穂乃果「穂乃果、この前遭遇しちゃったんだけど」 (21)

穂乃果「穂乃果、この前遭遇しちゃったんだけど」

海未「何とですか?」

穂乃果「この前テレビで宇宙人特集やってたでしょ?」

海未「いや、知りませんけど」

穂乃果「とりあえずやってたんだよ」

海未「はあ、私はテレビはあまり見ないものですから」

穂乃果「…知らない事をあまり偉そうに言わない方がいいよ?」

海未「いつ私が偉そうにしました?」

穂乃果「まあ、そんな事は置いといて」

海未「置いとかないで下さい」

穂乃果「とりあえずね、テレビでやってたんだよ」

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海未「いつやってたんですか?」

穂乃果「それって放送日の事?」

海未「それ以外になにがあるんですか」

穂乃果「まあ、そっか。放送日は去年だよ」

海未「去年の話をしてるんですか、今?」

穂乃果「放送日は去年だけど録画したやつを昨日見たから昨日の話だよ。ねえ、海未ちゃん。落ち着いて人の話を聞いて?」

海未「…これって手を出しても私は怒られないやつですよね?」

穂乃果「暴力に怒られないやつとかないと思うけど」

穂乃果「でね、宇宙人てのはさ実はもう地球にやって来ているんだって」

海未「へーそうなんですね」

穂乃果「信じてないでしょ」

海未「はい」

穂乃果「即答!?」

海未「…まあ」

穂乃果「でね、穂乃果ネットで調べたんだよ」

海未「…何をですか?」

穂乃果「東京で宇宙人がいる所」

海未「あなたはいったいいくつですか?」

穂乃果「何が言いたいの?」

海未「申し訳ありません、言い直します。穂乃果ちゃんはいくちゃでちゅか~?」

穂乃果「なにそれ、可愛い!もう一回やって」

海未「…今のは忘れて下さい」

穂乃果「録画してことりちゃんに焼き増ししてあげようと思ったのに」

海未「だから嫌なのです…で?検索はヒットしたのですか?」

穂乃果「うん。だから探しに行ったんだ」

海未「は?昨日?」

穂乃果「そうだよ。なんと、音ノ木坂の近くにあったんだよ」

海未「初耳ですけど」

穂乃果「という事で穂乃果は跡地に行ったんだけど」

海未「え?もう一度いいですか?」

穂乃果「跡地に行ったの」

海未「跡地ってなんですか?」

穂乃果「跡地って言うのはね建物とかs」

海未「跡地の意味はわかります。私が言いたいのは普通は跡地の前に何かつくのではないですか?」

穂乃果「ああ、廃墟の跡地だよ」

海未「廃墟を含めて跡地と言うのではないですか?」

穂乃果「廃墟がなくなって初めて跡地なの」

海未「…そうですね、わかりました。何の廃墟だったんですかね?」

穂乃果「ボーリング場だよ」

海未「…そこに宇宙人がいるのですか?」

穂乃果「まあ、最後まで聞きなよ。で、宇宙人を、見つけるためにボーリング場の中に入ったんだけどね」

海未「…廃墟は無くなったんじゃなかったのでは?」

穂乃果「…え?いや…あるよ?」

海未「あなた…跡地って言いたかっただけでしょう?」

穂乃果「ギクリ」

海未「擬音を声にしないでください」

穂乃果「まあ、とりあえず話を進めようか?」

海未「あなたが嘘をつかなければ滞りなく進んでいるはずですが?」

穂乃果「でさ、中に入る時にさ中々ドアが開かないの」

海未「宇宙人の仕業ですかね?」

穂乃果「廃墟だからさ、電気が通ってないんだね。
自動ドアが開かないわけだよ」

海未「考えればわかるでしょう」

穂乃果「とりあえず、どうしようかなと思って。ほら、自動ドアを動かないと困るからさ。とりあえず、動力室に行ったら大元のブレーカーが遮断されていたんだよね。で、たまたま部屋にテスターがあったからブレーカーの一次側電源を当たってみたら電圧が掛かってるからさ」

海未「ちょっと、待ってください。質問が数個あにます」

穂乃果「何?」

海未「動力室はどこにあったのですか?」

穂乃果「ボーリング場に入って奥の方に扉があるんだけどそこにあったよ」

海未「自動ドアが閉まって入れなかったんでしょ?」

穂乃果「そこはこじ開けたよ」

海未「…なら、電気を活かす必要はないのでは?」

穂乃果「帰りに自動ドアが自動で動いた方が気持ちいいでしょ」

海未「全然納得いきません」


穂乃果「…もういい?」

海未「いえ、まだあります。先ほどからブレーカーがどうとか電圧がとかテスターがって言ってましたが?」

穂乃果「ああ、そうだね。やっぱり、いきなりブレーカー入れるのは怖いからさ漏電してないかとか相間抵抗は平気かなとかさ動力室に一通り道具が揃ってて良かったよ」

海未「全然言っていることが理解出来ないのですが?え?穂乃果って電気の事に詳しかったのですか?」

穂乃果「穂乃果は全然わからないよ。希ちゃんが言ってたんだよ」

海未「…あ、希もいたのですか。希はなぜそんな事をしっているのでしょう?」

穂乃果「電気工事でもやるんじゃない?」

海未「初耳ですが」

穂乃果「そんな事はどうでもいいんだよ。話の続き」

海未「いえ、待ってください。まだ疑問が」

穂乃果「え?まだあるの?」

海未「専門的な事はわかりませんが廃墟なのにもとい跡地なのに電気が来ているものなのですかね?」

穂乃果「え?」

海未「…本当に廃墟だったのですか?」

穂乃果「…雰囲気はそんな感じだったけどね?」

海未「雰囲気で誤魔化さない」

穂乃果「と、とりあえずさぁ、最後まで聞いてから茶々いれてよね」

海未「重要な事だと思うのですが」

穂乃果「海未ちゃん細かすぎるよ、みじん切りみたい」

海未「だって廃墟か廃墟みたいなだけかでは全然話が変わってくるでしょう?あと、みじん切りのくだりは聞かなかった事にしてあげます」

穂乃果「え?穂乃果のナイスボケを?」

海未「あれがナイスなのですね」

穂乃果「まあ、とりあえず宇宙人を探そうと思って辺りを見回したらさこれが落ちてたの」ゴソゴソ

穂乃果「はいっ」

海未「…これは…これは私のポエムノートのなぜあなたが…こないだ捨てたはずなのに」

穂乃果「あ、間違えた。それは海未ちゃんの黒歴史のコピーだった。こっちだよ、こっち」ゴソゴソ

海未「…恥ずかしい」

穂乃果「海未ちゃんが恥ずかしいのはいつもの事なのに」

海未「どういうことですか!?」

穂乃果「え?聞きたいの?落ち込まない?」

海未「…やめときます」

穂乃果「そうだよ。やめといた方がいいからね。みんな、知ってるんだから。海未ちゃんがよく一人で恥ずかしい事してるの」

海未「言っちゃったじゃないですか」

穂乃果「だいぶプレパラートにつつんだけど」

海未「オブラートでしょう?まあ、私のハートもプレパラートのように簡単に割れましたが…今」

穂乃果「穂乃果が海未ちゃんのハートを撃ち抜いちゃったかな?…ラブアローシュートでwww」

海未「…砕いたの間違いでしょう?もう、泣きそうです」

穂乃果「おっと、また話がそれたね。で、拾ったのはこっちの紙なんだけど」

海未「…はい」

穂乃果「謎の記号やら数字の羅列がたくさん。宇宙人の暗号だと思うんだ」

海未「…ボーリング」

穂乃果「へ?」

海未「これはどう考えてもボーリングのスコアでしょう!?」

穂乃果「なるほど。そういう見方もあったね」

海未「そういう見方しかないです」

穂乃果「そうかぁ。穂乃果は地図記号も暗号に見えちゃうタイプだからなぁ」

海未「ノーコメントで行きましょう」

穂乃果「そうだね!話がそれたね」

海未「もうこのやり取りを何回やっているのでしょう?」

穂乃果「で、なんだかんだあったんだけどさ」

海未「急に雑」

穂乃果「とりあえず絵里ちゃんは面倒くさいから置いてこうって希ちゃんが言うもんだからさ」

海未「話が見えないです」

穂乃果「絵里ちゃんまた恐怖で気絶しちゃったの。毎度、毎度絵里ちゃんもあきないよね?来なければいいのにさ、海未ちゃんみたいに」

海未「…私は誘われてないのですけど」

穂乃果「…そうだっけ?」

海未「…友達ってなんだっけ」ボソッ

穂乃果「で、まあ絵里ちゃん置いてったんだけどさ向こうの方になんかいるの」

海未「宇宙人?」

穂乃果「…たぶん。集団で座ってたむろしてるんだけどさ」

海未「…宇宙人が?」

穂乃果「うん。中にはタバコ吸ってる宇宙人もいてさ」

海未「それ、違いますよね?人間ですよね?不良が溜まっているんですよね?ボーリング場の跡地で不良がたむろって…いつの時代のヤンキー漫画ですか?」

穂乃果「え?宇宙人じゃないかな?」

海未「どんな姿をしてたのですか?」

穂乃果「見た目は普通の人間ぽかったよ?」

海未「それは普通の人間なんです」

穂乃果「いや、サイヤ人的な感じじゃないかな?」

海未「どうしてそう言った発想になるのです?どう考えても普通の人間の不良でしょ?」

穂乃果「でもさ、金髪いたからね?超サイヤ人じゃん?それってさ」

海未「ヤンキーだから髪を染めているんでしょ?」

穂乃果「なるほど!だから、宇宙人だと思って穂乃果が近づいたら物凄くメンチきってきたんだ」

海未「仮に宇宙人だったら近づいてどうするつもりだったのですか?」

穂乃果「捕まえる…って言いたい所だけどメンチ切られて恐くて逃げ出したからね?」

海未「でしょうね」

穂乃果「あわてて逃げたら入口の方にも金髪がいるし」

海未「先回りされたのですか?」

穂乃果「わかんない。穂乃果~、置いてかないでって」

海未「金髪って絵里じゃないですか」

穂乃果「あっ!絵里ちゃんってサイヤ人?ロシア人かと思ってた」

海未「サイヤ人でもロシア人でもないです。一応日本人です」

穂乃果「で、もうみんなパニックだよ。逃げてる途中にニャーって」

海未「凛ですか?」

穂乃果「猫だよ!猫が出てくるからびっくりするし」

海未「いつもと逆のパターン」

穂乃果「花陽ちゃん自動ドアに反応しないし」

海未「電気を活かしたのが裏目に!?」

穂乃果「もうなんとか逃げたけどさ」

海未「宇宙人を探しに行って不良から逃げてくるなんてあなた達は」

穂乃果「あ、でも帰りにグレイにあったよ?」

海未「え?それってリトルグレイの事ですか?」

穂乃果「違うよ。TERUだよ」

海未「そっち?凄いけども」

穂乃果「サイン貰っちゃったよ」

海未「まあ、羨ましいけど」

穂乃果「honey歌って貰ったし」

海未「それってL'Arc~en~Cielじゃないですか?」

穂乃果「あ、じゃあそっちかも」

海未「物凄くいい加減ですね」

穂乃果「まあね!」

海未「褒めていません。で、結局何に遭遇したのですか?」

穂乃果「さっき廊下で怒ってる絵里ちゃんに遭遇したよ」

ー完ー

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