理亞「雪かきで勝負!」 千歌「良いよ!」 (38)


聖良『ラブライブ優勝おめでとうございます』

――つきましては、私の家で祝勝会を行いたいと思います。よろしければぜひ。

千歌「っていう内容のメールが届いたんだけど……」

曜「祝勝会って、もう冬だよ? 今さら?」

梨子「しかも優勝おめでとうって言われたの、これが初めてよね」

千歌「確かラブライブ本選の後、二人とも俯いて帰っちゃったよね」

曜「呼びかけても無反応だったし」

梨子「肩を震わせて、洟啜ってた気が……」

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千歌「でも、理亞ちゃんは審査員の人に『ワンモア! チャンスタイム!』って訴えかけて
たっけ」

千歌「九位だったし、何回やってもあまり変わらないと思うけど」

曜「ルビィちゃんとかは、理亞ちゃんの真剣な表情に感動して『ダンスモア! ダンスモア!』ってインタビューのときに言ってたよね」

梨子「ほんと良い子よね、ルビィちゃん……ふひ」

千歌「……? それで、どうする?」

曜「うーん、あの時はこっちから呼び出しちゃったし。行くしかないのかなぁ」


梨子「ぜひ、行きましょう」ガタッ

曜「ずいぶん乗り気だねぇ……」

千歌「まあ、交通費はマリさんに出してもらうとして……」

曜「自腹で行ったら格安でも数万かかっちゃうしね」

梨子「とりあえず、皆に召集かける?」

千歌「うん、そうしよう!」


招集後

千歌「ええと、道連れに出来たのは善子ちゃんだけかぁ」

千歌「マリさんは交通費だけ出してくれるって。値段のこと話したら 少し青ざめて
たけど」

曜「皆、予定あるんだねー」

梨子「花丸ちゃんは修行、果南さんは遠征、ダイヤさんとルビィちゃんは ライブを
観に行くのね」


千歌「皆、明らかに嫌がってるよね……」

曜「善子ちゃんは生放送が~って言ってたけど、追求したら 『時間は作れるけど……』って
ボロ出してたし」

千歌「可哀想な善子ちゃん……」


梨子「まあ、とにかくこのメンバー+善子ちゃんで北海道旅行ね」

梨子「楽しみだわ……理亞ちゃん」ジュルリ

曜「見境ないなー」

千歌「……んん?」


‐そして当日 新千歳空港からタクシーで移動中‐

善子「これが、凍てついた大地の洗礼……っっ」がくがくぶるぶる

千歌「車内なのに、この寒さ……!」ぶるぶるっ

善子「あぁ、このままでは堕天してしまう……っ」

千歌「堕天よりも半纏が欲しいよぉ。こんなに寒いなら、もっと厚着してくれば……っ」

曜「よ、よ~そろ~~~っ」ぶるぶるっ

梨子「ああぁっ、理亞ちゃん……っ!」ゾクゾクゾクっ!

千歌「皆寒がってるねぇ~~、うぅ、早く着かないかなぁ……」


曜「もうそろー、のはず」

千歌「」ぶるぶる

善子「」ぶるるっ

曜「あ、ここだ。すみませーん、ここで下ろしてください」

千歌「……うぅぅ、やっと着いたぁ」

善子「はぁ、やっとなのね……」


曜「……でも、なんか足の踏み場がないっていうか……」

梨子「辺り一面、雪よね?」

千歌「わぁ、すっごい。少しテンション上がって来たかも!」

善子「淡雪降り積もる中、堕天使、降臨!」



理亞「……やっと来た」ザク、ザクッ

聖良「皆さん、お待ちしていました」ザク、ザクッ


千歌「あ、聖良ちゃんたちだ! お久しぶりです! いやぁ、
寒いですねー」白い息

曜「マイナスいってるんじゃないの、これぇ……」

梨子「確かに、この寒さではあえなく温め合いっこするしかないのでは……?」

理亞「ふっ、寒い? これが普通だけど(笑)」

聖良「私たちは慣れているので」

理亞「この程度で寒いって、東京民じゃあるまいし(笑)」

理亞「もしかして、雪が積もってるのって珍しい?」

千歌「うん、内浦じゃ滅多に降らないし……」


千歌「ていうか、二人とも何してるの?」

理亞「ふん、見れば分かるでしょ? 雪かきよ」

聖良「昨晩から積雪が凄まじくて……もしよろしければ、手伝って
いただけませんか?」

千歌「いいよっ、面白そうだし!」

梨子「千歌ちゃん、そんな安請け合いしちゃって大丈夫?」

千歌「大丈夫だって。簡単そうだし。ただ雪を運ぶだけでしょ?」

理亞「後悔しても遅いから……」


理亞「雪かきは、遊びじゃない」ドン!

理亞「雪かきで勝負!」 [無断転載禁止]2ch.net

出だしの部分を改変して無断転載を言い逃れる気かな

>>11
こちらの板の方にも読んで欲しかったので、少しわかりやすく改変して
書いてます 本人です

千歌「えぇ……?」

善子「ふふ。堕天使ヨハネにかかれば、雪かきなど造作もない」

曜「それって死亡フラグなんじゃ……」

善子「降り積もる結晶たちを魔具で運んで……ぐぬぬっ、お、重いぃ……」

善子「うっ、バランスが崩れて……!? あわわ、んんぅ~~」

梨子「……」

善子「ひゃう!」ツルン!

千歌「ああぁっ、善子ちゃんが! 逝った!?」

善子「逝ってない! いったた……もう、何なのよぉ」


理亞「無様ね。本当は勝負でもしようかと思ったけど、結果は見えてるようだし」

千歌「勝負? 良いよ、乗った!」

理亞「正気? にわかは相手にならないよ」

曜「千歌ちゃんがそう言うんなら、雪かきようそろー!」

聖良「面白爽ですね。人数的にハンデもあるので、いい勝負が出来るかと」

梨子「決まりね。では、負けた方は勝った方の言う事を何でも一つ聞くという
ことで。ファイ!」

聖良 理亞「!!??」

曜「すかさずブッ込んで来たねこのレズ」

梨子「モノはないけどね」ファサッ


千歌「……?」

理亞「ま、まあ私たちが負けることは皆無に等しいし。その条件、呑んであげる。
今スコップで線を引いたとこが、わたしたちの陣地ね。反対側があんたたち。
制限時間は一時間!」

梨子「(ふ、まんまと釣れたわね勢いづいちゃったワカサギが!)」

梨子「千歌ちゃん! 全力で挑みましょう!」

千歌「うん! いっくよぉ! おりゃ~~!」ザクッ

千歌「んぎぎぎ、重いぃぃ……」ふらふら

梨子「千歌ちゃんっ、一度にそんな多く持ち上げたら……っ」

千歌「わ、わわ……」

梨子「このままじゃ善子ちゃんの二の舞に……くっ、間に合え!」DASH!!

梨子「今度こそ、救って見せる!!」

善子「いや、わたしのとき静観してたでしょ」

梨子「はああああぁっ! ――えいっ、捕まえた!」

千歌「わわっ、梨子ちゃんありがとー」

梨子「良いのよ、これくらい」ワキワキ、サワサワ

梨子「~~~~っっ」

千歌「ひゃう! ちょ、くすぐったい……」

梨子「はあ、はあ」白い息


梨子「(手のひらに馴染む、千歌ちゃんのくびれ。ワイングラスのように華奢で
ありながらも、程よい肉付きが心地良い。沈み込む五指を押し返す絶妙な質感、
鼻先に香る甘やか香りが理性を揺する。直に伝わって来るのは、女の子特有の
精緻な造り。服越しとはいえ、強く意識してしまう。このまま強く抱きしめて
いたら、どうなってしまうのだろう? 千歌ちゃんの熱い輪郭を感じたまま、
腰に添えられた両手は図らずも上向きにずれて――)


曜「友情ヨーソロー!!」バキっ

梨子「がっ!」ばたん

曜「危なかったね、千歌ちゃん」

千歌「え、何なに??」

曜「あはは、ちょっとスコップが滑っちゃって」

梨子「」


曜「代わりに、わたしが支えてあげるからさ!」

千歌「う、うん。梨子ちゃん大丈夫かなぁ……」

梨子「」ぴくぴく

梨子「(レズは、何度でも蘇る……!)」がばぁっ!

梨子「その手を離せええええええ!」ブン!

曜「くっ、このぉ!」ガキン!

千歌「えええっ!? ちょ、二人とも、喧嘩はダメ!」

曜「あっ……」

梨子「う……」

善子「協力しないと、勝てないわよ」

梨子「……そうね、見くびっていたわ」

曜「敵は姉妹でありながら、強大だね」

千歌「」ぶるぶる

善子「」ぶるるっ

梨子「すごい、もうあんなに雪を……!?」



聖良「いささかスピードが遅くないですか?」ザクザク!

理亞「もっと真剣になったらどう?」ザクザク!

梨子「くっ……! こうなったら共同戦線よ、曜ちゃん」ザクッ!

曜「友情(?)ヨーソロー!」ザクッ!

千歌「(二人の協力もあってペースは速まったけど……)」

千歌「くしゅん!」

千歌「(指先の感覚が、無くなってきた)」

千歌「(スコップを握る手に、力が入らない……!)」

千歌「はあ、はあ……」

千歌「わたしたちに比べて、あの二人はあんなに……!」


聖闘士雪「――――ッ!」ザクザク、シュッシュ――!

千歌「洗練されたあの動きに比べ、わたしたちは……っ」ふらふら

善子「千歌ちゃん、あれ!」

千歌「えっ!」

善子「あの二人、妙な道具を使ってる!」

千歌「あ、あれは……!」


理亞「ふっ、気付いたようね。これはプッシャー」

理亞「これを用いることによって、広範囲に広がった雪を一カ所に集めることが
出来る!」

聖良「そして、スノーダンプを用いることによってまとめて雪を運べます!」

理亞「これぞ、私と姉様の連携技! あなたたちには出来ない技巧よ!」

千歌「くっ、私たちだって同じ道具を使えば! 曜ちゃん!」

曜「ヨーソロー!」ガガガガッ!

千歌「よし、一カ所に集めた雪をダンプで……!」

千歌「んんっ……ん、あれ?」

千歌「重いぃぃ~~」


理亞「甘い。大切なのは、セルフコントロール!」ぐいっ

千歌「あんな小さい身体で、あの物量を……!」

善子「いや、違う。足元を見て!」

千歌「あ、あれはっ……!」

理亞「んしょっ」ぐいっ

千歌「足だ! 腕の力だけじゃなく、脚の力をも使って雪を持ち上げてる!」


千歌「それに、良く見ると……震えてる?」

理亞「(まだまだ、大丈夫)」

理亞「(震える指先……知ってても、見ないで!)」

理亞「わたしはまだ、大丈夫!」

千歌「そっか……本当は、寒さを感じてるんだ」

千歌「道民だからって、寒さに適応してるわけじゃないんだ」

千歌「ただ、見栄を張ってるだけなんだ!」

千歌「わたしたちも、あの方法で頑張るよ!」

曜「ヨーソロー!」ザクザクザクッ!


理亞「あ、そろそろこっちの方に投げて」

曜「え?」

理亞「あっちは雪でいっぱいだから」

曜「ん? おっけー。投げるよーそろー!」ブンッ!

理亞「へぶっ!?」ビチャッ!

千歌「ああっ、スコップ満杯の雪が理亞ちゃんの顔面に!」

理亞「」バタリ

曜「え、だって投げてって言ったし……」

聖良「……こちらの方言で、捨てるという意味です」


曜「へえ……。ええと、ごめんね、理亞ちゃん」

理亞「」

千歌「でも、ナイスだよ曜ちゃん! これで四対一だ!」

曜「何気に鬼畜発言多いよね、千歌ちゃん」

千歌「……?」

梨子「ともかく、今がチャンスよ! てきぱき動いて!」

曜「う、うん」

千歌「いっくよー! これから逆転だ!」

善子「堕天使の秘めたる力が覚醒する……!」


千歌「(四人のコンビネーションもあって、徐々に追い上げてきた)」

千歌「(だけど、理亞ちゃんはわずか十分で起き上がって来た!)」

千歌「(元のペースを取り戻してしまうSaint Snow)」

千歌「残り時間は……あまりない」

千歌「くっ……」

わたしの手から、スコップが滑り落ちる。

ダンプを押し進めていた曜ちゃんが、その手を放す。

プッシャーで雪を集めていた梨子ちゃんは、勇ましい歩みを止める。

震えていた善子ちゃんは、驚きに目を見開く。


善子「そんな……まさか……」

梨子「千歌ちゃん!?」

曜「嘘……だよね?」

千歌「…………」

震える手を、ぎゅっと握りしめる。

千歌「……無理、だよ。雪かきでは、彼女たちの足元にも及ばない(積雪量)」

千歌「だから……、こうする!」DASH!!

曜「ええっ!?」

理亞「くっ、不意打ち!?」

聖良「でも、遅いです」ヒュンッ


千歌「それは、どうかな!」


――ビュンッ!

理亞「なっ――ぶっ!」

理亞「これは……雪玉っ」

理亞「ふん、舐められたも同然ね。雪合戦は、私たち道民の得手!」ビュンっ!

聖良「聖戦で挑もうとは、笑止です!」ビュンビュンっ!

千歌「わたしたちも、負けないよ――ッ!」ビュンビュン!

曜「ヨーソロー!」

梨子「YURYYYYYYッ!」

善子「暗黒のエネルギーを集束させし堕天の――いだぁっ!」

そうして、両チームの闘いは激化の一途を辿る。

飛び交う雪玉、響き渡るヨハネの絶叫……そして。


千歌「ぐっ! ……あぁっ」ドサッ

理亞「ふふふ。勝った……勝ったんだ!」

理亞「これで文字通り、雪辱を果たせた!!」

理亞「長かった……。一期最終回では出番を奪われ、ラブライブ本選では惨敗し……」

理亞「だけど今日! 今、この瞬間! わたしたちは勝利者となった!」

理亞「もう、九位なんて呼ばせない!」

千歌「……それは、どうかな」

理亞「ふん、見苦しい。まだ息があったか」


千歌「勝つのは、わたしたちだよ」

理亞「そんなボロボロの身体で、勝てるとでも?」

理亞「それとも、敗走して罰ゲームを無効にする気?」

理亞「道外に逃げる? ここは場内みたいに狭くない!」

理亞「ふふ、まあそれも無理ね。立っているだけで、精一杯のくせに」

理亞「しかも、そんなに震えて。今日なんて特にしばれるから、顔なんて寒さで真っ赤」

千歌「……?」

理亞「――ッ! ともかく、あなたたちはもう負けて――」

千歌「負けてるのは、理亞ちゃんだよ」

理亞「……は?」

曜「……夢中になりすぎたようだね」

梨子「道民としての性が、仇になったわね」

理亞「な、何を強がって……」

善子「――定刻よ。あなたたちは、堕天する」

理亞「……堕天?」チラっ

理亞「え……嘘? 足元に雪がない……あっ」

千歌「そう。雪合戦の時、入れ替わってたんだよ!」

理亞「な、ななな……」

千歌「雪合戦が始まった時、わたしはダッシュして理亞ちゃんの陣地に
踏み入った。対する理亞ちゃんたちは距離を取った」

千歌「そうして理亞ちゃんはわたしたちの陣地の雪を自分たちの場所へ送り
続けていた……つまり――」

理亞「……そん、な」ガクッ

千歌「ちょうど一時間、経ったね」

千歌「タイムアップ。私たちの、勝ちだよ」


理亞「くっ……こんな、ことって……」うるうる

理亞「わたしたち、次こそ、次こそはって……」

千歌「理亞ちゃん……大丈夫だよ。ゆっくりで良いから、立ち上がって」すっ

理亞「え……?」

理亞「こんなに、意地悪したのに……?」

千歌「泣かないで、理亞ちゃん」

理亞「ち、千歌……ちゃん?」キュン


千歌「わたしたちに負けたとしても、二位だよ。九位じゃないから!」

理亞「……ぅ、うわぁああああああん!!」

理亞「こ、こんなのってひでーべ! この悪魔ぁ!」

善子「ヨハネのことね……」ファサッ



……こうして、雪かき勝負は千歌たちが制した。


‐その夜‐

聖良「昼間は、妹が取り乱してすみません」

理亞「ごめん……なさい」

聖良「今夜はご馳走です。たくさん用意しましたので、好きなだけどうぞ!」ジュウジュウ

千歌「やったー! お肉だ!」

梨子「焼き肉……ですか? それにしては、妙な匂いが……」

曜「善子ちゃん……先に食べて」

善子「な、なんでこのヨハネが……」


理亞「何よ。わたしたちの料理が、食べられないって言うの?」


理亞「別に、毒なんて仕込んでない」ヒョイ、パクパク

善子「まあ、安全なようね。匂いは気になるけど……じゃあ、いただきます」パクッ

善子「――うぅっ!?」

善子「――――――っ!!」堕天中


千歌「うわ、吐いた……」

曜「えぇ……」

千歌「ちょっと癖はあるけど、美味しいよ。これ」


曜「うん、意外といける! 癖になる味だね。お肉柔らかいし」

聖良「これはジンギスカンという料理です。ラム肉を焼いているんですよ」

千歌「へえ、羊なんだ!」パクパク

曜「タレとお肉が絶妙だねぇ~」パクパク

理亞「ふん、当たり前でしょ。姉様の手作r……」とんとん

理亞「ん?」くるっ


梨子「――今夜、空いてるわね?」

理亞「ぁ…………」



‐深夜‐


梨子「ぺろぺろ、れろぉ、くちゅくちゅくちゅ!」

理亞「ああ、ひぅっ、何か来て……んんッ、あっ、ひゃあああああん!」プッシャー

チラっ

善子「えっろ」


おわり

以上です。読んでくれた方、乙でした。
明日くらいにhtml化依頼というのをしてきます。

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