外し、エレンの首にかける」

ミカサ「いらねえよ、バカ」

ミカサ「なんて言いながらも顔を赤らめたのは私の香りを感じたってことに違いない」

ミカサ「アルミンも早くくしゃみしてくれないかな……とチラ見すると」

ミカサ「あ、ぼ、僕は大丈夫だよ?寒いから、中で話さない?」


ミカサ「私は帰り道舌打ちした」

ミカサ「何故思考を読まれたのか…アルミンはやっぱりすごい」


ミカサ「そんな風に二人と仲良しな私だから」

ミカサ「二人の交友関係はチェックしなければならない」

ミカサ「だからといって、気にくわない人と仲良くしてても口を出すわけじゃない。影からそっと見守るだけ」

ミカサ「訓練生もそれぞれの班に分かれている」

ミカサ「エレンとアルミンは一緒。なのに私だけ別の班」

ミカサ「何故なのか」

ミカサ「班組みに成績が関わってくるというなら、エレンは駄目でも私とアルミンは一緒の班になれるのではないか」

ミカサ「教官に訴えたところ、応えることは出来ないと言われた」

ミカサ「どうして分かってくれないの?私は二人を守りたいのに…」

ミカサ「私の枯れた心を理解してもらうため、教官に一週間ほどスカルプDのシャンプーの試供品を宛名不明で送り付けたけど、気持ちにも頭皮にも変化はないようだった」

ミカサ「悔しかった。寮のことといい、あのハゲは調子に乗りすぎた……いつか私がしかるべき報いを」


ミカサ「そこで私はエレンたち34班のメンバーに目を付けた」

ミカサ「ミーナ・カロライナ、トーマス、ナッツ、ミリ……」


ミカサ「ミーナ・カロライナと二人の関係を探ることにした」

ミカサ「エレンもアルミンもミーナとは結構仲が良いようで、よく話している姿を見かけた」

ミカサ「でも何故か私が遠くにいるときにばかり話しているので、会話の内容は聞こえない。私はいつも歯軋りをして二人を見守っていた」

ミカサ「ミーナはいい子だと思うけど、もし私がいないところでエレンとアルミンの魅力に気づかれたらどうするの」

ミカサ「きっといつか私が出来なかった」

ミカサ「きゃっ、しりもちついちゃったー」

ミカサ「ったく、何やってんだよお前は」ハァー

ミカサ「ミカサ大丈夫?僕に捕まって」

ミカサ「きゃっきゃウフフ」


ミカサ「をするに違いない。許せなかった」

>>1の嫁のマルコがお風呂入りなって言うから今日はここまで。


ミカサ「ミーナと3人で何の話をしているというの?」

ミカサ「二人の心も体も知り尽くした私がその内容を知れないなんて世の中おかしい」

ミカサ「私は壁の隙間から3人の様子を見守ることにした」


ミカサ「エレンとアルミンはたいてい一緒に行動している」

ミカサ「二人並んで歩く後ろ姿を見るのは至福の時」

ミカサ「風になびくアルミンの金髪」

ミカサ「さらさらさらさら」

ミカサ「そのキューティクルに顔を埋めたいちゅっちゅ」

ミカサ「親友である二人の間に空けられた空間はなんなのか」

ミカサ「パーソナルスペースではない。私の場所に決まっている」

ミカサ「二人の間に飛び込みたい衝動をこらえながら、私はミーナが現れるのを待った」


ミカサ「ミーナにたいして私は疑問に思っていることがある」

ミカサ「ミーナの髪はおさげより低い位置で緩く結ばれているため、日常生活においてかなり重たくて邪魔なはず」

ミカサ「そんなことはどうでもいい」

ミカサ「出現したミーナは大分盛り上がっている様子だった」


ミカサ「夏の新刊の参考にしたいから二人の私生活教えてくれない!?

ミカサ「男子寮で何してんの!?」

ミカサ「とくに夜!!」

ミカサ「ところどころ単語が分からなかったけど、そんな感じのことを聞いていた」

ミカサ「二人が男子寮で何をしているのかは私も知りたい」

ミカサ「いいぞもっとやれ」


ミカサ「は?そんなこと聞いてどうすんだよ?」

ミカサ「話したり、本読んだりだよ」

ミカサ「一緒に寝るかって?」

ミカサ「なんでお前に教えなくちゃいけねえんだよ」

ミカサ「エレンかわいいさすがかわいい」

ミカサ「エレンはああ見えて甘えん坊だから寂しさに負けて未だにアルミンのベッドに潜り込んじゃってるのに」

ミカサ「恥ずかしくて言えない」


ミカサ「アルミンは割りとすぐ赤くなるけど、エレンの赤面はけっこう貴重」

ミカサ「何してるのミーナ」

ミカサ「もっと聞いて」


ミカサ「んとにしつけえな!一緒に寝てるよ!だからなんだよ!?」


ミカサ「って真っ赤になった顔を腕で隠しながら言うまで、聞いてくれないと私が困る」


ミカサ「しかしアルミンが」

ミカサ「プライベートなことは答えにくいよ…ミーナもそういうのあるでしょ?」

ミカサ「と上目遣いで言ってしまったので会話はお開きになった」

ミカサ「アルミンのまんまるの青いお人形さんみたいな目は、私が舐めるためにあると思うの」


ミカサ「ミーナはなぜベストを尽くさないのか」

ミカサ「私はミーナと話をすることにした」


ミカサ「女子寮でミーナは一心不乱になって何かを描いていたわけだけど」

ミカサ「なにそれ?って聞いたら、土下座して謝ってきた」

ミカサ「別に怒ってないから何をしているのか教えて欲しかった」

ミカサ「ミーナは」

ミカサ「夏のイベントでジャンマル新刊出そうと思ったんだけど、ネタ切れしちゃったから本人たちに聞き込みしてたんだよね」

ミカサ「でもジャンに包み隠さず聞いたら泣かれちゃってさぁ」

ミカサ「上にしてんだからいいよねぇ」

ミカサ「まあジャンが駄目だったから、同じような雰囲気のエレンとアルミンに聞いたんだけどさ」

ミカサ「私の想像以上!!」

ミカサ「ご飯もお風呂も一緒ってどういうことなの!?」

ミカサ「そういうことなの!?」


ミカサ「一緒に寝てるよね?絶対一緒に寝てるよね?」

ミカサ「ねえ普段の二人ってどうなの?ミカサから見てどんな感じなの?」


ミカサ「二時間ぐらい続いた」

ミカサ「エレアルとかアルエレとか二人の名前を省略していたけど」

ミカサ「名前もひっくるめてエレンとアルミンなのに」

ミカサ「ミーナはひどい」

ミカサ「ミカエレとかミカアルとか私の名前も省略するし」

ミカサ「おかしい」

ミカサ「何故エレミカ、アルミカではないのか」

ミカサ「私が攻めて何になるというのか」

ミカサ「パン攻めだって攻めているのはパンであって私ではないというのに」

ミカサ「ミーナは何も解ってない」

ミカサ「ミーナの一連の言動は私にある決心をさせた」


ミカサ「特に興奮して転げ回るミーナが放った一言」

ミカサ「絶対チューもしてるよねええ!!」

ミカサ「私は耳を疑った」

ミカサ「エレンとアルミンがちゅっちゅしてる所なんて、見たことがない」

ミカサ「男子寮でしている?」


ミカサ「にわかには信じがたかった」


ミカサ「何故私を混ぜないのか」


ミカサ「二人がちゅっちゅしてるなら、私も二人にちゅっちゅするべきだし、二人も私にちゅっちゅするべきなのに」

ミカサ「エレンとアルミンだけでしているなんて、そんなことは許されない」

ミカサ「ミーナに追い詰められた私には、男子寮に忍び込む道しか残されていなかったのだ」

ミカサ「外が変わらないなら中から変えていけばいい」

ミカサ「男子寮に入ると罰せられるなら、忍び込めばいい」

ミカサ「そんな簡単なことに何故気づかなかったのか」

ミカサ「ごめんねエレンアルミン待ってて」


ミカサ「私は夜中、男子寮に忍び込むことに成功した」


ミカサ「エレンとアルミンに部屋と布団の位置を詳しく聞いておいたので迷わなかった」

ミカサ「アルミンはどこに寝てるとか…聞いてどうするの?とオドオドしていたけど」

ミカサ「一体何を不安に思っているの。アルミンが心配することなんて何もないのに」

ミカサ「アルミンは本当に心配性」

ミカサ「私はアルミンの手をにぎにぎしておいた」

ミカサ「照れて手に汗をかいていたアルミンの手」

ミカサ「お前いつまで握ってんだよ…とエレンに言われるまで握った」


ミカサ「そんな二人は今、すやすや寝息をたてている」


ミカサ「かわいい…」

ミカサ「エレンがアルミンのお腹に抱きついている」

ミカサ「エレンの口から垂れたヨダレ」

ミカサ「唾液、拭いたい」

ミカサ「ハアハアハアハアハアハアハアハアハア」

ミカサ「私と二人は一心同体だから、苦しそうなアルミンの呼吸が乗り移ってしまうのは仕方のないこと」

ミカサ「私は二人の枕元に正座した」

ミカサ「ちゅっちゅし始めたら私も混ぜてもらうの決めたの」


ミカサ「もしくは私から二人にちゅっちゅして、」


ミカサ「おまっ、いきなり何すんだよ!」

ミカサ「ミカサ!女の子がそんなことしちゃ駄目だろ?」

ミカサ「だって私ばかり二人と一緒に寝れなくて、すごく寂しかった」

ミカサ「なに馬鹿なこと言ってんだよ…」

ミカサ「ミカサ…そんな悲しそうな顔をしないで」

ミカサ「ったく、しょうがねえなお前は」

ミカサ「ちゅっ」


ミカサ「このパターンでもいい」

ミカサ「でも寝ている二人が気づくかどうか怪しいので、やっぱり待つべき」

ミカサ「HA YA KU!」


ミカサ「3人の幸せな未来はすぐそこまで来ていた」

ミカサ「そんなとき私は気づいてしまった。マルコがこちらを見ていることに」


ミカサ「薄明かりの中でもよく分かったマルコの顔は必死だった」

ミカサ「大丈夫、私はあなたに用はない。あなたはいい人だから教官にチクらないって信じてる」

ミカサ「そんな思いを込めて見つめ返していたら、マルコはガクッと倒れるように眠りに落ちた」

ミカサ「白目が見えてから、明日の朝目が乾いて大変だと思う」

ミカサ「目蓋を閉じさせてあげても良かったけど、あいにく私は今ちゅっちゅ待ちでエレンとアルミンの傍を離れるわけにはいかない」


ミカサ「HA YA KU!」


ミカサ「しかし一向にエレンとアルミンはちゅっちゅしなかった」

ミカサ「エレンはアルミンのお腹に抱きついているし、体勢的に難しい」


ミカサ「私がこんなに祈っているのに…」

ミカサ「神は私から奪うばかりで、与えてはくれない」


ミカサ「この世界は残酷…」


ミカサ「諦めてはだめ」

ミカサ「戦わなければ勝てない。考えた私は答えを見つけた」

ミカサ「エレンの顔がアルミンのお腹から動かないなら、アルミンのお腹にちゅっちゅすればいい」

ミカサ「私が頭を動かしてあげればエレンもアルミンのお腹にちゅっちゅできるし、一石二鳥」

ミカサ「アルミンには後日お腹をちゅっちゅしてもらおう」

ミカサ「諦めようとしてごめんなさいエレン、私はもう2度と諦めない」


ミカサ「私はアルミンのパジャマを捲った」

ミカサ「露になった白いお腹にそっと触れてみると、その肌は卵のように滑らかだった」

ミカサ「おへその辺りを押してみる」

ミカサ「ん……やめ…エレ……」

ミカサ「アルミンが小さく声をあげた」

ミカサ「私はつばを飲み込み、顔を落としていった」


ミカサ「そしてアルミンのおへそに、唇で触れた」

ミカサ「筋肉があまりついてない。やわらかい。もふもふもふ」

ミカサ「少し体を捩って抵抗するアルミンの脇腹ちゅっちゅ」

ミカサ「石鹸の香りとアルミンの香りが混ざっているくんかくんかくんか」


ミカサ「幸せ…」

ミカサ「さあエレンも、と横を見たらエレンが起きていた」


ミカサ「カルラおばさんに怒られたときのような顔をしていた」

ミカサ「私がかける言葉は1つだった」


ミカサ「わかっているんでしょ?…これが…夢だってこと…」


ミカサ「じゃあ…寝なきゃ駄目でしょ?」


ミカサ「エレンはえ…?と戸惑った様子だったけど、私とアルミンを交互に見て」

ミカサ「そうだよな…ごめんな…」

ミカサ「と言いまた眠った」


ミカサ「辛そうな顔をさせてごめんなさいエレン」

ミカサ「服の上からだけど、私はエレンのお腹にもちゅっちゅしておいた」


ミカサ「翌朝になって気づいた」

ミカサ「エレンのよだれをペロペロしてない」

ミカサ「せっかくエレンが二度寝したのに、お腹にちゅっちゅだけなんて勿体ない」

ミカサ「私は誓った。もう2度と諦めないと」

ミカサ「だからエレンの唾液も諦めない」


ミカサ「エレンはスープの飲み方が雑」

ミカサ「そこで私は食事作法について注意する」

ミカサ「朝からうるせぇな。じゃあ見本見せてみろよ!」

ミカサ「こうだよ」ペロッ

ミカサ「ミカサ……///」


ミカサ「完璧」


ミカサ「早速実行する」

ミカサ「朝からうるせぇな…別にいいだろ。ほっとけよ」

ミカサ「あんだよ?いいよ自分で拭くから!」

ミカサ「具の破片をつけたままムクれるエレンより可愛いものなんてこの世にないと思うの」


ミカサ「順調に計画は進行していた」

ミカサ「しつこく注意されたエレンは見本を見せろとスプーンを置いたのに」

ミカサ「エレンそれいらないんですか?いただきますね!」

ミカサ「サシャ…私はあなたを友達だと思っていたのに…」


ミカサ「やっぱり私にはエレンとアルミンしかいない」

>>1の嫁のマルコがちょっと休みなさいっていうから今日はここまで。


ミカサ「エレンとアルミン」


ミカサ「二人は私の癒し」

ミカサ「二人の助け合っている姿が大好き」

ミカサ「小さい頃エレンはアルミンをいじめっこから守っていた」

ミカサ「アルミンは物知りだったからエレンが分からないことを何でも教えてくれた」


ミカサ「15歳になった今でも変わらないこと」

ミカサ「私は家族として誇りに思う」


ミカサ「みんなで夕飯の支度をしているとき」


ミカサ「芋の皮を分厚く剥いてしまうエレンの手のひら。女性より長くて太めの指」

ミカサ「それに重なるアルミンの白くて骨ばった手のひら」


ミカサ「エレン、それじゃあ実がなくなっちゃうよ。もうちょっとこのくらい…あっやりすぎだってば。……細かい?そんなことないよ!もう、ほらこう…」


ミカサ「なんだよ……しょうがねえだろ、こうなっちまうんだから。細けえな」


ミカサ「その日二人が一緒に剥いたじゃがいもは私の部屋の窓辺で芽吹き小さな花を咲かせている」


ミカサ「私はサシャにエレンの皿をペロペロされたことを思い出していた」

ミカサ「エレンの唾液を間接キスで得るより直接体に染み込ませた方がいいよね、と思った」

ミカサ「間接キスなんてむなしいだけ」

ミカサ「サシャ、あなたはそうやっていつも皿をペロペロしてればいい……舐めてろ」

ミカサ「その皿から得られるのは何もない」


ミカサ「エレン」

ミカサ「ん…?なんだミカサ、お前ぜんぜん剥けてねえじゃ……ん?」

ミカサ「ミカサ!指から血が出てる!」

ミカサ「あーあお前、何やってんだよ」


ミカサ「私のこと心配して青くなってる二人かわいいよぅ」


ミカサ「切っちゃったの……と私がシュンとしているとアルミンがもっと青くなって」

ミカサ「待って、今拭くものを…」

ミカサ「アルミンのポケットから取り出される白いハンカチ」


ミカサ「はい、これで拭いてあげるよ。痛くない?」

ミカサ「絆創膏も貼っておくね……あっ」

ミカサ「ちゅっ」

ミカサ「早く治るおまじないだよ」


ミカサ「このパターンも悪くない」

ミカサ「でも今はエレンの唾液が目的」


ミカサ「エレン」

ミカサ「拭くような傷じゃないの…ほら」


ミカサ「は?……まあ、確かにそうだけど」

ミカサ「指の傷をまじまじと見るエレンのおめめきゅんきゅんきゅん」

ミカサ「舐めておけば治りそうでしょ?と私が言うと」

ミカサ「まあ、治るだろ」


ミカサ「と言って皮剥きを再開してしまった」


ミカサ「エレンは子供の頃からちょっと鈍感でもそこがハアハアハアハアハアハアハアハアハア」


ミカサ「アルミンも私をチラチラ見ながら皮剥きがんばってた」


ミカサ「舐めておけば治りそうでしょ?」


ミカサ「舐めておけば治りそうでしょ?」


ミカサ「舐めておけば治りそうでしょ?」


ミカサ「舐めておけば治りそうでしょ?」


ミカサ「エレンは、だからなんだよ、は?などと言ってどんどん不機嫌になっていったけど」

ミカサ「10回目くらいで」

ミカサ「お、おう……」

ミカサ「頷いてくれた」

ミカサ「エレンはやればできる子なの、知ってた」


ミカサ「でもまだ主旨が理解できていないようで」

ミカサ「じゃあ…舐めればいいんじゃねえの?」



ミカサ「このままモタモタしていては血が乾いてしまう……」


ミカサ「何してるのエレン」


ミカサ「女の子にみなまで言わせるというの」


ミカサ「私とアルミンとあなたは一心同体だったはず」


ミカサ「さあ舐めろ」


ミカサ「芋を剥くのを止めて、顔をひきつらせているエレン」

ミカサ「今にも血が乾きそうで追いつめられた私」

ミカサ「もくもくと皮を剥き続けるアルミン」


ミカサ「そんなとき飛び込んできた横からの声」

ミカサ「ミカサお前血が出てるジャン!」

ミカサ「あっという間に拭かれて綺麗になる私の指」

ミカサ「オレのハンカチ洗ったばっかだから安心していいジャン!」

ミカサ「丁寧に巻かれる絆創膏」

ミカサ「これで完璧ジャン!」



ミカサ「…………………………」

ミカサ「ジャン」


ミカサ「ありがとう」

ミカサ「お礼がいらないなんて…そんなこと言わないで……うん」

ミカサ「……あ」


ミカサ「ミーナが夏の新刊にジャンマル出すんだって?」



ミカサ「ジャンは泣いた」


ミカサ「そんな風に同期とも仲良く過ごしている私たち3人」

ミカサ「訓練生といっても毎日訓練している訳ではなくて休日もある」

ミカサ「休みの日はエレンとアルミン、私で町に出かけるのが定番」


ミカサ「町には色んな人間がいる」

ミカサ「横の路地にちょっと入ると呼び込みがしつこい」

ミカサ「エレンとアルミンはかわいいから、私が他人から守らなければならない」

ミカサ「とくにアルミンは外見と雰囲気でちょろいと思われがち」

ミカサ「怪しい奴が寄ってきやすい」

>>1の嫁のマルコがベッドで待ってるから今日はここまで。

次で終わると思います。


ミカサ「エレンとアルミンは香水を買っていた」

ミカサ「訓練生には汗のにおいを誤魔化すために香水を使う人が結構いる」



ミカサ「香水なんて……」


ミカサ「二人の本来の香りを消してしまう忌まわしき液体」

ミカサ「無用の長物」

ミカサ「汗が気になるなら私がこまめに体の隅々まで拭いてあげるのに…」


ミカサ「でも二人の体から滴り続ける汗を眺めているのも好き」


ミカサ「エレンもアルミンも腕でぐいっと汗を拭ってる姿がとても素敵」

ミカサ「汗になりたい」

ミカサ「しかしさすがに二人の汗になりたいなんて言えないので黙って買い物が終わるのを待った」


ミカサ「買い物を済ませた二人と並んで帰る」

ミカサ「小さい頃はよく3人手を繋いで歩いたけど、今それをやったらエレンが」


ミカサ「3人で手繋いで歩く15歳なんかいねえだろ、よく考えろよ」

ミカサ「と言って顔を背けてしまった」

ミカサ「照れなくていいのに」


ミカサ「なら」

ミカサ「何歳になったら3人で手を繋いで歩けるの」

ミカサ「私はおじいちゃんおばあちゃんになっても、エレンとアルミンと手を繋いでいたい」

ミカサ「エレンは違うの?」

ミカサ「アルミンは私が手を握ってもエレンみたいに払ったりしないけど、握り返してはくれない」

ミカサ「アルミンもエレンと同じように思っているの?」

ミカサ「私だけなのだろうか」

ミカサ「悲しい、とても」

ミカサ「悲しい」


アルミン「ミカサ」

私は自然と下を向いていたようだった。

呼ばれてハッとしてアルミンの方を見た。

アルミン「あのねミカサ…これ、貰って欲しいんだ」

アルミンの手のひらには小さな箱が乗っていた。

エレンがくれたマフラーと同じ色の 箱。緑色のリボンが結われている。

ミカサ「これは」

アルミン「僕とエレンから、君にプレゼント、なんだ……」

私の手に箱を握らせると、アルミンは照れくさそうに笑って頭をかいた。

私はエレンを見た。


エレン「…………………さっさと開けろよ」

真っ赤になっているエレンきゅんモフモフモフモフなどと思っている場合ではない。

私はそっとリボンをほどき、箱を開けた。

中にはネックレスが入っていた。

エレンのマフラーと同じ色の宝石がひとつ、控えめに光っている。

ミカサ「こんな高い物は、貰えない」

アルミン「えっ…あぁ…ごめん…。そんなに高くないんだよ…」

アルミンは苦笑したけれど
アクセサリー類は訓練生にとって簡単に手を伸ばせる物ではない。

だから二人でお金を出し合って買ったのだろう。

ミカサ「私のために大切なお金を使う必要はない」

私は二人が一緒にいてくれるだけで有意義な日々を過ごしている。


ミカサ「私は……二人の家族」

ミカサ「だから、家族のために気を使って……プレゼントは、いらない」

ミカサ「これは、もっと別の人に」

ミカサ「………やるといい」


私は箱のふたを閉じた。

エレン「は?別って誰だよ。デザインが好きじゃなかったんなら…」

ミカサ「そんなことは絶対ない!」

二人が選んでくれた物にケチをつけたい訳じゃない。上手く言えない。

私が言葉を探していると、アルミンが箱の中からネックレスを取り出した。

アルミン「ミカサ。僕達もミカサを家族みたいに思っているよ」

アルミン「大事に思っているんだ」

アルミン「だからね、その……」


アルミン「君以上に大事な女の子はいないから…別の人も、いないんだよ」

私が驚いてアルミンを見つめていると、アルミンは「ね、エレン!」とエレンの後ろに逃げるように移動してしまった。

エレン「アルミン、オレに振るなよ!」

アルミン「いいから付けてあげてよー」

赤くなったアルミンにネックレスを渡されたエレンが、私のマフラーを外して、ネックレスを付けてくれた。

ミカサ「ありがとう……」

泣いてしまいそうだった。

ミカサ「エレン……アルミン……」

二人が私を大事だと言ってくれた。

ミカサ「本当にありがとう…」

それだけで、今まで寮のせいで離ればなれになっていた時間もあのハゲも許せると思った。

私は幸せだった。

いまこの瞬間、世界で一番幸せな人間に違いなかった。

何でもできる気がした。

何でも聞ける気がした。

だから聞いた。


ミカサ「二人が夜な夜なちゅっちゅしてるって本当なの」


二人はそれぞれ、は……?、え……?と声をあげてかたまった。

ミカサ「私は聞いた」

ミカサ「二人が夜な夜なちゅっちゅしている(可能性が高い)と」


ミカサ「なんで私も混ぜないの」

ネックレスを触っていたエレンが私と距離を置いた。

ミカサ「二人がちゅっちゅしているなら、二人も私にするべき」


アルミンがなんだか今にも死にそうな顔色をしている。

よしこれはいける。


アルミン「あのミカサ…?何のことだか…」

ミカサ「二人だけして私は仲間外れ」

ミカサ「私を大事だというなら…仲間外れはよくない」


ミカサ「今、ここで」


ミカサ「私に、ちゅっちゅするべき」


エレン「何言ってんだこいつ……」


ミカサ「訓練生になって、男子寮と女子寮に別れて」

ミカサ「前みたいに一緒に過ごす時間が少なくなって」

ミカサ「私は寂しかった…とても、寂しかった」

ミカサ「私の知らない二人が増える」

ミカサ「二人が私に秘密を作る」

ミカサ「つらかった」

ミカサ「きっとこのまま二人は」

ミカサ「私を置いていってしまうって…」


ミカサ「私は不安で仕方ない…」


私は目を見開いたままのエレン、ではなく、さっきから青ざめているアルミンをじっと見つめた。


アルミン「……や、あの……」

ミカサ「…………………」


アルミン「ただの噂じゃ……」

ミカサ「…………………………」


アルミン「ここ街の中だし……」

ミカサ「……………………………………………」


アルミン「……………………」


アルミン「…………………………………エレン」

エレン「は!?」


アルミン「………しよ?」

エレン「は?…………はぁ!?」



私 は 勝 っ た


.


ミカサ「…………」←目をつむってる


アルミン「ミカサがここまで言うんだ。きっと本当に不安なんだと思う……」

エレン「だからってお前……」

アルミン「キスだけでミカサは不安から解放されるんだ。そのくらいなら……」


アルミンが私の手をぎゅっと握った。汗ばんでいるのが分かる。


そしてそっと、頬に口付けてくれた。

エレン「おい、本気かよ……………」

エレン「……………あ゛ー!もう!」

エレンも空いていた私の手を握って、前髪をなで、額に唇を落とす。

ミカサ「………………」


ミカサ「…………………………」←不満


エレン「……………おい」

アルミン「………ミカサ、終わったよ?」


ミカサ(ちっ……)


ミカサ「ありがとう」

ミカサ「……とても、嬉しい」


ミカサ「ネックレスも、ありがとう」

ミカサ「とても嬉しい」


ミカサ「エレン、アルミン…………私はあなたたちが」



ミカサ「………………だいすき」


アルミン「う、うん!僕達もだよね、エレン?」

エレン「オレに聞くなって!」

ミカサ「…………帰ろう」


私を真ん中にして二人と手を握って、私たちは帰路についた。




エレン、アルミン

これからも一緒にいよう。


辛いことがあっても3人で乗り越えて

3人で大人になろう。


大人になっても、ずっとずっと

一緒にいよう。


本当に大好き。


私のエレンとアルミン。




完。

3人で結婚すればいいんだよ。幸せになればいいんだよ。

>>1の嫁のマルコが夕飯作ってくれたからこれで終わり。

ありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年12月30日 (火) 08:27:45   ID: x60pLSBG

何でエレンとアルミンが同列なんだ?
おかしくない?

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