遊矢「エンタメデュエル…」融合次元編(前編) (217)

遊戯王ARC-VのIFストーリー
遊矢「エンタメデュエル…」
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遊矢「エンタメデュエル…」シンクロ次元編
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遊矢「エンタメデュエル…」エクシーズ次元編
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1470285245
の続き
・今日本編見たら異様に書きたくなったので終わりまで待てずに投稿してしまった
・本編がまだ途中なので、前後編に分ける予定
・遊矢暴走注意(主に後半)
・鬱展開の可能性あり

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1475511122

本編との主な違い
・黒咲さんが戦場で果てていない
・アカデミアに強制送還されてない為、セレナが洗脳されていない
・権現坂と沢渡は置いてきた、はっきり言ってこの戦いにはついていけない(後から来る可能性あり)
・エドはカード化されている為出番はない

アカデミア

カイト「ここが…」

遊矢「ああ、融合次元だ」

黒咲「この何処かに、瑠璃が…」

セレナ「どうする?二手に分かれるか?」

黒咲「必要ない。むしろ取っ捕まえて瑠璃の居場所を吐かせてやる」

遊矢「紫雲院素良も柚子やセレナの事は知らなかった。そこいらの雑魚共が瑠璃の存在を把握しているとも思えないが」

カイト「一番の解決策は、直接親玉を問い詰める事か。ならば話が早い、お前達なら詳しいだろう?プロフェッサーの元へ案内しろ」

セレナ「相変わらずの上から目線か…良かろう、ついて来い」

「居たぞ!」

「柊柚子を逃すな!」

遊矢「っ!?」

セレナ「柚子!?」

「バイクの男も一緒だ!早くしろ!」

遊矢(バイクの男…ユーゴか?ならば、あそこに柚子が…)

遊矢「お前達は先に行け。俺は柚子を!」

セレナ「遊矢!」

黒咲「遊矢がああ言っているなら、俺達はプロフェッサーの元へ向かうぞ」

カイト「必ず後から追いつけ」

遊矢「わかってる。セレナを頼んだぞ!」

セレナ「遊矢…」




明日香「先生、早く!」

遊勝「私は大丈夫だ、君は柚子の側に」

明日香「でも…」

遊勝「赤馬零王の元へは、私一人で向かう。柚子をアカデミアに渡してはならん」

明日香「…わかりました。どうかご無事で」

ユーゴ「馬鹿、離れるなって!」

柚子「大丈夫、自分の身くらい自分で…!」

ユーゴ「いいから!俺は必ずお前を守ってみせるからな!」

デニス「かっこいいねぇ。でもきっとリンって子が聞いたら嫉妬しちゃうよ」

ユーゴ「てめぇ…」

デニス「シンクロ次元ではよくも邪魔をしてくれたね。もしあの時君さえ現れなかったら、遊矢もセレナも僕の手のひらだったんだよ。わかる?」

ユーゴ「ふざけんな!セレナを人質にした挙句、遊矢に無様にやられた奴が!」

デニス「だからそれは君のせいだって。どうする?柚子を素直に渡す気はないのかい?」

ユーゴ「ふざけんなって言ってんだろうが!」ガチャ

デニス「やれやれ…仕方ないねぇ」ガチャ

「待て」

デニス「っ!?」

遊矢「お前の相手は、俺だろ?」

柚子「遊矢!」

ユーゴ「お前――」消える

デニス「いつかは現れると思ってたけど、よりによってこんなタイミングかぁ…セレナは?」

遊矢「お前に言う必要はない」

デニス「冷たいねぇ。何故?」

遊矢「決まってるだろ、アカデミアは全て打ち倒す。それにお前はシンクロ次元でセレナを盾にした。一応聞いておく、退くつもりはないか?前は見逃したが、次はない」

柚子「遊矢…」

デニス「ふぅん…そういう事なら、まあ君からでいいや。こう見えて、僕って結構負けず嫌いなんだよねー」

遊矢「そうか…仕方ないな」ガチャ

デニス「先生がいないのは寂しいけどね」

遊矢「デュエルの前に聞いておこう。エクシーズ次元の瑠璃、シンクロ次元のリンの居場所は知っているか?」

デニス「瑠璃?ああ…確か、黒咲隼の妹だったっけ?」

遊矢「知ってるんだな?」

デニス「まーね。でも君には関係ないじゃん。ここで消えるんだからさ」

遊矢「さあ、どうかな?」

明日香「柚子!」

柚子「明日香さん!」

明日香「デニス…それにユーゴ」

柚子「ユーゴじゃないわ。彼は遊矢、おじさんの息子…」

明日香「先生の!?」

明日香(え?でも、遊矢って…)

デニス「裏切り者も来たようだし、ちゃんと見ててよ?観客が居た方が盛り上がるしね!」

遊矢「デュエル!」
デニス「デュエル!」

遊矢LP4000

デニスLP4000

デニス「先行はもらうよ。僕はスケール3の《Em ミラー・コンダクター》とスケール6の《Emファイヤー・ダンサー》でペンデュラムスケールをセッティング!」

デニス「これでレベル4と5のモンスターが同時に召喚可能!ペンデュラム召喚!」

デニス「レベル4!《Emボール・ライダー》!ATK1000 レベル4!《Emウォーター・ダンサー》!ATK1200」

デニス「僕はレベル4のボール・ライダーとウォーター・ダンサーをオーバーレイ!」

デニス「ショー マスト ゴー オン!天空の奇術師よ、華やかに舞台を駆け巡れ!」

デニス「エクシーズ召喚!」

デニス「現れろ、ランク4!《Emトラピーズ・マジシャン》!ATK2500」

明日香「いきなりのエクシーズ召喚…」

デニス「僕はカードを一枚伏せて、ターンエンド。さあ、今回も派手に行こうよ。あの時とは違う幕引きでさ」

遊矢「俺のターン!」

デニス「ありゃりゃ、華麗にスルーされちゃった。それでも榊遊勝の息子?」

遊矢「俺はスケール3の《相克の魔術師》とスケール5の《慧眼の魔術師》でペンデュラムスケールをセッティング!」

遊矢「慧眼の魔術師のペンデュラム効果により、片方のペンデュラムゾーンに魔術師が存在する時、自身を破壊。デッキから新たな魔術師をペンデュラムゾーンに置く!」

遊矢「デッキからスケール8の《相生の魔術師》をセッティング!これでレベル3から7のモンスターが同時に召喚可能!」

遊矢「揺れろ、魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!」

遊矢「ペンデュラム召喚!出でよ、我がしもべのモンスターたちよ!」

遊矢「エクストラデッキから、《慧眼の魔術師》!ATK1500」

遊矢「手札から、《竜脈の魔術師》!ATK1800」

遊矢「さらに俺は、レベル4の竜脈の魔術師と慧眼の魔術師でオーバーレイ!」

遊矢「漆黒の闇より愚鈍なる力に抗う反逆の牙!今、降臨せよ!」

遊矢「エクシーズ召喚!」

遊矢「現れろ!ランク4!《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》!ATK2500」

遊矢「ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの効果発動!」

遊矢「オーバーレイ・ユニットを二つ使い、相手フィールドに存在するモンスターの攻撃力を半分する。さらにその数値分、ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの攻撃力をアップする!」

遊矢「トリーズン・ディスチャージ!」ATK3750

遊矢「バトルだ!俺はダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンで、トラピーズ・マジシャンを攻撃!」

遊矢「反逆のライトニング・ディスオベイ!」

デニス「うあああぁぁっ!」LP1500

遊矢「俺はカードを一枚伏せて、ターンエンド」

柚子「一気に2500のダメージ…」

明日香(どっちも、ペンデュラムからのエクシーズ…遊矢…間違いない。彼が…)

デニス「怖いなぁ。まあ、それでこそ遊矢だけどさ。本当、先生とは正反対」

明日香「先生…」

遊矢「瑠璃とリンを誘拐したのはユーリ。お前はその件に関わっていたという事か?」

デニス「そうとも言えるね。本当酷いよ、もっと大道芸をしていたかったのに、彼女を見つけちゃったお陰で僕はハンティングゲームのゴーサインを出さなきゃいけなかったんだから」

遊矢「何故瑠璃を狙った?プロフェッサーの目的はなんだ?」

デニス「そんな事まで僕は知らないよ。なんなら会ってみたら?この場で僕を倒して、吐かせてみなよ。できればだけど」

デニス「僕のターン!」

デニス「罠発動!《エクシーズ・リボーン》!」

デニス「このカードは、墓地にあるエクシーズモンスターを特殊召喚する!」

デニス「蘇れ!僕のシンボル、《Emトラピーズ・マジシャン》!ATK2500」

デニス「僕は魔法カード、《エクシーズ・トレジャー》を発動!」

デニス「フィールドにいるエクシーズモンスター1体につきカードをドローする。僕と遊矢の場には一体ずつ。よって二枚をドロー!」

デニス「まだまだドローするよ、エンタメデュエルを盛り上げる為にはもっと多くのカードが必要なんだ。魔法カード、《マジカル・ペンデュラム・ボックス》!」

デニス「デッキからカードを二枚ドローし、それがペンデュラムモンスターだった場合は手札へ、違う場合はそのカードを墓地へ送る」

デニス「あらまびっくり~!二枚共ペンデュラム!」

デニス「って事で僕はペンデュラムスケールで、ペンデュラム召喚!」

デニス「現れろ、《Emウィング・サンドイッチマン》!ATK1800」

デニス「さらに僕は、《Emボーナス・ディーラー》を通常召喚!ATK1000」

デニス「そして僕は手札から、魔法カード、《融合》を発動し、二体のEmを融合する!」

デニス「融合召喚!」

デニス「現れろ、レベル7!《Emトラピーズ・フォース・ウィッチ》!ATK2400

デニス「このカードが存在する限り、自分フィールドのEmはカード効果で破壊されず、相手効果の対象にならない。それに、自分フィールドにこのカード以外のEmが存在する限り、相手はこのカードを攻撃対象にできないんだ」

明日香「なんですって?」

デニス「ミラー・コンダクターのペンデュラム効果!」

デニス「1ターンに1度、フィールドの特殊召喚されたモンスター1体を対象として発動。 そのモンスターの攻撃力・守備力はエンドフェイズまでその攻撃力と守備力の内、低い方の数値と同じになる。僕はダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンを選択!ATK2000」

柚子「ダーク・リベリオンの攻撃力が!」

デニス「まだまだ!トラピーズ・マジシャンのモンスター効果!」

デニス「オーバーレイ・ユニットを1つ取り除き、 このカード以外の攻撃表示モンスター1体に二回攻撃の権利を与える!」

デニス「バトルだ!トラピーズ・フォース・ウィッチで、ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンを攻撃!」

デニス「トラピーズ・フォース・ウィッチの効果により、自分フィールドのEmが戦闘を行う時、相手モンスター1体の攻撃力を600ポイントダウンする!ATK1400」

デニス「さあ、華麗に舞え!トラピーズ・フォース・ウィッチ!」

遊矢「くっ…」LP3000

デニス「さあ、二回目だよ。トラピーズ・フォース・ウィッチで、遊矢にダイレクトアタック!」

遊矢「ぐううぅぅぅっ!」LP600

柚子「遊矢!」

明日香「次の攻撃が決まったら…」

デニス「これにてクライマックス!トラピーズ・マジシャンで、遊矢にダイレクトアタック!」

遊矢「罠発動!《ガード・ブロック》!」

遊矢「この戦闘でのダメージを0にし、デッキからカードを一枚ドロー!」

デニス「なんと!?」

柚子「遊矢…」

デニス「本当、空気読めないんだから。くそぅ、トラピーズ・マジシャンの効果を受けたトラピーズ・フォース・ウィッチはバトルフェイズ終了時に破壊されるのか~」

デニス「あ、いや待てよ。そっか!トラピーズ・フォース・ウィッチはカード効果じゃ破壊できないんだった!」

デニス「良かった良かった。これにてターンエンド」

遊矢「俺のターン!」

遊矢「俺はセッティング済みのペンデュラムスケールで、ペンデュラム召喚!」

遊矢「現れろ、《閃光の騎士》ATK1800《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》!ATK2500 」

遊矢「そして俺は、手札から魔法発動!《オッドアイズ・フュージョン》!」

遊矢「俺が融合するのは、閃光の騎士とオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!」

遊矢「二色の眼輝く龍よ、光の騎士と今一つとなりて新たな命ここに目覚めよ!」

明日香「融合…」

遊矢「融合召喚!」

遊矢「現れ出でよ、気高きまなこ燃ゆる勇猛なる龍!《ブレイブアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》!ATK3000」

柚子「ブレイブアイズ…ペンデュラム・ドラゴン!」

遊矢「これで終わりだ」

デニス「終わりぃ?忘れたのかい?僕のフィールドにトラピーズ・フォース・ウィッチ以外のEmが存在する限り、相手はトラピーズ・フォース・ウィッチを攻撃対象にできない。例えブレイブアイズにどんな効果があろうと、トラピーズ・フォース・ウィッチが存在する限り、僕のEmは効果で破壊されず、相手の効果の対象にならない。無駄だよ」

遊矢「どんな効果があろうと、だな?」

デニス「?」

遊矢「ブレイブアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの効果!」

遊矢「ブレイブアイズが融合召喚に成功した時、相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力は0になる!」

デニス「何!?」

柚子「これはカード効果で破壊する効果でも、対象を取る効果でもないわ」

遊矢「バトルだ!ブレイブアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!」

デニス「くっ…!」

遊矢「消え失せろ、デニス!灼熱のメガフレイムバースト!」

デニス「ぐああああぁぁっ!」LP0


デニス「バカな…この僕が、二度までも…」

明日香(これが、榊遊矢…先生の息子…)

遊矢「終わりだ」ガチャ

明日香「っ!?」

柚子「遊矢!」

遊矢「最後に聞かせてもらおうか。瑠璃とリンはどこに居る?」

デニス「…冥土の土産ってやつか…ま、悪くないかもね」

柚子「駄目、遊矢!言ったでしょう?そんな事をしたら…!」

デニス「いいんだよ、柚子」

柚子「デニス!」

デニス「裏切り者とはいえ、元はアカデミアのよしみだ、少しだけ教えてあげるよ」

デニス「瑠璃は西の塔、リンは東の塔に居る。僕が教えられるのはこれくらいかな」

柚子「東と西の塔?」

遊矢「そうか…まあいい。後は自分で探す」

デニス「それじゃあ、僕はそろそろお役ごめんかな?」

遊矢「ああ」ピッ

デニス「やれやれ…血も涙もないんだから――」カードにされる

柚子「デニ、ス…」

明日香「どうして、こんな…」

遊矢「…その制服、お前もアカデミアか?」

柚子「待って遊矢!明日香さんは敵じゃないわ!」

遊矢「明日香さん?」

明日香「…私は天上院明日香。すぐに船を出すわ、詳しい話はそこで」


プロフェッサー「そうか…ついに来たか」

サンダース『プロフェッサー、ご安心ください。榊遊矢もセレナも、この私が責任を持って…」

プロフェッサー『いいや、その必要はない。君達は、他のランサーズの動きにだけ集中していろ』

サンダース『しかし、プロフェッサー!』

プロフェッサー「遊矢だけには、何があっても手を出すな。これは命令だ」

サンダース『り、了解致しました…』

ドクトル「うふふふふふ…となれば、ここは私の出番。早くも面白い事になって来ましたなぁ」

プロフェッサー「………」

黒咲「瑠璃が!?」

黒咲「…そうか、わかった」

セレナ「遊矢からか?」

黒咲「奴が聞き出した情報によれば、瑠璃は西の塔に居る。遊矢はこのまま赤馬零王の元へ向かうと言っていたが」

カイト「仕事の早い奴だ…行くのか?」

黒咲「当たり前だ。瑠璃を必ず救い出す…俺にとって、アカデミアを殲滅する一番の目的」

セレナ「リンはどうする?お前が行くのか?」

カイト「それでもいいが、アカデミアに狙われてるお前を一人にはできん。どっちにしても、お前は俺か隼のどちらかと行動するべきだ」

「ならば、君はリンの救出に向かえ。セレナは我々と行く」

カイト「何?」

セレナ「お前達…」

素良「やっぱりここに居たんだね、随分と探すのに苦労したよ」

月影「しかし、無事で何より」

零羅「うん、良かった…」

カイト「こいつらは?」

黒咲「ランサーズ、俺の仲間だ」

零児「アカデミアを壊滅に追い込むには、赤馬零王を倒すのが一番早い。とはいえ、囚われたリンと瑠璃を放っておくわけにもいかん」

カイト「わかった。リンは俺に任せろ。行くぞ、隼」

黒咲「ああ」

月影「零児殿、こっちも」

零児「うむ、ひとまずは遊矢と合流するのが先決か」

「残念だけど、君達は二度と遊矢に会う事はない」

セレナ「っ!?」

ユーリ「何故なら、これから僕がまとめてやっつけちゃうからね」

セレナ(遊矢…?いや、違う。こいつは…!)

零羅「遊矢?」

零児「遊矢ではない。おそらく、彼はユーリ。アカデミアの刺客だ」

ユーリ「やっと会えたね。さあ、一緒に来てもらうよ、お姫様」

セレナ「貴様…」

月影「先に行け、ここは拙者が!」

ユーリ「さあ、それはどうかな、と!」シュッ

セレナ「な!?」ガチャ

素良「これは!?」

ユーリ「デュエルアンカーさ。これでデュエルの決着がつくまで、僕達が離れる事はできないよ。便利でしょう?僕の手作りなんだ」

セレナ「なんだと?」

月影「くっ…よりによってセレナ殿が」

素良「なら、君を倒して無理にでも外すしかないって事だね?」

ユーリ「まあ理論上はそうなるかなぁ。やる気?」

セレナ「仕方ないな」

素良「ここは僕が引き受ける。零児達はプロフェッサーの元へ」

零児「………」

零羅「兄様…」

素良「早く!」

月影「すまぬ、拙者の失態を」

セレナ「私とて簡単にはやられん。早く行け」

零児「ここは任せる」


ユーリ「あーあー、行っちゃった。でもまあいいや、とりあえず彼女を連れて帰れれば」

素良「残念だけど、君にセレナは渡さない。さっさと勝ってこの変なアンカーを外してもらうよ」

ユーリ「変はないでしょ変は、で?どっちからやる?連戦は面倒だし、僕としては二人いっぺんがいいんだけど」

セレナ「なんだと?」

素良「心配しなくても、君は一度で終わる。僕の手によってね」

ユーリ「ふ~ん、言うじゃない。じゃあ早速始めようか」

素良「デュエル!」
ユーリ「デュエル!」

もう寝るんでデュエルは明日書きます。
ちなみにユーリには本来のデッキ使って欲しい?
アニメでは省略されてたし、優等生デッキで戦わせるのもありか?

素良LP4000

ユーリLP4000

ユーリ「僕からいくよ。手札から、《捕食植物モーレイ・ネペンテス》を召喚!ATK1600」

ユーリ「そしてカードを一枚伏せて、ターンエンド。さあ、君の番だよ。さっさと終わらせて次に行きたいから早くしてね」

素良「馬鹿にして…僕のターン!」

素良「僕は《ファーニマル・マウス》を召喚!ATK100 」

素良「ファーニマル・マウスの効果により、デッキから新たなファーニマル・マウスを二体まで特殊召喚する!」

素良「魔法カード、《融合》!」

素良「場のファーニマル・マウス三体と手札の《エッジインプ・シザー》を融合する!」

素良「融合召喚!」

素良「現れ出ちゃえ、《デストーイ・シザー・ウルフ》!ATK2000」

素良「バトルだ!デストーイ・シザー・ウルフで、モーレイ・ネペンテスを攻撃!」

ユーリ「くっ…」LP3600

ユーリ「ふぅん、流石は特進クラスに派遣されただけはあるね。大したもんだ」

素良「大きな口もそこまでだ。すでにこのデュエル、君の勝ちはない!」

ユーリ「?」

素良「デストーイ・シザー・ウルフのモンスター効果!」

素良「シザー・ウルフは融合素材としたモンスターの数だけ攻撃ができる!」

ユーリ「なんだって!?」

セレナ「融合素材としたモンスターの数だけ!?」

ユーリ「という事は…!」

素良「そう…シザー・ウルフが素材としたモンスターは四体。よって僕にはまだ三回攻撃の権利がある」

ユーリ「そ、そんな…」

素良「攻撃再開!デストーイ・シザー・ウルフで、ダイレクトアタック!」

ユーリ「うわああぁぁ…来るなぁぁぁ!!」

セレナ「決まった!」

ユーリ「なぁんてね。罠カード、《和睦の使者》を発動!」

ユーリ「このターン、相手モンスターから受ける全ての戦闘ダメージは0になり、 自分フィールドのモンスターは戦闘で破壊されない!」

素良「な!?」

セレナ「破壊を無効にして、ダメージを0にする罠!?」

ユーリ「危なかったよ、もうちょっとでワンキルされるとこだったし」

素良「お前…!」

ユーリ「どうしたの、そんな怖い顔しちゃって。終わりなら早くターンエンドしなよ。言っただろう?さっさと終わらせて次に行きたいんだよ」

素良(あんなカードをセットしてたなら、シザー・ウルフでモーレイ・ネペンテスを破壊されるのだって防げたはず…!)

ユーリ「ほら、はやーくはやーく」

素良「…僕はカードを一枚伏せて、ターンエンド」

ユーリ「僕のターン!」

ユーリ「僕は手札から永続魔法、《プレデター・プランター》を発動!」

ユーリ「これにより1ターンに1度、僕は手札・墓地からレベル4以下の捕食植物1体を特殊召喚する!」

ユーリ「甦れ、《捕食植物モーレイ・ネペンテス》!ATK1600」

ユーリ「さらに僕は、《捕食植物フライ・ヘル》を召喚!ATK400」

ユーリ「フライ・ヘルは1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体に捕食カウンターを1つ置く」

素良「捕食カウンター?」

ユーリ「魔法カード、《置換融合》を発動!」

ユーリ「この効果により、フィールドのモーレイ・ネペンテスとフライ・ヘルを融合する!」

ユーリ「融合召喚!」

ユーリ「出でよ、レベル7!《捕食植物キメラフレシア》!ATK2500」

ユーリ「キメラフレシアの効果発動!」

ユーリ「1ターンに1度、このカードのレベル以下のレベルを持つモンスター1体を除外する!」

素良「除外だって!?」

ユーリ「当然僕が選ぶのは、デストーイ・シザー・ウルフ!」

素良「くっ…!」

ユーリ「うん、通った通った。お次はバトルだ!」

ユーリ「僕は捕食植物キメラフレシアで、ダイレクトアタック!」

素良「うわあああぁぁっ!」LP1500

ユーリ「僕はこれでターンエンド」

素良「ぐっ…」

ユーリ「ほらほら、ターンエンドだってば。何度も言わせないでよね、はやーく」

素良「…僕のターン!」

素良「僕は、《ファーニマル・ドッグ》を召喚!ATK1700」

素良「このカードが手札からの召喚・特殊召喚に成功した時、デッキから《エッジインプ・シザー》またはファーニマルモンスター1体を手札に加える」

素良「そして魔法カード、《融合》を発動!」

素良「場のファーニマル・ドッグと手札に加えた《エッジインプ・シザー》を融合!」

素良「融合召喚!」

素良「現れ出ちゃえ、すべてを引き裂く密林の魔獣!《デストーイ・シザー・タイガー》!ATK1900」

素良「シザー・タイガーが融合召喚に成功した時、素材としたモンスターの数だけフィールドのカードを破壊する!僕が素材としたモンスターは二体!やれ、デストーイ・シザー・タイガー!」

セレナ「これで奴のフィールドはガラ空き!」

ユーリ「すごいすごーい!あの状況からここまでやるなんて!」

ユーリ「そんな君をこれからカードに出来るなんて、次のターンが楽しみだなぁ」

素良「っ…シザー・タイガーの効果により、デストーイモンスターの攻撃力はファーニマル及びデストーイの数×300ポイントアップする!ATK2200」

素良「バトルだ!デストーイ・シザー・タイガーで、ダイレクトアタック!」

ユーリ「ぐっ…!」LP1400

素良「僕はこれでターンエンド」

セレナ(奴のフィールドは丸裸同然。ライフも、僅かだが紫雲院素良が有利だ。だが…)

ユーリ「僕のターン!」

ユーリ「このスタンバイフェイズ、キメラフレシアの効果発動!」

ユーリ「このカードが墓地へ送られた次のスタンバイフェイズ、 デッキから融合またはフュージョンカード一枚を手札に加える!」

ユーリ「僕は墓地の置換融合の効果発動!」

ユーリ「このカードを除外し、墓地の融合モンスター1体をエクストラデッキに戻し、デッキから一枚ドローする!」

ユーリ「そしてさらに、《捕食植物スキッド・ドロセーラ》を召喚!ATK800」

ユーリ「さあ、準暇は整った。そろそろ行こうか」

素良「っ…」

ユーリ「僕は手札を一枚墓地に送り、速攻魔法、《超融合》を発動!」

セレナ「な!?」

素良「超、融合!?」

ユーリ「自分・相手フィールドから融合モンスターカードによって決められたモンスターを墓地に送り、融合召喚を可能にする!」

セレナ「相手フィールドのモンスターを融合素材に使うだと!?」

ユーリ「うん。君の場のデストーイ・シザー・タイガー、使わせてもらうよ」

素良「させるか!速攻魔法、《禁じられた聖槍》発動!」

素良「フィールド上に存在するモンスター1体を選択し、そのモンスターの攻撃力を800ポイントダウンさせることで、このターン、このカード以外の魔法・罠カードの効果を受けない!これで…」

ユーリ「無駄だよ。超融合の発動に対し、全ての効果は発動できない」

素良「なん…だって…!?」

ユーリ「ふふ…さあ、処刑の時間だ!」

ユーリ「悪魔宿りし非情の玩具よ、美しき花とひとつとなりて、その花弁の奥の地獄から、新たな脅威を生み出せ!」

ユーリ「融合召喚!」

ユーリ「現れろ!飢えた牙持つ毒龍、レベル8!《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》!ATK2800」

セレナ「スターヴ・ヴェノム…」

素良「フュージョン・ドラゴン…!」

ユーリ「終わりだね。バトルだ!スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンで、ダイレクトアタック!」

素良「うわあああぁぁっ!」LP0

セレナ「あっ…」

素良「くっそっ…!」

ユーリ「ありがとう、紫雲院素良。君のお陰でまた僕は夢に近づけたよ」

ユーリ「世界中の、全ての人をカードにする。そうする事で、最強になるって夢がね」ガチャ

セレナ(最強…!)

ユーリ「はははは……あはははははは!」ピッ

素良(ごめん、柚子…僕は――)カードにされる

本編では助かった?素良君カード化されました…ファンの人ごめんなさい。
ユーリ連戦になるけど、セレナとユーリのデュエル見たいですか?

対戦カードとしてはいいんだけど、確かに種類少ないですよねww
遊矢暴走させるなら、本編通り洗脳セレナと戦わせるのがいいかなぁ。逆鱗遊矢にドクトル潰してもらいたくて書いたようなもんだし…
やっぱりユーリのカードもっと判明してから始めた方が良かったかも…


ユーリ「さて、次は…」

セレナ「っ…」

ユーリ「可愛いねぇ、ビクビクしちゃって。怖かったら遊矢に助けに来てもらえば?」

セレナ「…私を、見くびるな!」ガチャ

ユーリ「うんうん、そういうとこもよく似てるよ。瑠璃やリンに」

ユーリ「君がアカデミアに連れ去られたとなれば、遊矢はさぞ無念だろうしね。楽しみだなぁ」

セレナ「遊矢が出るまでもない。お前は私が始末する!」

ユーリ「デュエル!」
セレナ「デュエル!」

明日香「そう…遊矢、あなたが先生の息子だったのね」

柚子「明日香さん、遊矢を知ってるの?」

明日香「噂だけね。アカデミアの中でも融合だけでなく…シンクロ、エクシーズ…それに未知の召喚方を使う者が居ると。それがペンデュラム召喚」

遊矢「つまり君も、俺達と同じ…アカデミアへの反逆者と思っていいんだな?」

明日香「以前は私もアカデミアは正しいと思ってた。でも本当の事を知った今、誰もカードになんてさせないわ」

遊矢「そうか、悪かった」

明日香「そう、誰も…遊勝塾の生徒も、アカデミアも…」

明日香「遊矢、あなたにもよ」

遊矢「………」

柚子「明日香さん…」

明日香「アカデミアは理想郷を創るべく、エクシーズ次元を攻撃した。子供も大人も大勢の人間を目の前で消し、街を破壊した」

遊矢「何を今更」

明日香「本当のデュエルは、勝った者も負けた者も、見ている人全員が笑顔にする力がある。あなたのお父さん…先生はそう教えてくれたわ」

遊矢「だから?」

明日香「わかってるんでしょう?あなたは今、アカデミアと同じことをしてるのよ」

遊矢「だろうな」

柚子「っ!?」

明日香「だろうなって…」

遊矢「君の言いたい事はわかる。やられたからやり返すだけの、憎しみをぶつけ合うだけじゃ本当の意味で戦争を終わらす事はできない。そうだろう?」

明日香「ええ…」

遊矢「もちろんその考えが間違っていると言うつもりはない。君達は君達で改心させるなり好きにしてくれ」

遊矢「だが、俺は俺のやり方で次元戦争を止める。自分達の考えを押しつけるのはやめてもらおうか」

明日香「押しつけ…!」

柚子「遊矢…」

ヴゥーッ… ヴゥーッ… ヴゥーッ…

遊矢「…?俺だ」ピッ

零児『遊矢か?私だ』

遊矢「零児…?アカデミアに来ていたのか」

柚子「赤馬零児!?」

零児『時間がない、要点だけ言う。セレナがアカデミアのユーリに襲撃を受けた』

遊矢「セレナが、ユーリにっ?」

柚子「セレナ?ユーリ?」

零児『今君の居る場所は?』

遊矢「港から少し行ったところだ。セレナは?」

零児『ならばそう遠くない。ユーリは紫雲院素良が足止めしている。可能なら、船乗り場まで戻れ。赤馬零王とは、私が』

遊矢「わかった!」

柚子「どういうこと?セレナが、ユーリっ?」

遊矢「悪いが急用ができた。俺は行く」

明日香「何があったの?」

遊矢「訳は後で話す。来い、オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン!」

柚子「ちょっと、遊矢!」

遊矢「すぐに戻る。柚子は頼んだぞ!」オベリオンに乗る

明日香「遊矢!」


東の塔

カイト(東の塔…ここにリンが…)

ユーゴ「ん……ぐぅ……」

カイト「っ!?遊矢、何故ここに!?」

ユーゴ「誰が遊矢だ!俺はユーゴ――てぇ!」

カイト「ユーゴ?」

カイト(そうか、ならばこいつが…)

ユーゴ「誰なんだお前は、まさかアカデミアか!?てめぇがリンをあんな風に!」

カイト「俺はカイト、遊矢の仲間だ」

ユーゴ「遊矢の!?じゃあ…」

カイト「一体何があった?あんな風とはどういう事だ?」

ユーゴ「あいつは、変わっちまった…助け出した俺を…」

カイト「変わっただと?」

西の塔

黒咲「バトルだ!エトランゼ・ファルコン!黒咲瑠璃にダイレクトアタック!」

瑠璃「きゃああああぁぁっ!」LP0

黒咲「瑠璃っ!」

瑠璃「兄、さん…」

黒咲「もう大丈夫だ、瑠璃…これからは、俺がお前を…」

瑠璃「ただいま、兄さん…」




ドクトル「うふふふふふ…これは中々面白いデータが取れましたぞ!まだまだ解析の余地はある!」

ドクトル「この力とクイーンがあれば、榊遊矢も私の意のまま…うふふふふふ」

セレナ「…………」

船乗り場

遊矢「セレナ!」

セレナ「…?遊矢…」

遊矢「良かった、無事だったんだな。ユーリはどうした?」

セレナ「ユーリは…」

遊矢「?」

ユーリ「僕ならここに居るよ」

遊矢「何?」

ユーリ「やっほー、久しぶりー遊矢」

遊矢(ユーリ?一体どういう事だ?何故奴が…)

セレナ「遊矢、デュエルだ。この私が、お前をカードにしてやる」ガチャ

遊矢「っ!?」

遊矢「俺を、カードに…」

ユーリ「ぷっww」

遊矢「貴様、セレナに何をしたっ?」

ユーリ「別に何も?僕はただプロフェッサーにセレナを送り届けただけだよ」

遊矢「セレナを、送り届けた?」

ユーリ「そういう事。んじゃあセレナ、後は任せたよ」

遊矢「おい、待て!どういう…」

セレナ「お前が来ないのなら、こちらから行く」

遊矢「セレナ…!」

セレナ「私は魔法カード、《融合》を発動!」

セレナ「融合するのは、《月光蒼猫(ムーンライト・ブルー・キャット)》と《月光黒羊(ムーンライト・ブラック・シープ)》!」

セレナ「融合召喚!」

セレナ「現れ出でよ!月明かりに舞い踊る美しき野獣!《月光舞猫姫(ムーンライト・キャット・ダンサー)》!ATK2400」

セレナ「ブラック・シープを融合素材とした事で、墓地のムーンライトモンスター1体を手札に加える。私はブルー・キャットを手札に戻す」

セレナ「私はこれでターンエンド」

遊矢「くそ…」

遊矢(やるしかないか…)

遊矢LP4000

セレナLP4000

遊矢「俺のターン!」

遊矢「俺はスケール3の《相克の魔術師》とスケール8の《竜穴の魔術師》でペンデュラムセッティング!これでレベル3から7のモンスターが同時に召喚可能!」

遊矢「ペンデュラム召喚!出でよ、我がしもべのモンスターよ!」

遊矢「雄々しくも美しく輝く二色のまなこ!《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》ATK2500」

セレナ「早速エースモンスターのお出ましか…」

遊矢「バトルだ!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンで、ムーンライト・キャット・ダンサーを攻撃!」

セレナ「ムーンライト・キャット・ダンサーはバトルでは破壊されない。お前が知らないはずがないだろう」

遊矢「だが戦闘ダメージは受ける。そしてオッドアイズの効果により、そのダメージは倍!」

セレナ「ぐっ…」LP3800

遊矢「俺はカードを一枚伏せて、ターンエンド」

遊矢(待っていろセレナ、必ず俺が…)

セレナ「私のターン!」

セレナ「私はキャット・ダンサーを守備表示に変更!DEF2000」

セレナ「そしてカードを一枚伏せて、ターンエンド」

遊矢(守備重視…いつものセレナらしくない。俺の動揺を狙う作戦か?だとすれば、生温いにも程があるが)

遊矢「俺のターン!」

遊矢(とはいえ、セレナを操っているものの正体を掴めないままデュエルを終わらす訳にはいかない。ここは…)

遊矢「俺はこれでターンエンド」

セレナ「何もせずターンエンドか…どんな相手であろうと差別せず、全力で立ち向かう。それこそがお前のデュエルではなかったのか?」

遊矢「…お前のターンだ」

セレナ「ふん…私のターン!」

セレナ「私は魔法カード、《おろかな埋葬》を発動!」

セレナ「これにより、私はデッキから《パラサイト・フュージョナー》1体を墓地に送る」

遊矢「パラサイト・フュージョナーだと?」

セレナ「罠発動!《強化寄生(パワー・パラサイト)》!」

セレナ「墓地のパラサイト・フュージョナー1体を攻撃力を装備カード扱いとして対象のモンスターに装備する!私はキャット・ダンサーを選択!

セレナ「対象モンスターの攻撃力は300ポイント上がり、パラサイト・フュージョナーを装備したモンスターが戦闘・効果で破壊される場合、 代わりにこのカードを破壊する」

遊矢(フュージョナー…虫…まさかあれが…)

セレナ「さらに私は、二体目の《パラサイト・フュージョナー》を通常召喚!ATK0」

セレナ「永続魔法、《寄生工場》を発動!」

セレナ「パラサイト・フュージョナーを装備したモンスター1体と自分フィールドのパラサイト・フュージョナーを墓地へ送り、 《パラサイト女王(クイーン)》1体を融合召喚する!」

セレナ「融合召喚!」

セレナ「レベル8!《パラサイト女王(クイーン)》!ATK1800」



遊矢「これは…」

セレナ「その後、墓地へ送ったパラサイト・フュージョナーを装備カード扱いとして融合召喚したモンスターに装備する。そしてパラサイトクイーンの攻撃力は、フィールドのパラサイト・フュージョナーの数×300アップする!」

セレナ「さらに、このカードが相手モンスターに攻撃されたダメージ計算時、装備されたパラサイト・フュージョナー1枚を相手モンスターに移し替える。それだけではない。パラサイト・フュージョナーを装備しているこのカード以外のフィールドのモンスターの攻撃力は、 装備しているフュージョナーの数×800ポイントダウンする!

遊矢「そういう事か…」

セレナ「私はターンエンド」

遊矢(これだけだと?パラサイト・フュージョナー、クイーン…そんなものはかつてのセレナのデッキにはなかった。ならばあれを破壊すれば…だが、まるで手ごたえを感じられない。何故自らのデッキを弱体化させるような真似を…)

黒咲「無駄だ、遊矢」

遊矢「…?黒咲」

黒咲「奴の洗脳を解くには、パラサイトモンスターを操っているデュエリストを直接倒すしかない」

遊矢「どういう事だ?」

『うふふふふ…その通り』

黒咲「っ!?」

ドクトル『初めまして榊遊矢君、私がアカデミアの天才科学者、ドクトル』

遊矢「ドクトル?」

ドクトル『もっとも、私が君に会うのは二回目ですがね』

黒咲「っ…瑠璃を操っていたのは貴様か!?」

ドクトル『おや、怖い怖い。瑠璃だけではない。リンもセレナも、時期に柊柚子も今や私のパラサイトモンスターの虜』

遊矢「…リンまでも。なら、今すぐセレナを解放してもらおうか」

ドクトル『その必要はない。何故なら君はそこで朽ち果てるのだから』

遊矢「朽ち果てる…随分と舐められたもんだな、こんな虫で俺を止められると?」

ドクトル『確かに、クイーンでは無理だが…』

遊矢「?」

ドクトル『言ったはずだよ、私が君に会うのは二回目だと』

遊矢「ぐっ!?」ピキッ

黒咲「っ!?」

見ろよ、卑怯者の息子が歩いてるぜ

あいつ、スタジアムにも来てたよな?

ああ、父さんの代わりに俺が戦うなんて言っちゃってさぁww

うはwwマジ笑えるww

遊矢「っ!?」

遊矢(なんだ、今のは…!?)

ドクトル『少しは見えたかい?自分の過去が…』

遊矢「過去だと…?」

ドクトル『そうだ。君がスタンダードでどんな仕打ちを受けて来たのか、なんの為に戦って来たのか。よぉく思い出してごらん』

遊矢「何を――ぐああぁっ!」

黒咲「遊矢!」

セレナ「ふふふ…」




ドクトル「うふふふふふ!!いい、実にいいですぞプロフェッサー!榊遊矢さえ我が元に戻ってくれば、ランサーズなどもはや敵ではない。アークエリア・プロジェクトは私の手により完成だ!」

プロフェッサー「うむ…だがやり過ぎるな」

プロフェッサー(私が君を育成したのも、全てはあの力を抑え込む為。乗り越えられるか?悪魔を)

遊矢「ぐあっ…あああぁぁっ!」

ドクトル『さあ、思い出すがいい!君の記憶を、全てを!」

黒咲「遊矢…!」

私の事はプロフェッサーと呼んでくれればいい。率直に聞こう、私と一緒に来る気はないか?

残念ながら、誰も君や榊遊勝を認める事はないだろう。むしろ、状況は今よりも悪くなる

ならばどうすればいいか。簡単だ、勝利を手にすればいい

勝者が発すればこそ、皆耳を貸す。我がアカデミアに来ればそれを実現できる

どうする? 選ぶのは君だ」

…勝利

(見ろよ、遊矢だ)

(やっぱり臆病者の息子だぜ。いつもへなへなしてやがる)

(おい、少しやっちまおうぜ?)

…分かった。それでこの苦しみがなくなるなら…

俺を、俺を強くして下さい!

遊矢「ぐっ…」

黒咲「遊矢…」

遊矢「父……さ、ん……」

ドクトル『父さん?どうやら、全てを思い出したようだ』

遊矢「ああ……」

ドクトル『さあ、この私に忠誠を誓え!榊遊矢!』

遊矢「っ!」ピキッ

セレナ「ふふ…これでお前も我らの仲間」

黒咲「仲間…ふざけるな!遊矢!立て、遊矢!遊矢ー!」

遊矢「………」ニヤッ

セレナ「っ…」

遊矢「……誰に…」

逆鱗遊矢「誰にものを言ってる、小娘」ギロッ

セレナ「!?」


ドクトル「何故だ!?何故洗脳されない!?」

プロフェッサー「………」



逆鱗遊矢「俺のターンッ!!」

逆鱗遊矢「竜穴の魔術師のペンデュラム効果発動!」

逆鱗遊矢「もう片方のペンデュラムゾーンに魔術師が存在する時、手札のペンデュラムモンスター1枚を捨てる事で、フィールドの魔法・罠カード一枚を破壊する!」

逆鱗遊矢「俺は手札の《時読みの魔術師》をコストに、寄生工場を破壊!」

セレナ「くっ…」

逆鱗遊矢「今一度揺れろ、魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!」

逆鱗遊矢「ペンデュラム召喚!出でよ、我が僕(しもべ)のモンスターたちよ!」

逆鱗遊矢「《霞の谷の巨神鳥》!ATK2700 《竜穴の魔術師》!ATK900

逆鱗遊矢「俺はレベル7の霞の谷の巨神鳥と竜穴の魔術師でオーバーレイ!」

逆鱗遊矢「エクシーズ召喚!」

逆鱗遊矢「出でよ、ランク7!《オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン》!ATK2800」

セレナ「ふん…だがそれでは私のライフは削り切れまい」

逆鱗遊矢「相克の魔術師のペンデュラム効果!」

逆鱗遊矢「1ターンに1度、選択したエクシーズモンスターと同じ数値のレベルをそのモンスター与える!」

逆鱗遊矢「俺はランク7のオッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンのレベルを7にする!」

黒咲「これは…」

セレナ「来るか…」

逆鱗遊矢「俺はレベル7のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンとアブソリュート・ドラゴンでオーバーレイ!」

逆鱗遊矢「二色の眼の竜よ。深き闇より蘇り、怒りの炎で地上の全てを焼き払え!」

逆鱗遊矢「エクシーズ召喚!」

逆鱗遊矢「いでよ、ランク7!災い呼ぶ烈火の竜、《覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン》!ATK3000」

黒咲「オッドアイズ…レイジング・ドラゴン!」

セレナ「なんだ、これは…!お前のデッキにそんなカードは!」

逆鱗遊矢「オッドアイズ・レイジング・ドラゴンのモンスター効果!」

逆鱗遊矢「オーバーレイ・ユニットを一つ使い、相手フィールドのカードを全て破壊し、 ターン終了時まで、攻撃力を破壊したカードの数×200ポイントアップする!」

セレナ「な!?」

黒咲「相手の場のカードを全て破壊!?」

逆鱗遊矢「破壊するカードは一枚。よって、オッドアイズ・レイジング・ドラゴンの攻撃力は200ポイントアップ!ATK3200」

セレナ「そんな…パラサイトクイーンが…」

逆鱗遊矢「バトルだ!オッドアイズ・レイジング・ドラゴンで、ダイレクトアタック!」

逆鱗遊矢「憤激のデストラクションバースト!」

セレナ「うわああああぁぁっ!」LP800

セレナ「ぐはっ」倒れ込む

黒咲「な…」

セレナ「……確かに大したモンスターだ…だが結果的に、私のライフは削り取れなかったな…」

逆鱗遊矢「………」ニヤッ

セレナ「ひっ!」

黒咲(遊矢が、笑っている…?)

逆鱗遊矢「エクシーズモンスターを素材としてエクシーズ召喚したオッドアイズ・レイジング・ドラゴンは、1度のバトルで2回の攻撃できる!」

逆鱗遊矢「トドメだ!やれ、オッドアイズ・レイジング・ドラゴン!憤激のデストラクションバースト!」

セレナ「うわああああぁぁっ!」LP0

逆鱗遊矢「はぁ……はぁ……はぁ……」

黒咲「っ…セレナ!」駆け寄る

セレナ「くっ…あ…う…」

黒咲「何故だ、遊矢…何故貴様が」

逆鱗遊矢「…………」

黒咲「待て!どこへ行く!?」

逆鱗遊矢「邪魔をするな」ギロッ

黒咲「っ!?」

黒咲「あの目…間違いない。あの時の!)

ドクトル「何故だ…何故榊遊矢は。記憶は確実に戻ったはずなのに…!」

プロフェッサー「失敗、か…」



黒咲「遊矢…」

柚子「遊矢ー!」

黒咲「…!柊柚子、何故…」

柚子「どうしても気になって引き返して来たの。遊矢はどこ?」

セレナ「う…あ…」

明日香「この子は…」

柚子「セレナ、どうして…!?まさかアカデミアの!?」

黒咲「いや…」

明日香「一体何があったの?」

黒咲「セレナをやったのは、遊矢だ…」

柚子「え…」

遊矢「俺は……」

遊矢「俺は…セレナを…」

遊矢「ぐっ!?」

『遊矢は元々スタンダードの人間…アカデミアに戻れば、また窮屈な場所で暮らす事になってしまう』

『すでにアカデミアでお前の戦うべき相手などいない…故郷であるここに残るんじゃないかって…三年前の遊矢は何も持ってなかった、だから安心できた。しかし、今は違う』

『あの館は窮屈だったが、お前が居るから寂しくはなかったし、楽しかった。でも、時々怖くなるんだ。次に目を覚ました時、遊矢がいなくなってるんじゃないかって…』

遊矢「うわああああぁぁっ!」

『確かにここは俺の故郷なんだろうけど、肝心の記憶はないし、もっと肝心なのは今だろ?』

『それに、寂しかったのはお互い様だ。セレナみたいなデュエル脳が居たから、俺はプロフェッサーのどんなに辛い訓練でも耐えられたんだよ』

『俺はずっと、プロフェッサーにデュエル戦士として鍛えられて来た。どんなにボロボロになって帰って来ても、セレナは必ず迎えてくれた。俺にとってセレナは、もう家族みたいなものなんだ』

『そんな大切な人を捨てて、故郷に残るなんて言えるわけないだろ?』

遊矢「はぁ……はぁ……はぁ……」

『泣きたいときは笑え。大きく振れば、大きく戻る。怖がって縮こまっていたら、何もできない』

『勝ちたいなら、勇気を持って前に出ろ!』

遊矢「………くくっ…」

遊矢「くくく…はははは……あはははははは!!」

逆鱗遊矢「…ドクトル、貴様は殺す」

逆鱗遊矢「出来損ないの小娘達も、一人残らず吹き飛ばしてやる」

逆鱗遊矢「…………」ニヤッ

本編ではすぐに戻りましたが、スタンダードでの怒りの影響か遊矢の暴走はまだ続きます。本編に追いついてしまったので、これがメインになるかな?
柚子シリーズも殲滅しようとするかなりアカン思考になってますが、ドクトルは血祭りにしてくれるはずww

ドクトル始末すれば虫は消えるっぽいし、正気に戻ったセレナや柚子に遊矢を取り戻させるのもありかなぁと考えてる
覇王十代の時みたいな必死に呼びかける展開は自分の中で熱かったので、逆鱗遊矢もありかな?


明日香「それじゃあ、セレナは…」

黒咲「パラサイト・フュージョナー…瑠璃のデッキにも同じカードがあった。おそらく二人を操っているデュエリストは、セレナを駒に遊矢を倒させるつもりでいたのだろう。奴も最初は、セレナを正気に戻すつもりでデュエルをしていた」

明日香「でもドクトルの本当の狙いは、遊矢に過去の記憶を取り戻させる事…」

黒咲(奴があの女を大事にして来たか、俺は見てきたつもりだった。何より、あの目…)

柚子「遊矢…!」

明日香「柚子!?」

黒咲「どこへ行く?」ガシッ

柚子「離して!遊矢が…!」

黒咲「無駄だ、今の奴は話してわかる相手じゃない」

柚子「話してわからない…だったらデュエルで…」

黒咲「倒せるというのか?やめておけ、万に一つも勝ち目などない。貴様も、俺も」

柚子「勝ちたいわけじゃない!通じ合いたいだけ。どうしても信じられないの。遊矢がそんな事 っ」

黒咲「奴はっ」

柚子「!?」

黒咲「奴は仲間を、自分のもっとも大切な存在をも吹き飛ばした!それだけでは不十分だというのか!?」

柚子「黒咲…」

明日香「………」

瑠璃(私はいつ操られるかもわからない…この頭の中の虫を取り除かない限り…兄さんが戦っているというのに、結局私は何もできない…ユート、あなたは今どこに居るの?)

遊矢「瑠璃?」

瑠璃「え…」

遊矢「そうか、無事だったんだな」

瑠璃「ユー……ト……?」

遊矢「似てはいるが、俺は榊遊矢だ。ユートじゃない、黒咲…いや、隼が船乗り場に居たから、もしかしたらと思ってな」

瑠璃「遊矢…?ユートじゃない?」

遊矢「大体の事情は俺も聞いている。君を操っている者の正体を知りたい。少しでもいい…ドクトルについて何か知らないか?特に居場所は」

瑠璃「そう…ドクトル、私はあの方によって生まれ変わったのよ」

遊矢「?」

ドクトル『いいぞ、瑠璃。今度こそだ。今度こそパラサイトモンスターで、榊遊矢を我が物にしてしまえ!』



瑠璃「さあ、デュエルよ、榊遊矢!この私がカードにしてあげる!」

遊矢「そっか…やっぱりそうなるよな」

逆鱗遊矢「だが、それでいい!」ギロッ

逆鱗遊矢「デュエル!」
瑠璃「デュエル!」

船乗り場

柚子「遊矢…」

黒咲「………」

カイト「隼!」

柚子「え?」

黒咲「…!カイト…」

カイト「すぐに西の塔に戻れ、瑠璃がまた何者かに操られている。今は遊矢と」

柚子「遊矢が!?」

カイト「…?何故あの狂犬が倒れている?それにお前は…」

明日香「遊矢は、正気だったの?」

カイト「正気?何を言ってる?」

明日香「詳しい話は知らないようね…セレナは私が見ているわ、みんなは遊矢を」

柚子「明日香さん、お願いします。案内して」

カイト「わかってる。隼」

黒咲「………」

カイト「どうした、隼!」

黒咲「あ、ああ…」

カイト「何をボケっとしている。仲間の危機だ。行くぞ」

黒咲「すまない…」

逆鱗遊矢「オッドアイズ・レイジング・ドラゴンのモンスター効果!」

逆鱗遊矢「1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを一つ使い、相手フィールドのカードを全て破壊し、 ターン終了時まで、破壊したカードの数×200の攻撃力を加算する!」

瑠璃「なんですって!?」

逆鱗遊矢「破壊するカードは三枚。よって、オッドアイズ・レイジング・ドラゴンの攻撃力は600ポイントアップ!ATK3600」

瑠璃「後攻からそんなカードを…でもまだ私のライフは無傷。次のターンで…」

逆鱗遊矢「次のターンなどない!」

瑠璃「っ!?」

柚子「遊矢ー!」

瑠璃「っ!?」

黒咲「瑠璃…!」

カイト「これは、一体…」

逆鱗遊矢「お前達か…何故ここに居る?」

柚子「遊矢を、探して…」

カイト(あれが、遊矢…?それにこのモンスターは…)

瑠璃「お喋りはそこまでよ!私に次のターンがない?つまらないハッタリを」

逆鱗遊矢「なら、試してみるか?オッドアイズ・レイジング・ドラゴンで、ダイレクトアタック!」

逆鱗遊矢「憤激のデストラクションバースト!」

瑠璃「きゃああああぁぁっ!」LP1000

瑠璃「ぐっ」倒れ込む

黒咲「瑠璃!」

カイト「何故…!」

瑠璃「っ…でもこれで…!」

逆鱗遊矢「オッドアイズ・レイジング・ドラゴンは、1度のバトルで2回の攻撃できる!」

瑠璃「な…!?」

逆鱗遊矢「トドメだ!オッドアイズ・レイジング・ドラゴン!憤激のデストラクションバースト!」

瑠璃「きゃああああぁぁっ!」LP0

瑠璃「ぐっ」倒れ込む

逆鱗遊矢「はぁ…」ニヤッ

カイト「瑠璃!」駆け寄る

黒咲「………」

カイト「しっかりしろ、瑠璃!」

瑠璃「うっ……あ……」

柚子「遊矢、どうして!?」

逆鱗遊矢「………」

カイト「隼」

柚子「答えて、一体どうしちゃったの!?こんなの…」

逆鱗遊矢「ぐっ!?」

(さあ、一つに…一つにするのだ。そうすれば…お前の願いは…)

遊矢「くっ……ははは……誰が……」

柚子「遊……矢……?」

逆鱗遊矢「…俺の邪魔を、するな」

柚子「ひっ!」

黒咲(あの目…あの目だ…)

カイト「隼!」

黒咲「っ!?」

カイト「どうした、一体何があった?」

黒咲「い、いや…」

逆鱗遊矢「………」

柚子「ま…待って、遊矢!」

カイト「言って聞かぬのなら、力ずくで!」

黒咲「よせカイト!わからないのか!?」

「柚子ー!」

逆鱗遊矢「?」消える

柚子「ユーゴ!?どうしてここに!?」

ユーゴ「リンを探してたら偶然セレナを見つけてよ、事情は明日香に聞いたぜ。遊矢の野郎がおかしくなっちまったってな」

カイト(どういう事だ?何故奴が現れた途端、遊矢が…)

黒咲「………」

ユーゴ「で、その遊矢はどこに?」

柚子「遊矢はセレナだけじゃなく、瑠璃も倒した」

ユーゴ「瑠璃!?それって確か、ユートって奴の!」

カイト「落ち着いて聞け、セレナと瑠璃が狙われた以上、次のターゲットは…

ユーゴ「まさか…!」



ドクトル「セレナに引き続き、瑠璃までも…!何故だ、私のマインドコントロールは完璧のはずなのに!」

ドクトル「こうなったら、全精力をリンに傾け、最悪私自ら榊遊矢を…」

プロフェッサー「………」

プロフェッサー(今の遊矢に、奴の意識が入り込んでいるのは間違いない…しかし妙だ、何故彼女達を狙う?少なくとも瑠璃と戦いは、遊矢自身の意思で行なっていた)

プロフェッサー(制御し始めているというのか…?無意識のうちに…奴を…)

ユーゴ「嘘だろ…遊矢が、あいつが、リンを!」

カイト「可能性は限りなく高い。いやむしろ、狙わない理由はの方が皆無と言えるだろう」

ユーゴ「ふざけんな!リンはただ操られてるだけだ!俺達が本当に倒すべきなのは、ドクトルって虫野郎だろうが!」

黒咲「…それは遊矢も百の承知のはず。奴はモニター越しに自らがセレナと瑠璃を操っている黒幕だと告白してきた」

ユーゴ「だったらなんで!」

カイト「あくまで推測だが…遊矢は、アークエリア・プロジェクトそのものを潰す気でいるのかもしれない」

柚子「潰す?」

カイト「赤馬零王の目的は、瑠璃と同じ顔の少女四人を集める事。そして今、そのうちの三人はドクトルという奴に洗脳されている」

カイト「例えデュエルに勝ったとしても、瑠璃達の洗脳は解けない。後は俺達の考えた通りだ」

柚子「陰で瑠璃達を操ってる敵を倒す事が一番の解決法…それがわかってるなら、どうして!」

カイト「…楽しむ為さ、おそらくな」

柚子「楽しむ…そ、それって?」

カイト「…もう、わかっているはずだ」

柚子「………」

カイト「…受け止めろ」

柚子「嫌…」

カイト「瑠璃達はアークエリア・プロジェクトにとってなくてはならない存在。その瑠璃達を破壊すれば、アークエリア・プロジェクトは永遠に完成しない」

柚子「嫌…!」

カイト「ドクトルやプロフェッサーの絶望を眺めて、最後は笑いながら息の根を止める。それが奴の、遊矢の完全な復讐だ」

柚子「そ……ん、な……」

黒咲「………」

ユーゴ「させるかよ……」

ユーゴ「そんな事、させるかよ!」

柚子「ユーゴ…?」

ユーゴ「敵の野望を止める為にリンを破壊する…?ふざけんなふざけんなふざけんなっっ!!」

ユーゴ「もう目の前に居るんだぞ!リンを破壊するってんなら、俺が先にてめぇを!」

カイト「お前っ」

柚子「ユーゴ!」

ブウゥゥゥンッ!!

カイト「くっ…!」

柚子「駄目、今の遊矢は…!」

ユーゴ「許さねえ…!」

ユーゴ(…リンを傷つける奴は、誰であろうと許さねえからな!!)

遊矢「バトルだ!やれ、螺旋のストライクバースト!」

「うわあああぁぁっ!」LP0

ガチャアアァン!!

「本当に、相変わらず容赦ないですねぇ君は」

遊矢「無駄口はやめてさっさと出て来い」

ドクトル「では君の望み通り、隠れんぼは終わりにしよう。改めてようこそ、榊遊矢君、私がアカデミアの天才科学者、ドクトル」

ドクトル「セレナや瑠璃とのデュエルは全て見せてもらった。流石はプロフェッサーの一番弟子、見事だったよ」

遊矢「覚悟は出来ているか?」

ドクトル「はて、何の覚悟かな?」

逆鱗遊矢「無論、死ぬ覚悟だ!」ギロッ

ドクトル「っ…」

ドクトル(これは、殺気…?)

ドクトル「ふ…うふふふふ、いや、いい。実にいいですぞ。君の怒り、全てをぶつけてくるがいい。さあ、出番だ!」

逆鱗遊矢「?」

リン「ユーゴ…じゃないわね。いいわ、デュエルよ」ガチャ

ドクトル「君が彼女に勝てたのなら、私を煮るなり焼くなり好きにするがいい。でも彼女は、君が今まで戦って来た刺客とは一味違うよ」

逆鱗遊矢「ふ…」

逆鱗遊矢「デュエル!」
リン「デュエル!」

逆鱗遊矢LP4000

リンLP4000

リン「私の先行。自分フィールドにモンスターが存在しない場合、手札の《WW-アイス・ベル》を特殊召喚できる!ATK1000」

リン「このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、相手に500ポイントのダメージを与える!」

ドクトル「ふふふふ…」

逆鱗遊矢「………」LP3500

ドクトル「?」

リン「その後、デッキからWWモンスター1体を特殊召喚できる。私は二体目のアイス・ベルを特殊召喚!ATK1000」

リン「さらに、自分フィールドに風属性モンスターが二体以上存在し、闇属性モンスターが存在しない時、《WW-スノウ・ベル》を特殊召喚!ATK100」

リン「私はレベル3のアイス・ベル二体に、レベル1のスノウ・ベルをチューニング!」

リン「真冬の風よ。雪も氷も我が力として吹き抜けよ!」

リン「シンクロ召喚!」

リン「現れよ、レベル7!《WW-ウィンター・ベル》!ATK2400」

リン「ウィンター・ベルの効果!」

リン「墓地のWWモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターのレベル×200のダメージを与える!私はアイス・ベルを選択!」

逆鱗遊矢「………」LP2900

リン「私はカードを一枚伏せて、ターンエンド」

リン「効果ダメージにも顔色一つも変えないとは…いいわ、来なさい。ユーゴよりよっぽど手ごたえを感じるわ」

逆鱗遊矢「…俺のターンッッ!!」

逆鱗遊矢「俺はスケール5の《慧眼の魔術師》二枚をペンデュラムゾーンにセッティング!!」

ドクトル「同じスケールのモンスターを二枚?」

遊矢「慧眼の魔術師のペンデュラム効果!」

遊矢「片方のペンデュラムゾーンに魔術師が存在する時、自身を破壊し、デッキから新たな魔術師をペンデュラムゾーンに置く!」

逆鱗遊矢「デッキからスケール3の《相克の魔術師》とスケール8の《相生の魔術師》をセッティング!これでレベル3から7のモンスターが同時に召喚可能!」

逆鱗遊矢「揺れろ、魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!」

逆鱗遊矢「ペンデュラム召喚!出でよ、我が僕(しもべ)のモンスターたちよ!」

逆鱗遊矢「二体の《慧眼の魔術師》!ATK1500そして、《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》ATK2500」

逆鱗遊矢「俺はレベル4の慧眼の魔術師二体でオーバーレイ!」

逆鱗遊矢「漆黒の闇より愚鈍なる力に抗う反逆の牙!今、降臨せよ!」

逆鱗遊矢「エクシーズ召喚!」

逆鱗遊矢「ランク4!《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》!ATK2500」

リン「エクシーズ召喚…だけど、罠発動!《迷い風》!」

リン「相手フィールドにモンスターが特殊召喚された場合、そのモンスター1体を対象として発動できる。ダーク・リベリオンの効果は無効となり、攻撃力は半分になる!ATK1250」

リン「これで、せっかくのエクシーズ召喚も無駄に…」

逆鱗遊矢「相克の魔術師のペンデュラム効果!」

逆鱗遊矢「1ターンに1度、選択したエクシーズモンスターと同じ数値のレベルをそのモンスター与える!」

逆鱗遊矢「俺はランク4のダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンのレベルを4にする!」

リン「っ!?」

逆鱗遊矢「相生の魔術師のペンデュラム効果!」

逆鱗遊矢「1ターンに1度、選択したモンスターのレベルを別のモンスターと同じにする!」

逆鱗遊矢「俺はダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンのレベルをオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンと同じ7にする!」

リン「これで、レベル7が二体…!」

逆鱗遊矢「俺はレベル7のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンとダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンでオーバーレイ!」

逆鱗遊矢「二色の眼の龍よ!その黒き逆鱗を震わせ、刃向かう敵を殲滅せよ!」

逆鱗遊矢「エクシーズ召喚!」

逆鱗遊矢「いでよ、ランク7!怒りの眼輝けし龍!《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン》!ATK3000」

リン「覇王黒竜…!」

ドクトル「おぉ…あの時とは別の…!だが…」

逆鱗遊矢「オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンがエクシーズモンスターを素材として召喚された時、 相手フィールドのレベル7以下のモンスター全てを破壊し、 その数×1000ポイントのダメージを与える!オーバーロード・ハウリング!」

リン「無駄よ!スノウ・ベルをシンクロ素材として召喚された風属性モンスターは相手効果では破壊されない!」

ドクトル「それでいい、見事だリン」

逆鱗遊矢「バトルだ!オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンで、ウィンター・ベルを攻撃!」

逆鱗遊矢「反旗の逆鱗 ストライク・ディスオベイ!」

リン「ウィンター・ベルの効果発動!」

リン「私は自分・相手のバトルフェイズ中、自分フィールドのWWモンスター1体を対象とし、そのモンスターのレベル以下のレベルを持つモンスター1体を手札から特殊召喚する!」

リン「私が特殊召喚するのは、《パラサイト・フュージョナー》!ATK0」

リン「このカードが特殊召喚に成功した時、自分フィールドから決められたモンスターを墓地へ送り、 融合モンスター1体を特殊召喚する!」

リン「真冬の雪原を走り抜ける風の音よ。内なる声とひとつになりて、更に激しく響き渡れ!」

リン「融合召喚!」

リン「現れろ、荘厳に響く水晶の鐘!《WW-クリスタル・ベル》ATK2800」

リン「その後、墓地のこのカードを装備カード扱いとして融合召喚したモンスターに装備。装備したモンスターが戦闘・効果で破壊される場合、代わりにこのカードを破壊する!」LP3800

ドクトル「クリスタル・ベルを残し、ダメージはたったの200ポイント…だが、パラサイトモンスターの真の力はこんなものではない」

逆鱗遊矢「俺はこれでターンエンド」

リン「私のターン!」

リン「クリスタル・ベルの効果発動!」

リン「墓地のモンスター1体を選択。クリスタル・ベルはエンドフェイズまで選択したモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る。私はウィンター・ベルを選択!」

リン「ウィンター・ベルの効果発動!」

リン「墓地のWWモンスターのレベル×200のダメージを与える!私が選ぶのは、ウィンター・ベル!」

リン「1400ポイントのダメージを受けてもらうわ!」

逆鱗遊矢LP1500

リン「さらに魔法カード、《破天荒な風》を発動!」

リン「これによりクリスタル・ベルの攻撃力・守備力は、 次の自分のスタンバイフェイズ時まで1000ポイントアップする!ATK3800」

リン「バトルよ!クリスタル・ベルで、オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンを攻撃!」

逆鱗遊矢「オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンが破壊された時、自身のペンデュラムゾーンのカードを全て破壊し、これをペンデュラムゾーンに置く」LP700

リン「っ…私はこれでターンエンド」

ドクトル(クリスタル・ベルが相手によって破壊され墓地へ送られた場合、墓地のウィンター・ベル1体とレベル4以下のWWモンスターを特殊召喚する。所詮君も、あのユーゴの二の舞)

逆鱗遊矢「ふ…俺のターンッッ!!」

逆鱗遊矢「魔法カード、《シャッフル・リボーン》を発動!」

逆鱗遊矢「自分フィールドにモンスターが存在しない時、墓地のモンスター1体の効果を無効にして特殊召喚する!」

逆鱗遊矢「蘇れ、《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》!ATK2500」

逆鱗遊矢「さらに、《RUM-幻影騎士団ラウンチ》を発動!」

逆鱗遊矢「ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンを素材に、ランクが1つ上の闇属性モンスターにランクアップさせる!」

逆鱗遊矢「煉獄の底より、いまだ鎮まらぬ魂に捧げる反逆の歌!永久に響かせ現れよ!」

逆鱗遊矢「ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!」

逆鱗遊矢「出でよ、ランク5!《ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴン》!ATK3000」

逆鱗遊矢「その時、幻影騎士団ラウンチは特殊召喚したモンスターのエクシーズ素材となる!」

リン「ランクアップ…まだそんな手を」

逆鱗遊矢「ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴンのモンスター効果!」

逆鱗遊矢「オーバーレイ・ユニットを1つ取り除き、 相手フィールドのモンスターの攻撃力を0にし、その元々の攻撃力分ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴンの攻撃力をアップする!」

逆鱗遊矢「レクイエム・サルベーション!ATK5800」

リン「攻撃力5800…!」

逆鱗遊矢「バトルだ!ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴンで、クリスタル・ベルを攻撃!」

逆鱗遊矢「鎮魂のディザスター・ディスオベイ!」

リン「きゃあああぁぁぁっ!」LP800

リン「ぐっ」倒れ込む

ドクトル「ふふふ…だがこれで…」

リン「クリスタル・ベルが相手によって破壊され墓地へ送られた時、墓地のウィンター・ベル1体とレベル4以下のWWモンスターを特殊召喚!」

逆鱗遊矢「ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴンの効果!」

逆鱗遊矢「相手がモンスター効果を発動した時、オーバーレイ・ユニットを1つ使い、その発動を無効にし破壊する!」

ドクトル「な!?」
リン「っ!?」

逆鱗遊矢「その後、墓地のエクシーズモンスター1体を特殊召喚できる!」

逆鱗遊矢「蘇れ、《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》!ATK2500」

ドクトル「バカなっ!」

リン「そ、そんな…」

逆鱗遊矢「バトルは継続中だ。やれ!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!」

リン「っ…!」

逆鱗遊矢「反逆のライトニング・ディスオベイ!」

リン「いやあああぁぁぁっ!」LP0

ユーゴ「っ!?」

ユーゴ(今の悲鳴…もしかしたら、リン!?)

ユーゴ「…!あそこか!」




逆鱗遊矢「はぁ……はぁ……」

ドクトル「バカな、リンまでもが…」

遊矢「………」

遊矢「さて…」

ドクトル「っ!?」

遊矢「次はお前の番だ」

ドクトル「や、やめろ……来るな……!」

遊矢「ふ…」

ドクトル「な、何をする……離せ……!」

遊矢「終わりだ」

ドクトル「待て、娘達は解放する……だから……!」

遊矢「おいおい、アカデミアじゃプロフェッサーの命令は絶対。そんな簡単に裏切っちゃダメだろ。って、俺が言っても説得力ないか」ギュギュッッ

ドクトル「ぐ、苦しい……!待ってくれ、何でも言う……命……命だけは……!」

遊矢「破壊」

グヂャァァァ!!

ドクトル「あがああああああああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!??」


西の塔

瑠璃「ん……んん……」

黒咲「…!瑠璃!」

カイト「気がついたか?」

瑠璃「兄…さん?それにカイトまで……私、一体…」

柚子「何も覚えてないの?」

瑠璃「あなたは…?」

黒咲「自己紹介は後だ。瑠璃、デッキを」

瑠璃「あ、うん…」

黒咲(パラサイト・フュージョナーも、融合モンスターも消えている。まさか遊矢が…)




船乗り場

セレナ「う……ここ、は……」

明日香「目が覚めた?」

セレナ「…!誰だお前は、アカデミアか!?」

明日香「今は違うわ。私は天上院明日香、柚子の仲間よ」

セレナ「柚子の…?」

明日香「覚えてない?あなたはここで、遊矢と…」

セレナ「遊矢――っ!?」

『エクシーズ召喚!』

『いでよ、ランク7!災い呼ぶ烈火の竜、《覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン》!』

『………』ニヤッ

『トドメだ!やれ、オッドアイズ・レイジング・ドラゴン!憤激のデストラクションバースト!』

セレナ「あ……あ……」ガグガク…

明日香「ど、どうしたの?」

セレナ「あれが、遊矢……違う……あれは、あんなのは、遊矢じゃ……!」

ユーゴ「リーーンッッ!!

遊矢「?」

ブウゥゥゥンッッ!!

ユーゴ「リン、大丈夫か!?なんでこんな…」

リン「………ん……あ……あ……」

ユーゴ「リン、しっかりしろ!何でこんなボロボロに!」

リン「…!ユー……ゴ……?」

ユーゴ「そうだ俺だ、正気に戻ったんだな!」

リン「っ!?」

遊矢「………」

リン「い、いや……寄らないで……」

ユーゴ「リン…?」

リン「来る、悪魔が……!」

ユーゴ「悪魔?」

リン「嫌ああああぁぁぁぁっ!」

ユーゴ「おい、どうしたんだよ!?」

リン「お願い、もうこれ以上は何も……壊さない……」ガクッ

ユーゴ「リンッ!おいって!リーーンッ!!」

遊矢「………」

ユーゴ「何で…」

遊矢「ふ…」

ユーゴ「……待てよ」

ユーゴ「てめぇがリンを…リンをこんなにしたのか?」ググッ

遊矢「…だとしたら、どうする?」

ユーゴ「…さねぇ……許さねえ!」

ユーゴ「絶対に許さねえぞ、遊矢っっ!!」

遊矢「………」

ユーゴ「俺と、俺とデュエルしろぉぉぉ!!」

(さあ、一つに…!)

遊矢「っ…!?」

(これでまた、俺は一つに…!)

遊矢「くっ……誰が……」

遊矢「…誰がお前の言いなりに……こいつを破壊するのは……!」

ユーゴ「どうした!?さっさとしろ!」

遊矢「ああ…」

遊矢「デュエル!」
ユーゴ「デュエル!」

船乗り場

セレナ「痛っ…」

明日香「無理はしないで、まだデュエルのダメージが…」

セレナ「そんな事より、遊矢はどこだ…?それに他のランサーズも…」

明日香「遊矢は、瑠璃という子と戦いに行ったみたい。柚子達もそこに向かったわ」

セレナ「瑠璃…西の塔か。時間は?」

明日香「もう一時間以上も前の話ね。少し前にユーゴも後を追って行ったわ。あなたが元に戻ったのなら、きっと瑠璃も…」

セレナ「ともあれ、遊矢を見つけるのが先決か。手間をかけさせた」

明日香「私も行くわ、まずは柚子達と合流しましょう」

西の塔

瑠璃「私が覚えてるのは、ユートによく似た…遊矢って人とデュエルをして…」

瑠璃「まさか、私をさらったのもあの人?」

カイト「いや、お前をさらったのは融合次元のユーリ。遊矢は俺達の仲間だ」

瑠璃「仲間…?でも、だったら…それに何故ユートのモンスターを…」

黒咲「信じられないか?」

瑠璃「はっきりした事はわからないけど、遊矢とデュエルした時の記憶は覚えてる…」

瑠璃「強かった…多分、兄さんやカイトよりも…でも、それだけじゃない」

瑠璃「ユートのデュエルとはまるで違う、冷たい感じ…本当の悪魔と向かい合ってるような。怖かった、とても…」

柚子「………」

カイト「悪魔…」

黒咲「…大丈夫だ」抱きしめる

瑠璃「兄さん…」

黒咲「二度とお前を一人になどしない。この戦いを終わらせ、一緒に帰ろう。俺達に故郷へ」

瑠璃「兄、さん…」ガグガク…

柚子「遊矢…」

遊矢LP4000

ユーゴLP4000

メリッサ「先行はもらったぜ!俺のターン!」

ユーゴ「自分フィールドにモンスターが存在しない時、《SRベイゴマックス》は特殊召喚できる!ATK1200」

ユーゴ「このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、デッキからこいつ以外のスピードロイドを手札に加える」

ユーゴ「さらに、自分フィールドに風属性モンスターが存在する事により、俺は手札に加えた《SRタケトンボーグ》を特殊召喚!ATK600」

ユーゴ「続けていくぜ!チューナーモンスター、《SR赤目のダイス》を召喚!ATK100」

ユーゴ「俺はレベル3のベイゴマックスと同じくレベル3のタケトンボーグに、レベル1の赤目のダイスをチューニング!」

ユーゴ「その美しくも雄々しき翼翻し、光の速さで敵を討て!シンクロ召喚!」

ユーゴ「現れろ、レベル7!《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》!ATK2500」

ユーゴ「っ!」

ユーゴ(なんだこれ、身体が…熱い…!?)

遊矢「………」

ユーゴ「俺は…俺はカードを二枚伏せて、ターンエンドだ」

遊矢「…俺のターン!」

遊矢「俺はスケール2の《法眼の魔術師》とスケール8の《時読みの魔術師》でペンデュラムスケールをセッティング!これでレベル3から7のモンスターが同時に召喚可能!」

遊矢「揺れろ、魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!」

遊矢「ペンデュラム召喚!出でよ、我がしもべのモンスターよ!」

遊矢「雄々しくも美しく輝く二色のまなこ!《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》!ATK2500 」

ユーゴ「オッドアイズ…ペンデュラム・ドラゴン!」

グオオォォォッ! ギャオオォォォッ!

遊矢「っ!?」ドクン!
ユーゴ「っ!?」ドクン!

ユーゴ(なんなんだ、また…!)

(さあ、一つに…)

(我らが一つに…!)

ユーゴ「我らが…?」

(今こそ、一つに!)

ユーゴ「一つに…」

リン「……う……ユー……ゴ……」

ユーゴ「…!リン!」

(この時を…)

ユーゴ「ふざけんじゃ…ねぇぇぇっ!!」

メリッサ「先行はもらったぜ!俺のターン!」
ここユーゴで、何故にメリッサww

ユーゴ「俺は絶対に、許さねえ…!てめぇだけは、何があっても…!」

遊矢「…俺は儀式魔法、《オッドアイズ・アドベント》を発動!」

遊矢「召喚するモンスターのレベル以上になるように、自分の手札・フィールドのペンデュラムモンスターをリリースし、 ドラゴン族儀式モンスター1体を儀式召喚する!」

遊矢「俺がリリースするのは、レベル7のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!」

遊矢「儀式召喚!」

遊矢「現れ出でよ、レベル7!《オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン》ATK2800」

ユーゴ「儀式モンスター!」

遊矢「オッドアイズ・グラビティ・ドラゴンが特殊召喚に成功した時、フィールドの魔法・罠カードを全て持ち主の手札に戻す。 この時相手は魔法・罠・モンスター効果を発動できない!」

ユーゴ「ちっ…俺の伏せカードを…」

遊矢「バトルだ!オッドアイズ・グラビティ・ドラゴンで、クリアウィング・シンクロ・ドラゴンを攻撃!」

ユーゴ「ぐうっ!」LP3700

遊矢「俺はカードを一枚伏せて、ターンエンド」

ユーゴ「…俺のターン!」

ユーゴ(リン…お前の仇、必ず俺が…!)

ユーゴ「俺は《SRダブルヨーヨー》を召喚!ATK1400」

ユーゴ「このカードが召喚に成功した時、墓地からレベル3以下のスピードロイド1体を特殊召喚する!」

遊矢「だがオッドアイズ・グラビティ・ドラゴンが存在する限り、 相手プレイヤーはライフを500払わなければ、カード効果を発動できない」

ユーゴ「そのくらい安いもんだ!甦れ、《SR赤目のダイス》!ATK100」LP3200

ユーゴ「俺はレベル4のダブルヨーヨーに、レベル1の赤目のダイスをチューニング!」

ユーゴ「その躍動感溢れる、剣劇の魂!」

ユーゴ「シンクロ召喚!」

ユーゴ「出でよ、レベル5!《HSRチャンバライダー》!ATK2000」

ユーゴ「見てろよリン…俺はライフを500ポイント払い、魔法カード、《ハイ・スピード・リレベル》を発動!」LP2700

ユーゴ「墓地のスピードロイド1体を除外し、自分フィールドのシンクロモンスター1体は除外したモンスターと同じレベルになり、 攻撃力はそのレベル×500アップする!俺が除外するのは、レベル3のベイゴマックス!」

ユーゴ「これで、チャンバライダーの攻撃力は1500アップ!ATK3500」

遊矢「………」

ユーゴ「バトルだ!チャンバライダーで、オッドアイズ・グラビティ・ドラゴンを攻撃!」

遊矢「罠発動!《ドレインシールド》!」

遊矢「相手モンスター1体の攻撃を無効にし、その攻撃力分のライフを回復する!」LP7500

ユーゴ「せこい手を使いやがって!だがチャンバライダーはバトルフェイズに二回攻撃できる。そしてこのカードが戦闘を行うダメージステップ開始時、攻撃力は200アップする!ATK3700」LP2200

ユーゴ「いけ、チャンバライダー!オッドアイズ・グラビティ・ドラゴンを攻撃!」

遊矢「くっ…」LP6600

ユーゴ「俺はカードを二枚伏せて、ターンエンドだ。同時にチャンバライダーの攻撃力はダウンする」ATK2200

遊矢「俺のターン!」

遊矢「今一度揺れろ、魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!」

遊矢「ペンデュラム召喚!出でよ、我がしもべのモンスターたちよ!」

遊矢「甦れ、《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》!ATK2500」

遊矢「さらに手札から、《オッドアイズ・セイバー・ドラゴン》!ATK2800」

遊矢「バトルだ!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンで、チャンバライダーを攻撃!」

ユーゴ「チャンバライダーが戦闘を行うダメージステップ開始時、攻撃力が200ポイントアップ!ATK2400」

遊矢「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンが戦闘する時、そのバトルダメージは倍!リアクション・フォース!」

ユーゴ「ぐうっ!」LP2000

ユーゴ「チャンバライダーが墓地へ送られた場合、除外されてるスピードロイド一枚を対象とし、そのカードを手札に加える…」

遊矢「トドメだ!やれ!オッドアイズ・セイバー・ドラゴンで、ダイレクトアタック!」

ユーゴ「俺はまだ負けちゃいねぇ!罠発動!《ハーフ・シールド》!」

ユーゴ「相手モンスター1体の攻撃宣言時またはダメージを与える効果が発動した時、そのダメージを半分にする!」

ユーゴ「うわああああぁぁっ!」LP600

ガチャアアァァンッッ!!

ユーゴ「ぐっはっ……あっ……!?」転落する

遊矢「…俺はレベル7のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンとオッドアイズ・セイバー・ドラゴンでオーバーレイ!」

遊矢「エクシーズ召喚!」

遊矢「現れろ、ランク7!《オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン》!ATK2800

遊矢「俺はこれでターンエンド」


ユーゴ(ライフは600、モンスターもいねぇ…奴のライフは6600もあるってのに、オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンの攻撃力は2800か…)

ユーゴ(Dホイールは…ダメか。ごめんな、リン。お前と一緒に作った夢を、二回も…もしかしたら、俺達ももう…)

ユーゴ「………」

ユーゴ「だがよ…」ググツ

ユーゴ「お前はリンを…!俺の全てを粉々にしやがったてめぇだけは道連れにしてやる!!絶対に!!」

遊矢「ふ…」

ユーゴ「俺のターン!」

ユーゴ「自分フィールドにモンスターが存在しない事で、俺は手札に戻した《SRベイゴマックス》を特殊召喚できる!ATK1200」

ユーゴ「ベイゴマックスの効果により、デッキから《SRメンコート》を手札に加える!」

ユーゴ「魔法カード、《スピードリバース》を発動!」

ユーゴ「墓地のスピードロイド1体を特殊召喚する!」

ユーゴ「甦れ、《SR赤目のダイス》!ATK100」

ユーゴ「さらに永続罠、《リビングデッドの呼び声》!」

ユーゴ「続けていくぜ、甦れ、《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》!ATK2500」

ユーゴ「俺はレベル7のクリアウィング・シンクロ・ドラゴンに、レベル1の赤目のダイスをチューニング!」

ユーゴ「神聖なる光蓄えし翼煌めかせ、その輝きで敵を撃て!」

ユーゴ「シンクロ召喚!」

ユーゴ「いでよ、レベル8!《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》!ATK3000

遊矢「クリスタルウィング…シンクロ・ドラゴン…」

ユーゴ「そうだ、俺の最強にして最後の切り札!こいつでてめぇを地獄に叩き込んでやる!」」

ユーゴ「バトルだ!クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンで、オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンを攻撃!」

遊矢「オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンの効果発動!」

遊矢「互いのモンスターの攻撃宣言時、 オーバーレイ・ユニットを一つ使い、その攻撃を無効にする!」

ユーゴ「無駄だ!クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンの効果!」

ユーゴ「1ターンに1度、このカード以外のモンスター効果が発動した時、その発動を無効にし破壊する!」

遊矢「…!」

ユーゴ「そして、 クリスタルウィングの攻撃力は破壊したモンスターの元々の攻撃力分アップする!ATK5800」

ユーゴ「はぁ……はぁ……」

ユーゴ(繋がったぜ、リン。これで…!)

ユーゴ「これで決めてやる!烈風のクリスタロス――」

遊矢「エクシーズ召喚されたオッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンが墓地に送られた時…」

ユーゴ「っ!?」

遊矢「俺はエクストラデッキからオッドアイズモンスターを特殊召喚できる」

遊矢「来い、レベル7!《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》!ATK2500」

遊矢「オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴンのモンスター効果!」

遊矢「このカードが特殊召喚に成功した時、 相手フィールドの攻撃表示モンスター1体を手札に戻す!」

ユーゴ「何!?」

遊矢「俺は、クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンを選択!」

ユーゴ「あっ……」

遊矢「………」

ユーゴ「は……ははは……」

ユーゴ(参ったな…もう、どうにもなんねぇ。勝てねえや)

ユーゴ「…ターンエンドだ」

遊矢「俺のターン!」

遊矢「これで終わりだ!やれ、オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン!ベイゴマックスを攻撃!」

ユーゴ「ぐああああぁぁっ!」LP0

ユーゴ「ぐはっ」倒れ込む

遊矢「ふ…っ!?」ドクン!

遊矢「ん…がっ……くっ…」

遊矢「があああぁぁっ!」

逆鱗遊矢「………」

ユーゴ「くっ……り……ん……」倒れているリンの手を握る

リン「…………」

ユーゴ(何やってんだろうな、俺…お前を守る事も、正気に戻す事もできずに、フレンドシップカップで優勝するって約束も果たせなかった…ごめんな、何もしてやれなくて)

逆鱗遊矢「この時を、待っていた…」

ユーゴ「でもな、嬉しかったぜ。一目会えただけでも…たったそれだけでも…」

ユーゴ「そのままでいい…そのままでいいから聞いてくれ…」

逆鱗遊矢「一つに…今こそ一つにぃぃぃ!!」

ユーゴ「いつか絶対に言おうと思ってたんだ。俺、ずっと前からお前の事――」消える

セレナ「どこだ…どこに居る…」

柚子「遊矢…!」

明日香「…!ちょっとそれって!」

セレナ「?」

セレナ(これは…ブレスレットが…)

柚子「私のも…まさか、遊矢が…」

瑠璃「兄さん…」

黒咲「ああ…急ぐぞ」


数分後

黒咲「…!これは!」

瑠璃「っ!?い、嫌あああぁぁっ!」

黒咲(死体…?しかも奴はドクトル…一体どういう事だ?)

リン「ユー……ゴ……」

セレナ「あいつは、まさかっ」

柚子「私達にそっくり…という事は、彼女がユーゴの…!」

明日香「こっちにはデュエルディスクと、ユーゴが乗っていたDホイールもあるわ。でも、これはもう…」

カイト「ドクトルの遺体、それにリンとユーゴが関係しているとなれば…間違いないか。一度引き上げるぞ、詳しい話はそれからだ」

融合次元、遊勝塾

柚子「明日香さん、リンはっ?」

明日香「酷い傷だけど、大丈夫。命に別状はないわ。安静にしていればね」

柚子「良かった…」

セレナ「一体何があった?何故リンが…それにユーゴは…」

明日香「直接現場を見てるのはリンだけ。詳しくは彼女に聞きましょう」

カイト「わざわざ聞く必要はない。お前達も気がついてるはずだ」

黒咲「………」

柚子「違う、まだそうと決まった訳じゃ…」

セレナ「待て、何の話だ?」

カイト「本気で気づいていないのか?お前もあの状態の遊矢と戦ったのだろう?」

セレナ「だからなんだ?」

カイト「もういい…わかった。ポンコツにもわかるように説明してやる」

セレナ「誰がポンコツだっ!お前、私に喧嘩を売るつもりか!?」

柚子「ちょっと、落ち着いて。カイトも、セレナは洗脳されてる時の記憶はあいまいなの」

セレナ「…ドクトルも、ユーゴも、リンさえもが…」

カイト「遊矢がやった。十中八九…いや、100パーセントと言っていい」

カイト「俺達は実際、奴が瑠璃を襲う姿を目にしている。そこにお前が絡んでいるとなれば、後はわかるだろう?」

セレナ「そんな…」

柚子「セレナ…」

黒咲「………」

セレナ「私が…」

セレナ「私が、操られなければ…」

柚子「セレナのせいじゃ…」

カイト「そうだ、事の原因はお前にある」

柚子「カイト!」

カイト「だが、今は反省会をしている場合ではない。このまま遊矢を野放しにしておけば、間違いなく赤馬零王以上の脅威となる。今の奴はまさに、自分以外の者全てを破壊する悪魔だ」

黒咲「悪魔…」

瑠璃「でも、どうやって…」

柚子「遊矢に語りかけるには…」

セレナ「…デュエルだ」

瑠璃「え?」

セレナ「…デュエルで、遊矢を止める」


柚子「セレナ…」

黒咲「…待て、お前の力では」

カイト「アカデミアの狙いはお前達四人。その判断で痛い目を見た事をもう忘れたか?」

セレナ「…それでも、私がやらなければならないのだ!」

カイト「っ…」

セレナ「遊矢がスタンダードでどんな仕打ちを受けたのかは私も知っている。平和に暮らしていた街で父親を失い、臆病者の息子と笑われ、煙たがられ…許さないのは私も同じ!」ググツ

セレナ「だが、遊矢は教えてくれた。大事なのは、過去ではなく現在だと。柚子」

柚子「あっ…」

セレナ「スタンダードで遊矢がどんなデュエルを目指していたのはわからん。それでも、私は私の知ってる遊矢を取り戻してみせる」

セレナ「強く、優しく、どんな戦いであっても安心感を与えてくれた遊矢に。例え遊矢中にどんな悪魔が生まれてようと、絶対に!」

柚子「セ、レナ…」

黒咲「…安心感、か…」

黒咲(俺が恐怖している。シンクロ次元でも、ハートランドでも、奴は常に味方でいてくれた。)

黒咲(万が一俺が朽ち果てようと、遊矢がという気持ちがあった。 仲間など形だけだったのかもしれん。結局俺は、遊矢に託し、いや…甘えていただけだった。だからこそ、今回は…)

黒咲「俺も行こう」

瑠璃「兄さん…」

黒咲「奴は俺を憎しみの呪縛から解放してくれた。シンクロ次元では叶わなかったが、今度こそ遊矢を強大な闇から解放してみせる」

瑠璃「でも、あの人は…!」

黒咲「忘れたか、瑠璃」

瑠璃「え?」

黒咲「俺達レジスタンスは、常に最悪の事態を想定しながら戦ってきた。ならば例え、共に戦って来た仲間が闇に墜ちようと、見捨てる訳にはいかない」

黒咲「仲間は、必ず奪い返す!」

瑠璃「っ!」


柚子「私は遊矢に……以前の遊矢に戻って来て欲しい……」

柚子「前の遊矢はすぐ後ろ向きになったり、今みたいにみんなに期待されるような人じゃなかった。むしろ、洋子さんや権現坂が守ってないとすぐに泣いちゃう弱い子だったわ…」

柚子「それでも少しずつ前に、おじさんのように、みんなを笑顔にする事を目標に頑張ってた…対戦相手も観客も、デュエルでみんなを幸せにするって言ってた頃の遊矢に…」

瑠璃「デュエルで、笑顔を…」

柚子「今の遊矢が求めるのは、強さ、最強になるっていうのはわかってる…これはただの押し付けがましい願い…だけど…!」

明日香「それをわかって尚、あなたは過去の遊矢を追い続ける。大丈夫、きっと伝わるわ、結果は遊矢次第だけどね」

柚子「明日香さん…」

カイト「やっと決意が固まったか」

セレナ「そういうお前はどうなのだ?」

カイト「お前達のような優柔不断と一緒にするな、奴には借りがある。ハートランドで一人で戦い続けていた俺に、遊矢は仲間の大切さを訴えた」

カイト「繋がりがある限り、人は決して一人になどなれない…奴はそう言った。その言葉を忘れてるなら、今度は俺が思い出させる。それだけだ」

セレナ「ふん…どっちにしても、遊矢とやるのは私だ。お前の言葉は伝言として伝えておいてやる」

黒咲「救うぞ、俺達で」

柚子「うん」

セレナ「必ず、遊矢を連れ戻す」

プロフェッサー「遊矢の様子は?」

『すでに我がアカデミア軍の六割がカード化!もはや我々の力では手がつけられません!何か指示を!』

プロフェッサー「………」

『プロフェッサー!榊遊矢の暴走は続いています!このままでは我々も…!うわあああぁぁっ!』

プロフェッサー「ぬぅ…」

プロフェッサー(もはや一刻の有余もない。柊柚子やセレナ達四人はまだアカデミアのどこかに居るはずだ、レイを復活させるには…)

プロフェッサー(遊矢…君は変われないのか?)




本編でついにプロフェッサーの目的が明かされました
なんか思っていたのと違ったというか、GXのコブラとかゼアルのフェイカーに近い感じでしたね。改めてドクトルはやっぱり、遊矢に殺させて正解だったと思ったww
プロフェッサーのデッキがわからないので、おそらく前編は闇堕ち遊矢戦が最後になると思われます。
最後に、融合君勝手に吸収しちゃってごめんなさい


「ついに見つけたぞ!」

黒咲「…!」

セレナ「お前達は…!」

黒咲「オベリスクフォース…」

「セレナ様、手荒な真似はしたくありません。どうか彼女達と一緒にお戻りを」

セレナ「何度も言わせるな。連れ戻すなら、力ずくでやるがいい」

明日香「…行きなさい」

柚子「明日香さん…?」

明日香「遊矢を闇から救えるのは、あなた達をおいて他にいないわ」

カイト「三対一か…ならばここは、俺も残ろう」

黒咲「カイト…」

セレナ「大丈夫なのか?」

カイト「お前は言ったな、俺の言葉は伝言として伝えてやると。ならばもう一度だけ言っておく、”繋がりがある限り、人は決して一人になどなれない”…頼んだぞ」

セレナ「ああ、任せろ」

「待て、貴様ら!」

明日香「早く!」

カイト「雑魚達は引き受けた!行け!」

柚子「会いましょう…もう一度…。今度は、遊矢も一緒に!」

黒咲「兄さん…!」

黒咲「リンは俺が背負っていく。行くぞ!」

黒咲「これは…」

瑠璃「酷い…」

柚子「なんで融合次元が、街もこんなに壊れて……人もカードに……」

黒咲「全てアカデミアの生徒だ、誰の仕業かは考えるまでもないだろう」

柚子「遊矢…」

セレナ「…黒咲、一ついいか?」

黒咲「なんだ?」

セレナ「かつてエクシーズ次元に飛ばされた時、遊矢にもした問いだ。もしも、アカデミアが自らの行動を過ちだと認め、償いをするのであれば……お前はアカデミアを許すか?」

黒咲「………」

セレナ「遊矢は、仮に自分がユートやお前の立場だったとしたなら――全てを破壊する、そう言った」

セレナ「大切なものを失う痛みは誰もが同じ。その痛みをアカデミアにも味あわせる。それだけを考えるだろうと」

柚子「遊矢が、そんな事…」

セレナ「どうだ?」

黒咲「償い…俺はそんなものを求めつもりはない。アカデミアは俺の仲間を、家族を、応援してくれた子供らを奪った。許せるわけがない」

セレナ「そう、か…」

黒咲「お前も、遊矢を軽蔑し嘲笑ったスタンダードを許すつもりなどないのだろう?同じ事だ」

瑠璃「兄さん…」

セレナ「ああ、そうだな…」

柚子「………」

うわあああぁぁっ!

セレナ「っ!」

瑠璃「今の悲鳴…アカデミアの生徒の!」

柚子「もしかして、遊矢が!」

「居たぞ!」

「捕獲対象を全て発見!直ちに確保します!」

セレナ「くそっ、こんな時に!

黒咲「…瑠璃、リンを!」

瑠璃「兄さんは!?」

黒咲「こいつらの相手は俺がする。貴様達は遊矢の元へ急げ!俺もすぐに行く!」

柚子「黒咲!」

黒咲「早くしろ!カイト達の、仲間の思いを無駄にするな!」

セレナ「ここは任せる!行くぞ」

遊矢「………」ガチャ

「い、嫌だ…待ってくれ…見逃してくれ…」

遊矢「…大丈夫だ、すぐに終わる。痛みもない」

「ひ、ひぃっ!」

柚子「駄目!」

遊矢「?」

セレナ「…やっと…やっと見つけたぞ……!」

遊矢「…柚子にセレナ、それに瑠璃、リンだったか?」

瑠璃「遊矢…ユート…」

セレナ「逃げろ、ここは私達がなんとかする」

「あ、あ…!!」

セレナ「早くしろ!このままカードにされたいか!?」

「あ、ああ!」逃げる

遊矢「………」

セレナ「遊矢…」


遊矢「どういう事だ?説明しろ」

柚子「もう、やめて…」

遊矢「?」

柚子「わかったでしょう?ドクトルはもういない。復讐からはは何も生まれない」

遊矢「復讐?」

柚子「思い出して!シンクロ次元で、遊矢は復讐の虚しさを教えてくれたじゃない!あの時、革命を訴えるシンジに遊矢は言った。”お前の目指す革命…仲間たちの生活改善や格差是正よりもトップスとコモンズの立場を逆転させ、トップスへの屈服という自身の報復感情が優先しているだけに過ぎない”って!

柚子「”自分の鬱憤を晴らし、トップスに同じ苦しみを与えたいだけ”って!」

柚子「それをわかってる遊矢が、復讐なんて…駄目よ、絶対に!!」

瑠璃「柚子…」

遊矢「怖いのか?」

柚子「え?」

遊矢「復讐は何も生まない…いい加減、自分の価値観を押し付けるのはやめろよ」

遊矢「当然俺が復讐をやめれば、相手はぬくぬくと生きる。お前はそれを許せると言ったな、それは立派な事だ」

遊矢「だが俺は例え復讐した先に何が待っていたとしても、そいつを破壊する。共に地獄に落ちようともだ。復讐を愚考と呼ぶなら、こう言い換えみろ。ケジメってな」

瑠璃「っ!」

柚子「ケジメ…?それでどうなるの!?遊矢が復讐をすれば、また同じ憎しみが生まれる。どこまで行ってもキリがないじゃない!」

柚子「それにもうドクトルは…!」

遊矢「勘違いするなよ、俺は復讐なんてものを望むつもりはない。そもそも復讐が目的なら、ドクトルがいない今、アカデミアを狙う必要はない。そうじゃないのか?」

柚子「え?」

遊矢「俺は破壊したいから破壊する…邪魔をする奴も破壊する…。それだけだ」

柚子「遊矢…!」

遊矢「わかったらさっさと消えろ、邪魔だ」

柚子「嫌…」

遊矢「?」

柚子「嫌!」

柚子「遊矢はここで、私が止めてみせる!」ガチャ

遊矢「止めるだと?」

セレナ「間違えるな、私達だ。私達でお前を止めてやる」ガチャ

柚子「セレナ…!」

セレナ「全ては私がドクトルに操られた事が原因。口で言ってわからないのなら、デュエルで語るだけだ!」

瑠璃「柚子…セレナ…」

遊矢「そっか…」

逆鱗遊矢「なら、破壊するまで!」ギロッ

瑠璃「っ!?」
セレナ「っ!?」

セレナ(これは、あの時の…遊矢の中の、悪魔…)

逆鱗遊矢「二人まとめて相手をしてやる。ルールはバトルロイヤル、最初のターンはドローも攻撃もなしだ」

柚子「セレナ!」

セレナ「ああ…やるぞ!」

柚子「デュエル!」
セレナ「デュエル!」
逆鱗遊矢「デュエル!」


柚子LP4000

セレナLP4000

逆鱗遊矢LP4000

逆鱗遊矢「俺のターン。俺はカードを一枚伏せて、ターンエンド」

セレナ(モンスターの召喚はなし…最初のターンは攻撃されないが、それを計算に…?)

柚子「次は私が行くわ。私のターン!」

柚子「私は手札から、《幻奏の音女オペラ》を召喚!ATK2300」

逆鱗遊矢「?」

セレナ「幻奏?」

柚子「カードを一枚伏せて、ターンエンド」

柚子(取り戻してみせる、私の…私だけのデュエルで…遊矢の心を…!)

セレナ「私のターン!」

セレナ「私は手札から魔法カード、《融合》を発動!」

セレナ「手札の《月光蒼猫(ムーンライト・ブルー・キャット)》《月光紫蝶(ムーンライト・パープル・バタフライ)》を融合する!」

セレナ「蒼き闇を徘徊する猫よ!紫の毒持つ蝶よ!月の引力により渦巻きて新たなる力と生まれ変わらん!」

セレナ「融合召喚!」

セレナ「現れ出でよ、月明かりに舞い踊る美しき野獣!《月光舞猫姫(ムーンライト・キャット・ダンサー)》!ATK2400」

セレナ「私はカードを一枚伏せて、ターンエンド。さあ来い、遊矢!」

瑠璃「………」

逆鱗遊矢「俺のターンッッ!!」

逆鱗遊矢「俺は魔法カード、《強欲で貪欲な壺》を発動!」

逆鱗遊矢「デッキから10枚のカードを裏側表示で除外し、カードを二枚ドローする!」

逆鱗遊矢「俺はスケール3の《相克の魔術師》とスケール8の《オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン》でペンデュラムスケールをセッティング!!これでレベル3から7のモンスターが同時に召喚可能!!」

逆鱗遊矢「揺れろ、魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!」

逆鱗遊矢「ペンデュラム召喚!現れろ!」

逆鱗遊矢「レベル4!《竜脈の魔術師》!ATK1800 《閃光の騎士》ATK1800」

逆鱗遊矢「そしてレベル7!《霞の谷の巨神鳥》!ATK2700 《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》!ATK2500」

柚子「四体のモンスター…!」

逆鱗遊矢「さらに俺は、レベル4の竜脈の魔術師と閃光の騎士でオーバーレイ!」

逆鱗遊矢「漆黒の闇より愚鈍なる力に抗う反逆の牙!今、降臨せよ!」

逆鱗遊矢「エクシーズ召喚!」

逆鱗遊矢「現れろ、ランク4!《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》!ATK2500」

瑠璃「ユートのモンスター…!」

柚子「まずい、このままじゃ…!」動く

逆鱗遊矢「ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンのモンスター効果発動!」

逆鱗遊矢「オーバーレイ・ユニットを二つ使い、相手フィールドに存在するモンスターの攻撃力を半分にし、さらにその数値分、ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの攻撃力をアップする!」

逆鱗遊矢「俺が選択するのは、ムーンライト・キャット・ダンサー!トリーズン・ディスチャージ!」ATK3700

セレナ「くそっ…」動く

逆鱗遊矢「バトルだ!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンで、ムーンライト・キャット・ダンサーを攻撃!」

セレナ「っ…!」

セレナ(《加速》…効果ダメージを0にするアクション魔法…これでは…!)

逆鱗遊矢「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンがバトルする時、その戦闘ダメージは倍!螺旋のストライクバースト!」

柚子「アクション魔法、《クイック・ガード》!これにより、キャット・ダンサーを守備表示に変える!DEF2000」

セレナ「柚子…!」

柚子「うん」

セレナ「ムーンライト・キャット・ダンサーは戦闘では破壊されない。よってこのバトルは無意味」

逆鱗遊矢「俺はダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンで、幻奏の音女オペラを攻撃!」

逆鱗遊矢「反逆のライトニング・ディスオベイ!」

柚子「きゃああああぁぁっ!」LP2600

瑠璃「柚子!」

逆鱗遊矢「トドメだ!やれ、霞の谷の巨神鳥!ダイレクトアタック!」

瑠璃「これが決まったら、柚子は…!」

セレナ「罠発動!《ギブ&テイク》!」

セレナ「自分の墓地からモンスター1体を相手フィールドに守備表示で特殊召喚し、 そのレベル分だけ自分フィールドのモンスター1体のレベルをエンドフェイズまで上げる!」

セレナ「私は墓地の《月光蒼猫(ムーンライト・ブルー・キャット)》を柚子の場に特殊召喚!DEF1200」

瑠璃「上手い!セレナから見れば、柚子は相手フィールド」

柚子「セレナ…!」

逆鱗遊矢「…俺は霞の谷の巨神鳥で、ムーンライト・ブルー・キャットを攻撃!」

柚子「ぐっ…」

セレナ「ムーンライト・ブルー・キャットが戦闘・効果で破壊された場合、デッキからムーンライトモンスター1体を特殊召喚する!」

セレナ「来い、《月光黒羊(ムーンライト・ブラック・シープ)》!ATK100」

逆鱗遊矢「俺はターンエンド」

柚子「ありがとう、セレナ」

セレナ「先に救われたのは私だ。気にするな」

セレナ(だがやはり強い…一対一なら今のターンで確実に終わっていた…この私が遊矢と対峙している…それだけでわかる。私の中で、どれだけ遊矢という存在が大きかったのか)

逆鱗遊矢「………」

セレナ「っ…遊矢…」

セレナ(待っていろ、必ず元に戻してやる…私達で)

柚子「私のターン!」

柚子(来た!)

柚子「私は魔法カード、《独奏の第1楽章》を発動!」

柚子「自分フィールドにモンスターが存在しない時、手札・デッキからレベル4以下の幻奏モンスター1体を特殊召喚する!」

柚子「私はデッキから、《幻奏の歌姫ソプラノ》を特殊召喚!ATK1400」

柚子「このカードが特殊召喚に成功した時、墓地からソプラノ以外の幻奏モンスター1体を手札に加える。私は《幻奏の音女オペラ》を選択!そしてこれを召喚!ATK2300」

セレナ「レベル4が二体…エクシーズか?」

柚子(スタンダード次元で遊矢が私に言った言葉…”自分を偽ってるだけの、道化のデュエルじゃみんなを笑顔にできない”)

柚子(だからこそ自分のデュエルを知る為に、シンクロ次元で遊矢にデュエルを挑んだ。遊矢だけじゃないわ、徳松さんやユーゴ…そして、このアカデミアでおじさんと再会してようやく見つけた言葉…今こそ届ける!)

柚子「ソプラノのさらなる効果!」

柚子「1ターンに1度、このカードを含む素材モンスターをフィールドから墓地へ送り、融合モンスター1体を融合召喚する!」

瑠璃「な!?」

セレナ「柚子が、融合召喚!?」

柚子「響け歌声!流れよ旋律!タクトの導きにより力重ねよ!」

柚子「融合召喚!」

柚子「今こそ舞台へ!《幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト》!ATK2400」

柚子「バトルよ!マイスタリン・シューベルトで、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを攻撃!」

瑠璃「オッドアイズの攻撃力は2500!それじゃあ!」

柚子「マイスタリン・シューベルトのモンスター効果!」

柚子「互いの墓地のカードを三枚まで除外。このカードの攻撃力は、この効果で除外したカードの数×200ポイントアップする!」

柚子「私が除外するのは、《強欲で貪欲な壺》《独奏の第1楽章》《融合》の三枚。よって攻撃力は600ポイントアップ!ATK3000」

セレナ「攻撃力3000!」

瑠璃「これならっ」

セレナ(遊矢の場にはあらゆる効果を無効にする巨神鳥。ペンデュラムモンスターは破壊されてもエクストラデッキに行くが、どうする…?)

柚子「この一撃に思いを込める!ウェーブ・オブ・ザ・グレイト!」

逆鱗遊矢「罠カードオープン!《ブレイクスルー・スキル》!」

逆鱗遊矢「相手フィールドの効果モンスター1体を選択。そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする!」

柚子「な!?」

セレナ「マイスタリン・シューベルトは効果によって攻撃力を上げるモンスター。その効果がなくなれば…!」

逆鱗遊矢「やれ、オッドアイズ!マイスタリン・シューベルトを返り討ちにしろ!」

柚子「ぐうっ…!」

逆鱗遊矢「オッドアイズの効果により、戦闘ダメージを倍にする!リアクション・フォース!」

柚子「あああぁぁっ!」LP2400

瑠璃「柚子!」

セレナ(柚子の一撃が、こうもあっさり…)

逆鱗遊矢「………」

セレナ「柚子…」

柚子「まだ…!」

柚子「まだデュエルは終わってないわ…!言ったでしょう?遊矢ここで私が止めてみせる!」

柚子「私はカードを一枚伏せて、ターンエンド」

セレナ「…私のターン!」

セレナ「私は手札から、《月光黒羊(ムーンライト・ブラック・シープ)》を墓地に送り、モンスター効果発動!」

セレナ「デッキから《融合》のカード一枚を手札に加える!」

逆鱗遊矢「霞の谷の巨神鳥のモンスター効果!」

逆鱗遊矢「魔法・罠・モンスター効果が発動した時、このカードを手札に戻す事で、その発動を無効にして破壊する!」

セレナ「だがこれで…魔法カード、《置換融合》を発動!」

セレナ「この効果により、フィールドのキャット・ダンサーとブラック・シープを融合する!」

セレナ「融合召喚!」

セレナ「現れ出でよ!月光の原野で舞い踊るしなやかなる野獣!《月光舞豹姫(ムーンライト・パンサー・ダンサー)》!ATK2800」


セレナ「ブラック・シープを融合素材とした事で、墓地のムーンライトモンスター1体を手札に加える。私はブルー・キャットを手札に戻す」

セレナ「さらに、パンサー・ダンサーがバトルする時、相手モンスターは一度だけ破壊されず、 全てのモンスターに二回ずつ攻撃できる!」

セレナ「パンサー・ダンサーで、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを攻撃!」

逆鱗遊矢「………」LP3700

セレナ「っ…もう一度だ!パンサー・ダンサー!オッドアイズを攻撃!」

逆鱗遊矢「ふ…」LP3400

セレナ「私はこれでターンエンド」

セレナ(駄目だ…こんな攻撃をいくら続けても…遊矢を正気に戻すには、どうすれば…)

セレナ「…!」

『二色の眼の竜よ!深き闇より蘇り、怒りの炎で地上の全てを焼き払え!』

セレナ「オッドアイズ…レイジング・ドラゴン」

セレナ(あれだ…あの時のモンスターが…)


リン「ん……あ……ここは…?」

瑠璃「…!気がついた?」

リン「私と同じ顔…?一体…」

リン「あ…!ユーゴ…ユーゴはっ!?」

逆鱗遊矢「俺のターン!」

リン「っ!?」

逆鱗遊矢「俺はセッティング済みのペンデュラムスケールで、ペンデュラム召喚!」

逆鱗遊矢「エクストラデッキから蘇れ、《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》!ATK2500

逆鱗遊矢「手札から、《霞の谷の巨神鳥》!ATK2700」

逆鱗遊矢「さらに手札のチューナーモンスター、《貴竜の魔術師》の効果発動!」

逆鱗遊矢「このカードが手札・墓地に存在する場合、レベル7以上のオッドアイズモンスターのレベルを3つ下げ、特殊召喚できる!」

逆鱗遊矢「来い、《貴竜の魔術師》!ATK700」

瑠璃「チューナーモンスターって…」

逆鱗遊矢「俺はレベル4のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンに、レベル3の貴竜の魔術師をチューニング!」

逆鱗遊矢「その美しくも雄々しき翼翻し、光の速さで敵を討て!」

リン「レベル7…?まさかっ」

逆鱗遊矢「シンクロ召喚!」

逆鱗遊矢「現れろ、レベル7!《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》!ATK250

リン「ユーゴの…ドラゴン?」

セレナ「クリアウィング・シンクロ・ドラゴン…何故遊矢がっ!?」

逆鱗遊矢「バトルだ!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!ムーンライト・パンサー・ダンサーを攻撃!」

逆鱗遊矢「反逆のライトニング・ディスオベイ!」

セレナ「ぐうううぅぅぅっ!」LP3100

逆鱗遊矢「クリアウィング・シンクロ・ドラゴンで、セレナにダイレクトアタック!」

逆鱗遊矢「旋風のヘルダイブスラッシャー!」

セレナ「うわああああぁぁっ!」LP600

柚子「セレナ!」

セレナ「ぐっ!?」倒れ込む

逆鱗遊矢「滅ぼす、貴様らも……全てを……破壊する……!」

リン「あ、あ…!」

柚子「遊矢…!」


瑠璃「遊矢の場にはまだ攻撃力2700の霞の谷の巨神鳥が居る。柚子もセレナも、どちらかがこのターンで!」

柚子「いいや、どっちも負けさせない!」動く

逆鱗遊矢「やれ!霞の谷の巨神鳥!柚子にダイレクトアタック!」

柚子「な!?」

柚子(《ノーアクション》…アクション魔法の発動を無効にし、そのカードを破壊する。でも、今の遊矢は…)

セレナ「柚子…!」

柚子「まだよ、まだ諦めない!罠カード、《カウンター・ゲート》!」

柚子「相手モンスターのダイレクトアタック宣言時、その攻撃を無効にし、デッキからカードを一枚ドローする!」

瑠璃「ほっ…」

逆鱗遊矢「俺はこれでターンエンド」

セレナ「くっ…」立ち上がる

柚子(これが今の遊矢の力…。ここまでの差が…こっちはセレナと二人で相手をしているというのに)

柚子「セレナ、大丈夫?」

セレナ「ああ…」

逆鱗遊矢「………」ギロッ

リン「ひっ!」

セレナ(あの見た者全てを凍りつかせるような目…怖い…。本当は、今にも逃げ出してしまいたいくらいに…)

セレナ「っ…」

セレナ(無理だ…いつだって私の隣で、私を守ってくれていた遊矢が敵になるなんて…)

セレナ「嫌だ……もう、嫌だ……」

柚子「?」

セレナ「助けて……私を助けてくれ……」

瑠璃「セレナ…」

セレナ「助けてくれ……遊矢……」

柚子「セレナ!!」

セレナ「っ!?」

柚子「遊矢は、セレナを助けてなんてくれないわ」

セレナ「柚……子……」

柚子「わかってる、セレナの気持ちは痛い程に……」

柚子「私だって……」ググツ

柚子「でも今は、今だけは弱音は吐いちゃ駄目…明日香さんは、私達を信じて送り出してくれた…」

柚子「カイトや黒咲から預かってきた思いを、遊矢に渡すまでは!」

セレナ「っ…!」

柚子「セレナ、言ったわよね?あなたはあなたの知ってる遊矢を取り戻してみせるって」

柚子「強く、優しく、どんな戦いであっても安心感を与えてくれた遊矢に。例え、どんな悪魔が生まれてようとって」

セレナ「………」

柚子「…弱音を吐くのは、本当の遊矢を取り戻した後よ。だから今は、今だけは私たちが助けてあげる番。結局、それから先は任せることになっても」

リン「………」

瑠璃「柚子…」

セレナ「ああ…すまない…」

返事遅れた!
デュエル構成は特に深く考えずにその場の勢いで書いてる感じかな?書いてて分かったのは、手札使わずに守れるアクションカードって結構便利ww
実力がわかりにくいから個人的にあんまり頼りたくないけど…社長曰く、ランサーズの最大の武器だし遊矢と権現坂以外には使わせるべきかなって気持ちもある

柚子「私のターン!」

柚子(クリアウィング・シンクロ・ドラゴンのモンスター効果は、レベル5以上のモンスターが発動した効果を無効にして破壊する。間違いなく今の私にとっては最悪の相性。なら私の取る手は…)

柚子「私は魔法カード、《ブラック・ホール》を発動!」

柚子「これにより、フィールド上の全モンスターを破壊する!」

逆鱗遊矢「霞の谷の巨神鳥のモンスター効果!」

逆鱗遊矢「魔法・罠・モンスター効果が発動した時、このカードを手札に戻す事で、その発動を無効にして破壊する!」

瑠璃「手札に戻っても、遊矢の場にペンデュラムスケールがある限り、巨神鳥のペンデュラム召喚は続く。あれをなんとかしなきゃ柚子とセレナは…」

柚子(アクションカードは手札に一枚しか持てない…このカード、今は邪魔…)

柚子「私はカードを一枚伏せて、ターンエンド」

セレナ「私のターン!」

セレナ「私は魔法カード、《月光香》発動!」

セレナ「墓地のムーンライトモンスター1体を特殊召喚する!」

セレナ「蘇れ、《月光舞豹姫(ムーンライト・パンサー・ダンサー)》!ATK2800」

セレナ「バトルだ!パンサー・ダンサーで、クリアウィング・シンクロ・ドラゴンを攻撃!」

逆鱗遊矢「ぐっ…!LP3100

セレナ「私はこれでターンエンド」

セレナ(どんなに勝機が薄かろうと、どんなに絶望的な道だろうと突き進む…遊矢を、取り戻す!)

逆鱗遊矢「…ぐ…あ…はっ……ああああぁぁっ!」

柚子「遊矢!」

逆鱗遊矢「…俺のターンッッ!!」

逆鱗遊矢「俺は手札から魔法カード、《七星の宝刀》を発動!」

逆鱗遊矢「手札または自分フィールドのレベル7モンスター1体を除外し、デッキからカードを二枚ドローする!」

逆鱗遊矢「俺は手札の霞の谷の巨神鳥を除外し、カードを二枚ドロー!」

瑠璃「巨神鳥を除外してまで、カードを二枚ドロー…?」

逆鱗遊矢「今一度揺れろ、魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!」

逆鱗遊矢「ペンデュラム召喚!蘇れ、《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》!ATK2500」

セレナ「これで再び、ドラゴンが二体…」

逆鱗遊矢「魔法カード、《幻影騎士団憑依(ファントム・ナイツ・ポゼッション)》を発動!」

逆鱗遊矢「自分フィールドのエクシーズモンスター1体を選択。選択したモンスターはそれ以外のモンスター1体と同じレベルを得る!」

逆鱗遊矢「俺はダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンのレベルをオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンと同じ7にする!」

瑠璃「ファントム!?あれはユートの…!」

柚子「エクシーズモンスターにレベル…」

逆鱗遊矢「俺はレベル7のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンとダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンでオーバーレイ!」

逆鱗遊矢「二色の眼の竜よ!深き闇より蘇り、怒りの炎で地上の全てを焼き払え!」

逆鱗遊矢「エクシーズ召喚!」

逆鱗遊矢「いでよ、ランク7!災い呼ぶ烈火の竜、《覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン》!!ATK3000」

瑠璃「オッドアイズ…レイジング・ドラゴン!」

セレナ「…!」

『バトルだ!オッドアイズ・レイジング・ドラゴンで、ダイレクトアタック!』

『憤激のデストラクションバースト!』

セレナ「っ…」

セレナ(怯えるな…この恐怖を乗り越えなければ、遊矢を救い出す事などできない。もう私は、怯まん!)

柚子「………」動く

逆鱗遊矢「オッドアイズ・レイジング・ドラゴンのモンスター効果!」

逆鱗遊矢「オーバーレイ・ユニットを一つ使い、相手フィールドのカードを全て破壊し、 ターン終了時まで、攻撃力を破壊したカードの数×200ポイントアップする!」

セレナ「だが、ムーンライト・パンサー・ダンサーはカード効果では破壊されない!」

逆鱗遊矢「俺は墓地の罠カード、《ブレイクスルー・スキル》の効果発動!」

逆鱗遊矢「このカードを除外し、相手フィールドのモンスター1体の効果をエンドフェイズまで無効にする!」

セレナ「っ!?」

逆鱗遊矢「よって破壊するカードは三枚。オッドアイズ・レイジング・ドラゴンの攻撃力は600ポイントアップ!ATK3600」

リン「3600…」

瑠璃「オッドアイズ・レイジング・ドラゴンは一度のバトルで二回の攻撃ができる。これじゃあもう…」

逆鱗遊矢「バトルだ!オッドアイズ・レイジング・ドラゴンで、ダイレクトアタック!」

逆鱗遊矢「憤激のデストラクションバースト!」

瑠璃「柚子!セレナ!」

セレナ「くっ…!!」

柚子「アクション魔法、《大脱出》!

柚子「この効果で、バトルフェイズを強制終了する!」

セレナ「柚子…!」

逆鱗遊矢「…俺はカードを一枚伏せて、ターンエンド。同時に、オッドアイズ・レイジング・ドラゴンの攻撃力は3000に戻る」

セレナ(オッドアイズ・レイジング・ドラゴン…レイジング…怒り……こいつを倒せるなら、遊矢を…)

柚子「…遊矢、覚えてる?この声が今の遊矢に届いているかはわからないけど、勝手に話すね」

セレナ「柚子…?」

逆鱗遊矢「………」

柚子「…ごめんなさい、あの時…あの時、遊矢を助けてあげられなかった。スタンダード次元で、弱虫、臆病者の息子…お前が榊遊勝の代わりに戦うなら、俺たちがストロング石島の代わりだって…」

逆鱗遊矢「………」

柚子「耐えられなかったんだよね?辛かったんだよね?だから、強くなる道を選んだ。何者にも負けない力があれば、もう誰も遊矢を嘲笑ったりしない。シンクロ次元でシンジ達の心を変えられたのも、遊矢の強さがあってこそだもの」

柚子「間違いなく遊矢は強くなった。デュエルも、心も、まさに、誰にも負けないくらいに。でもだからって…!」

柚子「だからって全部、一人で背負おうとしないでっ!」ボロボロ…

逆鱗遊矢「…!」


柚子「変わったのは遊矢だけじゃない!権現坂も私も、お父さんや洋子さんだってずっと遊矢の帰りを待ってた!」

柚子「デュエルで笑顔を、それが遊勝塾のデュエル。遊矢がいない以上、せめて私はそれを守り抜きたかった!」

柚子「スタンダードで再会した時、遊矢言ったわよね?”君自身が笑顔になってない。むしろ苦しみながらデュエルをしている”って…!」

柚子「そんなの当たり前じゃない……だって遊矢が……!」

柚子「一番大切な人がいないのに、笑顔になんて…」

セレナ「………」

瑠璃「柚子…」

柚子「ごめん、セレナ…!弱音を吐くのは遊矢取り戻した後って言ったのに…こんなの、ただの八つ当たりだ」

セレナ「…いい、いいんだ。弱いのは私も同じ、だが弱くても、二人なら…二人なら遊矢を取り戻せる…遊矢が正気じゃない今は、好きなだけ当たっておけ」

リン「遊矢…ユーゴにそっくりな彼は、一体なんなの?」

瑠璃「詳しくはわからない…わからないけど、少なくとも柚子とセレナにとって、大切な人…。そして、カイトや兄さんは遊矢に救われたと言ってた…」

瑠璃(なら、私も…)

瑠璃「私も見てみたい。柚子達がこだわり続ける彼の本当のデュエルを!」

柚子「瑠璃…」

瑠璃「だからお願い!柚子、セレナ!遊矢を助けて!あなた達で!」

セレナ「…当たり前だ」

柚子「ありがとう…もう泣かない…本当の遊矢を取り戻すまでは」

柚子「…私のターン!」

柚子「私は魔法カード、《オスティナート》を発動!」

柚子「自分フィールドにモンスターが存在しない時、手札・デッキから決められたモンスターを墓地へ送り、幻奏モンスター1体を融合召喚する!」

リン「デッキのモンスターカードで、融合召喚!?」

柚子「私はデッキから、《幻奏の音姫プロディジー・モーツァルト》と《幻奏の歌姫ソプラノ》を融合!」

柚子「天使のさえずりよ!至高の天才よ!タクトの導きにより力重ねよ!」

柚子「融合召喚!」

柚子「今こそ舞台に勝利の歌を!《幻奏の華歌聖ブルーム・ディーヴァ》!ATK1000」

柚子「バトルよ!ブルーム・ディーヴァで、オッドアイズ・レイジング・ドラゴンを攻撃!」

瑠璃「攻撃力1000で、3000のレイジング・ドラゴンをっ?」

柚子「ブルーム・ディーヴァの効果!」

柚子「ブルーム・ディーヴァは戦闘・効果では破壊されず、このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる!」

柚子「さらに、このカードが特殊召喚されたモンスターと戦闘を行ったダメージ計算後、ブルーム・ディーヴァとレイジング・ドラゴンの元々の攻撃力の差分のダメージを相手に与え、 その相手モンスターを破壊する!」

セレナ「これで、オッドアイズ・レイジング・ドラゴンを倒せる!」

柚子「これが私の最後の一撃…!リフレクト・シャウト!」

リン「やった!」

逆鱗遊矢「罠発動!《ドレインシールド》!」

柚子「な!?」

逆鱗遊矢「相手モンスター1体の攻撃を無効にし、その攻撃力分のライフを回復する!」LP4100

柚子「…このターンのエンドフェイズに、この効果で融合召喚したモンスターを破壊し、素材モンスターが自分の墓地に揃っていれば、その一組を特殊召喚できる」

柚子「私は《幻奏の音姫プロディジー・モーツァルト》と《幻奏の歌姫ソプラノ》を特殊召喚!」

柚子「ターンエンド…」

リン「そんな…」

瑠璃「柚子の渾身の一撃が、こんなあっさり…」

柚子「セレナ」

セレナ「ああ、柚子の思いは受け取った。後は任せろ」

セレナ「…悪魔よ、お前の出番はもう終わりだ」

セレナ「遊矢を、返してもらうぞ」

逆鱗遊矢「………」

申し訳ない、訂正する

柚子「バトルよ!ブルーム・ディーヴァで、オッドアイズ・レイジング・ドラゴンを攻撃!」

瑠璃「攻撃力1000で、3000のレイジング・ドラゴンをっ?」

柚子「ブルーム・ディーヴァの効果!」

柚子「ブルーム・ディーヴァは戦闘・効果では破壊されず、このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる!」

柚子「さらに、このカードが特殊召喚されたモンスターと戦闘を行ったダメージ計算後、ブルーム・ディーヴァとレイジング・ドラゴンの元々の攻撃力の差分のダメージを相手に与え、 その相手モンスターを破壊する!」

セレナ「これで、オッドアイズ・レイジング・ドラゴンを倒せる!」

柚子「これが私の最後の一撃…!リフレクト・シャウト!」

リン「やった!」

逆鱗遊矢「罠発動!《ドレインシールド》!」

柚子「な!?」

逆鱗遊矢「相手モンスター1体の攻撃を無効にし、その攻撃力分のライフを回復する!」LP4100

柚子「…このターンのエンドフェイズに、この効果で融合召喚したモンスターを破壊し、素材モンスターが自分の墓地に揃っていれば、その一組を特殊召喚できる。でも、ブルーム・ディーヴァはカード効果では破壊されないわ」

柚子「ターンエンド…」

リン「そんな…」

瑠璃「柚子の渾身の一撃が、こんなあっさり…」

柚子「セレナ」

セレナ「ああ、柚子の思いは受け取った。後は任せろ」

セレナ「…悪魔よ、お前の出番はもう終わりだ」

セレナ「遊矢を、返してもらうぞ」

逆鱗遊矢「………」

セレナ「私のターン!」

セレナ「私は墓地の魔法カード、《月光香》の効果発動!」

セレナ「このカードを除外し、手札一枚を捨てる事により、デッキからムーンライトモンスター1体を手札に加える!」

セレナ「私はスケール1の《月光狼(ムーンライト・ウルフ)》 をペンデュラムゾーンにセッティング!」

セレナ「準備は整った。ムーンライト・ウルフのペンデュラム効果!」

セレナ「自分のフィールド・墓地から、ムーンライトによって決められたモンスターを除外し、融合召喚を可能にする!」

セレナ「私は墓地のパンサー・ダンサーとブルー・キャット、パープル・バタフライを除外し、融合!」

セレナ「月光の原野で舞い踊るしなやかなる野獣よ!蒼き闇を徘徊する猫よ!紫の毒持つ蝶よ!月の引力により渦巻きて新たなる力に生まれ変わらん!」

セレナ「融合召喚!」

セレナ「現れ出でよ、月光の原野の頂点に立って舞う百獣の王!《月光舞獅子姫(ムーンライト・ライオ・ダンサー))》!ATK3500」

柚子「攻撃力3500!」

リン「レイジング・ドラゴンを上回った!」

セレナ「これが私の最強にして最後の切り札!私のこの手で、お前の目を覚ましてやる!」

セレナ「バトルだ!私はムーンライト・ライオ・ダンサーで、オッドアイズ・レイジング・ドラゴンを攻撃!」

逆鱗遊矢「ぐあああぁぁっ!」LP3600

セレナ(目を覚ませ、遊矢…!!)


柚子「遊矢…!」

リン「やったの…?」

逆鱗遊矢「はぁ……はぁ……はぁ……ぐっ!?」

『バトルだ!オッドアイズ・レイジング・ドラゴンで、ダイレクトアタック!』

遊矢「っ!?」

『おいおい、アカデミアじゃプロフェッサーの命令は絶対。そんな簡単に裏切っちゃダメだろ。って、俺が言っても説得力ないか』

『ぐ、苦しい……!待ってくれ、何でも言う……命……命だけは……!』

『破壊』

グヂャァァァ!!

遊矢(そうか、俺は……)

セレナ「遊矢…」

遊矢「柚子……セレナ……」

柚子「っ!」

セレナ「正気に戻ったんだな!」

(まだだ、俺はまだ満足していない)

遊矢「っ!?」ドクン!

(もっと激しく、もっと強く)

遊矢「俺は…!」

逆鱗遊矢「俺は…一つになり、最強の力を手にする…!」

瑠璃「?」

リン「様子がおかしい…ひょっとしてまだ…」

セレナ「遊矢…!」

遊矢「ふざけるな…!」

遊矢「最強だと……違う。それはお前じゃない、俺だぁぁぁ!!」


リン「っ!?」

遊矢「はぁ………はぁ……セレナ」

セレナ「遊矢!」

遊矢「もう一度……俺を攻撃しろ、今の俺じゃ、そう長くは……!」

セレナ「だが…!」

遊矢「頼む!今はそれしかな……ぐっ!?あがああああっっ!!」

柚子「遊矢!!」

セレナ(遊矢…)

セレナ「…ムーンライト・ライオ・ダンサーは1度のバトルフェイズ中に2回の攻撃できる!」

セレナ「これが最後のバトル…ライオ・ダンサー!遊矢をダイレクトアタック!」

遊矢「ぐあああぁぁっ!」LP100

瑠璃「一気に4000のダメージ…!」

リン「でもまだライフは…どうなる…?」

遊矢「ぐは……は………」

遊矢「あっ……」ガクッ

瑠璃「っ!?」

柚子「遊……矢……!」

セレナ「遊矢!」

「お連れしました、プロフェッサー」

プロフェッサー「うむ、ご苦労。下がって良い」

「はっ」

プロフェッサー「待っていたぞ、榊遊勝」

遊勝「久しぶりだな、赤馬零王。君には聞きたい事が山ほどある。アカデミアの事、次元戦争の事…」

遊勝「何より…私の息子の事について」

プロフェッサー「良かろう。ついに君に、全てを話す時が来たようだ」

零児「…………」

遊矢「ん……」

「遊……矢……!」

「しっかりしろ!目を開けてくれ…!」

遊矢(柚子……セレナ……?)

遊矢「痛っ…」

柚子「遊矢…!」

遊矢「俺は……」

瑠璃「気がついた?」

遊矢「…瑠璃…それに、リンか?」

リン「………」

柚子「…大丈夫、心配しないで。今の彼は紛れもなく榊遊矢。私達の味方よ」

リン「うん…本当のあなたとは初めましてよね。覚えてない?私も意識が朦朧としてたからよくわからないんだけど、あなたはユーゴと…」

遊矢「…ああ、デュエル内容はほとんど覚えていないが」

瑠璃「なら、私とデュエルした事は?」

遊矢「え?俺と君が?」

瑠璃「覚えてないのね…良かった」

遊矢「良かった、か…」

遊矢「………」

柚子「遊矢…?」

遊矢「一つだけわかってる事は、全てを破壊したいという感覚…シンクロ次元での時よりも、さらに強く…」

遊矢「そして、ドクトルやユーゴをこの手で…」

柚子「っ!?」

リン「………」

遊矢「すまなかった……俺はみんなを……」

セレナ「すまなかっただと…?それで済むとでも…?」

柚子「セレナ…?」

パシン!

柚子「あっ…」

遊矢「………」


セレナ「お前は、いつだってそうだった…」

セレナ「自分一人で考え、自分一人で動き、自分一人で解決し、自分一人の力でデュエルをする…」

セレナ「…それは立派な事だ。だからこそみんな、お前を頼る。例えどんなに絶望的な状況であろうと、遊矢がなんとかしてくれる。私自身、お前のそんな安心感にずっと甘えていた」

遊矢「…買いかぶりすぎだ。現に俺は、お前と柚子に救われた」

セレナ「そういう事ではないっ!!」

遊矢「?」

柚子「セレナ…」

セレナ「これは私の逆ギレだ。人前では戦士などと驕り、結局は遊矢を頼る。だがそれ以上に私は腹が立って仕方ない。覚えているか?お前はエクシーズ次元、ハートランドでカイトにこう言ったな。”繋がりがある限り、人は決して一人にはなれない”と…笑わせるな、まるで説得力がない」

セレナ「お前はいつも勝手に決めて 勝手に進んでしまう。今思えば、そんな言葉で改心したカイトが可哀想に思えてくるな」

セレナ「遊矢…お前は…!」

セレナ「お前は一度でも仲間を頼った事があるのか!?」

遊矢「………」

セレナ「私はそんなに頼りないのか?傷ついた遊矢を癒す事もできないのか?」

セレナ「なら私は、一体何の為に…!」

瑠璃「セレナ…」

セレナ「…なあ、遊矢にとって、私は枷でしかないのか?」

遊矢「………」

遊矢(セレナが枷…?そんな訳がない。例えこの命が朽ち果てようと、最強になるという夢を捨てる事になったとしても守りたい存在。それこそがセレナ。だからこそ、セレナを巻き込みたくはなかった)

遊矢(しかしそれは、守るべき対象。仲間と呼べるものなのだろうか?)

黒咲「確かに、貴様が凡庸なデュエリストなら何も問題はなかっただろう」

遊矢「?」

瑠璃「兄さん…カイトも…」

柚子「明日香さん、無事だったのね…」

明日香「遊矢、あなたは他人の思いに鈍感なだけ。もちろんその精神力があれば家族や仲間、デュエリストとしてのライバルがいなかったとしても一人だけで生きていける。失礼だけど、あなたは考え方次第で善にも悪にも染まる事ができるでしょうね」

カイト「人は誰かに縋った瞬間、己をなくす。俺はそう思って生きてきた。だがお前とのデュエルで初めてわかった。仲間の大切さ、失った者の思い、例え枷になろうと、それを受け継ぐのが生き残った者の責任だと」

黒咲「それを教えたのは貴様だ。カイトだけではない。俺もユートも、セレナ、柊柚子、あのジャック・アトラスも。多くの人間が貴様によって救われている。貴様のデュエルと、信念によって」

遊矢「で、結局何が言いたい?」

黒咲「貴様の中に悪魔が居ると言うなら、今度は打ち負かしてやれ。それこそが貴様のやり方だろう」

遊矢「悪魔を打ち負かす…」

黒咲「だが、何でも一人でやろうとするなよ。もしも再び悪魔にのまれるような事があるなら、何度でも、引きずってでも連れて帰ってやる。俺達は仲間だ」

遊矢「仲間、か…」


柚子「遊矢…」

遊矢「柚子」

柚子「?」

遊矢「思い出したよ、スタンダードで、かつての俺がどんなデュエルを目指していたのか」

遊矢「母さんや権現坂、父さんの事も。全てな」

柚子「父さん…」

遊矢「だが、信念は変わらない。俺はもうエンタメデュエリストには戻れない。戻る気はない」

遊矢「俺は一人のデュエリストとして、最強を目指す。ジャックやカイトの時のような、悔しい思いは二度としたくない。大切なものを守る為にもな」

柚子「……そう…」

遊矢「だから、ごめん」

柚子「ううん、いいの。遊矢が決めた事なら…」

柚子「すごく悲しいけど…いいの、それで」

明日香「………」

柚子「遊矢、お帰りなさい!」ボロボロ…

遊矢(…エンタメデュエル、確かにその思い出は胸の中にある。だからこそ、俺では駄目だ。笑顔…それは、君の力で…)

遊勝「覇王龍…」

プロフェッサー「かつて四つの次元が分断される以前にあったひとつの世界、そこでデュエル界の頂点を極めたデュエリスト」

プロフェッサー「その男の名は、ズァーク。榊遊矢こそ、ズァークの生まれ変わり!」

プロフェッサー「そして、我が娘レイも…」

零児「柊柚子、セレナ、瑠璃、リンの四人。それらを一つにし、レイを復活させる。それがあなたの最終目的という訳か」

プロフェッサー「そうだ。私が作り上げた四枚のカードを手に、ズァークだけではなく、レイも四つの姿に分かれてしまった。分離した世界を一つに戻す、私には悪魔を生み出してしまった責任がある!」

零羅「遊矢が、悪魔…!」

月影「馬鹿な…!」

遊勝「零王、君の思いはわかった。だが、おかしくはないか?」

プロフェッサー「おかしい?」

遊勝「もし遊矢が悪魔の生まれ変わりだと言うなら、もっと早くに仕留めることもできたはずだ」

遊勝「君はエクシーズ次元を攻撃し、人間をカードにする事で生命エネルギーを集めた。リバイバル・ゼロ、レイの復活」

遊勝「君の倒すべき相手は私の息子、榊遊矢のはず。やはりわからないな。君は自らアカデミアに遊矢を招き入れ、育成した。それも、娘の分身であるセレナと共に」

プロフェッサー「何が言いたい、遊勝?」

遊勝「君は遊矢に希望を抱いていた。違うか?」

プロフェッサー「………」

プロフェッサー「………」

遊勝「悪魔の復活を阻止するには、デュエルで遊矢を倒すしかない。君はそう言ったな」

遊勝「しかし君はそうする素振すら見せず、遊矢を自分の一番弟子として育て上げた」

遊勝「矛盾しているな。今の遊矢はズァークと同じ、デュエル界の頂点を立とうとしている。君程の男なら、最初からわかっていたはずだ」

遊勝「ズァークの分身なら、最強を目指さない訳がない。だからこそ同じ過ちを繰り返さぬよう、記憶を消した遊矢の隣にセレナを置いた。心…それこそが君が遊矢に求めたものじゃなかったのか?」

月影「心…?」

遊勝「記憶を失った遊矢と、孤独の中で生きてきたセレナ、彼ら二人ならお互いにとって大切な存在となる事ができる。君は遊矢に守るべき者を持たせる事によって、悪魔の復活を阻止しようとした。なのに何故…」

プロフェッサー「確かにそうだ…」

遊勝「?」

プロフェッサー「タクティクスはもちろん、各次元の召喚法、冷静さ、精神力。私はその全てを遊矢に叩き込んだ」

プロフェッサー「だが、所詮は無駄な時間だった。希望など、幻想に過ぎなかったのだ」

遊勝「幻想…?」

プロフェッサー「話は終わりだ。私は悪魔を葬り去り、必ずやレイを復活させる!邪魔はさせんぞ!」

遊勝「零王!」

零児「彼は榊遊矢だ。悪魔ではない」

零羅「っ…」

月影「零児殿…」

零児「あなたの気持ちはわからなくはない。だが、レイの復活…そんな事の為に人々の未来を権利などあるはずがない!」

零児「私はランサーズの創始者として、赤馬零王の野望を阻止する!さあ、構えろ!」

零羅「兄様……!」

プロフェッサー「良かろう、ならばもう何も言わん。邪魔をする者は全て排除する!覚悟はいいか、零児!」

零児「デュエル!」
プロフェッサー「デュエル!」

前編はここまで。本編では遊矢とタッグを組んでますが、こっちではタイマン勝負になります。
ユーリのカードがいい感じに判明してるし、後編ではぜひ活躍させたいなぁ。
何はともあれ、読んでくれた人ありがとう!

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