「名前を書くと、自分のものになる」 (4)


朝。
学校に行こうとして家を出ると、自分の家の表札が大変な事になっていた。

いたずら書き……にしては、小規模でたちが悪い。
僕の名字が入ったそれは黒マジックの綺麗な二本線で消され、隣には全く別の名前が書かれていた。
ご丁寧に訂正印まで押してある。

「なにこれ」

変に下品な絵だとか卑猥な言葉などでない分、少々薄気味悪い。
ぼーっと突っ立っていると、家から母親が出てきて言った。

「こらアンタ、またお弁当忘れ…… すみません! 人違いでした!」

「え?」

「同じ制服着てるからてっきり…… あの、ウチの表札がどうかされましたか?」

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