【サンシャイン‼】曜「壁ドン……?」 (21)

千歌「なに入れてるのー?」

梨子「え、えーと……。お、お土産とか、お土産とか、お土産とかぁ……」

千歌「わー! お土産ー!?」

ドサッ

梨子「あああああッ!」

千歌「なにー?」

パシッ!

千歌「わあああ!? 見えないよ、見えないよー!」

梨子「なんでもないの! なんでもないのよー!」

曜「あははは……ん?」

曜(楽譜かと思ったけど、あれ雑誌かな? えーと……)

曜「壁ドン……?」


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曜宅

曜「壁ドンかぁ……。あんな雑誌も出来るくらい流行ってるのかな。どれどれ……」

カタカタ

曜「集合住宅などで隣の部屋がうるさい時に壁を叩く行為、腹がたっている時に壁を叩く行為。あと……」

男性が女性を壁際に追い込んで手で壁をドンと叩く行為(Wiki参照)

曜「たぶんこれの事だよね。梨子ちゃんこんな趣味持ってたんだ……」

曜(異性にそんな事されて嬉しいものなのかなぁ。ただ恐いだけだと思うんだけど……)

曜「ーーって、私もこの前妄想した時に千歌ちゃんに壁ドンしたっけ。あはは……、あ、結構画像もあるなぁ」

画像ポチポチポチポ……

曜「えーー」

曜(女の子同士もある……の? え!? こんなに近いの!? これなんか壁じゃなくて床じゃん! 押し倒されてるじゃん! ほ、他のは)

カチカチ……

よくあさ!

千歌「曜ちゃんおはよー!」

曜「あ、う、うん。おはよー……」

千歌「どうしたの? 元気ないみたいだけど」

曜「へ!? そ、そんな事ないよ! おはヨーソロー! あ、あはは……」

千歌「んんー?」

曜(壁ドンを調べて夜更かししたなんか言えるわけない……)

梨子「おはよう。目の下クマになっちゃってるけど大丈夫?」

曜「え、えーと。ほら、次の衣装どんなのにしようかなーって考えすぎちゃって」

梨子「無理しないでね? 相談に乗れるならいつでも聞くから」

千歌「そーだよそーだよ!」

曜「う、うん。ありがと……」

曜(うう、元はと言えば梨子ちゃんがあんな本持ってるからーーあっ)

曜「そっか。そーだよ」

千歌「へ?」

梨子「?」

曜「ねえ梨子ちゃん、ちょっと相談があるんだけど、今日練習終わったら梨子ちゃんの家行っていいかな?」

梨子「え? それは構わないけど……」

千歌「私は!?」

曜「もちろん、千歌ちゃんもーー」

曜(待った渡辺曜! これ千歌ちゃんに言ったらダメなやつだよね!? なんか梨子ちゃんも隠してるみたいだったし、そもそも妄想とはいえ初めて壁ドンした相手が千歌ちゃんだし!)

曜「って言いたいけど、ごめん! 梨子ちゃんにしか相談出来ない事だから……」

千歌「ええー! 私じゃ頼りない!?」

曜「そ、そんな事ないよ! でも……」

梨子「千歌ちゃん。曜ちゃんが困ってるじゃない」

千歌「むー。私も曜ちゃんの役に立ちたいのに……」ぐすっ

曜「」ドキュンッ!

梨子(いいなー……。私もそんな風に言われたい……)

ほうかご!

梨子「いらっしゃい」

曜「お邪魔しまーす……」

梨子「なに探してるの?」

曜「う、ううん! なにも!」

曜(紙袋一杯にあったはずなのにどこにもない……。やっぱり普段は隠してるのかな……)

梨子「それで、相談ってなに?」

曜「……あ、あのね。ちょーっと、言いにくいんだけど……」

梨子「気にしなくていいよ。なんでも言って」

曜「り、梨子ちゃんってさ」

梨子「うん」

曜「女の子相手に壁ドンしたい願望って……ある?」

梨子「」

曜「……梨子ちゃん?」

梨子「」

曜「おーい?」

梨子「……はっ。きゅきゅ急になにを言うのかと思ったらまままままさかそんな願望あるわけないじゃないまったく渡辺さんたらなにを言ってるずら」

曜「体めっちゃ震えてるし口調もおかしくなってるんだけど」

梨子「なななな、なんの事? 梨子わかんない。お、お茶取ってくるねーーきゃっ!」

曜「ちょ、危ない!」

ドサッ

曜「てて……。大丈夫?」

梨子「う、うん。ごめーー」

曜(あ、この体勢って)

梨子(ゆ、床ドン!)キュン

曜「ん? 梨子ちゃん? 顔紅いよ?」

梨子「ふ、ふふふ……」

曜「桜内さん? なんか嫌な予感がするんだけど大丈夫? どこか打った?」

梨子「……いつから気付いてたの?」

曜「この体勢で自供開始とか曜ちゃん貞操の危機を感じるからちょっと待って。今退くから」

ガシッ!

曜「ちょ!?」

梨子「そう。私は壁ドンが好き……。でもね」





梨子「されたい方なの!」

曜「分かりました十二分に伝わりましたので腕を離して下さいお願いします!」

梨子「視界にその人しか映らず主導権を相手に握られてる感じが好きなの! おかしいならおかしいって言えばいいじゃない!」

曜「人の趣味にとやかく言うつもりはないけど今主導権持ってるの梨子ちゃんの方じゃないかな!?」

梨子「うあああ……ん」

曜「泣きたいのは私だよお願い離してー!」

閑話休題

梨子「それで? 壁ドンがどうかしたの?」ぐすっ

曜「え、えっとね。同性に壁ドンってしたいとかされたいとか……思うのって変、かな」

梨子「っすん……。なに言ってるの?」

曜「え?」

梨子「同性だからいいんじゃない」

曜「あ、はい」

梨子「そもそも壁ドンって異性にされるのが前提みたいになってるけど、私たち女の子は基本的に男の子に力で勝てるわけないじゃない? 最初から主導権を相手に取られてる上で壁ドンされたってそうなるに決まってるんだからときめいたりするのは少しおかしいんじゃないかなって思うの。それよりも普段は自分と同じかどちらかと言えば儚い感じがする人に壁ドンされて主導権を取られてなすすべがなくなる方が魅力的だなーって思うんだ。身近なとこで例えるなら普段暴走しがちな善子ちゃんに大人しい花丸ちゃんが止めに入るからギャップがいいなーって思ったりルビィちゃんが」

曜(拝啓、千歌ちゃん)

梨子「あとしっかりしてるように見えて包容力のある果南さんの前だと甘えん坊になる鞠莉さんとかもそうかな。だから一番大事なのはまず相手が普段どんな人なのかってところで、普段からぐいぐい引っ張って行くのにでもどことなく自信がないようなか弱さを持ち合わせていてそんな人が急に力強く壁際に追い込んできたりされたらそれはもうどうしようも」

曜(助けてー……)

バンッ!

梨子「ひゃっ!?」

千歌「呼ばれた気がして!」

曜「千歌ちゃん!」

梨子「ち、千歌ちゃん……? 今の話……聞いて」

千歌「聞こえなかったけどいいの! 曜ちゃん!」

曜「は、はいっ!」

千歌「やっぱり嫌だよ! 曜ちゃんが悩んでるのに私なんにも出来ないとか! だから話せるとこだけでいいの! 教えて!」

曜「い、いや、その。なんて言うか……。そ、そんな大した事じゃ」

千歌「嘘!」

ドンッ!

曜「!」

梨子(そんな!)

千歌「曜ちゃんが誰かに相談したいって言うなんてよっぽど辛い時でしょ! そのくらい分かるよ!」

曜(か、壁ド……じゃなくて千歌ちゃん……)

梨子(私もプリクラで顎クイしかしてもらってないのにぃ……)

千歌「だから、ね?」

曜「ち、千歌ちゃ……」

千歌「教えて、曜ちゃん」にこっ

曜「」キュン

曜「言って……いいの?」

千歌「うん!」

曜「じゃあーー」

ガシッ、くるっ、ドンッ!

千歌「ふぇ?」

梨子(壁ドン返し! 曜ちゃんそんな高等技術を!)

曜「…………」

千歌「曜……ちゃん?」

曜(どうしようつい壁ドンしちゃったけどよくよく考えれば言えるはずないしというか千歌ちゃん走ってきたのかな汗かいちゃってるしなんかこの匂い嗅いでるとこの前抱きついて泣いちゃったの思い出して今さら恥ずかしいっていうかそういえばあの時思ったけど千歌ちゃんって抱き心地が柔らかくて安心できるっていうかもうこのまま離れたくないって思っちゃったりもしたりそうだこの距離なら千歌ちゃん逃げれないんだしこのまま抱き締めちゃえばって馬鹿曜なに考えてるのそんな事したら迷惑だしそもそもそんな度胸があればこんな悩みだってなかったわけでそれだからーー)

梨子「千歌ちゃん」

千歌「うん?」

梨子「実はね、衣装の相談されてたんだ」

曜「そうなの衣装の事なのほんとだよごめんね黙ってて!」

千歌「ふぇ?」

梨子「曲調やダンスによって衣装も考えなきゃいけないでしょ? だからどんな曲にどんな衣装で合わせようかって話」

千歌「なーんだ。それなら最初からそう言ってくれればいいのに」

曜「あ、あは、あはは。ご、ごめんごめん」

曜(あり得そうな言い訳をよくこの一瞬で……)

梨子(慣れてるから)

曜(!?)

千歌「もー、安心したらお腹空いてきちゃった。家からお菓子取ってくるからちょっと待ってて」

タタタッ

曜「あ、危なかった……」

梨子「ねえ、曜ちゃん」

曜「うん?」

梨子「壁ドン……したりされたりしてたけど」

曜「う、うん」

梨子「どうだった?」

曜「最高であります」

梨子「でしょ!? よかったら今度一緒にオトメアンにーー」

曜「あ、でも千歌ちゃんだったから良かった……の、かな。えへへ」

梨子「」ショボーン

しんや!

梨子『この本にいろんなシチュエーションの壁ドン載ってるから読んでみて! 絶対いいって思うから!』ぐすっ

曜「って言われて渡されたけど……。壁ドンにもシチュエーションとかあるんだ……」

パラパラ

曜(まずこの空中壁ドンとか水中壁ドンとかどんな状況でそんな事になるのかツッコミどころ満載だけど)

…………

千歌『曜ちゃん、私から逃げれると思ってるの?』

曜『す、水中なら私の方がはや』

海底ドンッ!

千歌『ふーん? これでも?』

曜『は、はわわわ……』

…………

千歌『よーちゃん!』

曜『千歌ちゃん!? そんなに近いとパラシュート開けなくて落ちちゃうよ!』

空中ドンッ!

千歌『いいじゃん。一緒に堕ちちゃおうよ』

曜『は、はわわわ……』

…………

曜「ふ、ふへへ……」



こうして渡辺曜の眠れない日々は続く。




かもしれない。おわりん。

タイトルに絵文字使うとかsagaとsageを間違えるとか初歩的なミスしたり短かったりこいつら誰だよキャラ崩壊しすぎだろとか色々ごめんなさい。

ちかよう推しですがりこようやちかりこも応援してます。
お目汚し失礼しました。

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