【ガルパン】ダージリン「私のメイドになりなさい」みほ「え?」 (148)

時系列は劇場版後
百合要素あり
二次ネタあり
独自解釈多め
ちょっとだけオリキャラ出します(設定上は居るキャラですが名前とかは勝手につけてます)
以下の要素が大丈夫じゃない方はブラウザバック推奨
ダーみほはいいぞ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1475135042

ダージリン「……はぁ」

オレンジペコ「…またですか?」

ダージリン「えぇ…」

ダージリン「あの日にあの人と出会って以来…」

ダージリン「とくに大学選抜との戦い以降…あの人は…私の心を掴んで離そうとしないの」

オレンジペコ「…それなら彼女をここに誘えばいいのでは?そうすればダージリン様も…」

ダージリン「ええ、それもいいかもしれないわ…」

ダージリン「結局、私と彼女は…戦車道でしか関係を持ち合わせていないのですもの」

ダージリン「彼女と深い関係になるには…互いのことを知る必要がある…」

ダージリン「…私は彼女のことを知り尽くしているつもりだけど…向こうは私を何も知らない」

ダージリン「しかし…どう誘おうかしら…」

prrrrr

ダージリン「あら…そう………」

ダージリン「わかりましたわ…ただし…」

ダージリン「…1つだけ条件を付けてはもらえませんか?」

ダージリン「その試合に勝てたほうが何か一つ…」

ダージリン「何でも言うことを聞かせることが出来る…というのはどうでしょう」

ダージリン「もちろん…可能であることをお願いするのが前提ですが…」

ダージリン「……ええ、ありがとうございます……それでは…」

ガチャッ

ダージリン「………僥倖…ね」

ダージリン「………オレンジペコ」

オレンジペコ「はい」

ダージリン「大洗と練習試合をすることになったわ…」

ダージリン「OG会と家の方に連絡を取りなさい…」

ダージリン「…この試合、負ける訳にはいかないわ」

オレンジペコ「承知いたしました、すぐに双方に連絡を送ります」

オレンジペコ「……ご主人様」

ダージリン「……ふふふ、その呼び方も…随分と懐かしいわね…」

オレンジペコ「…えぇ」

………………………
みほ「グロリアーナと練習試合?」

杏「そうそう、なんだかんだでまだ一回も勝ててないし、いいかなーっておもって」

みほ「はい、私もダージリンさんにきっちりリベンジがしたいと思ってました」

杏「けどねー、なんか変な条件付けられちゃってさー」

みほ「条件?」

杏「次の練習試合…」

杏「もし勝ったら負けた方に何か一つ…何でも言うことを聞かせることが出来る…」

杏「そんな感じの条件を提示されたんだよね、面白そうだから受けたんだけど」

みほ「え?」

みほ「えっと…もし負けて向こうがとんでもないことを言ったら…」

杏「そこら辺は大丈夫だと思うよー、一応可能なことのみって向こうから言ってたから…」

みほ「そう…ですか…」

杏「…もし勝ったらチャーチルくれるかな」

みほ「どうでしょうか…とにかくなんとか勝ちましょう!」

杏「そーそ、勝てばいいんだよ、勝てば」

みほ「ルールは8VS8の殲滅戦…あ、きた…」

優花里「え、えええ!?」

みほ「優花里さんどうしてそんなに驚いて…えっ」

ダージリン「みほさん…こんにちは…」

みほ「…ダージリン…こんにちは…」

ダージリン「本日はお手柔らかにお願いします」スッ

みほ「は、はい…」ギュッ

麻子「英国面…ここに極まる…」

杏「これ…数さえあれば黒森峰とも正面から戦えそうだねー」

聖グロリアーナ側
センチュリオンMK1×1
ブラックプリンス×2
チャーチル×2
クロムウェル×3

みほ「」

杏「…西住ちゃん」

みほ「……なんとか頑張りましょう」

杏「あ、うん、そうだね」
………………
ドォォォン!

……………カッ シュポッ

審判「試合終了…聖グロリアーナ女学院の勝利…」

みほ「…」

優花里「西住殿…」

華「…みほさん」

杏「いやー、負けちゃったね、西住ちゃん」

みほ「はい…惜しいところまでは…行けたんですけどね」

ダージリン「…みほさん」

みほ「は、はい…」

ダージリン「いい勝負でしたわね」

みほ「はい…」

ダージリン(まさかあの戦力差で残り2両まで追い込まれるとは…さすがですわね)

ダージリン「ところで……知っているかどうかはわかりませんが…」

ダージリン「生徒会長の杏さんにとある約束をしてましてね」

ダージリン「……勝ったほうが1つ…何でも言うことを聞かせることが出来る」

みほ「知ってます…」

みほ「あの、一体どんなことを…」

ダージリン「そこまで難しいことではありませんわ…」ドクン…ドクン…

ダージリン「みほさん…」

みほ「はい」




ダージリン「私のメイドになりなさい」



みほ「……メイド?」

ダージリン「…えぇ、一週間…私に仕えるメイドになるの…」

みほ「……」

ダージリン「どうかしら?もし一週間が長いというなら…もう少し短く」

みほ「…いえ、もっと難しいことなのかと思いました…」

みほ「メイドもメイドで…大変そうですけど…」

ダージリン「この提案はこちらからのお願いですもの…そんな無茶苦茶な事は言いませんわ」

みほ「…わかりました…」

みほ「…何か粗相をするかもしれませんが…お手柔らかに、お願いします…」

ダージリン「善処するわ…あと…みほさん以外の連れ込みは無しでお願いするわ…」

みほ「はい…わかりました」

優花里「にじづみどのおおおおお~!!!!」

沙織「ゆかりん泣きすぎ!」

優花里「だって西住殿が一週間もいなくなるんですよ!私!ミホニウム欠乏症で死んでしまいます~!!」

麻子「強力な戦車ばかりを揃えてたのは…このためだったのか」

華「何かひどい目にあったらすぐに連絡してくださいね、駆けつけますから」

みほ「あ、ありがとう…」

みほ「じゃあ…行ってきます」

みほ「聖グロリアーナの学園艦…やっぱり大きいなぁ」

みほ「ここで迎えが来るって言ってたけど…」

メイド「……初めまして」

みほ「…はい?」

みほ「……あの…どちら様でしょうか」

メイド「…凛様のご友人の西住みほでよろしかったでしょうか」

みほ「みほは私ですが…凛……?」

メイド「…あぁ、失礼しました…」

メイド「……ダージリン様のご友人…といったほうがよろしいですわね」

みほ「あ、そうです…ダージリンさんに呼ばれて…」

メイド「ダージリン様が学園でお待ちです…案内いたします」

みほ「…ありがとうございます」

メイド「どうぞお乗りください」

みほ「……えっ」

みほ「これって…」

メイド「どうかしましたか?」

みほ「リムジン…ですよね?」

メイド「何か?」

みほ「え、えっと…失礼します!」

みほ「…」

みほ(落ち着かない…リムジンになんて乗ったの初めて…)

メイド「ところで…凛…いえ、ダージリン様はお元気でしょうか」

みほ「はい?」

メイド「実は…家以外でのことは私達はよく知らないんです…」

みほ「元気ですよ…この前…試合した時は生き生きとしていました」

メイド「そう…よかった」

メイド「……つい最近…ダージリン様からご連絡を頂いたんです」

メイド「どうか…力を貸して欲しいと」

みほ「…」

メイド「この6年間…ダージリン様が私達に援助を求めたのは…これが初めてです」

みほ「あの…ダージリンさんとあなたは一体…どういう関係なんですか?」

メイド「…それはきっと…ダージリン様本人が教えてくださるでしょう」

みほ「え?」

メイド「つきましたよ」

みほ「……ここが…聖グロリアーナ女学院」

メイド「ダージリン様のところまでは彼女が案内いたします」

オレンジペコ「みほさん…こんにちは」

みほ「オレンジペコさん…素敵なメイド服」

オレンジペコ「似合いますでしょうか?」

オレンジペコ「では、お荷物…お持ち致します」

みほ「あ、わざわざ…ごめんなさい…」

オレンジペコ「大丈夫です、慣れていますから」

オレンジペコ「ダージリン様が申し訳ありませんでした…こんな無茶な願い…」

みほ「…いえ、気にしてはいません」

オレンジペコ「…着きました…ここがダージリン様のお部屋になります」

みほ「…わぁ、すごくきれい…」

オレンジペコ「ダージリン様」

ダージリン「来たわね…こんにちは」

ダージリン「これから一週間…よろしくね」

みほ「…はい、よろしくお願いします」

ダージリン「では…早速…」

オレンジペコ「みほさん…こちらへどうぞ」

みほ「は、はい」

ダージリン「終わったかしら?」

オレンジペコ「はい」

ダージリン「…開けなさい」

オレンジペコ「…」

シャアアアアッ

みほ「……///」

ダージリン「………」

ダージリン「みほさん…とても似合っているわよ…///」

みほ「あ、ありがとうございます…ダージリンさん」

ダージリン「……」

みほ「あっ、ごめんなさい…」

みほ(ちょっと恥ずかしいけど…)

みほ「………ご主人様…///」

ダージリン「…………ッ!」ゾクッ…

ダージリン「……いえ、ダージリンでいいわ」

みほ「で、でも…」

ダージリン「ご主人様の命令よ…呼び方はいつも通りでかまわないわ」プルプル…

オレンジペコ(鼻血を出さないように必死でこらえてますね)

アッサム(好きなお方の上目遣いでのご主人様呼びですし…無理もないかと)

ダージリン「それでは…みほ…あなたの初仕事よ」

ダージリン「…美味しい紅茶を入れてくださるかしら?」

ダージリン「やり方は…オレンジペコに聞くように」

みほ「は、はい…」

……………

ダージリン「…」ズズズ…

みほ「…」

ダージリン「中々の味ね」

みほ「あ、ありがとうございます」

ダージリン「……」

ダージリン「…では、戦車道の練習を始めましょうか」

ダージリン「みほさんもご覧になるといいでしょう」

みほ「は、はい」

……………
ダージリン「…………」

アッサム「珍しいですね…あなたが格言を言わないなんて」

ダージリン「悪かったかしら?アッサム」

アッサム「いえ、珍しいとおもっただけです」

ダージリン「今のみほさんの目の前では…格言や名言ではなく自分の言葉で話したいの…///」

アッサム「…そう…ですか」

ダージリン「ふふふ、これからの一週間が楽しみですわ…」

その日の夜

みほ「…」

ダージリン「さぁ、帰りましょうか…みほさん」

みほ「あ、はい…」

ダージリン「…何か?」

みほ「いえ…あまりメイドとしてのお仕事がなかったと思って…」

ダージリン「学校内ではそこまで大きな仕事はないわ…」

ダージリン「ここからが本番よ」

ダージリン「…オレンジペコ」

オレンジペコ「はい、お車の用意はできております」

ダージリン「行きましょう、みほさん」

みほ「は、はい…」

リムジンの中

ダージリン「普段は私も寮で生活してるのよ…けど寄港中くらいは家に帰りませんとね」

オレンジペコ(もう半年は家に帰っていないのに…)

みほ「あの…ダージリンさんは一体…」

ダージリン「…」

ダージリン「着いたわね」

みほ「……!」

みほ(すごい豪邸…ここが…ダージリンさんの家)

ダージリン「運転…ありがとう」

ダージリン「母上と父上は?」

メイド「……海外出張です」

ダージリン「…葵は?」

メイド「いらっしゃいます」

メイド「あなたと会えるのを楽しみにしておりましたわ」

ダージリン「そう…」

みほ「葵?」

ダージリン「すぐにわかるわ…降りるわよ」

みほ「あ、はい…お荷物…お持ち致しますね」

ダージリン「ありがとう」

「「「「「「おかえりなさいませ!お嬢様!」」」」」」

みほ「………!」

ダージリン「…驚いたかしら?」

みほ「ダージリンさん…リムジンといい…豪邸といい…一体あなたは…」

ダージリン「そういえば…グロリアーナの皆さん以外に話すのは初めてですわね」

ダージリン「…私の本名は…」

ダージリン「田尻凛」

みほ「え?田尻って…まさか!?」

ダージリン「そう……私は……」

ダージリン「田尻財閥の跡継ぎなの」

みほ(田尻財閥…)

みほ(今運用されている公立の学園艦の8割は田尻財閥が製造したと言われている)

みほ(そして学園艦で行われている貿易の一部の収益で莫大な財産を持っていて…)

みほ(最近では…学園艦の事業以外でも昔の戦車を復元させるために力を入れているともテレビで言ってたような…)

みほ(けど…ダージリンさんがその田尻財閥の跡継ぎだったなんて…)

葵「凛お姉様!」ギュッ

ダージリン「…葵…久しぶりね」

みほ「この娘は…?」

ダージリン「田尻葵…」

ダージリン「私の………妹よ」

みほ(……ここから、私とダージリンさんの…とても長い一週間が始まりました)


今回はここまで
オリキャラとはメイドだったりダージリンの妹だったりです
どちらかというとシリアス寄りになると思いますが最終的にイチャイチャに持ってくつもりです
次回は日曜日に更新いたします

あ、ダー様の格言や名言はきっちり出すので安心してください
まったくやらないというわけではありません

三点リーダーについては申し訳ありません
あんまり目立たないように減らしますね
とりあえず続きは頑張って土曜日になんとか投下できるようにします

あと今まで書いたガルパン関連の過去作もついでに貼っておきます
【ガルパン】みほ「素直になる薬?」
【ガルパン】みほ「素直になる薬?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1473865919/)
【ガルパン】アンチョビ「どうかしたのか?」まほ「伝えたい事がある」
【ガルパン】アンチョビ「どうかしたのか?」まほ「伝えたい事がある」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1471181638/)
杏「白馬の王子様」【ガルパン】
杏「白馬の王子様」【ガルパン】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1468852187/)
まほ「行くぞ!」アンチョビ「望むところだぁー!!」
まほ「行くぞ!」アンチョビ「望むところだぁー!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1469182449/)
アンチョビ「これが私の戦車道」
アンチョビ「これが私の戦車道」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1469342065/)

ダー様中心はまだ書いてませんが違和感のないように頑張って書いていこうと思います

ちょっと夜遅くになりそうです…もしかしたら日付変わるかも

葵「お姉様…そちらの方は?」

ダージリン「一週間私のお世話をすることになった…西住みほという方よ」

葵「!」

葵「…西住みほ」

葵「…よろしくお願いします」

みほ「あ、こちらこそ…よろしくお願いします」

ダージリン「葵は2つ下の1年生よ…帰ってきていたのね」

葵「えぇ、お姉様が戻ってきたと聞いて…飛んで帰ってきました」

ダージリン「といってもあまりここには長居しないけれど」

葵「えっ…」

ダージリン「日曜日のお昼までよ…あなたも学校があるでしょう?」

葵「それは…そうですが…」

ダージリン「…ごめんなさいね」

みほ「……」

ダージリン「みほさん…行きましょうか」

みほ「……あっ…はい…」
…………
ダージリン「…ここが私の部屋よ」

みほ「凄く大きくて…立派ですね」

ダージリン「メイドに夕食の準備をさせるわ…」

みほ「あの…私は何をすればいいんですか?」

ダージリン「みほさんは…そうね」

ダージリン「熱い紅茶の用意を」

みほ「はい!」

みほ「……調理室……何処だろう?」

葵「みほさん」

みほ「あ、葵様」

葵「どうかしましたか?」

みほ「実は…その…」

葵「迷子ということですか?」

みほ「え?まだ私何も言ってませんよ」

葵「ここに初めて来て迷子にならなかったのは今のメイド長くらいよ」

みほ「……すみません」

葵「謝らなくてもいいわよ」

葵「調理室ね、ついてらっしゃい」

みほ「ありがとうございます…」

葵「調理室はここよ、私達とメイドと執事全員」

葵「…合計で40人分の紅茶を用意してね」

みほ「は、はい!わかりました」

葵「まぁまだ食事の時間には速いから…」

葵「もう少しお話しましょうか」

葵「ねぇ…みほさん」

みほ「何でしょうか?」

葵「あなたは…お姉様の何?」

みほ「え?」

葵「お姉様がグロリアーナの学生以外でここに招いたことなど、今まで一度もなかった」

みほ「…!」

葵「……西住みほ…」

みほ「…」

葵「私も戦車道は学んでいますので…あなたのことも良く知っています」

葵「たしかあなたはグロリアーナではなく大洗女子学園にいるはず」

葵「…どうしてあなたがここに?」

みほ「それが…」

かくかくしかじか

葵「なるほど…お姉様がここまでやるなんて…」

みほ「?」

葵「よくわかっていないようね…」

みほ「すみません…」

葵「…そろそろいい時間ですわね…」

葵「美味しい紅茶…期待していますわよ」

みほ「…はい!」

みほ「…わぁ、すごいご馳走」

みほ「これ…私も食べていいんですか?」

ダージリン「もちろんよ、食卓は全員で囲むもの」

ダージリン「…そこにメイドも主人も関係ないわ」

ダージリン「それでは…いただきます」

みほ「いただきます…」

葵「…」

葵「この紅茶…」

みほ「あ、あの…何か」

葵「とても飲みやすい…あなたの優しさが伝わってきますわ」

葵「それにとても美味しいわ…」

みほ「…!」

葵「他のメイドも喜んでいますわよ」

みほ「…ありがとうございます!」

みほ「…ごちそうさまでした」

葵「それでは…お姉様…」

葵「ぜひ、この前の戦車道大会についてお聞かせくださいませ!」

ダージリン「えぇ、みほさんもいますし…三人で話しましょうか」

みほ「……すみません、今から食器のお掃除の仕事が」

ダージリン「ご主人様の命令よ、ここにいなさい」

みほ「…はい、わかりました」

ダージリン「…では、大洗との最初の練習試合からお話しましょうか」

葵「…はい」

みほ(ダージリンさん…折角妹さんと一緒にいられる時間なのに…)

みほ(どうして二人で話さないんだろう)

葵「……」

みほ「…」

ダージリン「今日一日を過ごして、どうでしたか」

みほ「ちょっと疲れました」

みほ「でも…ダージリンさんのことがよくわかったきがします」

ダージリン「そう…」

ダージリン「明日はお昼から夕方まで出かけるわ、一緒に付き合いなさい」

みほ「え…この格好で…ですか」

ダージリン「もちろんよ、あなたは私のメイドですもの」

みほ「…ちょっと…恥ずかしいです///」

ダージリン「ふふふっ、恥ずかしがってるあなたも可愛いわね」

ダージリン「じゃあ…おやすみなさい」

みほ「はい…おやすみなさい」

みほ「…凄く大きいベッド…」

みほ(メイドの部屋でもダージリンさんの部屋と変わらないくらい豪華なんだ…)

バフッ

みほ(…なんか…ちょっと寝にくいかも…)

みほ(………ダージリンさん)

みほ(もしかして…あまり家にいたくないのかな)

コンコンコン

みほ「はい」

葵「…」

みほ「葵様…」

葵「あなたとお話がしたいわ…西住みほ」

みほ「!」

葵「お姉様のこと…知りたいですわよね?」

葵「お姉様はこの家で田尻財閥の跡継ぎとして育ちました」

みほ「…」

葵「財閥の後継ぎとして厳しい英才教育をすべて乗り越えて立派な淑女となった…尊敬できる姉です」

葵「しかし、お姉様は決められたレールの上を走るのは嫌だったのでしょう」

葵「後は継ぐ…だけどそれまでは自由に生きたい…」

葵「お姉様はそう願ったと思うんです」

みほ「……?」

葵「私もそのお姉様の気持ちはよくわかります…」

葵「ですが、彼女が両親に反抗して進学先をグロリアーナに選んだ時は驚きました」

みほ「え?ダージリンさんは本当はグロリアーナに行く予定じゃなかったんですか?」

葵「えぇ、ですが横浜にはもう一つ学園艦があります…私立バッキングム女学園」

葵「田尻家はその学園艦で育つ…そういう取り決めがあったんです」

葵「ですが、お姉様はグロリアーナに進んだんです…周りの人間のお世話も…全て拒否しました」

葵「唯一許可したのは友人でもあったオレンジペコの入学くらいですよ」

みほ「……」

葵「……そんなお姉様が数日前…ある電話を送ってきたのです」

葵「新しい戦車の手配とグロリアーナのOG会を一試合だけ黙らせるために…協力してほしい…と」

みほ「!」

葵「お姉様が向こうから頼み事をするのは…グロリアーナに入ってからは…初めてでした」

葵「そして…あなたがここにきた」

葵(……夕方に聞いたみほさんのお話が間違っていないなら…つまり…)

葵(…お姉様にとってあなたは…それほどまでに大きい存在…)

葵「…みほさん…聞いてください」

みほ「はい?」

葵「お姉様はきっと…あと数ヶ月で戦車道の世界から完全に離されるでしょう」

葵「卒業後、あなたがお姉様に会える可能性は…限りなく0に近い」

みほ「そんな……」

葵「…お姉様のご友人であるみほさんに…お願いがあります」

葵「どうか…お姉様を…」

今日はここまで
葵ちゃんは序盤結構出てきます
次の投下は多分火曜日か水曜日です

ちょっと遅くなりそうです…すみません

翌朝

ダージリン「おはよう、みほさん」

みほ「おはようございます…ダージリンさん」ダダダッ

ダージリン「…」

ダージリン「……廊下の掃除なんて私は命じていないわよ」

みほ「あぁいえ、朝速く起きちゃって…朝食は他のメイドさん達が作ってくれるそうですし」

みほ「やることもなかったので…ダメでした?」

ダージリン「…わかったわ」

ダージリン「なら、あなたの好きにしなさい…」

ダージリン「ただ、今日も忙しくなるわ」

ダージリン「あまり疲れが残らない程度で済ませておきなさい」

みほ「ありがとうございます!じゃあ行ってきます!」

…………………

数時間後

ダージリン「それじゃあ…出かけるわよ…」

ダージリン「みほさん、ついてらっしゃい」

みほ「はい!」

みほ「で、どこに行くんですか?」

ダージリン「買い物よ」

みほ(買い物…)

みほ(やっぱり…ドレスとか買ったりするのかな?)

ダージリン「着きましたわね」

みほ「…アウトレットパーク…」

ダージリン「意外だったかしら?」

みほ「きれいなドレスとかスーツとかは買ったりしないんですか?」

ダージリン「パーティなどへの衣装はメイドたちが購入していますわ」

ダージリン「あくまでこれは私の趣味ですわ」

ダージリン「では、私の買い物の前に…」

ダージリン「みほさん、この店の中であなたが欲しいものをどれでもいいから1つ選びなさい」

ダージリン「…私があなたの好きなものを買いますわ」

みほ「いいんですか?」

ダージリン「朝の掃除のお礼よ、メイドが助かったと言っていたわ」

みほ「それじゃあ……」

みほ「うーん、迷っちゃうなぁ…あっ!」

みほ「ダージリンさん…これでお願いします!」

ダージリン「…それでいいんですの?もう少し高い物でも…」

みほ「はい!これ!地方限定でずっと前から欲しかったんです!」

ダージリン「ふふふっ、わかりましたわ」

ダージリン(みほさん、ボコが本当に好きなのね…)

ダージリン(そういえば大洗の近くにボコミュージアムというのがあったわね)

ダージリン(…今度一緒に行ってみようかしら)

ご当地ボコのぬいぐるみ(横浜)¥3800(税抜き)

ダージリン「それじゃあ、私の買い物に付き合ってもらうわね…」

みほ「はい!」

ダージリン「少し量が多いから気をつけて…」

ダージリン「さて、こんなところかしらね…」

みほ(家具に本に雑誌に私服や…下着まで…///)

みほ(それに、ものすごい量…)

みほ(全部カードで支払いしてたけど…大丈夫なのかな…)

みほ(あと……荷物…ちょっと重たいかも…)

ダージリン「みほさん!腕の方は大丈夫ですか?」

みほ「は、はい!なんとか…大丈夫で……」

ダージリン「ごめんなさい、無理をさせてしまったようね…メイドに頼んで運ばせておくわ」

みほ「いえ、気にしないでください、これが今の私のお仕事なんですから」

ダージリン(みほさん……)

ダージリン「…買い物も終わったことですし」

ダージリン「次は映画に行きましょうか」

みほ「…映画ですか?」

ダージリン「えぇ、そろそろいい時間帯なので」

みほ「わかりました」

みほ「…ところで…どんな映画を見るんですか?」

ダージリン「漫画の実写化ですわ」

ダージリン「…闇金カドタニちゃん」

ダージリン「聞いたことはあるんじゃないかしら?」

みほ「ええと…名前だけなら…」

ダージリン「きっとみほさんでも楽しめると思いますわ」

終了後
ファーストフード店にて

みほ「ダージリンさん…こういうのってよく食べるんですか?」

ダージリン「いえ?店に入ったこともありませんし、食べるのも初めてですわ」

みほ「え?」

ダージリン「サンダースに訪問した時ケイさんに勧められましたが、丁重にお断りしましたわ」

みほ「じゃあなぜ…」

ダージリン「一般の女子高校生というのは…こういったところで食事を取って、他愛のない雑談をするんでしょう?」

みほ「……」

ダージリン「どうかしましたか?」

みほ「あ、いえ、それじゃあ…私がダージリンの好きそうなものを注文します…」

みほ(私も…あんまりそういうの…したことないなぁ)

みほ(大洗に来てからはよく皆でご飯を食べに行ったけど…)

ダージリン「これがハンバーガー」モグモグ…

みほ「どうですか?」

ダージリン「…たまにはこういうのも悪くないわね」

みほ「そうですか、じゃあこれもどうぞ…ナゲットです…」

ダージリン「ありがと……え?!」

みほ「あーん…」

ダージリン「みほさん!」

みほ「どうかしましたか?」

ダージリン「……周りの視線が…その…///」

女子高生1「え?女の子同士で食べさせ合いっこしてる///」

女子高生2「しかも片方メイド服だし…///」

みほ「あっ…すみません」

ダージリン「そういうのは…夜の時ににしてちょうだい…///」

みほ「……?」

ダージリン「それよりも、映画はどうでしたか?」

みほ「はい、主演の人の演技がとてもすごかったです、クライマックスはすごく迫力がありました」

ダージリン「終盤のあの口約束では約束と認められないと突き返すシーンね…とても良かったわ」

みほ「でも……ちょっと…怖かったです」

ダージリン「あら…悪いことをしてしまいましたか…」ションボリ

みほ「あ、いえ、映画はすごく楽しめましたよ!ちょっとほんとうにありそうな内容で…怖くなっただけというか…」

ダージリン「そう、満足できたなら…よかったわ」ニコリ

ダージリン「では…そろそろ戻りましょうか」

みほ「はい!」

prrrrr

ダージリン「もしもし…え?」

ダージリン「お父様と…お母様が…!」

みほ「…?」

ダージリン「そう、わかったわ」

ダージリン「すぐに準備をしてちょうだい」

ダージリン「ええ、みほさんにもお願いするわ…それじゃあ」ピッ

みほ「…ダージリンさん?」

ダージリン「みほさん」

みほ「はい?」

ダージリン「メイドは一時的に解雇」

みほ「ふぇっ!?」

ダージリン「メイドさん」パンパンッ

メイド「ハッ」

みほ「!?」

みほ(今、瞬間移動で現れたように見えたんだけど…気のせいですよね!?)

ダージリン「あの店は営業しているかしら?」

メイド「はい、問題ありません」

ダージリン「夜の8時まではあと2時間…間に合うかしら?」

メイド「問題ありません、私が向かいます」

ダージリン「ありがとう…みほさん、身長とスリーサイズをここに書いておいて」

みほ「は、はい!わかりました」カキカキ

みほ「…どうぞ」

ダージリン「よろしくね」

メイド「かしこまりました」シュン

みほ「消えた!?」

車内

ダージリン「…どうかしましたの?」

みほ「えっと、どういうことなのか説明してくれませんか?」

ダージリン「実は…両親が帰ってきたの」

みほ「ダージリンさんのお父さんと…お母さんが…」

ダージリン「えぇ、田尻一家が…1年ぶりに集まるの」

ダージリン「それで急遽パーティを行うことになってね」

みほ「はい…」

ダージリン「……それにみほさんも出席してほしいの」

ダージリン「メイドではなく…私の友人としてね」

みほ「え?でも私…制服以外の服装なんて…あ!」

ダージリン「今メイドがあなたに似合うドレスを買いに行ったわ」

みほ「そ、そんな!私になんかドレスは似合いませんよ!それに用意するとなるとお金が…」

ダージリン「何も心配しないで結構よ…あなたならきっと似合うわ」

ダージリン宅
化粧室

みほ「あの…やっぱり私は制服でいいです!」

オレンジペコ「もうドレスは届いてますのに…」

みほ「いえ、そんなきれいなドレス…私には…」

オレンジペコ「…みほさんなら絶対似合いますよ」

みほ「でももしコケたりしてドレスを汚したら…!」

オレンジペコ「大丈夫です、弁償はいたしません」

オレンジペコ「ダージリン様がお待ちしてますので…覚悟を決めてくださいね」ニコリ

みほ「……はい…」

ダージリン「…そろそろかしら」

葵「お姉様、彼女も参加するのですか?」

ダージリン「勿論よ、彼女は私の友人ですもの」

葵「…………友人…ですか」

ダージリン「?」

みほ「す、すみません…遅くなってしまいました!」

ダージリン「…あら、みほさ…」バタリッ

葵「お姉様!?」

みほ「ダージリンさん!?」

ダージリン「」

今回はここまで
次回は火曜日予定 パーティの終わりくらいまで書いていけたらなぁと思ってます

木曜日になりそうです すみませーん

葵「…お姉様!しっかりしてくださいませ!お姉様!」

ダージリン「………ハッ!」

みほ「ダージリンさん…大丈夫です…」

ダージリン「お迎えがきたようね…」ガクリッ

葵「…あ」

みほ「ダージリンさん!?なんでまた倒れて…しっかりしてください」

葵「みほさん!」

みほ「葵様!ダージリンさんが!ダージリンさんがぁ!」

葵「お姉様のことでしたらからかってるだけですよ、よく見てください」

みほ「……ダージリン…さん?」

ダージリン「もう、もう少し反応を楽しみたかったのに…葵、余計なことをいいましたわね」

みほ「……」

ダージリン「…みほさん…!?」

みほ「…よかった…」グスッ

みほ「本気でっ!心配したんですからね…!」

ダージリン「…ごめんなさい!」

ダージリン「もう二度と、こんなことはしないわ」

ダージリン「だから…涙を拭いて…」

みほ「ダージリン…さん…」

葵「……」

???「おぉ、凛…」

みほ「…あ」

ダージリン「…」

???「久しぶりね、凛」

ダージリン「お父様…お母様」

ダージリン父「変わっていないようだな…凛」

みほ(…この二人が…)

みほ(ダージリンさんの…ご両親)

………………

ダージリン父「凛、こうして会うのはいつぶりだろうな」

ダージリン「1年ぶりね、確か…前にあったのは葵の進学時だったかしら」

ダージリン母「元気でやっている?」

ダージリン「…えぇ、この通り元気ですわ」

ダージリン母「……あら?そちらの方は?」

ダージリン「あぁ…私の友人ですわ」

ダージリン父「…ほぉ、凛の友人か…」

みほ「西住…みほです」

ダージリン父・母「……!」

ダージリン母「西住…ねぇ…」

みほ「…?」

ダージリン父「凛……少し話がある」

ダージリン母「みほさん、楽しんでいってくださいね」

みほ「は、はい!」

ダージリン「………みほさん、ここで待っているように」

みほ「…わかりました」

…………………

ダージリン「…」

ダージリン父「あまり多くのものを残さないようにした方がいい…」

ダージリン父「中学に行くときにそう言わなかったか?」

ダージリン「……ええ、今でも覚えています」

ダージリン母「あなたが田尻財閥を引き継ぐまでは…あなたの好きに生きるべき…私達はそう思ってました」

ダージリン母「田尻財閥を引き継いだら…もう普通の生活には戻れません」

ダージリン母「彼女と私達は住む世界そのものが違う…」

ダージリン母「そのことは…知っていますよね?」

ダージリン「…はい」

ダージリン父「仲良くしても…別れる時に…辛いだけだぞ」

ダージリン「……お父様、お母様…」

ダージリン「お気遣いありがとう」

ダージリン「でも…ごめんなさい」

ダージリン「…私、今、すごく楽しいの」

ダージリン「今、学校での仲間やみほさん達と過ごしている…この時が…すごく楽しくて…幸せなの」

ダージリン「1分、1秒でも長く…彼女達と共にいたいと思っているわ」

ダージリン父「……」

ダージリン「お父様、お母様…」

ダージリン「私に自由な時間をくださって…本当にありがとう」

ダージリン「私は今、とても幸せです…でも」

ダージリン「田尻家からは…逃げたりはしませんわ…」

ダージリン「約束通り、私はグロリアーナを卒業したら…家に戻ります」

ダージリン「もう十分、私は幸せを味わいました」

ダージリン母「心残りは…ないのね?」

ダージリン「………えぇ、ありませんわ」

ダージリン父「…そうか」

ダージリン母「わかったわ」

ダージリン父「4月1日に迎えに行く…それでいいか?」

ダージリン「えぇ、お願いするわ」

ダージリン「それで…話はこれで終わり?」

ダージリン父「あぁ、それならば…戻ってあげなさい」

ダージリン「えぇ」

みほ「あ、ダージリンさん、おかえりなさい…」

ダージリン「…みほさん、ただいま」

みほ「……どんな話を」

ダージリン「みほさんの話ですよ」

みほ「え?私の?」

ダージリン「えぇ…どうやら私の両親もあなたの活躍を知っていたそうよ」

みほ「そうなんですか…ちょっと…恥ずかしいです…」

葵「………」

……………
その夜

みほ「……」

葵「みほさん」

みほ「葵様…」

葵「どうかしたのですか?」

みほ「あの…」

みほ「なんとか…高校を卒業しても…」

みほ「ダージリンさんが…この家に戻らなくてもいいようには」

葵「無理です」

みほ「……そんな」

葵「代わってあげられるなら…代わりたいですよ」

葵「……手がないわけではありません」

みほ「…昨日言ったことですか?」

葵「はい、無理なことを言ってるのは承知の上です」

葵「きっとお父様やお母様は許しはしないでしょう」

葵「ですが…お姉様の幸せを考えたら…」

みほ「………」

みほ「私が…ダージリンさんを…無理矢理連れ出す…」

葵「はい、それはきっとあなたにしか出来ないことです」

葵「田尻家は私が後を継ぎます」

葵「両親の説得は私が行いますしお姉様の援助もしっかりと行います…」

葵「だから…どうかお姉様を自由にしてあげてください」

葵「あなたと話していた時のお姉様のあの笑顔を…守ってください」

みほ「どうして…私なんですか?」

葵「それは…お姉様があなたのことを…」

葵「いえ…なんでもありません」

葵(これは私からは話せませんね)

みほ「…でも…それじゃああなたが!」

葵「お姉様の幸せを考えれば…私のことなど…」

みほ「でもっ!」

葵「それよりも聞きたいことがひとつあります」

みほ「……何ですか?」

葵「お姉様のことを愛していますか?」

みほ「…え?」

葵「今、答えていただかなくても結構です…」

葵「こちらが…私の携帯電話の電話番号です」

葵「お姉様が卒業するまでに…答えを聞かせてください」

葵「…それでは、みほさん」

葵「また、お会いいたしましょう」

みほ「………」

みほ「私が…ダージリンさんを」

みほ(考えたこともなかった)

みほ(私は…ダージリンさんをもっと知りたい)

みほ(ダージリンさんと…もっと仲良くなりたいと思ったことはある…けど)

みほ(ダージリンさんを愛している…か)

みほ(なんで、葵様はあんなことを聞いたんだろう…)

みほ(そうでもないと…ダージリンさんを連れ出せないのかな…)

みほ(ダージリンさんは……どう思っているんだろう…)

みほ(後を継ぐことをもう決めているのだろうか)

みほ(私達のことを…どう思っているんだろうか)

みほ(それを確かめないと…)

みほ(行動を起こしてもただの迷惑になってしまう…)

みほ(…………)

みほ「眠れないや」

翌日

ダージリン「おはよう…みほさん」

みほ「……むにゃ…」

ダージリン「…みほさん、起きなさい」

みほ「え?!ふぇ!?」

ダージリン「おはようございます」

みほ「ダ、ダージリンさん!?」

ダージリン「もう朝の8時ですわよ」

みほ「え…あ…すみません!」

ダージリン「昨日は早起きをしていたのに…何かあったのかしら?」

ダージリン「熱もないですし…遅くまでパーティをしたせいかしら?」

みほ「い、いえ…///」

ダージリン「どうかしましたか?」

みほ「ダージリンさん…顔…近いです…///」

ダージリン「!」

ダージリン「あ、あら…///」

ダージリン「ごめんなさい…で、あまり眠れなかったの?」

みほ「はい…少し考え事をしていて…」

ダージリン「………」

ダージリン「もう少ししたら家をでるわ…荷物はメイドにすべて運ばせてあるから…家を出て…大洗に行くわよ」

みほ「え?」

ダージリン「ボコミュージアム…私に案内してくださらない?」

みほ「……はい!」

今日はここまで
メイド要素が薄くなってる気がするのは多分気のせいじゃない
グロリアーナに戻ったら描写増やします…
次回の日程は未定です…大抵ここで言っても遅れちゃいますので…

ちょっと中断するかもです……申し訳ありません…

今日の深夜か明日には…な、なんとか…

ボコミュージアム

ダージリン「着いたわね、では、エスコートをお願いするわ」

みほ「はい!では、まずはボコーデットマンションから行きましょうか、それにしても…」

ダージリン「どうかしたのかしら?」

みほ「いえ、随分、他の客が多いなぁって」

ダージリン「今日は日曜日よ、遊園地では普通ではなくて?」

みほ「いえ、前にここに来た時は閑古鳥が鳴いていたくらいだったんですよね…」

ダージリン「…そういえば島田流がここのスポンサーになったと聞きましたね」

みほ「なるほど、それで改修されて人気が出たんですね」

みほ「あれ?ダージリンさん、ここに来るの、初めてですよね?」

ダージリン「……えぇ、そうですけど」

みほ「どうして…ボコミュージアムのこと…そこまで知っているんですか?」

ダージリン「そんなことよりも!」

ダージリン「みほさん、速く案内してください」

みほ「あっ、はい!」

ダージリン(昨日ボコミュージアムについて色々と調べていたなんて…)

ダージリン(そんなこと言えませんわね…)

お昼

ダージリン「…」ズズズッ…

みほ「ダージリンさん…絶叫マシンでもお化け屋敷でもまったく動じないし…すごく度胸がありますよね」

ダージリン「作り物の恐怖ですから、あのくらいなら平気です」

みほ「それじゃあ…」

みほ「ダージリンさんが怖いって思うものってなんですか?」

ダージリン「……そうね」

ダージリン「……時間かしら」

みほ「…え」

ダージリン「みほさんと…こうして一緒に過ごす時間が終わることが…何よりも怖いわ」

みほ「………///」

ダージリン「なーんてね…冗談よ」

みほ「えっ」

ダージリン「でも、この時間を大切にしたいのは本当よ」

みほ「い、いえ…とても嬉しいです…!」

ダージリン「みほさんはボコのどこが好きなのかしら?」

みほ「そうですね!やっぱり頑張ってどんな状況も立ち向かうところです!」

ダージリン「なるほど…」

みほ「どれだけ負けても…どれだけボコボコにされても…勝つことを諦めずに戦うんです」

みほ「だから…応援したくなっちゃうんです!」

ダージリン「そう、かっこいい」

みほ「ちょうどこれからショーですね」

みほ「行きましょう!ダージリンさん!」

ダージリン「えぇ、わかったわ、ボコさんの活躍、ご覧になりましょう」
………
ボコボコボコボコ

ボコ「ヤメロォ!顔はヤメロォ!」

ダージリン(なるほど、確かにボコボコにされてるわね)

ダージリン(…でも自分から喧嘩を売るのはどうなのかしら)

ボコ「みんな!オイラに力をくれ!」

ダージリン「…」

みほ「ボコー!がんばれー!ボコー!!」

「頑張ってー!」

「負けるんじゃねー!」

ダージリン(なるほど、こうして皆さんが応援するんですね…)

ダージリン「……」

みほ「あのー、良かったらダージリンさんも」

ダージリン「ボコさんを応援しなさい…と」

みほ「お願いします!」

ダージリン「…わかったわ」

ダージリン「ボコさん…」

ダージリン「こんな格言を知っている?」

ダージリン「…決して屈するな。決して、決して、決して!」

ダージリン「頑張りなさい、ボコさん」

みほ「ほえっ?」

ダージリン「私なりに応援したつもりだったけど、どうだったかしら?」

みほ「えっと……ダージリンさんらしいです…」

ボコ「うぁああーっ!顔はヤメロって言ってあうっ!!」

ダージリン「…あっ、やられてしまったわね」

みほ「これがボコなんです」

ダージリン「負けるとわかっているのに戦う…か」

みほ「…?」

夕方

みほ「…」

ダージリン「今日はありがとう…」

ダージリン「明日からはまたメイドとしてよろしくね」

みほ「はい、あの…」

ダージリン「何かしら?」

みほ「ダージリンさんは高校を卒業したら…どうするんですか?」

ダージリン「……!」

ダージリン「………」

ダージリン「……家に戻るわ」

みほ「プロに行ったりは…」

ダージリン「しないわ」

みほ「大学に行くことも…」

ダージリン「ありえないわね」

みほ「……ダージリンさんは…」

みほ「………それで…いいんですか?」

ダージリン「えぇ、構わないわ」

みほ「…!」

ダージリン「だってそれが…」

ダージリン「私の存在理由だから」

みほ「…」

ダージリン「…私は生まれた時から田尻財閥の継承者として生きてきました」

ダージリン「自由な時間こそ与えてくださりましたが…」

ダージリン「それ以外の生き方は考えたこともありませんわ」

みほ「ダージリンさん…そんなのって…間違ってます!」

ダージリン「…あなたにそれを否定できて?」

みほ「…どういうことですか?」

ダージリン「わかりませんの?」

ダージリン「…貴女の近い人間に一人…私と同じような人が居るじゃありませんか」

ダージリン「西住まほ」

みほ「…お姉ちゃん?」

ダージリン「えぇ、そうよ」

ダージリン「生まれた時から西住流そのものとして戦車道のエリートの道を突き進んでいるわ」

ダージリン「本人の意志とは無関係に…ね?」

みほ(……!)

ダージリン「私と彼女に大きな違いはないわよ?」

ダージリン「私の生き方を否定するということは…姉の生き方も否定することになるわよ?」

みほ「それはっ……」

ダージリン「貴女はわからないでしょうけど…」

ダージリン「生まれ落ちた瞬間から未来を運命を決められた人もいるの…」

ダージリン「人生が一本道のレールで出来ている人もいるのよ」

みほ「…………」

ダージリン「…いずれ、あなたとも別れることになるわ」

みほ「…ダージリンさんは…本当にそれを…」

みほ「決められた道を進むことを…望んでいるんですか」

ダージリン「……えぇ、私は…そうなることを望んでいるわ」

みほ「…わかり…ました…」

ダージリン「……」

ダージリン「…………あなたとは…出会うべきじゃなかったわ」

みほ「!」

ダージリン「それでは…明日からもよろしくお願いするわ」

ダージリン「…グロリアーナのメイドとしてね」

………………
グロリアーナに戻ってから

ダージリン「…今日はもういいわ、ゆっくりと自分の部屋で休んでちょうだい」

みほ「はい…ありがとうございます」

ダージリン「…………」

ダージリン「…ペコ、朝まで誰もこの部屋に入れないようにしなさい」

ダージリン「みほさんも、アッサムも、ローズヒップも入れちゃだめよ」

オレンジペコ「…はい」

ダージリン「あと…みほさんと私がもうほとんど関わらないようにあなたが彼女をコントロールして」

オレンジペコ「えぇ、いいんですか?」

ダージリン(そうでもしないと…彼女を…更に…)

ダージリン「ご主人様の命令が聞けないの?」

オレンジペコ「いえ……わかりました」

ダージリン「…ありがとう、オレンジペコ」

ダージリン(……弱い人間ね…私は…)

ダージリン(…自分の意志は曲げないつもりだったのに)

オレンジペコ「…」

ダージリン(私は…知ってしまってはいけないものを…)

ダージリン(人としての幸せといものを…知りすぎてしまった)
…バタン
ダージリン「うっ…ううう…」

ダージリン「…ごめんなさい…みほさん……」

ダージリン「ごめんなさい…」

ダージリン(……バカね、私は…)

ダージリン(決して手に入れることのできないものに手を出してしまって…)

ダージリン(挙句の果てに…それを傷つけてしまうなんて…)

その日の夜

みほ「……ダージリンさん」

みほ「…嘘ですよね…あの言葉」

みほ(本当に…あなたが…自由を望んでいないなら)

みほ(グロリアーナに行くことすら、ダージリンさんは望まなかったはず)

みほ(彼女は一度…自分から…レールを外しに行ったんだ…)

みほ(でも…ダージリンさんの言っていたことは…間違いではない)

みほ(確かにお姉ちゃんは西住流を引き継ぐために育てられたのかもしれない…)

みほ(私だって…そうだ…生まれた時から…ずっと戦車のことばかりで…)

みほ(ダージリンさん…)

みほ「…ダージリンさんが本当に覚悟を決めているのなら…私は…」

コンコン…

みほ「はい?」

オレンジペコ「…」

オレンジペコ「夜分遅くに申し訳ありません」

みほ「いいんです…どうしたんですか」

オレンジペコ「いえ…ダージリン様の様子がかなりおかしかったので」

みほ「ダージリンさん…どうかしたんですか?」

オレンジペコ「はい、とても…つらそうな表情をしていました」

みほ「……ダージリンさん…」

オレンジペコ「…ボコミュージアムの時に一体何があったんですか?」

みほ「……えっと」

オレンジペコ「聞かせてください」

みほ「わかりました…」

オレンジペコ「なるほど…」

みほ「すみません…私が余計なことを…」

オレンジペコ「…みほさん、お願いがあります」

みほ「…何ですか」

オレンジペコ「……どうか、ダージリン様を救ってください」

みほ「でも、どうしたら…」

オレンジペコ「…あなたならできます」

オレンジペコ「…いえ、あなたにしかできません」

みほ「…葵様もそう言っていました」

オレンジペコ「えぇ、そしてこう聞いてきたんじゃないですか?」

オレンジペコ「あなたは…ダージリン様のことを愛しているか?って…」

みほ「……はい、葵様も聞いてきました」

オレンジペコ「…どうなんですか?」

みほ「………ごめんなさい、私には…わかりません」

みほ「今はただ…ダージリンさんのことを助けたい…って気持ちが強くて」

みほ「そんなこと…全然、考えたことがなくって…まったく…わからないんです」

オレンジペコ「そうですよね、同じ女性同士、恋愛感情を持つなんて普段はまず考えないでしょう」

オレンジペコ「…ゆっくり、じっくり、考えてみてください…貴女のダージリン様への想いを」

オレンジペコ「まだ時間は残されていますよ」

オレンジペコ「……それでは、おやすみなさい」

みほ「…はい、おやすみなさい……あのっ!」

オレンジペコ「はい?」

みほ「もしダージリンさんが…家を継がなくなったら…どうなるんですか?」

オレンジペコ「………おそらく」

オレンジペコ「田尻家を追放されることになります」

みほ「…そんな…」

オレンジペコ「…それでは……」

本日はここまで ここからメイド要素とか多めにしたいです
三本同時制作とかやってるから遅くなるんですよね(一時期的には四本だったし)…ごめんなさい
1つはもうほとんど書けているので速めに投下してしばらくは二本同時に書いていきます
ペースが少し落ちるかもしれませんが温かい目で見守ってください

明日の夜頃なんとか投下します
あとアンチョビのは…難しそうです

言うほど住む世界違うか?
国内最大流派の次女だぞ

>>124
あーんまり描写出来てない部分ですね…申し訳ありません
西住家と田尻家にはかなり差がある…というつもりで書いてます
あと単純にお金とかの問題じゃなくて関わりあう機会が完全に消えるということもあったりします
ここらへんの解決は後半部分で書いてくつもりです

あと……もうちょっとかかりそうです、ちょっと今忙しい時期なので書く時間がなかなか見つかりません

今後の展開で…ちょっと悩んでます
あんまり弱音を吐くのもあれかもしれませんがこのままだと当初書きたかったものとは違うものになりそうで…
一旦中断して練り直すかを真剣に考えてます…続きはだいぶ遅くなりそうです…申し訳ありません

期待してくれた人には悪いんですが…展開で詰まってしまって…中断します
ダーみほは近いうちにリベンジします……すみません

あと多分内容はこのSSからメイドさん成分とオリ設定(田尻家など)を抜いたものになります
みぽりんがグロリアーナに短期転校してダージリンと過ごす…みたいなお話になります

でも次に投下できそうなのはエリみほになりそうです…本当ごめんなさい

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2021年10月19日 (火) 23:26:13   ID: S:dwC4aM

なんだこりゃ

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