干しキノコ「フ⋯⋯フヒ⋯⋯」*デレマス (53)



なに?怖いもの見たさで開いてみた?
それは最も正しい判断です。





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1474407544


干しキノコ「⋯⋯⋯」

干しキノコ「⋯⋯め、目が覚めたら⋯⋯き、キノコになって、いた⋯⋯フフフ。
何を言ってるか、わからねー⋯⋯と思いますが⋯⋯だ、大丈夫。 私も、わから、ないゼェェェェエエエエエ!!!!
ヒャッハァアァアアア、ビバトモダチィィイイイイ!!!!
あ、煩くしてご、ごめん。 ぼっちだけど⋯⋯」

干しキノコ「干からびたー⋯⋯干からびましたー⋯⋯干からびたかったー⋯⋯さ、三段活用し、してみた」

干しキノコ「フフフ⋯⋯胞子、拡散⋯⋯。あ、私、干からびて、ました⋯⋯」

干しキノコ「⋯⋯キノコ~、キノコーぼっちの子ー⋯⋯。 私は一本、ここで朽ち果てて、行くんだな⋯⋯ごーうぃんぐ、ボッチうぇい⋯⋯それもまた、い、一興⋯⋯」

???「ちょっと待ってください!」

干しキノコ「こ、この声は⋯⋯?」



「天知る地知る人が知る⋯⋯⋯そして何よりボクが最も知っている!
そうです! ボクです! ワールドイズマイン! カワイさのグローバルスタンダード!産まれながらのシンデレラ! さぁ、皆さんご一緒に!」

干しキノコ「さ、さちk

幸水 かっこ梨かっことじる
「幸水です!!!!!!!!!!!」

干しキノコ「⋯⋯⋯」

幸水「⋯⋯⋯」

干しキノコ「⋯⋯」

幸水「⋯⋯何か、言ってくださいよ⋯⋯」

干しキノコ「し、汁気たっぷりで、カワイイぞ、さっちゃん⋯⋯?」

幸水「うガァァアアアあぁぁぁぁぁあああああ?!?!?!?!」

干しキノコ「う、うわっ。 さっちゃんの体から、し、汁が飛び散って⋯⋯あ、甘い⋯⋯美味しい⋯⋯」



*******


幸水「すみません、輝子さん取り乱しました⋯⋯」

干しキノコ「大丈夫だ、私達は、し、しんゆ⋯⋯しん、親友⋯⋯! だからな⋯⋯!」

幸水「うっわ、カサの部分あっか。
着火マンで燃やされたキノコみたいですよ」

干しキノコ「ま、まるで試したことが、あるみたいな⋯⋯口ぶり⋯⋯」

幸水「ま、まさか! 決して小腹が空いたからといって、たまたま置いてあった着火マンで、輝子さんのキノコを一つ拝借して香ばしくいただいたなんてことは決してありえませんよ!?」

干しキノコ「そ、そうか⋯⋯えらく、具体的、だけど⋯⋯わ、わかった」

幸水「え、ええ! と、ところで! この現象は一体なんなんでしょうね?! まぁボクは梨になってもカワイイですが!」

干しキノコ「わから⋯⋯ない。 気づいた時には、も、もうキノコだった⋯⋯」


幸水「なるほど⋯⋯。 これはボク達一本と一個だけなのか、確認する必要がありますね。
誰か他にアイドルはーーーーー


白子「⋯⋯⋯」


幸水「⋯⋯何ですか、あれ」

干しキノコ「た、多分、色みと、大きさ的に⋯⋯ふ、フグの白子だ⋯⋯炙ってポン酢に、つ、つけると⋯⋯美味⋯⋯」

幸水「意外にオッさんくさいですね輝子さん。 なるほど。 この状況から鑑みるに、あの白子もアイドルですかね⋯⋯。 地べたに白子を放置するサイコな方がいれば別ですが」

干しキノコ「あ、案外⋯⋯いそう⋯⋯フフフ」

幸水「否定できないのが辛いです⋯⋯。
まあ、何はともあれ近づいてみましょう。
おーい、そこの白子さーん! ボクはカワイイカワイイアイドル、幸水⋯⋯間違えた、輿水幸子ですよー!」

干しキノコ「梨が、白子に⋯⋯話しかける⋯⋯フフ、狂気の⋯⋯沙汰⋯⋯」

幸水「貴女もキノコでしょう。 おーい。
白子さーん? って、うわっ?!」

白子「⋯⋯⋯」ウゾウゾ

幸水「ぎゃ、ギャー?!?!?!
何ですかこの白子?! ボクに覆い被さって?! うわっ?! なんかぶよぶよしてる?!
ふ、不快感! カワイイボクに不必要な不快感が溜まってますよ?!」



白子「お、お前も⋯⋯は⋯⋯孕ませてやろうかー⋯⋯」

幸水「図らずも貞操の危機?!?!
初体験が白子だなんて末代どころの恥じゃありませんよ?!
しょ、輝子さん! カワイイボクを助けてくれてもいいんですよっ?!」

干しキノコ「え、えんだー⋯⋯いやぁー⋯⋯いっつ⋯⋯always love youuuuuuuuuuuu!!!!!!
ヒィヤッハァァァァアアアアアア!!!!」

幸水「おい星テメェこのやろうです?!?!
い、いやぁ⋯⋯ボクのヘタが犯されるぅ⋯⋯もう出荷できないぃぃ⋯⋯。
せ、せめて最後に、輝子さんと小梅さんとライブがしたかっ⋯⋯た⋯⋯」

白子「⋯⋯」ビクッ

白子「⋯⋯⋯幸子、ちゃん⋯⋯?」

幸水「ぐすっひぐっ⋯⋯え、こ、小梅さん、なんですか⋯⋯?」

白子「う、うん⋯⋯私、だよ?
真っ暗な海の底で、種を植え付けてる夢を、見てたん⋯⋯だけど⋯⋯幸子ちゃんに酷いこと⋯⋯しちゃったのかな⋯⋯」

幸水「⋯⋯ぐすっ、そんなこと⋯⋯ある訳ないじゃないですか⋯⋯小梅さんは、カワイイボクの親友ですよ⋯⋯?」

白子「幸子ちゃん⋯⋯」

幸水「小梅さん⋯⋯」

干しキノコ「エンダァァァァアアア!!!!
いやぁー!!!!!!!!
幸水「そろそろ怒りますよ?」
ご、ごめん⋯⋯」



*******


幸水「なるほど⋯⋯さっきまでは意識がなく、何をしていたかも覚えていないと⋯⋯」

白子「うん⋯⋯真っ暗で冷たい海にいて⋯⋯
何かが出てきそうで⋯⋯すっごくドキドキしてた⋯⋯!」

干しキノコ「おお⋯⋯こ、小梅ちゃん、まるでタラコみたい、だぞ⋯⋯」

白子「えへへ⋯⋯内臓みたいにピンク色って⋯⋯言って⋯⋯?」

幸水「貴女たち余裕ですね。
⋯⋯ともあれ、意識が覚醒したのには何か理由があるはず⋯⋯」

白子「わ、私たちの⋯⋯友情ぱわー⋯⋯!」

干しキノコ「お、おお⋯⋯それだ⋯⋯!」

幸水「友情に操を奪われかけたんですがそれは。 ⋯⋯意識。 覚醒。 ⋯⋯自己の、認識⋯⋯?」

干しキノコ「何だか⋯⋯た、探偵みたいだなさっちゃん」

小梅「うん⋯⋯奏さんと、コンビ組めそう⋯⋯」

幸水「(ポンコツとは)ないです。 考えるより⋯⋯試してみましょうか。
輝子さん、小梅さんを見たままの名前で呼んでみてくれませんか?
あなたの力をボクに貸してください」

干しキノコ「おお⋯⋯ダチに⋯⋯頼られる⋯⋯漫画で読んだ⋯⋯あ、あれか⋯⋯。
任せろ⋯⋯さっちー⋯⋯!」


干しキノコ「⋯⋯⋯すぅぅ」

干しキノコ「ヒャッハァァァァアアア!!!
おい、白子ぉぉおおおお?!
ぶよぶよしたカラダしやがって!!
ちょっと触らせろぉぉおおおお⋯⋯⋯おおぉぉぉぉ?!」

白子「⋯⋯⋯」ガバァッ

干しキノコ「あっ、う、嘘です⋯⋯乗っからないで⋯⋯石づき⋯⋯お、折れちゃう⋯⋯あっあっあっ」

幸水「ふむ⋯⋯やはりですか。
ボク達は今、精神と体のズレが著しい状態にある。 更に心は体に宿ると言われるように、ボク達の精神が体に引っ張られている⋯⋯。
ともすれば、体に成り切ってしまう訳ですね⋯⋯そして、その鍵が名前⋯⋯」

干しキノコ「さっちゃん⋯⋯さっちゃん⋯⋯ぶ、分析より、私を助けて⋯⋯あ、こ、これがスルーか⋯⋯」

幸水「ボクはどんなボクでも、ええ梨のボクでも、例え、くだものでもカワイイので、自己を保てました。 ええ、保てましたとも。
輝子さんも同様に、キノコを常日頃から擬人化するサイコな同調のお陰で精神の乖離を免れた訳ですね⋯⋯」

干しキノコ「ふ、フフ⋯⋯熱い風評被害⋯⋯こ、心が痛いぜ⋯⋯これが友情の⋯⋯い、痛み⋯⋯」




白子「は⋯⋯孕ませてやろうかー⋯⋯」

干しキノコ「あっ、折れちゃう、お、折れちゃう⋯⋯私の⋯⋯大事な、所が⋯⋯お、折れちゃう⋯⋯」

幸水「小梅さん。 その辺で勘弁してあげてください」

白子「⋯⋯はっ。 わ、私は⋯⋯一体何を⋯⋯」

干しキノコ「いやんっ⋯⋯⋯フヒヒ」

幸水「ほんと余裕ですね。 さぁ、あそんでる暇はありませんよ! この分では我を失っている人達が他にも居るはずです! 助けに行きましょう!」

干しキノコ「あ、遊ばれちゃっ⋯⋯た⋯⋯」

白子「生殖は⋯⋯遊びじゃ⋯⋯ないよ⋯⋯」

干しキノコ「こ、小梅ちゃんが何か怖いことを⋯⋯い、言ってるが⋯⋯星輝子は⋯⋯く、クールに流すぜ⋯⋯!」



*******


幸水「⋯⋯おや? 何かありますね。 あれは⋯⋯」

干しキノコ「本⋯⋯だな⋯⋯」

白子「本⋯⋯だね」

幸水「表紙に星が三つ⋯⋯、オレンジとピンクとブラックで何だか気味の悪い配色ですね⋯⋯」

干しキノコ「⋯⋯こ、これもアイドル⋯⋯なのかな⋯⋯? 開けばわかる⋯⋯かな」

小梅「う、うん。 読んでみれば⋯⋯わかるんじゃ、ない、かな⋯⋯?」

幸水「あなた達のそういう享楽的なところボク、大好きですよ。 毒を食らわば皿まで、高く飛ぶなら空まで。 開いてみましょう」


本だ。『○月○日。
今日はプロデューサーの家へ初めてお邪魔する日!
⋯⋯えへへ。 ずっと許してくれなかったから、ほんとに楽しみ!
ご飯作ってあげて、お風呂沸かしてあげて⋯⋯う、うわーなんか、新妻みたい⋯⋯!
お泊りだし⋯⋯そういう、こと、だよね?
⋯⋯覚悟決めろ私ー!
よし! プロデューサーの家へ突撃だー!』


幸水「これは⋯⋯⋯」

白子「わぁ⋯⋯ホラー映画の導入みたい⋯⋯!」

干しキノコ「こ、これが⋯⋯リア充⋯⋯私には、ま、眩しすぎる⋯⋯フヒヒ」

幸水「次をめくりましょうか⋯⋯」




本だ。『×月×日
なんで? どうして?
頬が痛い。
かえ姉さま。 笑ってた。怒ってた。
嫌われた。嫌われた。嫌われた。
あんなに仲良くしてくれてたのに。
憧れで。 私の。
⋯⋯⋯あはは、当然だよね。
だってプロデューサーはかえ姉さまのものだったんだもん。
馬鹿な私が勝手に横入りしたんだね⋯⋯。
泥棒が嫌われるの当たり前かー。
⋯⋯でも、私だって。
あっ、そうだ。 プロデューサーが1人しかいないからダメなんだ。
2人にすればいいんだ。
増えればいいのかな?
ううん、違うや。 半分こだ。
私とかえ姉さまで半分ずつ。
そうだよ、半分こだ!
何を悩んでいたんだろう!
早速今から行かなくちゃ!
でも真っ直ぐできるかな?
偏らないようにしないと、かえ姉さまも悲しいもんね!
あは、あははは。
あはははははははははははははははははははははははは(ここから先は黒く塗り潰されている)』


白子「⋯⋯す、スプラッタの薫り⋯⋯!」

幸水「⋯⋯⋯さ、アイドルの人達がいないか他を当たりましょう」

干しキノコ「⋯⋯え、で、でもあの本⋯⋯」

幸水「あれは本です。 間違っても、三つ星でもパッションでもないです。OK?」

干しキノコ「お、おーけー⋯⋯」

白子「ざ、残念⋯⋯血の雨が見られると⋯⋯思ったのに⋯⋯」

幸水「さらりと恐ろしいことをいわないでください」





*******


干しキノコ「トモダチはー⋯⋯歩いて、来ない⋯⋯だーから、一人で⋯⋯行くんだよー」

白子「一日、一殺⋯⋯三日で、三殺⋯⋯三人殺して⋯⋯トモダチ沢山⋯⋯!」

幸水「どんな友達作りですかどんな。 暗殺一家より質が悪いですよ」

白子「だ、大丈夫⋯⋯幸子ちゃんも、永遠にトモダチだよ⋯⋯!」

干しキノコ「ズッ友⋯⋯! 私達は⋯⋯ズッ友だぞ、さっちゃん⋯⋯!」

幸水「いやこれ明らかに小梅さん意味違いますよね? あと輝子さん嬉しいのはわかりましたから、カチカチの頭ぶんぶん当てるの止めてくれません? ボクのお値段が下がりますから」

干しキノコ「なんだ、かんだ⋯⋯馴染んでるな⋯⋯さっちゃん⋯⋯。 意識高い系、梨、だ⋯⋯」

幸水「フフーン! どんな姿でもボクはボクですからね!」



白子「ふふ⋯⋯そのカワイさを保ったまま、ずっと側に置いてあげる⋯⋯からね⋯⋯♪」

干しキノコ「さ、流石小梅ちゃん⋯⋯私にできないことを⋯⋯やってのける⋯⋯そ、そこに痺れる⋯⋯憧れルゥゥゥゥうううう!!!!!」

幸水「⋯⋯これはボクも何か対策をする必要がーーーーおや? 彼処にあるのはーーー」



∞ドーナツ「バクバク! ムシャムシャ!
ガツガツ! ハグッハグッ! ゾボボボボ!」



幸水「⋯⋯⋯」

白子「わあ⋯⋯ドーナツがドーナツを捕食してる⋯⋯! それも、自食⋯⋯!
無限を描く⋯⋯う、ウロボロスだぁ⋯⋯!
ゾンビ映画でも中々ない、レア映像だよ、二人とも⋯⋯!」

干しキノコ「フヒヒ⋯⋯瞳孔ならぬ、ドーナツ穴、がん開き⋯⋯だな⋯⋯」

幸水「⋯⋯⋯はっ! あ、あまりの光景に意識が、カワイイ天国へ飛んでました!
何してるんですか、え、えーっと!
の、法子⋯⋯? さんっ!」

∞ドーナツ「⋯⋯⋯⋯⋯。 ⋯⋯何って、ドーナツを食べてるんだよ⋯⋯?」

干しキノコ「ふぐうっ?! こ、この⋯⋯プレッシャーは⋯⋯!」

∞ドーナツ「ドーナツがそこにある。 だからあたしはドーナツを食べる。 当然のことだよ。それともあなた達は、ドーナツを食べない⋯⋯?」

幸水「け、けれど! 法子さんが食べているのは法子さん自身ですよ?!
正気に戻ってください!」

∞ドーナツ「ああ⋯⋯何かと思えば、そんなことなんだ。 いいよ、見せてあげる⋯⋯ふんっ!!!!!!!」

白子「なん⋯⋯だと⋯⋯! 自食した部分から、新たにドーナツが生えてきて⋯⋯!
つ、繋がって元に戻った⋯⋯!」

∞ドーナツ「これがあたしの力。
『インフィニティ・ウロボロス』。
踏ん張るだけで、再生する。
無限のドーナツパゥワァ⋯⋯! あたしはこの力でこの世をドーナツで埋め尽くす⋯⋯!」

干しキノコ「す、すごい⋯⋯けど、踏ん張って⋯⋯茶色が出てくるって、ま、まるでうんk 幸水「輝子さん?」
ご、ごめん⋯⋯」



∞ドーナツ「⋯⋯手始めにあなた達をドーナツにしてあげるよ⋯⋯光栄に思うんだね、これから始まるドーナツワールド最初の礎になれることを⋯⋯!」

白子「わぁ⋯⋯全然能力と、やりたいことがかみ合ってないのに、凄い⋯⋯自信⋯⋯! 『恐怖!キノコ男』を、見た時と⋯⋯同じくらいの恐さ⋯⋯だよ⋯⋯!」

干しキノコ「おい白坂、テメー今、キノコ男のことなんつった?
予算142ドル、ワスカバジ家のオ○ニー、ホームクソムービーだとぉぉおおおおお?!」

幸水「それクソ映画だって自覚してますよね?! ってああ?! そうこうしてるうちに、法子さんが?!」

∞ドーナツ「貴様等をドーナツにしてやろうかぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああ?!」

幸水「わ、わぁぁああああ?!」




「そこまでよ。 法子」



∞ドーナツ「⋯⋯⋯その声は」

幸水「あ、あなたは⋯⋯!」

白子「颯爽と現れる⋯⋯B級映画感⋯⋯!」

「そうよ、私の名は、z 干しキノコ「ぜんざい時子さん!」⋯⋯⋯⋯」

幸水「⋯⋯」

∞ドーナツ「⋯⋯」

白子「⋯⋯」

干しキノコ「⋯⋯?」

ぜんざい「⋯⋯⋯⋯⋯そうよ、『財前』。
ざ、い、ぜ、ん、時子よ」

幸水(な、流したぁぁ~~~ッッッ)




∞ドーナツ「『財前』時子さん⋯⋯何のようですか?」

白子(の、法子ちゃん⋯⋯乗っかってあげるんだ⋯⋯!)

ぜんざい「知れたことね⋯⋯豚が一匹、私の下僕へ手を出そうとしているんだもの⋯⋯躾に、来たのよ」

∞ドーナツ「くくっ。躾、ですか?
甘ったるいことですね。 時子さん。
まるで、ぜんざいのよう⋯⋯。
女王を演じるあなたがまさかそこのキノコと梨と白子を庇うだなんて⋯⋯」

ぜんざい「何勘違いしているの?」

∞ドーナツ「⋯⋯なに?」

ぜんざい「私の下僕は、『世界』そのものよ。 法子、ドーナツ如きで征服だなんて、部をわきまえなさい」

∞ドーナツ「如き、だと⋯⋯?」

ぜんざい「ええ⋯⋯ドーナツ如き、ね」




∞ドーナツ ぜんざい「「⋯⋯⋯」」





干しキノコ「な、なんか、バトル物っぽく⋯⋯なってる、けど⋯⋯ドーナツと、茶碗が向き合ってる⋯⋯だけっていう⋯⋯」

白子「シュール、ここに⋯⋯極まれり⋯⋯だね⋯⋯。 あれ、幸子ちゃん⋯⋯どうしたの⋯⋯?」

幸水「⋯⋯⋯おかしいと思いませんか?」

干しキノコ「す、すまない、さっちゃん⋯⋯⋯いくらボッチで、ネクラで、コミュ障の私でも⋯⋯おかしくもないのに、ひゃっはーは、できないんだ⋯⋯」

幸水「何ですそのマイナス三拍子。 ボクみたいにボク! カワイイ! ボク! 略してBKBしないといけませんよ、ボクの親友なんですからねっ」

白子「ひゃ、ひゃっはー⋯⋯」

幸水「タラコみたいになってますよ小梅さん」

白子「綺麗な切断面色って⋯⋯言って⋯⋯」

干しキノコ「ヒャッハァァァァアアア!!!
小梅ェェェエエエエエ! 綺麗な、ピンクの切断面色してやがるぜえぇええええ?!
ジュージューと、空気に触れて湯気が立ち上る、内臓みたいだなぁぁぁぁあああああああ?!」

幸水「先の反省を取り入れる態度は素晴らしいですが、話を戻させてください。
おかしいと思いませんか?
ここまで、未央さんを除いて、全員食べ物なんですよ?」



干しキノコ「そ、それは⋯⋯登場人物の⋯⋯か、偏り⋯⋯フヒ」

白子「め、メタいよ、輝子ちゃん⋯⋯」

幸水「いえ、恐らくですが⋯⋯例外を除いて全員アイドルは食べ物の筈です。
例えば、まゆさんなら、サクマ式ドロップ。
加蓮さんなら、薄荷ドロップ。
予想するなら、こんな感じでしょうか⋯⋯」

干しキノコ「ふ、フヒ⋯⋯?」

白子「何が言いたいの⋯⋯幸子ちゃん⋯⋯?」

幸水「恐らく、この偏りには意味がある。
ボク達は何故全員、食べ物なんですか?
唐突に始まったこの現象。
この現象の先は、もしかしてーーーー」





そ、その先を⋯⋯幸子ちゃんは、言えなかったんだ。

私達は、油断⋯⋯してた⋯⋯。

気付くべき、だったんだ⋯⋯時子さんと、法子さんが、な、何も⋯⋯言わなくなったことに⋯⋯。

で、でも。

それに気づいた時には、もう、全部⋯⋯遅かった、んだ⋯⋯。



幸水「はっ?! に、逃げてください、二人ともぉぉおおおおお!」

白子「幸子ちゃん⋯⋯?!」

干しキノコ「さ、さっちゃーーーーん!!!」

巨大な影が、容赦なく、さっちゃんを掴む。
なすすべなく⋯⋯持ち上げられて⋯⋯そうして、ピンク色の断面が、の、覗く。
湯気を放つ⋯⋯肉壺の中で、さっちゃんは⋯⋯その牙に、か、かかったんだ。

幸水「も、持って行かれた⋯⋯!」

一口で半身以上⋯⋯、さっちゃんを、食べた影は⋯⋯ごくり、喉を鳴らすと⋯⋯私たちに、い、言ったんだ。


『美 味 し い か ら 大 丈 夫 だ よ』


干しキノコ「り、理解⋯⋯した⋯⋯!
この現象の⋯⋯行き着く先⋯⋯!
食べ物は、『かな子』ちゃんで⋯⋯終わるんだ⋯⋯!」



*******


幸水「か、かはっ⋯⋯」

干しキノコ「さっちゃん、しっかり⋯⋯!
果汁が、こ、こんなに⋯⋯! はっ、そう言えば他の二人は⋯⋯!」

ドーナツだったもの「⋯⋯」

ぜんざいだったもの「⋯⋯」

干しキノコ「くっ⋯⋯時すでに、ディレイ⋯⋯!」

白子「きゃ、きゃああああああ?!」

干しキノコ「小梅ちゃん?!」

『⋯⋯⋯』

白子「あ、あ⋯⋯」

干しキノコ「や、やめろぉぉお!? かな子ちゃん?! 小梅ちゃんを、離せぇぇええええ!」

『美味しいから大丈夫だよぉ』

白子「⋯⋯輝子ちゃん。 さよなら、だね」

干しキノコ「な、何を! 小梅ちゃん⋯⋯?! 早くそこから⋯⋯!」


白子「ううん、ダメ⋯⋯みたい。
だから、最後に輝子ちゃんに伝えなきゃ⋯⋯いけないことがあるの⋯⋯」

干しキノコ「最後だなんて⋯⋯言うなよぉ⋯⋯私達は、ズッ友⋯⋯だろ⋯⋯!」

白子「ふふ⋯⋯ごめんね。だけど⋯⋯」

干しキノコ「ぐすっ、ひぐっ⋯⋯」



白子「キノコ男はやっぱりクソ」

干しキノコ「白坂ぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ?!?!?!?!?!?」



白子「うふふ⋯⋯ゾンビに捕食されるって⋯⋯こんな気持ちなんだ⋯⋯。 わぁ⋯⋯すっごいどきどきs
『美味しいから大丈夫だよぉ』

干しキノコ「小梅ちゃーーーーーーーん!!!!!!」

『美味しいから大丈夫だよぉ』

干しキノコ「う、うぅ⋯⋯こ、小梅ちゃん⋯⋯最後に、でぃ、disっていくなんて⋯⋯この気持ち、どこにぶつければ⋯⋯」

『美味しいから大丈夫だよぉ』

干しキノコ「うるせェェェエエエエエェェェエエエエエ!!!!
よくも友達を、アイドルを!
自分の食欲を満たすためだけに、テメー!
テメーはこの、星輝子が、じきじきにブチのめす!」




幸水「ま、待ってください⋯⋯輝子さん⋯⋯」

干しキノコ「はっ?! さ、さっちゃん!
生きてたのか?!」

幸水「ふふ⋯⋯カワイイは、不滅⋯⋯ですよ⋯⋯かふっ」

干しキノコ「うわ、あっま! しゃ、喋るなさっちゃん⋯⋯! 今助けを⋯⋯」

幸水「聞いて、ください⋯⋯かな子さんは⋯⋯正気じゃ、ありません⋯⋯。
恐らく食べ物に変わっていないだけで⋯⋯何かしらの影響を、受けて⋯⋯かはっ! いま、す⋯⋯」

干しキノコ「な、なんだって⋯⋯!
名探偵すぎるぞ、さっちゃん⋯⋯!
物語の⋯⋯便利役みたい、だ⋯⋯!」

幸水「め、メタいですよ⋯⋯輝子さん。
く、黒幕は、他に⋯⋯います⋯⋯どうか、かな子さんを救って⋯⋯この世界に⋯⋯笑顔を⋯⋯」

干しキノコ「さっちゃん⋯⋯?」

幸水「⋯⋯⋯あ、やっぱり。 ボク、カワイイ、ボク、略してBKBに、笑顔を⋯⋯がくっ」

干しキノコ「幸子ぉぉぉぉおぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」





『美味しいから大丈夫だよぉ?』

干しキノコ「⋯⋯」

『美味しいから大丈夫だよぉ』

干しキノコ「⋯⋯⋯すまない、かな子ちゃん」

『美味しいから大丈夫だよぉ』

干しキノコ「今は手加減できそうに⋯⋯ないぞ⋯⋯」

『美味しいから大丈夫だよぉ!』

干しキノコ「うぉおおおおおおお!
裁くのは、星のキノコだぁぁぁぁあああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
⋯⋯





*******


「輝子殿ー。起きるのでしてー」

輝子「⋯⋯おらおらおらおら、フヒヒッ⋯⋯おらおらおらおらおらぁぁあああ⋯⋯ん⋯⋯? あ、あれ? ここは⋯⋯」

芳乃「ようやくのお目覚めでしてー」

輝子「あ⋯⋯よ、芳乃ちゃん⋯⋯おっはー」

芳乃「おっはー。 でしてー。 何やら寝言を言っておりましたがー夢でも見ておられたのですかー?」

輝子「⋯⋯う、うん。 よくは、覚えて、ない、けど。 キノコの戦士に、なって⋯⋯エジプトへ⋯⋯旅する⋯⋯笑いあり、涙あり⋯⋯の友情物語⋯⋯フフフ」

芳乃「⋯⋯⋯そのような事象は引き起こしておりませんでしてー」

輝子「ん、ん? 何か、言ったか⋯⋯芳乃、ちゃん⋯⋯?」



芳乃「いえー何もー空耳ではー」

輝子「そ、そうか。 ⋯⋯? なんだ、これ⋯⋯ほ、干しキノコ⋯⋯トモダチの、亡骸⋯⋯?」

芳乃「ほー?」

輝子「⋯⋯そ、そうか。 わかった」

芳乃「ほー⋯⋯⋯ほ?! ほ?!
ほ?! ほ?! ほほー?! ほうほほう?!
ぷはぁっ?! と、突然、口にキノコを押し込むなど、輝子殿、けほっけほっ」

輝子「⋯⋯ご、ごめんね。 何だか、トモダチがこうしろって⋯⋯。 そ、そーりーそーりーキノコそーりー。 く、苦しいな⋯⋯フヒヒ」

芳乃「うー。 しかし此度はこなたの力の暴走が原因なればー慎んで受けるのも⋯⋯やはり、物体変化よりも、認識を操作する方がーーー」

輝子「よ、芳乃ちゃん⋯⋯?」

芳乃「空耳でしてー」

輝子「そ、そうか⋯⋯それにしてもなんだかーーー




「ボク、カワイイ、ボク、略してB!K!B!が帰ってきましたよ! さぁ、出迎えてください!」

「梨を持った幸子ちゃんも⋯⋯カワイイよ⋯⋯襲っちゃいたいくらい⋯⋯ふふふ⋯⋯」

「小梅ちゃんが、抱えるその大量の、白子⋯⋯?は、ツッコミ待ちなの⋯⋯?」

「法子⋯⋯私はあなたがぜんざいを持っていることこそ、問い詰めたいわ」

「時子さんが、ドーナツ持ってるのも気になります⋯⋯。 あ、みんなーケーキ買ってきたから、一緒に食べよう?」



輝子「⋯⋯フフフ、まぁ、いいか⋯⋯。
これだけ食材があれば⋯⋯で、できるな⋯⋯!
リア充の、ひ、必須イベント⋯⋯そ、その名も⋯⋯や、闇鍋だぁァァァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
ヒィヤッハァァァァアアアアアア!!!!!
「「「「「「それはない」」」」」」
あ、はい⋯⋯すいません」





おしまいだから大丈夫だよ。


よしのん書いてたらなんか出来てました。
ホラーにするつもりがどうしてこうなった。



俺の 2chmate (Nexus 7 / Android 4.4) では三点リーダでも表示不可文字でもなく
空白として扱われていたのでそこまで読みづらくはなかったけど気になったので調べてみた
Firefox (Windows 7) では三点リーダっぽい表示になっているがフォントが微妙に違う

文字種を調べてみたら Unicode の U+22EF MIDLINE HORIZONTAL ELLIPSIS という文字で
JIS には対応する文字がないので表示できなかったり表示が乱れる環境があるのも納得
(一般に使われる三点リーダ「…」は U+2026 HORIZONTAL ELLIPSIS)
なんにせよ表示できなかったり表示が乱れる環境があるので使わないほうがいい文字ですね

参考情報:
http://d.hatena.ne.jp/NAOI/20071129/1196326815


なん…だと…
携帯から書き込んでるので、機種変した影響だと思います。
文字化けしてしまった人達には、本当に申し訳ない。


ちなみに、この↑の点だと大丈夫なんでしょうか…?
こっちの…は、.みたいなピリオド三つで下表示なんですが。


ブラウザでも差あるんですね…。
反省して、…で統一するようにします!

気づかせてくれてありがと茄子!

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