常務「同人誌を作りたいんだが」ちひろ「それ本気ですか?」 (6)



――常務の部屋――


ちひろ「それで、今回の歌姫庭園で買ったこの同人誌なんですけどね」

今西「ふーむ、まあ確かに斬新な切り口ではあると思うけど……」


常務「……」カタカタ


ちひろ「そうなんですよ! 物語の転の部分で、可愛らしいアイドルがプロデューサーさんの財布の中身を全てむしり取るっていう展開がですね」

今西「うーん、でもね? そこから自暴自棄になったプロデューサーが、裏の世界で詐欺師になるっていうのはどうかと思うんだよ僕は」


常務「……」カタカタ


ちひろ「ええっ!? その後に隠し子が見つかって、命がけの賭博をするんですよ!?」

今西「千川君はどうしてもプロデューサーの人生を崖っぷちに追い込みたいんだね」




常務「……ふむ、二人とも少しいいか」ガタリ

ちひろ「あれっ、常務。どうかしましたか?」

常務「ああ、私から極めて重要な提案が一つある」

今西「提案だって?」




常務「――私たちの手で、同人誌を作らないか」





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前回↓ 

常務「ふむ、今回のコミケの収穫はこれくらいか」ちひろ「今年も豊作でしたね~」
常務「ふむ、今回のコミケの収穫はこれくらいか」ちひろ「今年も豊作でしたね~」 - SSまとめ速報
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これの続きになります。 設定なども引き継いでます。




シーン



ちひろ「……えーっと。それでですね、こっちの本もなかなか良くて」

今西「ほう、これは期待できそうだね。表紙が僕好みだ」



常務「……」



ちひろ「ちょっとちょっと、今西部長。常務、すごい寂しそうな顔してるんですけど」コソコソ

今西「さすがに無視はマズかったかもね」コソコソ

ちひろ「でも、同人誌作りたいって。どうするんですか」コソコソ

今西「いや、僕も初めて聞いたからなんとも言えないな」コソコソ

ちひろ「……私が聞いてみますか?」コソコソ

今西「頼んだよ」コソコソ

ちひろ「まかせてください」コクリ




ちひろ「あ、あのー。常務。同人誌を作るって、どういうことですか?」

常務「……」ズーン



ちひろ(うわあ、めっちゃ露骨に落ち込んでるぅー!)




ちひろ(このまま放っておくのもダメですよね、今西部長)チラッ

今西(ああ。頼んだよ、千川君)コクリ




ちひろ「じょ、常務……?」

常務「いや、もういいんだ。忘れてくれ。ちょっとした気の迷いだった、ただそれだけだ」

ちひろ「えっ、でも話だけでも」

常務「……いや、もう、いいんだ」

ちひろ「……」

常務「……」ズーン



ちひろ「今西部長、最低ですね」

今西「この流れで僕が悪いことになるのおかしいよね!?」




―数分後―


常務「と言うわけで、同人誌を作ることになったわけだが」

ちひろ「わーい」パチパチ

今西「……ふーむ」

ちひろ「それで、どんな本を作るんですか?」

常務「ああ、よくぞ聞いてくれた」スッ



ウィーーーン ガシャン



今西「スクリーンが下りてきたんだけど、これは?」

常務「相手に伝えるのにプレゼンを用意するのは社会人の常識ですよね、今西部長」


ちひろ(思いのほか、やる気満々ですね、常務)

今西(ああ、やる気満々だ)


常務「よし、準備が出来た。それでは、プレゼンを始めよう」


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