犬「我が家に兎ちゃんが」(140)

犬「こんにちは」

兎「……」

犬「貴方、とてもキュートですわね。お名前は?」

兎「……」

犬「毛並み、ふわふわなのね。歳は……あ、女性に対して失礼ですわよね」

兎「……」

犬「わ、わたくしそんな怖いかしら」

兎「……」

犬「ドーベルマンはそりゃ攻撃的な犬種かもしれませんが……」

兎「……」

犬「根はとても、聡明ですのよ?」

兎「……」

兎「……俺は、中年のオスだぞ」

犬「!?!?」

犬「こ、これは失礼……とんだ勘違いを」

兎「あんた、バカにしてんのか?」

犬「まさか!そんなつもりじゃありませんわ!」

兎「……」

犬「……た、ただ余りにも愛らしい格好だったものでつい」

兎「う、うるしゃい!!」

犬「……」

兎「……」

犬「……おっさん、ですわよね?」

兎「紛れもなく」

犬「じゃあこれからわたくし、貴方の事をなんてお呼びしたら宜しいの?」

兎「うさぴょん」

犬「嫌ですわ」

兎「何でだよ」

犬「……中年なんでしょ、貴方」

兎「紛れもなく」

犬「……なら、うさぴょんはちょっと痛々しいのでは?」

兎「じゃあ、あんたはなんて呼ばれてるんだ」

犬「信長」

兎「気に入った」

犬「……正直、この名前を気に入られても全然嬉しくないですわ」

犬「わたくし、まだまだ若々しい女の子ですのに」

犬「マリアージュとか、アダルトチルドレンとか、それ相応の名があって?」

兎「アダルトチルドレンは、道徳的にアウトだと思うんだが」

犬「……あら」

兎「それに気に入ったのは名前じゃない、あんたの事さ」

犬「わたくし?」

兎「ああ」

兎「なんと言うか、気の毒で同情するよ」フッ

犬「うるさいですわ」

兎「俺にも名前が与えられた」

犬「あら」

犬「ご主人様もあれだけ悩んでいたんですもの、きっと貴方の容姿に見合った素晴らしい……」

兎「タケシ」

犬「え?」

兎「俺は今日からタケシだ」

犬「……」

兎「……」

犬「と、とても人間らしくて良いのでは?近親感が湧いてきっと子供にも好かれますわよ」

兎「因みに元恋人もタケシらしい」

犬「バツイチのご主人様、一体何を思ってこの名前をうさぴょんに……」

兎「同情でうさぴょん言うな」

犬「そう気を落とす事はないですわ」

犬「名前一つでどうかなる訳でもありませんし」

兎「信長に言われると妙に説得力があるな……」

犬「信長言うな」

犬「それにわたくし、光秀とか来たらどうしようと考えていたんですもの」

兎「主人は、歴史マニアか何かなのか」

犬「大河ドラマにはまってるそうですわ」

兎「バツイチなのに渋いな」

犬(バツイチ関係無い……)




猫「ただいま」

犬「おかえり」

兎「何だ、この家には猫もいるのか」

犬「ご主人様は動物がお好きなんですの」

猫「僕不在の間にまた新人が……」

猫「あっ、家具の配置が変わってる……ご主人の性格上、僕のスペースがまた狭くなってるんじゃ……やっぱり」

犬「ほぼ、のらりくらりしてるから良いのでは?」

猫「そういう問題じゃないですよ!僕の聖域がどんどん新参共に寄って侵食されていく悲しみが貴方に分かりますか!いえ、分かりませんでしょうね!」

兎「何か、古参アピールうざいんだが」ヒソヒソ

犬「軽く流すのが吉ですわ」ヒソヒソ

猫「そこ、聴こえていますよ!」

犬「ほら!お互い自己紹介しましょう!」

兎「嫌だ」

犬「ま、まぁ気持ちは分かりますが……」

猫「何ですか、まだ名前貰ってないんですか」

犬「いえ、そういう訳ではありませんの…」

兎「……そうだな、俺の名はタケシ」

猫「……タケシ?」

兎「タケシ」

猫「……タケシって、確か」

兎「……」

猫「……」

兎「……」

猫「あの、すみません。僕の聖域、貴方に譲りましょうか」

兎「だから嫌だって言ったんだ」

兎「あんたの名前もどうせアダルトチルドレンとかだろ」

猫「そんな名前付ける人間病んでて嫌です」

猫「僕の名前は、漆黒の堕天使ですよ」

兎「……」

猫「冗談です」

兎「良かった。今本気で家出を考えたぞ」

猫「幾ら何でも、ご主人のネーミングセンスはそこまで悪くないかと」

兎「センスどうのこうのより人としての問題だと思うけどな」

犬「あはは……」

猫「で、僕はタマです」

兎「嘘吐くな」

猫「本当ですよ!!」

兎「……」チラッ

犬「……」コクッ

兎「……」

猫「……」

兎「インパクトに欠ける、面白くない、ゴミ」

犬「あら、やり直しですわね……」

猫「嫉妬ダメ、絶対!!」

猫「そんな事より、聞いて下さいよ」

犬「どうされたので」

猫「鼠を捕まえた」

鼠「こんにちは」

犬「あら」

兎「随分落ち着いているんだな」

猫「そうなんですよね。何か、気に入らないので食べずに燃やそうかと考えているんですけど」

鼠「えっ!?!?」

兎「恐ろしい」

鼠「もっ、もやっ燃やすの…!?」ビクビク

犬「すっかり脅えちゃってるじゃありませんか」

猫「この世は弱肉強食なり」

兎「こいつ、野良だったのか?」ヒソヒソ

犬「ええ、ご主人様に拾われたそうですわ」ヒソヒソ

鼠「なんて、野蛮な」ヒソヒソ

猫「ナチュラルに混じってんじゃねぇよ!」

鼠「てへ」

猫「」イラッ

猫「……」ヒョイッ

鼠「ぎゃっ」

猫「今から食べまーす、あーん」

鼠「いやああああああああああああああああああ」

猫「うるせぇ」

兎「恐ろしい…」

犬「待つのですわ!」

猫「何ですか、お腹減ってるんですよ」

犬「もうすぐご飯の時間ですのにそんな意地汚い真似はよすのですわ!」

猫「……」

犬「貴方にはちゃんと毎日きちんと餌が出るでしょう?でもこの子はどうですの?」

鼠「……ひもじいよぉ」シクシク

兎「酷い演技だな」

犬「……コホンッ」

犬「貴方も野良だった日々を思い出すのですわ!」

猫「……」

猫「……仕方ないですね、今回は見逃しましょう」

鼠「!!」

犬「良かったですわね」

鼠「ありがとう、殿方!」

犬「燃やしてよし」

猫「わざと煽っているとみた」

兎「恐ろしい……」




犬「……あら」

兎「……眠い」

犬「今朝は、貴方も散歩するんですのね」

兎「帰りたいんだが」

兎「……兎に散歩なんて必要ないだろ」

犬「まぁまぁ、そう仰らずに」

犬「朝のこの空気を感じつつ、一つ、川柳でも」

兎「ジジイか」

犬「おっさんでは?」

兎「そうだったな」

兎「俺も猫みたいに自由に生きたいものだな」

犬「猫は猫で、色々と苦労がありますわよ」

兎「それもそうだ、あんたは良い事を言う」

犬「所で」

兎「何だ」

犬「わたくし、悩みがありますの」

兎「ほう」

犬「……最近、ねっとりとした熱い視線が」

兎「そりゃ若者の特徴、青年期に起きる自己意識の発達だな」

犬「ち、ちがいますわ!」

猫「どうしたんですか」

兎「よう、漆黒の堕天使」

猫「……それ、辞めて貰えます?」

兎「タマが個人的には気に食わないだけだから気にしないでくれ」

猫「何その私利私欲的な理由」

兎「あんた真っ黒だし、ピッタリだよ漆黒の堕天使。素敵」

猫「良い歳したおっさんが大人気ないですよ」

犬「仲良いですわね」

猫「勘弁して下さい……」

兎「若いのと絡むと自分も若返った様で気持ち良いな」ワクワク

犬「どこ行こうとしてたんですの」

猫「猫の集会」

犬「わたくしも行きたいですわ」

猫「無理に決まってんだろ」

兎(こいつ、天然なのか?)

猫「……あのねぇ、貴方みたいなコワモテ連れて行ったら苦情殺到ですよ。もしくは僕がボスに八つ裂きされます」

犬「コワモテ!?」

猫「はい、因みに今日は土産を持って行くつもりでした。じゃん!」

鼠「……」

犬「……」

兎「お、この間のネズ公じゃねーか」

鼠「……おかしくない?」

猫「何が」

鼠「解放してくれたんじゃなかったの」

猫「まさか」

犬「猫は因縁深い生き物ですからね、暫くは玩具状態ですわ……」

兎「おお…おいたわしや……」

猫「それより、話逸れてませんか」

犬「そうでしたわ!!」

猫「ねっとりとした視線?」

犬「そうですの」

猫「……殺意とかではなく?」

犬「失礼ですわね!」

猫「僕、めんどくさいんで集会に行きますね。それでは」

犬「は、薄情者ですわ……!」プルプル

兎「心当たりはないのか」

犬「……ええ、特に」

兎「じゃあ、気のせいだな」

犬「タマもタケシも適当ですわね!」

兎「外でタケシと呼ぶんじゃない、うさぴょんと呼べ」

犬「まだ諦めてなかったんですのね」

兎「適当と言われてもな……手掛かりが無ければどうにもこうにも」

犬「あ」

兎「あ?」

鳥「おはようございますぅ~」

犬「おはようですわ」

鳥「一回なんと貴方の朝飯と交換で美白メイク致しますよぉ~」

犬「結構ですわ、いつも通り喋って下さいまし」

鳥「……チッ」

兎「何だ……こいつは」

犬「ここらで有名な詐欺師のカラスですわ」

兎「詐欺師なら有名になっちゃいかんだろ」

犬「彼はちょっとおバカですの」

鳥「余計なお世話じゃ!」

兎「そんな商法じゃ、流石に騙される奴なんて早々現れないんじゃないか?若造」

鳥「フッ、いるんだなぁ……それが」

犬「ええ、初回はわたくし見事にやられましたわよ」

兎「えっ」

鳥「……」

犬「顔面、糞だらけにさせられましたわ~。確かに真っ白になったけど美白じゃないやんけ~ってわたくしツッコんでやりましたの!」

犬「ご主人様にも怒られて、今でも苦い思い出ですのよ」

兎「あんたの聡明さはどこへ行ったんだ」

鳥「……何つーか、お前ってとんだお間抜けな闘犬だよな」

犬「聞こえないですわ」

鳥「大体、よくよく考えてみろ」

犬「何ですの」

鳥「お前の顔面で美白になった所で、それはそれで恐怖じゃねーか」

犬「!?」ズガーンッ

兎「いや、そもそも体毛が普通に邪魔で皮膚見えないから美白も糞もないだろ……」

鳥「!?」ズガーンッ

鳥「この商売やめる!」

兎「頭良い動物で知られる二匹がこのざまとは」

兎「何なのあんたら、若いからそんなにバカなのか」

兎「……いや、俺が若い頃はここまで酷くなかったぞ。人格的な問題だな」

鳥「お腹空いたぜ」

兎「年長者の話は聴けバカタレ」

犬「またゴミ漁りかしら?」

鳥「お前もどうだぁ」

犬「ご主人様が戻って来たら雷が落ちますわ、遠慮致します」

鳥「いやお前の主、ベンチに座って、さっきからすげぇこっち見てるけどよ」

犬「まぁ、なんてアホ面なのかしら……」

兎「信長、忠実心はどこいった忠実心は」

犬「はぁ……」

鳥「元気ねーじゃん、どうしたんだよ」

犬「わたくしも、あの家のトイプードルちゃんの様に可愛くおめかしされても似合う様な犬になりたかったですわ……」

犬「向こうの団地のマルチーズちゃんは真っ白でふわふわしてますのに……」

犬「対してわたくしは、でかいし、怖いし、色も黒っぽくて……」

犬「……」

鳥「ばかやろう!!!何言ってやがる!!!」ドーンッ

犬「ぎゃあっ」

鳥「確かにお前はオスみたいだ!!名前も含めてな!!!」

犬「あ、はい」

鳥「だがな!!!お前はちゃんと可愛いんだ!!!」

犬「……!!」

鳥「小さくて、くりくりしてるだけがプリティーと思い込むんじゃねぇ!!!」

犬「……」

鳥「お前の魅力は、凛々しい格好とは裏腹なその可憐でお茶目な性格なんじゃ!!!」

鳥「充分綺麗なんだよお前は!!俺がいっちばん分かってる、ドアホゥが!!!」

鳥「これでも卑屈になるか!?あぁ!?」

犬「……え、えーっと」

鳥「……」

犬「……」

鳥「なっ、なに照れてやがる!」

犬「あ、貴方が恥ずかしい事を大声で言うから……」

兎「おい、何てラブコメおっさんに見せ付けてくれてんだ。死にたくなるからやめろ殺すぞ」

犬「……」

鳥「……」

犬「……あの」

犬「ありがとう……ですわ」

鳥「お、おう…」

犬「わたくしの事、そんな風に言って下さって」

犬「今のお言葉、教訓に致しますわね」

鳥「……俺は別に」

鳥「ただ、お前が卑下するのはなんつーか腹立つって言うか……」

犬「……」

鳥「べっ、べつにそれだけで深い意味なんてねーかんな!!勘違いすんなよ!!」

犬「……ふふっ」

犬「ええ、分かりましたわ」

兎「よーし、ケツの穴から手突っ込んで奥歯ガタガタ言わせても問題ないな」

兎「てか確実に熱い視線こいつだろ」




犬「草食動物らしからぬ殺気が立ってますわよ…」

兎「ああ、この歳特有のクソみたいな乳繰り合いを五感で察知する度に起こってしまう生理現象だ。気にするな」

犬「こんな大人にはなりたくないものですわね……」

兎「俺は可愛いから許される」

犬「ちょっと…いや、かなり痛々しいからお辞めになって?タケシ」

兎「段々タケシも愛着湧いてくるよな」

犬「可愛いですわよ」

兎「ありがとうっ、嬉しいぴょんぴょん!」

犬「……」

兎「……」

犬「……」

兎「何も言わずに身をそっと忘却の彼方へ投げて下さい、お願いします」




鼠「こんにちは、今日も気持ちが悪い程の晴天です」

鼠「朝の空は、澄んでいてとても美しいですよ。起きて一番に見ると毎回心を打たれるので良い目覚ましになります」

鼠「でも、あたしの最近の楽しみは夜まる~いお月様を探す事です。その日天気が悪いとしょぼくれちゃいます」

鼠「あ、そうそう!季節の変わり目で朝と夜は少し肌寒くなって来ましたが、風邪には充分にお気を付けて」

鼠「それにしても、秋は月見が楽しみですね。お団子を盗んで食べるのも良いですが、それではやはり風情と言うものが……」

猫「ふあああぁぁぁぁ……」パチッ

猫「よく寝た……」

鼠「………」

猫「……何か、ぶつぶつ言ってましたけど大丈夫ですか」

鼠「心配するならこのわけわからん檻から出せ、外道」

猫「小便行こっと」

鼠「あっ、こら!逃げるなー!!出せー!!陰険ヤロー!!!」ガタガタ

猫「うるせぇ、食うぞ」

鼠「食えるもんなら食ってみろー!!意気地無しー!!煩悩垂れ流しー!!」

猫「あーん」

鼠「ごめんなさい!!どうかお慈悲を~!!!」

鼠「あたしをストレスの捌け口にしているなら今すぐやめる事ね」

猫「……」

鼠「もうすぐ、あたしの仲間が助けに来る筈よ」

猫「……」

鼠「そりゃ、猫一匹程度数で圧し切ってギッタンギッタンのケチョンケチョンにしちゃうわよ!!」

猫「……」

鼠「鼠の団結力と悪知恵を甘く見てたら痛い目に合うんだからね!!」

猫「……」

鼠「ちょっと!毛繕いしてないで何か言ったらどうなの!?」

猫「貴方ぼっちそうなのに仲間いるんですね」

鼠「ぎくっ」

猫「図星かよ」

鼠「さ、さすがね……野良だっただけあるわ……その洞察力と勘だけは評価してあげる……!!」

猫「いや、今のは自爆だったろ無能過ぎ」

鼠「とっ、とにかく!!」

鼠「恨みも何もないなら自由にしてよ!!生涯弄ばれて暮らすなんて死んでも嫌だからね!!」

猫「恨みならありますよ」

鼠「え」

猫「騙されたせいで、干支の仲間に入れなかったんですから責任取って下さい」プクッ

鼠「とんだ濡れ衣だ!!!」

猫「まぁ、そんなに外に出たいなら逃がしてあげますよ」

猫「はい、どうぞお逃げ下さい」

鼠「えっ」

猫「何ですか」

鼠「いや……」

鼠「……え?」

猫「ほら、早く」

鼠「………」

猫「………」

猫「何ですか、食べて欲しいんですか?」

鼠「遠慮なく逃亡させていただきます!!!」

鼠「気味が悪いんですけど」

猫「一言多い鼠ですね」

鼠「罠か?罠でしょ?」

猫「僕を何だと思ってるんですか」

鼠「悪魔」

猫「もはやこの世の者ですらない」

鼠「漆黒の堕天使の方が良かった?」

猫「やっぱり焼き殺すべきですかね」

鼠「ごめんなさい」

鼠「……じゃあ、その」

鼠「……さようなら?」

猫「さようなら」

鼠「はい」

猫「……」

鼠「……」

猫「……」

鼠「……」

猫「いやいや」

猫「何で立ち去らないんですか」

鼠「……か、帰る場所がないんだもん」

猫「……」

鼠「……」

鼠「……元々、宛てもなくブラブラしてた所を捕まった訳だし」

猫「……」

鼠「……」

猫「まぁ、外に出たらまた同じように餌食になる事は確実でしょうね」

鼠「」ズガーンッ

猫「めんどくさいし、飼って貰ったら良いんじゃないですか」

鼠「野良の鼠とか普通飼ってくれないでしょ。鼠取りで始末されるのは嫌だよ、痛そうだし」

猫「僕のご主人なら可能ですよ、動物大好きアホ人間なんで」

猫「多分何でも受け入れます」

鼠「何それ怖い」

猫「当時ぼっろぼろの生きてるか死んでるか分からない僕を拾ってくれた程なので」

鼠「何それ優しい」




鼠「と、言う訳です」

犬「なるほど」

猫「まさか、こんなドブネズミを本当に飼い始めるとは……」

猫「アホが火炙りにされる姿を期待していたのに」

鼠「やっぱりあたしを陥れようとしてたのね、ブレない奴め」

兎「そもそも、他のペットがいるのに小型の動物を飼うのは危険過ぎやしないか」

猫「僕も信長も賢いですからね、ご主人の信頼を勝ち取っているんですよ。大体この鼠はゲージから出れないですよ、野生でしたし」

鼠「所謂ばっちいもの扱いだけど、捕って食われるよりはましだよ」

兎「こんなほいほいと、主人の金銭は大丈夫なのか……」

犬「ご主人様はお金持ちの家系なので心配はご無用かと思われますわ」

兎「ほう」

兎「しかし、あれだな」

兎「主人が幾ら受け入れても主人を受け入れる人は未だに現れないとか、皮肉もいいとこだぞ」

猫「でも、受け入れるのは動物ばかりですし」

猫「理想が高いんですよね。ハードル下げないと中々相手いないですよ」

兎「だからバツイチなのか……」

猫「しかも、今年で三十路」

鼠「金持ち、バツイチ、三十路ってレッテル貼られちゃきついわね」

鼠「もう諦めてるんじゃないの?」

兎「女の劣化は早いからな……」

犬「なんて悪意の満ちた会話なのかしら」

【爬虫類】

鼠「よく洋画の某TJアニメとかで、穴がぼこぼこ開いてるチーズ見掛けるじゃない?」

兎「美味しそうだよな。確かあれは、スイスのエメンタールチーズだった筈だ」

鼠「流石おっさん、物知りね」

兎「出来ればうさぴょんと呼んで欲しい」

鼠「いや、名前タケシだよね?この下りもあんまりしつこいとそろそろうざがられるよ」

兎「……で、そのチーズがどうしたんだ」

鼠「あたし、あのチーズをお腹いっぱい食べるのが夢なんだよね」

鼠「モグラみたいにさぁ、チーズの中という中を掘り進めながら食べ漁っていくの」

兎「意地汚いな」

鼠「この際そんなの気にしない!あ~、想像しただけでも涎が出るわ~」

兎「ほーん」

鼠「……興味なさそうね」

兎「実際ないからな」

兎「それにあんた、その様子だと飼育されたが為に一気に肥えるぞ」

鼠「でもゲージの中じゃろくに運動出来ないよ」

兎「いや食事の量を少し減らせば良いだけだろ」

鼠「やだ」

鼠「食べる事はあたしの生き甲斐なんだから!!」

兎「……まぁ、若いから大丈夫……か?」

兎「だが俺みたいに歳食ったら気を付けた方が良いぞ」

鼠「うへぇ、トドみたいなBBAにはなりたくないわね」

兎「回し車でも買って貰え」

兎「あ、それよりもあんた」

鼠「何」

兎「名前付けられたのか」

鼠「勿論」

鼠「ジュリアだって」

兎「お、おう……信長が聞いたら発狂しそうな命名だな」

鼠「因みに意味は若々しい、よ。ふふんっ」

兎「何か一気に殺したくなって来た、いけないな悪癖が」

鼠「おっかないわね!!!」

蛇「壁ドンって効果あんのかな」

亀「ぶほぉwwwwwwおまwwwその体型で壁ドンされてトキメく奴マニアック過ぎだからwwwwww」

亀「巻き付く方がよっぽど効くだろwwwwwwつか相手いねぇしwwww一人でやってろwww」

蛇「バッカwwwwwwそっちの壁ドンじゃねぇよwwwwww」

蛇「隣がクソみたいにうるせぇから試してみる価値はあるだろwwwwww」

亀「そういや兎と鼠が増えたってワンちゃん言ってたぞwwwwwwwwwそいつらじゃねぇのwwwww」

蛇「牧場作っちゃう?www作っちゃうの?wwwwww」

亀「三十路バツイチ女取り合えず金は持ってるので牧場設立してみましたとかwwwwワロタwwwww」

亀「いや、笑えねぇ」

蛇「ほんと苦労してるもんなあの人」

亀「つか問題は俺らwwwwww爬虫類wwwwwwかげうっすwwwwww」

蛇「罪悪感から自虐ネタに持っていくなよwwwwww」

蛇「それもまじ、笑えねぇから」

亀「ネタのチョイスミスったべ」

ドンッ ドンッ

蛇「うひぃwwwwww逆にwwwwww壁ドンされちまったじゃんwwwwww」

亀「お前声でかすぎwwwwwwちょっとは押さえろよwwwwww」

蛇「いや、お前だろwwwwww擦り付けやめぃwwwwww」

亀「いやいやお前だよwwwwww擦り付けタッチーwww」

蛇「はい無敵バリアーwwwwww無効でーすwwwwww」

蛇「俺らのこのノリほんと気持ち悪いと思わねぇか」

亀「中毒性で案外需要あると思って置こうぜ」




鼠「……隣、まだうるさいんだけど」

兎「信長か?タマか?」

鼠「いや、全然知らない声が聞こえる」

兎「よっこらせっと」

兎「気になるな、様子見て来るか」

鼠「ガツンと言ってやって!」

兎「寝たいんだがなぁ」




兎「………」

蛇「ごたいめーんwwwwwwwww」

亀「噂の兎ちゃんでちゅーwwwwwwかーわーうーいーwwwwww」

兎「臭い、おまけにうざいとは」

兎(この家爬虫類もいるんかい!)

蛇「早速ディスられるとかwwwwww」

亀「何歳?wwwどこ住み?wwwてかLINEやってる?wwwwwwwww」

兎「亀は嫌いだ」

蛇「wwwwwwwwwwww」

亀「何か分かんないけどサーセンwwwwww」

蛇「あれじゃね?www童話のウサギとカメの影響力じゃね?wwwwww」

兎「うるさい」

亀「うはwwwwwwwwwかwわwいwいwwwww」

兎「……」イラッ

蛇「つか何しにきたんすかwwwwwwおっさんでしょ旦那wwwwww」

兎「よく分かったな。うるさいから注意しに来ただけだ」

蛇「それはサーセンwwwwwwつか野太くてイイ声なんで普通に分かりますwwwwwww貫禄あるっすねえぇぇぇwwwwww」

亀「おいあんまからかうなよwwwwww」

兎「爬虫類の顔面で煽られるとうざさが増すな」

兎「………」

亀「………」

蛇「………」

亀「……何か、不機嫌じゃね?」コソッ

蛇「お前調子乗り過ぎなんだよ、歳上には敬意を払えって婆ちゃんから言われなかったのか」コソコソ

亀「いや、お前だろ。大体正直な話婆ちゃんに会った事すらねぇよ」コソコソ

蛇「いやいやお前だよ」コソコソ

亀「いやいやいや」コソコソ

蛇「いやいやいやいや」コソコソ

亀「はい擦り付けパーンチwwwwwwwww」

蛇「残念でしたーwww無効化キックーwwwwwwwww」

亀「足wwwwwwねぇだろバカスwwwwww」

蛇「今のはボケたんだっつうのwwwwww」

兎「何だこいつら」

兎「どうやら俺には理解しかねるノリと世界が繰り広げられてるからおいとまするとしよう」

亀「おっさん、ちょっと面白い話に興味ないっすかwwwwww」

蛇「折角なんで聞いてやって下さいよwwwwww」

兎「その鼻につく話し方をやめるなら聞いてやっても良い」

亀「さっき出たウサギとカメの童話なんすけど」

兎「最初からその喋り方は出来なかったのか」

亀「いやwwwもう癖になってるんでwwwwww」

蛇「馴染んじゃってるんでwwwwww」

兎「帰るわ」

亀「サーセン、ちゃんと話すんで」

兎「で、ウサギとカメが何なんだ」

亀「あれ、実は続きがあるんすよ」

兎「ほう」

亀「まずウサギ」

亀「奴は、怠けてしまった為に負ける訳なんすけど」

兎「ああ」

亀「そのせいで、仲間のウサギ達にバカにされて村を追放されるんす」

亀「再現すると」

亀「えーマジ童貞!?キモーイ」

蛇「童貞が許されるのは小学生までだよねー、キャハハハハハハ」

兎「そのウサギ、別にカメ関係無くバカにされてただろ。後ネタ被せて来るな」

亀「まぁ、そんな感じで」

兎「おう」

亀「罵られる訳っす」

亀「そして、ここでオオカミが登場」

亀「再現すると」

兎「いや、しなくて良いから先に進んでくれ」

亀「………お前、さては村を追い出された放浪者だな?」

蛇「き、きみは誰なんだい」ビクビク

亀「おらぁ…腹が減ってるんだ。丁度良い、お前みたいな価値のない奴は食ってやる!!ガオー!!」

蛇「ぎゃあああああああああああああああああああ」

兎「そこは普通なんだな」

亀「しかしウサギは知恵を絞って、オオカミを殺害」

兎「えっ」

亀「あっ!あそこに裸のメスオオカミが!!」

蛇「何だと!?」クルッ

亀「オラァ!!!!」ドンッ

蛇「あ~れ~」

亀「と、言う具合でオオカミを騙して崖へ突き落としたんす」

兎「知恵でも何でもなく、オオカミがバカだっただけだな」

亀「最後はオオカミを倒した事で英雄になり、仲間にも受け入れられてめでたしめでたしっすよ」

蛇「童貞も卒業したんかな」

兎「プライベートの事まで言ってやるな」

蛇「それにしても、改めて聞くと色々無茶苦茶な話だぜ」

兎「いや、あんたらの再現が全部台無しにしてるんだがな」

亀「ちゃんと出版されてるっすよ」

兎「まぁ、負けたままじゃ同じウサギとしては後味悪いし良いんじゃないか」

亀「因みにカメバージョンもあるんす」

兎「ほう」

亀「オチだけ言うと、地面に激突して砕け散ります」

兎「何があった」

亀「胸糞悪いんで話さないっす」

兎「だろうな」

亀「こっちは書籍化されてないんすけどね」

兎「そんな悲惨な話、子供に見せられないだろう」

亀「カメ嫌いなら是非とも見たいんじゃ?」

兎「い、いや……そんな事は」

亀「目泳ぎまくってんじゃないすか」

蛇「鬼畜ゥ」




鼠「………」

兎「………」

鼠「……随分長い間、話が弾んでいたようね」

兎「まぁな、どうやら主人は蛇と亀まで飼育しているらしい」

鼠「ふぅん、お陰であたしはうるさくて夜寝れなかったんだけど」

兎「ついつい若者に流されてな、すまんかった」

鼠「………」

兎「……許して、ぴょんぴょんっ」

鼠「………」

兎「………」

鼠「ちょっと可愛かったから許す」

兎「あんたが信長じゃなくて良かったよ」



亀「ぶほぉwwwwwwwwwおっさんwwwwww聞こえてるwwwwww」

蛇「許して、ぴょんぴょんっ」

亀「wwwwwwwwwwwwwww」

蛇「あの声でwwwwwwwwwwwwwwwwww」

蛇「くっそwwwwwwwwwwwwwww」



兎「」

【魚心あれば水心】

猫「こんな夜遅くにわざわざ僕の寝床まで来て何用ですか」

犬「相談がありますの」

猫「僕、これから集会へ行かなくちゃならないんですが。とっととお帰り頂けたら嬉しいです」

猫「では」

犬「見捨てるなんて酷いですわ!!」ガシッ

猫「離せ」

犬「お願いですの!少しだけ時間を貰えたらそれで良いのですわ!」

猫「もっと適任者がいるんじゃないですか?僕よりもっと年数が経った……」

犬「いいえ、わたくし貴方の事は特別信頼してるんですのよ!」

猫「勝手に信頼しないで下さい、非常に迷惑です」

犬「あの時は貴方、わたくしを助けてくれたではありませんか!」

猫「いや、思い当たる節が有り過ぎてどれの事指してんのか分かんねぇよ」

犬「……えぇっと」

犬「ほら!わたくしがご主人様に貰われてから間もない頃ですわ!」

猫「はあ」

犬「その日は酷い嵐で、当時雷にとても怯えていたわたくしの傍にそっと何も言わず寄り添ってくれたではありませんの!」

猫「早目に好感度上げといたら後々利用出来るかなって」

犬「で、でも、わたくしが野犬に襲われている時は危険を省みず助けに来てくれましたわ!幾ら好感度目的でも、普通はあそこまでいたしませんわよ!」

猫「あの野犬は貴方じゃなくて元々僕狙いでしたからね。巻き込んで貴方に何かあったら、僕の株が落ちるので」

犬「そっ、それから!詐欺に騙された時は一番に心配して、犯人を捕らえてもくれましたわ!」

猫「呆れていただけです。大体、そいつから悪徳商法のノウハウを伝授して貰うつもりだったんですよ」

猫「まぁ、とんだアホ鳥の挙げ句時間の無駄でしたけど」

犬「………」

犬「………」グスッ

猫「……自惚れ過ぎです」

猫「僕は利己心の塊ですからね。自分の為に行動して、最短距離で利益を得ます」

猫「分かったら通して下さい、時間ないんですよ」

犬「……チャンスが欲しいですわ」

猫「チャンス…?」

犬「わたくしとじゃんけんで勝負して下さいまし!!」

犬「貴方が勝ったら、潔く引きますわ!ただし、わたくしが勝った場合は少々付き合って頂きます!」

猫「博打ですか」

犬「大袈裟ですわね」

猫「もう何でも良いですよ」

犬「では!いざ順調に勝負!ですわ!」

猫「はい」

「「さーいしょはーグー、じゃーんけーん」」

「「ぽん!」」

猫「………」

犬「………」

猫「………」

犬「………」

猫「………いや、そもそも」

猫「チョキ出せないし、グーかパーかわかんねぇよ」

犬「ただただ、恥ずかしいですわ」

猫「で、相談って何ですか」

犬「えっ?聞いて下さるんですの?」

猫「そうですね、聞くだけですけど」

猫「これっきりにしてくれたら助かります」

犬「……やはり、貴方は優しいですわ」

犬「……実は」

犬「わたくし、可愛くなりたいんですの!!」

猫「そうですか」

犬「はい!」

猫「頑張って下さい」

犬「はい!」

猫「では」クルッ

犬「待つのですわ」ガシッ

猫「……何だよ」

犬「それは、余りにも薄情過ぎませんこと?」

猫「嫌ですね、聞くだけって言ったじゃないですか」

犬「泣きますわよ」

猫「我が儘か、勝手に泣いてろ」

犬「………わたくしだって」

犬「可愛くなりたいんですのー!!」

猫「かわいいかわいい」ホジホジ

犬「鼻くそほじりながら言わないで下さいまし」

猫「大体、それはこの間あのアホ鳥が解決してくれたんじゃなかったんですか。タケシから聞きましたよ」

犬「案外お喋りですのね…」

犬「あれはその……卑屈になってはいけないと教えてくれたのですわ」

犬「……だから、わたくしもっと自分を磨こうと決心したんですの!」

猫「アホくさ」

犬「容赦ないですわね」

猫「いやもうほんとめんどくさいんで勘弁して下さい」

犬「お願いですわ!貴方から一つアドバイスが欲しいだけですのよ!」

猫「そういう引き際が分からないうざい所を治せばどうですか」

犬「うっ、うざ……!?」

犬「……引き際が分からない」

犬「………」

犬「わ、わたくし……うざい、かしら?」

猫「………」

猫「……あー、すみません。今のはミスです」

犬「えっ」

猫「ああぁぁぁ………めんどくせー」

猫「貴方、ほんと世界一……いや、宇宙一めんどくさいですよ」

犬「えっ」

猫「まず、どう可愛くなりたいんですか」

犬「……ふ、ふりふりのピンクエプロンが似合うぐらい愛らしいレディに」

猫「無理ですね」

犬「」ズガーンッ

猫「何て言うか、根本的に間違ってます」

犬「?」

猫「貴方、自分の事を何だと思ってるんですか」

犬「わたくしは、わたくしですわ」

猫「凄い頭の悪い表現ですけれど、その通りです。貴方は貴方です」

猫「では、その貴方の折角の魅力を潰すような真似をしては余計拗れるだけですよ」

犬「なら、どうすれば」

猫「そう……つまりは、貴方の魅力を潰さない、至高なるスタイルはふりふりのピンクエプロンではなく」

猫「純白かつ清楚な綺麗目エプロンなんですよ」

犬「!!!」ハッ

犬「……なる、ほど」

犬「そうですわ……わたくし、また固定観念に囚われて」

犬「……」

猫「そういう可愛さもありなんじゃないですか」

犬「そういう……」

犬「可愛さ……」

犬「………」

犬「……すごい」

犬「凄いですわ!!!」

犬「これが見聞を広めると言う事ですのね!!!」

猫「うざい、近い、離れろ」

犬「これは失礼」

犬「でも、貴方のお陰で大切な事に気付けて、また一歩成長しましたわ!」

犬「ありがとうですの!!」

猫「はいはい、どういたしまして」

犬「所で、集会は宜しいんですの?」

猫「………やべぇ」




猫「この間僕が怒られたのは貴方のせいですよ、分かってるんですか」

犬「えへへ、ごめんなさいですの」

猫「何笑ってるんですか、気色悪い」

犬「ひ、ひどい……」

猫「……何か、変に見込まれたせいで逆に僕が振り回されてる気がするし」

猫「癪に触るな……」

犬「じゃあ今度は、わたくしが振り回される番ですわよ」

猫「マグロ大トロ、手に入れて来て」

犬「ふざけんな、ですわ」

猫「チッ」

犬「かつおぐらいなら」

猫「それで良いや」



兎「これこそ正に魚心あれば水心の関係、だな」

何かお題くれ

嵐の夜の話kwsk
あと爬虫類コンビは寒いとどうなる

犬と鼠でどうだ

>>78【嵐の夜の話】

蛇「ワンちゃんさんチィーッスwwwwwwwwwwww」

犬「あら、こんにちは」

亀「丁度俺ら暇してたんすよwwwwwwwww軽く雑談でもどうすかwwwwwwwww」

蛇「おまwwwwwwwwwどことなく匂うチンピラ臭wwwwwwwww」

亀「うっせwwwwwwwwwwwwwww」

犬「良いですわよ」

犬「そうね………落語を嗜むとかどうかしら」

蛇「落語wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

亀「いやwwwいやwwwwwwwww普通に会話したいんすけどwwwwwwwwwwww」

犬「では、死語で縛りをかけてお喋り致しましょう!」

亀「何でwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

蛇「カオスwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

犬「ちょっとしたジョークですわ」

蛇「お嬢まじお茶目っすwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

亀「ギャップにときめきメモリアルーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

蛇「バッカwwwwwwwwwwwwセンス無さすぎ死ねよもうwwwwwwwwwwwwwwwwww」

亀「あんだとコラwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

犬「貴方達、相変わらず仲が良いですわね」

亀「嫌でもこいつぐらいしか話し相手がいないんでwwwwwwwwwwww友達少な過ぎワロタwwwwwwwwwwwwwww」

蛇「笑えないけどな」

亀「おう」

犬「悲しい」

蛇「仲が良いと言えばwwwwwwwwwwwwwww」

蛇「ワンちゃんとネコちゃんも大概っすよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

犬「そうかしら」

蛇「いつ頃から仲良くなったんすかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

蛇「出会いは?wwwwwwwwwwwwwwwwww」

蛇「きっかけは?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

亀「居酒屋で馴れ初めを根掘り葉聞いて来るうざったいおっさんかよお前wwwwwwwwwwwwwww」

犬「仕方ないですわね~、そんなに聞きたいならお話致しますわ!」

蛇「だがwwノリwwwノリwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

亀「うはwwwwwwwwwwww期待wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

犬「わたくしは元々、ご主人様のご友人の元で産まれたのですわ」

犬「ご主人様は当時、賢い犬種に非常に興味があった様で数匹の子犬の中からわたくしを選んで、貰い受けて下さったんですの」

犬「わたくしがこの家に来た時から、既にタマは飼い猫として住んでいましたわ」



犬『あ、あの………こんにちは、ですの』

犬『今日からわたくし………ここに住む事になって』

犬『………よ、よろしく、お願いします』

猫『………』

猫『………』スッ

猫『………』タタタッ

犬『……い、行っちゃった』



蛇「シャイボーイかよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

亀「毘沙門天とか言って厨二病に目覚めてそうwwwwwwwwwwwwwww」

蛇「クソワロタwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

犬「最初タマを初めて見た時は、とても怖かったですわ」

犬「その頃はまだ幼く子犬でしたから」

犬「タマはああ見えてわたくしより歳上ですの」

犬「真っ黒で、黄金色の瞳に眼光は鋭く」

犬「ご主人様を目の前ににゃあと鳴きもしない彼を見て、果たして上手くやっていけるのか」

犬「とにかく、不安になったものですわ……」

犬「だって抑圧感が凄かったんですもの」

犬「今はだいぶ丸くなりましたけれど」

犬「それから、数日立ったある日の事ですわ」

犬「初めての散歩でしたの、ご主人様はわたくしを優しく抱いて外へ連れ出してくれましたわ」

犬「何もかも新鮮で、怖くはなかったですわ」

犬「でも………」

犬「突然の嵐でしたの」

犬「暗い空に強い風、どしゃ降りの雨」

犬「ご主人様はわたくしを庇いながら、急いで家へ向かいましたわ」

犬「ですが、その時」

犬「ピカッと光ったのですわ」

犬「そう、雷が!」

犬「吃驚して気が付いたら、ご主人様の元を逃げ出していましたわ」

犬「迷子になったわたくしは、びしょびしょになりながら思いましたの」

犬「お腹すいたなぁ、と……」

亀「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

蛇「何とも言えねぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

犬「そして、わたくしは路地裏へ迷い込んだのですわ」

犬「路地裏の狭い狭いトンネルの様な通り道、更に奥の方へ。まだ小さかったから、難なく通る事が出来ましたわ」

犬「取り合えず怖くて、雷が聞こえない場所を探していたんですの」

犬「そうして、抜け切った場所は何とも不思議な場所でしたわ」

犬「とても多くの猫達が華やかにダンスや食事を楽しんでいましたの。まるで、パーティーの様に」

犬「今思えば、あれは同じ猫しか知らない裏側の世界だったのかもしれないですわ」

蛇「何それwwwwwwワクワクするwwwwwwwwwwwwwwwwww」

亀「くっそ気になるんだがwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

犬「勿論、突如現れた猫ではない生物にその場の皆さんはぎょっとしましたわ」

犬「そこには何と、タマもいましたの」

犬「タマは凄く不快そうな顔付きで、わたくしの傍まで寄ると」



猫『帰れ、ここはお前のいるべき場所じゃない』



犬「そう言いましたわ」

犬「因みに初めてタマの声を聞いた瞬間でしたの」

亀「やべぇwwwwwwマフィアの秘密知った感wwwwwwwwwwwwwww」

蛇「ここはお前のいるべき場所じゃない」キリッ

亀「第一声強すぎワロタwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

犬「当然、外に出された訳ですけれど、既に夜中でしたわ。でも、嵐は止まず」

犬「それに迷子になったのですからわたくしだけで帰れる訳もなく。雷の光と音はあちこちに聞こえますし、わたくしは泣きそうになりましたわ」

犬「けれど」



犬『………』

ゴロゴロ ピカッ

犬『………!?』

犬『………』ブルブル

猫『何、雷怖いんですか』

犬『……!』コクコク



犬「タマは、わたくしを空き地の土管の中へ誘導して」

犬「そのまま無言で朝まで一緒にいてくれましたわ」

亀「テライケメンwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

蛇「こんなん惚れるわwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

犬「夜が明けると、タマの後ろを歩いて二人で家に帰りましたの」

犬「ご主人様は泣きじゃくって、わたくしを抱き締めて下さいましたわ」

犬「懐かしいですわね……」

蛇「なみだwwwwwwwwwwwwwww出るwwwwwwwwwwwwwww」

亀「うんこwwwwwwwwwwww出るwwwwwwwwwwwwwww」

蛇「きたねぇよバカwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

犬「んもう!真面目に聞いてましたの!?」

亀「サーセンwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

>>78【冬の話】

兎「爬虫類がいるなんて聞いてなかったぞ」

猫「僕に言われても困るんですけど」

兎「それもそうだな」

猫「大体、知らない方が良いですよ。あの二匹うざいんで」

兎「全く同意する」

兎「因みに冬は何してるんだ、あいつら」

猫「そら冬眠ですよ」

兎「え、あいつらでもするの?静かになるの?喋らないの?」

猫「別に何も変哲のない爬虫類ですからね?」

兎「吃驚だ」

猫「因みに寒くなって来ると冬眠に備え、二匹とも蓄え過ぎでぶっくぶくになるんですよ」

兎「うわ、見てみたい」

猫「蛇に関しては、何故かその時期活マウス与えられてるんで捕食えぐいです」

兎「こわい」

猫「おっさんが何言ってんだ」

兎「草食動物なんだよこれでも」

兎「もうあいつとジュリア見れる気しない」

猫「クソメンタルか」

兎「亀って冬眠前、何食うんだろうな。どうでも良いけど」

猫「どうでも良いなら聞かないで下さい、ツンデレか」

猫「何か去年は、湯がかれたササミやレバーを必死で食ってましたけどね」

兎「肉食べるのか、ぐろ」

猫「草食動物からしたら、そういう風に思うものなんですか」

兎「そうだな」

兎「まぁ、兎は兎で残虐な面もあるが」

猫「え」

兎「俺達の交尾場面を見た事あるか?」

猫「聞きたくないんですけど」

兎「じゃなくて、爬虫類って寒さに弱いんだろう?」

兎「乱心したりすんのか」

猫「だから、どうして僕に聞くんですか。本人達に直接聞いて下さい」

兎「やだ、うざいもん」

猫「それは同意しますけど」

兎「きーにーなーるーのぉー、このこのっ」ツンツン

猫「気色悪いから今すぐやめろ」

兎「変温動物って雑魚だよな」

猫「兎に言われたくないでしょうよ」

兎「あいつら北極に連れて行ったら黙るだろうか」

猫「もう一生喋らなくなると思いますけどね」

兎「でも実際どうなんだろうな」

猫「何が」

兎「冬眠ってリスク高くないか」

猫「はぁ、まぁ…そうですね。凍死もあり餓死もあり」

兎「人間達がこたつでダラダラ蜜柑を食い漁っている中」

兎「どんな気持ちで眠りに付くんだろうな」

猫「知りませんよそんなの」

兎「相変わらず草生やしてんのかな」

猫「貴方実は爬虫類好きでしょ」

兎「結構気に入ってる」

猫「やっぱり」

兎「若いのはかわいい」

猫「それ娘とか息子感覚じゃなくて孫感覚ですからね?」

兎「頭痛い」

猫「もうジジイですね……お疲れ様です」

兎「どつき倒すぞコラ」

>>79【犬と鼠】

犬「ハダカデバネズミにわたくし、衝撃を受けましたわ」

鼠「何さ、いきなり」

犬「彼らはとても長寿で、社会性のある動物ですのね」

鼠「まぁ、そうだけど……どこで知ったの?ハダカデバネズミなんて、結構マニアックよ」

犬「この間、ご主人様とハダカデバネズミの生態に密着した特番を視聴したんですの」

犬「彼らはとても美しい生物ですわね」

鼠「そう?クソ不細工だと思うけれど」

犬「くっ、くそぶさいく…っ…!?同じ鼠ですのになんて言い草ですの……」

鼠「正直、あの奇妙な姿を見るとドブネズミで良かったと心底思うわ」

犬「けれど、愛嬌ありますわよ。一部でも人気があるらしくて、ご主人様もゆるキャラみたいだと感心してましたわ」

鼠「うぅん……理解出来ないなぁ」

犬「しかも、健康な血管機能が何とかかんとかで癌にも耐性があるんですって!」

鼠「大事なとこは抜けてるのね」

犬「そして、何より歯が凄いんですのよ」

鼠「歯?そんなとこまで調べた事なかったな…」

犬「口の中が見えないのですわ」

鼠「出っ歯過ぎて?」

犬「はい、唇を突き破って生えているんですの」

鼠「えぇ……普通に困惑するわ」

犬「口の中に土が入って来ない構造になっているらしいですわよ」

犬「ですから、異質な事に下の歯が開きますの」

鼠「案外記憶力良いのね……」

犬「聡明なので、おほほ」

鼠「……そう言えば、口だけで重い物を運ぶってのは聞いた事あるけど」

犬「感服致しますわ……」

鼠「でも、奴らは悲惨な生き方をしてるわよ」

鼠「真社会性の秩序を持ち、捕食者が巣に侵入してしまえば、女王以外の一匹が自ら犠牲になるなんて」

鼠「繁殖が目的だとは言え、あたしなら絶対嫌」

犬「快い話ではないですけれど、しかし、ストイックなのは悪い事ではありませんわ」

鼠「だけどさぁ……女王は女王で、いつでも厳格でいなくちゃならない訳だし」

鼠「例え一人でも、フリーが良いのよ!フリーが!」

鼠「ってか、同族の話は良いから、もっと別の動物……そうね……いぬ、犬で良いや。犬の話してよ」

鼠「憧れてる犬種とかいるの?」

犬「そりゃ、勿論」

鼠「へぇ、何々?」

犬「土佐犬ですわ!」

鼠「どえらいのぶっ込んできやがったな」

鼠「いや……同じ闘犬だから意識も向くんだろうけど」

鼠「何も、土佐犬じゃなくとも」

犬「冗談ですわ」

鼠「何だよこのやろう」

犬「本当はわたくし、チワワを目指してますの!」

鼠「凄い無謀な事言い出した」

犬「うっそー、またまたジョークですわ」

鼠「」イラッ

犬「強いて言うなら、ゴールデンレトリバーかしら」

鼠「盲導犬ね」

犬「温厚で、包容力があり、おまけに知的」

犬「そして、ふわふわ」

犬「ふわふわ」

鼠「二回も言わなくて良いよ」

鼠「何、ふわふわに憧れてるの?」

犬「ええ」

鼠「まぁ、ドーベルマンって体毛短いもんね」

犬「残念ながら」

鼠「でも、細身で筋肉質でスラッとしてるじゃん。犬のサラブレッドとか呼ばれてんでしょ?」

鼠「敏捷性、走力に優れてるとかかっこ良いし」

鼠「羨ましいよ」

犬「あら、求めてる方向性と違っても素直に嬉しいですわ、ありがとう」

鼠「対して、ドブネズミ褒めろって言われて褒めれるとこある?」

犬「よっ、ラットのエキスパート!」

鼠「それほどでも~、とでも言うと思ったか」

これからお題形式にしようと思う、何か希望があればリクエストしてくれ
余談だが、ちょっとした年齢の設定を明かすと
犬…一年半、人間で言うと約19歳
猫…二年、人間で言うと約23歳
兎…四年半、人間で言うと約48歳
大体そんな感じ

地面の日から干たミミズに反応しちゃう信長


ロングコートチワワちゃん登場

>>105【地面の干からびたミミズに反応しちゃう信長】

犬「今日の散歩は、タケシ居ないんですのね」

犬「それにしても、今日は天気が宜しいこと」

鳥「やいやい、待ちやがれ。その刀を置いていけ」ザッ

犬「!?」

鳥「それこそ、一千本目に相応しい見事な大立じゃ」

犬「……お主が夜な夜な、都の人々を騒がせているならず者か」

鳥「何、子供だとて容赦はせぬぞ。置いて行かねば、奪い取る。でやぁっ!」

犬「噂通りの乱暴者じゃ。しかし、私から刀は取れまい」

鳥「ちょこまかと、落ち着きのない奴め」

犬「ほれぃ、はよ奪ってみせぃ!」

鳥「くっ……!!」

犬「……なるほど」

犬「これが日本昔話、牛若丸と弁慶の出会いですのね!!」

鳥「おう」

鳥「所で、足元を見てみろ」

犬「?」スッ

犬「ぎゃっ」ビクッ

犬「な、何ですの?これ……」

鳥「刀だ……」

犬「!!」

犬「こっ、これが……!?!?」

犬「こんな物で、人が切れますの……?」

鳥「ああ、忽ち真っ二つさ」

犬「……何だか、小さいんですのね。からっからに干からびてますけれど……」

犬「刀って生き物でしたの……??」

鳥「当たり前だろ!!江戸時代の人間は皆これを懐に入れて可愛がっていたんだ!!」ドンッ

犬「」ズガーンッ

鳥「こんな身なりをしていても、奴らは恐ろしい殺人兵器だ……取り扱いには充分気を付けろ」

犬「………」ヒョイッ

鳥「あっ」

犬「………ミミズですわ」ジッ

鳥「チィッッッ………!!!!」

鳥「上手く騙して、高値で売り付けてやるつもりだったのに……!!!」

犬「貴方、相当わたくしの事バカにしてますわね???」

鳥「バカじゃん」

犬「失礼な」

犬「バカにバカは騙せませんわよ」

鳥「認めてんじゃねーか」

犬「それより、ミミズに水分を与えると生き返るのですわ」

鳥「嘘だッ!!!!!」

犬「」ハッ

犬「見てくださいまし、あそこに水溜まりが」

鳥「なんてご都合主義だよ。ミミズもすぐそこなら自分で歩けたろ」

犬「生き返れ~」スッ

ポタ ポタ

犬「………」

鳥「………」


ミミズ「」


犬「そ、そんな筈は……」

ポタ ポタ

犬「………」

鳥「………」


ミミズ「」


鳥「……お嬢さん、生き返りませんけど」

犬「えへ」

鳥「かわいいから許す」

鳥「こんな、びちょびちょにされて……」

鳥「俺達、端から見ればまるで小動物の死骸で遊んでる嫌らしい輩だぜ……」

犬「ご、ごめんなさいですわ。ミミズさん……」

犬「埋めましょう」

鳥「あっ、それは俺の飯だかんな!返せ!」バッ

犬「えっ」

鳥「んだよ!」

犬「だっ、だめですわ!ミミズを食べるなんて!」

鳥「何で?死んでんだぜ、こいつ」

犬「それは………」

犬「………」

鳥「……汚い、ってか?」

犬「い、いえ……」

鳥「ふんっ!お前みたいな生粋の飼い犬にはわかんねーだろうよ!」

鳥「俺達野良は、毎日飢えてんだ!食べる物なんて一々選んでられっかよ!」

犬「………いや、その」

鳥「何だってんだ!」

犬「……ミミズじゃ、ありませんのよ」

鳥「……は?」

犬「それ、ミミズじゃありませんし死んでもいませんわ」

鳥「えっ」

鳥「じ、じゃあ……何なんだよ、これ」

犬「回虫………即ち、寄生虫ですわ」

鳥「はっ、はああぁぁぁ!?!?」

犬「回虫はミミズに似てますけれど、線形動物で環形動物とは全くの別物ですわ。体節も環帯も存在しませんし、視細胞や感覚器が不必要ですの。体の先端に口と肛門があるだけで、体幹を腸が貫通しているのですわ」

鳥「」

犬「成熟した雌は一日に十万個から二十五万個もの卵を産み付け、数を増やしますのよ」

鳥「おっ、おまっ……!!分かってたんならもっと早く言えよ!!!」

犬「知らない方が良い事もあると思いましたの」

犬「でも、それを食されるとなれば話は別ですわ」

鳥「なっ……!くそぉ……っ、こんなんいらねーよ!!」ポイッ

鳥「ばかー!!あほー!!おたんこなすー!!」

鳥「寄生されるなんて真っ平御免だかんなー!!!うわーん!!!!」スタコラサッサ

犬「あら」

犬「……」

ミミズ「……」モソ

ミミズ「……どうも」

犬「いえいえ」

犬(途中から死んでないって気付いて良かったですわ……)ホッ

>>106【ロングコートチワワちゃん登場】

ワイワイ ガヤガヤ

猫(……今日は、公園がやけに賑やかだな)

猫(フリーマーケットでもやってるんですかね)

チワワ「ちょいと、そこのイケてる殿方よ」

猫「あ?」

チワワ「待つのじゃ、待つのじゃ」

猫「………」

チワワ「そんなに警戒せんでもよろし」

猫「……急いでるんですが」

チワワ「その割には随分のんびりしておる様子じゃったが」

猫「………」スタスタ

チワワ「あっ、ちょっ!!話ぐらい聞いてくれても良いじゃろ!!」

猫「………」

チワワ「………」

猫「………」

チワワ「……今日はほれ、フリーマーケットじゃ」

猫「……はあ」

チワワ「わらわも見ての通り、売られておる」

猫「捨てられたと」

チワワ「これこれバッサリ言うでない、無慈悲なお人よのぉ」

猫「どうでも良いんですけど、僕は今小便したいです」

チワワ「………まぁ、良い。見ておれ、わらわの得意技を」

猫「………」

チワワ「………くっ」

チワワ「…………………ハァッ!!!」カッ

猫「………」

チワワ「………」

猫「………」

猫「何ですか、今の」

チワワ「念力じゃ」

猫「いまいちキャラ掴めないんでそのまま餓死して下さい」

チワワ「むごい!!!!!」

チワワ「わらわはこう見えても賢いのじゃぞ」

チワワ「きっとそなたの役に立つ事間違いない」

猫「それは僕に自分を拾えと?」

チワワ「左様じゃ、わらわのこの身だけでは酷くか弱く……」

チワワ「そう、持ちつ持たれつ………その様な半身が必要なのじゃ」

猫「すみません。生憎僕は飼い猫なので、媚びるなら人間にどうぞ」

チワワ「!?!?」

チワワ「そなた、そんななりで野良ではないとほざくか!?」

猫「陰険臭くて悪かったですね!」

チワワ「あっ、目の前で放尿するでない!!わらわはおなごじゃぞ!!」

猫「面白い事思い付きました」

チワワ「何じゃ」

猫「僕の知り合いのドーベルマンと勝負、というのはどうでしょう」

猫「貴方が勝ったら、その半身とやらになっても良いですよ」

チワワ「殺すつもりじゃな???」

猫「何も力や頭脳で、とは言ってませんよ」

チワワ「……嫌な予感がするのぉ」

猫「一発ギャグでどうですか!!」

チワワ「お断りじゃ!!」

猫「何でですか。さっき、念力がどうとか言ってアホ晒してたじゃないですか」

チワワ「失敬じゃな!!念力に関してはたまたま発動しなかっただけじゃ!」

チワワ「…………」グゥ~

猫「………」

チワワ「………くっ、腹が…減った」

猫「話は終わりなようなので、僕はこれで」

チワワ「なんとえらく、非情な猫じゃ……」グスッ

チワワ「………」

チワワ「………」

チワワ「……フリマの商品達はどんどん売れていくと言うのに」

チワワ「……わらわは、お腹は減って気力は湧かないし」

チワワ「体は、不潔で臭いし」

チワワ「……ここで、汚いまま誰にも看取られず、孤独死するんじゃな」

チワワ「………」グスッ

チワワ「………そんなの、嫌じゃ」


猫「独り言多いですね」ドサッ


チワワ「!?」ビクッ

猫「自己憐憫して酔ってるんですか?」

チワワ「う、うるさい!」

チワワ「……何じゃ、その魚は」

猫「ちょっとしたルートで盗って来ました」

チワワ「空腹のわらわの目の前で食い散らかし、嘲る魂胆じゃな……卑しい悪魔め!」

猫「いや、安価で手に入ったんであげますよ」

チワワ「…………」

チワワ「何じゃと……?」

猫「どうぞ」

チワワ「………」

猫「………」

チワワ「……罠じゃな、騙されんぞ!」

猫「あー、このデジャヴ」

猫「食べないなら僕が貰っていきますね」

チワワ「えっ!!」

猫「………」

チワワ「………」

猫「食べるか食べないか、二択ですけど」

チワワ「……た、食べる、のじゃ」

猫「そうですか」

チワワ「………」ガブッ

チワワ「………」モグモグ

チワワ「……美味しい」

猫「腹が減ってたら何でも旨く感じますよ」

チワワ「……恩に着るぞ、殿方よ」

チワワ「名は?」

猫「漆黒の堕天使」

チワワ「一気に脱力した」




兎「最近、よく頻繁に公園にいるそうじゃないか」

猫「面白いおもちゃを発見しまして」

兎「そう言う割には、世話焼いてるんだな」

猫「そうですね。でも、もうそれも終わりですよ」

兎「何でだ?」

猫「今日、様子見に行ったら段ボールごと消えてましたから」

猫「誰かに拾われたんだと思いますよ」

兎「そりゃ、良かった」

猫「とんだ厄介者でしたよ」

猫「………全く」

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