ミケ「このヘルメットは?」鏑木「それはVRゲーム用のヘッドセットだ」 (46)

二次創作です。言葉使い・呼称・設定・文法が変かもしれません


ミケ「VR?」

鏑木「バーチャルリアリティゲーム、仮想体験を可能にする物だ」

ミケ「仮想体験? それってSF映画や漫画でたまに見るやつ……だよね?」

鏑木「まぁ……そんなところだな」

ミケ「凄い……私そう言う物って物語の中だけだと思ってたよ」

鏑木「まぁ ゲームとして完成したのは最近で今までは一般には出回っていないから艦長が知らなかったのも無理はない」

ミケ「へぇ~、最近完成したんだぁ~」

ミケ「……」

ミケ「あれ?」

鏑木「どうした?」

ミケ「ミナミさんの言い方だと前から知ってた見たいな感じが」

鏑木「もともとVRは医療関係や設計関係で使われていたからな」

ミケ「そうなの?」

鏑木「研修医の手術訓練やCADでの完成形をよりリアル……身近に感じる様にな。 そしてゲームとして生まれ変わったのがこの『海洋実習体験:晴風』だ」









SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1474998276

ミケ「え? 晴風?」

鏑木「海洋実習体験は武蔵や比叡とシリーズ化する見たいで、その中でも色々と癖のある『晴風』が選ばれたらしい……後もう一隻あr」

ミケ「凄いよ!ミナミさん! 私達の船がゲームになっちゃうなんて!」

鏑木「ふふん……まぁ本当は実習中にプレイしようと思っていたんだがワクチンなり論文なりでできなかったんだが……最近落ち着いたからプレイしようと思ったんだ」

ミケ「あの時は大変だったもんね……私も色々皆に迷惑かけちゃったし」

鏑木「……勇往邁進…………所で艦長、もし良かったら、このゲームをプレイしてみるか?」

ミケ「え? 良いの? ミナミさんが楽しみにしてたゲームじゃないの?」

鏑木「実はこの『海洋実習体験』は私も開発に関わっていてな」

ミケ「え? ミナミさんが? ミナミさんってワクチンの他にゲームも作れるの?」

鏑木「まぁ暇つぶしだったんだが……このゲームエンジンを作ったのは私だからな」

ミケ「ゲーム……エン…ジン?」

鏑木「ゲームが効率よく作れるようになるソフトだと思えばいい」

ミケ「……そうなんだ」

鏑木「……とにかく……艦長、今からゲームの準備にかかるから少し待っていて欲しい」

ミケ「分かったよミナミさん」



~5分後~


鏑木「準備完了した……とりあえずゲームの説明だが」

ミケ「うん」

鏑木「晴風の乗員・内装は艦長の覚えてる忘れてる問わず記憶から出力されるからいつものメンバーや艦だろうな」

ミケ「うん」

鏑木「五感も感じるだろうが全て幻だから仮に死んでも夢を見てる感じで持ち場に戻るだけだから、その辺は心配いらんだろう」

ミケ「痛みはやっぱり痛いの?」

鏑木「幻痛はするだろうが痛みも制御されてるから大丈夫だろう……まあ点滴針、内視鏡や尿道に麻酔を注入するぐらいの痛みか」

ミケ「ミナミさん、それ私分からないよ」

鏑木「そうか」

ミケ「でもそれなら安心だよね」

鏑木「私もいるからな……現実と同じように行動すれば死ぬこともないだろうしな……安心してほしい」

ミケ「そうだね、ミナミさんがいるし大丈夫だね」

鏑木「それじゃヘッドを被せるからベッドで横になってほしい」

ミケ「こうかな」

鏑木「それで良い 起きたくなったらそベッドや床で横になって目をつむれば選択しが現れるから『ログアウト』を選べば良い」

ミケ「わかったよミナミさん」

鏑木「一応co-op有りにもするし後何かあったら起きてくれれば良い」

鏑木「それじゃ艦長、良いVR生活を」

=player1のログインを確認=

=脳神経細胞のネットワークに接続……同期完了=

=記憶からplayer1を『岬 明乃』と設定……完了=

=役職を『航洋艦長/クラス委員長』に設定……完了=

=NPCの『姿』・『名前』・『呼称』・『行動』を設定……完了=

=『海洋実習体験:晴風』で行動する為のavatarを生成……完了=

=最初のスタート地点を設定……完了=

=日付を設定……完了=

=『岬 明乃』さん、ようこそ晴風へ=

=今後の行動で貴女の命運が左右されるでしょう=

=貴女の今後を祈ります=



ミケ「…………う……ん……んんっ……はっ!?」

ミケ「ここは?…………私の部屋だ」

ミケ「さっきまでミナミさんの所にいたのに………………あっそうか、私今ゲームの世界に居るんだっけ」

辺りを見回す

ミケ「へぇ~……潮の香りもするし物を触った感触もあるし現実の世界みたいだなぁ」

ミケ「あ! もかちゃんとの写真立もある! 本当に細部まで再現される!、流石ミナミさんも関わったゲームだね」

ミケ「痛み……も感じるのかな……ほっぺたをツネってみよっと」

ググッ

ミケ「!!――――普通に痛いよぉミナミさん」

ミケ「でも……痛い事なんて起こら無いだろうし、大丈夫だよね」

~12分後~

ミケ「よし! 確認終了っと」

ミケ「でも隅々まで部屋を確認する限り本当に良く出来てるなぁ……次は何を見ようかな」


「…………長……艦長…………至急艦橋に来てください艦長」

ミケ「あ、シロちゃんの声だ」

ミケ「そっか、今実習中なんだっけ……なら艦橋に行かなきゃ駄目だよね」

ミケ「帽子帽子っと」

ミケ「それじゃもかちゃん行ってくるね」ガチャッ!

バタン!


8月32日「晴」 艦長室 09時37分 スタート 




=艦橋=

ミケ「しろちゃん何かあったの?」

しろ「何か……だと? 今までどこに居たんですか!」

ミケ「どこって」

しろ「五十六に餌とか言わないでくださいよ?」

ミケ「ははは……ちょっと部屋で確認を」

しろ「確認ですか? まったく……まぁ良いです。 艦長は早く持ち場について下さい」

ミケ「分かったよしろちゃん」

幸子「副長は今日も苦虫を噛み潰したような感じになってますねぇ」

りん「まるで夜叉に憑かれた様な顔だよ……ね?」

メイ「まぁ言うところの痴話喧嘩ってやつでしょ?」

タマ「うぃ」

しろ「え~い! そこの4人! 私語は慎め!」

4人「は~い」


艦橋 12時34分


ミケ「野間さん万里小路さん、何か問題は無い?」

楓〈何も問題は御座いませんわ〉

マチコ〈こちらも問題はありません〉

ミケ「ありがとう野間さん万里小路さん」

ミケ「それじゃあしろちゃ」


ざわ


ミケ「!?」

しろ「? 艦長、どうかしたんですか?」

ミケ「え? しろちゃん……今感じなかった?」

しろ「感じるって何をです?」

ミケ「えっと……空気が変わったって言うか、ざわついたって言うか」

しろ「……何も感じませんが?」

ミケ「皆はどうかな?」

幸子「私は何も感じませんでしたねぇ」

りん「私も」

たま「私も……感じなかった」

めい「艦長の気のせいとかじゃないの?」

ミケ「……そう」

ミケ(メイちゃんの言う通り私の気のせいだったのかな?)

めい「そう言えば昼食は何かな? うな重かな?」

たま「……カレー」

りん「タマちゃん、カレーは昨日食べたよね?」

幸子「でもインドじゃ一週間カレーと聞いた事ありますし……もしかしたら」

しろ「……」

しろ「……艦長」

ミケ「何? しろちゃん」

しろ「ちょっと厨房まで見て来てくれないか?」

ミケ「……へ?」

しろ「昼食を聞いてくるのも艦長の役割だしな」

ミケ「え? しろちゃん?」

しろ「……」

ミケ(え? しろちゃんどうしたんだろう? いつものしろちゃんならそんな事言うはずないのに)

しろ「ちょっと厨房まで見て来てくれないか?」

ミケ「しろ……ちゃん?」

しろ「昼食を聞いてくるのも艦長の役割だしな」

ミケ「!?」ゾクッ!!

ミケ(何? この感じ……しろちゃんの雰囲気が……えっと、皆は……)

艦橋全員「…………」

ミケ(皆……無表情で動こうとしない……何で?)

しろ「……艦長」

ミケ「!?」

しろ「ちょっと厨房まで見て来てくれないか?」

しろ「昼食を聞いてくるのも艦長の役割だしな」

ミケ(私……どうれば)

ミケ「わ……私は艦橋にいるよ」

艦橋全員「……」

ミケ「か……艦長のわ、私が昼食を聞く為だけに持ち場を離れるのは良くないし」

ミケ「それに……ほら! 伝声官もあるし……だから」

艦橋全員「……」

しろ「……そうですか」

ミケ「……うん(分かってくれた?)」

しろ「艦長は体調がすぐれない見たいなので横になっていて下さい」

ミケ「……え? 横にって」

ゴチュ!!!!

ミケ「アガッ!!」

どさ!

ミケ(え? 私……一体何が)

頭部から激痛が走り意識が朦朧とする中、血と何かがこびり付いた鉄パイプをもった目が赤く光るココちゃんが立っていた

ミケ(なん……で? ココ……ちゃ…………わた……死ぬん…………だ)


=岬 明乃=

死亡

原因:頭部を打撲




8月32日「晴」 艦長室 09時25分

ミケ「は!?」

ミケ「ここは?……私の部屋?」

ミケ「確か私……ココちゃんに殴られて……なのにどうして?」

=時計=

ミケ「!!……時間が戻ってる?」

ミケ「……そうか……ゲームオーバーになっちゃったんだ……私ってドジだな……ハハハ……ハ……ハ……ッ」

ミケ「……」

ミケ「……」ガクガク

ミケ「!!……嫌だな私……なんで震えてるんだろう」

ミケ「現実じゃなくてゲームの世界なのに」

ミケ「……でも凄くリアルだったな……痛みも少しだけ覚えてるし」

ミケ「……」

ミケ「……もうゲーム止めちゃおうかな……何だか思っていたのと違ってたし」

ミケ(たしか横になって目を瞑れば良いんだよね?)

ミケ「……………………」

ミケ「あれ? 何も出ないよ……。」

ミケ(………………嘘? ミナミさんは寝れば帰れるって言ってたのに)

ミケ「なんで?」

ミケ(もっと長く横にならないと駄目とか?)


~11分後~


写真立て

ミケ「………………もかちゃん」

しろ「艦長……至急艦橋に来てください艦長」

ミケ「ひぁ!!」ビク!!!

ガパン!!

ミケ「あ!……写真立てが」

ミケ(うぅ……ヒビが入っちゃったよ)

ミケ「……」

ミケ「……今はヒビでクヨクヨしてる場合じゃないよね……しろちゃんに呼ばれたんだから……行かなきゃ……だよね?」

ミケ(これはゲームの世界なんだし……早くクリアしちゃえば良いんだよ……ね?……もかちゃん)ガチャッ!

バタン!


8月32日「晴」 艦長室 09時47分 リスタート 

=艦橋=


ミケ「……遅れてごめんね……しろちゃん」

しろ「艦長! 遅刻ですよ! 何をしてたんですか?」

ミケ「ごめんしろちゃん……ちょっと寝坊しちゃって」

しろ「寝坊だと!? しっかりしてください艦長! まだ五十六に餌の理由の方がマシだ」

ミケ「……ははは、そうだね……」

しろ「笑っている場合じゃ……まぁ良いです。 艦長は早く持ち場について下さい」

みけ「分かったよ……しろちゃん」

みけ(?……何だろうこの感じ)

幸子「副長はまるで舎弟を躾ける舎弟頭補佐のような感じになってますねぇ」

りん「まるで鬼に憑かれた様な顔だよ……ね?」

メイ「まぁ言うところの夫婦喧嘩ってやつでしょ?」

タマ「……うぃ」

ミケ(!?)

しろ「え~い! そこの4人! 私語は慎め!」

4人「は~い」

ミケ(似てる……前の会話と微妙に違うけど……流れは一緒)

ミケ(もしそうなら、次に喋りだすのはメイちゃん? だったら会話の内容は)

ミケ(…………………………)

ミケ(…………とりあえず私は艦長の仕事をしなくちゃ)

ミケ「…………野間さん万里小路さん、何か問題は無い?」

楓〈何も問題は御座いませんわ〉

マチコ〈こちらも問題はありません〉

ミケ「ありがとう野間さん万里小路さん」

ミケ「………………」

ミケ(もう空気が騒がしい感じにはならない……以前のでもうおかしくなったから?)

めい「……そう言えば昼食は何かな? うな重かな?」

ミケ(!!)

たま「……カレー」

りん「タマちゃん、昨日カレー食べたよね?」

幸子「でもインドじゃ一年通して3食カレーと聞いた事ありますし……もしかしたら」

ミケ(きた!!……確かこの後)

しろ「艦長」

ミケ「やっぱり!」

しろ「はい?」

ミケ「あぁぁ!……な、何でもないよしろちゃん」

しろ「そうですか……それより艦長……ちょっと厨房まで見て来てくれないか?」

ミケ(やっぱりこの流れ……ゲームのコンテニュー見たいな感じなのかな? 断ったらココちゃんに殴られたから……ここの選択肢は)

ミケ「メニューを聞いて来れば良いんだよね? 任せてしろちゃん」

しろ「すまない艦長……余計な仕事を押し付けてしまって」

みけ「…………大丈夫だよしろちゃん…………それじゃ行ってくるね」タタッ!!


8月32日「晴」 艦橋 11時36分  岬 明乃/実習内容/朝食の献立を艦橋メンバーに知らせる

=海図室前の通り=

ミケ(烹炊所でミカンちゃん達に聞いて来れば良いんだよね? 場所もそんなに遠くないし大丈夫……かな? もし選択を間違えたら……)スタスタ……

ガチャッ!

ミケ「!?」

勝田「……あれ? 艦長どうしたぞな? 何だか顔色が悪いですぞ?」

ミケ「うん……ちょっと(……サトちゃんもしかしたら)」

勝田「何があったのか知らないですが、気分がすぐれない時は医務室で寝た方が良いぞな」

ミケ「うん……ありがとうサトちゃん」

勝田「ところで艦長は今から下に用事ぞなか? ウチも用事があったぞな」

ミケ「用事?」

勝田「なんでも今日の夕食がサツマイモ翌料理で固められると聞いたので、メニュー変更のお願いを言いに行くんですぞ」

ミケ「そう言えば、サトちゃんサツマイモ苦手だったっけ」

勝田「そこで艦長、下に行くついでなのですが、ウチの代わりにお願い出来ないぞなか?」

ミケ「へ?」

勝田「きっとウチより艦長自ら言った方がメニューの変更が容易ぞな」

ミケ(いつもの私なら頼まれるけど……もし選択が違ったら)

勝田「……」ニコニコ

ミケ「……」

ミケ「……う……ん……うん、分かったよサトちゃん」

勝田「艦長ありがとうぞな」バタン!

ミケ「あ……サトちゃん!」グッ!

ミケ(!?……海図室の扉が開かない? それに中からサトちゃんの居る気配もない?)

ミケ(……)ポツン

ミケ(何だろう……皆は居るのに、この世界に存在してるのは私だけな感じだな)


=烹炊所=


伊良子「さぁって! 盛り付けるよ~」

杵崎姉妹「「お~」」

ミケ「……あの」

杵崎姉妹「「あ、艦長」」

伊良子「あれ、岬さんどうしたの?」

ミケ「ちょっと昼食のメニューを聞きに」

伊良子「メニューですか? えっと、お昼のメニューは……」

ほまれ「今日のお昼はご飯と味噌汁」

あかね「鰤の照焼に茄子のおひたしだよ~」

伊良子「……ですね」

杵崎姉妹「「美甘ちゃんメニュー内容忘れてたでしょ~」」

伊良子「忘れてない! 全然忘れてないから!!」

ほまれ「本当かなぁ」

あかね「忘れてた人は皆そう言うんだよね~」

伊良子「うるさ~い!!」

ワー! ワー! ギャー! ギャー!

ミケ「あははは」

伊良子「もう岬さんまで」

ミケ「あはは、ごめんねミカンちゃん……あ、あとサトちゃんが夕飯のメニューを変えてほしいって伝言が」

伊良子「え? 夕飯ですか?」

ミケ「もしかして無理だったかな?」

伊良子「はい、ちょっとこの時間からの変更は難しいかな」

ほまれ「そうだね~」

あかね「午前10時までなら変更可能だけどね~」

ミケ「そう……なんだ」

伊良子「すいません岬さん」

杵崎姉妹「ごめんね艦長」」

ミケ「あ……気にしないで皆、メニューが分かっただけでも全然良いよ」あたふた

ミケ「それじゃ準備の邪魔しちゃってごめんね!」タッ!

=廊下=

ミケ(早く艦橋に戻らなくちゃ)タタタッ!!

ミケ(…………あれは?)

勝田「……」

勝田「……」

ミケ「ごめんサトちゃん!! この時間じゃもう変更が難しいって」

勝田「……艦長」

ミケ「何? サトちゃ」

ドスッ!!

ミケ「かは!?」

ドサッ!!

ミケ(え? 何? 一体何が?)

勝田「……」赤い目

ミケ(痛!!……首……に…………何か?)さわ

5本の鉛筆

ミケ(これって…………鉛……筆?…………)

ミケ「ゴホ!!」ビチャ

ミケ(意識が……薄…………れる)




=岬 明乃=

死亡

死因: 総頚動脈からの出血死  実習内容/朝食の献立を艦橋メンバーに知らせる 継続



8月32日「晴」 艦長室 09時25分

ミケ「――――ガハ!!」バッ!!

ミケ「はぁ……はぁ……はぁ」

ミケ「はぁ……私……生きて……る?」

ミケ「……」

ミケ「」ガチガチガチ!!

ミケ(も……もう嫌だ!!……もう死にたくないよ!!)毛布包まり

ミケ(でも、どうしたら?……どうすれば………………そうだ!)

ミケ(もうこの部屋に閉じ籠ればいいんだ)

ミケ(扉の鍵も閉めてれば誰も入れないし安全)

ミケ(その間に現実世界のミナミさんが私の異変に気付いてくれる)

ミケ(そうだよね……無理に実習体験をする事は無いよね)

ミケ(…………)

~17分後~

しろ〈艦長!! 至急艦橋に来てください!! 艦長!!〉

ミケ(……もうこれで5回目……でも……これで良いんだよね?)毛布被り

ミケ(……………………)

ゴンゴン!!

ミケ(!?……誰?)

しろ『艦長!! 何をやっているんだ!! 大遅刻だぞ!!』

ミケ(しろちゃん?)

しろ『何故返答もしない!! 寝坊なのか!? 艦長?』

ミケ(ごめんしろちゃん……でも私……何も喋りたくないの……)

しろ『艦長……起きているんだろ? 艦長……艦長』ドン!! 

しろ『艦長』ドン!!

しろ『……艦長!!』ドン!!

ミケ(しろ……ちゃん……ごめん)

ミケ(………………………?……静かになった?)

しろ「艦長」

ミケ(…………え?……今……室内から聞こえた?)

ミケ(……)

ミケ「……」ガバッ!!

しろ「……」赤い目

ミケ「なん……で?しろちゃ――――」

しろ「……」ヒュン!!

飾緒がミケの首に巻き付く

ミケ「ぐ!!」キリキリ

ミケ(声が出ない…………顔が……破裂しそう…………意識が……体の力が……抜け……る)

ミケ(……)

=岬 明乃=

死亡

死因: 絞頸による窒息  実習内容/昼食の献立を艦橋メンバーに知らせる 継続

8月32日「晴」 艦長室 09時18分

ミケ「――――!!」

ミケ(……ここは……)

ミケ(……またやり直し)

ミケ(……)

ミケ「……はは(行動してもしなくても死んじゃうんだ)」

ミケ(……もう絶望しかないよ)

ミケ「…………もかちゃん…………?」

ミケ(……あれ?)

ミケ(写真立てにヒビが入ってる……なんで?)

ミケ「確か写真立てを落としちゃったのは前だから今回ヒビが入ってるのはおかしい……よね?)

ミケ(………………もしかして……全部が戻ってるわけじゃない? 前の行動が今後に影響される?)

ミケ「もしそうなら今私に出来ることって」

ミケ(……………………)

――――――――回想――――――――――――


伊良子【はい、ちょっとこの時間からの変更は難しいかな】

ほまれ【そうだね~】

あかね【午前10時までなら変更可能だけどね~】

――――――――――――――――――――――

ミケ「!!」

ミケ「そうだ!! 今から烹炊所に行ってメニュー変更のお願いに行けば!!」

ミケ(時間は?)

=9時36分=

ミケ「まだ時間は大丈夫、でも急がなきゃ」

ガチャッ!……バタン!


=海図室前の通り=

ミケ(きっとここを通る時にサトちゃんが出てくるはず)スタスタ

ガチャ!

勝田「あ!! 艦長ぞな」

ミケ「サトちゃん」

勝田「艦長は今から下に用事ぞなか?」

ミケ「うん、サトちゃんは今から烹炊所に行くのかな?」

勝田「当たりぞな、今晩のメニューについて交渉ぞな」

ミケ「今日の夕飯はサツマイモがメインだっけ」

勝田「そうぞな!! ところで艦長も今から下に用事ぞなか?」

ミケ「うん私もちょっと烹炊所用があって」

勝田「奇遇ぞな、それでしたら艦長」

ミケ「分かってるよサトちゃん、サトちゃんの分まで私が頼んでくるね」

勝田「ありがとうぞな恩に着るぞな」

ミケ「それじゃ行ってくるね」タッ!!



8月32日「晴」 海図室前の通り 09時49分  烹炊所まで

=烹炊所前=

ガチャ! ギギギギィィッ!!

ミケ「ミカンちゃん」

ミケ「……」

ミケ「……あれ? 誰もいない?」

ミケ(人の気配もしない……料理の準備もされてない? まるで最初から誰も居なかった雰囲気)

ミケ(……)

ミケ(どうしよう……これじゃメニュー変更のお願いができない)

ミケ(どうすれば………………そうだ!! 確かここに――――)

=ホワイトボード=

ミケ(ここに書き込めば)キュッ! キュッ!

《今晩の夕食の事でお願いがあります。今晩の夕食はサツマイモ料理だと聞きました ですがサトちゃんの苦手な食べ物なので
メニューの変更をお願いしたいのですが大丈夫でしょうか? 岬≫


ミケ「これで大丈夫だよね? ……あ……後もう一つ頼もうかな」


《それと、お昼前に昼食のメニューを艦橋に伝えてくれたら嬉しいです≫


ミケ「良し、これでしろちゃん達にも伝える事ができる」

ミケ「あ……早く艦橋に行かなきゃ」タッ!


=艦橋=


ミケ「しろちゃんごめん!! 遅れちゃった」

しろ「艦長寝坊ですか? まったく……艦の長が寝坊じゃ皆に示しがつきませんよ? 今度からもうちょっと早めに寝るようにして下さいね? 艦長の仕事も大変なのは分かりますが」

ミケ「うん、ごめんねしろちゃん」

ミケ「それでしろちゃん何か異常はなかった?」

しろ「今のところその様な報告はありません」

ミケ「分かったよしろちゃん」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


=10時57分=

ミケ(もうそろそろミカンちゃん達から報告が来る頃かな)

メイ「そう言えば今日のお昼何かな?」

たま「カレー」

りん「タマちゃん今日は金曜日じゃないよ」

幸子「そう言えばインドでは『カレー』と言う名の料理は無いと聞きましたねぇ 『カレーライス』もインドの人には知らない料理らしいですよ?」

りん「え? そうなの?」

幸子「聞いた話ですよ?」

ワイワイ

ミケ「……」

伊良子〈今日の昼食は ご飯 豚汁 厚焼き玉子 おひたし だよ〉

ミケ(きた!!)

しろ「……」

ミケ(……)ドクン!! ドクン!!

しろ「……美味しそうだな」

ミケ「!!……そ、そうだねしろちゃん」

ミケ「後お昼艦橋に残るのは私だし……皆お昼に行ってきてね」

しろ「すまないな艦長」

りん「岬さん後で昼食持ってくるね」

ミケ「うん、ありがとうリンちゃん」

幸子「それじゃ艦長少しの間お願いしますね」

メイ「豚汁かぁ久しぶりに食べるなぁ」

タマ「……うぃ」

ゾロゾロ

ミケ「……」

ミケ「…………」

ミケ「やった……私……出来たんだ」

ミケ「でもまだ終わりじゃ無いんだよね?」

ミケ「でもいつか皆の所に……!?」

ミケ(う!!……何? 頭が……何だか変)

ミケ(…………)

―――――――――――――――――

ミケ「うぅ……治まった?」

ミケ「2分も経ってないのにもっと長い時間頭の中をかき混ぜられた感じだったよ」

ミケ「……考えてもしかたないよね……これからも頑張らなくっちゃ」




8月32日「晴」 艦橋 12時12分  岬 明乃/実習内容/朝食の献立を艦橋メンバーに知らせる 達成


=8月32日「晴」 艦橋 21時28分=

りん「今日も異常がなくて平和だったね」

しろ「だがいつ何が起きても即対応できるように心掛けておいた良いだろう」

めい「副長真面目すぎだって」

幸子「でも副長の言う事も間違っていないんですけど……もうちょっと心にゆとりを持った方が」

たま「……うぃ」

しろ「何を言っている!! 私だって心にゆとり位」

めい「私にはそう見えないんだけど」

幸子「でしたらここは一つ、私が海に纏わる怪談を」

しろ「その話はしなくて良い!!」

ミケ「……」

しろ「?……艦長? どうしました? 浮かない顔をしていますが」

ミケ「え? あ……いや何でもない、何でもないよしろちゃん」

しろ「?……そうですか」

ミケ(今日は何もなく終わってくれるよね?)

しろ「ところで艦長」

ミケ「……」


しろ「艦長」

ミケ「……」

しろ「艦長!!」

ミケ「!!……ふぇ?」

しろ「どうしあんですか? 艦長もしかして疲れてますか?」

ミケ「大丈夫だよしろちゃん、ちょっと考え事」

しろ「そうですか……それより艦長、もうそろそろ消灯時間ですので艦の見回りをお願い出来ますか?」

ミケ「あ……うん……私は大丈夫だよ」

しろ「では艦長お願いします」

ミケ「……うん」

ミケ(やっぱり簡単にはいかないよね)

ミケ(でも見回りだけだし何とかなるかな?)カツッカツッ




8月32日「晴」 艦橋 21時43分  岬 明乃/実習内容/晴風艦内の見回り


=通路 21時58分=

コツッ! コツッ! コツッ!

ミケ(この通路には人は無し……っと)

ミケ(……)

ミケ(以前はしろちゃんと見回りをした時もあったけど)

ミケ(……)

ミケ(……何だろう……誰も居ない晴風に私だけ乗ってる感じ)

ミケ(……ダメだ、弱気になっちゃダメだ……私は現実世界の帰るんだから!!)


フッ!


ミケ「あ……蛍光灯が」

ミケ「……」

ミケ「常夜灯だけになちゃった……早く見回りをして今日は終わろう」

コツッ! コツッ! コツッ!

「~~~~~~~!!」

ミケ「?……誰かの話し声?」

=教室前廊下=

「120%意味分かんない!!」

「いやいや!!」

ミケ「……この声は」ガチャ

=教室=

等松「本当に意味が分かんないわ!!」

和住「それ!! こっちのセリフだから!!」

等松・和住「「ガルルルルル……!!」」

ミケ「……あの」

等松・和住「「!?……か、艦長」」

ミケ「二人ともどうしたの? もう消灯時間はすぎてるよ?」

等松「た……確かにそうなのですが」

和住「女には譲れないモノがあるんだ!!」

ミケ「譲れないモノ?」

和住「はい!! 艦長はお菓子は好きですか?」

ミケ「え?……うん……好き……だよ?」

等松「それじゃ艦長『ポッキー』と『フラン』どっちが好きかしら?」

ミケ「え?」

和住「勿論フランだよね? あんなプリッツにただ甘いチョコが付いたようなお菓子よりフランの方が太いし飽きないし断然フランだよね?」

等松「何をいうのかしら? 値段が4円しか違わなくて本数が圧倒的に違うなんて120%マジ分かんない!!」

和住「細かすぎ!!」

ワーワー!! ギャーギャー!!

ミケ「……」

和住「それで艦長」

ミケ「!?」

和住「艦長は……」

等松「どっち派かしら?」

ミケ(え?……どっちって……私どっちも食べるけど……どっち派でもないよ)

ミケ(でも)

等松・和住「……」

ミケ(何か言わなきゃダメな雰囲気)

ミケ「私はどっちも好きだな」

等松・和住「……」

ミケ「ほら好きなのは皆違うし」

等松・和住「……」

ミケ「それに私、どっち派って良く分かんないや……ははは……は」

等松・和住「……」

ミケ「……」

等松・和住「……」

ミケ「……(もう逃げた方が良いよね?)」

ミケ「そ……それじゃ」タッ!!

ドスッ!!

ミケ「あ!!……太腿に……鉛筆?」ヨロッ

ゴキッ!!

ミケ「い!!」ドサ!!

ミケ(何? 頭に激痛が)

和住「……」金槌

ミケ「……ヒメ……ちゃん」

和住「……」振り下ろし

ゴチャッ!!



=岬 明乃=

死亡

死因: 頭部を金槌で強打  実習内容/晴風艦内の見回り 継続

=8月32日「晴」 艦橋 21時38分=

しろ「……長……艦長!!」

ミケ「!?」

ミケ「……え?……しろちゃん?」

しろ「しろちゃん? じゃありません!! 艦長」

ミケ「あれ?……私……何で?」

しろ「何でって私が聞きたい位です!! いきなりボーっとしないでください!!」

ミケ「う……うん」

ミケ(死んだのに部屋に戻ってない?)

ミケ(それに時間も見回りに行く前だ)

ミケ(……)

しろ「艦長」

ミケ「何しろちゃん?」

しろ「もうこの時間ですので見回りをお願いします」

ミケ「わかったよしろちゃん」

ミケ(今度は間違えないよ)



8月32日「晴」 艦橋 21時43分  岬 明乃/実習内容/晴風艦内の見回り

=通路=

コツッ! コツッ! コツッ!

ミケ(ここまでは何も異常無し)

ミケ(……問題は教室のミミちゃんとヒメちゃん)

=教室前廊下=

『……なによ!!』

『なんだよ』

ミケ(……)

ミケ(……この教室に入らなければ見回りは終わり)

ミケ(……でも)

ミケ(……)

ミケ(……ごめんね!!)スタスタ

―――――――――――――――――

ミケ「これで良いよね」

ミケ「……」スタスタ

ミケ「?……あそこに誰か」

青木「あ……艦長っす」

野間「艦長」

ミケ「あれ? 二人ともどうしたの?」

青木「いや~ちょっと迷子のお知らせっす」

ミケ「? 迷子」

青木「ミミちゃんと美化委員長が行方不明っす」

ミケ「美化委員長ってヒメちゃんだよね?」

青木「そうっす」

野間「私は歯を磨いてたら二人を探す青木さんと出会ったので一緒に探してます」

ミケ「そうなんだ」

ミケ「……」

ミケ「あ」

青木「? 艦長二人に心当たりがあるんすか?」

ミケ「うん、教室にいるはずだよ……一緒に行こうか」

青木「艦長ありがとうっす」

野間「ありがとうございます艦長」

――――――――――――――――――

=教室前廊下=

ミケ「ヒメちゃん、ミミちゃん」ガチャッ!!

ミケ「……あれ?」

青木「真っ暗っす」

野間「誰もいない」

ミケ「……」

青木「きっと二人はどこかに移動したんっすよ……だから艦長は落ち込まないで欲しいっす」

野間「他の場所も探してみよう」

ミケ「うん、そうだね……ありがとうモモちゃん」バタンッ!!

青木「それじゃ艦長また明日っす」

野間「それでは」スタスタ

青木「いや~それにしても何処にいったんすかね」

野間「別の部屋にも行ってみる?」

ミケ「……どこに行っちゃったんだろう」

ミケ「……私も戻らないと」

『えーい!!』

『何さ!!』

ミケ「!?」

ミケ「え……誰も居なかったのにヒメちゃんとミミちゃんの声が」

ミケ「……」カチャ……ソ~

等松「認めないわ!!」

和住「私だって!!」

ミケ「……」パタン

ミケ(なんで二人が)

ミケ(……)

ミケ(戻った方が良いよね)ダッ!!

―――――――――――――――

ミケ(……どういう事なんだろう)スタスタ

ミケ「!?」

青木「あ……また艦長っす」

野間「艦長」

ミケ「あれ二人とも向うに行ったんじゃ」

青木「見つかんなくて戻ってきたんす」

野間「はい」

ミケ「そうなんだ……さっき教室に二人がいたよ?」

青木「マジッすか」

野間「それじゃ青木さん行こうか」スタスタ

ミケ「……私も戻ろう……?……何で水密扉が閉まってるんだろう」

ガチャ!!

ミケ「!?」

ミケ(あれ……動かない)

ミケ(……)

ミケ「もしかしてミミちゃん達の問題を解決しないと終わらないの?」



8月32日「晴」 艦橋 21時43分  岬 明乃/実習内容/晴風艦内の見回り 継続

ミケ「モモちゃん野間さん、私も一緒に手伝うよ」タタタッ!!

青木「本当っすか?」

野間「でも艦長も見回りがあるんじゃ」

ミケ「見回りは一通り終わったから大丈夫だよ野間さん」

野間「そうですか」

青木「それじゃ3人で探すっす」

ミケ「うん」

―――――――――――――――――

=教室付近=

ミケ(もうすぐ教室前を通るけど2人はいるのかな?)

ミケ「……ちょっと先を見てくるね」

野間「はい」

青木「お願いするっす」

=教室前=

カチャ

ミケ「……」

等松「120%マジ分かんない!!」

和住「いやいや」

パタン

ミケ(2人は確認したし、後はモモちゃんと野間さんを待つだけだね)

カッ! カッ!

青木「艦長、どうだったっすか? 見つかったっすか?」

ミケ「うん、2人は教室にいたよ」

青木「ありがとうっす艦長」

ガチャ!!

=教室=

ミケ「……あれ?」

青木「中は真っ暗すね」

野間「電気つけようか」カチ

チカ……チカ……パアァァ……

3人「……」

ミケ「……何で?」

野間「隠れてもいない……最初からいなかった感じだね」

青木「まるで怪談っすね」

ミケ「……」

青木「艦長落ち込まないで欲しいっす」

ミケ「ごめんねモモちゃん」

青木「艦長のせいじゃ無いっす」

ミケ「……うん」

野間「それじゃ他の場所を探そうか」

ミケ「……」バタン



8月32日「晴」 艦橋 22時13分  岬 明乃/実習内容/晴風艦内の見回り 継続

=通路=

青木「二人はどこにいったんすかね」

野間「もしかしたら部屋に戻ってるのかもしれない」

ミケ「……」

青木「そうかもしれないっすね」

ミケ「……」

野間「……艦長?」

ミケ「……野間さん、モモちゃん、私ちょっと戻るね」

青木「そうっすか……艦長とはここでお別れっす」

ミケ「ごめんね」タッ!!

―――――――――――――――――――――――――――

=教室前廊下=

等松『分からず屋』

和住『どっちが!!』

ミケ(……いくしかないよね)

ガチャッ!!

等松「本当に意味が分かんないわ!!」

和住「それ!! こっちのセリフだから!!」

ミケ(……)

ミケ「ねぇ……二人とも」

等松・和住「「!?……か、艦長」」

ミケ「二人ともどうしたの? もう消灯時間はすぎてるよ?」

等松「た……確かにそうなのですが」

和住「女には譲れないモノがあるんだ!!」

ミケ「……そうなんだ(前と同じ会話だ)」

和住「はい!! 艦長はお菓子は好きですか?」

ミケ「うん……好きだよ」

等松「では艦長……ポッキーとフランどっちが好きですか? やっぱりポッキーですよね? そうですよね? ポッキー食べます?」

和住「等松さん、それ自分の意見押し付けてるだけだから」

等松「むむ……それで艦長はどっち派です?」

和住「艦長の好きな方を言ってよ?」

ミケ(前回は当たり障りの無い言い方をしちゃったから駄目だったんだよね?)

ミケ(それなら好きな方を言えばいいのかな?)

等松「……」

和住「……」

ミケ「私は……!!」






ミケ(でも……どっちか片方を選んだら選ばなかった方はどうなっちゃうの?)

ミケ(なら別のお菓子を言うのは……いや、それじゃ前回と同じになっちゃうかもしれない)

ミケ(下手に言ったら……最期)

ミケ(でも……こんな時はどうすれば良いの?)

等松・和住「「……」」

ミケ「……」

等松・和住「「……」」ジリ

ミケ(!!……どうしよう……何か言わなくちゃ……でも)

等松・和住「「……」」ジリ

等松・和住「「……」」ジリ

ミケ(!! もう駄目……もかちゃん!!)

ガチャッ!!

ミケ(!?……え? なに?)

青木「あ~!! ヒメちゃんここに居たんすか」

野間「……」

ミケ「え……モモちゃん? 野間さん?」

青木「探したんすよ?」

和住「え? って、もうこんな時間!?」

野間「2人とも探したよ?」

等松「マッチ~ごめんなさい、私達お菓子の話題で白熱しちゃって~」

青木「お菓子っすか?」

和住「うん、等松さんとフランとポッキーどっちが良いかで……艦長にもどっち派かで迷惑かけちゃった」

青木「どっち派とかこの際良いっす、艦長に迷惑かけちゃダメっすよ? それにヒメちゃんはダイエットしてるんすからお菓子の話題厳禁っす」

和住「うぅ~……艦長モモ野間さん迷惑かけてごめんなさい」

野間「等松さんも艦長に迷惑かけたんだから謝らないと」

等松「艦長マッチモモちゃん迷惑かけちゃってごめんなさい」

ミケ「え? いや……そんな迷惑だなんて」

青木「艦長は甘々っす」

ミケ「ははは」

野間「それじゃ戻ろうか……艦長、私たちはこれで」

青木「おやすみっす」

和住「艦長、また明日」

等松「艦長、おやすみなさい」スタスタ

ミケ「皆また明日ね」

ミケ「……」

ミケ(……もしかして、何も言わないのが正解だったのかな?)

ミケ「……私も戻ろうかな」



8月32日「晴」 艦橋 22時13分  岬 明乃/実習内容/晴風艦内の見回り 達成

8月33日「曇り」 艦長室 05時49分 岬 明乃

ミケ「……」

ミケ「……ん……」ぱち

ミケ「……もう……朝?」

ミケ「時間は……もうすぐ朝の5時50分になるんだね」

ミケ(……)

ミケ(何だろう……眠った気がするのに眠った感じがしない)

ミケ(まるで夢の中で起きた感じ……だな)

ミケ「……そうか……実際の私は今も眠り続けてるんだもんね」

ミケ(みなみさん……みなみさんは気付いてるのかな? それに現実の世界は何時間経過してるんだろう)

ミケ(……私……本当に皆の所に帰れるのかな……このゲームのクリアって何をもってクリア何だろう)

ミケ「……」

ミケ「!!……弱気になっちゃダメだ!! クリア出来ないゲームは……無いんだから」

ミケ(……)

~♪~♫

ミケ「起床ラッパ?……もう6時なんだ」

ミケ「顔を洗ったらすぐに教室に行って点呼しなきゃ」

ミケ「もかちゃん行ってくるね」



8月33日「曇り」 艦長室 06時01分 岬 明乃

8月33日「曇り」 教室 06時11分 岬 明乃

わいわいガヤガヤ

小笠原「今日天気良くないね」

武田「雨が降りそうだね」

日置「嵐が近いんじゃないの?」


八木「めぐちゃん、頭の中のダウジングが今後大変な試練が起こるって啓示が」

宇田「うん、気のせいだから戻ってきてね」

山下「でもつぐちゃんのダウジングは結構当たるし慎重に行動しようかな」


姫路「他のクラスって今なにしてるんだろう」

松永「私達より凄い実習してたりとか」


駿河「ねむ~い」

若狭「ツイてるからってルナが徹麻しようとか言うからでしょ!」

駿河「う~」

広田「でも確かにあの時のルナは豪運だったよねー」

伊勢「数え役満で嶺上開花での逆転だもんねー」

若狭「私なんて±0を保つのに精一杯だったよ」

四人「あははは」
 
黒木「あなた達もう麻雀禁止」目に隈

マッチー!

わいわいガヤガヤ


しろ「……艦長……この場を収めてください」

ミケ「えっと……皆~注目~」

し~ん

ミケ「これから点呼をしま~す」

小笠原「艦長、まだまりこが来ていません」

ミケ「え?」

山下「まゆちゃんも来ていません」

杵崎姉妹「美甘ちゃんもです」

ミケ「……寝坊……かな」

しろ「艦長の寝坊が移ったんじゃないんですか?」

ミケ「そうなのかな?」

幸子「艦長どうしますかぁ?」

しろ「取りあえず教室には私がいますので艦長は3人を呼んできてください」

ミケ「うん、分かったよしろちゃん」






8月33日「晴」 教室 06時18分  岬 明乃/実習内容/楓・まゆみ・美甘の3人を呼んでくる

8月33日「曇」 教室 06時19分  岬 明乃/実習内容/楓・まゆみ・美甘の3人を呼んでくる

=教室前廊下=

ミケ「……」

ミケ(3人が遅刻だなんて珍しいな……万里小路さんは早朝に起床ラッパを吹いてたから寝坊は考えられないけど……何かあったのかな)

ミケ(……取りあえず3人を連れてこなきゃ)

ミケ「……3人が部屋に居るとして一番近いのは……主計室だから美甘ちゃんだね」


―――――――――――――――――――――

=晴風後部廊下/主計室前=

ミケ「美甘ちゃん」コンコン

ミケ「皆教室に集まってるよ?」コンコン

ミケ「…………?」

ミケ「美甘ちゃん入るよ?」ガチャ

=主計室内=

ミケ「……誰も居ない」

ミケ(一体何処に)キョロキョロ

ミケ(……あ)

ミケ「これっって今日のメニュー?」

ミケ(……今日はローストビーフなんだ……て早く美甘ちゃんを探さなきゃ)タタッ!

――――――――――――――――――

=晴風前部廊下=

ミケ(うぅ……後部の部屋やトイレには美甘ちゃん居なかったよ)スタスタ

ミケ(一体どこに居るんだろう)スタスタ

楓「」タッタッタ!!

ミケ「あ! 万里小路さんだ! お~い!」

楓「」タッタッタ

ミケ(?……聞こえなかったのかな? それに廊下を走ってるけど何かあったのかな)

ミケ「万里小路さ~ん!」ッタ!!

楓「」ギィィィ! バタン!!

ミケ「あ……」

ミケ(あの部屋は第二兵員室)

ミケ「……忘れ物かな?」

ミケ(……)

ミケ「万里小路さん」コンコン

ミケ「……」

ミケ「万里小路さん?」コンコン

ミケ(……?)

ミケ「万里小路さん、入るよ?」

ギィィィィ……バタン!!


8月33日「曇」 第二兵員室前 06時29分  岬 明乃/実習内容/楓・まゆみ・美甘の3人を呼んでくる





8月33日「曇」 第二兵員室 06時31分  岬 明乃/実習内容/楓・まゆみ・美甘の3人を呼んでくる

ミケ(第二兵員室って初めて入ったな)

ミケ「……万里小路さん」

ミケ「……」

ミケ(?……確かにこの部屋に入ったと思ったんだけど)

ガタン!!

ミケ「……!?」ビク!!

ガタガタ……ガサゴソ

ミケ(ビックリしたぁ……もしかして万里小路さんかな?)カツカツ

楓「」ガサガサ

ミケ(良かった……しゃがんでたから見えなかったよ)

ミケ(……)

ミケ(何かを必死に探してる?)

ミケ「万里小路さん?」

楓「」ガサガサ……ガサゴソ

ミケ(聞こえてない?)

ミケ「万里小路さん……探し物?」ポン

楓「あ……艦長……はい、お恥ずかしながら」

ミケ(やっぱり探し物なんだ……だったら)

ミケ「私も手伝うよ」

楓「え? 良いのですか?」

ミケ「困っているならお互い様だよ……それに万里小路さんが無我夢中になって探してるんだから凄く大切な物だって伝わるし」

楓「艦長……まことにありがとうございます」

ミケ「気にしないで万里小路さん、それで何を探してるの?」

楓「はい、実はわたくしの大切な特製薙刀を無くしてしまいまして」

ミケ「え? 特製?」

楓「はい、従来の物より2キロ程重くした薙刀ですわ」

ミケ「へ~……重いって事はそれだけ頑丈ってことだよね」

楓「そうですわ」

ミケ「ん~……とりあえず探しちゃおうか」

楓「はい」

ミケ「それじゃ私こっちさがすね」

楓「お願いしますわ」

ミケ「さてと……それじゃ……ん?」

ミケ(ここに立てられてるのって)

ミケ(やっぱり薙刀だ……こんなに目立つ所に置いてあった)スチャ

ミケ「万里小路さん薙刀があったよ」

楓「まぁ!! ありがとうございます艦長」ぱぁ

ミケ「それじゃ早く戻ろう万里小路さん教室に皆がまってるよ」

楓「……」

ミケ「私は他の2人も探してくるから」ガチャ

楓「……」スゥッ

ミケ「万里小路さんは教室に向かってね」ギギィィィィ……!!

ミケ「それじゃ万里こ」クル

楓「……」赤目

ミケ「……へ?」

楓「……」ブン!!

ゴチュ!!





=岬 明乃=

死亡

死因: 頭部を薙刀で強打  実習内容/楓・まゆみ・美甘の3人を呼んでくる 継続


8月33日「曇」 教室 06時19分  岬 明乃/実習内容/楓・まゆみ・美甘の3人を呼んでくる


ミケ「……あ」

ミケ(……)

ミケ(教室の前だ……また駄目だったんだ)

ミケ(……私、あと何回繰り返すんだろう)

ミケ(……やはく……クリアしなきゃ)

ミケ(……確か万里小路さんは薙刀を探してるんだよね)

ミケ(……部屋に行こう)


=第二兵員室前=

ミケ(……)

ミケ(まだ居ないよね?)コンコン

ミケ(……)

ギィィィィ……

ミケ「まだ来てないみたいだし……今の内に薙刀を」スタスタ

薙刀
 
ミケ「良かった……配置は変わってなかった」

ミケ「薙刀は持ったし後は……っと、紙とペンを」サラサラ

《万里小路さんへ 艦長の岬です この薙刀は万里小路さんのだと思うので部屋の前に置いておきます
後、教室で皆が待っていると思うので教室に移動をお願いします》

ミケ「これで大丈夫……かな」

ミケ(実際は分からないけど……取りあえず万里小路はこれで良いとして……次は)

ミケ 「まゆちゃんとミカンちゃん」

ミケ「……確かまゆちゃんは第三兵員室だから……お隣さんだね」

=第三兵員室前=

ミケ(……大丈夫……だよね?)

コンコン

ミケ(……もしかして部屋にはいない?)ガチャ

ミケ(部屋は消灯されてるし……人の気配もない)スタスタ

ミケ(……)

ミケ「違うところを探そう」

バタン

ミケ(……まゆちゃんとミカンちゃんは何処に居るんだろう)

ミケ(……ミカンちゃん……ん?……確か主計室に紙に」

ミケ「……もしかしたら」タタッ!!

=烹炊所前=

ミケ(もし私の予想が正しかったらミカンちゃんは今……)

ギギィィィ……バタン



8月33日「曇」 烹炊所前 06時27分  岬 明乃/実習内容/楓・まゆみ・美甘の3人を呼んでくる

8月33日「曇」 烹炊所 06時28分  岬 明乃/実習内容/楓・まゆみ・美甘の3人を呼んでくる

ミケ「……」すたすた

「あれ~どこに行ったんだろ」

ミケ(! ミカンちゃんの声だ)

ミケ「ミカンちゃん」

伊良子「確かここに……」がさ

ミケ「……ミカンちゃん?」

伊良子「でも……こっちに置いた気も」

ミケ「……」

ミケ(ミカンちゃんも万里小路さんと同じで何かを探してる?)

ミケ「……ミカンちゃん」ポン

伊良子「あ……岬さん」

ミケ「おはようミカンちゃん」

伊良子「あ、おはようございます岬さん」

ミケ「何か探し物?」

伊良子「え?……うん……今ローストビーフを作ってるんだけど……レシピが書いてあったタブレットがどこかにいっちゃって」

ミケ「タブレットが?」

伊良子「そうなんだよ~……ローストビーフの調理は細かい時間管理が必要だから完璧に作るにはタブレットが必要なの」

ミケ「ん~……そのタブレットってどこに置いたか覚えてる?」

伊良子「うぅ……それが……材料を揃えるのに夢中で」

ミケ「大丈夫だよミカンちゃん! 私も一緒に探すから」

伊良子「岬さん」ウルウル

ミケ「それじゃ私こっちの方を探すね」

伊良子「じゃあ私はこっちね」

ミケ(早く見つけてまゆちゃんも探さなくちゃ)

―――数分後―――

ミケ(……)カタ……ゴト

ミケ(どこにあるんだろう)

……カツカツ

ミケ(? ミカンちゃんこっちに来てる?)

ミケ「ミカンちゃんそっちに……」

しろ「……」

しろ「艦長……ここで何をやっているんですか」

ミケ「え? しろちゃん? 何で」

しろ「何で? 今何時だと思っているんですか」

ミケ(何時? まだ7時にもなって)チラ

―――10時00分―――

ミケ「……え?」

ミケ(何でこんな時間に?)

しろ「……」スッ

出刃包丁

ミケ「ひ!」

しろ「」すたすた

ミケ「しろちゃん待って!」

ガシッ!!

ミケ(!? 誰かが後ろから)チラ

伊良子「……」

ミケ「ミカン……ちゃん」

しろ「」ズブブッ!!

ミケ「あ!! あぁぁ!! 痛い痛い痛い!! しろちゃん痛い!!」

しろ「」ずぽ!!

ミケ「あっ」ブシュュュュュ……!!

伊良子「岬さん、調理場で血を吹きだしたら駄目だよ~食中毒になっちゃうよ~」

ミケ「ゴプッ!!」ビチャビチャ……ビュ……ビュ……ジワァ

ミケ「こひゅー……こひゅー……」ドチャリ!!

ミケ「」



=岬 明乃=

死亡

死因: 心臓からの出血による出血性ショック死  実習内容/楓・まゆみ・美甘の3人を呼んでくる 継続

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