女「それか初めからアレを鎮静化させるのが任務だっタリ？」

男「ンな訳ないでしょーが！　だったら何でこの面子にブレインがいないんだよぉ！？」

女2「そもそも私たち全員アタッカーだしね」ﾜﾊﾊ

男「だからなん――」

？「ィ、アアアッ！」バｷﾝｯ!

女「マズッ！？」ﾀﾞｯ!

ズドンッ！

女2「ふわぁ、さっきまでいたビルが一瞬で粉々だぁ」ｷﾗｷﾗ

男「今のどこに感動する所があったの！？　一歩間違えたら俺らもああなってたのよ！？」

女「ほら、カッカしなイデ？　あの雲、『簡単なお仕事だから大丈夫』って言ってた司令官の顔みたいダヨ？」

男「カッカしますよ！　この状況でそんな呑気なセリフが吐けるアンタらと一緒じゃねえ！？」

女2「ええっ、私たち二人に興奮してるの！？　それはちょっとなぁ……」ﾜ､ﾜﾊﾊ

男「うわああああっ、もう誰か真面な人がいたら助けて！」ｳﾜｰﾝ

女「ほらホラ、そんなに騒いでると――」

？「アア……、アアアアアッ！　ィアアアアアアアアアア――ッ！」ﾋﾞﾘﾋﾞﾘﾋﾞﾘ

女「アーア、気付かれちゃったヨ」

男「私の責任でしょうかねえ！？　お二方も十分に騒いでましたけどぉ！？」

女2「また綺麗に周囲の瓦礫を吹き飛ばしてくれたねぇ」ﾜﾊﾊ

男「衝撃波を生む程の咆哮、しかもあれだけの瓦礫に埋もれてもピンピンしてる所を見ると相当頑丈そうだ」ｲﾃﾃ

女「まあ仕方ないネ！　私たちだけでやるしかないっショ！」

男「ちょいちょいちょーい！　あんなAランククラスの化物俺たちじゃ無理だって！」

女2「でもあちらさんは私たちを逃がしてくれそうになさそうだよ？」ﾁﾗ

？「シュー……シュー……！」ｼﾞﾘ

男「でもですね？　そもそも3人しかいない、しかも全員アタッカー、しかもFランの俺たちには荷が重いと言いますか……」

女「大丈ブ！　今までだって何とかなったシ、それによく言うじゃナイ！『帰ったら結婚』の約束をした人の思いは強いっテ！」

男「それ完全に死亡フラグなんですけどぉー！？　しかもいつ誰がそんな約束しましたかあ！？」

？「ァ――アアアアアアアアアアアアアアアアッ！」ﾊﾞﾝｯ!

♀♂♀


司令官「――で、捕獲対象を目覚めさせてしまった挙句にがしてしまったと？」

男「いやいやいや、違いますって！　対象は初めから起きてていきなり襲われたんですって！」

女「そーソー、大変だったんだヨ？」

女2「いやぁ、もう少しで殺れそうだったんだけどね」ﾜﾊﾊ

司令官「御託は良い――っ！　貴様らは結果を残せなかった。それだけだ！」

司令官「こんな簡単な任務もこなせないとは……先が思いやられるな」ﾊｧ

司令官「処罰は追って連絡する。それまで自室で待機してろ」ﾌﾟｼｭｰ、ｽﾀｽﾀ

男「うぅ、初任務が黒星だなんて……」ｼｸｼｸ

女2「まーまー、元気出して？　飴舐める？」

女「そうだヨ、命があったんだから喜ぶべきだっテ！」

男「逆にどうしてお二人はそんなに元気なんですかねぇ！？」

女「そりゃ任務を失敗したのは悔しかったケド、実戦はあんなにスリルがあるとは思わなかったシ！」

女2「むしろ三人であそこまでやれたことを称えられても良いレベルだとアタシは思うな！」ﾜﾊﾊ!

男「何故にそんなお気楽な考えでいられるの！？」ﾌﾞﾜｯ

男「そもそも！　司令官だって悪いんだ！」

女「そうダそうダ～」

男「Aランクの化物ならまず実戦経験のあるAランク級は一人いるべきだし！」

女2「そうだっけ？」

女「シッ！　今怒りの矛先が私たちに向いてないから黙っとコ！」

男「それにアタッカー、サポーター、ディフェンダー、ブレイン、マインドの七人でのチームが当然でしょうが！」ﾀﾞﾝｯ

女2「七人？　最初の人を入れても六人じゃない？」

女「アタッカーだけは最低二人だったデショ」

女2「それで七人か～」ﾎｴｰ

男「それを三人のアタッカーだけで任務を遂行しろってのが間違いなんだよ！」

女「でもそんな状況で生き延びられるなんて流石ダヨ～」

男「ま、まあまぐれとはいえとっさの判断としては中々だったかな」ﾃﾚ

女2「やっぱり頼りになるね～」ﾜﾊﾊ

男「そりゃあ俺は一応男だし？　た、多少はね！」

女「それじゃあこれからも三人で――」

男「それだけは絶対断るッ！！」

女2「えー、両手に花なんだから良いじゃん」ﾌﾞｰﾌﾞｰ

男「花があろうと死んだら元も子もないでしょうが！」

『えー今期唯一のFランクの三名、支給指令室に来るように。繰り返す……』

女「露骨に厭味な呼び出しを喰らっちゃったネ」ﾌﾟﾌﾟｯ

男「ここ怒るところよ！？」

女2「でも唯一って言われると何か特別な気がして嬉しいなー」ﾜﾊﾊ

男「嬉しくないから！　どうせなら唯一のSランクって言われたいよ！」

女「まあマア、夢見てても仕方ないから早く行コ？」

男「あああああっ！　なんで俺が宥められるんだよぉ！」

次回、三人の名前を公開
つづく

司令官「来たか……一応時間通りには来たな」

女「当然ダネ！」

男「普通は司令官より先に来るべきですけどね！」

女2「違うよ、きっと私たちを待たせないようにって早く来てくれたんだよ」

男「それは前提として俺たちが時間より早くついてなきゃいけないんだよ！」

司令官「コントは余所でやってくれ。兎に角話を進めるぞ」

女「怒られてやんノ」

女2「もう私たち社会人なんだからしっかりしないとぉ」

男（俺だけが怒られてるわけじゃないんですけどねぇ……）ｲﾗｯ

司令官「貴様らの任務の失敗により、別の問題が発生した」

司令官「前回の目的地、145地域より西の151地域で殺傷事件が起きた」

女「それが私たちが逃がしたあの化物がやったってコト？」

司令官「そうだ、それを今度こそ捕まえろ。それが任務だ」

男「あ、あの～我々だけですとあの相手はきついと思われるのですがー……」

司令官「三人なのは処罰を含めている。異論は認めん」

女2「因みに生死は？」

司令官「生きて捕えろ。流石に無傷でとは言わん」

男（それでも難し過ぎですがな！？）

司令官「それでは――アイシクゥル、リブラ、波動の三名は目的地へと向かえ！」

♀♂♀

リブラ「グスッ、結局三人でやらないといけないのか……」

アイシクゥル「ほらホラ、上を向いて歩かないと楽しい事を見逃すゾ！」

リブラ「これから死地へと赴くのに楽しいも何もあるかあ！」

波動「カリカリしすぎだよ、煮干し食べる？」

リブラ「何で呑気にそんなの食べていられるんですかねえ！？」

波動「そりゃあ美味しいからだよ」ﾜﾊﾊ

リブラ「答えになってないよ！　俺が言いたいのは――ああ、もういいよ！」

アイシクゥル「どうもありがとうございまシタ？」

リブラ「何が言いたいの！？　漫才のオチの挨拶でもしたいの！？」

アイシクゥル「それダ！」

リブラ「なにがだよ！？　お願いだからこれ以上余計なことで悩ませないで！」