同僚「やめとけ!やめとけ!キラークイーンじゃあオレには勝てないぞ」【ジョジョss】 (108)

同僚「やめとけ!やめとけ!あいつは付き合いが悪いんだ」

女子「…………………」

同僚「『どこかに行こうぜ』って誘っても楽しいんだか楽しくないんだか…」

同僚「“吉良吉影”33歳独身」

同僚「仕事はまじめでそつなくこなすが今ひとつ情熱のない男…なんかエリートっぽい気品ただよう顔と物腰をしているため女子社員にはもてるが会社からは配達とか使いっ走りばかりさせられてるんだぜ」

女子「………………」

女子「なんでそんなに詳しいんですか…?」

同僚「あいつとは同期だからな。何だって知ってるさ」

女子「そ…そうなんですか………」

これは…仮にあったかもしれない別世界のお話である

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1474619448

吉良の同僚は毎朝吉良と同時刻に出勤している

それは偶然ではなくあえてそうしている

吉良の生活習慣は普通…つまり健康的な生活なので生活リズムが整うのだ

そして吉良と同じ時刻に昼食をとる

さすがに彼が何を食べてるかまでは合わせられないが、その時間に合わせることは出来る

気持ち悪いかもしれないが、実際やってみると不自然なぐらい普通なのだ

そう…不自然なくらいに…

吉良の同僚は年数を重ねるごとに彼に興味が湧いてきたのだ

彼がそこまでして普通にこだわる理由とは…その心理とは……

実に興味深いじゃあないかッ!

吉良の同僚の中で好奇心が爆発した

そんな彼は今日一日だけ…吉良の後を追うことにした

彼の普通のリズムを解明するために…

同僚(吉良吉影…今日も彼は定時に自宅へ帰るのか……)

同僚(あれ?おかしいぞ…彼の家はこの道をまっすぐのはず………右に曲がるはずが…)

同僚(………さっきから女性をストーカーしている……のか…さっきから歩幅も女性と同じように見える………)

同僚(やはり俺の思った通り………やつは普通じゃない…!)

同僚(この角でやつに問い詰めてやるッ!)

同僚「…!?」

同僚「ど…どこへ行ったんだ…?」

角を曲がったところで吉良吉影は姿を消した…女性とともに

吉良「………私の平穏を脅かす事は絶対にあってはならないんだ………彼も生かしてはおけないな…」ペロッ

女性の手首を舐めた吉良の次のターゲットは同僚へと向けられたのだ

翌日…思い切って同僚は吉良を食事に誘うことにした

同僚「おい吉良。今日一杯どうだ?」

吉良「………やめときます」

同僚「そういわずに!」

同僚(やはり無理か…だが………諦めるわけにはいかない)

吉良「……いいでしょう。どこで食べるんです?」

同僚(キタッ!!)

同僚「そうだな…人気のないバーとかどうだ?」

吉良「わかりました…」

同僚(昨日のこと…絶対聞き出すぞ)

吉良「………………」

同僚は仕事帰りにこの日のために調べたバーに吉良を連れてきた

吉良は今日もいつも通りのスカした態度だ

同僚「お前…この会社に入って何年目だ?」

吉良「なぜそんな質問をする?」

同僚「なんとなく」

吉良「……お前と同じ年数だ」

同僚「違いない」

吉良「この質問に意味はあるのか…?」

同僚「ない」

吉良「…帰らせてもらう」

同僚「待てよ。お前どうせ寄り道するだろう」

吉良「………なに?」

同僚「今夜は誰と夜を過ごすんだ?」

吉良「!!」

同僚(この反応…やはりか!)

吉良「………ここじゃあ他人に聞かれるな…………外に出ようか」

同僚「………あぁ」

同僚(ついに掴んだぞ…!吉良吉影の普通ではないところをッ!!)

バーを出て、一息つく吉良吉影

吉良「さて…」

吉良「…たかが一杯の酒だが、私には少し強すぎたようだ………」

同僚「お前酒弱かったのか?」

吉良「いいや…酔っちゃあいない」

同僚「どういう意味だ?」

吉良「酒が私の脳を刺激してくるんだよ………このままではいけないとね…」

吉良「この酔いを醒ますにはちと…体を動かさなくてはな……」

吉良(しっかりと始末せねば…)

to be continued

吉良(キラークイーンで粉微塵に消しとばしてやるか…)

同僚「………暴力はよせよ………俺だって上司にチクるつもりはないんだ」

吉良「………………」

同僚「ただ…お前がもし………」

同僚「女性をストーキングするやつだったのなら…それは止めるべきだ」

吉良「…………」ゴゴゴゴゴゴゴ

同僚「…………」ゴクリッ

吉良「キラークイ………」

仗助「おい億泰ッ。こっからなら近道だぜ」

億泰「チクショーッ!もう少しで…もう少しであの子を口説けたのによーッ」

仗助「こんな時間じゃあ夜遊び疑われるだろうがッ。急いで家に帰るぞ」

吉良「チッ…」

吉良「今日は家に帰る…歩いたら酔いも覚めるだろう」

同僚「あ…あぁ…」

吉良(高校生に助けられたな…明日は間違いなく消し去るがな)

だが、そんな吉良の予想は外れた…

昼にサンジェルマンでサンドウィッチを買った吉良にハプニングがあった

手首の入ったサンドウィッチをとある中学生が間違って持って行ってしまったのだ

【矢安宮重清】

彼にとってこの男との遭遇は予想外だっただろう

この少年によって彼の正体がバレてしまうのだから…

同僚「おい…誰か吉良を見た奴いるか?」

女性「吉良さんならランチタイム行ってから帰ってきてないですよ?」

同僚「…ふぅん」

ガチャリ

吉良「すみません。遅れました」

上司「珍しいね。君が遅刻とは」

吉良「ちょっと学生に絡まれまして…」

吉良(わたしとした事が…まさかあんなクソガキごときに時間を割いてしまうとは…)

同僚(怪しいな……)

同僚(やはり…あいつは隠しているんだ………遅れてきた理由は女とのもつれ……いや…………その女の彼氏とのトラブルといったところか………近いうちに痛い目に合うぞ…)

そんな同僚の推理は半分当たっていた

数日が経ったある日

吉良はいつもの吉良ではいられなくなった

女性「先輩!今日ご飯一緒に食べに行きましょう!」

同僚「はいはい。わかって…ん?」

同僚「おい!み…見ろよ…あれ……」

同僚「あれはうちの会社の“吉良吉影””」

ゴゴゴゴゴゴゴ

吉良「わたしは安心して……熟睡する…………」ブツブツブツブツ

同僚「お……おい?どうしたんだ?吉良?その顔の血は?」

吉良「やあみんな……帰宅時間かい?もう……仕事は終わりかい?」

いつもの吉良ではない事はすぐに分かる

なぜなら彼の左手がちぎれてしまっているからだ

女性「きゃぁぁぁぁぁぁぁっ」

同僚「うわぁぁぁぁぁっ」

吉良「わたしは静かで…平穏な人生を送ってみせるよ………」

吉良「わたしは誰よりも幸福に生きのびてみせるんだ……………」

吉良「急いでいるんでそれじゃあ…………」

同僚「…………………」

幸福とはなんなのか…

吉良に問いたい同僚は吉良の後を追おうとした

だが、彼の足は動かなかった

『恐怖』

その感情が足を動かしてはくれなかったのだ

それから同僚が吉良吉影と会う事はなかった

後日、同僚は吉良吉影について調べてみた

彼の生い立ちは普通…それがキーワードだった

普通なんかじゃあない…あえて吉良は普通にしているんだ

“目立ちたくないから”

そんな彼は姿をくらましている

この杜王町のどこかで姿を隠して暮らしているのだ…

同僚は彼を探すために自ら営業マンとして外へセールスや配達に行くことを志願した

上司もそれを承諾

外へ出て彼を探す…

それが彼の日課になっていったのだ…

同僚「吉良吉影………彼はまだ平然と生きているはずだ………奴の最後の言葉が本当ならば………な…」

その言葉は現実となる

【川尻浩作】

それが彼の新たな名前だ…!

to be continued

同僚「すみません。先ほど電話でお話さしていただいた件なんですが…」

お偉い人「吉良吉影…?いいや…知らんね」

同僚「そうですか…では失礼します」

ガチャ

同僚「どこにいるんだ吉良吉影…」

同僚(警察には吉良吉影という男が死んだと言う届け出はなかった…家にも行ったが奴はいなかった………いったいどこに…?)

上司「おい。ちょっといいか?」

同僚「はい?」

上司「この書類を届けて欲しいんだ」

同僚「わかりました」

上司「いや~。君がいてくれて本当助かったよ。吉良くんは長期休暇に入ってしまったしな…」

同僚「そうですね…」

同僚は書類を持って街へ出かける

常に通り過ぎる人の顔を見ながら…

同僚「!」

同僚(…違うか…一瞬吉良の顔に見えたが……)

同僚「すみません。書類を届けに来たのですが…

ガチャ

川尻「……………」ゴゴゴゴゴゴゴ

同僚「……?」

同僚(この男…どこかで…?)

川尻「……わざわざ書類を持ってきていただきありがとうございます。またお願いします」

同僚「は、はい…」

バタン

同僚(……気のせい…か…?)

ジィ~

同僚(いいや……気のせいではない………何かがおかしいぞ)

同僚(誰かに見られてる気がする………なんなんだ…?)

同僚を見つめる影は複数あった

1つは【吉良吉廣】…吉良吉影の父親だ

彼は吉良に近づく者を監視していた

それがもし仗助や承太郎たちなら問答無用で攻撃されただろう

だが、同僚の顔を知らない吉廣は敵ではなく一般人と識別した

だが、もう1人…そこには一般人がいた

【川尻早人】

川尻浩作の息子だ

早人は吉良吉影が川尻浩作になりすましていることに気づき始めていた

『ぼくのパパはパパじゃない』

そう思った早人は学校をサボって吉良吉影をストーキングしていた

早人「…………」

同僚(小学生……か…?)

早人「…………」

同僚(気味悪い小学生だ………)

その後、仕事に戻った同僚はいつも通り仕事をこなす

そんな時だった

同僚(………ん?)

同僚(しまった…!会社の資料をさっきの会社に忘れてしまったッ)

同僚(急いで戻らなければ…)

先ほどの会社へ急いで向かった

同僚「すみません…ありがとうございました」

会社員「見つかってよかったです」

川尻「では…お先に失礼します」

部長「気をつけて帰りたまえ」

同僚(あの人………確かここに来たときに会った人だ………名前は………川尻浩作だったか………それにしてもまだ夕方過ぎだぞ…定時上がりか………?)

同僚(………定時…?)

同僚「……つかぬ事をお伺いいたしますが川尻さんはいつもこの時間に退社してるんですか?」

会社員「はい。そうですが?」

同僚「………なるほど」

同僚(………気になるな)

同僚「では失礼」

同僚(………少し後を追うか)

同僚は駆け足で川尻をストーキングする

もう1つの影と同じ様に…

同僚「!」

早人「…………」

同僚「あの子は…確か……」

同僚(手に持ってるのはビデオカメラか…?何のために…?)

バタン

同僚「家に入った………表札には川尻……ここがヤツの家か…」

同僚「名前は3人分あるな…しのぶに早人……」

早人「……おじさん………ボクの家に何の用?」

同僚「え?」

早人「………パパに用事?」

同僚「君はもしかして川尻早人くんかい?」

早人「…そうだけど」

同僚(……なに?)

自分の父親を学校をサボってまでビデオカメラで盗撮する息子…

怪しいと思わない方がおかしい状況…

同僚は早人に聞いた

同僚「……き…キミのパパ………」

早人「…………」

同僚「最近調子はどう…かな?」

早人「…………」

同僚(なんて質問をしてるんだ………)

早人「……最近…普通すぎておかしいんだ」

同僚「……え?」

早人「今までは全然喋らないし………ママを愛してない感じだったのに…」

早人「最近になってママとラブラブで喋る様になった………他にもおかしい所が………」



同僚「ちょ…ちょっと待ってくれ………」

早人「……いいよ」

同僚(普通すぎて………だと…?)

同僚(まさか………)

同僚(そんな馬鹿な……)

早人「大丈夫おじさん…?」

同僚「………よく分かった」

早人「なにが?」

同僚「いいかい…落ち着いて聞いてくれ………これはもしかしての話なんだが………」

川尻「うちの早人に何の用だ…?」

ゴゴゴゴゴゴゴ

川尻浩作…

彼は川尻浩作であって川尻浩作ではない

偽りの存在なのだ

to be continued

川尻「早人……知らない人とは話すなといつも言っているだろう」

早人「………………」

早人「…………それじゃあ」ボソ

同僚「………川尻さん」

川尻「………何の用です?我が家に…」

同僚「い…いいえ……たまたま通りかかっただけです」

川尻「……そうですか」

同僚「えぇ…」

川尻「わざわざあなたの会社から反対側の我が家に通りかかったんですか………営業か何かですか?」

同僚「!」

同僚(なぜそれを………)

川尻(やはり………こいつを生かしておいたのは間違いだった…………あそこで高校生に見られてでもこいつを抹殺しておくべきだった)

同僚(やはり………そうか………)

同僚(こいつは…………)

川尻(さてと………では…)

川尻(今度こそ粉微塵に消し去ってやるッ!!)

しのぶ「あなたーーーーッ!!ご飯よォーーーーー!」

川尻「ぬ…!」

同僚「……な…仲の良いご家庭ですね………」

川尻「………うるさい妻ですよ………」

その瞳の奥には確かにやつがいた

同僚「では失礼します…」

川尻(手短にこいつを始末するはずが…ここは泳がしておいてやる…)

川尻「………」

川尻家を後にした同僚は一切後ろを向かずに歩き続けた

その後ろ姿を川尻をひたすら見つめていた

目に焼き付けていたのだ

運命の再会

吉良の標的は再び…同僚へと向けられた

だが同僚は川尻の正体に気づき始めていた

他にも承太郎や仗助、露伴達も川尻に近づきつつあった

川尻は逃げ切ったと思っているが、実は追い詰められていたのだ

数日が経ち、同僚は川尻家を訪れようとしていた

露伴「…………」

露伴「すまない。ちょっと話いいかな?」

同僚「ん?」

露伴「『ベブンズ・ドア(天国への扉)』ーーーーーッ」

ペラペラ

露伴「吉良吉影の同僚か…こいつなら何か知ってるかもしれないな………」

露伴「ん!」

露伴「なんだこいつは…?」

露伴「吉良吉影の事について書かれている………それもギッシリと…!」

露伴「吉良吉影のストーカーか何かか…?」

露伴「しかし…その後の手がかりは見当たらない……」

“ついに吉良吉影を見つけたぞッ!”

露伴「な…なんだとッ!?」

露伴「こ…こいつは吉良吉影を最近見つけたのか…!」

露伴(…人が来たか…ここまでだな)

露伴「…チッ…ここまでか」

同僚「……な…何か意識が…………」

露伴「…………」

露伴「話をお伺いしたいんだが、よろしいかな…?」

同僚「…?」

露伴「吉良吉影について知ってることを全てだ」

同僚「!!」

同僚「…け…警察の方ですか…?」

露伴「こんな見た目で警察だと思うのか?漫画家さ。岸部露伴…名前ぐらい聞いた事あるだろう」

同僚「あ…あの岸部露伴が……」

露伴「さぁ…話すんだ……お前は何を知っている…?」

同僚(こいつ…もしかして吉良に頼まれてオレを殺しに来たのか…?)

露伴「…………」

同僚(逃げねば…!)

同僚は駆け出した

露伴から逃げ出すのは不可能に近い

彼の距離からはスタンドの射程範囲内だからだ

しかし…神は同僚へ助けを差し伸べる

仗助「おいおい露伴じゃあねえか…こんな所で会うなんて今日はツイてねえなァ~……」

露伴「東方仗助…ッ!?」

仗助「そこどけよ…邪魔になってんぜ通行人のよォ~…」

露伴「なんだと…?」

露伴「…それはそうと…お前はいつになったら金を返してくれるんだ~?」

仗助「か…金が貯まったらちゃんと返すよ」

露伴「…そのバッグ…この前出たばっかりのバッグのはずだぞ…」

仗助「ギクッ!」

露伴「貴様…!!」

同僚「な…なんだか知らんが今の内に逃げておこう…」

同僚はなんとか逃げ出し、川尻家の元へと向かう

しかし…

川尻家では既に事件が起こっていた…

to be continued

ピンポーン

しのぶ「はーい!」

ガチャ

しのぶ「どちら様ですか?」

同僚「川尻早人くんの副担任なんですが、早人くんは家にいますか?」

しのぶ「…また学校をサボったんですか?」

同僚「いいえ。今回はその話ではありません。少しお話だけ…」

しのぶ「そうなの…?でもごめんなさい。今パパとお風呂に入ってるからしばらく出てこないと思うわ」

同僚「そうですか。ならばまた明日来ます」

しのぶ「わざわざすみません」

同僚「いいえこちらこそ」

同僚(2人きり……か……)

この時、川尻早人は吉良に殺された

そして…あの吉良に『第3の能力』が覚醒してしまう…

明朝…

ガチャ

同僚「家を出て来たぞ……あれは……」

早人「…………」

同僚「おや…君は確か……」

早人「ビクッ」

同僚「どうしたんだい?そんなにビビることはないだろう?」

早人「…が…学校があるんで……」

同僚「そうだ。早人くん。実は君のお父さんについて聞きたい事が…」

早人「き…聞かないで!!」

同僚「?」

早人「う……」

ダダダッ

早人は急いで逃げていった

同僚(なぜ逃げる…?)

同僚(今日はダメかな…8時30分………か………)

ドンッ

同僚「うわっと………す…すみません……」

仗助「フラフラすんなよおっさん」

同僚(ヤンキーか…リーゼントとは今時珍しい………ん…?確かどこかで見たような………)

仗助「何ジロジロ見てんだよ」

同僚「あ…な…なんでもありませんよ!」

仗助「気持ち悪いな……」

仗助「ヤッベ!そんな事より承太郎さん達との待ち合わせ場所に急がないと!!」

億泰「待てよ仗助ェ~っ!」

ダダダッ

同僚「…怖かった」

この時、既に露伴は死んでいた

そして時は再び1時間前にさかのぼる

ここから…何度も1時間前にさかのぼる事になるが、それを体感してるのは早人しかいない

本当ならばここから…早人と吉良の戦いが始まるのだが…

これは仮の話……もう1人の男がそこに加わる

ガチャ

早人「お…おじさん!」

同僚「おや…君は確か……」

早人「早人!川尻早人!あなたはパパの事を知ってるんだよね!」

同僚「え?ま…まぁそこそこは……」

早人「だったら……」

川尻「またうちの早人に用ですか…?」

ゴゴゴゴゴゴゴ

同僚「…川尻さん」

早人「く…くそ…」

川尻「どうした?何か伝えたい事があるんじゃあないかな早人?」

早人「……………」

同僚「ふぅ~…」

同僚はポケットからタバコを取り出し、火をつけた

同僚「いるか?」

川尻「わたしがタバコを嫌いな事ぐらい知ってるだろう」

同僚「別の姿になってるんなら変わってると思ってな。整形かおい」

川尻「そんなとこだ。嫌いな物は変わらない…ただ……近づけれるものは近づけている……例えば字とかな……」

同僚「………お前らしいな。まじめなところが」

川尻「驚かないのか?別人になりすましてる事に」

同僚「まじめでそつなくこなすお前だったらありえない話じゃあないからな………誰よりも幸福に生きるんだったら整形ぐらいありえるさ」

早人「…………」

同僚「でも…性格までは丸ごと変えれなかったな…」

同僚「そうだろう?吉良吉影……?」

川尻「まさかお前が1番最初に私までたどり着くとはな……」

川尻「だが…お前で良かったよ………なんの能力も持たないお前で…………」

川尻「バイッァダストを解除しなくて済むからなッ」

早人「ハッ!」

川尻「この時間…既に岸辺露伴は爆発している…………運命はさっき決まったんだよ………」

川尻「さて早人………どうあがいてもお前はこの運命を変えることはできない……絶対にだ」

早人「…………………」

川尻「なんだその目は?」

早人「変えてやる……お前の好き勝手にはさせない……させるもんかッ」

同僚「………な………何が起こったんだ…」

川尻「お前は俺を知りすぎたな……一通り片付いたらお前も始末してやるからそれまで生きておけッ」

同僚「………………」

時間は戻り、再び朝を迎えた川尻早人

運命を変えるため、早人は1つの決心をした

そして少年は生まれて初めてマジに心の底から神様にお祈りした

『どうかこのぼくに人殺しをさせてください』……と

早人はいつもと行動を変え、猫草をランドセルに入れた

やつは毎回早人に家に忘れた帽子を被せに来る

その瞬間に猫草の攻撃をくらわそうとした

しかし…不運か否か……たまたま川尻の胸ポケに入れてた腕時計がその攻撃を防いでしまった

早人の運を川尻…いや…吉良の運が上回ったのだ

そして吉良は勝ち誇る

川尻「おっと……わたしの“本名”を言っちゃったかなァ~!」フフフ…

川尻「そう…わたしの名は“吉良吉影”フフフ…ハハハハ」

川尻「誰かにしゃべってもかまわないよ…」

川尻「ところで今何時だね?」

早人「…………」

川尻「どうした?怖気付いたのか?」

早人「今…確かに“本名”を言ったよね…?」

川尻「それが?わたしの本名は吉良吉影だ」

??「“吉良吉影”33歳独身」

??「仕事はまじめでそつなくこなすが、今ひとつ情熱のない男……」

川尻「………………」

ゴゴゴゴゴゴゴ

同僚「そうだったかな……川尻浩作……いや……吉良吉影ッ」

川尻「キ…キサマ…!!」

同僚「やめとけ!やめとけ!キラークイーンじゃあオレには勝てないぞ」

川尻「!!」

同僚「驚いたか?まったく…警戒心のないやつだな……」

同僚「お前と会うんだ……能力の1つや2つ対策してくるに決まってるだろう」

川尻「お前も……なのか…?」

同僚「だとしたら…?」

川尻「…………」

川尻「真っ先に殺す…ッ!」

to be continued

今夜完結します

同僚「ちなみに現在の時刻は8時26分…出勤時間に間に合うのかい?」

川尻「………間に合わないさ。お前を殺してから会社に遅れる旨を電話で報告するだけだ」

川尻「お前こそ最後に会社に言わなくていいのか?長期休暇に入るって事を……だ…」

同僚「あいにく今日は無断欠勤覚悟さ」

同僚「ここで死んでもらうぞッ!吉良吉影!」

川尻(どこだ………こいつのスタンドはどこに隠れているッ)

同僚「攻撃は既に始まっているぞッ」

川尻(こうなったら………直接本体に攻撃してやるッ)

川尻「キラークイーンッ!」

同僚「バイッァダストはどうした?解除したのか?」

川尻「バイッァダストのままではキラークイーンで身を守ることはできないからな…」

川尻「そして死ねッ」

グオオ

バァァァン

同僚はキラークイーンに腹を貫かれる

同僚「ぐぉ…ッ」

早人「おじさーーーーーんッ」

川尻「フン…」

バタン

放り投げられる同僚

川尻「ハハハハハハハハハハッ。あっけなかったなッ。スタンドすら出せぬまま死んでいくとはッ」

同僚「………………」

同僚「フフ……」

川尻「……なぜ笑う?」

同僚「スタンド……ね……………それが特殊な能力ってやつ………か………」

同僚「キラークイーン……………それが吉良吉影の特殊な能力………………」

同僚「この能力を使って色んなことをしてきたのか……………ついに………解明したんだ………」

同僚「やっぱり…………吉良吉影は………普通じゃあ無かったんだ…………」

川尻「な…何を言ってるんだ……お前は………ま…まさか………」

同僚「最初から…………スタンドの存在なんて知らなかった………それが答え………」

同僚「今朝………早人くんに教えてもらったんだ………だけど…………聞いたのはキラークイーンとバイッァダストと言う特殊な能力さ………」

同僚「オレはスタンドなんか見えないし…………持ってすらいない…………つまり………」

同僚「お前は勝手にオレの言動に振り回されてくれたのさ………………」

同僚「そして…………」

同僚「お前は早人くんに仕掛けた爆弾を勝手に外してくれた…………」

同僚「そして………………」

同僚「8時30分………それが………今の時刻だ……………」

8時30分

岸辺露伴が既に爆発しているはずの時間

だが、川尻がバイッァダストを解除したため、その運命が変わってしまったのだ

早人「やったッ。未来が変わったぞッ!!」

川尻「グッ…………」

同僚「さて………………」

同僚「この時間にオレはとある高校生に絡まれる……………これは…………変わらない運命だよな……吉良吉影…?」

ドドドドドドドドドド

雨の中に立つ青年

彼こそこの物語の真の主人公

東方仗助

仗助「………今…………確かに……吉良吉影つったよなァ~…?」

川尻「東方仗助…!」

億泰「おい仗助ェ~。雨が降ってきたけどよォー。みんなとの待ち合わせの時間に間に合うぜ~っ!」

仗助「待て!億泰…」

仗助「偶然か!これは運命なのか!」

仗助「今……目の前で死にかけのおっさんがよォー…ブッたまげる名前をよぉ。しゃべったんだぜッ!」

億泰「!?」

同僚「吉良吉影………こいつの本名さ…………」

早人「偶然なんかじゃあない…運命なんかでもない!これは“賭け”だ!ぼくとおじさんが“賭け”たんだッ!!」

早人「僕はおじさんの行動を一度観察したんだ…………」

早人「おじさんは必ず8時30分にこの場所でこのお兄さんに出会う…だとしたらそれまでにバイッァダストが解除されてればこの場所で再び出会う事になるはずだと…」

同僚「そのためにオレはお前にカマをかけた……オレも特殊な能力使いだぞってな………」

早人「家にかかってきた間違い電話の後、おじさんからもらっていた名刺の番号に電話したんだ……そして全てを話した…」

早人「そしてまんまとお前はその誘いに乗った!」

早人(だけど………その代わりにおじさんが体を張ってくれたんだ………)

早人(おじさんに全てを話し、説得した………時間はかかったけど………)

同僚【そうか…やはり吉良吉影だったのか………】

早人【協力して欲しいんだ!ぼく1人じゃあとても……】

同僚【………なら条件がある】

早人【え…?】

同僚【1度だけ他の皆を死なさせてくれ】

早人【!?】

早人【どう言う意味?】

同僚【一度………ヤツの口から直接答えを聞いてから…………この作戦を決行させて欲しい………】

同僚【そして時が戻り…再び君がオレと話した時にその事実を述べて欲しい………それだけでいい………あとはオレがカマをかける】

早人【………でも…死ぬかもしれないよ…?バイッァダストを解除したらもう助からないかも………】

同僚【あいつの驚く顔を見るためなら死んでもいいさ】ニコォ

早人(おじさん…ありがとう………)

仗助「ドラァッ!」

ボコォ

川尻「グハァ」

億泰「お…おい仗助!とりあえずそのおっさんを治してやれよ!」

仗助「言われなくてもやってるよッ」

仗助「誰だか知らねえがアンタのおかげでついに吉良を見つける事が出来たぜ…感謝するぜ」

同僚「なぁに……礼には及ばんさ……………」

仗助「アンタ名前は?」

同僚「…………………」

ガクッ

早人「おじさん!」

仗助「おい!死ぬなッ。クレイジーダイヤモンドッ」

同僚「…………………」

仗助「…ダメだ……傷は全て治したが…………手遅れだったみてぇだな……………」

仗助「…………すまねぇ」

川尻「このわたしの人生を……よくも狂わしてくれたな………」

仗助「お前の人生なんてどうでもいい………だがな……お前のせいで罪もなく死んでいった被害者たちの人生は狂わされただろうな………」

仗助「そして………このおっさんもな………」

仗助「かっこよかったぜ………あんた………」

吉良の同僚…名前は最後まで名乗らなかった

だが、彼はこの世界ではヒーローとして仗助達の記憶には残っていく

これは仮にあったかもしれない世界………

他の世界では、名もないキャラが活躍してるかもしれない

そんな世界があってもいいのではないだろうか…………

【同僚 スタンド名ーなし
職業ー平凡なサラリーマン 死亡】

end


同僚「大切なのは『真実に向かおうとする意志』だと思っている」
吉良「お前は私が騙されたせいで腹を貫かれて死亡した…!!」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年10月08日 (土) 15:05:54   ID: Jnd4r9UJ

これは 面白い!!

2 :  SS好きの774さん   2016年11月05日 (土) 23:17:53   ID: WvyMix1p

同僚おおおおおお

3 :  SS好きの774さん   2017年02月04日 (土) 22:48:35   ID: JidfJ1_R

久々に面白いssにあった

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