勇者「やっと目を覚ましたかい」(27)

勇者「姫様よぉ?」

姫「え、勇者様…?ここは…わたくしは王宮の自室で寝ていた筈…」

勇者「ところがぎっちょん、俺がさらったのよぉ!」

姫「勇者様が…わたくしをさらった…?」

勇者「おぉよ、てめーの父…つまり国王があんまりにムカついたからよ、一番大切なモンを奪ってやったのよぉ!」

勇者「国王は魔王を倒した俺の力を恐れ、俺を王宮で軟禁し飼い殺そうとしていたんだ。ほら、俺って自由を愛するからさ、軟禁とはいえ何かに束縛されるの嫌だったのよ」

姫「そ、それでわたくしをさらったのですか…」

勇者「おぉよ。魔王を倒した俺様に酷い仕打ちをするような国王だ…ちぃっと痛い目にあわなきゃあ、な…」

ジュルリ

姫「ゆ、勇者様…?」

勇者「しっかし、いつ見てもいい女だぁ…姫様よぉ!」

姫「えっ…」

勇者「あぁ、むしゃ…むしゃぶりつきてェなぁ、姫様よぉ!」

ガバッ
ビリビリビリ

姫「きゃあ、服を引き裂かれるわたくし!」

勇者「どぉら、裸の姫様よぉ…ん、んんん?」

マジマジ

勇者「おいおい…なンだよそいつぁ…そいつぁよォォォ!なンで姫様の股間に、ンなモンがぶらさがってンだよォォォ!?」

ブラッ…
ズモォォォン

姫「見たですわね…わたくしの秘密を…!」

ガバァ

姫「そう、わたくしは…わたくしは世界最高峰の巨根の持ち主!この巨根に世界のあらゆる災厄を封じているんだゾ」

勇者(なぜ急にくれシン口調…)

姫「この国がこんなに平和なのは…わたくしのおかげ。だって、おかしいとは思いませんでしたの?たかが魔王ひとり倒したところで、世界は平和になりはしない…紛争、疫病、貧困…人を苦しめるものはそこらじゅうに溢れかえっている…」

姫「なのにこの国は平和で豊か…」

フフッ
姫は口元を歪ませ小さく笑った。

姫「その筈ですわ。ありとあらゆる災厄は…わたくしのチンポに封じられているのですから…だから…人々は生きていける…わたくしのチンポがなければ、今頃…ふふっ、そうですわ…人はわたくしに生かされているのですわ」

ニマァ

姫「勇者様…貴方でさえも、ですわ…」

勇者「なっ…マジかよ…」

姫「マジマジ」

ガクッ

勇者「常に一途であるべきは…」

姫「ふん、急に何を歌い出すかと思えば…」

ブツブツ

勇者「ここが勝負…勝負の時なのだ…」

姫「っ、やめるざます!そんな時代遅れな歌を口ずさむのはやめるざます!」

勇者「愛で斬るなら…」

ダダッ

姫「なっ、急に間合いを…!?」

勇者「痛くな~い!」

ブンッ

姫「…」

ぼとり。
鈍く
耳に心地よくない音が、した。
そしてそれは地面に落ちた。

それとは即ち
チンポ。

だが
それはチンポというにはあまりにも大きすぎた。
大きく、太く、黒く
そしてペットボトル過ぎた。
それは正にチンポだった。

勇者「結局チンポなんかい!」

姫「あ…あぁ…あぁ~~~」

ブルブル

姫「なんて…なんて事をしたざますか…災厄を封じしチンポを…切り落としては…それは、やってはいけない事…もはや…押さえきれない…災厄は…再び世界を覆う…覆うざますゥゥゥゥゥ!」

バシュゥゥゥゥゥ

勇者「黒い霧が…チンポから…」

姫「災厄ですわ…災厄が吹き出しているのですわ!」

バシュゥゥゥゥゥ

姫「お終いですわ…勇者様、貴方は取り返しのつかない事をしてしまいましたわ…あのチンポは世界中に災厄をばらまき…やがてしぼんで縮む…縮んだチンポは、もはやチンポにあらず…言うなればそれはおちんちん…チンポにあらず!おちんちん!」

勇者「おちんちん、か…フッ、可愛い言い方もあったもンだな…」

姫「笑っている場合ですか…貴方のせいで!世界は!」

勇者「それがどうした!!!」

姫「!」

勇者「それがどうした!!!」

姫(二回言った!)

姫「そ、それがどうした…」

勇者「ドンドンウォーーリーー!」

姫「ひゃっほう!」

フク ビリビリビリ

姫「生まれたままの姿がこんなに気持ちいいという!」

勇者「だから僕達は言葉なんかより体と体で…」

「「ぶつかり合うのさ」」

姫「ほらみてガバガバアナル」

ムドッ

勇者「ンナハハハ!ならば俺も…」

ムドッ

勇者「ブラックホール=ホール!」

ズモモモモ

姫「す、吸い込まれ…だ、ダイソン…」

ズモモモモ

勇者「さぁ、ひとつになろう…現世も来世も、まとめてさぁ…」

ピクッ

姫「…なら、前世は?」

勇者「ぜん、せ…?」

姫「人は…人は過去があるから生きていける…共に歩み、悲しみ、喜びを分かち合った、その記憶があるから!生きていける!」

姫「忘れようとしても…忘れる事ができない…脳の端っこにこびり付いて…落としても落としても落ちない頑固な!きったなくてきったなくて…でも最高の記憶があるから!」

姫「そしてそれは前世から紡がれ…繋がってきた…」

姫「あらゆる名で…それは…うたわれてきた…」

姫「人はそれを!」

     
      
『心、か』




勇者「…」

サラサラサラ…

姫「勇者様が同質量の塩に…」

ヒョイ ペロ

姫「違う…これはミョウバン!」

ズキッ

姫「頭痛!」

グワン グワン

姫「ミョウバン…これをわたくしは…知っている…かつて同じように…ミョウバンとなり消えた者を…わたくしは!」

ブワァ

姫「前世!違う!もっともっと前…この、わたくしの記憶は!」

ゼンゼンゼンセカラ…

姫「そう…やっと、わたくし…」

シュッ

姫「…行かなくては…やっと…わたくしは…追いつきましてよ…勇者様…わたくしの…わたくし、だけの…勇者様…」

ザッザッザ

姫「今度は…きっと…ねぇ…」






ファサー

【完】

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