神谷奈緒「オフ会」 (577)


下記のスレ内容を把握した上でお読みください。重大なネタバレがあります
神谷奈緒「チャット」
神谷奈緒「チャット」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1473564844/)

上記の空白期間のお話になります





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1474875110


*benioさんが入室しました

benio:おっす

strawberry:オフ会をしましょう!

benio:いきなりかよ!

strawberry:こんばんは。オフ会をしましょう!

benio:別に仕切り直しをしなくても良いけどな。何? オフ会の話をしていたのか?

junk:いや、特にオフ会っぽい話はしていなかったんだが、benioが入ってきたら突然橘が言いだした

strawberry:benioさんを見たら急に思い出したんです

benio:いつもチャットで名前見ているだろ!?

karen:でも、オフ会は楽しそうだよね

fumi2:benioさん、こんばんは。私は参加するのが初めてですが、karenさん同様楽しみです。

benio:まぁ、オフ会は憧れる部分があるのは否定しきれないな

junk:benioはオフ会に何か特別な思い入れでもあるのか?

benio:アニメとかでよく見るだろ? 実はあいつの正体が!? とか、イベントの宝庫だろ?

karen:でも、正体不明なのって橘ちゃんくらいだよね

benio:そうだった……

strawberry:実は高垣楓と申します

karen:高垣楓!?

benio:マジでか!?

strawberry:嘘ぴょーん♪

karen:ぶん殴る

strawberry:え、怖いんですけど……?

benio:……このメンバーでその冗談は笑えねぇよ




奈緒「ったく……橘の奴め」

奈緒(あたしはいつものチャットをしながら、橘の悪質な冗談にため息をつく)

奈緒(チャットというのは相手の姿が見えない。だから、実際にどんな人と会話をしているのかも分からない)

奈緒(それが楽しい部分もあるし、ちょっと古いこのツールの醍醐味だとも思っている)

奈緒(ただ、実際にチャットを行っているとその醍醐味にも例外が出始め……簡単に言えば、相手の正体が分かってきてしまう)

奈緒(そう、あたしはこのメンバーでチャットを続けるにあたり、橘以外の正体を知ってしまった)

奈緒(そして、そこで分かったのは、メンバーに凄い人が居ると言う衝撃の事実だった)

奈緒(一人はjunk。誰もが知っている某大手企業に努める業界人という肩書だ)

奈緒(それだけで恐れ多いのだが、来月にはjunkの会社でアルバイトとしてあたしも働くことになっている)

奈緒(junkは一応上司になるらしい。未だに今一つ現実味のない話なのだが、とにかく凄いところで働くことになることは間違いない)

奈緒(ただ、junkが有名どころで働いているから小学生のように凄いと言っているわけではなく、あいつが仕事で担当している相手がさらに凄いのだ)

奈緒(それがfumi2さん。寡黙で大人の女性を感じさせるメンバー随一の常識人、彼女の正体は──)

奈緒(いや、そうだったな。皆で、彼女はfumi2さんとして扱うと決めたんだった)

奈緒(正体が誰であれ、彼女はあたしたちの仲間のfumi2さんであることには変わりない)

奈緒(決め事を破るのは性に合わないから、高垣楓と同じように大物としておこう……これ、ほとんど正体言っているよな?)

奈緒(結論、fumi2さんは凄い。橘は殴る。以上)




karen:o(メ`皿´)○()橘☆)/

strawberry:グハッ!?

benio:karenはいつそんな顔文字覚えたんだよ……

strawberry:さて、karenさんに殴られたところで話を戻しますか

benio:こいつ反省していないぞ

junk:いつものことだろ

strawberry:そんなわけで、最高のオフ会にしたいと考えています

benio:本当に何事もなかったように進めるし

junk:水を差す様で悪いが、俺とfumi2は仕事があるから結構時間の都合が付け辛いぞ?

benio:私もバイトだけど働いているな

karen:あたしは今のところ、いつでも大丈夫かな

strawberry:そうですね。そう言ったことについても、今日は話し合えるようにしたいですね

benio:橘は幹事ってやつなのか?

strawberry:……え?

karen:え?

strawberry:……あたし、面倒くさいことやりたくないな……

junk:おい、本音と一緒に本性も現れているぞ? 別に幹事は俺で良いよ

fumi2:私も及ばずながらお手伝いさせていただきます。

strawberry:やったー! 大人組大好き~♪

junk:媚を売っても何もないからな

benio:疲れるから橘はいつもの感じで通してくれ

strawberry:ごほん、これは失礼しました。そんなわけで、とことん語り合いますよ?




strawberry:まず開催日ですね。これが決まらないと何も決められません

benio:その前に橘は大阪あたりに住んでいるよな? その辺は大丈夫なのか?

junk:あー

fumi2:現在、strawberryさんは私と一緒に働いています。

benio:雑用?

junk:fumi2と同じ仕事

karen:はぁっ!? あたし聞いてない!

junk:タイミングなんだよ……

benio:まぁ、karenはjunkからお預けを食らっているからな

karen:あたしが怒るのは当たり前だよ!

junk:だからな、スカウントしてすぐ採用とはいかないんだよ。うちの会社の場合

benio:ちょっと待て!? 橘、アイドルなのか!?

strawberry:以前、junkさんとお会いした時にスカウトされました。アイドル名はとりあえず秘密にしておきます

karen:聞いてない!

benio:いや、お前一応納得していただろ?

karen:橘ちゃんのことは聞いていなかったの!

benio:流石の私もびっくりしたぞ……

junk:今度ポテトおごってやるから許してくれ

karen:許す

benio:許すのかよ!?




karen:先を越されたのは悔しいけど、やっぱり誰だってアイドルにはなりたいからね

junk:いきなり物分かりが良くなったな

benio:それがkarenなんだ。くそっ、これだから女は!

karen:だから、benioも女の子だって

fumi2:benioさん、あまり汚い言葉を使われてはなりませんよ?

benio:あ、ごめん。ともかく、橘もこっちに居るってことで良いんだな?

strawberry:はい。……私が言うのもあれですが、随分遠回りしましたね。会話的な意味で

junk:俺やっていけるかな……

benio:karenの相手は私も手伝ってやるから、そんな弱気になるなよ

karen:あたし、普段はお淑やかだよ?

benio:黙っていればの話だけどな

strawberry:……もしかして、このメンバーだと話し合いに向かないのでしょうか?

benio:全然先に進まないもんな。とりあえず、karen必要最低限以外は黙っておけ

karen:なんでー?

benio:お前が場を荒らすからだ!

karen:karenちゃん、お淑やかなの

benio:……まぁ、良いよ、それで




fumi2:ええと、開催日のお話しでしたね。

benio:社会人がいるからやっぱり土日になるのか?

junk:そうとは限らないな。特にこの仕事の場合、学生たちの仕事は土日に持ってくることが多いからな

benio:意外と学校が短縮授業の時の日の方が良い可能性もあるわけか。橘の学校はどうなんだ?

strawberry:私はすでに卒業済みですので、皆さんに合わせますよ

karen:橘ちゃん、もしかして年上!?

benio:karen

karen:はい、黙ります

strawberry:どうなんでしょう? 少々特殊な感じですので、とりあえず卒業している事実だけ把握しておいてもらえれば

junk:fumi2と橘の予定は俺が何とかするよ。junkたちの都合の良い日で、俺が空いていればそこで決めてしまっても良いな

benio:テスト前とテスト当日で短縮授業になるから、そこが今からだと近いな。逃すと夏休みに入る。急いでないから、別に夏休みでも良いけどな

strawberry:個人的には鉄は熱いうちに打てなので、早いと嬉しいですね

benio:それだと、最有力はテスト最終日か。三年のテストは消化試合みたいなものだけど、karenはテスト準備期間遊んでいられるほど余裕はないだろ?

karen:(コクン)

benio:junk、この最終日は予定空けられそうか?




junk:ちょっと待ってろ、スケジュールを確認してみる。五分はかからないと思うが、少し待っていてくれ

benio:了解

karen:(……)

strawberry:明日は晴れるそうですよ

benio:最近の天気予報当てにならなくね?

fumi2:私は折り畳み傘が欠かせないですね。

karen:(……)

benio:karenが静かだと穏やかだな

strawberry:ねぇねぇ、benio。ポテト奢ってよ!

karen:ねぇねぇ! benio! ポテトおごってよ!!

benio:うるせぇよ!! あと、やっぱり本家の方がうるさいのな

strawberry:負けてしまいました

karen:ショートコントbenio

benio:junk戻ってきたら、黙れよ?

karen:あい

karen:妹、いもうと! 萌えっ!!

benio:姉様かよ!? いつ見たんだよ!?

karen:漫画買った。面白かった

strawberry:三つ葉初期から知っていますが、作風変わりましたよね?

benio:どうだろ。どちらかと言えば作風が増えた感じじゃね?

junk:お待たせ

karen:(今からお口にチャック)




junk:何とかなりそうだ。と言うわけで、異論さえなければその日が良いな

benio:OK

strawberry:私ももちろん大丈夫です

fumi2:junkさん、ありがとうございます。

karen:(オーケー)

strawberry:では、日付が決まったところで次の議題に移りましょう

benio:と言うか、開催日決めるだけでいつものチャットと同じ時間だぞ?

strawberry:……確かにいい時間ですね。続きは明日決めましょう

fumi2:分かりました。

junk:了解。それじゃあ、俺は先にあがるな。またな

strawberry:では、私も失礼します

fumi2:皆さん、お疲れ様でした。

karen:(バイバイ)

benio:私たちも切り上げるか

karen:(うん)

benio:明日、今日のkarenの反省会な

karen:(!?)




*朝・通学路

奈緒「気遣い加蓮はどこにいったんだ?」

加蓮「それ、奈緒たちの勘違い」

奈緒「勘違いで良いから、空気を読め!」

凛「え? 加蓮、空気読めない子だったっけ?」

加蓮「読める。ちょー読めるよ!」

奈緒「聞いてくれ、凛。こいつな、昨日のチャットで場を荒らしまくって、話し合いしていたのに、全然終わらないんだぜ」

凛「それは加蓮が悪いね」

加蓮「反省しています」

凛「でも、加蓮ってそこまで酷いことするイメージはないけどね」

加蓮「だってさ、あそこってとっても自然な自分で居られるんだよ? それが心地よくて、ついつい自分を加減できなくなっちゃう」

奈緒「……その気持ちは分かるさ。皆、良い奴だからな。でもな、親しき中にも礼儀ありって言うだろ?」

加蓮「うん。ちゃんと空気読むようにする」

奈緒「……まぁ、程ほどにな。お前が恐縮してしまったら意味なんてないから」

加蓮「分かった。うん、分かったよ」

凛「ふーん、何か良い関係だね」




加蓮「凛もチャットやる?」

凛「パソコンないから」

加蓮「残念」

凛「チャットって普段言いづらいことでも言えるの?」

奈緒「そこの空気にもよるだろうけど、うちは意外に言いやすいな」

加蓮「もう実家のような安心感」

凛「そうなんだ」

加蓮「何、凛は言いづらいことあるの?」

凛「……プロジェクトの方だけど、ちょっとあるかな」

奈緒「仕事関係か。それは友達とは違うだろうから、言えないこともあるだろうさ」

凛「あれ? 私って卯月と未央は友達じゃないの?」

加蓮「相変わらず未央って子とは直接の面識はないけど、凛がそう思っているなら友達で間違いないよ」

奈緒「ただ、そこに仕事が絡む以上、あたしたちとの関係とも少し違うだろうな」

凛「それはあるかも」

加蓮「言いづらいことって例えば何?」

凛「未央はもう大丈夫だと思うんだよね……でも、卯月が少し心配かな」

奈緒「卯月が? 何かあったのか?」

凛「夢が叶ったんだって」




加蓮「それは、良いことだよね?」

凛「うん、喜ばしいよ。だけど、そう言った日から、何だが卯月が普通のようでちょっと違うって言うか……ごめん、言葉では説明し辛い」

奈緒「燃え尽き症候群かもな。夢が叶って暫くぼーっとって感じの」

凛「そうなのかな? 考え過ぎかな」

加蓮「うーん、あたしたちは凛じゃないから、そこは判別できないけど、気になるんだったら直接聞いてみれば良いのに」

凛「なんて聞けば良いと思う?」

奈緒「燃え尽きですか? ……ないな。どんだけ失礼なんだよ。しかも自分では気づいていない可能性もあるし」

加蓮「ああ、だからチャットを使おうとしたんだね」

凛「うん。言葉にできないことでも文字のやり取りだったら、本音が分かるかなって」

奈緒「なるほどな。同じ文字でもLineやメールとかだと今一踏み込めない部分もあるしな」

凛「そうなの?」

加蓮「不思議とそう言うところあるよ」

凛「パソコン買おうかな」

奈緒「お、どこのメーカーにするんだ?」

加蓮「ほほう、お給料の使い道ですな」

凛「うん。ほとんど貯金していたから。奈緒、詳しいようだったら後で教えてよ」

奈緒「そんなに詳しくはないけど、相談くらいならな」

加蓮「あ、良い時間だ。ちょっと急ごっか」

凛「……加蓮、ほんと体力付いたね。ちゃんと私たちと一緒に走れてる」

奈緒「加蓮は努力しているからな」

加蓮「ふふーん、まぁね」

奈緒(もしかして、あたしが一番体力なくね?)ハァハァ




strawberry:皆さん、オフ会で何か行いたいことはありますか?

benio:……いざ言われると案外浮かばないな

fumi2:美味しいコーヒーを出す喫茶店を知っていますが、いかがでしょうか?

karen:へぇー、ちょっと興味あるかも

junk:fumi2が勧めるくらいなら、俺も飲んでみたいな

strawberry:コーヒーは香りが良いですよね。それに何だが私たちらしいチョイスですので、採用です

benio:あれ? いつもみたいにfumi2さんが~とか言わないのか?

strawberry:それも良いのですが、少し私たちらしさを個人的に感じたもので

benio:さっきも言っていたな。私たちらしさって何だ?

strawberry:このメンバーだからこそ、作り出せる雰囲気みたいなものでしょうか。コーヒーの美味しい喫茶店なんてまさに私たちですよ

junk:なるほどな。その感覚は何だが分かるよ。特にfumi2の雰囲気が強い

karen:確かにfumi2さんの雰囲気だよね

benio:ファミレスでもカラオケでもなく、あえて喫茶店。ニッチさが確かに私たちだな

fumi2:他にはない素晴らしいものがここにはあります。だからこそ、落ち着いて話すことのできる場所を選んでみました。

strawberry:流石ですね。では、他にも自分たちの特色が出せる行いたいことを挙げていきましょう




benio:karenがカラオケ、橘が図書館、junkが定食屋、それで私が漫画喫茶か。karen以外、やっぱりチョイスおかしいよな、これ

karen:橘ちゃんが図書館を選んだのが何だが意外

strawberry:これでも読書家ですよ? ただ今回はそれと関係なく、ちょっと面白い図書館を見つけましたので、楽しめるかと思い選ばせていただきました

benio:なるほど、当日までのお楽しみだな?

strawberry:はい。junkさんの定食屋は意図が見えますが、一応聞いておきましょう

junk:喫茶店だと多分軽食くらいだろ? ガッツリ食べられるような店を予約しておく。食事時に合わせて好きなだけ食べてくれ

karen:流石junkさん、素敵!

fumi2:いつもお気遣いありがとうございます。benioさんの漫画喫茶について、お訊ねしてもよろしいでしょうか?

benio:すっごい単純な理由だけど、このメンバーで一緒にアニメを観たら楽しそうじゃないか? グループで入れる漫画喫茶があるからさ

strawberry:それは、楽しそうですね

fumi2:私は漫画喫茶に入ること自体初めてですので、それだけでも楽しみです。

karen:確かに盛り上がるかも

junk:良いチョイスだな。久しぶりに樽を見るのも良いかもな

strawberry:良いですね!

benio:くっ、懐かしいものを

fumi2:小説以外で見るのは初めてです。

karen:樽?




benio:で、一番普通のチョイスがkarenのカラオケだけど……本当に良いのか?

karen:え、どういうこと?

benio:このメンバーだぞ?

strawberry:カラオケはお昼寝する場所だよねー

junk:知り合いの歌なら何とか

fumi2:童謡を歌っても大丈夫なのでしょうか?

benio:で、私はアニソン専門

karen:あれ?

junk:意外と地雷選択肢なんだよな、俺たちの場合

strawberry:普通のチョイスが一番のハズレとか、まさに私たちですね

benio:karen、どうする? 別のに変えるか?

karen:ううん。このままで大丈夫。あたし、皆が歌うところ見てみたいから

benio:チャレンジャーだな。歌いたくない奴が居なければ、まぁ大丈夫かもな

strawberry:私もしっかり歌わせていただきます。junkさん大丈夫ですか?

junk:大丈夫だ。アニソンにするから

benio:お、同士が居るのは心強いな

fumi2:童謡以外も一応歌うことはできます。

strawberry:fumi2さんの童謡なんて絶対癒されますよ!

karen:うんうん、楽しみ楽しみ




strawberry:──と、こんなところでしょうか? 事前に決められる事柄は

junk:そうだな。予約取れるところは俺から予約取っておくよ

benio:悪いな、頼む

fumi2:私ばかり初めてのことばかりで、ご迷惑をおかけいたします。

karen:大丈夫、あたしもそんな感じだから。二人で居れば怖くない!

fumi2:はい。心強いです。

benio:それにしても、楽しみだな

karen:だね

junk:ああ。俺も年甲斐もなくワクワクしているよ

fumi2:私も心躍っています。

strawberry:うん。あたしもとっても楽しみ。皆、良いオフ会にしようね!


奈緒(そうして全ての準備が整い、来たる日、オフ会当日がやってくる)




ここまで。ちょっと最初の展開がもっさりでしたが、途中からいつも通りに

ちなみに今作はオフ会編が終わると、番外編に移行する二本構成となっています

いつものように当てになりませんが、次まで数日空く可能性がありますのでご了承を

前スレにすっごい特徴がわかる台詞いってたはずだが…ハスハスなんて一人しか使わなくね?

ついでにjunkさんや、benio達の都合がjunk達の都合と言ってますがbenio達が空気読んでスルーしてくれたからよかったが…

>>24
普通に誤字でした。正しくは下記になります
>>7 junk:fumi2と橘の予定は俺が何とかするよ。junkたちの都合の良い日で、俺が空いていればそこで決めてしまっても良いな
junkたち→benioたち

面白い図書館は普通の図書館ですが、あることができるから良いようです
苺は前スレのリンクに答えはありますが、そのまま予想しながら進めても良いかもしれませんね(次辺りで分かりますが)

スカウトに関してはチャットで人柄が分かっているのと、fumi2、凛などからですね
番外編で分かりますが、junk無駄に知名度だけはありますので

番外編も進めていますが、遂にあの人が出てきてsseが困惑中です

凛PCは特にそっちのフラグと言うわけではないような気がします
クロームは足りないけど、文香側にデメリットがないため、アニメ準拠に近いかも

(イベント一つ抜かしていました……。これ以降入れることができないため、ここにねじ込みます)


*テスト最終日・三時限目

奈緒(今日は学校が終わったら、オフ会だ!)

奈緒(テストの見直しも終わったし、本当にいよいよだ)

奈緒(……加蓮の奴はしっかりテストで点を取れれば良いんだけどな)

奈緒(頭は悪くないのに、病気で授業を休んでいた頃の分が足を引っ張っているらしい)

奈緒(難儀な奴だよ)

奈緒(……)

奈緒(こんな短縮授業の日は、あの日のことを思い出すな。今日とは違って、午後に少しだけ授業があった日だけど、やっぱりこんな晴れやかな日のことだった)




凛「アイドルなるんだって?」

加蓮「うん。junkさんがアイドルにしてくれるって約束をしてくれたの」

凛「まさか同じ会社のプロデューサーだったなんてね」

加蓮「アタシもいくら何でもありえないでしょって思ったけど、チャットでの色んな言葉から分かる情報が、否定しきれないからいつの間にか認めちゃってたよ」

凛「何だか凄い話だね。でも、おめでとう。私も加蓮と一緒に舞台へ上れる日を楽しみにしている」

加蓮「うん、いつになるか分からないけど、その時にはよろしくお願いします」

凛「うん。……なんだか、色々あったね、加蓮と奈緒と友達になってから」

加蓮「だね。色々と言えば、凛がアイドルになるって聞いた時はどうしようかって思ったなぁ」

凛「もしかして不安だった?」

加蓮「うん、すっごく不安だった。下手にアイドルのことを知っているから、今思えば凛のあのプロデューサーを悪者にしてでも、引き留めたかったんだと思う」

凛「え? 私がアイドルになるのは反対だったの?」

加蓮「ううん、そこまでは言わないよ。でも、凛がアイドルになろうと思ったのは、成り行きも大きいでしょ?」

凛「それは否定できないかな」

加蓮「そんな凛が芸能界に行ったら、どんな目にあわされるかって嫌な想像ばかりめぐったの。せめて、安心して任せることができると思える要素があれば良かったんだけど、少し難しかった」

凛「初めの頃のプロデューサーが、頼りなかったのは事実だね。多分、加蓮の印象が悪いのは、私のついでに二人を勧誘したからでしょ? 結局勘違いではあったけど」

加蓮「……だね。あれが全ての元凶かも。心のどこかで、アイドルへの憧れが汚された気がしたから、かな」




凛「でも……、ちょっとプロデューサーにきつく当たり過ぎていたかな。私のためだって言うのは分かるけど」

加蓮「……うん、ほんとにね。凛のプロデューサーには陰で色々酷いこと言ったから悪いと思っているよ。でも、凛を不安にさせたって聞いた時はもうどうしようもなくて、頭が真っ白になっていた。多分、怒りでいっぱいだったんだと思う」

凛「うん、ありがとう。でも、プロデューサーは本当に頼れる人になったよ」

加蓮「うん。次、会うことがあったら直接お詫びするね」

凛「それでこそ加蓮だよ」

加蓮「でも、アタシ嫌な子だな。陰口とか最低なのに」

凛「そうかな? 女同士だと日常茶飯事でしょ? 私たちはあんまりしないけど」

加蓮「それが嫌なの。女同士の嫌な習性を交友関係に持ってきたくないし、大切なところに持ってきてしまったアタシがほんと嫌」

凛「私は加蓮の言う陰口に賛同したし、止めもしなかったよ? だから、加蓮はそこまで気に病む必要はないと思う」

加蓮「ありがとう。でも、これはアタシの心の内で決着を付けなきゃいけないことだから」

凛「……そっか」

加蓮「……うん」


奈緒(なるほどな。加蓮も色々悩んでいたのか。最近チャットではっちゃけていたのは、その影響か……)


加蓮「そう言えば、奈緒遅いね」

凛「授業長引いているのかな?」


奈緒(ヤバイ、このタイミングで出ないと本当に出れなくなる!)

奈緒「悪い、遅くなった」ガラッ

加蓮「もう食べ終わっちゃうよ?」

奈緒「ああ、良いよ。あたしも急いで食べるから」

凛「お腹壊さないようにね」

奈緒「分かってるって」

奈緒(加蓮の悩みか。盗み聞きしてしまったことは、流石に言えないよな。内容的に)




*テスト最終日・三時限目

奈緒(あたしが参加できなかったあの会話は、結局最近の加蓮に影響していたし、多分心中でしこりの様に加蓮に残っているのだろう)

奈緒(それがオフ会で発散できれば良いのだが、難しいだろうな)

奈緒(なぁ、junk。何とか加蓮を凛のプロデューサーに会わせてやってくれ)

奈緒(じゃないと、加蓮は多分、先に進めない)

奈緒(嫌な気持ちを抱いたまま、ずっと過ごしてしまう)

奈緒(……思い出すのが、今日でなくても良かったのにな)

奈緒(いや、もっと早ければ、気兼ねなくオフ会を皆楽しめたんだと思う)

奈緒(いやいや、今、思い出したことには意味があった?)

奈緒(フラグってやつに期待しても良いのか……?)

奈緒(そんなことを思ったと同時に、最後のテストが終わる鐘の音が鳴った)

奈緒(加蓮と待ち合わせをして、教えられた喫茶店に行けば、遂にオフ会がスタートする)

奈緒(変な心境ではあったが、やっぱり胸は高鳴っていた)



前作では不憫にさせてしまった二人の救済イベントが今後ありますので、その布石です
そのイベント自体は大分後になるかもですが

ちなみに、今投下したのは数日投下できないかもとは違う事情のものになります
……明日早いから寝ます

寝る前に見たら……自分もクロームって書いてしまっていますね
クローネ結構好きなんだけど、間違ってしまうとは不覚

このスレにエスパーが居る!

まぁ、橘(本物)の登場は最早お約束みたいなものですからね。割とストレートに登場予定です

ちなみに、登場人物たちの出会いは橘の前日譚で描いている、もしくは描く予定となっています

今日と明日は書く時間がとれそうにありませんので、明後日以降の投下予定となります(予定ばっかり)
(ストックは一部ありますので、もし暇な時があれば投下するかもしれません)

用事と睡眠と食事は任せたから、書き上げるぜ!……は流石にムリー
明日は遠出だから、帰ってきたらかな

ありすに関しては上で書いたこと以外はとりあえず秘密です
想像がしやすいキャラクター故に、個人差があって中々興味深いです


*喫茶『古書店』

加蓮「ここ、だね」

奈緒「いかにも通好みの渋い店って感じがするな」

奈緒(喫茶『古書店』と書かれた建物は、アンティークとか扱ってそうな洋風の見た目をしていた)

加蓮「入る?」

奈緒「ちょっと緊張しているかも」

加蓮「アタシも。でも、えーい、女は度胸!」ギィッ

奈緒(こういう時、加蓮の行動力はほんと助かるよな。あたしも加蓮に続いて店内に入る)

奈緒「こ、こんにちは、で良いのか? って……おぉ!」

加蓮「……凄いね」

奈緒(入ると、そこは図書館のようだった)

加蓮「窓とカウンター以外の壁が全部本棚だよ? しかも天井までびっしり」

奈緒「喫茶店って、普通こんな感じなのか?」

加蓮「分かんない」

男性「お、来たか。こっちだ」

女性「この姿では、お久しぶりです」

奈緒(すでに奥の席に着いていた男女二人組が、話しかけてくる。何かこの店の雰囲気にあった大人な感じの二人だった。すぅ、はぁ……お、落ち着け、あたし)

奈緒「ふ、文香さん! お、お久しぶりです。……と言うことは、そっちの男の人は」

加蓮「junkさん、この間ぶり。文香さん、その節はお世話になりました」

奈緒「おい! 何で加蓮がjunkとこの間、会っている感じなんだよ!」

男性「アイドルとして預かる身だからな。先日ご両親に挨拶をしに行ったんだよ」

奈緒(言われてみれば、そういう流れがあるのは自然なのか……)

男性「そんなわけで俺がjunkだ。初めまして、神谷奈緒さん」




奈緒「神谷奈緒です。こっちこそ初めまして。……初めて会ったけど、全然初めましての感じがしないんだけど」

奈緒(junk自体の見た目が落ち着いた普通の男の人って印象だから、チャットのイメージに合致していて余計そう思わされる)

junk「それはお互い様だ。しかも、バイトの書類とかでこっちは個人情報も知っているときたもんだ」

奈緒「そう言えば、郵便でのやり取りはあったもんな」

奈緒(その結果、後日バイトの面接を行うことになっている)

加蓮「アタシも挨拶するね。北条加蓮です。奈緒とは同じ学校に通っていて一つ下の二年生になります。junkさんには既に自己紹介をしましたので、文香さん改めましてよろしくお願いします」

文香「ご丁寧にありがとうございます。私は……fumi2と申します。近くの大学に通っております。こちらこそ、よろしくお願いいたします」

奈緒「あ、ごめん。あたしたちが言いだしたことなのに。fumi2さんって呼ばないとな」

奈緒(そう、fumi2さんのことはアイドルの鷺沢文香ではなく、あたしたちのチャットメンバーであるただのfumi2さんとして扱うことを皆で決めたんだ)

奈緒(……せめて、こうして接している時だけでも、気楽にして欲しいと言う確かな願いだった)

文香「いえ、どちらでお呼びいただいても構いません。心持ちだけはfumi2であろうと言う……そうですね、私だけの決意表明のようなものですので」

加蓮「アタシ、気を抜いたらfumi2さんじゃない名前で呼んでしまいそうなので、助かる、かな?」

奈緒(アイドル好きだもんな)

junk「俺はjunkが呼び慣れているから、junkで通してもらえると助かるな。一応本名は──」

加蓮「fumi2さんはいつもなんて呼んでいるの?」

文香「私は……普段はプロデューサーさんと、お呼びしています」

加蓮「プロデューサーさん♪」

junk「まだ担当アイドルじゃないから、junkって呼んでくれ」

加蓮「了解、junkさん。プロデューサーさんはアイドルになってから呼ばせてもらうね」




奈緒「あたしはいつも通りjunkだな。逆にあたしのことは奈緒で頼む。benioはあくまでネットの中でだけにしたい」

文香「分かりました。奈緒さん、ですね」

junk「確かにハンドルネーム呼びは、実際にされると慣れるまでは気恥ずかしさがあるものな。それじゃあ、奈緒さんって呼ぶな」

奈緒「え? なにこの違和感。普通に呼び捨てで良いよ」

junk「んー。基本ハンドルネーム以外だと、さん付けだぞ、俺」

加蓮「文香さんは? あ、仕事の時ね」

junk「鷺沢さん」

奈緒「えぇー!?」

junk「そんなに意外か?」

加蓮「正直、ちょっとびっくり?」

junk「この間会った時も北条さんって呼んでいただろ」

加蓮「それは初対面だったからだと思っていたし」

文香「今だけ文香と呼んでいただいても構いませんよ……?」

junk「構いますって鷺沢さん」

文香「……距離を感じてしまいますので、やはりfumi2でお願いしてもよろしいでしょうか?」

junk「了解、fumi2」

奈緒「チャットと普段って結構違うのか、もしかして」

junk「チャットはプライベート、普段は仕事。そりゃ、言葉遣いも変わるさ」

加蓮「そうなの?」

奈緒「まぁ、そうだよ。バイトしているからjunkの気持ちは何となく分かる」

奈緒(自然とそうなるんだよな。一応給料もらってる自覚があるからかもな。あと、大体皆年上だし)



リアルタイムで書いていますので、投下に時間がかかります

まったりペースでもありますので、間隔がかなり空いたりします


junk「それはそうと、橘は一体何をやっているんだ?」

文香「今日は確か、お休みをいただいていたはずでしたね」

junk「ああ。……またフラフラどこかに行っていなければ良いんだがな」

加蓮「奔放なところがあるよね」

奈緒「まだ実際には会っていないけどな」

junk「チャットでたまに本性出す時の性格がそのままだよ、あいつは。時間がかかるかもしれないし、とりあえず座るか」

奈緒(そう言って、junkが皆に座るよう促す。そう言えば、皆立ちっぱなしで自己紹介していたんだった)

加蓮「おすすめのコーヒーは橘ちゃんが来てから?」

文香「そうですね。……strawberryさん、お一人だけ仲間外れと言うのも酷なものです」

奈緒「だな。……ありがとうございます」

奈緒(ジェントルマンぽいお爺さんがお冷を持ってきてくれた。どうやら空気を読んでいたらしい。そして、寡黙に去っていく。流石喫茶店、できるな!)

加蓮「でも、このお店、本当に本が凄い数だね?」

文香「ここにある書籍の全てが、店主のコレクションになります。若い頃から古本市や書店を回り、集めに集めて……今の冊数になったと聞きました」

junk「そう言えば、何冊あるんだ?」

文香「数千は最低でもあるそうです。入りきらない書籍も合わせれば数万とか」

加蓮「ひゃー!?」

奈緒「……まさに『古書店』なわけだな」




少女「……少し遅れてしまいました」ギィッ

女性「ありすちゃん、走るの遅いから~」

少女「人には向き不向きがあるのです!」

奈緒(女の人の声がして、入り口に目を向けると──)

加蓮「あー! 橘ありす!?」

奈緒「本当だ! 橘ありすだ。写真で見たのと一緒だ」

奈緒(いつだか見せてもらった例の橘ありすの画像と全く同じ人がそこには居た)

junk「……あれでも本人は変装してるつもりなんだ。あんまり一目で見破らないでやってくれ」

奈緒「ちょっと地味目の服だと思ったら変装かよ!?」

女性「やぁやぁ、お久しぶりー」

奈緒「あ、どうも……って、凛のライブの時のお姉さん!? と言うことは、橘ありすが橘!?」

奈緒(どこかで見たと思ったら、あの時の人じゃねぇか!)

加蓮「いやいや、ちょっと待って。橘ちゃんは橘ありすの真似をしていた別人だよね?」

奈緒「でも、ここに来たぞ? しかも、保護者まで連れて」

ありす「私は大人です! 保護者なんていりません!」

女性「もう、可愛いんだから~」

加蓮「分かる!」

ありす「何が分かったんですか!?」

奈緒「すみません。あの人、アイドルオタなんです」

奈緒(ちょっと申し訳なくて、思わず敬語になってしまった。と言うか、本当に橘ありすが橘なのか……?)




ありす「私を、アイドルと認識してくれているのですね……」

加蓮「かわいい……じゃなくて、最近すっごい売れてきているじゃないですか! 応援していますよ」

ありす「ありがとうございます……ありがとう、ございます……」グスッ

文香「ありすちゃん……」

奈緒「え? どういうことなんだ?」コソッ

加蓮「……今までずっと不遇な時代を過ごしていたの。もちろん、知っている人は知っていたよ? でも、あんな写真が流出しても、あまり話題に上がらなかったのはそう言うわけで……」コソッ

加蓮「でも、今はどんどん知名度が上がっていっている! 文香さんとの共演も多くて、アタシたち的にも嬉しいことなんだよ」

ありす「……こんなに素晴らしい、ファンの方がいらっしゃったなんて……」

女性「……」

奈緒(橘ありすのお姉さんが『うわ、どうしよう』みたいな顔しているな)

junk「変な小芝居をしようと思うから、こんなことになるんだ」

女性「だって、だってさー」

文香「ありすちゃん。私は、ありすちゃんと一緒にお仕事ができて、幸せですよ」

ありす「……うわーん! 私、ここに来て、本当に、良かったです……!」

加蓮「え? え? 何が何なの?」

junk「はぁ……つまりだ」

奈緒(それと同時に橘ありすのお姉さんが、いたずらがバレた子供のような表情を浮かべた)

junk「橘ありすは、橘、チャットの橘が用意したサクラだよ」



ここまで。皆、橘で納得していて流石橘と言ったところ

まぁ、案の定そんな感じです。ありすを連れて来た理由は次の話で

確かクローネ前はあまり売れていなかったとかどこかで聞いた記憶が
この後触れることはないので一応、写真はチャット編で橘がURLを貼ったあの画像になります

ああ、マジアワでしたか
あと、倒れているありす本当に可愛い


女性「あーあ、バラされちゃったなー」

奈緒「と言うことは、もしかして!?」

女性「そうだね、一応あたしがstrawberryとか橘とか呼ばれているよ?」

加蓮「橘ちゃん? こっちは橘ありすさん? どっちも橘?」

ありす「ぐすっ……。何で、志希さんが橘と呼ばれているのとか、勝手に私の名前を騙ってとか色々ありましたが、今日は特に言いません」

女性「……ありがとう、ありすちゃん」

奈緒「志希? それが橘の本名なのか?」

女性「一応strawberryと言う呼び名もあるんだけどね……。うん、まぁ、そうです。あたしが一ノ瀬志希、十八歳です」

奈緒「……もしかして、同い年なのか?」

女性「学校通っていれば高校三年生だね」

奈緒「お姉さんじゃなかったー!」

junk「まぁ、多少年齢よりも大人っぽい雰囲気のある奴だから、とフォローはしておく」

志希「流石に経産婦は酷いよねー。ぷんぷん」

奈緒「あれはものの弾みと言うか……って、昔のことをいつまでも覚えているなよな!」

加蓮「結構根に持つ性質なんだね。よろしくね。アタシは北条加蓮。橘ちゃんの一つ下だよ」

奈緒「……神谷奈緒。言っておくけど、騙したそっちも悪いからな。よろしく」

志希「うん! よろしくねー!」

ありす「……何です、楽しそうじゃないですか」




奈緒「で、何で橘ありすさんを連れてきているんだ? もちろん、居て悪いことはないけど」

ありす「一人で行くのは怖いと言われました」

志希「ちょ、ちょっと、ありすちゃん!?」

奈緒「は……?」

加蓮「橘ちゃん、かわいい」

ありす「それで唯一の友人である私が着いて行くことになりました」

志希「ち、違うよ? ありすちゃんは私が雇って、アイドルとして皆にサービスしてもらうために連れて来たんだよ。ほ、本当だよ?」

ありす「いつも体裁だけは整えますよね」

奈緒「……なるほど、やっぱり橘は橘か」

加蓮「やっぱり、チャットの中の橘ちゃんと同じ人だね」

文香「……初めてお会いした時も、strawberryさんだったからこそ……お話し易かったのだと思います」

junk「まったく、橘は仕方がない奴だよ」

ありす「……これだけ受け入られていながら、何が怖かったんですか、はぁ」

志希「だって、だってさー、あたしだよ?」

ありす「それは既に結論を出したはずです。論破です」

奈緒「橘ありすさんって本当に論破って言うんだ……」

奈緒(……橘も色々あるのかな?)




志希「ええと、ごほん。ありすちゃんをアイドルとして呼んだのはほんとだよ? ありすちゃん、例のものを」

ありす「え、あれ本気だったんですか?」

志希「全部本気だよ? 持ってきているよね?」

ありす「一応は。……北条加蓮さん、もしよろしければどうぞ」

加蓮「色紙? きゃー!! ありすさんのサインに、宮本フレデリカ、塩見周子のサインまである!?」

奈緒「大丈夫か、加蓮!? 倒れんなよ?」

ありす「こ、これほど喜んでいただけるとは……。私のサインだけではアレでしたので、近くに居たフレデリカさんと周子さんにもサインをいただきました」

加蓮「く、くれるんですか?」

ありす「はい、プレゼントです」

加蓮「ああ……ここが天国……」

奈緒「加蓮の魂が天にかえって行く……」

ありす「たまたま今日の朝一でアニメの収録をしたのですが、と言ってもモブなのですが、そこでいただいてきたものです。こちらは神谷奈緒さんに」

奈緒「あたしにも色紙くれるのか? って、高垣楓のサイン! しかも、役名入れてくれいるじゃないか! ……ああ、これが天国ってやつか……」

junk「現世を二人離脱したな」

志希「fumi2さんとjunkさんはいつも会っているからプレゼントは無しね。ごめんね~」

文香「いえ、お気を遣わないでください」

junk「……なるほど、体裁だけは確かに整えているのな」




志希「あと、これも本音ね。ありすちゃんがこの縁をもたらしてくれた、あたしの原点だったから。以上、終わり!」

ありす「その原点、私の中では変な人で終わって……いえ、ありがとうございます、と返しておきましょう」

奈緒(この二人の間にはきっと、想像もつかないような思い出があって、確かな絆もそこにあるのだろう)

加蓮「アタシと奈緒みたいなものかな。あと、凛も」

奈緒「返ってきたか、加蓮」

junk「その台詞、お前にも言って良いか?」

ありす「さて、それでは用も済みましたので、私は失礼します」

文香「せっかくですので、一緒にコーヒーを飲まれていきませんか?」

ありす「く……文香さんのお誘いを断るのは、断腸の思いですが、この後用事がありますので」

文香「……そうでしたか。お引き留めして、申し訳ありませんでした」

ありす「く、くっ……ま、また機会がありましたら是非ともお誘いください。それでは皆さん、失礼します」

加蓮「サインありがとうございました! これからも応援しています!」

奈緒「サインありがとう。……橘のことは、何と言うか引き受けるから、安心してしてくれ」

junk「橘さん、うちの一ノ瀬が巻き込んでしまい申し訳ありませんでした。今後とも、鷺沢、一ノ瀬共に仲良くしてやってください」

志希「本当にありがとうねー」

ありす「……友人の頼みは断れませんからね。それでは、志希さん、良い一日を」

奈緒(おそらくは気を遣ったであろう橘ありすさんが、ポツリと橘に一言告げて店を出て行く。多分、笑顔を浮かべていたと思う)




奈緒「しっかし、橘の話し方に違和感があるよな」

志希「あ、それは大丈夫です。今から橘モードに入りますので」

junk「本物の橘さんが帰ったからか?」

志希「流石に本人の前で、真似をするほど度胸はありませんので」

加蓮「あ、いつもの橘ちゃんだね。あ、そうそう、サインをお願いしてくれて嬉しかったけど、なんでプレゼントなんか?」

奈緒「照れ隠しだろ」

志希「いつもの感謝の印です!」

奈緒「そういう返しこそ、橘感があるってものだな」

志希「橘感って、どんな感覚なんですか……」

加蓮「橘ちゃん、ありがとうね!」

志希「いえいえ」

junk「一ノ瀬さんが橘をやっていると、俺たちとしては随分違和感がないか?」

文香「……そうかもしれませんね。ですが、どちらも志希さん、strawberryさんです」

junk「それもそうだな……」

加蓮「そうだそうだ、橘ちゃんも席について。皆、コーヒーを心待ちにしていたんだから」

志希「……これは失礼しました」

文香「ふふっ……それでは、店主を呼びますね」

奈緒(fumi2さんが笑ったのは、橘が無粋なことを口に出そうか一瞬考えたからだろうな)



ひとまずここまで。コーヒー飲むまでが長かったですね

橘とありすの過去についてはチャット以前の橘編で触れますので、詳細はその時に

このSSにレア確率上昇効果が……?

ちょっとだけ投下しておきます


加蓮「良い香り……」

志希「……そうですね。一日中、香りを堪能し続けても飽きそうにありません」

奈緒「うん、美味い」

奈緒(普段コーヒーは好んで飲まないのだが、これは癖がなく本当に飲みやすい。ミルクだけ入れたけど、入れなくても苦味はそれほど気にならなかったのかもしれない)

junk「……優しい味だな」

文香「苦味が少ないですので、そこで評価が分かれてしますが、私は……この味が好きです」

奈緒「……」ホゥ

奈緒(思わず一息つく。それっきり、皆、黙ってしまったのは、このコーヒーの穏やかさにやられてしまったからだろうか)

奈緒(junkが言ったように、このコーヒーは優しい。淹れた人の心持ちが分かるかのように、疲れた心をリフレッシュさせてくれる)

奈緒(ただ時間だけが静かに過ぎていく)

奈緒「……fumi2さんが、ここのコーヒーを勧めてくれた理由が分かった気がする」

志希「……穏やかな午後、このコーヒーを味わいながら、本を読む。これ以上ない贅沢ですね」

加蓮「それを今、実感しているんだよね」

junk「俺には贅沢過ぎる時間の使い方かもしれない」

文香「実際に……私は、そのように時間を過ごすことがあります」

junk「本好きにはたまらない場所、ってことだな」




奈緒(それは時間にしてみれば、ほんの一瞬の体験だったけど、とても充実した癒しの時間をあたしたちに与えてくれた)

志希「……良い場所を教えていただき、ありがとうございます」

junk「……常連になる気だろ?」

志希「分かりますか?」

加蓮「アタシでも分かるよ。何度もカップを見て、今も名残惜しそうにしているじゃん」

志希「バレていましたか」

文香「……本当に、ご紹介出来て良かったです」

junk「ありがとな。秘密の場所だったんだろ?」

文香「いえ。皆さんと共有できたことが、何より嬉しいのです」

junk「……そうか」

奈緒(例えば、アイドルになる前の文香さんが本につられて、喫茶店の中に入って)

奈緒(例えば、アイドルになった後のfumi2さんが自分の居場所に帰るように)

奈緒(雨の日も、晴れの日も足しげく通う。そんな想像が頭の中を駆け巡った)

奈緒(……きっと、この店の知的な雰囲気が、あたしに少しだけ空想させたことだったのかもしれない)




志希「次はjunkさんのお勧めする定食屋さんですね」

junk「さっきのコーヒーで十分満足しただろうが、そろそろ腹もへった頃だろ?」

加蓮「ハンバーガー食べたい」

奈緒「定食屋にあるか!」

junk「あるぞ」

奈緒「マジで!?」

奈緒(驚きながら、あたしたちはjunkの後を着いていく。……このメンバーで街中を歩くのは少し不思議な気持ちがした)

fumi2「良い、天気ですね」

加蓮「だね。お散歩日和だよ」

奈緒「そうだな。今日は本当に良い天気だ」

奈緒(憎たらしいくらい良い天気で、少しだけ泣きたくなったのは、ちょっとばかし情緒不安定過ぎるか?)

志希「決して戻らない時間。だけど、大切な時間。……きっと、あたしは忘れることはないんだろうな……」

奈緒(多分橘は誰にも聞こえていないつもりで呟いたのだろうが、隣に居たから、ばっちり聞こえてしまった)

奈緒(言葉にはしないけど、あたしもそう思うよ。……これがオフ会か。想像よりも、ずっと最高じゃないか!)

junk「よし、ここだ」

奈緒(そうjunkが言って、あたしたちは次の目的地へと到着した)




とりあえずここまで

喫茶店はコーヒーよりも自己紹介関係がメインなため、描写は1レスのみでした。次はjunkのお勧めする定食屋へ

橘の違和感は仕様です。書き手も違和感を感じますが、いつもの橘だと割り切って書いています
文香表記は心中だったり、過去だったり、ありす文香自身なら意図、それ以外だと誤字かな
ありすを連れて来た橘という段階からして、彼女の闇部分ですからね

しえん
http://i.imgur.com/x0UjGzi.jpg

>>111
おぉ、チャットメンバーが居る! 奈緒はチャット中かな
何だか嬉しくなる画像をありがとうございました

ちなみに1は現役時代、確率で上位のSRを引くよりも、自力で上位報酬を入手した方が楽だったくらいの運の持ち主です

リアルタイム、ゆったりペースでいきます


文香「会社の近くにこんなお店があったのですね……」

junk「穴場なんだよ。社内でも知っている奴は何故かほとんど居ない。だから、個人的にいつも利用させてもらっている」

奈緒(三船食堂と看板に書かれた見た目はごく一般的な食堂。ただ、junkの言う通り少し立地が悪いのか、普通に歩いていると見つけづらい場所にあるような気がする)

志希「お店に入る前から、良い匂いですね」クンクン

加蓮「うぅ、本格的にお腹すいてきた」

junk「すみません、予約していた346です」ガララッ

奈緒(え? なんで会社名で予約しているんだ?)

少女「お待ちしておりましたのでしてー」

奈緒(なんか可愛い子が迎えてくれた)

少女「どうぞこちらへ」

加蓮「わぁ! オードブルが用意されてる!」

文香「豪勢ですね……」

志希「香りが満腹中枢を麻痺させてきます!」

奈緒(何だか親戚が集まった時に出てくるオードブルって感じで、ちょっと豪華な感じが凄く馴染み深い)

女性「いらっしゃいませ」

junk「ああ、三船さん。今日は貸し切りにしていただき、ありがとうございます」

女性「いえ、良いんですよ。常連さんのお願いで、しかもたくさんお客様を連れてきてくださったんですから」

奈緒(厨房から二十代くらいなのに何故か未亡人ぽい雰囲気を感じさせる女性が出てくる。話の内容からこの人がこの店の店主なんだろうな。……その若さで店持ってるって何気に凄くないか?)

奈緒(あれ? この人数でたくさんのお客さんなのか!? 流石にそれはないよな? 多分、お世辞だったのだろう)




少女「お冷でしてー」

文香「……ありがとうございます」

少女「もう一つグラスがあるのでー。じゅーすを飲む時はそちらをお使いください」

加蓮「ジュース、ジュース!」

志希「……」

奈緒「どうした、橘?」

志希「いえ、気のせいですね」

奈緒「?」

志希「junkさん、私はりんごジュースを飲みたいです」

junk「その話し方でりんごなのか……?」

志希「実家の岩手は青森に隠れがちですが、りんごの出荷量が多かったりします」

奈緒「え、橘って岩手出身なのか?」

加蓮「あれ? 確か大阪に居たよね」

junk「まぁ、その話は後だ。一先ず乾杯するぞ。好きな飲み物を三船さんに言ってくれ」

加蓮「コーク!」

奈緒「なんで愛称の方なんだよ。あたしはオレンジジュースかな」

志希「すでにりんごジュースが注がれていました!」

奈緒(やるな、あの多分バイトの子。現役アルバイターとして少しだけ対抗意識を抱いてしまう)




junk「皆、飲み物は行き渡ったな? 堅苦しい話は無しだ。今日のオフ会を開けたことを祝して、乾杯!」

奈緒・加蓮・志希『かんぱーい!』

文香「……乾杯」

加蓮「はぁっ……! この一杯のために生きている!」ゴクゴク

奈緒「おっさんか!」

志希「この香り! この濃厚さ! まさかの青森のりんごジュースです!」

junk「へぇ。昔飲んだことがあるけど、本当に濃厚で美味いよな。あとで俺も飲もう」

加蓮「アタシもアタシも!」

奈緒「あたしも興味あるかも」

文香「……私も飲んで、みたいです」

志希「りんごジュース大人気ですね!? 悔やまれるのが、これが岩手産でないことですが……」

junk「それは仕方がないさ。ともかく、後は好きに飲んで食べてしてくれ。食べたい料理があれば三船さんに言ってもらえれば良い。大体は作ってくれるぞ」

加蓮「ハンバーガーも本当に作ってくれるの?」

少女「店主、おーだーが入りましたのでー」

女性「材料を用意していた甲斐があったわ」

junk「こんな感じで好物は根回し済みだ」

加蓮「凄い!」

奈緒(junk、さり気なく幹事を頑張ってくれていたんだな……)




志希「どの料理も美味しいですね」

奈緒「ほんとだな」

加蓮「この肉肉しいゾーンがアタシとしては最高! あ、ハンバーガーも美味しかったです!」

文香「私はこの野菜料理の詰め合わせが、薄味で好みにとても合います」

junk「そうだろそうだろ。ここの料理はいつもたまらないんだよ」

文香「……お昼時に、稀にjunkさんが居なくなっていた理由が、今分かりました」

奈緒「……fumi2さんも誘ってやれよ」

junk「それはまぁ、色々あるんだよ」

加蓮「大人な事情だね」

志希「大人には色々あるにゃ」

加蓮「前川みくにゃ!」

志希「みくにゃん!」

奈緒「何なんだよ、お前ら……」

junk「そうそう、予定の確認だが、この後は橘の言っていた図書館で、次が神谷さんの漫画喫茶、最後に北条さんのカラオケだったよな?」

奈緒「junkに神谷さんって呼ばれると違和感が凄いな」

junk「benioは嫌なんだろ?」

奈緒「いや、junkなら別に良いかもな」

加蓮「アタシもkarenにして欲しいな。予定はそれで大丈夫だよ」

junk「……そのうち慣れるから我慢してくれ」

奈緒(junkの奴、karenが加蓮と被るからか今一瞬、躊躇していたな)




加蓮「はぁー、満腹だぁ」

志希「こんなに食べたのは久しぶりです」

fumi2「私も、暫く記憶にありません」

奈緒(飲んで食べて、好き勝手にやっていつの間にやらテーブルの上の料理は全て消えていた。最後に自家製と言う絶品アイスを食べて、皆腹を休めているところだった)

junk「三船さん。今日も美味しい料理をありがとうございました」

女性「はい、満足していただけたなら幸いです」

junk「依田さんもありがとうな」

少女「いえいえ、これも当然のお役目なのでして」

奈緒(ふーん、依田さんって言うんだ、あの子)

志希「……もしかしてですが、ギフテッド持ちですか?」

少女「ぎふてっど? 横文字には少々疎いものでして」

志希「あ、これは失礼しました。ええと、今のは忘れてください」

少女「分かりましたのでー」

奈緒(ギフテッド、確か生まれつき能力が異常に高いことだったか?)

文香「それでは、皆さんお腹も落ち着いてきたようですので、そろそろお暇いたしますか?」

junk「そうだな。それじゃあ、次に行くか」

奈緒(……そう言えば、料金はjunkが奢ってくれるって言っていたけど、本当にそれで良いのか?)




加蓮「junkさん、アタシやっぱりお金払うよ。こんなに素敵な料理をおごってもらうことなんてできない」

文香「はい。……私にまでお気を遣わないでください」

junk「すでに先払い済みだから、気にするな。どうしても気になるなら、それぞれ働く時に働きで返してくれればそれで良いさ」

志希「……案外高い料金で奢られたのかもしれませんね。ですが、その好意素直に受け取らせていただきます」

奈緒「そう言うことなら、良いのか……?」

加蓮「……うん、分かった。本当にありがとう、junkさん」

文香「ありがとうございます。このお礼は必ずいたします」

奈緒「あたしからもありがとう。バイト頑張るからな」

junk「ああ、そうしてもらえると助かる」

奈緒(そんなこんなで、名残惜しくも三船食堂を出る時間がやってくる)

junk「二人とも、また今度寄らせていただきます」

文香「今日は素晴らしいお料理をありがとうございました」

志希「個人的にまた来ますね」

奈緒「美味しかったです」

加蓮「ハンバーガー、とっても嬉しかったです。多分、今までで食べた中で一番美味しいハンバーガーでした!」

女性「こちらこそ、お越しいただき誠にありがとうございました」

少女「お残しがないことは善きことなのです」

女性・少女『またのお越しをお待ちしております』



ここまで。junkお勧めの定食屋終わり

次は橘のお勧めする図書館ですが、分かりづらい内容になりそうなので、ちょっと考え中

アイドルではないアイドルの姿もたまには良いものだと思います
声優アイドル(ロボ発売おめでとう)の方はとりあえず整骨院へ

今回の投下分はjunkたちの内輪ネタがほとんどですので、分からない場合は流し読みで大丈夫です。特に重要な部分は含まれませんので

では、投下していきます


奈緒「あれ? 普通の図書館なんだな」

奈緒(橘に連れて来られたのは、見た目は普通の図書館。と言うか、何度かこの前を通ったことがある。入ったことはないけど)

志希「図書館に普通も特別もないと思いますが」

junk「それでも何かあるからここに来たんだろ?」

志希「まぁ、そうです」

文香「ここの図書館は純文学のコーナーが広いので、お好きな方にお勧めです」

加蓮「流石fumi2さん、把握しているんだね」

志希「それでは入りましょう」

奈緒「うわ、何かこの靴をスリッパに履き替える感覚が久しぶりって感じがする」

加蓮「学校の移動教室でもあるよね?」

奈緒「説明し辛いけど、それとはまた別の感覚」

文香「書物の香り、子供の頃の記憶、それらが組み合わせられ、おそらくは懐かしさが呼び起こされているのだと思います」

junk「社会人になると機会が減るからな。俺もそんな感じだよ」

志希「分かります。懐かしい香りなんですよね」

奈緒(さて、ここからは私語厳禁だな。……何があることやら)




志希「ここです」

加蓮「自習室?」

奈緒(小声でそんな会話をするのを聞きながら、目の前の部屋を見る。これはあれか、部屋が分けられていて、グループとかで勉強会とかできて、ちょっとの話くらいはOKだったりする部屋か?)

志希「この部屋は今空席のようですから、中にお入りください」

文香「高校時代のグループ学習で利用した記憶があります」

junk「へー、今はこんな部屋があるのか」

加蓮「でも、本がないね。勉強するの?」

奈緒「何でわざわざ勉強しに来ているんだよ……。談笑でもするのか?」

奈緒(古書店と三船食堂で十分した気もするけど)

志希「まぁ、私語厳禁でない部屋と言うのも大きいのですが、本題は『これ』です」

文香「パソコン、ですか?」

志希「はい。誰でも自由に利用できて、一般家庭に割とある普通のパソコンです」

奈緒「ネットでもやる気か? スマホで良くね?」

志希「実はスマホを所持していないと言う衝撃の事実を明かしますが、別にネットをやるわけではありません」

junk「またお前、スマホを置いて歩き回っているのか。何のための携帯だよ」

加蓮「えー、Line交換しようと思ったのに」

奈緒「それじゃあ、何をしたいんだ? ……あ」




志希「気付きましたか?」

junk「パソコンと聞いた段階でそんな感じはしていた」

奈緒「なるほどな。粋なことをしやがって」

加蓮「? どういうこと?」

文香「……私たちの繋がりの始まりは、パソコンから始まったと言うことだから、でしょうか……?」

志希「流石fumi2さん、正解です。ただ今回に関しては初期メンバー三人の内輪みたいなところがありますので、お二人には少々退屈をさせてしまいますが、ご了承願います」

加蓮「よく分かんないけど、初期メンバーの交流を深めるのは良いことだと思うよ?」

文香「どうぞお気兼ねなく。……おそらくは、眺めているだけでも楽しいかと思いますので」

志希「ありがとうございます。……それでは、二人とも、持ってきていますよね?」

junk「普通、持ち歩かないと思うがな。だが、持ってきている」

奈緒「はぁ、何で持ち歩くんだよ。持ち歩いているけど」

志希「流石、分かっていますね」

junk「こんなこともあろうかと用意はしていたからな」

奈緒「学校でUSB使うんだよ。だから、一応いつも持ち歩いているんだ」

志希「なるほど。では、始めましょう」

志希「三人の中で誰が一番強いかを決める、仁義なき戦いを!」




文香「junkさんたちが行っているゲームは、一人用育成シミュレーションゲームではありますが、自分の育てたデータを使用して、オフラインで対戦を行うことができます」

加蓮「アタシも一応プレイしてみたけど、そんな機能があったんだ」

文香「ネット上でデータを介して、対戦を行うこともできるのでしょうが、作戦指示やそのデータを使って、キャラクターを作成できてしまうため、junkさんたちは行われていないようでした」

加蓮「でも、そのデータをいつも持ち歩いている奈緒って何なんだろう……」

文香「それほど、このゲームに強い思い入れを持っている……のだと思います」

奈緒「デュエリストとしての嗜みだよ」

加蓮「奈緒、デュエリストじゃないじゃん」

奈緒「大体同じ感じなんだよ! 対戦順はどうする?」

志希「私と奈緒さんが対戦して、勝った方がjunkさんと対戦で良いのではないのでしょうか?」

奈緒「……だな」

奈緒(junkは三人の中で自称プレイ時間が一番少ないプレイヤーになるのだが、その実力は配布元の公式ページで認められる程の強プレイヤーになる)

奈緒(あたしが数十位のところを漂っている中で、栄光の一位を掴んでいるあたり、junkの実力は本物だ)

junk「良いのか? 俺がシードで。総当たりでも良くないか?」

志希「最強を決める戦いですので、これが妥当です」

奈緒「文句なしだな」

志希「それでは奈緒さん対橘ありす(仮)の戦いを始めます」

奈緒「そこは一ノ瀬志希じゃないんだな……」




奈緒「それじゃあ、USBを繋いでと。……これが、あたしの最強キャラクター『メリーさん』だ。どうだこのステータス」カチカチ

志希「なるほど、全体的に高い能力でまとめられているキャラクターですね。間違いなく強いと言えます」

志希「私もUSBを。……しかし、私の最強キャラクターである『ハス』には敵いませんよ」カチカチ

奈緒「げっ、あたしのキャラよりも限界値高いじゃねぇか!」

志希「これがプレイの差です。では、対戦モードでいきますよ」

奈緒「少しの差くらいで負けるもんか! お前が最強だってことを見せてやれ『メリーさん』!」

志希「身の程を知らしめてやりましょう、『ハス』」

奈緒・志希『ゲームスタート!』

加蓮「あのー、盛り上がっているところ悪いんだけど、ゲーム画面が数値とコマンドとHPバーしかなくてひたすら地味なので、想像力を膨らます何かください」

奈緒「何かって……それじゃあ、あたしのメリーさんはロングヘアでピンクのワンピースを着た、ちょっと大人なお姉さんな姿をしている」

志希「ハスはクールでツーテールな十五歳の女の子です」

加蓮「うーん、とりあえず了解。お邪魔しました」

junk「俺の時も同じことを言うのか……」

文香「junkさん、力及ばずながら応援しております」




奈緒「……とりあえず、続けるぞ?」

奈緒「よし! 先行だ。まずは通常攻撃で様子を見る」

志希「甘いですね、後の先!」

奈緒「くっ、カウンターか!」

志希「大技の『体』を発動。ヒット。大ダメージ入ります」

奈緒「くそっ! 一気に二割強削るのかよ……」

志希「そして、連続攻撃です。……これもヒットです」

奈緒「痛てぇ! 最序盤でHPがちょうど半分とか……!? よし! メリーさんの防具特性発動だ」

志希「やっぱり来ますか……」

加蓮「え、何が起こるの?」

junk「一部の防具には特殊能力が備わっているんだが、神谷さんの防具は特定条件下のみで発動するタイプで、その条件が丁度今クリアされた」

加蓮「ふーん」

奈緒「このゲームは必殺技が強力だが確率発動しかしない。だが、この防具を装備して、体力が半分を切った場合のみ、その確率が大幅上昇する! そして……きた!」

志希「く、やはり必殺技が来ますか」

奈緒「必殺技『私メリーさん』が発動。相手は消滅する!」

志希「そんな効果はありません! え? HPの七割を一撃で!?」

奈緒「必殺技を二段階強化しているからな。ここぞの威力に関しては誰にも負ける気がしない」




加蓮「なんか奈緒が勝ち誇った顔しているね」

junk「……フラグっぽいな」

志希「こっちは境地の装備はなし。相手のHPはおよそ半分……とれる手立ては……」

加蓮「そして、橘ちゃんが閃いた表情をしているね」

junk「こっちもフラグだな」

志希「魔法『秘術解放』を発動」

奈緒「? そんな魔法あったっけ?」

志希「隠し上位魔法の一つです」

奈緒「はぁ!? ここにきて隠し技とか卑怯じゃね?」

志希「自分で見つけたので卑怯ではありません。効果は攻撃力の二倍化」

奈緒「おいおい。冗談だろ……?」

志希「冗談ではありません。そして、大技で一番命中率の高い『心』を使用します」

奈緒「メリーさん、かわせ! 絶対に食らうな!」

志希「これで勝敗が決します! ……ヒットです」

奈緒「くっ……あ、ほんの少しだけHPが残って耐えた! よし、こっちの番だ!」

志希「……」

奈緒「お! 来た! ……必殺技発動っ!! これであたしの勝ちだ!」

志希「……」フッ




奈緒「くらえ! 必殺の『今あなたの後ろに居るの』だ!!」

志希「さっきと必殺技名が違いますよ? とりあえず、後の先です。……ヒット」

奈緒「あ」


勝負あり!

勝者、ハス!


奈緒「……負けた……あたしのメリーさんが……」

志希「奈緒さんの敗因はあまりにも必殺技だけに集中させてしまったことです。私の様に技はいくつかに分散しておくと良いですよ」

加蓮「何だか二人で凄い盛り上がっていたけど、ゲームの画面自体は凄い簡素だったよね」

junk「言ってやるな……仕様なんだよ」




志希「……遂にこの日が来ました」

junk「中々極めているようだな」

志希「ええ、それはもう。ですが、この中で唯一公式で、しかもランキング一位に載っているjunkさんを倒すまで決して油断はしません」

junk「油断をしてもらえれば助かるんだがな」

加蓮「やったね、junkさんもノリノリだー」

奈緒「加蓮がjunkにプレッシャーかけたんだろうが……」

志希「繰り返しますが、油断はしませんよ。では、いきます! これが私の『アリス』です!」カチカチ

奈緒「まさか、あたしの時とは違う奴か!?」

加蓮「ほんと橘ありすさんのこと好きだよね、橘ちゃんは」

junk「なるほど、強いな。全ステータスカンストか。しかも、技まで最強で揃えている」

志希「ここまでくるのに大分苦労しましたよ」

志希「このアリスを見て、junkさんのこの余裕、やはりあれが来ますか。括弧心の声」

奈緒「もろ聞こえだけどな」

junk「現れろ『紅書家(くれないしょか)』」カチカチ

志希「これが紅書家……」

志希「公式ページで名前だけが確認できる公的に認められた最強のキャラクター。能力は……。あ、括弧心の声です」

加蓮「盛り上がてくれているのは何となく分かるよ、うん」




志希「やっぱり、オールカンス……!? 限界値を超えている!?」

junk「昔言ったな。とにかくキャラクターを作り続けろと。そうすることで初めて限界値は越え、究極の技も開花する」

奈緒「あたしとはまるで別次元じゃないか……。ちなみにアリスは橘(本物)、紅書家は鷺沢文香さん(アイドル)であたしは想像している」

志希「私も知らない技が三個って……少し酷くないですか?」

junk「手加減したら怒るだろ?」

志希「もちろんです。仕方がありません。いきます!」

junk・志希『ゲームスタート!』

junk「先行は俺だな。大技『技』を発動」

志希「ガード。ダメージは半減します」

junk「流石に守りの達人所持者は固いな」

志希「防御系最強技ですからね。『秘術解放』」

junk「残念ながら俺の所有している封印は全魔法を無効化する」

志希「名前からそんな感じだと思いましたが、チートじゃないですか?」

junk「魔法使用人口の少なさから、ほとんどの場合無駄になるんだよ」

志希「でも、当たればこれ程効果的なものはないでしょう? 仕方がありません。大技『気』を使用します。ヒット」

junk「特殊ボーナスで『気』を三段階挙げていたか。大技でHPが三割削られるとはな」




志希「魔法を封じられたので、これがメイン武器ですよ。って、junkさんもいきなり必殺技ですか!?」

junk「覚醒は相手の強さに応じて自身の能力を変更する、つまり橘が強いから必殺技が発動すると言うことだ」

志希「そ、そんな技が……!」

junk「橘、悪いなこれで終わりだ。『寡黙と約束』これが紅書家の奥義だ。当たるとHPの九割以上を削る」

志希「く、耐え切れない。でも、こっちには」

志希「ガード! ダメージは半減……しない!? どんどんHPが減っていく!」

junk「必殺技が奥義に変わった時、守りの達人を貫通する効果を持つ」

志希「負ける……!?」

junk「……何? まさか、HP回復効果なのか……?」

志希「……HP回復。上位防具最下位にしか付かない平凡な効果。愛着のある防具だから使い続けてきましたが……私に応えてくれたんですね」

志希「私のターンいきます! ……必殺技来ました!」

junk「……」フッ

志希「必殺の『論破』です! ヒット!!」

junk「俺の……」

勝負あり!

junk「……負けだ」

勝者、アリス!



知っている身内では盛り上がるけど、知らない人は取り残されるアレです

実際このゲームは存在しますが、知っている人は私と握手

あ、次からは普通の内容に戻りますので、ご安心を

制服姿の女子高生に私服女子、そしてスーツの男。い、引率の先生に見えるかもだから……

>>アリーナとかあるやつ
何か覚えあるゲームですが、あれよりも簡素で画像は本当に最低限です
SS内と実在するゲームとの差異は技名とか1ターン毎に指示できないくらいです
バーコードバトラーが分かる人だと、シングルプレイ時の2以降が近い感じかな(魔法使えますし、強化的な意味でも)

書いていて懐かしくなったので、久しぶりにプレイしていたらこんな時間……
楽しいけど、本当に忍耐と集中力を奪われるから、疲れた


志希「や、やったー! あたし、勝てたよー!! ……はっ!?」

奈緒(最初に会った感じの橘に一瞬戻ったな)

加蓮「おめでとー。あと、その感じで良いと思うな。わざわざ橘ありすさんの真似をしなくても」

奈緒「だな。深くは追及しないけど、素の橘をもっと見せてくれても良いと思う」

志希「うぅ……」

文香「おめでとうございます。本当に嬉しそうな表情をしていましたよ」

junk「……だってさ、橘」

志希「う……ぜ、善処します」

奈緒(なるほどな。橘ありすさんの真似は橘の防衛線のような役割なのかもしれない。となれば、中々難しい問題かもな)

志希「そ、それより! 私が勝ちましたけど、あれまぐれですよね?」

junk「……確かに、また戦えば結果は違うかもしれないが、この勝利の一回をここに持って来られたのは、橘の実力だよ。あの防具から考えれば、執念に近いのかもな」

志希「わぁ! すっごい、嬉しいよ……! こんなに入れ込んだゲームって初めてだったから……」

奈緒(感情が高ぶると素に戻るんだな。でも、気持ちは分かるさ。でなければ、あたしもこんなに長いことこのゲームをプレイしていないから)

加蓮「そっか、皆にとってはただのゲームじゃないんだ……」

文香「価値観が違いことだけを除くのであれば、大切なものは、人それぞれ持っているものです。……それを、私は美しいと思います」

奈緒「そ、そこまで言われると逆に恐縮してしまうな……」




志希「さて、目的は達成できたのですが、本でも読んでいきますか?」

奈緒「そのつもりだったら、古書店で読んでいただろ。短い滞在だったけど、あたし的には凄い意味があった時間だったと思う」

junk「そうだな。fumi2と北条さんには悪いが、念願の夢が叶えられた気分だったよ」

加蓮「ううん、見てて楽しかったよ。主に皆の反応が」

奈緒「……あれは、デュエリストなら当たり前の反応なんだよ」

加蓮「はいはい」

文香「……皆さんと一緒に居られて、私は本当に幸せ者です」

志希「……あたしも。さぁ! それでは、最後のバトンを加蓮さんに託します!」

加蓮「あれ? なんかプレッシャーなんだけど」

奈緒「トリだな、加蓮」

junk「そんなに緊張しなくても大丈夫だ。皆で好き勝手に歌って、盛り上がって、最後は解散すれば良いんだ」

加蓮「それ、プレッシャー」

文香「カラオケ、楽しみです」

junk「実はfumi2はカラオケが初らしい」

奈緒「え? マジで?」

junk「はい。お仕事で似たことはしますが、カラオケという施設を訪れるのは初めてになります」

加蓮「本当はfumi2さんのお仕事の方が何倍も凄くて、普通は体験できないんだけどね。……とにかく、皆の期待は引き受けました! 皆、着いて来ーい!」

奈緒(そして、最後の目的地、カラオケへとあたしたちは向かった)



ここまで。オフ会編もそろそろ終盤です
と言っても、そこからさらに番外編に続くので、文章量的には半分も行っていない……のか?

>>164
ごめん。この内容は奈緒の時の流れでした
書き直すので、この部分は無視してください


志希「さて、目的は達成できたのですが、本でも読んでいきますか?」

奈緒「そのつもりだったら、古書店で読んでいただろ。短い滞在だったけど、あたし的には凄い意味があった時間だったと思う」

junk「そうだな。fumi2と北条さんには悪いが、念願の夢が叶えられた気分だったよ」

加蓮「ううん、見てて楽しかったよ。主に皆の反応が」

奈緒「……あれは、デュエリストなら当たり前の反応なんだよ」

加蓮「はいはい」

文香「……皆さんと一緒に居られて、私は本当に幸せ者です」

志希「……あたしも。さぁ! それでは、バトンを奈緒さんに託します!」

奈緒「おう、任された」

加蓮「漫画喫茶だっけ? あんまり入ったことないから楽しみ」

junk「漫画喫茶は昔よく通っていたけど、社会人になってからはほとんど行かなくなったな」

奈緒「junkの場合、行かなくなったって言うより、行く時間がないんじゃ……」

志希「私は割とよく利用していますね」

文香「実は一度だけ入ったことがありますが、漫画がたくさんで驚きました」

加蓮「漫画喫茶って名乗るくらいだからね」

junk「それじゃあ、神谷さん、道案内は頼んだ」

奈緒「了解。……やっぱり、慣れないな、junkの苗字呼び」

奈緒(さあ、行きますか。あたしお気に入りの漫画喫茶へ)



ゲームで精神を摩耗し過ぎだよ……念のため読んでて良かった設定メモ
そんなわけで次は漫画喫茶です

>>15でfumi2漫喫初めてって書いてる(小声)
まあ脳内変換で済ませるべき案件だろうけど

>>170
抜け過ぎだろ自分でちょっと思ったけど、これは次の投下でフォローが入る内容となりますので、
『あれ? 行ったことないって言っていたよな』の認識でいてもらえれば

オフ会最後に>>1がなんてゲームか教えてくれるんだよな?

>>172
隠すほどでもないのですが、それぞれのイメージもあると思うので、知りたい方だけ用に前スレのリンクのPixiv、投下チェック用に書いておきました
(最初は消すつもりだったのですが、何だか消せない雰囲気になっていたのでまだ残しています)
これを奈緒たちがプレイしているのか……と言う感じの超高難易度育成ゲームです

パソコンの調子が悪くて画面が見づらく、ちょっと誤字が増えている傾向にありますので(精神は元に戻りました)、少々お休みすることがあるかもしれません


加蓮「今更だけど、ありがとう、junkさん」

junk「何のことだ?」

加蓮「こんなにスムーズにオフ会を進めてもらっていること」

junk「大したことはしていないさ。それに一応幹事だしな」

志希「いえ、元はと言えば、私が責任を負うはずだったことです。ですので、私が負担をかけてしまっているのですね……」

junk「だから、橘は物事難しく考え過ぎだ。こんな場くらい気楽に居てくれよ」

志希「ですが!」

奈緒「ありがとう、で良いんじゃないか? あたしは言うぞ、ありがとう、junk」

junk「……何だかむず痒いな」

文香「私からもありがとうございます。皆さんのご希望から地区だけを聞き、それを元に順番を考え、そして、万が一にも備えていらっしゃいます。それは、尊敬に値する行為です」

junk「一応、社会人なら当然のスキルだよ」

加蓮「junkさん、ちょっとひねくれているよね?」

奈緒「前から知っていたけどな」

志希「……勇気を持てるのかな……?」

奈緒「何か言ったか? 橘?」

奈緒(何故か結構隣に居ることの多い橘だから、小声もそれなりに聞こえてしまうんだよな)

志希「いえ。そう言えば、fumi2さんは先ほど、一度だけ漫画喫茶を訪れたとおっしゃっていましたが、私の記憶によれば一度も行ったことがなかったはずでは?」

fumi2「……お恥ずかしながら、好奇心に勝てませんでした」

加蓮「ありゃ。でも、気持ちは分かるよ?」

奈緒「本好きならその響きだけで惹かれるものな……と、ここだ」

奈緒(雑談をしていたら、もう目的に到着してしまった。時間が流れるのが、今日は特別に早い気がする)




文香「……良し! です」

junk「珍しいなfumi2がそんな風に気合を表に出すのは」

文香「……先日伺った漫画喫茶は、少々狭いところでしたので、場の雰囲気に飲まれてしまっていました。今日はその二の舞を踏みません」

junk「なるほど、予習の成果と言うわけか」

志希「私は狭いことろの方が落ち着きますね」

加蓮「あたしは広いところが好きかな」

junk「見事に性格が現れているな……。俺もどっちかと言えば狭いところだな」

奈緒「はい、この部屋でお願いします。時間はとりあえず九十分で」

文香「手慣れていますね。……私はウロウロしてしまって、レジの方にお話しするだけで、三十分ほどかかりました」

志希「fumi2さんに対して失礼です!」

加蓮「流石に店員の職務怠慢じゃない?」

junk「……何気にfumi2もコミュ障なところがあるからな」

志希「……お恥ずかしい限りです」

奈緒「お待たせ。部屋取れたから行こう。その前に、ドリンクバーに寄っていくか」

加蓮「ソフトクリーム!」

junk「アイス系はデザートで食べただろ」

文香「ソフトクリームの機械まであるのですね……!? 無料なのですか……」

志希「私はクリームソーダを。こういう機会でもなければ普段飲みませんからね。上にアイスを載せて完成です」

文香「は!? そう言う合わせ技もあるのですね……!」

奈緒(何だかfumi2さんのテンションが妙に高い。予習に行くくらいだし、種類を問わず本当に本のある空間が好きなんだな……)




加蓮「へぇー。グループ用に広い部屋もあるんだね。テレビも大きいし」

志希「私も普段一人でしか使いませんので、入ったのは初めてですね」

奈緒「部屋自体は前から知っていたけど、あたしも同じだな。あ、もちろん、前に店員に聞いてどういう部屋なのか調べていたから安心してくれ」

junk「それで何のアニメを見るんだ?」

奈緒「色々考えたんだけど、皆で観ていて盛り上がれるやつが良いと思ったんだよ。だから、いわゆる実況向きのものを考えてきたから、少し待っていてくれ」

文香「DVDを見に行くのですね。私もご一緒してもよろしいでしょうか?」

奈緒「もちろんOKだ。一緒にDVDを探してくれると助かる」

文香「はい、及ばずながらご一緒させていただきます」

junk「予習して以来よっぽど漫画喫茶に興味があったのか、やけに積極的だな」

志希「そういうfumi2さんも素敵です」

加蓮「あはは。……そう言えば、橘ちゃん。前よりもfumi2さんに執着って感じじゃなくなったよね?」

志希「……そうかもしれませんね。以前から文香さんを私は好んでいましたが、実際はその感情に橘ありすを加算していたので、少々過剰な表現をしていたのかもしれません」

junk「あと、鷺沢さんとfumi2が同一人物であると確信したことも大きいんだろ?」

志希「……いつの間にか、盲信することを止めていたのですね、私は……」

加蓮「良いことじゃないかな? それって、成長しているんだよ」

志希「成長……」

junk「……あと一歩なのかもな」




奈緒「ただいまー」

文香「あんなにたくさんのDVDがあるのですね。レンタル店が大変です」

奈緒「流石にレンタル店へすぐ影響が出るほどじゃないけど、結構品ぞろえが良いからな、ここ」

junk「お目当てのものは見つかったか?」

奈緒「もちろん」

加蓮「何見るんだろ、楽しみ」

志希「……」ワクワク

奈緒「一応一任されていたから良いものは選んだつもりだよ。九十分部屋を借りたから、三本観るとして、まず一本目はこれだ」

junk「マギカか」

志希「しかも三話目ですね」

加蓮「あ、見たことはないけど、流行になっていたやつだ! それ見るの? ラッキー」

junk「あー……」

志希「察しというやつですね」

加蓮「?」

文香「私も見たことがありませんので、楽しみです」

奈緒「知っている奴、ネタバレはなしでな。それじゃあ、再生スタート」




文香「ここまでは、どのようなストーリーだったのですか?」

junk「普通の中学生がある日突然、謎の生物に魔法少女にならないかって話しかけられて、答えを保留しつつ、先輩魔法少女の活動を見せてもらっているところだな」

加蓮「朝の八時半にやっているアニメだね」

奈緒「朝を深夜に変えるとあら不思議」

志希「途端にうさん臭くなってきますね」

加蓮「アタシも黄色の先輩のお菓子食べたい。美味しそう」

文香「マスコットも中々に可愛らしいですが、無表情なのが少し不気味です」

加蓮「もう魔法少女になっちゃっても良いのにね」

文香「あの、黒髪の少女には何かあるような気がします」

奈緒「……このニヤニヤ感分かるか?」

junk「分かる」

志希「お二人には悪いのですが、分かります」

加蓮「あ、黒髪の子、拘束されちゃったね」

文香「主人公と先輩の友情が分かりやすくて良いと思います」

モウナニモコワクナイ!

加蓮「先輩、悪い魔女なんて懲らしめてやってください。あー、何だか子供の頃に見ていた女の子向けアニメ思い出すなー」

文香「流石歴戦の猛者ですね。圧倒しています」

加蓮「出た必殺技! やっちゃえー! これで今回の話は終わりかな? って……!?」

ガブリ

プラーン

ポトリ

加蓮「」

文香「……」

奈緒(これが有名な、黄色の先輩お亡くなりシーンである)




加蓮「は? ……は? はぁっ!? なにこれ!? なにこれ!? こんなの朝にやるアニメじゃない!」

文香「最後、首からせつだ……いえ、このお話はまだ三話のはずでしたが……?」

コドモノコロ~

加蓮「……」ポカーン

文香「……なるほど、確かにこれは話題になりますね」

junk「見た目はほのぼのアニメテイストだから尚更な」

加蓮「三人とも酷い!」

奈緒「盛り上がっただろ?」

加蓮「やるせないよ! 朝の八時三十分に謝って! あと続き気になります!」

志希「いや、でもですね、当時の私たちもこんなものですよ? しかも、どうあっても次の放送まで一週間待たなければなりませんでしたし」

奈緒「そうそう。その気になったら続きがいつでも見れるんだからマシさ」

加蓮「くぅー! やられた気分。次のアニメには警戒しないと」

文香「……世の小説よりは救いのありそうな内容でした」

加蓮「え?」

奈緒「え?」

志希「だよね」

junk「fumi2は結構エグイのも平気で読んでいるからな」




ここまで。ちょっとだけfumi2がはっちゃけていました

さて、次のアニメは何にしたものか……

橘と文香の台詞が似ているので、結構間違っているところあると思います(脳内で橘と志希の変換もあるため特に間違えているかと、ごめんなさい)

次のアニメ分だけちょっとだけ投下


奈緒「次はこいつだ」

junk「ひだまりか」

加蓮「アタシ分かるよ。これ、今のアニメの続編でしょ?」

志希「まったく、奈緒さんも人が悪いですね」

文香「どのようなお話しなのですか?」

奈緒「美術高校の新入生として通うことになった主人公が、近くの寮で生活していく日常を描いている作品かな。長く続いているんだけど、その記念すべき一話目がこれ」

加蓮「誰が魔法少女になるの?」

志希「パッケージを見ながら聞かれても答えようがないです」

加蓮「この金髪の子、危ないね」

junk「声が同じ人ではあるけどな」

加蓮「やっぱり!」

志希「この疑心暗鬼感、当時を思い出しますね」

奈緒「分かる分かる。見るアニメ全てで警戒するようになったよな? 特に日常もの」

junk「そう言う意味でも凄いアニメだったんだよな、マギカ」

奈緒「エバーの時も似たようなものがいっぱい出たって聞いたし、世の中そんなものかもな」

加蓮「ねぇねぇ、早く見ようよー」

奈緒「はいはい。それじゃあ、スタート」




加蓮「さっそく、金髪の子が来たよ!」

junk「いや、懐かしいな、ほんと」

奈緒「あたしもギリギリ、リアルタイムで見ていたから懐かしく思うな」

志希「その頃から、深夜アニメを見ていたんですか?」

奈緒「録画して見てた。漫画が家にあったからな」

文香「元気になってくるオープニングですね」

志希「やっぱりこのオープニングですよね」

奈緒「分かる」

加蓮「この中から何人居なくなるんだろ……。は!? たまに出てくるあの緑色の虫? が魔法少女にしてくれる!?」

junk「いや、あれ作者の人」

加蓮「先輩が二人も出てきた!」

奈緒「本当にさっきのダメージがデカかったんだな……。そう言えば、一話は冬スタートだったか」

志希「確か原作と違いますよね」

junk「ああ、その辺もう忘れてしまっているな」

文香「何だか暖かな雰囲気のアニメなのですね」

加蓮「騙されちゃ駄目だよ、fumi2さん」

奈緒(いや、fumi2さんの感想が正しい反応なんだがな)




キエテイツカハ~

加蓮「あれ? さわやかなエンディングが始まった!? きっとこの後誰かが……」

奈緒「ないから」

junk「北条さん。マギカに関しては俺たちが悪かったから、他のアニメにまで疑心暗鬼を抱くのは止めてくれ」

志希「そう言えば、予告の原作漫画絵はこの頃からだったのでしょうか?」

奈緒「他にあったかは覚えていないけど、日常系では多分最初の方だと思う」

加蓮「はて? 何だか、ほのぼのアニメだった気がする……?」

奈緒「それ、正解。ずっとこの雰囲気で何期もアニメが続くんだよ」

志希「原作も面白いですし、癒されたければやはりこれですね」

文香「心の清涼剤なのですね。……とても穏やかで優しい気持ちになれるアニメでした」

加蓮「何だか、アタシはずっと疑いながら見ていた気がする」

奈緒「加蓮の反応が一々面白かったな」

junk「悪いが、そうだな」

加蓮「もう! 二人とも人が悪い!」

junk「今度、マギカを続きを貸すから許してくれ」

加蓮「許す」

奈緒「相変わらず安い奴だな」



ここまで。疑心暗鬼な加蓮、分かります


志希「さて、次で最後になるのですね」

奈緒「そうだな。……正直悩んだけど、このメンバーだったらやっぱりこれだろ」

junk「樽か。まさか置いてあるとはな」

文香「こちらがアニメ版なのですね」

junk「小説のカバーにも忠実だろ?」

文香「はい。……懐かしいです」

加蓮「確か、fumi2さんがチャットに参加するきっかけになったアニメだっけ?」

奈緒「そうだな。樽の話をしていたら、fumi2さんが話題に参加したいってjunkに言ったんだっけか?」

junk「会社でチャットをしている時に、ちょうどfumi2が居てな、前に小説版を読んでいるのを思い出して振ってみたんだよ」

文香「その時に私はチャットを知り、皆さんとお知り合いになることができました」

志希「知識量はfumi2さんが一番でしたよね? あと、会社でチャットしていることについてはもう突っ込まないからな」

junk「そうしてくれ。アニメだけ見ていたら知らないことが、結構小説版には書いてあるからな」

奈緒「あれ? でも、アニメ系の小説ってfumi2さん結構読む方だっけ?」

文香「……元々は原作者の方が、小説家でしたので、それがきっかけとなりました」

奈緒「その経緯なら納得かな。今度読んでみるか」

志希「以前その台詞を聞いてから、長い時間が経ったような気がしますが」

奈緒「機会がなかったんだよ!」

加蓮「そっか……皆の思い出のアニメなんだね」

奈緒(ちょっと寂しそうな表情を浮かべやがって……これはそう言うことじゃなくてだな)

奈緒「その皆には、これから加蓮も参加することになるからな。今これを見た瞬間から」

加蓮「あ……」

奈緒(確かに加蓮はこの中で一番の新参者だ。だから、思い出だって少ない。でも、それなら、これから共有できる思い出を作っていけば良いだけだ)

加蓮「そっか。うん! そうだね!」

奈緒(皆、暖かな目でこっちを見るんじゃない! 結構恥ずかしいんだぞ?)

奈緒「それじゃあ、第一話、再生するぞ!」




加蓮「親方、空から女の子が」

奈緒「いきなりそれかよ」

junk「来たな、オープニング」

志希「樽もやっぱりこのオープニングですよね」

奈緒「今見るとオシャレかもな。うん、感慨深い」

加蓮「背景白いね」

奈緒「そう言うこと言うな!」

文香「主題歌が良いですね」

junk「昔、着メロにして、朝目覚ましで聞いていたな」

奈緒「朝から元気になれそうです」

加蓮「主人公っぽい人、カッコ良いかも」

junk「コミックで書く時、どんどんもみ上げが伸びていく主人公だって言っていたな」

加蓮「妖怪!? あれ? 推理ものっぽい雰囲気がする」

文香「推理もので正解です。小説版は読みやすいので、推理小説が初めての方にもお勧めです」

加蓮「今の先生が犯人?」

奈緒「台詞が確かに怪しいけど、こういうので犯人をネタバレするのは大罪だろ?」

志希「極刑ものですね」

文香「流石に許されざる行為です」

junk「最後まで見ろ、と言うことだな」

加蓮「はーい」




加蓮「アタシも真実は奏でられた!」

奈緒「……まぁ、推理ものに決めゼリフはお約束だしな」

志希「やっぱり、ここら辺まで来ると分かりますよね」

junk「この作品は推理ものだけど、個別の事件ではなく、全体の大きな事件を追っていくタイプだしな」

文香「推理関係があえて分かりやすく描かれていた気がします」

加蓮「そーなんだ。……さて、アタシの推理は合っていたかな」

志希「少し疑問なんですが、学校の屋上ってこんな簡単に入れるものなのでしょうか?」

奈緒「漫画とかなら当たり前のように入ったりしているけど、あたしは入れたことはないな」

junk「俺は一度だけあるが、厳重に安全対策がされていたよ」

文香「それは貴重なご体験ですね。普段は入ることのできない場所故に、そこは身近にフィクションが存在できる場所なのかもしれませんね」

加蓮「合ってた!」

junk「おめでとう」

加蓮「でも、謎が残って終わって、少しすっきりしないね?」

奈緒「まぁ、これからのチュートリアルみたいなものだから、仕方がないさ」

文香「なるほど……アニメではこのように描かれていたのですね」

志希「他の推理ものと比べるとアニメはトリックが少し弱いところがありましたが、何だかんだで今でも好きな作品です」

奈緒「あたしも。何となく思い出って感じのアニメだし」

志希「ただ主人公の兄は大っ嫌いですが」

奈緒「よく分かんない人だけど、失踪してしまったから可哀想って感覚だけどな」

志希「あ、いえ、これは個人的な、……同族嫌悪的な感情です」

奈緒(アニメよりも橘の謎を追いたくなるのは、あたしだけか?)




junk「あっと言う間だったな」

加蓮「三本とも面白かったよー!」

文香「皆さんと意見を言い合いながら、何かを見るのも良いものですね」

志希「私も漫画喫茶でこのような体験ができるとは思っていませんでしたので、とても良かったです」

奈緒(皆、喜んでくれているな……)

奈緒「……何かさ、これって夢だったんだよ」

志希「夢、ですか?」

奈緒「誰かと実際に、一緒にアニメを見て、その感情を共有して、そんな当たり前にできそうなことを、あたしはできなかったから……」

奈緒(自分はオタクだと言う認識。他人とアニメについて語ってはいけないと言う自己ルール。それにずっと縛られてきたから)

奈緒(そんなあたしでも、チャットではスムーズにアニメの話ができたし、楽しかった。でも、やっぱり実際にリアルで皆と実行するとさ、ああ、つまりはこう言うことなんだ──)

奈緒「最高だった……うん! 最高だった。皆、ありがとな」

文香「こちらこそ、このように素敵な時間をありがとうございます。また、一緒にアニメを見ましょう」

junk「ああ。こうして知り合えたんだ。今日のオフ会に終わりは来るけど、また機会はあるさ」

志希「ですね。何でしたら、もう一本、延長してアニメを見ていきますか?」

奈緒「いや、流石に時間もあるしな。でも、嬉しいよ。その時はよろしくな」

junk「ああ、もちろんだ」

加蓮「あれ……? もしかして締めの雰囲気?」




奈緒「いや、締めは加蓮だろ? 期待しているぞ」

加蓮「重いよ! この状況だと、凄いプレッシャーが重いから!」

junk「そんなに緊張しなくても大丈夫だ。皆で好き勝手に歌って、盛り上がって、最後は解散すれば良いんだ」

加蓮「だから、それ自体がプレッシャーなんだって」

文香「カラオケ、楽しみです」

junk「実はfumi2はカラオケが初らしい」

奈緒「え? マジで?」

junk「はい。お仕事で似たことはしますが、カラオケという施設を訪れるのは初めてになります」

加蓮「本当はfumi2さんのお仕事の方が何倍も凄くて、普通は体験できないけどね。……とにかく、皆の期待は引き受けました! 皆、着いて来ーい!」

奈緒「その前に漫画喫茶をチェックアウトな」

奈緒(それぞれがグラスを返却口に返して、精算をやりたがったfumi2さんに支払いを任せて、終わったところで皆で外に出た)

奈緒(久しぶりの自然光が眩しかった。そして、加蓮を先頭に、最後の目的地、カラオケへとあたしたちは向かう)



ここまで。結局、メンバーの思い出のアニメになりました

皆さんの挙げたアニメをチャットメンバーで見るのも楽しそうですね(何人か加蓮にまたトラウマを植え付けようとしているような……)

あるあるですね。windowsも2000(とMe)の時代だった……

スパイラルの話題が多いと前スレ初期を思い出しますね

仮眠のつもりが熟睡していたので、ちょっとだけ投下


加蓮「もう、夕方だねー」

奈緒「季節のせいだろうけど、まだまだ昼って感じの空だよな」

junk「良い感じの時間配分になったようだな」

加蓮「それじゃあ、カラオケは四時間歌っちゃおう!」

奈緒「長すぎるだろ!」

junk「俺としても暗くなる前に帰したいから、とりあえず一時間にしておいてくれ。もっと歌いたい場合は延長しても良いから」

加蓮「はーい」


文香「……このような時間は初めてかもしれません」

志希「……私もです」

文香「……少し皆さんと離れてしまいましたね。……私一人だけです。踏み込んでいただいても構いませんよ?」

志希「……そうですね。お言葉に甘えようかな」

文香「はい」

志希「……ああ、何から話したら良いのか……そう、人と接していて、怖い、って感じたのは皆が初めてになると思う。もちろん、皆良い人だって知っているから、そこに問題はあるはずがない」

志希「問題があるのは、あたし。何もかもをぶち壊して、平気な顔をして、疎まれ続けて、それを当然と思ってきた、そんなあたしが、怖かった」

志希「大切だったから、嫌われたくないって思ったから! そんなの初めての感情だったから……。だから、土壇場で怖気づいた」

文香「……私は、strawberryさんが大好きです。こんな私でも、とても慕ってくださるあなたを、誰が嫌いになれますか?」

志希「な……」

文香「そして、strawberryさんは間違いなく、一ノ瀬志希さんです。だから、私は一ノ瀬志希さんが大好きです。……論破、でしょうか?」

志希「……はい、……論破されちゃった……」


奈緒(凄い良い話が繰り広げられているけど、だから聞こえているんだって! あれ? もしかして、あたしの耳が良すぎるだけなのか?)




奈緒「……普通のカラオケ店に普通に入ったな」

加蓮「カラオケに特別なんてないよ? あ、でも、ここの機械はアニメの曲が多めだって、店員の人が言っていたよ」

奈緒「でかした!」

文香「これが、カラオケルームと言うものなのでしょうか」

志希「だね。この絶妙な暗さがお昼寝に良いんだよね~」

junk「橘、飲み物は何にする?」

志希「ミネラルウォーター。あ、軟水で」

junk「なんだかガチで歌う時の飲み物がきたな……」

奈緒(……どうやら、橘は一ノ瀬志希に戻れたようだな)

加蓮「アタシ、微炭酸のオレンジ。橘ちゃんの水で割るの」

志希「関節キスかにゃ~」

加蓮「しちゃう? アタシと」

志希「キスは、海外では挨拶なんだよね」

加蓮「ふふっ」

志希「あはは」

junk「なんでテンションがアルコール入った時みたいなんだよ……。まぁ、良いか」

奈緒(まぁ、加蓮も、当然junkも気付いているか。……楽しめよ、橘)




加蓮「誰から行く?」

志希「よ! あんたが大将!」

加蓮「仕方がないなー。そう言われちゃ、行かないわけにいかないなぁ」

奈緒「歌いたかったんだろ。存分に行けよ」

加蓮「一番隊隊長、北条加蓮行きます!」

junk「やっぱり、アルコール入っているだろ……」

文香「……」

奈緒(fumi2さんはあの数字が書かれているカラオケの分厚い本とにらめっこ中だ。初めてだと、そうなるよな)

~♪

奈緒(加蓮の曲か。アタシにはよく分からない曲の予感が……なん、だと……!?)

加蓮「I feel my wind.I feel my shine.空に~♪」

奈緒「戦車のオープニングじゃねえか!? いつ、どこで覚えてきた!?」

加蓮「──Bright way~。歌を覚えたのは最近。皆知ってそうなの選んでみました」

志希「きゃー! 加蓮さん、素敵ー」

文香「なるほど、歌詞が出るのですね。……加蓮さん、素敵ー」

junk「無理して橘の真似をしなくても良いんだぞ?」

文香「……これが流儀だと判断しました」

junk「……北条さん、すてきー」

加蓮「ありがと! ありがとうー! カラオケ、頑張ります!」

奈緒(アニメの主人公の声真似まですんのかよ!? サービス精神旺盛過ぎるだろ……)



ここまで

蛍火歌わせても良かったけど、あれは締めの曲っぽいのでこっちに

他スレに誤爆って、どんな内容だったんだ……

何だかjunkが変な期待をされていますが、投下していきます


加蓮「~♪」

奈緒(おぉ、フルは初めて聞いたな)

加蓮「いやー、普段ヒトカラ多いから、人前で歌うのって気持ち良いね!」

志希「ブラボー! キャー、加蓮さん!」

加蓮「ありがとう! ああ、ありがとー」

奈緒「誰も居ないところにまで手を振りまくなよ……」

加蓮「え? 奈緒には見えないの?」

志希「まさか、奈緒さん……?」

奈緒「怖いこと言うのは止めろよな!」

加蓮「次は誰行く?」

奈緒「ほ、本当に誰も居ないんだよな……?」

junk「少なくとも俺には見えないな」

奈緒「だ、だよな!」

文香「見えると言うお噂の白坂さんにお願いするべきでしょうか?」

junk「……ガチになるからやめておけ」

奈緒「本物の霊能力者の話なのか!?」

志希「ごめんごめん、誰も居ないって。それじゃあ、二番手行きまーす」

加蓮「キャー、橘ちゃん!」

奈緒(橘のことだから、文香さんの持ち歌でも歌うのか?)




~♪

文香「……この曲は」

junk「へぇ、『in fact』で来たか」

加蓮「橘ありすさんの持ち歌!」

奈緒「良い感じの入りだな」

志希「本当の私を、誰も知らない。ざわめく街でいつも一人だった」

奈緒(歌詞が少し暗い曲なのか?)

志希「だけどね、あなたはあなたたちだけは、いつでも目をそらさず見つめてくれた」

奈緒(そう歌って、橘はあたしたちを見回した。そして、歌に戻っていく。……もしかしたら、この歌詞が橘、なのか……?)

加蓮「……『たち』だって」

文香「……」

junk「おい、fumi2。泣くなよ?」

文香「……はい」

奈緒(隣でそういう会話されると、こっちも何だか目が潤んでくるから、止めてくれ……)

志希「言われる一人でも、平気そうだと。そんなわけないよ、言い返さないけど」

奈緒(それにしてもグサグサくる歌詞だな。ぼっち気質のあたしには致命傷だぞ?)




~♪

志希「あなたたちだけ特別なのは……今なら分かるよ」

奈緒(曲が終わる。モニターを見て入れば、あえて橘の変えた言葉が分かって、それがどうにもいじらしい)

志希「ご清聴ありがとうございました。にゃはは、ちょっと暗い曲だったかにゃー」

junk「……良かったさ」

fumi2「……」パチパチパチ

加蓮「……何だかすっごい、橘ちゃんの歌声と合っていて、最高だったよ!」

奈緒(何故か加蓮にもみくちゃにされる橘)

志希「うわ、なにこれ!? 恥ずかしい」カァッ

奈緒「顔が真っ赤な橘を見るのも新鮮だと、あたしは心の中で呟いた」

志希「声に出ているよ!?」

加蓮「アタシは心の中でひっそりとそれに同意するのだった」

志希「だから、声!? ……うん、分かってた。わざとなんだよねー」ガックシ

junk「うちの一ノ瀬をいじめるのは止めていただけますか」

志希「junkさん!」

加蓮「じゃれあいです」

junk「なら良し」

志希「junkさん!?」

文香「ふふっ」

奈緒(まぁ、暗い雰囲気はあたしたちに似合わないからな)




奈緒「次は誰が行くんだ?」

加蓮「普通、こういうのって歌っている間に入力しておくよね?」

junk「……ごめん、カラオケそんなに行かないから」

文香「……ごめんなさい。この本がとても厚くて、探すのに苦戦してしまいました」

奈緒「……そう言うものなのか……」

志希「あ、あたしも普段居眠りしにしか来ないからね、ね!」

加蓮「……ごめん。アタシが無遠慮だった……」

奈緒(何、この暗い雰囲気!? さっき似合わないからなとか言ってしまったんだけど!)

奈緒「……分かった。あたしが行く」

加蓮「キャー、奈緒、素敵!」

junk「よし今だfumi2、今のうちに曲を探すぞ!」

文香「はい! junkさん!」

奈緒「二人とも曲すらまだ決めていなかったのかよ……」

志希「奈緒さんは何を歌うのです?」

奈緒「たまに橘方面に戻るな、お前。とりあえず、あたしはこれだ」

志希「youの知らないstoryですね」

奈緒「どこの芸能人だよ!?」




junk「神谷さんは期待を裏切らないな」

奈緒「ほっとけよ! あと、今更だし、割とどうでも良いけど、奈緒さんって呼ぶよって言われてから呼ばれていない気がするんだが?」

junk「奈緒さん」

奈緒「……あー、やっぱり違和感が。良いよ、好きに呼んでくれ」

junk「それじゃあ、さっきまで通りで神谷さんで」

加蓮「ほら、始まっちゃうよ」

~♪

奈緒「お、おう。……いつも通りのある日のこと~♪」

文香「奈緒さんの定番の曲なのですか?」

junk「神谷さんって言うか、アニソンの定番だな」

志希「あたしの調べによると、アニソン目当てで入る団体客なら一回は必ず歌うらしいよ~」

junk「いつ、どこで調べたんだよ」

文香「……意外に難しい曲のようですね」

junk「普通に歌うと、高い音が続かないだろうな」

奈緒「どうしたい、言ってごらん。心の声がする」

志希「流石に歌い慣れているかな?」

junk「ああ。上手いな」

加蓮「奈緒もアイドルやれば良いのに……」ボソ




~♪

奈緒「無邪気な声でー♪」

奈緒(うおっ! 久しぶりに歌ったけど、結構キツイ。何とか最後まで来たけど、これは)

奈緒「……はぁっ、しんどかった!」

加蓮「キャー、奈緒!」

奈緒「……最早定番だな」

志希「奈緒さん、素敵ー! ハスハスさせて~」

奈緒「なんだよ、ハスハスって? 怖いからやだよ」

junk「いや、冗談なしに上手かったぞ。あの曲を歌いきれるのは、中々凄いことだ」

奈緒「……照れるな」

fumi2「素晴らしい歌声でした」ペラペラ

奈緒「まだ、曲決めていないんだな……」

junk「そんなわけで、次は俺だ」

加蓮「キャー、junkさん!」

奈緒「何、歌うんだ?」

junk「蒼いやつ?」

奈緒「それ、最近凛がカバーした曲! え、マジで歌うの?」

junk「あれは男には無理だ。俺が歌うのはこれだよ」

志希「意外なところ来たね」

奈緒「確かにアニソンだけど……ああ、歌いやすいのか」

junk「そういうことだ。歌うのはお前らの前くらいだから、体裁なんて必要ないだろ?」



ここまで

体裁とか関係なく意外と定番な曲な気がします

結構気を遣って書いていたつもりだけど、何も書かないと伝わらないと思って歌詞を書いてしまっていましたね……ごめんなさい
ごく短いフレーズなら抵触しないそうではありますが、ルール違反になるようならこのまま落とした方が良いのかな

皆さんのお言葉に甘えて、続きを投下させていただきます

誤爆してもスレのノリが良いと嬉しいですよね。特撮関係いきたいところもありますが、このfumi2だと関連性が難しくて……
X関係は名曲ですが、今回はjunkが一応サラリーマンであることを思わせる選曲となっています


~♪

奈緒「ヤバイ。この前奏、わくわくする」

志希「旅に出たくなるよね」

junk「さらばー地球よー」

加蓮「上手い! でも、junkさんの世代じゃないよね?」

奈緒「地球は青かった。名曲に年代は関係ないんだよ」

志希「なかなかフルって聞く機会ないけど、良いね~」

加蓮「懐かしのアニメ特集くらいでしか聞かないもんね」

奈緒「……リメイク版もあるけど、この曲で盛り上がれる女子高生って何なんだろう、と考えるのは負けか? って、女子大生のfumi2さんは?」

奈緒(さっきから一人だけ会話に参加していないような)

文香「素晴らしい歌声です」ペラペラ

加蓮「ああ、やっぱり、曲で悩んでいたんだね」

志希「fumi2さん、気軽にで、良いんですよ?」

奈緒「この際、持ち歌でも良いんじゃないか?」

奈緒(プロの本人が自分の曲を歌うのは反則くさいが)

文香「いえ。それは鷺沢文香の曲ですので、fumi2が歌うのには適しません」

加蓮「おぉー」

奈緒(流石、今日はfumi2で居ると宣言しただけのことはあるな。……それなら、あとは本人が決めるのを待つだけだな)




junk「ふー。久しぶりに歌ったな」

加蓮「ブラボー! junkさん」

奈緒「うん、良かった」

志希「低音がたまらなかったね~」パチパチパチ

junk「まぁ、何だ。好評なようで何よりだ。……部長辺りには受けが良いんだが、若い子相手になるとどうにもな」

奈緒「でも、サラリーマン辺りのカラオケだったら定番じゃないのか? よく分からないけど」

junk「さっきも言ったが、サラリーマンと言うかおじ様世代だったら定番だな。だけど、女性や若い子が混じると結構気を遣うんだよ」

加蓮「だから、体裁の話が出たんだね。確かに、アタシたちだと歌わないかな」

志希「うーん、そう言う流行は分かんないね」

文香「……やはりこれしかありません」

junk「決まったか、fumi2?」

文香「はい。……本当は最近の流行に乗ってみたかったのですが……」

加蓮「カラオケは好きなのを歌うのが一番だよ」

文香「はい。そのお言葉に甘えようと思います」

志希「fumi2さんの歌声を生で聞けるなんて……ああ、これが天国なのですね……」

奈緒「そのくだり、サイン辺りの時にあたしと加蓮でやったから」

志希「ネタ被りはよくないね~」

junk「お前は芸人なのか? ……いや、そういう路線も……」

加蓮「こらこら、こんなところで仕事の話を持って来ない」

志希「……あたし、今危なかった?」

奈緒「輿水幸子の再来になるところだったな」




文香「行きます!」

加蓮「よっ、待ってました!」

~♪

奈緒「くっ、この胸に響く曲は!?」

文香「大きなのっぽの~♪」

志希「美しい……何て美しい歌声……!」

junk「……そう言えば、fumi2の実家には柱時計があると言っていたな」

加蓮「綺麗……。柱時計って歌に出てくる時計のこと?」

junk「ああ。ゼンマイを巻く必要がある古いタイプの時計だな。今のデジタル時計は精確で良いんだが、ああいう時計も風情があって良いものだ」

奈緒「実物って見たことないな」

junk「神谷さんたちの世代には、中々縁のないものだろうな。だからこそ、fumi2にとっては印象深かったのかもしれない」

志希「思い出の曲なのですね」

junk「そうだな。それに、童謡って言うのもたまには良いものさ」

奈緒「荒岩さんが親になると童謡の良さがさらによく分かるって言ってたもんな」

加蓮「荒岩さんって誰!?」

志希「料理上手なお父さんです」

junk「親になると、と言う部分を最近訂正していたな」

加蓮「皆、知っている人なの!?」

奈緒「今度貸してやるよ。百巻以上出ているから覚悟しろよ?」

加蓮「漫画の話だった!」




~♪

文香「ふぅ……」

志希「今の吐息、色っぽかったです!」

奈緒「少し黙っていような」

加蓮「ビューティフォー! fumi2さん!」

junk「良かったぞ。……今度カバーを頼んでみるか?」

奈緒「だから、お前は仕事から離れろよ。良かったよ、fumi2さん」

文香「……本当は童謡にしないつもりでしたが、やはりこれしかありませんでした」

加蓮「そう言えば、前にちらっと言っていたけど、そんなことは気にすることないよ? 本当に良かったし」

志希「……このメンバーで変な気遣いはいらない、そうあたしは教えてもらったと思ったんだけどなー」

文香「……そうでしたね。strawberryさんの言う通りです。……私は何に拘っていたのでしょう……」

junk「仕方がないさ。当時カラオケに行ったことのない理由が最近の歌に疎いからだろ? 若干トラウマになっていたのさ」

奈緒(そっか。fumi2さんも大学生だ。カラオケに誘われることだってあるだろう。それなのに今日が初めてってことはそこに理由があったんだ)

加蓮「……人それぞれ事情を抱えているんだね。でも、今日はそういうわだかまりなく、アタシは居られて、幸せだよ」

奈緒「加蓮は楽しめたのか?」

加蓮「何言ってるの? 今言ったでしょ? 幸せだよって。だから、当然楽しめているに決まってるじゃん?」

奈緒「……そっか。なら、あたしも憂いなしだな」

奈緒(あの日聞いてしまった話は、もう忘れてしまった方が良いのかもな)




junk「まだ時間はあるな。もう一週行くか?」

加蓮「当然!」

奈緒「今度はリクエストしても良いか?」

志希「それは良いアイデアだね。あたしはjunkさんに、サイエンス忍法ファイアバードの歌を歌って欲しいなー」

junk「まぁ、歌えないことはないな」

奈緒「だから、何で橘は微妙な英語を使うんだよ……。あたしはfumi2さんのこいかぜを聞いてみたい。何となく初めて会った時から、あの歌のイメージがあったんだよな。歌える?」

文香「楓さんのこいかぜですか? ……到底本人には及びませんが、歌詞は把握しております」

加蓮「やったー! 聞きたい聞きたい!」

文香「下手ですよ? 良いのですか?」

志希「fumi2さん。そう言うのが良いんだよ」

文香「……そうなのですね」

加蓮「アタシは奈緒に姉様のオープニング歌って欲しいな」

奈緒「あれはデュエットじゃないか?」

加蓮「それなら、アタシも歌う」

奈緒「マジでか!? よし、それなら良いぞ」

奈緒(皆好き勝手なことを言って、好き勝手に歌った。その結果がどうなったって?)

奈緒・加蓮・志希『最高ー!』

junk「……もうちょっと時間延長が必要か?」

文香「はい、そうですね」クスッ



オフ会編もようやく終盤です

終わると次は番外編。チャットメンバーは事前に告知済みですが、ちょっとサプライズあると思います


加蓮「いやー、歌った歌った」

junk「……はぁ。暗くなってきたな」

奈緒「加蓮、延長しまくりだろ……」

志希「それにのったあたしたちも居るけどね~」

文香「本当に今日は良い一日でした」

加蓮「だね。今日を一言で表すとそれだよ」

奈緒「……オフ会って良いものなんだな」

志希「同意です」

junk「確かにこれだけ遊んだ日なんて、ここ数年の記憶にはないな」

加蓮「オフ会、大成功だね」

文香「幹事のjunkさん、お疲れ様でした」

志希「ありがとうね、junkさん」

奈緒「何だかんだで影の功労者だもんな。ほんとサンキューな」

junk「……面と向かって言われるとなんと言うかアレだな。だが、オフ会は帰るまでがオフ会だ」

奈緒「遠足かよ!?」

junk「時間も時間だ。全員、送るよ」

奈緒「え、マジで?」




junk「流石に、薄暗くなっているところを一人で帰らせるわけにはいかないだろ?」

加蓮「そっか。よろしく、junkさん」

奈緒「軽いな!?」

加蓮「だって、親にはもう挨拶が済んでいるし」

奈緒「別の意味に聞こえないか、それ?」

junk「fumi2と一ノ瀬さんは最後に寮まで送るから、高校生二人組に少し付き合ってくれ」

志希「了解ー」

文香「いつも申し訳ありません」

奈緒「え、皆乗り気なのか? あたしは良いよ。恥ずかしいし」

junk「俺にも立場があるんだよ。せめて家の前までは送らせてくれ」

奈緒「いや、保護者同伴みたいで本当に恥ずかしいから勘弁」

加蓮「奈緒はツンデレだから、オッケーってことだよ」

奈緒「そんな意味は全く込めてないから! あと、ツンデレじゃないし」

junk「はぁ、仕方がない奴だな。それじゃあ、fumi2、何とか送ってやってくれ」

文香「かしこまりました」

奈緒「まぁ、fumi2さんなら、何とか」

junk「俺はその後を離れて着いて行くから」

奈緒「結局、来るのかよ!?」




奈緒(junkの言いたいことは大体察してはいる。この中で成人しているのはjunk一人だけ。だから、その行動が直接あたしたちへの責任になるのだろう)

奈緒(律儀にそれをjunkは果たそうとしているんだ。……今時、小学生でも塾帰りでこんな時間は歩いているんだけどな)

加蓮「それじゃあ、まずはこっから近い奈緒の家だね。ゴー!」

奈緒(無理やり押し切られる形で、結局全員があたしの家に着いて来ることになった)

奈緒「これはお茶でもご馳走するべきなのか……?」

junk「そんなのは必要ないって。とにかく無事に帰ってくれればそれで良し」

加蓮「でも、これjunkさんじゃないと、事案だよね?」

junk「……その辺りの距離感は流石にわきまえているさ。あと、その言葉、今時の成人男性には心臓に悪いからやめてくれ」

文香「junkさんは、いつも責任が強いので、たまに心配になります」

junk「社会に出れば、責任なんて何にでも付きまとうものだ。気にすることではないな」

志希「junkさんも結構ツンデレだよねー」

junk「ツンデレは神谷さんだけで十分だ」

奈緒「だから、あたしをツンデレにすんな!」

加蓮「ふふっ……これ、オフ会の解散するところなんだよね?」

志希「なんと言うか、チャットの中と同じ日常の一場面と言う感じかな」

junk「それはそうだろ? オフ会は解散になっても、全員が近場に居て、交流を持とうと思えば持てる関係でもある。何より、チャットはいつも通り続けているしな」

文香「……故に、これが私たち流の解散なのですね」

junk「ああ。それが俺たちらしいからな」




*benioさんが入室しました

benio:本当にお前ら、全員私の家の前まで来やがって……

junk:無事に家まで着けたようで安心したぞ

benio:家に入るところまで確認していただろ!

karen:junkさん、うちの親と結構長い時間お話ししていたよね

benio:え? お前ら結婚でもする気なのか?

junk:担当アイドルになる奴と結婚なんてするわけないだろ……

karen:まぁね。うちのkarenがお世話になりまして~いえいえ~的な会話だよ

strawberry:振られちゃったね、junkさん

junk:お前はログをちゃんと読め

benio:お、橘はこっちでも素を出せるようになったんだな

strawberry:橘モードも行けますよ

benio:多芸になっただけだったか……

fumi2:元々strawberryさんは多芸でしたね。

benio:そう言えば、そうだな

strawberry:カワイイボクです!

benio:事ある度に輿水幸子を出してくるな!




karen:いやー、それにしても今日は楽しかったね

strawberry:はい、ボクも大満足でした!

benio:橘は橘か素かどっちかにしろ!

strawberry:benioさん、良い匂い~。ハスハスしちゃう~

benio:かと言って、欲望丸出しにすんな!

junk:突っ込み疲れそうだな?

benio:お前も突っ込み手伝ってくれよ!

karen:まぁまぁ、こんな感じで今日benioも興奮冷め止まずで、テンション高いんだよねー

fumi2:私も今日はテンションが高いです。

benio:(どうしよう、一切伝わってこない)

fumi2:(そうでしょうか?)

benio:!?

junk:確かにfumi2のテンションがいつもと違う気がするな

strawberry:そうですね。……ああ、古書店のコーヒーの香りが本当に恋しいな~

karen:もう恋しいんだ!? あたしはさっきのことのように思い出せる感じかな

benio:橘はすでに常連になる気全開だったからな

junk:あそこはコーヒーもそうだが、何気なく希少本が多かったから、時間のある時に俺も行ってみようと思っている

fumi2:流石はjunkさん、目の付け所が素晴らしいです。




benio:へぇー。普段ラノベくらいしか小説は読まないから分かんなかったな

junk:ラノベ棚もあったぞ?

benio:マジかよ!?

strawberry:確かにありましたね。店主の多趣味さが見て取れた気がします

karen:皆、ちゃんと見ていたんだね

junk:それが本好きの性だからな

fumi2:時間を潰すつもりで、少し本屋に行ったつもりが数時間は知らずに経っています。

benio:それは流石にどうなんだ……?

junk:fumi2はある種の病気だから、あまり触れないでやってくれ

fumi2:(><)

strawberry:かわいい

karen:かわいい

benio:え? fumi2さんが顔文字を使った、だと……?

junk:本当にテンション高いな……。俺は図書館で橘に負けたのが印象的と言えば、印象的だった

karen:よく分かんなかったけど、junkさん負けちゃったもんね

benio:まさか無敗の帝王がな

junk:いや、公式で結構な数負けているからな。だが、それとは別に橘のキャラクターが強かったんだよ

strawberry:てれてれ

benio:絶対、橘の奴、にやけていやがるぞ




strawberry:振り返ると、あたしがありすちゃんに出会った時から続けているから、ほんと苦節って感じだったね

benio:そう言えば、原点だって言っていたもんな。……なんであのゲームが原点になるんだ、とは思うが

strawberry:ありすちゃんと初めて会った時に、彼女があのゲームをプレイしていたんだよね~

benio:まさか、橘ありすさんもプレイヤーなのか!?

strawberry:クソゲーだって言ってやめちゃったけどね

benio:あれ、何だろう、この好感度の下がり具合は

karen:いや、あのゲームは人によりけりだよ、本当に

strawberry:でも、それに入れ替わるようにあたしがゲームを続けて、……それで今日まで来た。本当に人生何がきっかけになるか分からないものだね

fumi2:……私の人生も似たようなものです。

junk:まぁ、何にしろ、橘の努力は結果を出したんだ。それは胸に誇って良い

strawberry:やっほーい!

karen:橘ちゃんもテンション高いね。……あたしはやっぱりカラオケかな、一番印象に残っているのは。あ、もちろん、橘ありすさんも最高だったけど!

benio:サインも貰ったしな。カラオケは選曲に個性が表れていたよな

junk:後半の、隙あらば歌に乱入を繰り返すkaren&橘が脅威だったな……

benio:お前らのレパートリーが怖かったよ

karen:てへ

strawberry:せっかくの機会だったからね。全員とデュエットやれて良かったよ~




fumi2:私は楓さんのこいかぜがとても難しかったです。

karen:でも、すっごい上手かったよ?

benio:ああ、流石はfumi2さんだって思ったな

junk:fumi2に戦隊ものを選曲した奴は結局誰だったんだ? たまたま他のアニメ関係で歌詞を知っていたから歌えてはいたが

strawberry:あれは良かったよねー。でも、あたしじゃないよ?

karen:あたしも違うよ

benio:その発想自体なかったしな

junk:え? 俺も違うぞ

strawberry:……やはり、白坂さんをお呼びするべきでしょうか?

benio:何でホラーになってんだよ!?

karen:こわいよー

strawberry:たすけてー

benio:犯人、お前らのどっちかだろ

fumi2:私は、三船食堂のお料理が素晴らしかったと思います。

karen:美味しかったよね

strawberry:ああいうのが、家庭の味って言うのかな?

benio:絶品だったな。……個人的には依田さんのアルバイト魂に対抗心が

strawberry:あたしも彼女にはちょっと興味あるかな

junk:個人的には、二人ともアイドルの素質があるように思うんだがな

fumi2:……junkさんのお考えは、実は察していました。




benio:え、アイドルに誘ってんの?

junk:店持っている人に軽はずみなことはできないさ

karen:二人とも良いアイドルになると思うよ。こう、アイドルファンの勘的に

benio:何だか、知り合いがどんどんアイドルになっていきそうだな……。私は、やっぱり漫画喫茶で、皆でアニメ観たのが印象深かった

junk:夢だったんだよな?

benio:ああ。叶って嬉しかったし、実際に感想言いあえて凄い楽しかった!

karen:これからはあたしもbenioがアニメ見る時、付き合ってあげるね

benio:おお、karenが見れそうなの用意しておく。……学校とか、勇者とか

junk:またトラウマを植え付ける気か

karen:先輩みたいなのはやだよ? あと、学校は漫画で読んだから内容知ってる

benio:そう言えば、さり気なくうちの本棚漁って読んでたな

karen:あ、junkさん。今日のアニメの続き、今度貸してね

junk:今度会う時に持ってくるか

fumi2:もしお時間が合いましたら、私もご一緒に視聴してもよろしいでしょうか?

karen:うん、一緒に観よう!


奈緒(思い出話は尽きることなく、どんどん続いていく)

奈緒(最高に楽しかったオフ会。そして、日常の中のチャット)

奈緒(あたしたちはこれからも、そんな日々を送っていくんだろうな……)

奈緒(こんな素敵な仲間と会わせてくれてありがとう。そして、これからもよろしくな)



                                    終わり






これにてオフ会編は終了です。前スレとは書き方が異なっていたため、かなり読みづらくなっていたかと思いますが、ここまでお付き合いいただき誠にありがとうございます

引き続き番外編にもお付き合いいただけましたら幸いです。こちらは前スレと似たノリになるかと思います

次の投下は一日空けてからの予定です


チャットを待っていた方はお待たせいたしました。ある意味ではここから本番になります

先行版と重複する部分はサクサク投下していきます

いつもと少し違うメンバーでのチャット、始まります




神谷奈緒「チャット」番外編






*346プロダクション社内

奈緒「しっかし、広い会社だよな?」

加蓮「さっきエステルームまであったよ?」

奈緒「流石、アイドル事務所だな」

加蓮「大企業だもんね」

奈緒「ん? ここは休憩室か?」

少女「……」カキカキ

加蓮「あ、あれ! 輿水幸子!」

奈緒「あ、マジだ!」

幸子「おや? どこからかカワイイボクを呼ぶ声が」

奈緒「おい、加蓮のせいで休憩中に邪魔したじゃないか!」

加蓮「奈緒の声も大きかったよ!」

幸子「いえいえ、大丈夫ですよ。良かったら、入ってきてください」

奈緒「なんかすみません……」

加蓮「サインください!」シキシデス

奈緒「おい、加蓮!」

幸子「ふふっ。良いですよ」カキカキ

幸子「どうぞ」

加蓮「わぁっ! 大切にします! ありがとうございます!」

幸子「喜んでいただけたようで何よりです」ニッコリ

奈緒(滅茶苦茶良い人だな……)




加蓮「あの、幸子さんは何をしていたんですか?」

奈緒「あれ、もしかして、授業のノート?」

幸子「あ、これはお恥ずかしいところを。授業に遅れがちですので、ノートを清書しているところでした」

加蓮「ノートを清書、ですか?」

幸子「はい。どうしても授業中にノートをとると、板書を写すだけになってしまいますので、理解を深めるためにも再度ノートを整理することにしているんです」

奈緒「へぇー」

加蓮「それ、分かります! アタシも授業は遅れがちなので、後で友達からノートを借りて写すんですけど、ただ写すだけじゃ全然理解できていないんですよね」

幸子「分かってくれますか! いやいや、中々理解されない趣味なので、嬉しい限りです」

奈緒(え? 趣味なの?)

幸子「ところで、失礼ですが新人アイドルの方ですか?」

加蓮「は、はい……と言いたいところなんですが、今日はただの見学です」

奈緒「あたしは来週からここでアルバイトをすることになったから、その下見だ……です」

幸子「良いですよ、普段通りの話し方で。なるほど、見学なのですね。どうです、中々面白いところでしょう?」

加蓮「はい。普通の会社ではありえないんじゃないかなって施設ばかりで、凄いと思います」

幸子「ボクは別の事務所を見たこともありますが、ここまで設備が充実しているのはここくらいですね」

奈緒(そう言って、さわやかな笑顔で説明してくれる。……本当に良い人だな)




加蓮「あ、ごめんなさい。清書の邪魔をしてしまって」

幸子「いえ、手持ち無沙汰なだけでしたので。ボクの趣味を理解できる人とお話できただけでも、今日の出会いは素晴らしいものとなりました」

加蓮「……」ジーン

奈緒(あ、加蓮が感動している)

加蓮「アタシたちとチャットやりませんか?」

奈緒「加蓮!」

奈緒(何でいつもいつも唐突なことを言い始めるんだよ! 幸子さんに迷惑だろ!)

幸子「チャット、ですか? 良いですね!」

奈緒(乗ってきたし!?)

幸子「実は文香さんのプロデューサーさんにチャットルームを作ってもらいましたので、良ければそちらに招待しますよ?」

加蓮「え、junkさん?」

幸子「おや? プロデューサーさんのハンドルネームをご存じでしたか」

奈緒「……実はここを見学することになったのも、junkがチャットで提案してきたからなんだよ」

幸子「プロデューサーさんとチャットをされている方なのですか!? 文香さんも確か参加されていますよね?」

奈緒(もしかして、この会社では有名な話なのか? そう言えば、前にjunkが会社の許可とっているとか言っていたような……)




加蓮「はい。fumi2さんとはいつもお話させていただいています」

幸子「やっぱりそうでしたか。ああ、ボクもそっちに参加してみたいですが、ボクはボクで自分のチャットルームがあるので、そうもいきませんね」

奈緒「普通に参加しても良いんじゃないか?」

幸子「一応、ボクは別の部署ですからね。その辺りはわきまえています。ですが、こちらに参加していただくのは全然問題ありませんので、よろしければ」

奈緒(そう言って、幸子さんからチャットールームのアドレスとPassが書かれた紙をもらう)

加蓮「本当に参加しても良いんですか!?」

幸子「はい。ご遠慮なく参加ください。あ、ただチャットは毎週土日の夕方以降がメインとなりますので、それ以外は不在がちになることをご了承ください」

奈緒(そんなわけで、あたしたちは輿水幸子さんのチャットルームへの参加資格を得た)

幸子「またチャットでお会いしましょう。いつも応援ありがとうございます」

加蓮「はい! サイン、大切にします!」

奈緒(幸子さんは別れ際でも良い人だった)




*karenさんが入室しました

*benioさんが入室しました

karen:初めまして。karenと言います。よろしくお願いします

benio:karenの友達のbenioと申します。よろしくお願いいたします

kawaii:初めまして、kawaiiです。来てくれたんですね、ありがとうございます

benio:こちらこそお招きいただきありがとうございます

karen:サイン、本当にありがとうございました。大事に飾らせてもらっています

kawaii:いえいえ

robo:ふむ、kawaiiが誘った子か。私はroboと言う。どうぞよろしく

benio:はい、よろしくお願いいたします!

sse:sseです。よろしくね。二人とも、気楽にしてもらって大丈夫よ?

benio:了解←くらいの感じで良いのでしょうか?

robo:良い感じだと思うよ

sse:はい、気軽にいきましょう

karen:あたしもこんな感じで大丈夫?

kawaii:OKです。そして、カワイイボクです!

benio:唐突に突っ込んで来たな!

robo:その反応速度、君、突っ込み体質だね?

benio:うっ

robo:メンバー内でしっかりとした突っ込み役が不足していてね、改めて歓迎するよ




karen:あの、皆さんはお互いの正体を知っているんですか?

robo:私はkawaiiだけだね

sse:私もkawaiiさんだけですね

kawaii:ボクだけ、全員知っています。でも、benioさんとkarenさんにはあえてお名前を聞きませんでしたので、お二人はボクにとっての未知で、良い感じです

benio:そう言えばチャットに誘われた割に、名前には触れられなかったもんな

karen:あたしたちもkawaiiさんしか面識がないですよ

robo:互いに正体を知らずに接する。まさにチャットの醍醐味だね

sse:私、roboさんの正体に心当たりがあるのだけれど……

robo:ほぅ、それはきっと外れることだろう

sse:え? ロボットを作っている子よね?

robo:さぁ、どうかな?

benio:……橘的な感じだな

karen:だね

sse:ありすちゃんのこと?

benio:ええと、簡単に説明すると、私たちも別でチャットをしているんだけど、そこで苺を名乗る奴が居るんだ

benio:そいつは音声認識入力を使って、自分が橘ありすだって自爆した、と見せかけて実は全然違う奴だったってオチ

robo:なるほど、上手いことを行うものだ。是非とも真似させてもらおう

sse:高度な取り引きなのね

kawaii:ありすさんが聞いたら怒りそうな話ですね……




karen:実は橘ありすさんとはすでに面識があるんですけど、大丈夫な感じでした

robo:へぇ、彼女にしては珍しい

benio:橘ありすさんってどんなイメージなんだ? 会った感じだと良い人だったけど

kawaii:ありすさんですか。そうですね……。橘ですと言って名前呼びを嫌いますね

sse:そうだったかしら? 私は、文香さんと仲が良い印象があるわね

robo:意外なところに友人が居る子だね

karen:あ、そうでした。あたしたち、文香さんとは面識あります

sse:あら? そうなの?

kawaii:……これはボクから話してしまっても大丈夫なのでしょうか?

benio:大丈夫、ってか説明しておくと、文香さんとチャットをしている

robo:ああ、junkのところの

sse:junkさんね

karen:やっぱり有名なんだ、junkさん……

robo:何しろチャットルームを用意してくれたのが、彼だからね。今までチャットというものを使ったことがなかったが、いやいや実に興味深いものだよ

sse:Lineともまた違った感じで、私も新鮮に思いながら使っているわ

kawaii:ボクもこうして交流を増やすことができて満足しています

benio:もしかして、junkが用意したチャットって他にもあるのか?

kawaii:ありますよ。どのようなメンバーで行っているのかまでは掴めていませんが、密かに流行っているような話題を聞くことがあります

benio:……どっかで流行の最先端とか会話した記憶がよぎるな




karen:皆さんはいつもどんなお話をするんですか?

sse:特に決まっていないけれど、時間帯のせいか夕食の話題が多いかもしれないわね

kawaii:カワイイボクについてです!

robo:発明品のアイデアだね

benio:見事にバラバラだな!?

robo:良いね、その突っ込み。心地よい

karen:でも、あたしたちだってそんなもんでしょ?

benio:フリゲの話題

karen:あたしとfumi2さんがついていけない!

robo:ほぅ、フリゲは良いね。私はこれでもフリーゲーム数千と言う雑誌にゲームが載ったこともある

benio:え、ゲーム作れんの?

robo:ツールを使うからお手の物さ

benio:へー、何か尊敬するなぁ

kawaii:何やら難しいお話をしていますね

sse:私もゲームのことはちょっと苦手かしら

karen:ですよね! 分かってくれる人が居て良かった




*cppさんが入室しました

cpp:初めまして。cppと申します。この度はお招きいただき誠にありがとうございます

sse:あら? benioさん方だけではなかったのね

kawaii:はい。もう一人だけ招待させていただきました。どうぞ楽しんでいってください

cpp:ありがとうございます。私はコミュニケーション能力不足を実感していたところ、輿水さんにお誘いいただきました。これから治していけるよう努力していく所存です

kawaii:ボクのことはkawaiiでお願いします

cpp:これは大変失礼いたしました。何分このような場に慣れていないもので……。何卒お許し下さい

kawaii:いえ、ボクの正体は特に隠していませんので大丈夫ですよ

cpp:寛大なご返答誠にありがとうございます

karen:あはは、そんなにかしこまらなくても大丈夫だよ。さっきあたしも言われたばかりだけどね。よろしくね、cppさん

cpp:はい、よろしくお願いいたします

robo:ふむ。中々堅い人柄のようだね。私はroboと言う、よろしく

sse:……sseです。よろしくお願いします

benio:benioだ。私とkarenも今日から参加させてもらうから、cppと同じ立場だよ。仲良くやろうぜ

cpp:それは心強いですね。改めまして、よろしくお願いいたします




karen:──へぇー、cppさんも苦労しているんだね

cpp:いえ、自分の責任ですので、努力をするのは当たり前です

sse:……私、cppさんのことを見ていると、胸が落ち着かないわ

robo:それは恋だね

kawaii:恋ですか! おめでとうございます!

benio:一目惚れってやつか? 文字だけど

sse:いえ、私の想像が間違っていなければだけれど、多分知り合いなのよね……

robo:それは確かにドキドキしてくるね

benio:知り合いか、それは大変だよな

kawaii:全てを知っているボクはノーコメントを貫きます

karen:ふーん、cppさんってsseさんと知り合いなの?

cpp:申し訳ございません。どこかでお会いしているのかもしれませんが、見当がつきません

sse:いえ、良いんです。チャットは匿名で行うから楽しめる部分もありますから

cpp:なるほど。勉強になります

karen:正体が分かっても特別変わらないけどね

kawaii:流石junkさんのところの人ですね。その心意気は見習わないといけません

cpp:ああ、junkさんのところに居たのですね

benio:だから、junkの知名度おかしいだろ!



そんなわけで一部チャットメンバーを引き継いでの、新しいチャットの導入部でした

関係ないけど、昔フリゲ雑誌に2ページ自作ゲームの記事を書いたことがあったりなかったり

雑誌自体はフリゲが何回か載っているのですが、流石に記事依頼は初めてでしたね
ただ、4ページ割いている人とかも居たので、凄くはないです

こんな幸子もたまには良いかなと言う感じです

前スレ同様、それぞれの正体は変更不可ですので、誰が誰と言われても問題はないかな
話が進むとヒントも増えますので、robo以外は分かりやすいかと思います。次の投下辺りでsseも確定できるかと

確かに、高度な取り引きって何を扱っているんだか……
ゲームは宣伝になるので明かせませんが、その通りかなり人を選ぶ感じのやつです

今回の投下はあれのフラグ回収になります


*深夜・Lineグループ『りんなおかれん(3)』

rin:明日は休みだ、やっほい

加蓮:大丈夫? 凛、疲れていない?

rin:学校と仕事が同時に休みなのが久しぶりで、つい……

奈緒:それは、お疲れ様だな

rin:全然大丈夫。でも、おかげで深夜に時間を気にせずこうしてLineできるし

加蓮:夜更かしさいこー

奈緒:私は結構毎日なんだけど

rin:奈緒は不健康だね

加蓮:病気になったらキツイんだよ?

奈緒:やめろ、その言葉は私に効く

rin:今日も文香さんとチャットしていたの?

加蓮:今日は何と! 輿水幸子さんとチャットしていました!

rin:え、幸子までチャットやっているの?

奈緒:junkが広めて、凛のアイドル事務所で局地的ブームになっているらしい

rin:そう言えば、蘭子がそんな話していたかな

加蓮:ローゼンブルクエンゲル!

奈緒:私、あの子の言葉が今一よく分からないんだが

rin:仲間内でもみりあくらいだよ、完全に理解できているのは

奈緒:すげぇな!? そのみりあって子!




加蓮:それでね、幸子さん、凄い良い人だった

rin:幸子はリアクションで誤解されがちだけど、実際は凄い性格良いからね

奈緒:橘ありすさんも良い人だったな

rin:橘ありす、さん? とはまだ面識ないかな。でも、気難しいって話は聞くよ

加蓮:うーん、何でかな。今日もroboさんとsseさんで意見が違っていたし

奈緒:人の噂なんてそんなもんだろ? 私たちは見たままの橘ありすさんの印象でいれば良いんじゃないか?

加蓮:良いこと言うね!

rin:奈緒の言う通りだね

奈緒:やめろよ、照れる

rin:こうなってくると私も早いところパソコン買った方が良いかな?

加蓮:流行に乗り遅れるのは、地味に痛いよね

奈緒:本当にチャットが一部とは言え、流行になるなんてな……

rin:奈緒。明日もし暇だったら、電気屋に付き合ってくれる?

奈緒:ああ、良いぜ。良さそうなPCは前に目星付けておいたし

加蓮:流石奈緒、有能

奈緒:とは言っても、最近のパソコンなんてネットやるくらいならどれ買っても同じなんだがな

rin:ふーん、よく分からないけど、任せるね

加蓮:ついでに、あたしも着いて行くから

奈緒:はいはい。それじゃあ、明日と言うか今日、いつものところで待ち合わせな

加蓮:はーい

rin:うん。頼りにしているね




*午後・家電量販店(専売品販売もあり)

凛「電気屋に入ったのって久しぶり」

加蓮「アタシも。でも、ここって最安のお店じゃないよね?」

奈緒「なんでお前はそんな情報だけ知ってんだよ……。ここは交渉次第で最安の店よりも安くしてくれんだよ」

凛「そんな裏技が」

奈緒「世の中競争だからな。何か旨味がなければ売れないもんさ」

加蓮「へぇー。あ、サポート無料だって」

奈緒「それも旨味だな」

凛「それで、どのパソコンが良いの?」

奈緒「凛はどんなPCが欲しいんだ?」

凛「ネットできて、たまに動画見られればそれで良いかな」

奈緒「いや、それだとここにあるPCどれでも良いんだが」

加蓮「凛もアタシと同じでパナ製にする?」

奈緒「え、加蓮ってそんな高いPC使っていたのかよ!?」

加蓮「お父さんからもらった」

奈緒「なるほど。パナはビジネス用途だからな」

凛「加蓮のパソコンって高いの?」

奈緒「他のPCと比べると十万円くらい違うな」

加蓮「ひょえー」

奈緒「なんだよ、今の変な声」




凛「十万円も……。何が違うの?」

奈緒「ビジネス用である段階でそれなりなんだが、頑丈で持ち運びやすくて、何よりバッテリーの持ちが断トツで良い」

凛「……旅行に持っていきやすい?」

奈緒「ああ、良いと思う。ただ、弱点としてはグラフィック面や、人によっては音が貧弱に感じることもあるだろうな。あと、良くも悪くもシンプル」

凛「それじゃあ、それに決めようかな」

奈緒「良いのか? 値段が高いのは、懐具合だろうが、見た目もビジネスって感じだぞ?」

凛「ネットはできるんだよね?」

奈緒「それは大丈夫だ。無線自体は凛の家に設置済みらしいしな」

凛「それじゃあ、やっぱりそれで」

奈緒「まぁ、凛が良いって言うんだったら、あたしはこれ以上言わないけど」

加蓮「あ、この機種。アタシが使っているのと同系統だ」

奈緒「買うに決めたにしろ、一度触ってみると良いと思う。あとは細かい好みで型番を決めれば良いから」

凛「分かった」

加蓮「キーボードが打ちやすいんだよね」

凛「ほんとだ」

奈緒「3D全開のゲームとかはボードの関係で無理だろうな」

凛「何言っているのか全然分からない」




店員「お買い上げありがとうございました!」

加蓮「買っちゃったね」

凛「そんなに重くないね」

奈緒「……現金即決で、しかも持ち帰りかよ……」

凛「ポイント貯まったし、何か他にも買った方が良い?」

奈緒「うーん、結構貯まったんだよな? それなら、無線マウスと液晶の保護フィルムか? ブルーライトカットの」

凛「マウスはついていないの?」

奈緒「タッチパッドとかで対応できるから大体ついていないんだが、やっぱりマウスはあると便利だよ」

加蓮「無線ってすぐ電池なくならない?」

奈緒「最近の無線は平気で半年とか持つから大丈夫だ」

凛「それじゃあ、それも買っていこう」

奈緒「あたしの独断で良いのか?」

凛「良いよ。奈緒が選ぶものなら安心できるし」

奈緒「……責任重大だな」

加蓮「このボールついているやつは? 奈緒の家にあるよね」

奈緒「ああ、個人的には使いやすいマウスだけど、凛には普通のものが良いと思う。これとかどうだ?」

凛「青いマウスなんだ。良いと思うよ」

奈緒「あとは保護フィルムは……選択の余地はなしだな。ブルーライトカットはこれだけだし」

加蓮「確か目に優しくなるんだよね」




凛「まだポイント余っているね」

奈緒「PC買ったんだから、そんなもんか」

凛「他には何かある?」

奈緒「そう言えば、旅行とか言っていたけど、持ち運びも考えているんだよな?」

凛「うん。機会があれば持っていきたい」

奈緒「それなら、携帯用のPCバックだな」

加蓮「裸のままで持ち運ぶのは怖いもんね」

奈緒「これに関しては、大きさはこの辺りになるから、好きなものを選んで大丈夫だ」

凛「……何が違うの?」

奈緒「ポケット数とか、あとは耐衝撃に強いのもあるな」

凛「それじゃあ……これ?」

奈緒「衝撃に強くて、ポケットも最低限ついているやつだな。良いんじゃないか」

加蓮「可愛くはないけどね。あ、これとかキャラクターものだよ」

凛「可愛いとは思うけど、パソコンは機能性重視にしたいかな」

奈緒「何だかガチな人の意見がきたな。とりあえず、これで一回会計済ませるか」

凛「うん。余ったポイントは別の機会に使うよ」




凛「ごめん。二人にまで持ってもらって」

奈緒「PC持っている奴にこれ以上持たせられないだろ」

加蓮「そうそう。こんなの軽いもんだし」

奈緒「この後は当然、凛の家だよな?」

凛「うん。正直、説明書を見ても苦戦しそうだから、それも手伝ってもらえると助かるよ」

奈緒「乗った船だ。最後まで付き合うさ」

加蓮「きゃー、奈緒、素敵ー」

凛「ありがとう。お茶くらい出すからね」

奈緒「あんまり気を遣わなくても良いけどな。そう言えば、凛の家は初めてか」

加蓮「あ、そっか。いつも奈緒とは途中で別れて帰るもんね」

奈緒「確か花屋なんだよな」

凛「うん。うちの事務所でもよく利用してもらっているみたい」

加蓮「経済の循環を感じる」

奈緒「花屋の家にお邪魔するのって、なんか変な気分だな」

加蓮「分かるかも。そもそも、お店は買い物に行っても、奥まで入ることできないもんね」

凛「そんなものなのかな? あ、ハナコ居るよ」

奈緒「花子、確か犬だったか?」

凛「うん。きっと歓迎してくれるよ」




*凛の部屋

加蓮「ハナコ、奈緒に懐いていたね」

奈緒「なんて可愛い奴なんだ」

凛「うん、ハナコだし」

加蓮「やっぱり愛犬家なんだ……。凛のお母さんは今日も綺麗だったね」

凛「ありがとう。加蓮がお世辞言っていたって言っておくね」

加蓮「本心!」

奈緒「凛にやっぱり似ている感じだったな」

凛「正確には私が似ているんだけどね」

奈緒「それもそうか。……とりあえずは、パパッとパソコンの設定をしてしまうかな」

凛「うん、お願いします」

加蓮「アタシは役にたたないから、凛の漫画でも読んでいるね」

奈緒「……いや、まぁ、良いけど」

加蓮「あれ? 学校が最新刊まで揃ってる」

凛「続き気になったから」

奈緒「おお! あたしの家で読ませた甲斐があったな」テキパキ

加蓮「アニメにもなっているんだって。……奈緒、手つき良いね」

奈緒「別に普通だろ」




karen:そんなわけで、benioがあっと言う間にパソコンを設定してしまったのです!

robo:benio、私の助手にならないか?

benio:助手ってなんだよ……。それと、あれくらい普通だって

sse:いえ、羨ましいわ。私のこのパソコンだって弟に全部行ってもらったものだから

kawaii:弟さんがいらっしゃるのですか?

sse:ええ。男の子だからかしら、機械関係に強いわね

cpp:……benioさんとkarenさんは、渋谷凛さんとご友人なのですか?

karen:うん、友達だよ

benio:それほど長い付き合いではないけど、気が合うんだよな

cpp:そうでしたか

sse:凛ちゃんは、卯月ちゃんと未央ちゃん以外にもとても親しい友達がいたのね

karen:あれ? sseさんってもしかして凛の知り合いですか?

cpp:いつもお世話になっています

benio:あ、これはどうも。うちの凛をこれからもよろしくお願いします

karen:何だか世間が狭い気がする

robo:それは仕方がないことだろう。何しろ、ここにいるのは346の関係者しかいないのだからね

karen:皆、アイドルなんだよね……。そう思うとドキドキしてきた!

kawaii:カワイイボクはアイドルです!

benio:知ってる




sse:一応アイドルです

robo:一応アイドルかな

cpp:一応関係者です

benio:何で皆、自信がないんだよ!?

karen:アイドルの卵の予定です

kawaii:歓迎しますよ

robo:さぁ、懐に飛び込んで来い!

karen:えーい!

robo:ぐぼはぁっ!!

benio:ノリ良いな、おい!

robo;やはり君のその突っ込みはこのチャットに欠かせないね

benio:もっと違うことで褒められたかった!

cpp:これから渋谷さんもこちらのチャットに参加されるのですか?

benio:それは別に考えてなかったな

kawaii:そうですね。もしボクが凛さんとお会いして、そのようなお話しになりましたら、お誘いするかもしれませんね

karen:その時はお願いします。その前にこっちのチャットに引っ張っていくかもしれないけど

benio:それも良いかもな。とりあえずは凛がPCに慣れてからの話だけど




benio:あ、そうそう。火曜日からjunkの雑用としてそっちで働くので、よろしく

kawaii:お見掛けしましたら、お声がけさせていただきますね

sse:junkさんの部署にはあまり行かないとは思うけど、私も見かけたら声をかけるわね

robo:私はあえて声をかけない。その方がミステリアスだろう?

benio:二人ともよろしくな。roboは知らん

robo:あまり冷たくするとたくさんのロボをけしかけるかもしれないな

benio:よく分からないけど、怖えよ!

cpp:私はjunkさんとお会いする機会がありますので、その際にはよろしくお願いいたします

karen:へぇー、cppさんはjunkさんの関係者なんだ

cpp:関係者と言えば、そうですね

benio:マジでか。うちのjunkをよろしくな?

cpp:はい。いつも良くしてもらっています

sse:そうよね、cppさんが私たち以外でやり取りのある人も、当然居るのよね……

kawaii:確かに割とそう言う部分は謎なところがありますものね

robo:アイドル事務所には個性的な人が多くて、中々に興味深い

benio:お前もその一人だけどな

robo:火曜日からは君も仲間入りだよ

benio:……そうだった

karen:あたしも早く仲間に入りたいな




ここまで。凛、パソコンを買うの回でした(大金持ち歩いて怖くなかったのだろうか……)

ちなみに単身デビューを果たしている蘭子は奈緒でも名前を知っています。対してみりあはユニット単位のため、名前を知らないようです

正解者いますよ。次回辺りの投下から本編で何となく明かされます(その前提で会話が進むため)
roboは正体分かると色々納得できるかも

ストック分も含めて、遂に前スレの文章量を超えてしまった……投下します


*朝・通学路

加蓮「もうすぐ夏休みだね」

奈緒「バイト三昧になりそうだ。あ、凛、明日からそっちで世話になるから」

凛「分かった。明日学校終わったら、一緒に行こう」

加蓮「良いなー。アタシもまた事務所に行きたいなぁ」

凛「加蓮のプロデューサーが、親と具体的な話は済ませているんだよね? それなら、もうすぐだよ」

加蓮「何だかアイドルになるタイミングがあるんだって」

凛「シンデレラプロジェクトみたいに皆揃わないといけないパターンなのかな?」

奈緒「へー、加蓮も誰かとデビューするんだな」

加蓮「奈緒とデビューしたい」

奈緒「あたしはただのバイトだ!」

加蓮「えー、奈緒もアイドルなろうよ。凛と三人でユニット組むの」

凛「……良いかも」

奈緒「凛まで乗るなよ! あたしは、その……声優になるからな」

加蓮「アイドルから声優もなれるよ?」

奈緒「それは否定できないけど……とりあえず、アイドルになる予定はないからな」

加蓮「残念」

奈緒(全く、なんであたしなんかがアイドルになれるなんて思っているんだか……)




*karenさんが入室しました

karen:junkさん、benioもアイドルなれるよね?

benio:来て早々、朝のことを蒸し返すな!

junk:ん? benioはアイドルなりたいのか?

benio:いや、声優になりたい

junk:だそうだ

karen:えー、奈緒とアイドルなれたら楽しいのに

strawberry:ちなみに、junkさんから見てbenioさんはアイドルになれる感じ?

junk:素質は感じるな。意志さえあれば、プロデュースしたいと思う

benio:はぁ!?

fumi2:私もbenioさんはアイドルになれる方だと感じました。

benio:いやいや、ないから!

junk:まぁ、本人になる気がないなら勧めないけどな

karen:junkさんにもう一押しして欲しかったな

benio:この話はお終い! いい加減にしろ

karen:はーい

junk:ああそうだ、明日karenも事務所に来てくれ。宣材写真を撮るから

karen:えぇー!?




benio:良かったな。アイドルになれるって

karen:いきなり過ぎ! 流石にびっくりするよ!

junk:いや、こっちも急だったんだよ。いきなり常務が来て、許可出された

benio:何だか凄い偉い人の名前が出てきたな

fumi2:海外のアイドル業界と経営について学んで、先日戻って来たとのことです。

strawberry:あたしとfumi2さん、何だか値踏みされている感じだったよね~

junk:何か考えがありそうにも見えたが、全ては憶測だな

karen:常務……偉い人……?

benio:karenがいっぱいいっぱいだ。誰か助けてやってくれ

junk:まぁ、明日よろしく

benio:軽いな!?

karen:やったー! アイドルなれるんだー!

benio:そして、こっちは今頃実感しているのかよ!?

strawberry:やっぱり、このチャットにはbenioさんの突っ込みが必要だねー

benio:それ、輿水幸子さんの方のチャットでも言われたから!

fumi2:土日に行われたのでしたね。

karen:うん。あっちも楽しかったよ




junk:そうか。輿水さんも上手くやれているようだな

benio:おい、影の働き者。いったいどれだけチャットをまき散らしたんだよ?

junk:そうだな……高垣さんたちの酒チャット、ニューウェーブチャットに、神崎さんたちの†がつくチャット……他にもいっぱいあったような

karen:流行を作る男、junkさんだね

benio:†がつくチャットって何なんだよ……

strawberry:こう、魂が響く感じがするね~

fumi2:楓さん……。

junk:まぁ、皆楽しめていればそれで良いさ

benio:確かに良い娯楽にはなっているけどな。ちなみに、roboって誰だか知っているか?

junk:robo? 誰だ、それ

karen:幸子さんのチャットに居る橘ちゃん的な子?

strawberry:このボクに目を付けるとはやりますね!

benio:誰も輿水幸子さんの真似をしろなんて言っていないから

strawberry:ごめんね~。つい条件反射で

benio:芸人かよ!

junk:やはりその方向性が……

karen:それは止めてあげて。可哀想だから




junk:robo、ロボね……。ああ、池袋博士か

fumi2:晶葉ちゃん、ですか?

benio:博士なんて居るのか?

junk:一応アイドルのはずなんだが、いわゆる天才でいつも発明品を作っている子だな

benio:本当にアイドル事務所って変わり者ばかりだな……

fumi2:最近はstrawberryさんが、よく晶葉ちゃんに会いに行っていますよね?

strawberry:うん、仲良いよ~。ちょうど二人でウサギ型ロボットを作っているところだしね

benio:……今更だけど橘って何者なんだ?

strawberry:ただの橘さ

benio:そう言うのは聞いていないから

junk:まぁ、橘は橘さ。たまたま発明に付き合える知識がある程度でな

strawberry:流石、junkさん。分かってるー

karen:……あたし、この濃いメンバーの一員になるんだよね?

benio:頑張れ。応援している

karen:やっぱり、benioもアイドルなろうよ

benio:断固拒否する




奈緒(なるほど。roboは池袋晶葉って人なのか)

奈緒(こっちのチャットも区切りがついたし、ちょっとあっちも見てみるかな)


*benioさんが入室しました

robo:おや、benioじゃないか

benio:おす。roboだけか?

robo:うむ。私たちのチャットは基本土日だけだからな

benio:それじゃあ、何でrobo居るんだよ

robo:その言葉はそのままお返ししよう

benio:いや、私たちの方のチャットって覗いてみるとたまに誰か居るんだよ。その習慣だな

robo:こっちも同じような理由だな。そして、君が来た

benio:何か話すか?

robo:もう話していると言うは野暮だろうけど、何か面白い話題はあるかな?

benio:roboの正体が池袋博士だって、junkが言っていたな

robo:ほう、それは興味深い

benio:その反応、違うんだな?

robo:否定も肯定もしないさ

benio:そう言うところまで橘似かよ……

robo:人生何事もほどほどな謎が必要なのウサ

benio:なんだよ、その語尾!?

robo:今作っているウサギ型ロボットに搭載しようと考えている語尾だ

benio:お前、やっぱり池袋博士だろ!

robo:さぁ、どうかな?




benio:でも、そのロボットのことって、池袋博士とうちの橘しか知らないんじゃないか?

robo:いやいや、それは違う。まず依頼者が知っている

benio:依頼者?

robo:そもそも、このロボットはとあるアイドルから依頼を受けたものだからね

benio:何でロボットを

robo:バックダンサーとして参加させたいそうだ

benio:世の中には色々考える人が居るもんだな……

robo:次に私の発明は有名でね、何かを作ろうとすれば周りのアイドルにはすぐ知れてしまうものだ

benio:今、『私の』って言っただろ?

robo:遊び心さ

benio:……ほんと読めないやつ

robo:お褒めに預かり光栄だね

benio:まぁ、そこまで真剣に正体を探ろうなんてしていないから、良いけどな

robo:謎の探求は人生の良い潤いになるだろうに

benio:roboの相手は疲れるからいいよ

robo:それは残念




robo:そうそう、karenのアイドルデビュー決まったようだね。おめでとう

benio:耳が早いな。って言うか、karenの正体は……まぁ分かりやすいもんな。明日、本人に伝えておくよ

robo:しかし、あの常務の目に留まるとは、大変かもしれないね

benio:常務ってやっぱり怖い人なのか?

robo:それは分からない。だけど、彼女は何かを計画しているようなそぶりに見えたね

benio:karenが関わることなのか?

robo:定かではないが、文香さんと一ノ瀬も関係しそうだったと思う

benio:……出たよ、うちの関係者二名

robo:良いことになるか、その反対かは分からないが、良い方向に転がると良いものだね

benio:だな。正直、アイドルの世界はよく分からないけど

robo:中々熾烈な世界だよ。346は比較的穏やかだけど、それでも競争はあるものだ

benio:karenやっていけるかな

robo:なに、君も雑用で事務所に来るのだろう? 手の届く範囲は手を差し伸べてあげると良い

benio:猫の手程役に立つんだったらそうしたいんだけどな

robo:知り合いが傍に居るだけでも、心強いものだ。特に知らない世界ではね

benio:そう言うものか?

robo:ああ、そう言うものだ



ここまで

次々回あたり話がちょっと動くらしいです

よし、良い感じです

続き投下します


*翌日・事務所からの帰り道

奈緒「はぁ、疲れた」

加蓮「撮影の設備がほんと凄くてね!」

奈緒「……さっきからそればっかりだな」

加蓮「いやー、だってね、本当にアイドルになるんだって実感が、こう、凄くて!」

凛「宣材写真って結構難しいよね」

加蓮「普通にしてくださいって言われるけど、普通って何だ? ってなるよね」

凛「私は卯月と未央とボール遊びさせられた」

奈緒「なんでだよ!」

凛「多分、緊張をほぐすため? 実際、その後オーケー出たし」

加蓮「なるほど、そんな方法が」

奈緒「加蓮は何か特殊なことしたのか?」

加蓮「特殊って……あ、髪ほどいたよ」

奈緒「ツインテール的なものを遂に開放したのか……」

加蓮「ちゃんとしたツーテールだって! あと、髪を編み込まれて、何か私服っぽいブランドの服を着せられた」

奈緒「だから、その髪型だったのか」

凛「……私なんか、制服そのままだったのに」

加蓮「なんか常務さんからの指示だったらしいよ」

奈緒「ああ、あのいかにも仕事のできそうなちょっと怖いお姉さんな」

奈緒(あたしと加蓮がjunkの元へ行ったら、すでにスタンバっていて、正直ビビった)




凛「へー、常務なんて居たんだね」

奈緒「お前の務める会社だろ!? 少しは知っておけよ」

凛「会ったことのない人はよく分かんないかな」

加蓮「見た目は怖そうだったけど、今度和服とドレス着せてくれるって言っていたから、良い人だよ」

奈緒「その判断基準おかしくね? あと、お前は常務の着せ替え人形か!」

凛「気に入られているんだね」

加蓮「どうなんだろう? あ、奈緒をアイドルにしたいって言っていたよ」

奈緒「それ、嘘だろ!」

加蓮「バレた。でも、奈緒のことも気にしていたのはほんと」

奈緒「あたし、仕事でやらかさないようにしないとヤバイな」

凛「私と奈緒、加蓮でトライアードとかどう?」

奈緒「何でユニット名を考えた!?」

加蓮「トライアードジェネレーションズ!」

奈緒「凛のユニットに対抗すんなよ!」

凛「……やっぱり、奈緒の突っ込みは一流だね」

奈緒「最近、あたしそればっか言われている気がする」

加蓮「ずばり奈緒の魅力とは?」

凛「突っ込みかな?」

奈緒「止めろよ!」




*benioさんが入室しました

benio:おす。一週間ぶり

kawaii:お久しぶりです。リアルでは先ほどお会いしていましたが

sse:こんばんは。私はまだお会いできていないわね

robo:私は密かにbenioを遠くから眺めているぞ

benio:怖えよ!

*cppさんが入室しました

cpp:皆さん、お集まりでしたか。ご無沙汰しております

kawaii:その節はお世話になりました。……もう、スカイダイビングはこりごりですけど

sse:kawaiiさんは、また杏ちゃんと一緒に罰ゲームだったのよね……

karen:え? またkawaiiさん負けたんですか? 今度の番組は必ず見ないと

kawaii:あれ? その文脈の流れおかしくないですか?

benio:これ、情報漏えいしていないか?

sse:あ、ごめんなさい!

robo:まぁ、皆同じ事務所の人間だ、外部に漏らさなければ大丈夫だろう

cpp:そうですね。このチャットルームも私たち以外覗けないようになっているようですし

sse:でも、私は要反省です

karen:ふむふむ、アイドルも大変なんだね




robo:アイドルと言えば、karenの調子はどうだい?

karen:正直、レッスンが地獄のようにキツイけど、頑張れているよ!

kawaii:一緒にお仕事をする日が楽しみですね

cpp:お噂で聞いたのですが、常務が直々に宣材写真撮影に付き合われたとか

benio:噂になってんのかよ

karen:うん。今度、和服とドレス着せてくれるって

robo:そう言えば、一ノ瀬も常務から似たようなことを言われたと言っていたな

benio:マジで? あいつ、そんなこと言ってなかったけどな

robo:今日の話らしいからね

sse:そう言えば、アーニャちゃんと凛ちゃんも常務とお話しされたと言っていたわね

benio:凛もかよ……。なんか常務、暗躍してね?

kawaii:海外で得た経験を活かしたいのだと思います。増してや常務と言う立場なのです。やりたいこともあるのでしょう

karen:意外とkawaiiさんって達観しているよね

cpp:私などよりも余程大人です

kawaii:そんなことはありませんよ

robo:大人の余裕を感じるね

sse:私も年長者なのだし、しっかりしないといけないわね




karen:あ、sseさんってやっぱりあの人だったんだね

benio:今ので何か分かったのか?

karen:うん。薄々気付いていたけど、今ので確信できた

cpp:なるほど。年長者の方なのですね

sse:cppさん……

robo:鈍感も過ぎると毒だね

karen:となると、あー!?

kawaii:どうしました!?

karen:cppさんってもしかして!

cpp:私ですか?

karen:……あの、あたしたち会ったことありますよね?

cpp:……はい

karen:あー、あー、あー! なんでそこまで頭回らなかったんだろう!?

benio:どうしたんだよ?

karen:あの時はごめんなさい! 陰でも酷いこと言っていました。許してくださいとは言えませんけど、謝らせてください

cpp:いえ。あれは私が未熟だったせいです。karenさんに非は全くありません

karen:でも、自分が許せない。……今度直接謝らせてくださいね

cpp:むしろ私に謝らせてください。本当にご迷惑をお掛けいたしました

karen:それは同意できないけど、会ってくれるなら嬉しいです

cpp:はい。今度お会いさせてください

benio:……ああ、そう言うことか。でも、マジか。世間って狭いな




kawaii:なにやら色々あったようですね

sse:きっと凛ちゃん関係ね

robo:詮索は野暮だろう。私たちは温かく見守っているだけで良い

karen:あー、でも、あたしこれからcppさんとどう接したら良いんだろう

cpp:できれば今まで通りでお願いします

karen:うん、頑張ってみる

benio:雨降って地固まったな

robo:さて、これで残るは私の正体だけかな?

benio:お前の正体はどうでも良い

robo:なんと酷い。そろそろロボがロールアウトするんだぞ?

benio:だから、知らないって

sse:でも、確かに私もroboさんの正体だけ分からないわ

cpp:私はsseさんとroboさんが分かりません

karen:……流石に気付いてあげようよ

sse:これでも鋭くなった方なのよ……

cpp:申し訳ございません。鈍感だと言うのは自覚しているのですが……

benio:謝れるのは美徳だと思うぞ、うん

karen:もう、そう言うところは変わらないんだから




robo:あの、私の正体についてなのだが

karen:junkさんが博士だって言っていたよ

cpp:なんと、あなたでしたか

sse:博士が居るって聞いたことはあるけど、会ったことはないわね

benio;あー、それは何か違うっぽい

robo:否定も肯定もしないけどね

kawaii:全てを知っているボクとしては、何も言えませんね!

cpp:なるほど、違うのですか

karen:cppさんって素直だよね?

cpp:いえ、昔は尖ったナイフのようだと言われていました

benio:マジでかよ!?

cpp:……申し訳ありません。以前、本田さんから教わった冗談です

sse:未央ちゃん、何やっているの!?

benio:流石親衛隊が居るだけのことはあるな

karen:それ、関係ないよね?

benio:言ってみただけだよ! そう言えば、本田未央って言えば、卯月は最近どうなんだ、sseさん?

sse:卯月ちゃん? いつも通り笑顔が眩しいわよ

cpp:いい笑顔です




benio:なんか凛が卯月のことを心配していたっぽい

cpp:島村さんをですか?

karen:チャットやれば本心聞けるかなって言っていたよ

sse:何か悩みがあるのかしら?

robo:親しい間柄でしか感じられない変化が彼女にあったのかもしれないね

kawaii:アイドルとして過ごしていると、何らかの壁にぶつかりやすいものです

cpp:……なるほど。気を付けてみます

sse:私もなるべく注意してみるわ

benio:凛自身も言葉に表せない感じだったんで、間違っている可能性もあるけど、頼む

karen:あたしも凛の部署と交流があれば、気にしてみるけど、意外と他の部署と交流ってないんだよね

cpp:そうですね。所属アイドルの数が膨大なため、ほとんどはその部署で完結できる仕組みになっていることが原因かと思われます

benio:そのしわ寄せが私たちのような雑用に来ているんだけどな

karen:いつもお仕事お疲れ様です

cpp:私もいつも事務の方にお世話になっています

benio:あ、その人とは会ったよ。……あのスーツの色はどうなんだ?

sse:禁忌に触れるか!?

karen:今、神崎蘭子が居なかった?

cpp:なるほど、sseさんは神崎さんでしたか。全く気づきませんでした

kawaii:いえ、全然違いますよ!?



ここまで

加蓮は抱えていたものを少し下ろすことができたようです

今回でroboを絞り込める人は絞り込めるかと

junkチャットが一番歴史が長いですね。あと、†チャットは中二病系と小梅あたりが参加しています


*ある日・自室

奈緒「へぇ、凛も遂にチャットを始めたのか」

凛「うん。junkさんにニュージェネ用のチャットルームを作ってもらった」

奈緒「あいつ、仕事しろよな……」

加蓮「junkさん仕事はしっかりやっているよ?」

奈緒「知っているから、微妙に腹立つ」

加蓮「アタシの仕事も少しずつ増えてきたんだよね」

凛「CDデビューも近いんじゃない?」

加蓮「そっかな? そうかも、えへへ」

奈緒「そう言えば、この間、橘の奴がCD出していたな」

凛「橘って、志希だよね? 橘ありすさんと混同するから、ちょっとややこしいよ?」

加蓮「あー、アタシたち以外だと分かりづらいか」

奈緒「今更志希って呼ぶのも抵抗あるな。橘だし」

凛「何か橘の一言に色々込められている気がする。……でも、あの子って天才なんだよね?」

奈緒「変態?」

凛「天才」

加蓮「あー、海外の大学卒業しているんだっけ?」

奈緒「ギャップがあり過ぎて、忘れ去っていたのに、思い出してしまった……」




凛「この間一緒に仕事したけど、あのウサロボを池袋博士と一緒に作ったって言っていたかな」

奈緒「……最近、あのロボ、事務所をたまにうろついているんだけど」

加蓮「凄いよね。ロボット掃除機みたい」

凛「菜々さんが掃除機の機能までは要望していないって嘆いていたよ」

奈緒「本当に掃除機だったのか!? あと、依頼者ってウサミンだったのか」

加蓮「喫茶店に行くと、メイド服で接客してくれるよね」

奈緒「メイド喫茶経験者らしいからな。個人的には、声優アイドル目指しているらしいから応援している」

凛「声優の仕事はほとんどないけど、ラジオのMCとかライブの仕事は結構多いよね」

奈緒「菜々さん頑張れ」

加蓮「あれ? 何の話していたっけ?」

奈緒「橘が変態だって話だな」

加蓮「橘ちゃん、近寄ると匂い嗅いでくるから、たまに怖い」

凛「本当に変態だった!?」

奈緒「あたしは自分の部署にいつも居るからよく分かるんだけど、橘、かなり奇行が多いんだよ」

加蓮「junkさん、嘆いていたね」

奈緒「まゆなんて微妙に距離をとっているんだぞ? 静かなのは、fumi2さんが一緒に居る時くらいだな。はぁ」

凛「奈緒も何だか大変なんだね」




benio:と言う話を今日、凛とした

strawberry:あたし、変態じゃないよ!

karen:と言っていますが、junkさん、どうですか?

junk:変態だろ

strawberry:えぇー!?

fumi2:? 物静かで落ち着いた方ですよ、strawberryさんは。

benio:fumi2さん、騙されている

karen:それ、橘ちゃんの偽物じゃない?

strawberry:皆、ひどいよー(泣)

junk:なんか懐かしい感じだな、その(泣)って

benio:(汗)とかもあったな

strawberry:それでさ、昨日ありすちゃんとパフェ食べたんだけど~

benio:脈絡もなく話し出すな!

strawberry:あたしの性癖の話はもう良いと思うんだ

karen:性癖だったんだ!?

strawberry:持って生まれたものだから仕方がないよ~。だから、建設的な話をしよう!

benio:……例えば?

strawberry:特にないけど

benio:ないのか!




*benioさんが入室しました

benio:全く、橘と無駄な話をしてしまったな

kawaii:こんばんは。先ほどまであちらのチャットに居たのですか?

benio:皆で橘が変態だって話していた

robo:……あんまり一ノ瀬をいじめないでやってくれ

karen:roboさん、優しい

benio:karen、もう居たのかよ!?

karen:うん。速攻でこっちのチャットルームに入ったから

sse:何がそこまでkarenさんを突き動かしているのかしら?

cpp:私は、このチャットで様々なことを学んでいますので、突き動かす動機としては十分に思えます

karen:そう、それ! あ、cppさん、凛がチャット始めたことって知ってる?

cpp:いえ、初耳ですが、先日junkさんとお話をされているのは拝見しました

benio:すっかり仲良しだな、二人とも

karen:お互いに謝った仲だしね

cpp:はい。そして、私は私の未熟をより知ることができました

kawaii:cppさんのコミュニケーション能力が改善してきているようで何よりです

sse:あとは、私の正体に気付いてくれたら言うことなしなんだけれど……

benio:まだ気付いていなかったのかよ!?




robo:まぁ、それも一興だろう

cpp:sseさん、申し訳ございません

sse:いえ、良いんです

*mishiroさんが入室しました

benio:は?

kawaii:実は、今日お誘いさせていただきました

mishiro:mishiroと言う。輿水幸子がどうしてもと言うので、来てやった

karen:よろしく。あたしはkarenだよ

mishiro:karen? 北条加蓮か?

benio:その全員を暴いていくスタイル止めてくれ!

kawaii:mishiroさん。チャットと言うものは、例え相手が分かっていたとしても、黙っておくのがマナーですよ

mishiro:む、そう言うものなのか。それはすまない

benio:意外と素直なんだな……。でも、mishiroってあのmishiroさんか?

cpp:お疲れ様です

mishiro:誰だ、君は?

cpp:それは、マナー上言うことができません

mishiro:それなら仕方がないな

sse:え? 本当にあのmishiroさん、なの……?




mishiro:私は346で常務に就いているが、いずれ専務になるつもりだ

benio:この人、隠すつもり全くないな!?

mishiro:今日、私がここに来たのは他でもない。いくつか意見を聞きたかったからだ

sse:意見ですか?

mishiro:ああ。君らは我が社のアイドルなのだろう? 輿水幸子が現場の声を聞いてみるのも良いと言っていたからな

benio:え? kawaiiの発言力大きくね?

kawaii:その場にjunkさんも一緒に居ましたので、その影響が大きいです

mishiro:junk? ああ、あのプロデューサーか。彼の嗜好は私と一致しているので、大いに参考になる

robo:文香さん、加蓮、一ノ瀬とあなたの望むメンバーが揃っているからな

mishiro:君は誰だ?

karen:博士だよ

robo:池袋晶葉か。いや、これはマナー違反だったか

benio:分かっているなら、書き込むなよ!

mishiro:このbenioと言うのは、芸人か?

benio:おい

karen:常務。いつ和服とドレス着せてくれるの?

mishiro:ああ、近いうちに約束は果たそう。ただそれも、今回の聞き取り次第だがな




benio:聞き取りって、警察みたいな響きだな。で、何を聞きたいんだ?

mishiro:ふむ。君らは、この現状に満足しているのか?

kawaii:ボクは特に不満はありませんが、上を目指せるなら目指してみたいですね

karen:あたし、もっとお仕事いっぱいもらいたい!

robo:のびのびとやれているので、不満はないな

sse:リーダーとしてもっと頑張らなくちゃって思っています

cpp:私は、彼女たちをもっと上の舞台に連れていきたいと考えています

mishiro:なるほど、roboと言う者以外は向上心があるようだ。benioと言ったな、君はどうなんだ?

benio:私、ただの雑用。アイドルじゃないし

mishiro:もしや、ちひろか?

benio:いや、普通のアルバイト

mishiro:そのような者までここには居るのか

kawaii:皆さん、大切な仲間ですよ

mishiro:連帯意識は悪いことではないが、上を目指すのであれば最低限で良い

robo:それが海外流かい?

mishiro:世界のトップたる者たちは皆、孤高であった。我が社のアイドルもそれを目指してもらう

sse:それは、ユニット活動を止める、と言うことでしょうか?




mishiro:それは違う。ユニットは存在しても良い。だが、馴れ合いは必要ない

karen:えー、あたし、凛と仕事はしたいけど、仲良くやりたいなぁ

mishiro:渋谷凛と共に仕事をすることについては考えよう。しかし、君には他を蹴落としてでも上を目指してもらう

karen:それはやだなー

mishiro:何故だ? トップアイドルになれるのだぞ?

karen:アイドルの世界がシビアなのは知っているよ? でも、346の雰囲気はそれじゃないよ。もっと穏やかで居心地が良いところじゃないかな?

mishiro:ふん、ぬるま湯だな

karen:でも、今トップに居る765は雰囲気が凄い良いよ?

mishiro:だからこそ、我々は別の路線を模索しなければならない。そう、かつてのアイドルたちのような孤高の道を

karen:でも、それは今時流行らないよ?

mishiro:……なんだと?

karen:そう言う路線、カッコいいとは思うけど、どの年代にも多分ヒットしない。今、求められているのは、765とか346とかの癒しオーラじゃない?

mishiro:……所詮は素人に毛が生えた程度の知識でしかないな

benio:いや、今世の中って暗いから、格好良いよりは癒しだろ? 経営者ってそう言う流行も読む必要があるんじゃないか?

mishiro:それは一理あるが、現に海外ではその路線が成功している

robo:いや、海外での成功例は日本の場合、失敗することが多い。何しろ、この国は独自性が軒並み外れて高いからね




mishiro:……君たちに意見を求めた私が間違っていたようだ

kawaii:そうでしょうか? 反論を封じられた段階で、その意見には正解が含まれているはずです。それをあなたは見逃すのですか?

mishiro:統計やデータを用いたわけではない意見を真に受けるほど、私は幼くない

robo:仕方がない人だな。……今、会社の共有スペースに私が独自に作成した統計データを上げておいたから、見てみると良い

mishiro:何?

benio:いつの間に用意していたんだ?

robo:彼女が暗躍していると知った時からだね。まさか今使うことになるとは思っていなかったが

kawaii:これで気持ちが変わってくれると良いのですけどね

cpp:おそらく、karenさんのお話しの段階で、常務の気持ちは動いていたはずです

sse:そうよね。あれだけ堂々と私たちが伝えたい以上のことを伝えていたのだから、きっと大丈夫よ

karen:あたしは自分の思ったことを言っただけだよ?

benio:その物怖じしないところが、karenの強みだな

mishiro:……robo、君は一体何者だ?

robo:その様子だと満足いただけたようだね

mishiro:君はアイドルではなく、経営側に居るべきではないか?

robo:そのお話は今度会った時にでもしようか。どうだい、有意義な時間になったんじゃないかな?

mishiro:……認めるしかないだろう。君のデータを使用して、これからもう一度模索してみることにする

kawaii:それは良かったです

mishiro:輿水幸子とあのプロデューサーに乗せられる形なのが気に食わないが、礼は言っておこう

kawaii:いえいえ。また悩みましたら、いつでもお越しください

mishiro:ふん。考えておこう

*mishiroさんが退室しました




benio:何、常務って悩んでいたのか?

kawaii:はい。元々は自分の意見を推し進めるつもりだったようですが、色々視察しているうちに悩み始めたようです

sse:かなり意思が強固な人に見えたけれど

robo:そうだね、確かに最初は強硬するつもりだったのだろう。だが、意外と皆、のびのびと前に進んでいたからね

kawaii:そうなんですよ、うちの会社のアイドルは伸び悩んでいる人が少ないんです。その姿を見て、常務も思うところがあったようで、珍しく休憩室で黄昏ていました

karen:そこにjunkさんとkawaiiさんが声を掛けたんだね

kawaii:その通りです。そして、これはチャットの出番ではないかと思いまして

benio:料理漫画みたいになんでも料理で解決するみたいなノリになっているな

sse:でも、実際、この場で色々言い合えることで、解決していることも多いわね

cpp:はい。島村さんの件にしても、先手を打つことができました

benio:……次はチャットで世界征服を企む組織が出てきそうだな

robo:ふははは、この世界のチャットは私が支配した!

benio:そう言うの、少年誌の漫画でよく見るよ

karen:でも、常務と話すの緊張したなぁ

benio:嘘だろ? お前ら仲良しだっただろ

karen:いやいや、目上の人だからね

robo:とてもそんな接し方には見えなかったが、まぁ、結果オーライか



ここまで。隙あらば常務。省かれていますが、まゆもきちんと仕事をしています

junkは割と常務の意見推進派だったりしますが、それはあくまでも自分のアイドルだけを考えた時の話

kawaiiループ説に気付く人がいるとは……(←正体以外には食いつく)

kawaiiループ説は冗談だけど、それくらいできる感じの幸子です
最終回で正体判明とその背景を行いますので、正体不明の方はもう少しお待ちください

そして、動き始める常務

投下します


*夕方・帰り道

加蓮「アタシ、新プロジェクトのメンバーに選ばれちゃった」

奈緒「junkが言うには、常務の御膝元のプロジェクトらしいな」

凛「それ、私も選ばれたよ」

加蓮「え、ほんと!?」

奈緒「早くも凛と共演するのか」

加蓮「やっぱり常務、有言実行の人だね」

凛「あと、うちからはアーニャも選ばれていたね」

奈緒「へー」

凛「ただ、プロデューサー、そう言うのに反対しそうなのに、乗り気だったのが少し気になるかな」

加蓮「あー」

奈緒「前に色々あったんだよ」

凛「色々?」

加蓮「常務がアタシたちのチャットに乗り込んできた」

凛「……常務ってチャットやる人なんだ」

奈緒「輿水幸子さんの方のチャットなんだが、凛のプロシューサーが実は参加していてな」

凛「……は?」

奈緒「凛のプロデューサーがチャットやってる」

凛「意外過ぎて言葉がないよ」




奈緒「世間の狭さを実感させられたが、とりあえず参加しているんだ。それで、まぁ、色々あって常務の考えを事前に聞かされていたんだよな」

凛「事前に趣旨を理解していたから乗り気だったんだね」

加蓮「考え直す前だと、346の破壊者になっていたかも」

凛「何だか聞きたくない」

奈緒「今の常務なら、多分大丈夫だろう。アイドルの個性を伸ばしていくって言質も取ったし」

凛「何? 奈緒と加蓮って常務と仲良しなの?」

奈緒「あたしは成り行き。仲良しなのは加蓮」

加蓮「そうかな? 普通だよ」

奈緒「その新プロジェクトだけど、うちからは加蓮の他にfumi2さんと橘も選ばれている。まゆだけ選ばれなかったけど、あいつは幸せそうだったから良いか」

凛「聞いた感じだと、橘ありすさんも選ばれたらしいよ」

加蓮「ありすさんも選ばれたんだ。何だか嬉しいかも」

奈緒「しっかし、やたらクールな面子だな。これは、孤高路線は諦めていないっぽいな」

加蓮「基本は癒しで、一部カッコいいはありだと思うよ」

凛「私、ニュージェネもあるけど、大丈夫かな?」

奈緒「不安だったら断るのも手なんじゃないか?」

加蓮「でも、常務はトップアイドルにする気っぽいし、こっちに来るとステップアップできると思うな」

凛「……ちょっと考えてみるよ」




*benioさんが入室しました

benio:おす

karen:さっきぶり。これでメンバー揃ったね

benio:なんだよ、改まって

junk:いや、チャットメンバーのことじゃなくてな。よく考えたら、このメンバー、新プロジェクトメンバーが揃っているんだよ

benio:私関係ないだろ

junk:それがな、俺が常務と兼任してそのプロジェクトのプロデューサーをすることになった

benio:マジでか!? 出世か?

junk:出世ではないさ。役職も変わらんし

karen:それでね、junkさんがプロデューサーをやるってことは、自動的に雑用のbenioもついてくるんだよ!

benio:私はおまけか! と言うか、そんなシステムなのか?

junk:うちの部署での預かりっぽい

benio:仕事増えるってことじゃないか……

strawberry:でも、奏ちゃんとかフレちゃんとか、これまた個性いっぱいの人が集まって大変だね~

junk:一番大変なのはお前だから別に

benio:橘以上なんていないだろうし

strawberry:あれ?




fumi2:ですが、私のような者まで参加しても大丈夫なのでしょうか?

junk:fumi2は参加してもらわないと困る。数少ない常識人が枯渇してしまう

benio:橘を抑えられるのもfumi2さんだけだしな

karen:うーん、常識人か。ありすさん、凛、アナスタシアさん、奏さん?

benio:自分を入れていないのが、私は好感持てるぞ

strawberry:ありすちゃんは割と気難しいところあるし、奏ちゃんに至っては面倒くさい

benio:凛は常識人だが、若干さっぱりし過ぎな部分があるしな。残りはアナスタシアさんだけか?

junk:会話面で若干不自由なところはあるが、数少ない常識人枠だな

strawberry:名前すら挙がらないフレちゃん、くすん

benio:お前もだけどな

karen:……あれ、孤高のアイドル?

junk:内面さえ見なければ、孤高に見えるメンバーだから……

strawberry:まぁ、楽しそうではあるよね

benio:絶対、雑用にしわ寄せ来るぞ

junk:俺も覚悟はしている。そんなわけで、fumi2の役割は非常に重要なんだ

fumi2:はい。肝に銘じます。

karen:あれ? まゆちゃんはどうなるの?

junk:普通に仕事をしてもらう

karen:大丈夫? 疎外感ない?

junk:『ご心配ありがとうございます。でも、大丈夫です。うふ』って隣で言っている

benio:隣に居たのかよ!?




fumi2:何故、まゆさんがお隣に。

karen:イエーイ、まゆちゃん、見てるー?

strawberry:ハスハスさせて~

junk:まゆの仕事がちょっと遅くなってな。その付き添いでさっき事務所に帰ってきたんだ

benio:チャットやってないで送ってやれよ!

junk:……最近流行りのチャットを生で見たいと言われた。拒否すると家に押し掛けると脅された

benio:ヤンデレみたいな奴だな……

junk:まぁ、純粋な好奇心らしいから、素直に見せてやっている。ちなみに化粧品の時の偽junkはこいつだ

karen:あ、その節はお世話になりました。と言うか、直接言ってよ。割と一緒に居るんだし

junk:うふ

karen:今、まゆちゃんが書き込んだっぽいね

fumi2:まゆさん。あまりjunkさんを困らせてはいけませんよ。

junk:はい、わきまえています。それでは、まゆは観察に戻りますね

benio:(観察されているのか……)

karen:(こわいよー)

junk:そんなわけで、まゆに関しては心配無用だ

strawberry:(別の意味で心配になる橘なのであった)




*夕方・自室

奈緒(今日は久々の休みだったから、たまっていたアニメの消費で大変だったな)

奈緒(……最近はクローネ関連で忙しかったけど、ようやく落ち着いてきたよな)

奈緒(まぁ、先にかなり大きなライブがあるから、さらに大変になるんだろうけど)

奈緒(はぁ……。時間だし、気分転換にチャットでもやろう)


*benioさんが入室しました

benio:おす

robo:おお、benioか。毎日大変そうだな

cpp:benioさん、お疲れ様です

sse:アーニャちゃんがいつも良くしてもらっているって言っていたわ

karen:アナスタシアさん、とっても良い子だよ

kawaii:こんばんは。気分転換していってくださいね

benio:ありがと。とりあえず、ようやく落ち着いてきたところだよ。……あの会社、バイトに優しくないんだよな

robo:やはりウサロボの増産が必要か

benio:あのロボ、何の役に立つんだよ!?

robo:掃除とバックダンサー。あとは可愛い

kawaii:ボクには負けますがね!

benio:掃除なら清掃員の人が居るだろ! あと、やっぱり可愛いに反応するんだ




sse:でも、本当に最近はクローネの勢いが凄いわよね

karen:なんか、アタシもアイドルやっているって実感が凄い!

junk:渋谷さんもアナスタシアさんも新しい自分を見出しているようで、喜ばしい限りです

kawaii:ボクも負けていられませんね。これからは格好良い路線でいきます!

benio:それは無理だろ……

robo:kawaiiはバラエティ向きだからな

kawaii:あれー?

karen:あ、でも、常務とチャットしていた時の感じだと格好良かったし、良い感じだと思うよ

sse:あの時のkawaiiさんは凄い知的で、思わずドキッとしちゃったわ

kawaii:……流石に照れますね

cpp:あのような一面を何故、普段はお見せになられないのでしょうか?

kawaii:そうですね……。人は必ず多面性を持つものですが、ボクの場合、アイドルとして見せたいのはカワイイ部分だから、でしょうか

sse:みくちゃんの猫キャラに対するこだわりに近いものなのかしら?

kawaii:恐れ多いですが、それに近いのかもしれませんね。みくさんのアイドルに対するこだわりは、ボクも見習うべきものとしていつも捉えていますので

karen:kawaiiさんのファンです!

kawaii:ありがとうございます。ボクもkarenさんのことを応援しています

benio:……何だろう、このテレビで見る時とのギャップは

robo:それこそがkawaiiの多面性なんだろうね




cpp:ところで、benioさんもクローネに所属されると聞いたのですが

benio:は?

sse:確か、凛ちゃんとkarenさんとユニットを組むのだったかしら?

benio:誰だよ、そんな根も葉もない噂流しているのは!?

karen:ひゅーひゅーひゅー

benio:お前か! チャットで出来もしない口笛吹きやがって!

karen:benioもアイドルやろうよー

benio:何度言われても、堪えはノーだ!

robo:トライアドプリムスだったかい?

karen:うん。あたしと奈緒と凛のユニット

benio:また勝手にユニット名考えやがって!

karen:常務が考えてくれたんだよ?

benio:まさかの常務!?

kawaii:そう言えば、最近benioさんのことを常務によく訊ねられますね

cpp;私は何故かbenioさんのプロデュースをするように勧められました

benio:外堀が埋められていっている!?

karen:あ、cppさん、それ、junkさんが渋っているからだよ、きっと

benio:ありがとう、junk。お前だけが私の味方だよ……




cpp:ただ、benioさんに才能があるのは確かです。私も初めてお会いした時に思わずお誘いしてしまいました

karen:junkさんも同じこと言っていたよ

benio:お世辞を言われてもならないものはならないからな!

cpp:いえ、本音なのですが……

robo:まぁ、benioが嫌がっているんだ、その辺にしておくと良いさ

benio:robo、お前良い奴だったんだな

robo:意志がなければならないとは誰かが言っていたからね。増してやアイドルなんて芸能関係者は嫌々なるものではないさ

karen:あたしはアイドルに夢見ていたから、よく分かんないかも

sse:私はroboさんの言いたいことも分かる気がするわ。正直、この道に進むことを凄く悩んだもの

kawaii:アイドルは人々に夢を与えますが、それと同時に、そこに妬み、憎しみ等の負の感情を覚える人も決して少なくないでしょう

cpp:……そうですね。私の立場で言えることではないのでしょうが、芸能人になったが故に色眼鏡で見られることも珍しくないと聞きます

robo:それだけ、芸能界と言うのは世間と隔たりがあるものなのだよ

karen:そう、なんだ……

benio:お、おう。何だかガチな意見まで言ってくれてありがとうな。そこまで深くは考えていないけど、やっぱり二の足は踏んでしまうんだよ

karen:……ごめんね、benioの気持ち考えていなかったね。もう無理強いはしないよ

benio:ああ、助かる

karen:もう一つごめん。常務から勧誘あるかも

benio:は?



ここまで。常務再び、なんだけど……

次回、最終回。奈緒の運面やいかに

>>503
junkが紛れ込んでるゥ!
文面的にcppの間違いだよね?

誤字おおいな…イッチあなた疲れてるのよ

>>510
なんでjunkが……。cppの間違いですので、脳内訂正お願います

>>513
誤字はごめんなさい。次で最終回なのでそこで休みます
あと何回も読んでいると、誤字に気付けなくなっていく……

クローネのメンバーはとりあえず名前が出ている人たちは確定です
(勢いで奈緒の運命とか書いたけど、全然違う話をやるなんて言えない……)

流石に一ヶ月で片手間に文庫本一冊分(280KB)の文章量には疲れてしまっていたようです

水樹奈々さんはどちらかと言えばウサミンの目標ですね。奈緒は歌に注力はしていないので、理想としては演技主体の声優になることを夢見ているようです(今の時代難しいことは理解していますが)

roboの統計データはどんなアイドルが好きですか等の意識調査やお金の動き、視聴率、ライブ参加年代分布表等のデータで、海外がどうとかではないですね。
個性問わず孤高を目指すと言われ、長期的には定着していないことの多い一過性の海外ブームを指摘した形です(大体マスコミが騒いで、その後は放置のパターン)

チャットメンバーの正体の答え合わせになります

今回は気付いている方が多かったため、ほっとしました。詳細な理由は別途作中以外でも一応用意はしていますので、要望がありましたらその時に

では、最終回投下します


*翌日・事務所

常務「神谷奈緒、率直に言おう。我が社のアイドルにならないか?」

奈緒「お断りします」

常務「……何故だ?」

奈緒「あたし、声優になるために今アルバイトでお金を貯めているんですよ。その夢に、アイドルになることは含まれていません」

奈緒(そう言ってきっぱりと断る。……常務に誘われることを事前にチャットで知っておいて本当に良かった)

常務「我が社のアイドルの中には、声優として活躍している者も居る。君の部署の鷺沢文香もそうだな」

奈緒「知っていますけど、やっぱり今は声優だけを目指したいと考えていますので」

奈緒(声優になれたとしたら、今の時代、アイドルっぽいことを行うことは避けて通れないだろうけど、それはまた別の話だ)

常務「……ふむ。無理強いは私の趣味ではないので、この辺りにしておこう。しかし、気持ちが変わったならいつでも言いたまえ」

奈緒「ないとは思いますけど、その時はよろしくお願いします」ペコリ


奈緒「はぁ……」

文香「大変でしたね」

奈緒「あ、文香さん。もしかしなくても、見られてた?」

奈緒(会社ではあくまでも文香さん。fumi2さんはプライベート時の呼び方だ)

文香「申し訳ございません。丁度通りかかってしまったもので」

奈緒「いや、いいって。どの道チャットとかで話題にしただろうし」




文香「……少し驚きました」

奈緒「ん?」

文香「常務に、屹然と返答されていて、ご立派だと思いました」

奈緒「ああ。事前に加蓮から常務の誘いがあるって言われていたからな」

文香「加蓮さんからですか?」

奈緒「どうも加蓮があたしをどうしてもアイドルにしたかったらしくて、常務に話をしていたようなんだ」

文香「余程、奈緒さんとアイドルをされたかったのですね」

奈緒「その気持ちは分からなくもないけど、やっぱりあたしが目指すのは声優だからな」

文香「……夢を追われている、そのお姿が、本当に眩しく思います」

奈緒「いやいや、現役声優の方にそう言われても返答しようがないって」

文香「いえ。私が今居る場所は偶然と成り行きが大きく、夢として持っていたものではありませんでしたので……尊敬いたしております」

奈緒「偶然と成り行きであったとしても、文香さんは間違いなく実力でそこに居るんだから大したもんだよ。……いつまでもあたしの目標としてそこに居て欲しいくらいだな」

文香「奈緒さんが望まれるのであれば、私の力が及ぶのであれば、……お待ちしております」

奈緒(文香さんが真剣に返してくれる。……それが、あたしにはとても嬉しくて)

奈緒「ああ! きっとあたしも、いつか文香さんのところに辿り着いて見せるから!」




*benioさんが入室しました

benio:おす

kawaii:こんばんは

sse:こんばんは。benioさん、常務の件は大丈夫だったかしら?

benio:断ったら普通に引いてくれたから、特に何ともなかったな

cpp:それは良かったです

karen:ごめんね。迷惑かけて

benio:過ぎたものは別にいいって

*roboさんが入室しました

robo:roboだ

benio:知ってるって

kawaii:珍しく遅かったですね?

sse:いつも一番に居るものね

robo:そ、そうだったか? ちょっと立て込んでいたものでな

karen:あ、この間はありがとう。ようやく、あたしもアイドルのことを客観的に考えられるようになったかな

robo:そうか。それは何よりだ

benio:最近、あのロボ増えている気がするんだけど、どうなっているんだ?

robo:ふふーん。あれは私の最高傑作にして、最高の量産型になる予定だからな。今後もどんどん増産していく計画だ

benio:迷惑だろ!?




karen:roboさんってやっぱり博士なの?

robo:ふむ。不本意ではあるが、周囲からはそう呼ばれているな

benio:おい、遂に認めたぞ?

robo:あ!? い、いや、否定も肯定もしないだ!

benio:わざとらしく驚いたふりをしやがって

robo:……音声認識も不便なものなのかもしれないな

karen:あれ? 今まで音声認識で入力していたの?

robo:そ、そうだぞ

kawaii:……あなた、roboさんではありませんね?

robo:!? な、何を言うんだ、幸子! 私は正真正銘のroboだ!

benio:……最近の音声認識便利過ぎないか?

cpp:私でもroboさんが怪しいことに気付きました

kawaii:では、私がroboさんをお誘いした状況を説明できますか?

robo:説明と言うより、幸子が勝手に私の部屋に入ってきたのだろう? そう言えば、その辺の発明品を珍しそうに見ていたな

kawaii:あれ?

robo:一応、このチャットのきっかけは以前に共演したことが、最初のきっかけになるのか?

kawaii:roboさん、本人ですね……

benio:なんだ? 何がどうなっている?




kawaii:明らかに今までのroboさんと違うのですが、ボクが誘ったきっかけをよどみなく説明できていますし、共演と言うきっかけも知っていました

karen:いっそのこと、皆のことバラしちゃったら? もう誰も気にしないよ

cpp:はい。私もいい加減にsseさんの正体を知っておくべきです

sse:……そうしてもらった方が、気持ちが楽になるかもしれないわね

robo:べ、別に私は一切困らないぞ

benio:満場一致だな

kawaii:それでは失礼しまして、ボクが明かさせていただきます。ボクのことは不要ですよね? まずは、benioさん、karenさんは皆さんご存知のように、奈緒さんと加蓮さんです

cpp:いつもお世話になっております

karen:いえいえ。こっちこそ

kawaii:次に、cppさんはシンデレラプロジェクトのプロデューサーさんで、sseさんは同じ所属の美波さんになります

cpp:!? 新田さん、だったのですか!?

sse:……はい。ちなみにsseはラクロスの最後の三文字から取りました

cpp:私のcppはシンデレラプロジェクトプロデューサーからです

benio:知ってる

karen:知ってるよ

sse:最初から知っていました

cpp:なんと!?

kawaii:……このプロデューサーさん、カワイイですね。もちろん、ボクが一番ですが!




kawaii:では、最後にroboさんですが、池袋晶葉さんになります

benio:やっぱり博士じゃないか!

sse:私は違う人に感じていたのだけれど

kawaii:正直、ボクもチャットの中ではあまりに多弁で、飛鳥さん辺りかと思ったこともあったのですが、機械慣れしている方は違うのかと納得していました

robo:ふっ。いかにも私は池袋晶葉だ。それに偽りはない

karen:でも、roboさんって橘ちゃんでしょ?

benio:は?

kawaii:え?

cpp:なるほど

benio:橘って、うちの橘か!?

karen:うん。結構、ヒントくれてたよ。あっちのチャットでしか知らないこと言ったり、橘ちゃん自身のフォローしたり。あと、隠す理由があるとしたら、橘ちゃんくらいだと思うし

robo:ぐっ

benio:……そう言えば、池袋博士ってうちの橘と友達なんだよな

karen:橘ちゃんってパソコン二台持っているよね?

sse:あちらのチャットとパソコンで使い分けをしていたのね

kawaii:なるほど。タブでの切り替えも可能でしょうが、チャットには少々不便ですからね

robo:……降参だ。どうやら私の負けのようだ




kawaii:何故、志希さんが晶葉さんの代わりを?

robo:そうだな……あれは幸子にチャットへ誘われた頃の話だ

karen:ルルルールー、ルールールルー

benio:なんか名探偵のBGMが流れ始めたぞ!?

robo:チャットには興味があったから、参加しようとは思っていたんだ! だが、あの日、……ウサミンが来た

cpp:お辛かったのですね

sse:cppさん、少し黙っていてください

cpp:はい

robo:ウサミンはあろうことか、私に魅力的なロボットを作るように言ったんだ! その誘惑に誰が勝てると言うんだ!?

benio:誰でも勝てるだろ?

robo:ああ、そうさ! 私は私の思考を抑えることができなかった! だから、ロボット以外への興味は一切消えてしまったんだ!

karen:やっぱり、橘ちゃんの友達なんだね

benio:類は何とやらだな

robo:だが、幸子に申し訳ないと言う気持ちは辛うじて残った。……だから、たまたま遊びに来ていた志希に代理を頼んだんだ……

kawaii:いえ、普通にそういう時は参加しなくても大丈夫ですよ?




robo:そうさ、最初志希は渋った。自分のチャットがあるからと。だが、私も引けない。結果、志希にチャットルームのアドレスとパスを書いた紙を無理やり押し付け、代理をさせた

karen:流石に橘ちゃん、可哀想だよ

robo:開発が終われば、すぐにでも止めさせるつもりだったんだ。……だが、ロボは量産に入った

benio:天才ってこういう人ばかりなのか?

robo:ようやく昨日量産体制は安定し、そして、今日、志希から今までのログを預かり、こうして参加したというわけだ

kawaii:あのですね。別にチャットは強制ではないんです。無関係の志希さんを巻き込んでまで行うことは誰も望んでいません

sse:それに今まで楽しそうに参加していた志希ちゃんを追い出して、それに成り替わろうとするのは感心できないわ

robo:くっ。天才の私にあるまじきミスだ。糾弾してもらって構わない!

benio:橘は橘で勝手に楽しんでいただけのような気もするけど、やることは決まったな

karen:橘ちゃんをこのチャットに呼び戻そう!

robo:ふっ……横着をしようとした私は、消えるべきだろう

kawaii:何言っているんですか? 晶葉さんも参加してくださいよ。元々ボクがお誘いしたのはあなたなのですよ?

robo:……良いのか?

cpp:おそらく、あなたは私と同じ悩みを抱えているように思います。ここはその改善に最適な場所です

sse:経緯はどうであれ、仲間が増えるのは嬉しいことよ

robo:……皆……ありがとう




*benioさんが入室しました

benio:よう、橘。一人か?

strawberry:あれー? 今日はあっちのチャットじゃないの?

benio:博士が橘のことを自白した

strawberry:あちゃー。意外と皆、鋭かったか

benio:お前の個性は誰にも真似できねぇよ

strawberry:それは光栄で良いのかな?

benio:知らん。……そう言えば、前にもこうして二人で話したな

strawberry:こっちはroboだったけどね

benio:まぁ、何だ。karenに手は差し伸べることができていると思う

strawberry:……それは良かった

benio:それじゃあ、あっちに戻るか

strawberry:あっちは晶葉ちゃんが居るでしょ?

benio:……何と言うかな、お前が居ないと物足りない

strawberry:え? 何だって?

benio:二度は言わねぇよ!

benio:とにかく戻るぞ

strawberry:えー

benio:戻らないと明日からfumi2さんと接触禁止な

strawberry:戻ります!




*benioさんが入室しました

*roboさんが入室しました

robo:あれ? roboで入れたね

hakase:robo、お前には悪いことをしてしまった

robo:良いよ。私も好きでやったことだし

benio:なるほどな。hakaseに変えたか

karen:お帰り、roboさん

robo:……ただいま、karen

benio:あ、ちなみにroboの正体に気付いていたのはkaren一人だけだったから

robo:何それ!? 私、恥ずかしいよね!?

karen:あたしたちにヒントいっぱいくれていたくせに

robo:うぅ。演出家としての血が騒ぎ過ぎた……

benio:誰だよ、演出家?

cpp:お待ちしておりました。やはり、あなたが居ないとこのチャットは物足りません

sse:古参メンバーが私だけになるのは寂し過ぎるわ。やっぱりroboさんが居ないと

kawaii:結局、ボクも騙されていましたが、やりますねと言っておきましょう。改めて、ボクのチャットへようこそ、roboさん

robo:皆……

robo:ああ、改めてよろしく。私がroboだ




奈緒(橘が戻ってきてから、輿水幸子さんのチャットもさらなる一体感を得たような気がする)

奈緒(あれから少し時間は流れても、皆は相変わらずだった)

奈緒(hakaseは日夜、コミュ障治療に忙しい。……まさか、cppさん以上とはな)

奈緒(cppさんも本人的にはやっぱりまだまだらしく、色々学んでいる最中だ)

奈緒(sseさんはそんなcppさんを暖かく見守っている。リアルもチャットも全く同じなんだよな、この人)

奈緒(kawaiiはやっぱりカワイイことを主張しながら、満足げにチャットを行っている)

奈緒(あたしとkarenはまぁ、いつも通りだ。どっちのチャットでも変わらない)

奈緒(roboはこっちではrobo、あっちでは橘とこれまた変わらないで居る)

奈緒(突発的に常務が襲来するのは、いい加減に勘弁して欲しいと思ったり、思わなかったり)

奈緒(こんな感じでこっちのチャットも、いつも平和だ。きっとこれからもそうだろう)

奈緒(その間にクローネの大きなライブがあったり、あたしが一瞬だけトライアドプリムスだったりしたが、それはまた別の話)

奈緒(……変わらない日常。だけど、時間は確実に動いていて)

奈緒(あたしの夢がどんどん先に進んでいるのを確かに感じる)

奈緒(改めて思う。あたしにきっかけと縁を与えてくれたかけがえのないものの存在を)

奈緒(まさか、こんなに大切で、長い付き合いになるなんて夢にも思わなかったさ。なぁ?)

奈緒「チャット」

奈緒(さぁ、今日もあいつらと話そうか)



                終わり






これにて『神谷奈緒「オフ会」』及び『番外編』は終了となります。
ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございました
気付けば、前スレを超えるボリュームとなり、ここまで読んでいただいた方には感謝です
(前スレと併せるとラノベ一冊分くらいの文章量になっていると思います)

全編に渡って、設定は考えてあるが展開は考えていない状態だったため、一番先が読めなかったのは書き手だったりします
オフ会のミス以外は話の流れの書き直しは行っていないので、うわ常務出てきたよとか他人事みたいに思いながら書いていました

roboの正体に関しては、これ怒られるだろうなと思いながらも、このネタは一度きりしかできないなとも思い、実行することとなりました
またお前か!? は自分自身思っていたことです

オフ会は書き方が違っていたので読みづらかったかと思いますし(特に序盤)、番外編も相変わらず独特で合わなかった方もいらっしゃったかと思います
そんな中で読んでいただけたことに、改めて感謝を

あと、全体的に誤字が多くてご不便をお掛けいたしました。歌詞の件もあるため、別途誤字修正版を上げる予定ですので、気になる方はそちらをご確認いただけますと幸いです

長くなりましたが、またの機会がありましたらお会いしましょう

あ、橘過去編は書くか未定です。もし書かなかった時は下記の分だけでご勘弁を
何となくこういうことあったんだな程度は分かるはずです
ttp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7293756


私も皆のレスをとても楽しみにしていましたよ!

下記は歌詞を多分セーフ? ラインに変更したものになります
ttp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7362860

誤字関係も大幅に修正しています(おそらくまだあると思いますが……)
あと、前スレ同様最後に設定メモを記載しています。本編では使えなかったrobo視点のチャットを始めた経緯SSもついでなので載せていますので、興味のある方はどうぞ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年10月02日 (日) 00:01:22   ID: 3QNCKfWn

一つ聞きたい。ありすはロリに入りますかぁ?

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