一ノ瀬志希「あたしとキミのイケないセカイ」 (26)


※志希→モバP(桜舞姫担当) 第4回総選挙のあたりの話
 ほかの桜舞姫のメンツ(周子と夕美)は名前のみ登場
※志希が絶対特権を主張する話
※また志希がわるい子
※エロだけでいいんだよ! という方は●1-10まで飛ばしてください。

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●1-01


シンデレラになれなかった夜、あたしは彼女から魔法使いを横取りした。



●1-02



あたしは自宅兼ラボの椅子に座って、透明な薬ビンをふたつ並べた。
ビンの中身――無色透明の液体――に満足したあたしは、
白衣のポケットへ突っ込んでたスマホの画面を見る。

モニタに映るサンセリフの数列は、もうすぐシンデレラの魔法が解ける時間を示していた。

あたしが失踪したあと、みんなはどうしてるんだろ――みんな?

みんなって、誰のコトだろう。



最初に思い浮かんだ顔は、銀髪に、日本人離れした白い肌に、いたずらっぽくつり上がった大きな目。
さわるとちょっとあったかい。甘くて鋭いシナモンの香りがする女の子――周子ちゃん。

周子ちゃんには、悪いコトをしちゃった。



周子ちゃんは今夜、たった一人のシンデレラになった。
そしてあたしは、そこから逃げ出した。



●1-03

不意に、指先にしびれ――いや、違った、バイブの振動――を感じる。
手に持ってたスマホに着信が入ってる。

着信元は……

「にゃーっはっはっ、プロデューサー? 思ったより、遅かったね♪」

タップと同時に、あたしは叫ぶ。
待ちかねてたんだ。キミのコト。



今日の夕方、第4代シンデレラガールを決める総選挙の結果が発表された。
1位は周子ちゃん。2位はみくちゃん、3位は楓さん、4位は夕美ちゃん。

あたしは5位だった。

「いやー、ね、ちょっと、その……ごめんね? そっちに、いられなくて」

選挙では、1位から5位までのアイドルで期間限定ユニットを組むことになっていた。
だからギリギリ滑りこんだあたしは、諸々の準備のために、
みんなと打ち合わせとかしなきゃいけなかったハズ、なんだけど。

「……プロデューサーったら今回はいつもより頑張っちゃって、
 周子ちゃんと夕美ちゃんと二人も上位にねじ込んで、とっても忙しい時だってのに……怒ってる?」

あたしは、ソレを全部無視して逃げ出しちゃった。



「あぁ、ごめんごめん、キミの担当のなかでは、あたしもいたね。忘れてたわけじゃないよ。
 ただ……そこにいるのが、ちょっと辛いかな、なんて」

あたしのプロデューサーは、今は担当アイドルが3人いる。あたし、夕美ちゃん、周子ちゃん。
200人近くいるシンデレラガール候補のうち、担当3人を上位1位、4位、5位に並べたんだから、
プロデューサーの評価は今回の選挙でうなぎのぼりだ。

あたしは、それに水を差しちゃってるんだけど。



「あたしがいきなりいなくなってキミに心配かけるの、結構久しぶりな気がするー。
 前は今ほど忙しくなかったから、気楽にそーゆーコトができたよね」

今頃は、みんなで選挙の大健闘をお祝いしたり……って、やってるハズだったんだけど。

あたしは、それもぶち壊しにしちゃった。



「あー、安心してね。お仕事が辛くて失踪したことは、ほとんど無いから」

プロデューサーと出会って、アイドルはじめてからは、辛いコトとかしばらく忘れてた。

好奇心を刺激されっぱなしで、一番しんどかった退屈はすっかりアタマから抜け落ちてた。
クッタクタのヘロヘロにされるレッスンさえ、また自分にできるコトが増えると思えば楽しかった。
あとは色んな女の子の匂いをハスハスできて嗅覚の保養にもなってた。

「じゃあ、なんであたしは失踪してたんだって?」

なんでだろうね、ホント。

もしあたしが、絶対にイヤなお仕事だったら、誰にも見つからないトコロまで逃げちゃう。
でもあたしは、プロデューサーに捕まえてくれる位置にしか逃げなかった。

プロデューサーに探し出されて、叱られて、子猫みたいに首根っこつかまれて、
お仕事に引戻されるのが……嬉しかった。そんなだからあたしは、
プロデューサーが引き戻してくれればギリギリお仕事に間に合うように隠れてた。

でも、今夜はちょっと違う。



「……本気でやって負けちゃうのって、こんなに悔しいんだね……?」

スマホのモニタを曇らせたあたしのつぶやきは、打算半分、本音半分って具合だった。


●1-04

「――じゃあ、ね。『あたしが呼んだら、今すぐきてね♪』なんて。にゃははっ」

あたしは一方的にプロデューサーとの通話を切った。
顔からスマホを離すと、耳殻に触れる部屋の空気が冷たい。

長電話してると、意識が聴覚にばっかり集中して、
世界があたしとプロデューサーの声だけになった気分になるけど、やっぱり錯覚だった。

来てくれるかな。叱られちゃうかな。怒られちゃうかな。心配してくれるかな。
周子ちゃんと夕美ちゃんをほっぽり出して。



いつから、プロデューサーのコトを独り占めしたいと思うようになったんだろう。

どうせしばらく眠れないだろうし、
プロデューサーがここに来てくれるかどうか考えるよりはマシだろうから、考えてみる。



プロデューサーと出会ったばかりの頃、あたしは自分のことを『フツーのJK』なんて言ってた。
真っ赤なウソだ。フツーのJKは自分用のラボなんか持たない――そもそもアイドルにもならないか。

あたしとプロデューサーとの出会いからして、フツーとは程遠かったね。
プロデューサーがロケ隊引き連れて、街角でアイドルの撮影指揮してて、
(ちなみに撮られてたのは夕美ちゃんだった)

『……キョーミ深いの、発見~』

そこを通りがかったあたしは、なんとなく足が止まってしまって、
あたりをスーハースーハーしたりじーっと見つめたりしていた。

そうやってあたしがウロウロしてると、プロデューサーが声をかけてきた。

『ねぇ、なにしてるの――ふーん、アイドル番組の撮影?』



へぇ、じゃあ、あの子がアイドルなんだぁ――というと、聞こえちゃったのか、
夕美ちゃんにほんのちょっとだけ苦笑いされた。

『そーかー……じゃあ、例えば……

 “みんなー、こんにちわぁー♪
 今日は志希ちゃんが、みんなの視覚野に刺激的なヤツを焼き付けて、
 夜も眠れなくさせて、あ・げ・る~♪ チラッ☆”

 さっきマイク持ってた子、こんな感じだったかな。
 男子の視覚に一過性の刺激を与えて、充足させるヤツだよね。
 やってみたら案外ソレっぽいかもー』

夕美ちゃんの苦笑いが、引きつった。



『で、あの子がアイドルなのは分かったけど……キミは? なんかイイ匂いするけど、ナニモノ?』

あたしは、プロデューサーという職業のヒトを初めてこの目で見て、鼻で嗅いだ。

『あたしの足を止めさせた匂いは……ふんふん、クンカクンカ、スーハースーハー……ははぁ。
 志希ちゃん、ピーンと来ちゃったぞー♪』

未知はあたしを駆り立てる。
心地よく感じる、でも分からない……それが、面白い。

『キミの汗! キミ、いい子でしょ。匂いでわかるよ!
 いい汗かいてるってことは、シゴト楽しーんでしょ?』

あたしが本気で信じていて、でもきっとみんなは信じないだろう理屈。

そんなコトバに、プロデューサーは力強く頷いた。だから、あたしは……

『じゃあ、あたしにもアイドル教えて教えて♪ 面白いコトなら、あたしもデキると思うな!』



ホントどこがフツーなんだ、あたしったら。


●1-05

あたしはヒトからはヘンな子に見えるそうだ。

パズルとか、テストとか、オトナがコドモのために作ったモノなら、あたしは3分で片付けて投げちゃう。
そんな調子でいたら岩手からアメリカに飛ばされて、何回か飛び級してドクターまで行っちゃった。

そーゆーの『ギフテッド』ってゆーらしい。神サマからの贈り物なんだって。
さてそれは、誰を喜ばせようとしたプレゼントだったのでしょーか?

少なくとも、あたし自身とパパとママは、このプレゼントをもらって、
あの時の夕美ちゃんと同じぐらい苦い表情を浮かべたと思う。



あたしはフツーになりたいと思った。世の中はきっと、フツーのヒトがやりやすいように回ってる。
『ギフテッド』なんて大きくて分厚いレッテル、自由人の志希ちゃんにはムサ苦しいんだホント。
で、日本に逃げ帰って、誰もあたしのコト知らない高校にもぐり込んで、ただのJKのフリしてた。

なのに、アイドルがあまりにも楽しそうだから、フツーのフリを破って、アイドルになっちゃった。



それで、アイドルとして最初のレッスン。
ボーカルはよかった。ビジュアルはまぁまぁ。ダンスはグダグダ。

しょうがないよね。あたし、インドア派だもん。体力がもたない……。

あたしはダンスレッスンから逃げ出した。
エスケープした後は、プロデューサーがお仕事してる部屋にこっそり隠れて、
プロデューサーがパソコンや書類に目を通したり、電話をかけたりしてるのを眺めてた。



あたしが物陰からじーっと眺めていると、
やがてプロデューサーの電話が鳴って――着信音からして内線だねぇ――
受話器を取ったプロデューサーの口から、あたしの名前が出た。

あ、コレ。
あたしがレッスンすっぽかしたって連絡が入ったんだね。

プロデューサーが受話器を置いた瞬間、あたしのカラダがぶるりと震えた。物音を立てちゃった。
プロデューサーと、あと他にお仕事してたヒトたちが、何事かとこっちを見る。

物陰から、あたしは顔を出す。プロデューサーと目が合う。
プロデューサーは、速くも遅くもないスピードでこっちへ歩いてくる。



あたしはプロデューサーにこっぴどく叱られて、おかげで一ノ瀬志希の名は、
この事務所中に『初回のレッスンの途中から逃げ出す問題児』として広まった。

それがあたしには、奇妙なほど心地よかった。

そうだよね。
ダンスレッスンから3分で逃げ出すアイドルは、フツーならとんでもない問題児だよね。
まだ『ギフテッド』とか見られたり言われたりしてなかった頃を思い出させてくれる。



……にゃははっ。
ココだ。ココからだ。きっと。


●1-06

あたしの自宅兼ラボの近所って、深夜は滅多に車が通らない。
そこに、そろりそろりと控えめなエンジン音がさざなみを立て始めると、
あたしは椅子を蹴倒して、玄関まで勇躍する。

プロデューサーが、ドア越しにあたしの名前を呼ぶ。
あたしは持ち歌のメロディを口ずさむ。



――聞こえてるのに、聞こえないフリ。

もう一回、プロデューサーの声が聞こえる。
あたし、電気つけっぱなしでしょ? だから、キミはもう気づいてる。

――何回だって、呼んで欲しいのよ。

今、ドアを開けたら、あたしはナニを言われちゃうだろう。
少なくとも甘くはないだろうね。

――ホントはもっと胸キュンセリフ……



いやいや、違うよ。
そこは、歌詞通りじゃない。

あたしは甘くないのが嬉しいの。



「……ねぇ、プロデューサー。キミが教えてくれたコトなんだけどさ」

ごめんね、プロデューサー。
あたし、キミにお説教されてる時、いっつもニヤニヤしてたと思う。

あたしを諭してくれるコト自体が嬉しかった。

今夜もそうだ。
キミをあたしのラボまで呼び寄せるコトがあたしの目的で、
キミがあたしに直接ナニか伝えるためここまで来てくれたコトがあたしの喜びなんだ。

「ヒトのココロをつかむのって、難しいよね。あたしが本気でやっても、そー思えるくらい」



失踪してプロデューサーに手を焼かせたりしたけど、あたしは本気でアイドルをやってた。
本気でやってもいいとココロの底から思ってた。

「信じてくれる……? あたし、本気だったんだよ」

シンデレラガールを発表する会場で、ドラムロールに乗せられたスポットライトが、
周子ちゃんを捉えて止まった刹那、あたしは眩しくて彼女を見られなかった。
目を背けたら、となりに座っていた夕美ちゃんと目が合った。

「夕美ちゃんは、ニッコリ笑って、周子ちゃんにおめでとうって言ってたね……すごいなぁ」

あたしは、拍手しようと思って、両手を胸元まで引っ張り上げるのが精一杯だった。



「……くやしい、よぉ……」

あたしは、周子ちゃんと同じ部屋の中にはいられなかった。

「……なんで、あたしじゃなかったの……?」




●1-07

涙目で、プロデューサーを見上げる。

あたしは、とってもずるい子だ。
あたしは、とーっても悔しい。それは確か。

でも、負かされた相手が周子ちゃんだ。知った仲だから、辛うじて認められる。
おそらく、一晩泣いた翌日には“おめでと。それと、ごめんね”ぐらいは言える。
プロデューサーもきっとそう思ってる。

だから、今夜じゃないといけない。



あたしに、アイドルとして『ヒトのココロの動かし方』を教えてくれたのはプロデューサーだ。
あたしが泣き落としかけても、釈迦に説法。いつもなら流されちゃう。

でも、今なら。

「ごめん、ね。あたしのせいで、周子ちゃんの、プロデューサーの、晴れ舞台、ぶち壊しだね……」

あたしは、初めて負けてココロをへし折られたかのように泣ける。



「ふっふ……黙っちゃって、困ってる、困らせちゃってる?
 あたし、いけない子だね……自覚があっても止められない」

プロデューサーは戸惑ってる。どうしたらいいか迷ってる。
やった。あたし、少しだけど、キミのココロを揺さぶってる。

「なんでもいいから、しゃべって? キミの声が聞きたいから。
 ……でも、できれば、なんだけど」



アイドルがヒトのココロを奪うためにキラキラする存在であるなら。
あたしがアイドルとして望むコトは……ガラスの靴が叶わないなら……

「キミのココロをあたしだけにもらえたら、あたし、もう一度アイドルできるかも」




●1-08

「……にゃ、にゃははっ、言ってみただけ……ホント、あたし、悪い子だ……」

ダメって、言われちゃったた。
プロデューサーとアイドルは、そーゆーコト、シちゃいけないんだって。

それは、あくまで建前だった。
すがすがしいほど曇りのない建前だった。



あたし、別に怒ってないよ。
建前だって、大事だもん。

例えばあたしが、コトバとか仕草とかシチュエーションとか、
アイドルとして持ってるモノだけでキミに“Yes”と言わせたかった……
ってのも、あたしの大事にしたかった建前だもん。



「明日には……あ、もう12時過ぎ……じゃあ、夜明けね。
 夜明けには、周子ちゃんを祝ってあげられるハズだから……」

でも、建前で通じないのなら、本音でぶつかるしかないよね。

「だから、今夜……ううん、長くはとらせないよ。明日もあるし。
 少しだけ、あたしに付き合ってくれるかな? ホラ、あたしだって頑張って5位に入ったじゃない」




あたしはプロデューサーと正対してその目を見つめながら、
後ろ手で机に並べたふたつの薬ビンのうち、ひとつを手にとった。

周子ちゃんでもなく、夕美ちゃんでもなく、ましてほかの誰でもない、
あたしとキミの、イケないセカイに続くトビラ。

あたしは、その向こうに行きたい。



ああ。あたし、もうフツーでもなんでもないや。


●1-09

ね、プロデューサー。起きて。起きてよ。
意識の混濁はそろそろ治まるハズだよ。

お、目が開いた。プロデューサー、この指何本に見える?



オーケー。じゃあ次。
キミの担当アイドル・一ノ瀬志希ちゃんは、
昨日発表された第4回シンデレラガール総選挙で、何票もらってた?



……惜しい。134,592票だよ。
まぁ、だいたいあってたからいいか。



おはよう、プロデューサー。といっても、まだ深夜だけど。
あたしがキミより早起きできるわけないじゃん♪

ん、ナニ、どしたのプロデューサー。

……へぇ、『カラダがしびれて動かない』ですって? そりゃタイヘンだー。
最近、キミはあたしたちのために頑張ってて、お疲れだったんだよー。
キミたちってちひろさんのドリンクを過信してる……けど、
あたし薬理学かじってるから知ってるもん。薬は疲れを忘れさせるだけー。

だから、今夜は志希ちゃんラボでゆっくりおやすみ……。



え、ダメなの? あははっ。そーだね。
いくらプロデューサーといえど、一人暮らしのアイドルの家にお泊りはまずいかー。

んーでも、それに関しては手遅れだと思う。



見て見てー、ここにふたつの薬ビンがあるでしょ♪
あたしが右手に持ってるのは、キミに盛った疲労回復兼しびれ薬。即効性で効き目はせいぜい数時間かな。
左手に持ってるのは、しびれ薬の解毒剤。ちょっぴりステキな副作用もあるよ。

解毒剤、欲しい? 別に飲ませてあげてもいいけど……
開発者よりひとつ忠告、お車の運転はお控えくださーい。

だって、仮にもしびれ薬だよ?
手足がちゃんと動いてるようでも、反射系が鈍ってるかも知れないじゃない。
それで車の運転とか、アブないコトしないでよね。あたしのプロデューサーなんだから。

じゃあ、タクシーでも呼ぶ? それもいいけど……キミが乗り付けた車は置きっぱなしになるよね。
キミが志希ちゃんラボでアツ~い夜を過ごしたという証拠は動かないまんまだ! にゃははっ。



で、どーするプロデューサー。解毒剤、飲む? 飲まない?
飲んだら、遅くとも一時間後には動けるようになるよ。

周子ちゃんとか、夕美ちゃんとか、他人からは“あーやっちゃったんだー”と思われてても、
あたしに対してだけはプロデューサーとアイドルの建前を守るつもりかな。
もしそのつもりなら、解毒剤は飲まない方がいーよ。

言ったでしょ。解毒剤には、ステキな副作用があるから……ね。

それとも、毒を食らわば皿まで――あたしと一緒に、最後まで付き合ってくれる?



あたしはどっちだっていいんだ。
キミに決めさせてあげよー。


●1-10

あたしをラボの床に突き飛ばしたキミの目は、はっきり据わっていた。
怒ってるのか、それとも解毒剤の副作用にムラムラ酔わされてるのか。

どっちだって、いい――どっちだって、あたしの仕業だもん。

乱暴にして。薄い白衣なんか引き裂いて。
賛辞、憧憬、嫉視、嘲笑、罵倒――アイドルになる前も、なってからも、
ヒトから色んな感情表現をもらったけど、キミからは、もっともっと欲しい。



結果発表からロクにいじってない後ろ髪ごと、首根っこを押さえつけられる。
そうだよ。そうやってしっかり捕まえてないと、あたし、逃げちゃうよ。

キミがあたしの肌に爪を食い込ませる。
アイドルとしてファンを煽るだけ煽って、
決して触れるコトを許さなかった罪深いあたしのカラダを、キミは力づくで開く。

あたしがこんなコト許すのは、絶対キミだけ。
キミがこんなコトするのは、あたしだけ……だよね? 信じちゃうよ。

そう思えば、大嫌いな痛みが愛おしい。



キミはあたしの下着をはぎ取る。
あたしのヒトに見せちゃいけないトコロを照明の下に引きずり出す。

それから、四つん這いで腰を突き上げさせられて、べしんべしんとお尻を叩かれる。
しびれ薬のせいか、キミの手のスイングが鈍い。じくじくした痛みと熱さが弾けて残る。
にゃはは、いけない子へのオシオキ。こんなのホントに実行するヒトいるんだ♪

べしん、べしん――肌から神経が焼けて、電撃的な感覚が首筋からアタマまで殺到する。
あたしは白衣の切れ端をくわえて悲鳴を噛み殺す。
視界に星が散って涙で揺らぐ。あたしもキミも、脂汗にまみれる。

でも、まだ、もっと。



あたしはカラダを仰向けに転がされる。足を開かされる。
にゃはは、察するに……あたし、初めてキミに泣かされちゃうのかな。

あたしは首を少し前に傾けて、キミを見上げる。
どんな目をしながら、どんな息遣いで、どんな匂いを振りまいて、キミは……。

あたしが見つめてると、キミはそれを進めるのをためらった。

ナニかな。
今更、我に返っちゃったの。
それとも、初めてで勝手がわからないとか。
実は、拒まれてるのをムリヤリってほうがお好きだったり。



もしかして、あたしが涙ぐんじゃってるのがイケないの? 涙がキミを鈍らせたか。
さっきキミが威勢よくあたしをべしべししてくれた時は、キミからあたしの顔が見えなかったもんね。

ああ、人間のセックスって不便なんだね。
イトヨなんか本能だけで複雑なプロセスの子作りがデキるのに。
あたしはキミとここまで来るのに、どれだけのコトをやらかしただろう。

でもきっと、ここまでやらかさなきゃいけないからこそ、あたしだけがキミを……。



ねぇ、プロデューサー。どうしたの?
あられもないあたしに見惚れちゃってるかな。そうなら、嬉しいな。ふっふー……。

でもね。

キミがもっとオシオキしてくれないと、あたし、もっとスゴイことやらかしちゃうかもよ?



素晴らしく硬い痛みがあたしを引き裂いた。
この痛みと血の鉄臭さがプロデューサーのココロだと、この時のあたしは無邪気に信じてた。


●2-01

――
――――



あたしがアイドルを初めて少し経ったある日、
プロデューサーから出し抜けにこんなセリフを聞いた。

『志希は、口ではウソをつくけど、足ではウソをつかない』って。



曰く、あたしの意思表示は、あたしのいる場所によって行われているらしい。
スキなコトを望むとき、あたしは口でせがむより、足でその場に近づくんだと。
イヤなコトを拒むとき、あたしは口で文句垂れるより、足でその場から去ってしまうんだと。

あたしも、言われて初めて気づいた。
自分のコトなのに。



でも、思えばあたしはそんな行動ばっかりしてた。
みんなが退屈と戦っていただろう学校の授業から、あたしは平気で抜け出した。
路上でアイドルのロケを見て面白そうだと思ったら、あたしはすぐ足を止めて中に入り込んだ。

あたしの居る場所と、あたしのココロのリンクは、
フツーのヒトのソレより、ずっと強いらしい。



プロデューサーは、あたしのそんなヘンなトコロを見抜いて受け止めてくれた。

ライブのステージでは特に、ニオイが気に食わないとかいろいろ言って、
他のヒトからワガママだと陰口を叩かれたりしたけど、
プロデューサーは可能な限りあたしの好きな場所を選ばせてくれた。

だからあたしは、もっと、もっとキミのそばにいたいと思った。



いっそ、セカイがプロデューサーとあたしだけになれば。



●02-02


――――
――



にゃははっ、どしたのプロデューサー。
キミらしくない、バツの悪そーな顔して。

志希ちゃんのナカに射精してくれて、我に返っちゃった?



そこで、あたしのせいにしないのがキミらしいよね。
ここでシちゃおうって決めたのはキミだけど、決めさせたのはあたしなのに。

いいんだ。これがあたしの望んだコト。
二度と無いんじゃないかってぐらいの痛みだったけど。

だって、これであたしとキミは悪い子同士だもん♪



しかし人間の精液のニオイは初めて嗅いだけど、エグいもんだねー。
でも、クセになるかも。フレーメン反応とか起こしちゃいそう。

いや、志希ちゃんヘンタイごっことかする子だけど。
まさか年がら年中こんな発情ネコちゃんみたいなリアクションはしないよ。

実を言うとね、キミをムラムラっとさせたクスリ、あたし自身にも盛っちゃってるんだ。
キミだけじゃ不公平だからねー。

ここにはキミとあたししかいないから、したいコト、されたいコト、全部できちゃう。



キミの指であたしをそっと撫でて欲しい。
長い猫っ毛を躾けるように梳いて欲しい。
イタズラなコトばかり漏らすくちびるを抑えて欲しい。
祈るようにあたしと指を絡めて欲しい。

あたしの切望は穏やかなものから、だんだんエスカレートしていく。

キミの腕をあたしの体に回して欲しい。
デコルテごと締め付けてキミの胸から離さないで欲しい。
衣装では誇らしげに出す両肩をキミの腕で覆い隠して欲しい。
あたしの曲線をキミの腕で歪ませて欲しい。



ほら、あたしの体温が熱くなってきたの、分かる?
キミからも興奮が伝わってくるよ。

ニオイだけじゃない。
目を見ればあたしに釘付け。息遣いも鼓動も。
キミの肌を舐めたら、きっと甘酸っぱく切ない味がするハズ。


●02-03

ねぇ、もっとシようよ。
クスリに浮かされてた時に仕損じたコトを。
いつか一緒に迎えた朝の、まどろみのようなシアワセを。

ここに煩わしいものはナニもないよ。



キミを近くに感じると、あたしは顔が熱くなって、心臓の鼓動がうるさくなって、
そんな条件反射を、道化じみたペルソナで隠さずに、素直に出せるこの場所が嬉しい。

キミの身じろぎ一つ感じるだけで、あたしのココロとカラダが期待しちゃう。
キミはあたしのナニを望んでくれるんだろうか?



にゃはは、まーだキミは遠慮がちなんだなー。
じゃあ、あたしから。

ねぇ、キスしようよ。
にゃはは、キミの味が分かっちゃうね。あたしの味も分かっちゃうね。

汗が引ききっていない肌と違って、くちびるは生乾きだった。
飾り気のない感触が、なんだか目頭に沁みる。

衣装も立場もない、キミのためだけのあたし。あたしのためだけのキミ。

あたしの舌がキミのナカに入り込む。
スキなヒトのナカは、吸い込まれるほど熱い。
粘膜のぬるつきも、細かいギザギザの歯も奪い尽くしたくなる。

べちゃべちゃと行儀悪く音を立てて、漏れた唾液が肌にニオイをつけて、
そこからキミのすべてを吸い出すよう、あたしはキスに没頭する。

ふっふー、キミはいつまであたしにされるがままかな?
あまり大人しくしてると、志希ちゃんはいつまでも止まらないからね。


●02-04


あ、そう……ほーほー、キミも、やっぱり気になるんだ。
いーよ、スキなだけいじって。あたしの、おっぱい。

そんな遠慮がちに見るコトはないよ。
だってあたしのカラダは、今やキミに見せるためのモノになっちゃったんだ。

アイドルになる前は、容姿をヒトに求められるよう磨くなんてロクに考えなかったもん。
あたしのやりたいコトの足しにならなかったから、支障がない程度にいじるぐらいで。



とゆーか、キミに出会うまでは、あたしの行動基準って、
あたしのキョーミがかきたてられたかどうかだけだった。

それが、いつの間にやら、アイドルなんて、
ヒトのためにいろいろするおシゴトが楽しくなっちゃって。
その喜びをあたしに教えちゃったのは、キミのプロデュースなんだよ?



おっぱいといえば、キミにナカに出されちゃったから言うってワケじゃないけど、
おっぱいって赤ちゃんのためにあるんだっけ?
生物学はあまり強くないけど、手足と違っておっぱいはあるとナニに便利、
っていう場面が、赤ちゃんにおっぱいあげるのぐらいしか思い浮かばないし。

そんなあたしの仮定を、キミはどう塗り替えてくれるのかな?



キミの視線が刺さるだけで、あたしのおっぱいは焦れちゃう。
ふくらみの一番下に指先が触れただけで声が出ちゃう。
ツンツンされただけで溢れちゃいそう。

キミの手のひらが近づいてきて、あたしは待ちきれなくて、
つい自分から胸を押し付けちゃう。ほうら、ぴったり収まるでしょう?
こうしてキミにふわふわ包まれてると、なんだか心臓まで撫でられちゃってる気がする。
もしかして下のほうだと、ドキドキしてるのが触覚で感知されちゃってるかな。

にゃははっ、乳首、ちょっと大きくなっちゃってる。
もう見た目でも焦れちゃってるのが丸わかり。
手のひらでも硬くなっちゃってるの感じちゃうよね。

これ、グラビアだったらニプレスでも誤魔化せないよ。
キミはもっと大きいほうがスキ? 小さいほうがスキ?

大きいほうがスキなら、くりくりっていじめて、
小さいほうがスキなら、きゅうっと押さえつけて。

キミの手であたしをキミの好みにシて。



●02-05

って、キミは、そっち、舐めて――っ、んんっ、そうか、
あたしが赤ちゃんの話なんかしちゃったから、キミもそんな気分?

ふっふー、あたしより年上のオトナのプロデューサーが、
赤ちゃんみたいにおっぱいおっぱいかー。
あたし以外にそんな姿見せたら、ドン引きされちゃうよ?

でも、ここにはキミとあたししかいないから。
素直にいっちゃおー。



キミの口も指も、やっぱり甘ったるくて、その刺激が物足りないと同時に、妙な安心感を覚える。
キミはあたし達を――基本的には、とっても大事にしてくれるから、だからやり過ぎないよう気をつけてて。

まぁ、あたしはキミの乱暴なトコロもさっき引きずり出しちゃったんだけど。



あたしに余裕があると見たのか、キミの手管はだんだん強くなっていく。
さっきキスで味わった歯のギザギザでこすられて、あたしの呼吸が乱される。
反対側の先っぽは、短い指の爪でカリカリ撫で上げられて、
ジンジンくるけど、まだ、あたしは、もっと強く――



でも、キミは時々不意打ちで責めを強める以外は、
あたしの望む一歩手前で……

あぁ――にゃははっ、そっか……。

おねだりしなきゃ、ダメ?



ぎゅってシて、あたしが、キミにしか聞かせられない声を出しちゃうぐらい。



お胸、キミが力むたびに、あたしのナカがびくつく。
おっぱいが、先から、ちくびから、キミにいじられて、キミの好みにされてっちゃう。
教えられちゃう。覚えちゃう。カラダに、アタマに、焼き付いてく。

キミにスキにされてるという自覚が、ちょっとしたくすぐったさに、クセになるスパイスを加える。

くちびるでちゅーちゅーってされる。濡れてるのは、きっとキミの唾液。
でも、あたしは自分がおっぱい出しちゃってるような……目を閉じたら、
キミの口内粘膜の熱さと、蒸散の冷えに狭間に転がされたあたしのおっぱいが。

もしかして、出しちゃってるんじゃないかって。

吸って。いじって。キミの気が済むまで、いつまでだって、いい。
あたしを、キミの手で、ほかの誰よりもキミのための存在に――




●02-06


――なんて、思ってたけど。

ここまで来てもあたしは、キミにワガママを言っちゃう。



もう一回、ナカに入れて。
今度は、ちゃーんと準備ができてるハズだから。

まだじくじくと痛むあたしのナカ。
けれどもっと奥のほうがキミを求めてる。
赤ちゃんがどうとか、そんなコトばっかり考えてたせいかなぁ。

むしろ、痛みはあったほうがイイのかも知れないね。
気持ち良くなるだけなら、クスリでトリップすればいいんだから。



今度のあたしは、自分からキミへカラダを開く。



あたしのカラダは我ながら図々しくて、
処女を奪われるときは血を流すほど抵抗したくせに、
今はあたし自身が恥ずかしくなるぐらいヨダレを濡らしてキミに媚びている。

自分でもどうかしちゃったんじゃないかと思う。



さっき、初めて貫かれた時と同じ姿勢で、またあたしはキミを受け入れる。
キミのソレをあたしのナカはしっかりと迎える。
さすがあたし、ガンスピンと同じくらい簡単に覚えちゃって。

キミの侵入は、ここでも探り探り。
その慎重さを、あたしはキミらしいなぁと感嘆する。
傷口をゆっくりこする抜き差しが、あたしを苛む。

あたしのココロはそれを望んでる。



でも、キミはさすがというべきか、あたしの奥深くのコトさえ、すぐ見抜いちゃう。
あたしの反応を見透かして、いいトコロに当ててきちゃう。

にゃ、にゃっ――ソコ、いい、いい……
けど――よ、良過ぎ、だって……っ



あたしは止めてと口走る。
でもキミは止まらない。あ、あれ、どうして。

あたしのナカの奥、さらに上のほう。
あたしには届かない度し難いトコロを、キミがつっつく。
瞬間、あたしの思考が、熱くて凄まじく速い感覚に突き刺されヒビ割れる。



あ、これダメなヤツだ――
これ、やられたら、ホントにあたしはオカしくなる……。



●02-07

あたしの喉は、確かにダメって叫んでいた。

でも、あたしの足はキミの腰へ絡みついていた。
やられちゃダメなトコロへ、誘うように、せがむように。



クスリでねじ伏せたカラダが、今度はあたしのココロに逆らう。



キミに奥の奥までぐりぐりされるほどに、あたしの意識はズシンと揺さぶられる。
クスリで暴走してる快感が、あたしの理性も五感も塗り潰していく。

ダメ、ホントに、強くて、どんどん近づいていって、近づき過ぎると、
ここにいたハズのキミの存在が、ただの電気信号の幻影に成り果てちゃう。
あたしとキミのセカイが壊れちゃう。

あたしの両足は浅ましくキミにしがみついているハズなのに、
あたしの意識で感じていたキミのヨスガは、叩きつけられる抽送でバラバラになっていく。

キミはすっかり遠慮というものを忘れて、あたしの弱いトコロをひたすらに責め抜く。
キミにあたしの処女を奪わせたクスリの興奮が、蘇っちゃたみたい。



視界に星が散る。カラダが勝手に引きつる。
い、イク、の? これって、イクってコトかな……

わかんない、あたしは、ナニもわかんなくなっちゃってる。

こんな砕けそうな乱暴なの、キミじゃない――あっ、あたしが、キミを狂わせちゃったんだ。
だから、あたしが止めてって言っても、止まらない。

プロデューサー、そこ、奥、いじめちゃ、あたし、ダメになる、
キミのニオイも、声も、体温も、姿も、キスも、脳波からかき消されちゃう。

イヤ、イヤだよ、そんなの脳内麻薬に溺れて一人で見る夢とナニも変わらない。



行かないで、壊さないで、消えないで。

プロデューサー、あたしの、そばに――


●02-08

目が覚めると、窓の外は明るくなっていた。

あたしの気分は血液をすべて水銀に入れ替えられたようにドロドロと重くて、
プロデューサーがノロノロと身支度しているのを、
いつの間にか載せられてたソファで寝転がって黙って眺めていた。



キミをあたし以外のすべてから引き離して、二人だけのセカイに閉じ込めたハズなのに。
媚薬に毒されてたあたしは、確かにキミの存在だけを感じていたハズなのに。

そうしたら、かえってキミの姿がおぼろげになって、終いには消え失せちゃう。
キミも、あの時カラダではあたしだけを感じていて、でも意識からあたしのコトは飛ばされてたのかな。



不意に、グズグズとこもったバイブの振動が鳴る。
あたしのとは、パターンが違う。プロデューサーのかな。

プロデューサーは、ソファのすぐ近くに落ちてた携帯を拾った。どうやら着信らしい。

あたしは、スピーカーから漏れ聞こえる声が、誰のものか分かっちゃった。



――周子ちゃん?



あたしは手を伸ばしていた。
プロデューサーが携帯を握っている右手とぶつかって、
プロデューサーは携帯を取り落として、
あたしはそれを横取りするように拾い、周子ちゃんに――



「あ……切れちゃってる。キミが、通話切ったの?」

プロデューサーは唖然としてた。あたしも自分に驚いてた。

プロデューサーに串刺しにされて、イキそうになってた時より、アタマが熱い。



あたしは今、ナニをしようとした?
周子ちゃんに、あたしとプロデューサーが昨夜したコト、暴露しようとしたの?
そんなコトしたら、あたしもプロデューサーも、タダでは済まないのに。

でも……でも、あたしは、周子ちゃんだけじゃなく、もっと――



「ああ、にゃはは、分かった、あたし、キミの言ってたコト分かっちゃったよ」

照明の落ちた聴衆席からのスタンディングオベーションが、
スポットライトに照らされた周子ちゃんの戴冠を証明したように、

あたしとキミのセカイを証明するのに必要なものがあって、でもそれは――



「確かに、アイドルとプロデューサーでこんなことシテたら、ダメになっちゃうね……♪」



●02-09

その後、あたしは周子ちゃんに会って、まず『おめでとう』と祝った。
周子ちゃんこそ、キラキラ輝く舞踏会の主役・シンデレラだから。

次に『ごめんね』と謝った。
周子ちゃんがガラスの靴を履く瞬間に水を差して、申し訳ないと思ったから。



それと『ありがとう』を付け足しておいた。
周子ちゃんには、大事なコトを実感させてもらったから。



(おしまい)




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たまには明るく楽しいえっちにしたほうがいいんでしょうかね



ご高覧ありがとうございました。




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