モバP「ピンクチェックスクールの皆が拘束された」 (22)


P(――ピンクチェックスクールの収録、その帰り道……事件は起こった)

P(――PCSのメンバー、島村卯月、小日向美穂、五十嵐響子)

P(――3人は後ろから薬品を嗅がされ眠りに落ち……バンに詰められて誘拐された)



P(――PCSの皆が監禁された場所を突き止めるのに、そう時間はかからなかった)

P(――誘拐犯の一味は『少なくとも身体の一部が緑化している』共通点があったからだ)

P(――そいつらを見つけ、尋問し、下っ端から段々と組織の中核にたどり着いていく)

P(――そして遂に、卯月たちの居場所を発見し……俺達は『そこ』に駆け込んだ)


P(――俺達は絶句した。そのあまりの惨状に)



P(――『そこ』……卯月の部屋を模したように小物やクッションで満たされた密室で、俺達が見たものは)


P(――一部始終を撮影したであろう監視カメラ)

P(――恐らく、奴らが『いたす』つもりで置いたのだろう……ダブルサイズのベッド)

P(――身を寄せ合い眠っている……後ろ手に縛られた卯月、美穂、響子)

P(――尊い)


P(――そして)



P(――まるで、少女たちの部屋を『鑑賞』するように生い茂る)

P(――なんと、ちょうど組織の残りのメンバーの数と一致する―――――)





P(――おびただしい数の、うえきちゃんだった)



――――――――――――――――――――


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いつもの拘束モノです。

ピンチェほんまかわいい


~ことは3時間前に遡る~



卯月「ん……」パチリ

卯月「ここは……?」モゾ

卯月「……あ……美穂ちゃんと響子ちゃんがいる……」

卯月「おきてー……」スッ


ギシッ

卯月「……えっ?」


卯月(えっ? 私……縛られてる!?)

卯月(手が動かせない……! そんな……!?)

卯月(私の部屋みたいだけど、何か雰囲気が違う……!)

卯月(ここ…どこ!?)


美穂「んう……」モゾモゾ

響子「ふあ……?」パチクリ

卯月「!」


卯月「起きて! 美穂ちゃん、響子ちゃん!」

卯月「大変なことになっちゃったの!」


――――――――――――――――――――


美穂「な、なんで……?」ギシッ

響子「こんなことに……?」ギシギシ


卯月「わからないよ……収録が終わって、皆で帰ってると思ったら……いつの間にかこんなところに」


響子「! 思い出しました! 確か私たち、何か薬を嗅がされたんです!」

美穂「そ、そうだ! 男の人達に後ろから……!」

卯月「……ってことは……もしかして私たち」



卯月「誘拐された……?」



PCS「「「―――――!!!」」」サアア



響子「そんな……! じゃあ、私達が縛られてるのって、これから……」

卯月「あの男の人達に……!?」

美穂「っ……」


美穂(どうしよう……卯月ちゃんも響子ちゃんも不安がってる)

美穂(私が二人を励まさないと)

美穂(熊本の女は強いんだからっ……!!)


ジーーーーーーー


美穂(……あれ?)

美穂(今まで気付かなかったけど、あれって……監視カメラ?)

美穂(カメラがあるってことは……)



美穂「……あっ! これドッキリ撮影じゃないかな!?」


うづきょうこ「「ドッキリ撮影!!?」」


美穂「あ……撮影だって声に出すのはNGだよね。2人ともちょっと耳貸して」

卯月「う、うん」ソッ

響子「は、はいっ」ソッ


――――――――――――――――――――


男A「ゲヘヘヘヘうまく行ったぜ」

男B「ぐへへ……あの現在人気沸騰中の正統派美少女ユニット『ピンクチェックスクール』が俺達のものになるなんてなあ」

男C「縛って密室に転がしておいて、俺達がヤってその様子を撮影して……それを使ってまたこいつらを脅して、やりまくるんだぜ」




男A「さーて……ちょっと覗いてみようじゃねえか。これからナニされるか知りもしないで呑気してる卯月ちゃんた……」ピタッ

男A「……」


男B「どうした男A。固まっちまって……」


男A「……尊い」


男C「は?」


――――――――――――――――――――


美穂「……だからね。これはドッキリだから安心していいんだよ!」コショコショ

響子「な、なーんだ! そうだったんですね! 良かったあ……」ホッ

卯月「安心したら……ひゃっ! み、美穂ちゃん! あんまり小声で喋るからくすぐったいよ~!」

美穂「え? ……こう?」フッ

卯月「ひゃーーー!!」

美穂「えへへ……卯月ちゃんかわいいなあ」


――――――――――――――――――――


男B「おい? 男A? 何があった?」

男A「ああ……」


男A「俺が間違っていた……」

男A「あんな、ベッドの上でくすぐったがってる少女たちの間に割り込もうなんて……」

男A「ましてや『ヤろう』だなんて……」ポロッ


男A「俺はこの景色を見られるだけでいい……」ツー

男A「俺はただの観葉植物でいい……!」メキッ


男B「!? お、お前……身体が!?」

男C「まるで植物の枝とか葉っぱみてえなもんが……!」


男A「そう……俺は……!」



男A「この景色を堪能できるなら、ただのうえきちゃんでいい―――――!!」


ワサア



うえきちゃん「……」ズウウウウン


男C「なんだと!?」

男C「…おいっ! 返事しろ男A! どうなってんだよ!?」

男B「あいつは何を見たんだ……!? ちょっと壁を切り替えるぞ!」カチッ

男B「ところで見ろよお前ら。この部屋……マジックミラーみたいにこっちからは卯月ちゃんたちの姿が丸見えなんだ!」

男B「音声も拾える。これで俺達全員中の様子を確認……」ピタッ


――――――――――――――――――――


卯月「お、お返しですっ!」ギシッ

卯月「……ふーっ!!」

美穂「ひゃああっ!?」ビクンッ

響子「私も後ろから……失礼しますっ!」フッ

美穂「ふ、二人ともやめてえ! 私が悪かったからあ……!」ビクン


――――――――――――――――――――


男BC「「…………」」



男BC「「ああ^~」」ワサア



うえきちゃん×3「「「…………」」」ヒラヒラ


――――――――――――――――――――


響子「でも、撮影ですか……」

卯月「? どうしたの響子ちゃん?」

響子「えっと……」


響子「私、手を縛られてるから今なにも出来なくて……」ギシ

響子「今の私じゃ、皆に何もしてあげられないから……」

響子「だから、早く解放してほしいなって……」モジモジ


うえきちゃん「口噛み酒と言うものがあってだな」


美穂「んっ?」

響子「美穂ちゃん?」

美穂「う、ううん。気のせいだった」


卯月「うーん……それなら!」

響子「はい」

卯月「今は何もしないで、私たちに甘えればいいんだよ!」

響子「卯月ちゃん!?」


卯月「だって私も美穂ちゃんも、響子ちゃんより二つ年上のお姉ちゃんなんだよ!」

卯月「だからこの機会に、響子ちゃんも思いっきり私たちに甘えちゃえばいいって思うな!」エヘン

美穂「! そうだね!」

美穂「いつもはしっかりしたお姉ちゃんでも……このピンクチェックスクールじゃ甘えんぼの末っ子でいいんだよ♪」

響子「卯月ちゃん……美穂ちゃん……!」

響子「……」


響子「…あれ? 2人とも縛られて何も出来ないのは同じじゃないですか?」


うづみほ「「あっ」」


卯月「ど、どうしよう! 私も手を使えないのは同じだったよ!」

美穂「お姉ちゃんなのに……!!」

響子「……」クスッ


響子「……でも、甘えることはできますね♪」ポスッ

卯月「ひゃっ」

響子「何も出来ないから……今だけは甘えんぼの妹です! えへへっ♪」スリスリ

卯月「わあ……!」キラキラ


――――――――――――――――――――


男D「おっせえなあいつら……ピンチェやりに行ってから何分経ってんだ」ズンズン

男D「クッソ羨ましい……今頃処女を散らされてんだろうなあ」イライラ

男D「おいお前ら! いつまでお楽しみして―――」


――――――――――――――――――――


響子「卯月お姉ちゃんっ♪」スリスリ

卯月「お姉ちゃんだよっ♪」ピトー

美穂「私も! 私にも甘えて響子ちゃん!」ピトー

響子「美穂お姉ちゃん~♪」スリスリ

美穂「響子ちゃんとってもかわいい~!」エヘヘ


――――――――――――――――――――


男D「ここが天国か」ワサア






――――――――――――――――――――


男Z「こちらです、ボス」

ボス「おう。…見に行った奴は誰一人帰って来ねえ」

ボス「何お楽しみしてやがるんだ糞共が……」


男Z「全くです。まさか何時までも小娘たちを囲うような奴らだったとは……」

ボス「明日はお前以外の全員が豚の餌だな。ったく最後は俺が喘がせてやろうと思ってたのによお」

ボス「こんだけ時間が経ってりゃ、もう廃人に……」


ボス「……あ?」



うえきちゃん×25「「「……」」」ワサワサ



男Z「ぼ、ボス……こいつはどう見ても異様です」

ボス「…ああ。しかし妙ちきりんな植物共のせいで部屋の様子すら分からねえ」

ボス「中はどうなってやがる……クソっ邪魔だ!」バサア


男Z「透過済みの壁は……この植木で覆われて見えませんね」

男Z「ほとんど声もしません。……直接ドアを開けて中を確認したほうがよろしいかと」

ボス「ああ、そうだな……ククク」

男Z「ボス?」


ボス「喜べ男Z。もしかしたら中の小娘共、まだ処女かもしれねえ」

ボス「『それ』は優秀な男A達にくれてやるつもりだったがよお……俺自ら奪ってやるのがやっぱ一番だな」

ボス「お前にも一人くれてやる。……楽しもうじゃねえか」


男Z「……感謝の極み」


ボス「よし。……開けろ」

男Z「はい!」


ガチャ





卯月「すぅ……すぅ……」

美穂「えへへ……」

響子「お姉ちゃん……可愛いお姉ちゃんが2人も……♪」スリスリ





ボス(――扉を開いた向こう……そこにあったのは)

ボス(――15歳の五十嵐響子を挟むように、17歳の島村卯月と小日向美穂が並んで)

ボス(――まるで仲睦まじい姉妹のように、川の字で眠りこける景色だった)


ボス(――ああ)

ボス(――なんで忘れていたんだろう)

ボス(――世の中には、本当は美しい)

ボス(――俺達のような奴らが、汚しているだけだったんだ)


ボス(――こんなにも、尊い景色が)

ボス(――こんなにも、安心に包まれる『匂い』が)

ボス(――失われる世の中であってはいけねえ)


ボス(――俺達は、この素晴らしき景色を)

ボス(――陰から守っていくべきだったんだ)

ボス(――そのためには)



ボス(――ならなきゃいけない)

ボス(――決して目立たない、少女たちの守護者に)


ボス(――快適な空気を作り出す)

ボス(――決して息苦しくならない、そんな存在に)


ボス(――そう……)



ボス(――大樹に―――――!!)



ワサア


巨大うえきちゃん「……」

うえきちゃん×26「「「……」」」


――――――――――――――――――――


――――――――――――――――――――


P(――卯月たちが監禁されていた部屋では、監視カメラが一部始終を捉えていて)

P(――それを確認したスタッフから緑化が発生したことより、真実のほぼ全体が把握された)

P(――この映像を見たものは……もれなく謎の植物『うえきちゃん』と化し)

P(――アイドルに手を出すような邪な人間や犯罪者を『浄化』し)

P(――さらには地球温暖化の解決に、大いに役に立っている)


P(――かく言う俺も、心の在りようからか『うえきちゃん』そのものにはならなかったが)

P(――現場に立ち会った影響で全身に葉緑体が発生した)

P(――しかし後悔はしていない……)





ちひろ「ピンクチェックスクールのお宝映像、ただいま買い取り手を募集中です♪」


~おしまい~


ピンチェほんとかわいい。

末っ子響子ほんとかわいい。


ピンチェでの響子の扱いに悩んでいましたが、末っ子属性と言うアドバンテージに気づかせてくれた公式には感謝しかありません。

あと恒常こっひ引かせてくれてありがとうございます。


ここまで読んでいただきありがとうございましたm(__)m



…同い年の上の子2人と下の子1人の組み合わせで柱の男を連想したのは内緒

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