貴方「安価で喰種の世界を生き延びる」【東京喰種】【喰種編】【TAKE3】 (873)

このSSは、貴方が東京喰種のキャラクターとなって生きていくSSです。
のんびり進行でちょくちょく更新出来なかったりするけど、そこらへんは許してクレメンス…。
ストーリーで進行するのは原作無印の最終話までを予定しています。:reに入る可能性アリです。
安価次第でif√に入るかもしれません。というか入ってます。
主はガノタなので、ガンダムネタが入るのはご了承していただけたら…と思ってます。
雑談、質問、要望は常時受付中です。あるならガンガンやっちゃってください。原作を見てなくても分かるようにはしたいです。
論争になったり、他人を貶めるのだけはやめましょう!

過去スレ

貴方「安価で喰種の世界を生き延びる」【東京喰種】貴方「安価で喰種の世界を生き延びる」【東京喰種】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1467810000/)
貴方「安価で喰種の世界を生き延びる」【東京喰種】【喰種編】【TAKE2】貴方「安価で喰種の世界を生き延びる」【東京喰種】【喰種編】【TAKE2】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1470030677/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1474295519

☆メインキャラ紹介

★天奈津 樹(アマナツ イツキ) 種族:喰種(赫者) 赫子:尾赫&甲赫 二つ名:長槍 SSSレート 14区在住

・ステータス 戦闘力(118) 学力(280) NT力(96) コーヒースキル(58) CCGバレベル(48) 
       アオギリバレベル(83) 指導スキル(67) 評判(75) 画力(18) 文才(15) 
・好感度 エト(185) タタラ(105) ヒナミ(86) アヤト(42) ヤモリ(10) ミユ(80) ジンコ(72)

     マドカ(50) ヨスケ(50) マンバロー(50) キヨノリ(50) ヨーコ(73) ハナ(94)

・設定

この世界での貴方。コンマ神に愛されまくったクソチートなキャラクター。美術関係くらいしか弱点がない。
原作無印の最強クラスの喰種『エト』に溺愛されている。好感度が軒並み高いやつばっかりである。どうしてこうなった。
このSSで最強の喰種で、24区を過去に探索していたり、両親が元Vだったりと、てんこ盛り感が半端ない。
芳村さんに両親の死の真実を教えてもらった結果、芳村さんと両親の願いを叶えるべく、喰種組織『if』を設立した。
拠点と住所は14区で、アオギリやCCGからも追われている。職業は塾の先生、高槻泉のアシスタントを兼任している。
学校は14区にある大学で、超難関大学だがそこの特待生であり、ぶっちぎりのトップ。
頭があまりにも良いので、あだ名が『人間ヴェーダ』にされている。ヴェーダはググればすぐ出てくると思うので、そちらを参照。
基本、両親が死んでから一人で家族を養う必要があったので、自分に掛かるお金を限界まで軽減しようとした結果、ヴェーダ化した。
特待生になればお金が掛からないと判断して、勉強をしまくったので、通った学校全てで特待生になった。チート化の原因の一つ。
常に冷静で合理的な判断をするが、仲間や家族が絡むと非合理的な判断を躊躇いなくするようになる。
14区は彼の存在等の影響で、CCGの警戒が厳重だったり、強力な喰種が多かったりと魔境化している。
丁寧に話し、よく…が頭に付くが、考えてから発言するためである。決してコミュ障だからではない。
見た目は長身の有馬を想像していただければいい。髪は白色である。人間に対しての感情は変化し始めたか?
独りぼっちなのを寂しく思っている。半暴走状態のマシロを気に掛けており、たびたび説得を行っている。
14区内での顔はそれなりに広く、情報屋のイトリとはお得意様。カネキも彼にチート化させられた。

・赫子

尾赫は細くまるで針のようである。非常に長いので、遠距離からも一方的に攻撃出来る。
細く長いという特徴を利用して、鎧の隙間から中に潜り込ませて内部から破壊したり、自分の体から突き出したりといった様々な攻撃が出来る。
一本だけでも強度は高いが、複数本束ねることで威力を増加させられる。束ねた時の威力は鱗赫と同レベルになる。

甲赫はモーニングスターの形状をしている。安価が荒ぶったからなのか、高速回転するうえに辺り一面を爆発させる謎兵器になってしまった。
威力は言うまでもなくえげつないので、近距離ではこちらをメインに使う。

赫子アーマーはライダースーツのようで、羽赫程度なら無傷で済ませるくらいには強度はある。マスクは羊みたいな硬質ラバーで出来ている。

★天奈津 真白(アマナツ マシロ) 種族:喰種(赫者) 赫子:羽赫×5 二つ名:天使 現在Sレート 所在不明

・ステータス 戦闘力(107) 学力(91) NT力(65) CCGバレベル(52) アオギリバレベル(6 今は不明) 恨み度(144) 精神状態(05)

・設定

見た目は儚い感じがする胸はペッタンコで美脚な中学生。頭はかなり良いが、長男と比べたら霞んでしまう。ゲーム関係は準廃人のレベル。
愛が重く、家族や信頼した相手には依存してしまう。信頼していた友達がいたが、喰種に襲われて目の前で死亡してしまう。
その結果、面識のない喰種絶対殺すウーマンと化して赫者かしてしまった。人間に対しても危険な思想を持っている。
CCG、アオギリ両方から追われているが、常時ミラコロとハイパージャマーを併用してるような状態なので、なかなかバレない。
そのステルス能力にはイツキたちも手を焼いており、現在は全く足取りを掴めていない。
かなりの面倒くさがりで、常時敬語で話すが語尾を伸ばすという形で性格が反映されている。
結構な数の捜査官と喰種を殺害してるので、非常に恐れられている喰種である。そろそろSSSレートにされそう。

・赫子

通常時は四種類の赫子を使う。全ての赫子が羽赫というある意味奇跡の喰種。

赫子その一は、泡が集まった形をしている。分離してファンネルのように扱えるので、奇襲や弾幕を作るのに使える。威力は標準。

その二は、針が集まったような見た目。トーカたちの赫子を細かくしたような感じ。威力は若干高い。
傷口に貼り付けることでRc細胞を直接供給して、治癒力を向上させる自分にも使える赫子。

赫子その三は、細い骨で作られた赫子。見た目としては、シナンジュのブースターを骨で作ったようなもの。羽赫の見た目では特殊。
高威力のビームを発射出来るが、その威力と引き換えに連射性は皆無になっている。狙撃にも使える。

赫子その四は、植物の葉っぱが背中から生えた感じのもの。もう羽赫と言っていいのかもわからない。威力は標準クラス。

赫者形態時は天使のような見た目をしている。顔だけは黒い箱で包まれているので恐ろしい。天使の見た目をした悪魔である。

天使の翼の形をした赫子で、ナルカミのような電撃を放つ遠距離攻撃と、V2ガンダムの光の翼のような近距離攻撃を使い分ける。
威力は通常時の赫子とは桁違いで、持続性も抜群というわけのわからないチート赫子。見た目は美しい。

★天奈津 麻弥(アマナツ アサヤ) 種族:喰種(赫者) 赫子:鱗赫・甲赫×2 二つ名:サンドロック SSレート 20区在住

・ステータス 戦闘力(100) NT力(187) コーヒースキル(95) 接客スキル(25) 画力(50) CCGバレベル(34今は不明) アオギリバレベル(59)

・好感度 リョーコ(104) ヒナミ(28) エト(50)

・設定

if√ではゲイになってしまったかわいそうな次男。目つきが悪いマッチョ。本人はけっこう優しかったりする。
ちょっと悪い感じで喋るが、本人には悪気はない。学校には通ってなおらず、今はニートではなくあんていくで勤務している。
コーヒーの腕は素晴らしく、芳村さんと同レベルのコーヒーを提供する。目立つのが苦手なので接客は遠慮気味。
目つきが悪いので、他人に威圧感を与えてしまうのが悩み。頭が回るような発言をするが、脳筋的考えを持っている。
人間に対しては無関心だが、目立つことは自分や周りを危険に晒すのでヤバいと思っている。
イツキ以上にバレており、亜門さんを殺ってしまった人。リョーコさんを救ったが、それにより惚れられた。未亡人はマズいですよ!
ゲイになることは本編ではないと思うが、安価次第ではなるかもしれない。

・赫子

甲赫二つと鱗赫を使いこなすパワー型。一応遠距離にも対応は出来る。

甲赫その一は、パイライトのような見た目をしている。本物はけっこう綺麗だが、こっちは少し禍々しい。
重く硬いので、バッタバッタとなぎ倒せる。分離して投げつけたり盾に出来る。本人がマッチョなので連続投擲や遠投が可能。
本人との相性は抜群で、投げつけた赫子に触れればえぐれてしまうくらいヤバい兵器になる。金庫破りも出来るんだぜ!

甲赫その二は、右腕が背中からニョキッと生える。それで殴れば当然痛いし、男のロマン、ロケットパンチも完備。
力を溜めれば巨大化するので、大きくしてからロケパンすれば制圧力は高い。

輪郭は、カネキの赫子の表面をヤスリみたいにしたもの。威力は凄いので、完全にカネキの上位互換である。

赫子アーマーは、いたるところが角ばった鎧。本人の体型や身体能力も相まって、タックルだけでザコ喰種は死ぬくらいの武器になっている。
しょぼい攻撃は一切効かないぞ!アラタよりも防御力は高いぞ!

☆原作との相違点

・亜門死亡とリョーコの生存
・真戸さんと草場さんの生存
・喰種レストランの壊滅
・真戸親子のコンビ結成
・篠原ジューゾーコンビが早く20区入り
・真戸さんとジューゾーがオリジナルのクインケを獲得
・カネキの準チート化
・芳村さんとエトが和解
・エトがアオギリを脱退、あんていくに所属

☆現在のカネキチステータス

・ステータス 技術(88) 技術と書いているけど、実質戦闘力と同じ。白カネキはだいたい(85)に設定してるので今の状況はヤバい。
       メンタル(85) 赫子を使いまくっても、なかなかキチらない。落ち着いてる白カネキみたいなもの。これもヤバい。
       マッチョレベル(40) ある程度筋肉は付いてるが、まだまだヒョロ男の領域。

好感度 ショースケ(68) ミユ(30) ミカ(94) ミオ(64) 70を超えたら恋愛感情を持つので、一部の方は環境も合わさってヤバい。

結論:とにかく今のカネキチはヤバい。ヤモリの兄貴はご愁傷様。

書き忘れてたのでここでちょっと。現在のマシロは、目は常にレイプ目状態です。暴走してるから仕方ないね。

これで今日の更新は終わりです。次回は今日の夜に出来たらな、と思っています。お疲れ様でした!

戦闘判定があれだと流石に下剋上が簡単すぎるから5辺りを拮抗ないし成功失敗の分かれ目にしてそこに戦闘力差10につき補正1をつけるのはどうだろうか

こんばんは、>>1です。今日も再開したいと思います。時間は12時です。
今回は入手した情報の安価を取る予定です。七個中二つはアオギリの情報になるので、募集するのは五つです。
前回レア度の設定をしましたが、いわゆる上限なので、しょぼい情報でも大丈夫です。マシロ関係ももちろんOKです。喰種関係なら何でも。
あと、戦闘時の補正ですが、>>11の案を採用したいと思います。意見感謝です!上限や下限はこちらで設定させてもらいます。

今から再開していきます。イツキの戦闘スタイルは不意打ちや奇襲をした後、中、遠距離から一方的に蹂躙という形です。
アサヤは近距離で好き放題に、マシロは全距離でぶっ殺しに来ます。

14区 バー Helter Skelter

イトリ「暇じゃのう…。…イツキンは最近来ないねぇ。死んじゃったかな?」ケラケラ

イツキ「まさか…。生きてますよ」

イトリ「おろろ。いつの間に来てたのさ」

イツキ「…ついさっき来たところですよ」

イトリ「ふむふむ…。どうして敬語?」

イツキ「…歳が離れてるのにタメ口というのはおかしな話ですからね」

イトリ「アタシは気にしないけどねぇ…。イツキンがそう言うなら別にいいや」

イトリ「本日のご用事は何かな?お酒ならたっぷりありますぞ」

イツキ「…情報をお願いします」ドサッ

イトリ「今回はお金もちか。よしきた」パラパラパラ

イトリ「喰種かCCG、どちらの情報を所望でございますか?両方、でも構いませんぞ」パラパラー

イツキ「…喰種の情報を。七つほどお願いします」

イトリ「合点承知の助。最近は賑わってるからねぇ。凄い情報もあったりするのだよ」ビリリッ

イツキ「…そうですか。ならその情報をもらえますか?お金はまだあります」

イトリ「追加料金は結構。イツキンには世話になってるし、なによりお得意様に好き勝手要求できないわよん」

イツキ「それでも…」

イトリ「でもじゃないわよ。そもそも情報代としては、そこに置いてる金じゃ高すぎるのよ」ガサガサッ

イトリ「んー…。こんなもんかねぇ。情報は要望通り七つ。お代は確かにいただいたわよ」スッ

イツキ「…すみません…。アオギリの最重要情報が二つ、残りは…」ガサガサ

↓1~5に喰種関係の情報をお願いします。ほとんどの情報はそのまま採用されます。

たしかに連投ですが、今回は安価はちょっとアレでしたし…。情報の種類とか考えにくいですからね…。
情報の設定に入ります。

マシロの居場所(細かく書いても大丈夫!)を直下、安全地帯の地区名(24区除く)、場所を↓2にお願いします。

被害状況は直下コンマで判定します。

1~4:被害軽微(数人死んだくらい)
5~8:けっこう死んだ(二桁)
9、0、ゾロ目:まさかの事態

マシロは14区の路地裏
安全地帯は17区の廃倉庫

被害状況:2 そこまで殺られてない

場所の安価が一つ足りないので再安価です。>>27の方を採用するなら採用を、そうでなければ場所を直下にお願いします。

イツキ「…アオギリの中の離反候補者…けっこういるな。全員元11区か…」

イトリ「アオギリに制圧されちゃったかわいそうな人たちよ」

イツキ「アオギリは相変わらずですね…」

イトリ「それがアレのやり方だしね」

イトリ「カウンセラーはつらいことがあった時に使いなさい。一人だと堪えるわよ」

イツキ「…気遣い感謝します」

イトリ「あとはほぼ安全な場所ね。ここ知った時はビックリしたわよ~。なんでか地下から24区に逃げられるし」

イツキ「…ここがノーマーク?怪しさ満点でしょうに…」

イトリ「それがさ、ここが改造されたの、CCGが手放した後なのよ」

イツキ「それなら納得ですが…。改造を出来て、それを隠蔽出来るほどの権力を持った喰種…。そんなの限られてるはず…」

イツキ「いや…。24区が絡むから喰種と考えるのが間違いか…。人間か?喰種に関係して、その上で喰種が有利になるように動く…」

イトリ「さすがに改造した人は知らないわ。だけど、改造される前にCCGが関与してた、ってのがミソでしょうね」

イツキ「…これは後で自分で調べます。最後は…!?」ガタッ

イトリ「ある意味、それがとっておきの情報よ…」ニヤァ

イツキ「天使による喰種の被害状況…それに居場所まで!?どうやって知ったんですか!?」

イトリ「情報屋をなめたら死ぬわよ?」

イツキ「…まあいいです。実際助かりますから。失礼します」バタン

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イツキ(…マシロの情報は後で確認するとして…。驚かされたな。あれほどの情報を集められるイトリさんの能力には)

イツキ(…今日はまだ時間はあるし、明日は塾での講習とミーティング。何かアクションを起こすなら今日だね…)

直下に今からとる行動をお願いします。

1:高槻先生のアシスト
2:ifメンバーと交流
3:マシロとの対話を敢行
4:その他自由安価

中途半端ですが、本日はここまでです。亀更新ですみません…。もう少し早く更新したいのですがなかなか…。もっと精進します。
お疲れ様でした!

今日は9時頃に再開します。今回、コンマ次第ではマシロの赫子の設定に入るかもしれません。
確率はかなり低いですが…。今回はイツキが死亡する可能性も十分あり得ます。マシロと戦闘する可能性がありますので…。
その前に、高槻先生との行動安価を取る予定ですので、その辺りを認識していただけたら、と思っています。では、また再開時に。

ボチボチ再開していきます。例にもよって遅筆なので何卒…。もしイツキがタヒったら、主人公が弟妹になる予定です。
エトとかが暴走するでしょうが…。なお、マシロは今回起きるかもしれない戦闘では死ぬことはありません。
イツキの死ぬ可能性はけっこう高いです。コンマによってはマシロの戦闘力が上昇するので…。
コンマ神に祈ればいいのです!もしお亡くなりになっても、残りのメンバーが頑張ってくれることでしょう!

イツキ「…マシロのところに行くのは後にしよう。まだ情報の開示もしてないしね…」

イツキ「…エトのところに行くか。書類に目を通せるし、明日のことも伝えられる」

イツキ「とはいえ…。元アオギリを会わせるのは気が引けるな…」

イツキ「…戦争になりませんように…」

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16区 高槻ハウス

エト「これでプロットは全て仕上がった…」パタン

エト「ふぃ~。『吊るしビトのマクガフィン』は見てもらえば出版準備に取り掛かれるし、次は何を書こうかね~」

エト「喰種のことでも書くかねぇ…。CCGに潜入するのは簡単だし。イツキくんも一緒に入れるしな~」

エト「…暇だ。面白いことはないのか」

ガチャッ

エト「宗教には入りませんぞー」

イツキ「…勧誘ではないですよ」

エト「おっ。小説完成したから確認ヨロ」スッ

イツキ「分かりました」パラパラー

数分後…

イツキ「…訂正箇所は特にないですね。すぐにでも出版できますよ」

エト「オッケイ。塩野君には私が連絡しておくよ」

イツキ「…明日は予定とかありますか?」

エト「お?デートのお誘いかい?」ニヤニヤ

イツキ「違いますよ。明日の夜、あんていくでミーティングを行うので来てほしい、と」

エト「構へん構へん」

イツキ「芳村さんには言っておきますね」

エト「ん」

二人に起きるイベントは!?↓1、2にお願いします。無しでも可です。

なかなか調子が戻らないですみません…。再開します。

デート場所の安価です。↓1~3にお願いします。おまかせにしたら、自分で場所を考えます。

イツキ「………」パラパラパラ

イツキ(…思ったより、マシロによる喰種側の被害は少ないみたいだ…。アオギリ所属が数人、か…)

イツキ(備考欄?…何だコレ、黒焦げの死体ばっかりだ…)

イツキ(…誰が殺ったか不明な喰種なのか。マシロの赫子がどうなってるかはよく分からない。けど…)

イツキ(…あの日、マシロが出て行った時、俺の周りに電気のようなものが放たれた。それが今の能力ならば…)

イツキ「…マシロが殺したんだろうね。ざっと百人か…。…まだ、怒りは収まらないのか…」ボソッ

エト「何か言った?」

イツキ「…いえ」

エト「ふむ…。今は暇かい?」

イツキ「…そうですね。暇と言えば暇ではあります」

エト「なら、ちょっと付き合ってくれたまえ。デート、というやつだ」

イツキ「…俺でいいんですか?経験がないんですけど…」

エト「大丈夫だよ。私も経験がないのだから」

イツキ「…分かりました」

エト「では、先導をよろしくね。こういうのは男が引っ張るものでしょ?」

イツキ「…期待しないでくださいね」

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20区 区民図書館

エト「これは…図書館デート…ってやつかな?」

イツキ「…すみません」

エト「別に気にしてないよ。私も気分転換がしたかったからね。こうやって優雅に本を読むのもいいと思うよ」

イツキ「そうですか…」

エト「小倉先生の喰種本、一緒に見ようよ。喰種の観点からさ」

イツキ「…了解しました」

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エト「なんていうか…うん…」

イツキ「…核心からはズレてましたね。作り物の話もけっこうありましたし」

エト「喰種でもないのに、喰種のことを知るのは難しいからねぇ。お次は?」

イツキ「…次は大丈夫なはずです」

エト「期待してますよ」

14区 ショッピングモール

イツキ「…ここはけっこう品揃えがいいんです」

エト「へぇ…。今欲しいものとかないんだけどね」

イツキ「…とはいえ、仮にもデートです。こういうところにも行くべきかと思いまして」

エト「まぁ、君の好きにしていいさ。先導するのは君なんだから」

イツキ「…行きましょうか」

エト「分かった」

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エト「アクセサリーショップですか」

イツキ「…何かプレゼントしようかと思いまして」

エト「気が利くねえ。そういう男はモテるぞー」

イツキ「…茶化さないでください」スタスタ

エト「行ってらー」フリフリ

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イツキ「…これをどうぞ」スッ

エト「これは…ブレスレット?」

イツキ「ええ。あまり派手なものは好きじゃないと思ったので」

エト「………」ジーッ

イツキ「…気に入らなかったですかね…?」

エト「うんにゃ。プレゼントされただけでも感涙ものだよ。ありがと」

イツキ「…喜んでくれたなら嬉しいです。最後の場所に行きましょう」

エト「ほいさ」

ブロロロロー

イツキ「…14歳の頃に作家としてデビューしたんですよね?」

エト「そ。塩野君のことはヘンなヤツだと思ったんだけど、けっこういい人だからねぇ。最初に原稿出した時は面食らったよ」アハハ

イツキ「…俺が12の時に作家ですか。凄いですね…」

エト「あれ?その言い方だと小学校には通ってないみたいだね?」

イツキ「ええ。親がいなかったので、特待生として編入出来る中学までは独学で学んでました」

エト「…君も大変だったようだね」

イツキ「…あなたほどではないですよ」

エト「………」

イツキ「………」

エト「…どこまで行くんだい?」

イツキ「もう少しで着きます」

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ザザーン ザムザザーン

エト「ほぉぉ…。綺麗じゃないか」

イツキ「…ちょうど夕陽が沈む頃ですからね。こういう景色は都会では見えませんから」

エト「…ちょっと泳いでもいいよね?」

イツキ「ダメですよ。まだ五月ですから寒いですし、着替えがないでしょう」

エト「足だけだから」

イツキ「…それなら」

エト「んぅ…!冷たいなぁ」チャプチャプ

イツキ「服は濡らさないようにお願いしますね」

エト「分かってるって!君もこっちに来なよ!」

イツキ「えぇ…」

エト「カモン!」

イツキ「…後で文句は言わないでくださいよ!」ダッ

エト「…今です!」バシャーン

イツキ「ちょ」

エト「ほれほれー!」バシャバシャ

イツキ「水はやめてください…!」

ギャー! 

ブロロロロー

イツキ「やめてって言ったじゃないですか…」ビショー

エト「ごめんなさい…」

イツキ「………」ハァ

イツキ「…今言うことではないと思うんですが…いいですか?」

エト「…何?」

エト(告白か…それとも…。…嫌いになったとかはやめてくださいマジで)

イツキ「…お願いがあるんです。何があっても、引き受けてくれますか?」

エト「…君の言うことなら、守ってみせるよ」

イツキ「…ありがとうございます」

イツキ「…俺には家族がいます。弟と妹が。何よりも大切なものなんです」

エト「家族だからね」

イツキ「…万が一、俺が命を落とした場合には、あなたが家族を…仲間を守ってください。…大切な人たちですから」

エト「…その言い方だと、君がもう死ぬみたいじゃないか」

イツキ「…万が一ですよ。…あなたに任せましたから。信頼できるあなたに」ニコッ

エト「…ずるいなぁ…。そんな言い方…」

エト(…そんな言い方されたら、断ることなんてできるわけないじゃないか…)

~~~~~~~~~~~~~~~

エト「今日はありがと。君のお願い、絶対に守るから」

イツキ「…ありがとうございます。弟を、妹を、仲間を任せました」ブロロロー

エト「………」ポスッ

エト「ホント…ずるいよ…」

14区 アマナツ家

イツキ「………」ガチャッ

イツキ「…信号待ちの時に目を通して分かったけど、マシロは路地裏に潜伏していたのか…」バサッ

イツキ「…マシロほどのステルス能力なら、そこに隠れるだけでも十分すぎるか…」キガエキガエ

イツキ(なんでそんなマシロをイトリさんは知ってるんだ…。末恐ろしいな…)キュッ

イツキ「…今ならまだ間に合う。マシロの心が壊れる前に助けないと…!」ダンッ

~~~~~~~~~~~~~~~

14区 路地裏

マシロ「ハア…ハア…」

マシロ(今回は少し多かったですね…。撒くのに苦労しました…)

マシロ「まだ足りません…。もっと殺さないと…。マリさんが救われない…」

イツキ「…一番に救われるべきなのは君だろう。マシロ」

マシロ「ッ!?お兄さん!?どうして…」

イツキ「…情報屋のおかげさ。もうやめるんだ。こんな無意味なことは」

マシロ「…意味はあります。マリさんへの手向けになるんだから、意味はあるんです!」

イツキ「…あの子はそんなことを望んでいない。それは君が一番知っていることだろう?」

マシロ「うぁ…」

イツキ「…俺は怒ってないさ。また、いつものような笑顔を見せてくれれば、それでいい」スッ

マシロ「え…」

イツキ「さあ、帰ろう。俺たちの帰るべき場所に…ね…?」

直下コンマ分恨み度減少!前スレ>>1000ボーナスで64追加減少!

判定:23+64=87 144-87=57 恨み度がゼロにならなかったので、戦闘は回避されました。

マシロ「…そうです。嘘です。偽者です。イツキお兄さんがここに来るはずがない…!」バチチッ

イツキ「ッ!マシロッ!」

マシロ「嘘に決まってる!」バリリリリッ!

イツキ「チイッ!」ダンッ

バチチチチチッ!

イツキ「…なんて威力だ…。アレが今のマシロの…」

イツキ「クソッ…。このままじゃ取り返しのつかないことになる…。なのに俺は…!家族すら救えないのか…!」

イツキ「クソォォォォ!」

~~~~~~~~~~~~~~~

マシロ「お兄さんがあんなこと言うわけない。お兄さんなら祝福するはずなんだ。そうだアレは偽者なんだそうに決まってる」キィィィン

マシロ(いつも私を応援してくれたのに、私がやることを否定するはずがない。さっき会ったのは幻覚なんだお兄さんなわけがない)ビキキッ

マシロ「オニイサンナワケガナインダ」

『恨み度が100以下に変化したうえ、説得に失敗したので???が30上昇しました』

~~~~~~~~~~~~~~~

14区 アマナツ家

イツキ「…俺は無力だな…。家族一人守れない…救えない…。ハハハ…」ドサッ

イツキ「どうしてだろう…。どうして俺は無力なんだろう…」

イツキ「また…。俺は喪うのかな…。父さんや母さんのように…マシロを…」

ポロッ

イツキ「もう…嫌なんだ…!家族を喪うのは…!その悲しみをまた味わうのは…!」ポロポロ

イツキ「だから…帰って来てくれ…!マシロ…!…うあぁぁ…!」

キリが良さそうなので、本日はこれで終了です。イツキが死ぬことがなくて良かった!(白目)
これからの流れは、当分はオリジナルストーリーの予定です。番外編はなかなか進んでおりません。申し訳ない…。
作中で一ヵ月くらい進んだら、アオギリ編へと移行する予定ですので、よろしくお願いします。今回はお疲れ様でした!

どうも、>>1です。本日の再開は11時頃を予定しております。マシロ説得の注意点的なものをいくつか。
説得をする時にアサヤを同行させればボーナスが付きます。芳村さん…というか、あんていくのメンバーは効果なしです。
理由としては、親密な関係になってないからです。芳村さんは肉の提供等をしていますが、マシロ本人が信頼してません。
信用はしていますが。

一番のタブーはエトの同行です。元アオギリというだけで今のマシロの地雷原でブレイクダンスしてるようなことになってしまっています。
しかも、けっこうイツキと親密になってるのでそこらへんに至っては核地雷と化しています。戦力としてはそれなりに期待できますが…。

暴走マシロとの戦闘後に奇襲判定を行うので、誰かを同伴させるのは普通にアリです。
現在のマシロ相手なら、戦闘力は大体芳村さん(95)以上はないとしゅんころされてしまいます。有馬さんより今でも強いので…。最低90は必要。
判定次第ではイツキ越えももちろんありえます。芳村さんの戦闘力である程度抑えることが出来る、というくらいの実力差です。
『if』幹部でまともに相手することが出来るのがマドカとジンコくらいです。他のキャラだと凄いことに…。

イツキの強化に関しては、ドラクエでいうところのレベル99ですので、もうほとんど強くなりません。
『ちからのたね』とかを食べさせるくらいでしか戦闘力は上がらないです。というか旧多さんと同レベルです。頑張れば勝てる!(白目)

質問等がありましたら再開までにお書きください。見にくい文ですみません…。

お待たせしました。再開します。奇襲判定はマシロとの戦闘終了後に発生します。失敗したら喰種or捜査官との戦闘に移行します。
そのため、もしものために何人か同行させる方がいいと思いますが、死亡する可能性もあることをご了承ください。
マシロの精神状態ですが、元に戻りかけていますが、それゆえに不安定な精神状態になっているという状態です。
隠しパラメータですが、はっきり言って増えても得は一切ありません。リスクがガンガン増えていくので注意です。
再開前にあるキャラの死亡判定を…。直下コンマが9、0、ゾロ目で死亡です。
番外編はまだかかりそうです…。書き溜めがなかなか進まない…。

死亡判定:0 残念ですが、ご臨終です。

14区 市街地

モブ「ぎゃあっ!」ズバッ

モブ「」ドサッ

ジン「フー…。最近は食糧が少なくて困るな…」グチッ

ジン「母さんは人を狩れない…。だから僕が代わりにしないと…」ブツンッ

ジン「僕自体そこまで強くないから、CCGの動向に警戒しないと命も危ないし…」

ジン「…最悪、塾の生徒を喰べることも視野に入れておくか…」チラッ

ジン「…綺麗な空だ…。僕も、あの夜空のように美しくなれるかな…」

キィィィン

マシロ「…喰種…?だとすれば、今ここで殺さないと…」ヒュッ

ズダンッ!

ジン「…!?」バッ

マシロ「赫眼…。…コロス!」ブゥゥゥン

ジン「あの時の天使…!美しい…!」

マシロ「ガアアッ!」ドウッ

ジン「はやっ…」バキキッ

マシロ「オソイ!」ズパァン!

ジン「ぐうっ!」ズザァッ

ジン(僕の赫子じゃ止めれるわけないか…!)

ジン「ガフッ!」ズドドドドッ

マシロ「シネ!」バチチチチチッ!

ジン(美しいものは…死を連想させる…。…その意味…分かりま…した…よ…)ジュッ

マシロ「喰種ハ…コロス…。スベテコロす…。すべ…て…」フッ

マシロ「…またやっちゃいましたか。まあいいです。『白鳩』が嗅ぎつける前に…」ピクッ

マシロ「…もう遅いですね。潰しておきますか」パキンッ

マシロ「…行け」ドウドウッ

モブ上等「こっちから音がしたぞ!」

モブ一等A「まさか喰種がまた…!?」

モブ一等B「どうしま…」

モブ一等A「…暫定Sレートの『天使』か…。二人も罪のない民間人を…!」ガキンッ

モブ一等B「上等!指示を!」スチャッ

モブ上等「SSレート配置だ!やつの射程に近づくな!赫子はたった一つ!距離を保てッ!?」ズガガガガッ

モブ一等ズ「「上等!」」

モブ上等(隠し持っていたのか…!?俺たちがくることを見越して仕込んでおいた…)ドサッ

モブ一等A「よくもぎょ」グチャン

マシロ「目を離すのは厳禁ですよ」ブチンッ

モブ一等B「ヒィ…」ガクガク

マシロ「………」バチバチバチッ

モブ一等B「あごごごごうげばぁあああ」バリリリリッ!

モブ一等B「」プスプス

モブ上等(伝えなければ…!この化け物の情報を…本部に…!)

モブ上等(こちら上等…。14区の深夜巡回任務中に『天使』と遭遇した…)

モブ上等(二名の…民間人と…部下を二人殺害した…。赫子のかず はっ」ブチッ

マシロ「…!?…つぅ…!」ガクッ

マシロ「………」ズキズキ

マシロ「まだ…まだです…ね…。お兄さんたちの幻覚を見てしまうんだから…」

マシロ「この頭痛が原因…でしょう…。幻覚を見てしまった原因…。お兄さんが私を否定…するわけないですから…」スッ

マシロ「…痛みは引いた。敵は…」スウッ

マシロ「…周りにもいない…。早めに隠れましょう」ダンッ

マシロ「…お兄さん…。もし…もし本物だったなら…。どうして私を否定したんですか…?」キィィィン

マシロ「大切だと思ってないんですか…?私はこんなにもアイシテルノニ…。アナタハ…」

チュンチュン チチチチチ

イツキ「ん…」

イツキ(朝か…。泣いているうちに眠ってたのかな…?何年振りに泣いたんだろ…)

イッツターイムナーウ

イツキ「電話…。こんな朝っぱらから誰だろ…」ピッ

イツキ「もしもし?」

???『イツキ…先生でよろしいですよね?』

イツキ「…?…ええ。塾で先生を勤めさせていただいてるイツキですが。どちら様でしょうか?」

???『…申し遅れました。ウラカワ ジンの母でございます』

イツキ「ああ、ジンくんの…。どうかされましたか?今日の塾を休む…とかでしょうか?」

ジン母『いえ…。塾を辞めさせていただきたいのです』

イツキ「…何か理由がおありで?」

ジン母『…息子が殺されたんです』

イツキ「…え?」

ジン母『遺体は下半身だけでした…。CCGから連絡があったので…。焦げ跡が至る所にあって、まるで惨劇の後のようでした…』

ジン母『葬儀は家族葬にいたします…。ジンのことを想う、その気持ちだけでも嬉しいですので…。…失礼します』プツッ

イツキ「ジンくんが…死んだ…。焦げた跡…」

イツキ「…俺のせいか…。俺がマシロを止められなかったから…」

イツキ「…このことは隠しておこう…。二人にはショックが大きいだろうし…」

イツキ「…仕事に行きたくないなあ…。色々なことが起きすぎてる…。整理する時間が欲しいよ…」

更新数が少ないですが、これで終了です。マシロの愛してるは、家族に対する愛です。とんでもなく重いですけど…。
文章だけで表現するのはやっぱり難しいですね…。上達していきたいですけどなかなか…。
マシロが警戒しているので、しばらくの間、行動安価に説得が出現しません。数日くらいで制限解除されます。お疲れ様でした!

本日の再開は12時頃の予定です。コンマ次第で、前回昇天したジンくんの代わりのキャラが入ることとなります。
あと出番が全くないキャラも出演させてあげたいな…と。冷静に考えたら、パワーバランスが崩壊しまくってますね。あんていくが敗北する気がしない…。
明日は休みなので、起きていられる限りは更新しようと思います。

遅れました…。今から再開します。エンディングに関してですが、ぶっちゃけどうなるか分かりません。

数時間後…。

イツキ(…ジンくんが死んだ…か…。いまいち実感が湧かないな…)

イツキ(…もしジンくんの遺体を検査されたら…。…いや、あそこまで酷い傷なんだ。普通に人間として処理されるだろうね)

イツキ(…まあ、ジンくんの親族に何かあったとしても、俺の干渉出来る範囲は越えているんだ。俺のことを勘付かれるわけにもいかない)

イツキ「…もう塾に着いたか…。さて…どう説明するかな…」

~~~~~~~~~~~~~~~

14区 塾内教室

ヨーコ「んぁ~…」ズゾゾー

ハナ「どうしましたぁ?」パクパク

ヨーコ「イヤさぁ…。ジン、なんでいないの?いっつも一番に来てんじゃん」

ハナ「病気なんじゃないですか?」

ヨーコ「アイツが病気で休むかねぇ…。あ、チョコちょーだい」

ハナ「人間ですから休んでもおかしくないですよぉ」スッ

ヨーコ「あざっす。あむ…。そうかねぇ…」モグモグ

ガララッ

イツキ「…こんにちは」スタスタ

ヨーコ「あ、センセ。ジンのやつはどうしたの?」

イツキ「…彼は引っ越したんだ。親の仕事の都合で…ね」

ヨーコ「急すぎないかな?」

イツキ「こっちが戸惑ってるくらいさ。なにせ今日の朝に連絡されたからね…」

ハナ「へえ…」

ヨーコ「んー…。じゃあこれからはアタシたち二人だけで授業を受けるの?さすがに寂しいよ~」

直下コンマが5~0、ゾロ目で新しい生徒が編入されます。

というわけで新生徒が入ってきます。次は人数です。直下コンマでお願いします。

1~4:一人編入だぞ!
5~8:二人編入!やったねたえちゃん賑やかになるよ!
9、0、ゾロ目:クリティカル!二人編入+さらに判定一回追加!

キャラの設定に入ります。まずは性別を直下にお願いします。直下コンマが種族となります。奇数が人間、偶数が喰種です。

次に外見です。これも直下にお願いします。

次に性格です。同じく直下にお願いします。同時にNT力の判定をします。直下コンマが反映されます。

次に喋り方です。直下にお願いします。直下コンマが戦闘力です。90以上だと…?

よっわーい…。コンマの結果、赫包は三つですが、時間的に決めるのは厳しいと思うので後回しにします。

最後に好感度、学力の判定と名前を決定して本編再開にします。名前を直下にお願いします。直下コンマが好感度、↓2コンマが学力です。

新キャラのまとめは次回再開する時にでも投稿しようかと思います。その時に残りの設定もします。再開です。

イツキ「…そのことなんだけどね、いちおう生徒は決まってるんだ…。ちょっと俺の手には余るけど…」

ヨーコ「その人はどこ?」

コンコンコン

イツキ「あれ…。まさかもう書き終わったのかな…」ボソッ

エリカ「初めまして。庶民の皆さま」バーン

ヨーコ「」

ハナ「初めましてぇ」

イツキ「…彼女は草野財閥の令嬢でね。まあ…仲良くしてあげてくれ」

ヨーコ「ちょ、待って待って。草野財閥ってあの草野?」

イツキ「その草野だよ」

イツキ「…まずはエリカちゃんの学力を見ようか。このプリント3枚を解いてね」

エリカ「ちゃんと付けるのは止めていただけません?いくら教師とはいえ、そのような呼ばれ方をされるのは嫌ですので」

イツキ「そういわれてもなぁ…。いっつもこんな感じだし…」

エリカ「…なら、私が貴方の点数より上を取ったら、敬意を私に表していただきます」

イツキ「…え?俺も解くのかい?」

エリカ「当たり前です」

イツキ「…問題全部、頭に入ってるから負けようがないんだけど…」

エリカ「もちろんそのあたりも対策済みです」パチン

黒服「こちらを」パサッ

イツキ「…プリントだね」

エリカ「私はこれを、貴方はそちらのプリントを解いてくださいませ」

イツキ「………」ジーッ

エリカ「まさか怖気づいてしまいましたか?」

イツキ(…名門大学とかの問題を変形させたものか…。出題の傾向は…うん。この程度ならいけるね)

イツキ「…受けて立つよ」

エリカ「そうこなくては…」

ヨーコ「じゃあいきまーす。よーい…スタート!」ピッ

ハナ「先生頑張ってくださいー」

20分後…。

イツキ(簡単簡単)スラスラー

エリカ(間違うわけがないですわ!)カリカリ

イツキ「…おしまいっと」

エリカ「!?」

イツキ「…?どうかしたかい?」

エリカ(あの問題を20分で解くなんて…ありえません…!)

10分後…。

エリカ「終わりました…」パサッ

イツキ「採点いくね。…はい、96点。ここに来なくても十分だと思うけどなぁ」

エリカ「当然です!」フンス

黒服「エリカ様…これを…」ピラッ

エリカ「どれd…」ピシッ

答案「満点に決まってるやろ」

エリカ「」

イツキ「…結果はたぶん満点だと思うけどね。もっと難しいのでもよかったよ?」

エリカ「完敗…です…」

エリカ(圧倒的実力差を見せつけるつもりでしたのに…。化け物は先生の方でしたか…)

イツキ「…まあ君も天才の部類に入ると思うよ。だけど、高圧的な態度は控えるようにね。敵だけが増えてくから」

エリカ「…はい」

イツキ「…軽いデモンストレーションも終わったことだし、授業を進めていこうか」

ハーイ

~~~~~~~~~~~~~~~

イツキ「…これで今日の授業は終わりだよ。お疲れ様」

ヨーコ、ハナ「「お疲れ様でした」」

エリカ「…お疲れ様でした」

ヨーコ(なんだかんだ真面目に授業は聞いてたし…。根は真面目なんだろうね。あまり邪険に扱うのはいけないかなー)

ヨーコ「エリカ…だっけ。これから授業一緒に受けるっしょ?だから仲良くしてこ?」スッ

エリカ「…ええ、よろしく」ギュッ

ヨーコ「んじゃアタシは先に帰るね」タッタッタ

ハナ「失礼しましたぁ」バタン

エリカ「では私も…」

イツキ「…ちょっと待って」

エリカ「…何でしょうか?」

イツキ「…質問は一つ。どうしてこの塾に来たの?」

エリカ「どうして…とは?」

イツキ「…それほど頭がいいなら、塾に通う必要性は皆無だからね」

イツキ「しかも財閥の令嬢がこの一学生塾に来るのは不自然だよ」

イツキ「…もしかして、俺を監視でもしに来たのかい?」

エリカ「…いいえ」クスッ

エリカ「そこまで頭が回る方だとは思っていませんでした。これは私の失態ですわね」

エリカ「理由…ですか。敢えて言うなら…一目見ておきたかったのです」スッ

エリカ「この14区を統治している庶民の喰種である貴方を…」ニヤァ

エリカ「…まあ、調べればすぐ分かるというのに、貴方の知力を頭に入れていなかったのは恥ずべきことですけれど」

エリカ「聞けば、貴方はこれから喰種の狩りを制限していくつもりらしいですね」

イツキ「…どこから聞いたんだい?」

エリカ「財閥の力を持ってすれば、この程度造作もないですわ」

エリカ「…貴方の行為は、私にとっては都合が悪いのです。私は人の肉を喰らうのが大好きですので」

エリカ「その娯楽を阻むというのなら…いくら『長槍』である貴方でも、容赦はしませんことよ?」

イツキ「ハハハ…。君たちに負けるほどやわじゃないつもりだけど?」ギロッ

エリカ「…一人で戦うつもりはありませんわ。財閥の力を存分に行使させてもらいます。では、ごきげんよう」バタン

イツキ「…また面倒なことに…。もう勘弁してくれ…」

本日はここまでです。高飛車で皮肉って難しい…。コレジャナイ感があるかもです。
これからも精進していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。お疲れ様でした!

明日は更新出来ると思いますので、先に安価を取らせていただきます。
↓1~3に赫子の種類、特徴をお願いします。11時頃になると思います。

遅れましたね…。前回から一週間は経ってるのでしょうか…。今から再開します。キャラまとめを投下してからになります。

草野 恵里華 種族:喰種 赫子:羽赫&甲赫&尾赫 14区在住

ステータス 戦闘力(36) 学力(96) NT力(26) 好感度 イツキ(54)

マシロに消されてしまったジンの代わりに編入してきた生徒。『宇宙(そら)を統べるは月山、地に根を張るのは草野』と称されるくらいお金持ち。
この例えはあくまで名前を例えただけ。とはいえ、月山家と双璧を成すほどの財力は持っている。喰種レストランとは完全に無関係。
彼女自身もなかなかのハイスペックで、チート兄妹のマシロよりも頭が良いと言えば分かるだろうか(ただし運動はクソ苦手)。
外見は、少し背の高い黒髪ポニテ。さらにやや細身とモデルのようだが、胸はCカップと出てるところは出てる。
性格は狡猾で食欲旺盛。松前さんポジの人によく狩りに行かせるので、バレない、手が汚れない、といいことばかり。
家のこともあって、高飛車で皮肉混じりで喋る。下に見た者にはよく食って掛かる。だが、負けた時は素直に応じる。
向上心が高い…というよりは、ただ負けず嫌いなだけでぶっちゃけ子供である。このストーリーのキーキャラでもある。
理由は『if』のサポートにうってつけで、敵に回していたら少々厄介だからである。財力にものを言わせたらマジでヤバい。
塾に来た理由は、14区の要注意人物の確認、敵対する場合の根回しの準備、ただ単に興味が湧いたことが重なったからである。
強力な赫子を持ってるのに、本人がへなちょこなせいで非常にもったいない。戦闘スタイルはひたすら防御して助けを求める(しかできない)。

ちょっと頭が回らないです…。今日はここまでにさせてください…。すみません…。

まだ忙しいからもう少し待っててください…。次回再開時は番外編を一つ投下できると思います。すみません…。

忙しいのに:reの方も書いてる阿呆がここに…。もう少し待っててください…。待たせすぎて申し訳ない…。

どうでもいい話だけど樹(イツキ)の名前な、実はある小説の主人公から取ったんだよ。
その主人公はかなり演技派で計算高いから肖りたいなってさ、それがまさかギレンを極限進化させて
戦闘力を足したようなのになるとは思わなかったけど。

すみません…。まだかかりそうです…。家に全然帰ることが出来ない…。

>>143、そうだったんですか…。自分もここまでチートになるとは思ってなかったんですけどね。コンマって怖い(戦慄)

番外編書いてたらフリーズして全部飛んでしょんぼり…。さすがに更新を二か月もやってないのはアレなので再開です。
お待たせして申し訳ない…。

20区 住宅街

カネキ「今日は早く切り上げたなぁ…。店長も忙しそうだったし、何かあるのかも…」スタスタ

カネキ「六時だからかまだちょっとだけ明るいな…。中途半端なぶん、襲われる人も多そうだ…」

カネキ(…実際、僕が知らなかった…興味を持ってなかっただけで、犠牲者は出てたんだよね…)

カネキ(知らないことが多すぎる…。アサヤくんやトーカちゃんのことも、店長たちのことも、僕は知らない…)

カネキ(…自分の体のことでさえも…)

オーイ!

カネキ「ん…?」クルッ

ミオ「やっぱり兄ちゃんだ!」

カネキ「ミオちゃん…と、ミカさん…」

ミカ「こんばんは。ミオちゃんがあなたを見つけたもので…。ごめんなさいね…」

カネキ「いえ。気にしてないですから」

カネキ「それより、喪服を着てますけど、誰かお亡くなりに…?」

ミカ「…夫が、喰種に殺されました」

カネキ「…すみません…」

ミカ「大丈夫です」

ミカ「…正直、あの人が死んで良かったと思ってます…」

ミカ「ろくに家に帰って来ないでキャバクラやギャンブルに明け暮れて…」

ミカ「せっかく作った料理も流しに捨てて、殴りつけてきて…」

ミカ「挙句の果てにミオちゃんを襲おうとするなんて…!」ギュッ

ミオ「…そうだ…。あんなやつが死んでくれてオレは嬉しいよ!」

カネキ「ミオちゃん…」

ミオ「アイツは、オレが風呂に入ってたらいきなりやってきて、それから…」

ミオ「姉ちゃんがいなかったら、オレは…うぅ…」ブルブル

ミカ「…そんなどうしようもない人でも、私の夫でした…」

ミカ「夫が亡くなったのに、それを喜んでいる自分がいる…。こんな自分が嫌になります…!」

カネキ(殴られる…。家族に…!?)ズキッ

カネキ「ぐ…ああああ…!」ガクッ

「どうしてあなたが…!」

「あなたさえいなければ…!」

「あなたなんか…!」

ミオ「兄ちゃん!」

カネキ「…え…?」

ミオ「どうしたんだよ!?急に頭を抱えてうずくまってさ…」

ミカ「大丈夫ですか…!?」

カネキ「え…はい…。もう大丈夫です…」

ミカ「よかった…。ミオちゃんのご飯作らないといけないから、私は失礼しますね」

ミオ「またな兄ちゃん。また話しような!」

↓2に、カネキが同行するかどうかをお願いします。襲撃判定ありです。

カネキ「あの…」

ミカ「どうしました?」

カネキ(女子二人しかいないんだ…。おまけにミオちゃんはまだ子供、ミカさんもはっきり言って運動神経がいいとは思えない…)

カネキ(ここで無視して、その後に殺された…とかなったら、僕があの時助けた意味がなくなる!)

カネキ「最近、喰種による捕食事件…殺人事件が多いんです」

ミカ「そうなんですか…。だとしたら、あの人が殺されたのも納得かも…」

カネキ「…二人が家に帰るまで、同行してもいいですか?」

ミカ「え…?」

カネキ「…僕にも喰種の力はあります…。レストランの件があったから承知だとは思いますけど」

カネキ「…この力は、守るためのものだと思うんです。たとえこの力で奪うことがあっても…それでも守り通すための…」

カネキ「だから、僕は守る為にこの力を使いたい。今がその時だと思うんです」

ミカ「…分かりました。カネキさんの強さは前回のことで知ってますから…」

ミカ「エスコート…よろしくお願いしますね?」ニッコリ

カネキ「あ、はい」

襲撃判定!直下コンマ下一桁が1~3で回避!それ以外だと遭遇となります。ゾロ目はヤバいことになります。

判定:3 回避成功!

ミカ「へえ…。上井大学に通ってるんですね…。凄いです…」ギュッ

ミオ「なあなあ!兄ちゃんって野球出来るか?」ギューッ

カネキ「え?やったことは小学校の授業の時だけだから…。今はどうか分からないかな…」

カネキ「…それよりもミカさん」

ミカ「はい?」ギュッ

カネキ「…近くないですか?」

ミカ「近くにいる方が安全でしょう?」

ミオ「しっかし喰種って人間と変わんないんだなー。あったかいし」ギューッ

カネキ「僕は半喰種だよ」

カネキ(ミオちゃんは子供だからまだセーフだ。ミカさん、あなた夫いたでしょうが。僕の方も余裕でアウトだよ)

カネキ「…でしたら、手を握るのはやめてください。何かあった時に行動できません」

ミカ「…それもそうですね。すみません」パッ

カネキ(ホッ…)

ミオ「兄ちゃん、肩車してくれないか?」

カネキ「…え?」

ミオ「あのさ、オレ今までにしたことがないんだ。お母さんたちは殺されたし、アレはクソだったし…」

ミオ「授業参観の時も、他の人は肩車とかしてて楽しそうで、羨ましかったんだ。そんな歳じゃないってのは分かってるけどさ…」

ミオ「でも、せめて一度だけでも経験したいんだ。他の人と同じように…」

カネキ「………」

カネキ(…僕も、肩車をしてもらったことはないな…。お父さんは小さい時に死んじゃったし、お母さんは仕事漬けだったし…)

カネキ(家族らしいことが出来るって、どれだけ楽しいことなのか、どれだけ嬉しいことなのか僕には分からない…)

カネキ(でも、当たり前のことをしてもらえないのが辛いことなのは分かる…。それなら僕は…)

カネキ「…家に着くまでなら」

ミオ「…!」パァァァ

ミオ「ありがとな!兄ちゃん!」

カネキ爆発

>>160、原作のカネキチは不幸すぎたからこのスレくらいは大目に見てあげて…。

カネキ「…よっ…と」グイッ

ミオ「おぉぉぉ…」

カネキ「どう…かな?」

ミオ「すげー!こんな高くなるんだな!」キラキラ

カネキ「喜んでるみたいでよかったよ」

ミカ「こんなに楽しそうなミオちゃんは久しぶりです…」

カネキ「…そうなんですか」

ミカ「ふふ。またこんなミオちゃんが見れてよかったです。ありがとうございます」

カネキ「いえ、僕もしてもらったことはないですから…」

~~~~~~~~~~~~~~~

ミカ「…ここでけっこうです。今日は本当にありがとうございました…」ペコリ

カネキ「あ、はい。ミオちゃん、降りようか」

ミオ「分かった!」バッ

ミオ「ほっ!」ズダンッ

カネキ「…危ないから飛び降りるのはやめてね」

ミオ「あっ、ゴメン…」

カネキ「分かってくれたならいいよ。では、また」

ミオ「ありがとなー!」

20区 あんていく

イツキ「………」スタスタ

ヨスケ「………」

イツキ「あ、いたんですね」

ヨスケ「三十分前には待機しておくのが俺のルールだ」

イツキ「…そうですか」

イツキ「………」

ヨスケ「………」

イツキ「…来ませんね」

ヨスケ「…ああ」

イツキ(迷ってるのかな…?)ピッピッ

プルrピッ

イツキ「…だから早いですって」

ジンコ『ツッキー!助けてクダサーイ!』

イツキ「…迷いました?」

ジンコ『Да(はい)…。どこデス?ココ…』

イツキ「…俺には分からないですね…。その場所の特徴を教えてください」

ジンコ『分かりマシタ…。エット…。あ、誰かき』

イツキ「…?ジンコさん?ジンコさん!?」

???『彼女は戴いた。返してほしくば王の間に…』

イツキ「…ここはラピュタじゃないですよ。エト」

エト『…ノッてくれてもよかったじゃないか』

イツキ「…どうしてそこに?」

エト『どうしてって君が呼んだはずなのにヒッドイなぁ。そっちに向かってる時に君の名前を聞いたからさ』

エト『ハーフちゃんはあっしが責任を持って送り届けるから安心したまえ。しかしいい胸しておりますなぁ…』

イツキ「…セクハラはやめてあげてください」

エト『冗談さ冗談(手をワキワキさせている)』

イツキ「それならいいですけど…。彼女をお願いしますね」

エト『ほいさ』プツッ

イツキ「…ジンコさんは大丈夫みたいですので、俺たちは中で待ってましょう」

ヨスケ「了解した」

中途半端な気がしますがここまで。一応余裕が少しだけ出てきたので、数日は更新出来そうです。
待っていてくれた皆さん、本当にありがとうございました!そして、本当に申し訳ございませんでした…。
数日後からまた仕事パーティーが始まるので、更新が不定期になりますが、のんびりと待っていてくれたら嬉しいです。
それではまた次回お会いしましょう!

仕事終わらせて帰る直前に上司に「これに目を通しといて(ニッコリ)」とか言われてシフト表渡されたんですけど…。
明日から仕事でほとんど埋まってるんですけど!?朝遅いのは助かるけど深夜まで入れるのはやめてぇぇぇぇ!やけくそ再開!!!

芳村「………」コポポポポ

イツキ「………」ペラッ

ヨスケ「………」グッグッ

ドバーン

エト「すまない!ちょい遅れた!」

ジンコ「」

イツキ「何したんですか」

エト「いやぁ…。ちょこーっと胸を触っただけなんですけどね…。気絶…しちゃいまして…」

イツキ「耐性なかったのか…」

エト「反省はしているけど後悔はしていない」

イツキ「しましょうよそこは」

~~~~~~~~~~~~~~~

芳村「…それで、進捗はどうだい?」

イツキ「…メンバーの内訳としては、幹部に該当する人は五名、それ以外は19名、それに俺を含めて総勢25名です」

イツキ「アオギリには遠く及ばない人数ですけどね…」

芳村「十分すぎると思うよ。ここまで人が揃ったことが驚きだよ。急ピッチで進めただろうに…」

イツキ「…それだけ、今の世界を変えたい人がいるってことだと思いますよ」

イツキ「…これが、イトリさんから貰った資料です」パサッ

芳村「これは…」

芳村「『アオギリ』の離反候補者リストと、本拠地の予想エリア…。それと、安全地帯の情報とカウンセラー…?」

イツキ「離反候補者…いえ、離反予想者のリストはイトリさんから、本拠地はイトリさんの情報を基に割り出しました」

ヨスケ「方法は?」

イツキ「単純です。イトリさんのおかげで地区は分かった。それならば、その地区内の喰種の動きに着目すればいい」

イツキ「すでに『アオギリ』の支配下ならば、そこで目撃、ないし殺害された喰種もアオギリ所属の確率が高い」

イツキ「…それらをまとめてデータ化すれば、本拠地になっている場所はある程度分かります」

イツキ「…今回は範囲が広かったので、細かい場所までは分かりませんが」

ヨスケ「…天才と言われるのも納得だ」

イツキ「…俺にそんな肩書は似合いませんよ」

芳村「…この二つは?」

イツキ「…そちらは、俺たちがアジトとして利用出来そうな場所なんです。そうじゃなくても、誰かを匿うのにもうってつけです」

イツキ「…今集合しているところは緊急だったから使っただけです。監視の目はまだ残ってますから」

ヨスケ「監視されているだと?」

イツキ「…と言っても、月に一度『白鳩』が中を少し見る程度ですよ。廃工場なだけあって危険な物も残ってますし」

ヨスケ「…そうか」

イツキ「…カウンセラーは、精神的ダメージを負っている方のためのものです」

芳村「なるほど、アフターケアも出来るように整えているわけだね。用意周到というか…」

イツキ「…出来ることをしたまでですよ」

エト「ほいほいしつもーん」

イツキ「何です?」

エト「それならアジトはどこにするんだい?その廃工場は見つかる可能性があるし」

イツキ「…そこなんですよ」

エト「んん?」

イツキ「今のように廃工場に構えていると、『白鳩』に知られる可能性が非常に高い。まだ睨まれているわけですから」

イツキ「かといって、安全地帯…17区まで移動するのも見つかるリスクがあるから避けたい」

イツキ「腹を括って廃工場に待ち構えるか、危険を承知で17区まで大移動をするか…。それか、別の場所を探すか…」

↓1~3に現状維持(引き続き廃工場を利用する)か、移動するか、捜索するかをお願いします。

選択:捜索する

イツキ「…俺としては、まずは14区内の捜索して、もしなかった場合は『白鳩』の動きに合わせて移動を開始したいと思います」

ヨスケ「リーダーの言うことならば、俺は賛成だ」

エト「あっしもいいと思いますぜ」

イツキ「…分かりました。暇を見て調べておきますね」

芳村「これくらいかな?」

イツキ「そうですね。ほらジンコさん起きて」トントン

ジンコ「ンゥ…」スヤスヤ

イツキ「…俺は少し話したいことがありますから、ジンコさんは任せました」

ヨスケ「承知した」ヒョイ

スタスタ バタン

芳村「…何かあったのかい?」

イツキ「…ええ。マシロについてです」

イツキ「…昨日、マシロと話をしました」

芳村「…結果は芳しくなかったか…」

イツキ「はい…。半暴走状態…と言ってもいいですかね。躊躇うことなく攻撃してきました。そして逃げられた…」

イツキ「…はっきり言って、今のマシロは危険です。危険すぎる…」

エト「君がそこまで言うなんてね…」

イツキ「…戦闘力自体も危険なんですが、何よりも精神状態が危険なんです」

イツキ「…見たもの全てを滅ぼすような…そんな危険な存在になっています…。今の彼女は…」

イツキ「…このままじゃ…。マシロは完全に壊れてしまう…。どうしようもなくなってしまう…」

イツキ「もう…手遅れなのかもしれませんが…」

芳村「…いや、まだ間に合うはずだ」

イツキ「………」

芳村「マシロちゃんは君を君だと一度認識している…。それなら、まだ戻って来られるはずだよ」

芳村「連れて帰ることが出来るのは君とアサヤくんだけだ。私たちがしても意味はない。家族である君たちにしか出来ないことなんだ」

芳村「諦めちゃいけないよ。私も、エトと分かり合うことが出来たんだ。君たちもきっと出来る」

イツキ「…ありがとうございます…」

↓1、2に芳村さんを救出時に誘うかどうかをお願いします(エトは強制除外)。直下コンマ下一桁がゾロ目or1、2だと…!?

誘うから来て、ほらほらほら

…しばらく待っても埋まらないので、今回は>>176さんのを反映させたいと思いますが、本日の更新はここまでです。
しばらく更新出来そうと言っていましたが、残念ながら更新する余裕は無さそうです。来週なら出来るかも…。
遅筆で申し訳ありません…。全ては>>1の力不足故…。また次回お会いしましょう。

今からちょっとだけ更新します。遅れてすまない…。本当にすまない…。

選択:同行を頼む

イツキ「…もし、またマシロと接触する時が、戦う時が来たら、その時は一緒に来てくれませんか?」

芳村「構わないよ。だけど、君がそう思った理由が知りたいね」

イツキ「…今のマシロの戦闘力は危険です。俺一人ではおそらく負けるでしょう。だから、少しでも人手が欲しいんです」

イツキ「…危険を承知で訪ねたんですが、まさか理由を言う前に受諾されるとは思ってなかったです…」

芳村「私も助けられたからね。危険でも、助けるのは当然さ」

芳村「…ましてや、家族のためなんだ。断るのは愚かだよ」

イツキ「…ありがとうございます…!」

エト「ちょいちょい」

イツキ「なんですか?」

エト「私も行こうか?戦力になると思うけど」

イツキ「…ダメです」

エト「なんでさ!?」

イツキ「…あなたは元アオギリでしょう。マシロの刺激になるとしか思えないんです」

エト「むぐぅ…」

イツキ「…すみません。言いすぎました…」

エト「いや…。私もあの子を組織に誘ってたから文句は言えないさ。まさかあの子が君の妹だったなんてねぇ…」

イツキ「言ってませんでした?」

エト「うん。兄妹がいる、くらいにしか聞いてない」

イツキ「…すみません」

エト「まー気にしないでくれたまえ!妹さんを連れて帰って、みんなで囲んでコーヒーを飲もうじゃないか!」

イツキ「………」クスッ

エト「君ならやれる!私がそう確信しているのだ、絶対出来るさ!」

イツキ「…気が楽になりました。ありがとう、エト」ニコッ

エト「…うむ。吉報を待っているぞ」

イツキ「失礼します」バタン

イツキ「フー…」ポスッ

イツキ「これは…負けられないな…」

エト「さて…と」

芳村「エトも話があるのかい?」

エト「まぁね」

エト「…真面目な話、ここってリゼ持ちいたよね?」

芳村「ああ。カネキくんだね」

エト「いつかは分からないけど、アオギリの部隊によるリゼ、リゼ持ちの強奪作戦が行われる可能性があるんだ」

芳村「カネキくんが危ない…と?」

エト「うん。近いうちに行われるわけじゃないみたいだけど」

芳村「その情報はどこから?」

エト「ボスから」

芳村「…真偽を確かめる方法がない以上、攪乱のための嘘の可能性があるね」

エト「…いや、あの人はやる。一度言ったことは意地でも成し遂げるタイプだから、あの人」

エト「私が保証するよ」

芳村「…長いことそちらにいた君が言うなら、納得するよ」

エト「…そういえば、ノロさんほったらかしにしてたや…」ボソッ

芳村(ノロ…?ノロイか…?)ピクッ

エト「しかし今さらあっちにい行ったら迎撃されるしなぁ…。タイミングを見計らってコンタクトするしかないか…」

芳村(…いや、まだどんな人かは見ていない。ノロイと決めるのは早計だ)

芳村(…生きてくれてたら嬉しいけどね…)

エト「んじゃあ私は帰るよ」

芳村「送ろうか?」

エト「うんにゃ。たまには一人で帰りたくなる時があるからね。今回は遠慮しとく」

芳村「…気を付けてね」

エト「大丈夫だって。もしもの時はぶっ潰すから」

芳村「そういう意味じゃないんだけどね…」

エト「分かってるよ。冗談だから。バイバイ」バタン

芳村「…どうか、イツキくんたちのことが好転しますように…」

エト「………」スタスタ

エト(どうか、イツキくんが家族を取り戻せますように…)

本日はここまでです。もう少し時間が取れればいいんだけどなぁ…。あ、番外編はまた作り直してます。
今度はバックアップも取ってるから大丈夫!…なはず。お疲れ様でした!量が少なくてすみません…。

今から再開していきます。その前にイツキの襲撃判定です。↓1、2でそれぞれ判定します。

↓1コンマ

1~5:襲撃なし
6、7:チンピラ喰種
8、9:アオギリ喰種
0、ゾロ目:アオギリネームドorVの方々

↓2コンマ

1~5:襲撃なし
6、7:モブ捜査官
8、9:ネームド捜査官
0、ゾロ目:ARIMA

襲撃判定:7&7(敵襲!?)

イツキ(…これからの予定としては、マシロの捜索、アジトの探索くらいかな…。学園祭ももうすぐだし、眠れなくなるなぁ)スタスタ

イツキ(…目的を達成する前に過労死しそうだ)ピタッ

イツキ(…いるな。数は4人…。二手に分かれてるか)タンッ

ズガガガッ

イツキ「…ビンゴだね」

モブ喰種A「チッ!避けられた!人間かと思ってたのに…」

モブ喰種B「ぶち殺して喰っちまおうぜ!『共喰い』すれば誰も敵わなくなるみたいだしよ」

イツキ「…!」ピクッ

イツキ「…『共喰い』なんて好き好んでやるものじゃないよ。あんなの食えたものじゃない」

モブ喰種A「あ?」

イツキ「…それに、あなたたちは運が無かった。すぐそこに捜査官がいたっていうのにね…」バキキッ

モブ喰種A「へ…?」

モブ捜査官A「動くな!おめおめと顔を出しやがって…。害獣どもめ!」ジャキンッ!

モブ捜査官B「聞こえますか?こちら○○捜査官、パトロール中に喰種三匹と遭遇しました」ピッ

モブ捜査官B「…はい。駆除にあたります」プツッ

イツキ(…どないしましょ。前みんなに向かって戦闘や殺害は基本避けろって言ったし…)

イツキ(…幸い、車はまだ遠くに置いてる…。赫子を出してるから素顔もバレてない…)

イツキ(…逃げるべき、かな。まだ目立つわけにはいかない)

直下に逃げるか戦うかをお願いします。コンマ下一桁が3以上、ゾロ目で逃走成功です。

選択:逃ィげるんだよー! 判定:4(成功!)

イツキ「………」チラッ

イツキ「…これだけ隙があれば…」ズガンッ!

モブ捜査官A「クッ…速い!だが…」チャッ

モブ捜査官A「その動きなら見切れる!」ブオンッ

イツキ「………」ガキンッ

イツキ「…っと」タンッ

モブ捜査官B「…っ!?そんな…っ!」

モブ捜査官A(クインケにわざと赫子を当て、その反動を利用して大ジャンプ…。あれはかなりのやり手だな…)ゾクッ

モブ捜査官A「…見逃されたのはこっちか…」ボソッ

モブ喰種A「………」コソコソ

モブ捜査官B「おっと、逃がさないですよ」ガンッ

モブ喰種A「ヒィィ!」

~~~~~~~~~~~~~~~

イツキ「よっと…」ズザァッ

イツキ「ここまで来れば安全だ…」

イツキ(『白鳩』の目がここまで行き届いてるとは思わなかった…。これは、さすがのマシロでも…)ピッ

イツキ「…早く見つけてあげないとな…」ブロロロロ

次の日 14区 アマナツ家

イツキ「ん…」ノビー

イツキ「今日の予定は…」ピラッ

イツキ「…休みか。とりあえず顔洗ってくるかな」スタスタ

~~~~~~~~~~~~~~~

イツキ「………」グビッ

イツキ(目は覚めたし、モーニングコーヒーもいただいた。そろそろチーム結成の打ち上げもしないといけない…)

イツキ(さて、今日は何をしようか…)

↓1、2に行動安価をお願いします(マシロとの接触は警戒されているので現在不可能)。

安価が揃わないので、本日はこれで終了です。安価はそれぞれ下に一つずらしてお願いします。
いつもあまり更新出来なくて申し訳ありません…。ではまた!

一応生存報告です。仕事に追われていて大変…。二月の予定は空けているので、二月に再開したいと思います。

皆さんに質問なんですが、今と同じような感じと、地の文方式、どっちの方がいいと思いますか?
会話だけだと上手く表現出来てないと思ったので、今回聞くことにしました。

今からリハビリも兼ねて再開します。試験的に地の文で書いていきますが、いつもより時間が掛かってしまうと思います。

「よし…」

頬を叩いて意識をしっかりさせ、パソコンを起動させる。そして、パソコンが立ち上がるまでの間に、イトリさんから
貰った書類を机の上に広げる。前に情報を買った時の書類だ。若干古い情報ではあるが、分析するには十分である。

背景に登録してある画像は、十年ほど前に撮影した満面の笑みを浮かべる弟たちのツーショット。
自分が中学校に入学することが決定した時に撮影したものだ。

あの頃と同じようには過ごせないのか…。そんな思いが頭をよぎる。

あの時のマシロは俺を認識していた。だが、認識していた上で攻撃してきた事実は否めない。

それに、あの時にマシロが言っていた言葉も気になる。嘘?偽者?俺のことを偽者だと思い込んで、納得させようと考えていたのだろうか…。

「…まあ、それは後で聞けばいいか」

指を軽く鳴らして、書類にある場所を地図上へと書き込んでいく。

~~~~~~~~~~~~~~~

あれから20分ほど経過しただろうか。全ての情報を入力し終え、今は新しく淹れたコーヒーを味わっている。

痕跡が発見された場所は100個ほどあるのだ。これだけあれば、ある程度の傾向は分かるだろう。

だが、相手はあのステルス特化の妹である。昔ではあるが、公園内でのかくれんぼで、1時間ひたすら探しても見つからなかった化け物だ。
ちなみに、マシロの隠れていた場所は俺の後ろだった。

しかも非常に頭がいい。そう見せかけているだけで、実際には全く別の場所を拠点としている場合もある。

「…それでも、やるしかないか」

不安に思っていても仕方がない。今は出来ることだけをしよう。そう思って、思考を回転させた。

直下コンマ5以上で次回マシロ探索補正が+されます。

チートスペック:+2
半暴走:-1

判定:6 成功 次回の探索補正に+1されます。

分析していると、色々な情報が見えてくる。

死体の発見場所は、極端にCCGがパトロールしている所が多い。すぐ近くには鉄塔やビルといった建築物が確認される。

おそらく、高い所から偵察して、喰種や捜査員だと思しき人を確認し、強襲を掛ける、というパターンを繰り返しているのだろう。
接近中に赫子を展開すれば、素顔を見られることはない。

次に、死体の損傷は大きく分けて二つに分類される。焼け焦げてボロボロになっているか、切断されているか、の二つだ。

一つ目は、間違いなくあの羽根はら放出される電撃だろう。アレを何度も撃たれたらたまったものじゃない。
俺の赫子で捌ききれるかどうか…。彼女相手には遠距離戦を仕掛けない方が賢明だろう。

二つ目は、電撃を利用した接近戦用の赫子と思われる。切り口が少し焦げているので、かなり鋭い切れ味をしているのだろう。
切れ味が鈍ければ、肉に引っ掛かるので焦げる範囲が広がってしまう。距離を縮めたからといって、油断していたら痛い目に遭いそうだ。

最後に、痕跡が発見されたのは三日連続した後に二日ほど間がある。時間は昼夜ともに確認されてある。

このことから、三日間活動した後に、二日間の休養を取っていると判断できる。

マシロと会うためには、これらの情報を利用した方がいいだろう。そう結論付け、パソコンを閉じる。

「…街に出て、動きを探ってみるかな」

これからの行動にも役立つだろう。そう思いながら車のキーを手に取り、家を出る。

直下コンマが5以上で、喰種関係の情報を取得できます。

↓2コンマが5以上で、CCG関係の情報を取得できます。

うーん…。地の文ありの方が表現しやすいのですが、やっぱり時間が掛かりますね…。自分としては地の文の方が書きやすいです。
あと二回くらい地の文ありでやって、その後の皆さんの意見を踏まえた上で決めたいと思います。

本日はこれで終了です。次回再開は日曜日の夜10時です。夜遅くまでありがとうございました!

日曜日の夜10時に再開すると言ったな。アレは嘘だ。
急遽自由になったので、今日の夜10時に再開したいと思います!

それでは再開します。最近、通勤途中に音楽を聴いているのですが、お勧めの曲はありますでしょうか?
同じものばかり聴いているので、たまには別の曲を聴いてリフレッシュしたいのです。

待ってた、けど曲とかは趣味が合うか解らんので参考にならないかも

判定:3 失敗 判定:8 成功 CCGの情報を取得しました。

「はあ…」

公園のベンチに座って溜息をつく。

今回の情報収集は失敗と言ってもいいかもしれない。

喰種についての情報は、手元にあるのと何ら変わらない程度、それどころか価値のない情報まである。
どのアイドルが美味しい~だとか、どんな子供だと喰べたくなる~だとか、そんな情報を誰が必要とするのだろうか。

だが、一応CCGの情報を掴むのには成功している。もっとも、予想していたものだったのであまりいいわけではないのだが。

情報の内容は非常に単純。「『天使』の行動が活発になっているので、少人数での行動を避け、警備を厳重にせよ」、である。

「これからの行動に響くな…」

CCGの動きには特に注意したい。いくら戦闘能力はこちらの方が上でも、集団戦法でかかられたら勝ち目がない。

自分は一人ではないのだ。守らなければならない仲間がいる。家族がいる。

その上、今の自分にはチームを運営していく責任がある。下手な行動は仲間全員を危険に晒す可能性がある。

「親睦会は延期する方がいいかな…」

CCGはマシロの捜索に躍起になっている。十中八九、隠れられそうな場所…つまり、廃棄された建物等の調査も進めていくだろう。

そんな時にパーティーなんか開けば、さらに警戒されて行動出来なくなってしまう。

モチベーションを上げる為には実行するべきなのだろうが、その為だけに、メンバー全員を危ない目に遭わせていいのだろうか…。

↓2に、延期(もしくは中止)するか、実行するかをお願いします。

無期限の延期(最低でも天使と和解するまでは)

>>217、BGMが多いですね。FFとか00の曲はよく聴いてます。合う合わないは気にしないので教えてくれたら嬉しいです。

>>220選択:和解するまで延期

冷静に考えると、マシロが行動している間は警戒が解かれることはまずあり得ないのだ。

それなら、マシロを連れ戻して、ほとぼりが冷めるまではそういう行動は自粛した方がいいだろう。

親睦会のことを知っているのはマドカちゃんだけだ。楽しみにしてた彼女には申し訳ないが、我慢してもらおう。

その旨を伝えるメールを送信した後、立ち上がる。

時刻は12時。お昼時だ。こんな時間に一人でベンチにずっと座っていたら、不審者に思われてもおかしくない。

さて、次は何をしよう?

お昼の行動安価を↓1、2にお願いします。

エリカお嬢様のステって出てたっけ?

安価ならエリカ勢力の動向を探る

高い知力を活かして道行く人に天使の動向を聞く(捜査官や喰種ではなく一般人にどれくらい知名度があるか)

>>222>>223選択 >>222>>131にお嬢様のまとめがあります。

直下コンマが5以上でエリカ陣営の情報を入手できます。

↓2コンマで知名度判定です。

1~4:誰も知らない
5~8:そこそこ
9、0、ゾロ目:有名すぎて笑えるレベル
00:特殊判定

判定:6 成功 判定:6(ゾロ目) 来ちゃったかー…。

明日は朝が早いのでこれで終了します。再開は夜10時です。今日は急に再開してすみませんでした…。

すみません…。親にパソコンを貸してしまったので、今日の更新はできません…。
明日返却されるので明日の夜10時に更新します。すみません…。
それと、色々な曲を教えてくれてありがとうございました!どれも素晴らしいものでした!

今から再開します。昨日は申し訳ありませんでした…。

ちょっとした判定をします。デメリットはありません。直下コンマで判定します。最低値50は保証です。

判定:72 くっ イッケメーン

街を歩いていると、大きな屋敷が目に映る。あれはたしか草野財閥の所有しているものだったか…。

塾でお嬢様が言っていた言葉を思い出す。

『その娯楽を阻むというのなら…いくら『長槍』である貴方でも、容赦はしませんことよ?』

要は、敵対するのなら全力で叩き潰す、という宣戦布告をされているわけである。
はいそうですか、と何もせずに手をこまねくわけにはいかない。

幸い、草野財閥の知名度は抜群である。近辺に住む人たちに聞くだけでも情報は取れそうだ。

丁度近くでは主婦たちがお話している。一声掛けてみよう。

「ちょっといいですか?」

「ええ、構わな…キャー!」

たまに、女子に話しかけると叫ばれることが度々ある。そんなに怖い顔をしているだろうか…。

気を取り直して事情を聞く。

「草野財閥のこと?そういえば…」

なにか思い当たることがあるようだ。有名だから仕方ないのかもしれない。

「黒服の人と、ドレスを着た人が夜中に他の人を追いかけてたような」

Oh…。

「私は男の人をリムジンに積んでいったって話を聞いたわよ」

そこでたまらず、口に含んでいたコーヒーを噴き出した。

~~~~~~~~~~~~~~~

情報収集の結果は…。うん、ひどすぎるとしか言えなかった。

財閥の上層部は喰種なのではないか、夜な夜な人を狩って食事にしているのではないか、という噂ばかりであった。

ここまで広がっていたらCCGも捜査せずにはいられないだろう。

だが、仮にも大企業のトップ。それを突然摘発するわけにはいかないはずだ。一年は準備する必要があるだろう。

とはいえ、これでは彼女らに未来はないだろう。敵視されているのに、助ける義理もない。

これ以上踏み込む必要はなさそうだ。

直下で特殊コンマ判定です。5以下でイベント発生です。

チートスペック:+1

↓2コンマでマシロの知名度判定です。

ステルス持ち:-2

ゆー

ほい

>>243判定:6 イベント回避 >>244判定:5 そこそこ

触らぬ神に祟りなし、だ。財閥の調査を切り上げ、少し前に頭の中で思い浮かんだものについて思案する。

一般人は『天使』をどう認識しているか、だ。
一つの物事を複数の視点から見ることで、本質を知ることが出来る場合もある。

この辺りでは一度『天使』が暴れている。捜査官の見落としているような情報が手に入るかもしれない。

「すみません、聞きたいことがあるんですが」

中年くらいの男性が信じられないものを見たような顔をしてこちらを見る。やはり若いのに白髪なのはおかしいのだろう。

「…この辺りで何か変なことはありましたか?」

ふぅむ…、と手を顎に当てて熟考する男性。ふと、思い出したように話し出してきた。

「そういえば、一週間ほど前に近くで捜査官が惨殺された事件があったな」

やはり、知っている人はいるようだ。

「…詳しく聞かせてもらえませんか?」

「ああ。あれは私室で読書をしていた時のことなんだが…」

「突然、雷が落ちたような音がしてな。その日は晴天だったから不思議に思って外を見たんだ」

「そうしたら、外には何人もの死体と、綺麗な羽が背中に生えてる巨人がいたのさ」

「…その後は?」

「分からない。一度目を離したら、既にその化け物は消えていたからな。…これくらいでどうだ?」

「…十分です。ありがとうございました」

~~~~~~~~~~~~~~~

それからも聞き込みを続けたが、大した情報は得られなかった。

どうやら、速攻で仕留めているので目撃者自体もかなり抑えられているようだ。

そろそろ日が暮れるようだ。道行く人の足も心なしか早くなっている。

夕方の行動を↓1、2にお願いします。

本日はこれで終了にします。一日一回しか進められないのが辛い…。次回は水曜日辺りを予定してます。
本日もありがとうございました!

近況報告です。また忙しくなったので、しばらく更新は無理そうです…。更新出来る前日に報告をしたいと思います。すみません…。

かなり間が空いていますので、次回更新時に皆さんの質問にまとめて答えたいと思います。今の時点で答えられないものもありますので、
そのあたりは考慮していただきたく思います。

前に戦闘時の判定を見直しをすると言いましたが、現在戦闘が発生していないので、どう変えたか分からないと思います。
ですので、このレスに載せておきます。ご参考ください。

戦闘力が01~19 ※2回失敗毎にダメージ判定。ファンブルは一発で判定。

1、2:ファンブル 3~5:失敗 6~9:成功 ゾロ目、0:クリティカル 00:特殊判定

ダメ判 1~3:死亡 4、5:重傷(判定補正-2) 6、7:軽傷(判定補正-1) 8、9、ゾロ目:回避 0:カウンター(成功判定) 00:特殊判定

戦闘力が20~49 ※3回失敗毎にダメージ判定。ファンブルは一発で判定。

1:ファンブル 2~5:失敗 6~8:成功 9、ゾロ目:クリティカル 0:特殊判定 00:特殊判定(SP)

ダメ判 1、2:死亡 3、4:重傷(判定補正-2) 5~7:軽傷(判定補正-1) 8、9、ゾロ目:回避 0:カウンター(成功判定) 00:特殊判定

戦闘力が50~79 ※3回失敗毎にダメージ判定。ファンブルは一発で判定。

1:ファンブル 2~4:失敗 5~8:成功 ゾロ目:クリティカル 0:特殊判定 00:特殊判定(SP)

ダメ判 1、2:死亡 3、4:重傷(判定補正-2) 5~7:軽傷(判定補正-1) 8、9:回避 ゾロ目、0:カウンター(成功判定) 00:特殊判定

戦闘力が80~99 ※4回失敗毎にダメージ判定。ファンブルは一発で判定。

1:ファンブル 2~4:失敗 5~7:成功 8、9、ゾロ目:クリティカル 0:特殊判定 00:特殊判定(SP)

ダメ判 1:死亡 2、3:重傷(判定補正-2) 4~6:軽傷(判定補正-1) 7~9:回避 ゾロ目、0:カウンター(成功判定) 00:特殊判定

戦闘力が100以上 ※4回失敗毎にダメージ判定。ファンブルは失敗2回分としてカウント。

1:ファンブル 2~4:失敗 5~7:成功 8、9:クリティカル ゾロ目、0:特殊判定 00:特殊判定(SP)

ダメ判 1、2:重傷(判定補正-2) 3~5:軽傷(判定補正-1) 6~8:回避 9、0、ゾロ目:カウンター(成功判定) 00:特殊判定

なお、特殊判定関係は補正無しでのみ適応です。例えば、補正が+3されている時に8を出しても、9として処理されます。
戦闘以外でも同様の処理を行います。

100以上がチートじゃね?と思うかもしれませんが、そもそも100以上になる時点でとんでもないことなのです。ゾロ目前提ですから。
判定が有利になっても仕方ないね。

あと、戦闘力の差によって補正が生じます。

戦闘力が10以下の差…補正無し。

戦闘力が11以上~30以下の差…補正±1。

戦闘力が31以上の差…補正±2。

戦闘関係は以上です。

危ない危ない…。もうすぐで一月経過するところでした…。今日の夜に再開する予定です!

すみません!遅れました!今から再開しますが、久しぶりなので遅かったり間違えたりするかもです…。

昨日、芳村さんとマシロについての話をした。

あの人のことだから、アサヤに伝えてはいないだろう。

できることなら、アサヤに知られることなく、事を済ませたかった。だが、事情は変わってしまった。

このままでは、取り返しのつかないことになってしまう。

…正直に話そう。

そして、謝ろう。

アサヤよりも先に、芳村さんに相談したことを。

今の時間ならおそらく、『あんていく』で働いてるはずだ。

ついでと言っては何だが、対マシロ戦の対策を練っておくのも良さそうだ。

「そういえば、アサヤとは数日だけど会ってないな…」

今はどんな感じなのだろうか。

一瞬、どぎついルージュを塗ったアサヤの姿が目に浮かんだが、これはきっと幻だろう。

ただでさえムキムキなのに、ゲイまで合わさってしまったら、そっちの趣味を持ってる人に大人気になってしまう。

そんなのはアサヤには地獄だろう。

アサヤは目立つのが苦手なのだから。

「…さて、安全運転をしながら飛ばしますか」

事故でも起こしたら大変だ。

慎重に、だけどスピーディーにしよう。

そう思いながら、愛車のノアのハンドルを切り、発進させた。

イツキはフィアットとか外車のイメージだったけど普通にワゴン車乗ってるのか

>>264、本人曰く「大きいから荷物や人も載せられるし、何より扱いやすいからね。
    昔は2人とも暴れてたから、大きくないと困ってたんだ。…実は、親の遺品なんだよ」とのことです。


20区 あんていく

店のドアに手を掛け、深呼吸。

どうにも、ここに入る時は緊張して仕方がない。

まあ、この次に起きうることを想像すれば当然なのかもしれないが。

ここで退いては男が廃る。

玉砕覚悟で進むのみだ。

「いらっしゃいませ…。ってなんだ、兄貴かよ」

「なんだ…っていうのは酷いなぁ」

「わりぃわりぃ。で、何しに来たんだ?」

こういうところがアサヤらしい。

…早めに白状した方が良さそうだね。

「…ちょっと二人で話がしたいんだ」

「ん…?分かった。少し待っててくれ」

そう言って、アサヤは二階へと移動した。

待っている間、店に置かれてある雑誌を読んでおく。

…温泉でのんびりするのもいいかもね。

あっ、この犬けっこう可愛いな。

飼ってみよう…いや、そうホイホイ飼っていいものじゃないか。

あれこれ考えていたら、アサヤが戻ってきた。

「スタッフルームを使えって」

「そう。今行くよ」

…ああ、胃が痛い。

「それで、何を話しに来たんだ?」

「…今から言うことを、冗談とは思わないでほしいんだ」

「んあ?そんなの聞かねえと分かんねえよ」

「…そうだね」

「…マシロが失踪した」

「ふーん。失踪ねぇ…」

「…失踪?」

突然、こんなカミングアウトをされたらこうなるのも無理はない。

というか、これが普通な気がする。

「おいおい…。そんな冗談を言うなんてらしくない…」

「…マジのことかよ」

どうやら、こちらの表情を見て察したようだ。

「…詳しく教えろ」

「…元からそのつもりさ」

そして、アサヤに全てを打ち明けた。

なぜ失踪したのかを、今はどうなっているのかを、CCGとアオギリ両方に追われていることを、全て。

その間の、アサヤの表情は痛々しいものだった。

アサヤは、口は悪いが、他人を思いやることのできる優しい人でもある。

妹が突然、大変なことになってしまったと知ったら、それはつらいだろう。


直下コンマで、アサヤの判定を行います。1に近いほど、頼ってくれなかったことへの怒り、9に近いほど、同情となります。

コンマ判定:8 アサヤは優しい、はっきりわかんだね。


「そう…か…」

手で顔を覆ったまま、下を向くアサヤ。

ふと、顔を上げて、こちらを見つめてきた。

「…どうして黙っていたんだ?」

「…迷惑を掛けたくなかったんだ」

「…アサヤだって、今は一人暮らしだから大変だと思ってね」

「そうか…」

そう言って、アサヤは微笑む。

「兄貴はよ、抱え込みすぎなんだよ」

「まぁ、原因は俺たちなんだろうけどな」

「兄貴はすげぇ。一人で何でもできちまう」

「…だからってよ、家族のピンチまで、一人で解決しようとすんなよ」

「俺だってさ、兄貴を助けてぇんだ」

「今まで、何度も助けてくれたからな」

「…今の俺じゃ、頼りにならないのは自覚してるんだ」

「だから、正直に言うと嬉しかった」

「俺に言いに来たってことは、俺を頼ったってことでもあるだろ?」

「…っ!…そう…だね…」

「…まぁ、要するにアレだ」

「困った時はお互い様ってね!」

「俺たちは家族なんだ。だから、遠慮なんかしねぇでくれよ!」

…どうやら、俺はアサヤを見くびっていたようだ。

一緒に暮らしていた頃とは違う。

アサヤはもう、立派な大人に成長している。

きっと、俺が助けようとしなくても、自分の力で進んでいくだろう。

…もう、俺がお守をする必要はない。

むしろ、見守るだけにするべきなのだ。

過剰な保護は、アサヤの未来を摘み取っていくのと同じだから。

「…ゴメンね…」

「おいおい…。気にしないでくれよ…」

「今まで、俺たちを守ってくれたのは兄貴だぜ?」

「感謝はすれど、恨みなんかしねぇよ」

「だから、いつものようにシャキッとしてくれ」

「…ああ…!」

…子供だったのは、俺の方なのかもしれないな。

「…で、マシロはヤバい状態なんだろ?」

「うん…。正直、アサヤは黒焦げになってお陀仏しそうだよ」

「げ…。俺の赫子でもダメか?」

「うーん…。甲赫を使えば大丈夫だろうけど、それでも接近するのは厳しいかな…」

「マジかぁ…」

「このことは店長に言ってるんだよな?」

「うん」

「ちょいまち」

外に出て二分後、またアサヤは戻ってきた。

店長を連れて。

…対策を練る予定だったし、好都合かな。

「あ、言い忘れてたことがあるんだけどよ」

「マシロのことはしょうがないと思うぜ?」

「いくら兄貴でも、アレをどうにかできるとは思えねえ」

「いつ起動するか分からない爆弾みたいなもんだしな」

「…その言い方は酷いよ」

「ん、そうかな」

「イツキくん、マシロちゃんともし戦うしかない場合は、どうするのかい?」

「そうですね…」

交戦する時の一番の問題は、マシロの戦闘力が不明なところだ。

アサヤよりは、おそらく強い。

だが、俺と同レベルなのかも分からない。

それに、あの赫子は広域殲滅型の可能性が高い。

下手に集まると、一網打尽にされかねない。

芳村さんの能力も不明だ。

これは、なかなか厳しいものになるね…。

↓1~3に作戦をお願いします。

何度か討論した結果、作戦は次のようになった。

まず、不意打ちを決めることで、赫子そのものを減らす。

減らす赫子は、骨状のものを優先したい。

なにせ、甲赫すらも余裕でぶち抜く威力なのだ。

連射できないとしても、脅威的な赫子であるのには変わらない。

赫子の破壊は、不意打ち以外でも積極的に狙いたいものだ。

五種類の羽赫とかバカげてる。

マトモに相手取るには厳しいのだ。

次に、俺を囮にしたり、遠距離攻撃で注意を逸らし、接近戦に持ち込む。

今回の戦いでのキーマンは、アサヤだろう。

この中で最も接近戦に強い上、羽赫への相性もいい。

芳村さんは、羽赫を使うらしいので、遠距離攻撃を担当してもらう。

俺は、囮になりながら、甲赫の爆撃と尾赫での牽制の担当だ。

…ここまで決めても、一瞬で瓦解しかねないのが恐ろしいところだが。

「…戦闘を行う時は、私に連絡を頼むよ」

「分かりました」

「了解っす」

「…それじゃ、俺は帰るよ」

「おう。今度来た時は、俺がコーヒーを淹れるからな」

「ハハハ。その時はありがたく頂戴しますね」

「…なあ兄貴」

「なんだい?」

「…絶対に、マシロを救おうな」

「ああ。絶対だ」

「じゃあな」

「またね」

思いのほか、話し合いは長引いてしまった。

サラリーマンやOLたちが、ちらほら見受けられる。

それに紛れて、『白鳩』の姿も確認できる。

やはり、警戒は全体的に強化されているようだ。

夜間の行動にも気を付ける方がいいだろう。

マシロを助ける前に、コクリア送りにされました!

こんなことになったら笑えない。

冗談でもなく真面目に。

マシロを助けることができなくなる上に、『if』の運営もダメになりかねない。

「…こうして考えると、責任重大だな…」

学校で仕事を任されるだけだったのが懐かしい。

それに、まだ大学でも仕事が残ってる。

こんなところで、止まるわけにはいかないんだ。

↓2、3に夜の行動をお願いします。

本日の更新はここまでです。一ヵ月も空けてしまいすみませんでした!いちおう、数日は問題なく再開することができます。

もし安価を踏んだ場合は下にずらします。待っていてくれてありがとうございました!これからもよろしくお願いします!

次回は、24時頃に再開を予定しております。お疲れ様でした!

おつ!
マシロ戦がどうなるか予想がつかないぜ

安価なら
芳村さん以外のあんていくメンバーや『if』メンバーに、顔を出す機会が減るかもしれないが心配しないように伝えておく


安価なら家に帰る途中に白鳩に追われる某草野お嬢様御一行を目撃してしまう

無理なら安価下で

乙、作戦考えてたらマシロチートで笑う
安価は知り合いの喰種に特殊な仕事で忙しくすることを伝える(マシロのことは秘匿)

遅れて申し訳ない!今から再開します!

ですが、昨日の今日で、財閥に突入ってできるものなんですかね…?

月山家のアレは怪しいところがあったとはいえ、ある程度時間が掛かっていましたし…。

こういう時こそ、コンマ神に聞くべきでしょうね。直下コンマが5以上で、>>279を採用します。ダメなら、>>280を採用します。

今回の安価は、>>278>>280を採用させていただきます。すみません…。

いつものように、駐車場へと向かっていると、見知った人の声に呼び止められる。

「あれ、イツキさんじゃないですか」

「『あんていく』に行ってたんですか?」

「まあね」

カネキくんとトーカちゃんか…。

こんな時間に二人で何をしてたのだろうか。

もしや、逢引?

「…あー、勘違いしないでくださいね」

「コイツに、参考書とかを勧めてもらっただけですから」

道理で、いくつかの本を持っているわけだ。

2人にも、ある程度のことは伝えておこう。

「…そうだ。しばらくの間、顔を出さなくなると思うけど、気にしないでね」

「何かあったんですか?」

「まぁ…ちょっとした仕事があってね」

「それを片付けようとしたら、少し余裕がなくなりそうなんだ」

無駄に心配を掛けたくないから、適当な理由を付けておけば、大丈夫だろう。

「はぁ」

「…最近、『白鳩』の警備が強化されてるんだ」

「あまり夜中まで、出歩かない方がいいよ」

「そうですね。分かりました」

「忠告ありがとうございます」

「気を付けて帰ってね」

「はい。イツキさんこそお気を付けて」

これで、『あんていく』の人たちに心配は掛からないはずだ。

あとは、『if』の方か。

『if』のメンバーに伝えるために、わざわざ招集をかけるのもバカバカしい。

ヨスケさんに伝えておけば、後のことは処理してくれるだろう。

『…もしもし』

「あ、ヨスケさん。こんばんは」

『どうした?』

応対の仕方が事務的すぎるが、ヨスケさんはこういう人だから仕方ない。

「…実は、少々厄介な仕事をしないといけないんです」

『ふむ』

「…ですので、しばらく顔を出せないと思いますが、大丈夫ですので、心配しないようにお願いします」

『ああ』

『このことを全員に通達すればいいのか?』

「はい」

『了解した。失礼する』

それだけを告げ、切断された。

だが、これくらい冷静な方が、自分としてはありがたい。

もし、自分が命を落とした時。

もし、みんなが冷静さを失った時。

その時に、束ねることが出来るのは、きっとヨスケさんだけだろう。

…もしもの時は、任せましたよ。

一週間後 アマナツ家


あれから一週間が経過したが、いまだにマシロを発見出来ていない。

めぼしいところは、ほとんど確認を終えている。

だが、まだいくつかは残っている。

そのいくつかに懸けるしかない。

いちおう、今日は休日だ。

大学に向かう必要も、何か仕事をする必要もない。

…塾に向かうのは、やめたほうが良さそうだが。

というか、喰種の疑惑が掛けられているのに、うかつに彼女が行動を取れるとは思えない。

塾に向かっても大丈夫だろう。

今日は何か授業を行うわけではないが。

個人的には、『白鳩』もそうだが、アオギリの動向も気になる。

マシロという、『天使』という脅威を前に、どういった行動を取るのか。

無駄な被害を出さないように、穴熊を決め込むのか。

それとも、混乱に乗じて、一気にCCGを陥落させるのか。

いくら考えても、こればかりは分からない。

不確定要素が多すぎるのだ。

それを排除するために、調査をするのもアリかもしれない。

場合によっては、マシロへと繋がる手がかりを入手できる可能性もあるからだ。

さて、何を進めていくべきか。


朝の行動を↓1、2にお願いします。

短いですが、今回はこれで終了です。次回は23時に再開の予定です。お疲れ様でした!

お待たせしました。それでは再開を始めます。

CCGは、マシロのことをどう認識しているのだろうか。

いや、危険な存在と思われているのは理解している。

正直、身内の自分から見ても彼女は危険だ。

それ以外に、どういう感じで認識されているのかを知りたいのだ。

例えば、『美食家』が嗜好が偏りまくった変態と思われているように。

例えば、『大喰い』が底なしの食欲を持つ、正体不明の喰種と思われているように。

そういう認識があるのか、を知りたいのだ。

多少欲張りではあるが、マシロの詳細な情報も入手しておきたい。

…これは、捜査官と接触する必要があるから、あまり気が乗らないのだが。

それでも、やってみる価値はあるだろう。

成功するかは別にして。

「…そうと決まれば、まずは『白鳩』捜しかな…」

最近は、かなり警戒レベルが上がっている。

いつまでたっても、マシロへの対処が出来てないからだろう。

捜査官を発見する程度なら、簡単にできるはずだ。

だが、一度発見されたら面倒なことになる。

瞬時に、包囲網が形成されるだろう。

『CCGの死神』がこの区にいる可能性も否定できない。

慎重に進めていこう。

イツキの情報収集判定です。直下コンマで判定します。合計5以上で成功です。

チートスペック:+2

ゾロ目なので、強制成功(ボーナス付き)です。入手した情報が特徴、その他を含んだ詳細なものに確定しました。

認識自体の調査は簡単だ。

捜査官に聞き込みをすればいい。

なぜ、そんなことを知っているかを聞かれても、こう返答すれば大丈夫だ。

「偶然、他の捜査官の方が喋っていたのを聞いてしまったんです」と。

どういう組織でも、大きくなれば無能な輩は出てくるものだ。

それに、捜査官が喰種の話をするのがおかしいわけではない。

だからセーフなのだ。

それで、CCGの認識はだいたいこうだ。

いったいどこに潜んでいたのか、どこに所属しているのか、行動目的は何なのか、全てが不明な謎の喰種。

だが、その姿は美しく、そして恐ろしくもあった。

美しい…のかは分からないが、あの姿は実際怖い。

普通の天使の姿なら、怖くはないだろう。

だが、顔の部分は黒い箱。

そして、箱には小さな穴があり、そこから紅い光がこちらを覗いている。

その上、サイズは2~3mはあり、羽は帯電している。

普通の人なら、見ただけで死を覚悟するだろう。

今回は運よく、『天使』に関する情報を入手することができた。

方法は若干手荒だったかもしれない。

路地裏で悲鳴を上げ、捜査官をおびき寄せる。

その後、後ろから不意打ちをして、気絶させる。

最後に、資料を写真で撮影して、安全なところに捜査官を運んで終了。

これくらいなら、証拠を残さないでこなせる。

資料には、赫子の特徴と、関係についての考察が記載されていた。

やはり、遠近両用の赫子であるのは間違いないようだ。

関係については、アオギリと敵対している無所属の喰種で、24区出身ではないか、と推測されている。

実際には俺の妹なのだが。

貴重な情報も入手できたことだし、早めに退散しておこう。

移動先は塾でいいか。

今日は誰かいるだろうか、と思いながら、この場を後にした。

誰かいるかの判定です。直下コンマです。

1~3:誰もいないんだなぁこれが
4~6:一人だけいる
7~9:二人もいる
0、ゾロ目:立場が危ういお嬢様が助けを求めてきました

今日はお休み:-1

コンマ判定:0 だからぁ…。だからぁ…!…少々お待ちください。

教員室のドアを開けると、そこにはなぜかお嬢様がいた。

「…来てくれて助かりましたわ」

「…うん、色々聞きたいことがあるんだけど、まず一つだけいいかな?」

「どうしました?」

「…俺の机に座らないでくれるかな?」

「嫌だと言ったら?」

「…ミンチになるかもしれないよ」

「…はい」

どうしてこんなに色々なことが起きるのだろうか。

神様が遊んでいるのだったら、ちょっと痛い目に遭わせたい。

「…で、なんでここにいるの?」

「…今の立場じゃ、外出するのもマズいだろうに」

「…あなたが『長槍』というのを知って…いや、あなたが『長槍』だからこそ、お願いします」

「私を助けてください」

自業自得なのに、敵対している人に助けを求めるとは、見苦しいにも程があるのではないだろうか。

「えっと…。前に君が言ったことを憶えてるかい?」

「…はい」

「…宣戦布告しておいて、これは恥ずかしいと思うんだけどなぁ」

「…思っています!ですが、思ったうえで、庶民のあなたにこうして頭を下げているんですのよ!」

「…その庶民よりマズい立場にある人のセリフとは思えないね」

「…それで、助けるメリットはあるの?」

「資金の融通くらいはできます」

「財閥がピンチなのに…?」

「持ち出せばいいでしょう」

「他には、戦力を提供できるかと」

すでに、充分なくらいの戦力はあるのだが。

正直、助けるメリットはあまりない。

それに、彼女の行動理念は俺たちにとってはマズいものだ。

食欲旺盛。

人間だったらまだよかった。

だが、彼女は喰種。

余計な被害を出すこともありえる。

また、寝首を掻かれる可能性が無きにしも非ず、だ。

本当に助けてもいいのだろうか…?

↓1~3に、助けるかどうかをお願いします。

…まあ、彼女は頭が良い。

そのくせに、目立った行動をして、自分から破滅へと進んではいるが。

ともかく、今の自分が置かれている状況も、よく理解しているはずだ。

だからこそ、敵である俺のところに来たのだ。

そうでもしなければ、終わってしまうから。

だから、こちらが多少の制約、制限を付けたとしても、吞まざるをえないわけだ。

申し訳ないが、黙ってもらおう。

「…助けてもいいよ」

「…!」

「…だけど、こちらが提示する条件を呑んでもらうよ」

「…多少の要求なら受け入れます」

「そう。じゃあ面倒でも、安直に人間を襲うのは減らしてもらうよ」

「そうするしかない時は、俺が許可を出すから」

「…それだけで君は助かるんだ。断る理由はないだろう?」

「…分かりました」

よし、これで問題はないはずだ。

「…そういえば、CCGから何か要求は来たの?」

「…この紙に書いてあります」

「どれどれ…」

内容はなかなか酷いものだった。

一月以内に、社長や、重役の後釜を〝人間だけ″で揃えること。

それと同時に、財閥内の喰種全てを投降させること。

これらを一つでも怠った場合は、殲滅を行う。

という文書だった。

あまりに酷くて、これには苦笑いするしかなかった。

「…まあ、その、アレだ」

「…ドン☆マイ」

「…グスッ…」

自業自得だから仕方ないでしょうに。

「…助けるといっても、具体的には何をするんですか?」

「君はもう、堂々と歩くことは出来ないからね…」

「頃合いを見計らって、迎えに行くよ」

「その時は連絡するから、荷物とかを準備しておいて」

「何人かは連れてきてもいいけど、よくて三人くらいかな」

「あ、お父さんとかを連れてくるのは絶対ダメだよ」

「どう考えてもマズいことになるから」

「…はい」

「…今は家に帰りなよ。こっちも目を付けられたら困るからね」

「…はい」

なんだかんだで、けっこう堪えているみたいだ。

だが、これは彼女の失態だ。

安易に行ったことが、自分の首を絞めたのだ。

それを知ることができたのだから、次も同じ過ちをすることはないだろう。

こっちも、エリカちゃんの情報は改竄しておいた方がいいだろう。

疑惑の目を、少しでも減らさなければ。

…何と言うか、けっこう貧乏くじを引かされている気がする。

↓2、3に、昼の行動をお願いします(改竄はオートで行われるので、安価で出さなくても大丈夫です)。

今日の更新はこれで終了です。次回も同じ頃に再開をしたいと思います。

安価を踏んだ場合は下にずらします。夜遅くまでお疲れ様でした!

お待たせしました。今から再開します。

裕福な喰種は、だいたい裏の世界でも活動できると思っていただいて結構です。

ですので、上手く利用すれば、オークションに参加したり、ぶっ壊したりも出来ます。

財閥の一族な時点で、没落しても顔は充分利くのです。

冷静に考えれば、どこにいるか分からない人を捜すより、向こうから来てもらう方が楽である。

餌となるのは、喰種か捜査官か。

捜査官はダメだ。

孤立するどころか、増援を呼ばれてしまう。

なら、ちょうどいいのは喰種だろう。

エリカちゃんを利用するのもいいかもしれないが、こんなことに、ジョーカーを切ることもない。

もっと別の使い道があるはずだ。

…となれば、そこらにいるチンピラを焚きつけるのがいいだろうか。

そう簡単に引っ掛かるかは分からないが、それでも、俺自身が囮になるよりは成功率は高いはずだ。

エリカちゃんが、自分の欲求を優先することは、おそらく無いだろう。

彼女には、もう頼る相手はいないのだ。

ここで、懐柔するために、あれこれ手を出すのは逆効果かもしれない。

財閥の令嬢…。

これだけで、利用価値は非常に高いだろう。

たとえ没落しようと、知名度は高いのだ。

裏の世界でも活動しやすくなるはずだ。

上手くいけば、安全なアジトも入手できるかもしれない。

喰種レストランには、上流階級の人が見受けられた…らしい。

とすると、同じようなものが他にあってもおかしくないだろう。

例えば、人間的には非合法だが、喰種的には合法に、人間を入手できるオークションか。

実際に行われているのかは分からないが。

それについては、エトかイトリさんに聞けば分かるだろう。

情報を弄っている間に、時間は夕方になってしまった。

途中で次の授業で使うプリントを製作したのがマズかったか。

ともかく、ここでやることは全て終わった。

誰もいないというのは、案外怖いものだ。

どこから奇襲されるか分からない。

こんな考え方は、喰種特有のものなのか。

それとも、人間も同じように思っているのか。

ふと、疑問に思ったことがある。

あああ…。間違えて途中で書き込んでしまった…。


人間と喰種も、外見上はまったく変わらない。

せいぜい、赫眼を発現させるか、赫子を出せるか、くらいだ。

どうして、人間と喰種が存在するのだろう。

喰種にとって人間は、生きるためにはなくてはならない、必要不可欠な存在だ。

では、人間にとって喰種は?

純粋に、害獣でしかないだろう。

なら、なぜ喰種が出現したのか?

ジンコさんやマドカちゃんの例を見るに、人間と喰種は同一種だ。

捕食、被捕食の関係から、人間から喰種が枝分かれしたのは間違いないだろう。

どうして、喰種が生まれたのか?

人間に一切のメリットがない喰種が、生まれる理由が分からない。

生まれざるをえない危機が、人類に訪れたとも思えない。

いったい、何があって喰種が生まれたのだろう。

それが、俺には分からない。

人間と喰種の根本的な違いは何なのだろうか。

それも分からない。

…こんなことは、専門家にでも任せておけばいいだろう。

そろそろ、喰種も活動を始める時間か。

マシロの活動周期では、この日は活動期だ。

上手くいけば、釣ることができるかもしれない。

上手くいけば、だが。

夕方の行動を、↓1、2にお願いします。

頭がパッパラパーで不覚にも笑ってしまいました…。

↓1、2のコンマで、発見判定を行います。5以上で、目的の喰種を発見できます。

なお、マシロとの戦闘が発生する可能性があるので、芳村さんとアサヤが強制的に呼び出されます。

この区は、少しばかり治安が悪くなっている。

なら、頭が弱い喰種もいくらかいるだろう。

彼らを餌に、おびき寄せてみよう。

「ダメか…」

路地裏や寂れた商店街等、人の少ないところを探したが、喰種一人見つからない。

だが、捜査官がたくさんいるせいで、捕食をほとんど行えていないであろう喰種はチラホラ見受けられた。

彼らなら、いい生餌になってくれるはずだ。

おそらく、戦闘になる。

2人を呼んでおいた方がいいだろう。

しばらく待機していたら、後ろから声を掛けられる。

「お待たせ。イツキくん」

「今日が決戦になるのか…」

「…まだ、確定ではないですけど」

「それで、どこにいるんだい?」

「…不明ですが、喰種を囮にしようと思います」

「…なるほどね。場所が分からないから、向こうから来てもらうわけだ」

「はい」

「…乗った」

「ついて来てください」

直下コンマで、マシロの判定を行います。成功したら、接触が可能です。

半暴走:+2

そして、近くの送電線に乗って偵察をする。

「あー…。兄貴…?感電とかしないよな…?」

「…ここには電気は通ってないよ。そこのワイヤーだけだから」

「怖いわ」

「…あの喰種は…ダメだね」

「ですね…。捜査官に討伐されました」

周りを一瞥しても、光は見当たらない。

どうやら、近くにはいないようだ。

それとも、普段は赫子を使わないで潜んでいるのか…。

「これから夜になる。マシロちゃんが行動する確率は上がるはずだよ」

…そうだ。

まだ時間はある。

諦めている場合じゃない。

↓1、2に夜の行動をお願いします。

時間もかなり遅いのでこれで終了です。安価を踏んでいる場合は下にずらします。

それと、直下コンマでマシロの判定をします。合計5以上で成功です。お疲れ様でした!

半暴走:+2
夜:+1

まさか文句なしの最低コンマを叩き出すとは…。恐ろしいですね…。今から再開します。直下コンマの合計が5以上で成功です。

半暴走:+2
夜:+1

それから、20人くらいの喰種を餌にした。

だが、結果は芳しくなかった。

マシロが出現するよりも先に、捜査官に遭遇してしまうのだ。

もう、俺たちが暴れた方が早いんじゃないか?

そんな思いが浮かび上がった時、天使はそこに舞い降りた。

「お兄さん…ですか…?」

そうだよ、と返答をしようとしたが、それよりも先に、マシロが口を開く。

「いいえ…違いますね…」

「まったく…。他人に化ける赫子でもあるのでしょうか…」

「俺たちは本物だ!」

「違います」

「お兄さんたちが、私の邪魔をするはずがありませんから」

「…ふざけるなよ」

怒りがこみ上げてくる。

そうやって、自分を騙し続けても、意味はないのに。

今、マシロがやっていることは、自分が受けた仕打ちを、他人にやっているのと変わらないのに。

マシロは、自分を襲った喰種と同レベルに堕ちようとしている。

マリちゃんの想いを踏みにじりながら。

…いや、踏みにじる、というのは語弊があるか。

ただ、目を背けたいだけなのだろう。

大切な人を目の前で奪われた。

だから、無力な自分を恨み、力を求めたのだろう。

…大切な人を奪われたことを、免罪符にして。

マシロの心は深く傷ついている。

どれほどなのか、それは分からない。

だが、家族である俺だからこそ、何かを伝えることができるはずなんだ。

↓1~3に、マシロに伝えたいことをお願いします。必要ない場合は、その旨を書き込んでください。

あー…。こういうのは自分で考えるものですよね…。すみません。少し待ってください…。

「…マシロがやっていることは間違ってる」

「そんなはずない!」

「間違っているんだよ」

自分自身を誤魔化しているのなら、まずはそれを否定しないといけない。

マシロのやっていることは間違っている、と。

「…君なら分かるはずなんだけどね…」

「…どうして、マリちゃんは君を庇った?」

「…それは…」

「…君に復讐をさせるためでは、決してないよ」

「ただ、君に生きてほしいだけなんだ」

「そこに、復讐を望んだりといった邪な考えは一切入ってない」

「君は悔しかったんだろう?」

「友達一人守れない、友達一人救えない無力な自分が」

「だから、君は強くなるためにあらゆるものを屠り、喰らった」

「そして、マリちゃんの死を免罪符として使い、自分の行いを正当化させた」

「あ…」

「…皆は君を愚かだと罵るだろうね…」

「だけど、俺はそんなことはしない」

「むしろ、嬉しく思ったさ」

「友達を失って、悲しまない方がよっぽど愚かだ」

「君にも、他人を想う心がある」

「それを示しているわけだからね」

「…起きたことは仕方がないよ」

「大切なのは、それをどう、未来に活かしていくか、だ」

「…一人で頑張って、疲れただろう」

「だから、もう休んでいいんだ」

「自分を傷つけることは、もうしなくていいんだ」

「だから、一緒に帰ろう。マシロ」

「あ…ああ…」

直下コンマが57以上で、救出成功となります(戦闘が発生するかは次の判定で決定します)。なお、今回は失敗しても戦闘になります。

成功しましたが、隠しパラメータが30あるため、直下コンマが3以下で戦闘になります。

マシロの赫子が崩壊を始めた。

「私は…弱いです…」

「…ああ。そうかもしれないね」

「だけど、それを言うなら、俺だって弱いさ」

「家族一人止められない。そんなやつが強いわけがない」

「強いとしても、それを活かすことができなければ意味がないんだ」

「…君は、力の使い方を間違っただけなんだ」

「これからは、守るために使うんだ」

「君ならできるはずだ。大切な人を失う、その痛みを知っている君なら、ね」

箱の部分は砕け、涙を流すマシロの顔が見える。

「…こんなことやった私を…許してくれるんですか…?」

当たり前だ。

家族を見捨てるつもりなど毛頭ない。

「許すよ。これからの行動に活かすなら」

「ありがとう…ございます…」

「そして…ごめんなさい…」

「手間のかかる…いもう…とで…」

そう言った直後に赫子から転げ落ちるマシロ。

今までの疲れが出たのだろう。

地面に落ちる前に抱きかかえる。

…まったく、手のかかる妹だよ。

「…で、俺らがいた意味はあんの?」

「あった…かなぁ…?」

「何はともあれ一件落着、だよ」

「怪我人が出なかったからよかったじゃないか」

「そうですね」

餌になった喰種は…うん、仕方ないね。

コラテラル・ダメージだと思っておこう。

「まぁ、これでマシロ失踪事件も解決だな」

「後のことは兄貴に任せたよ」

「じゃあな!」

「…落ち着いたら、また店に連れてきてあげなさい」

「…今回は本当にありがとうございました」

「どういたしまして。お代は次回のコーヒー代でよろしくね」

「ハハハ…。そうですね」

「気を付けて帰るようにね」

「はい」

2人の姿が消える。

…近くには捜査官が数人か。

余裕で逃げ切れるだろう。

ここで言うことではないかもしれないが、あえて言おう。

おかえり、マシロ。

キリが良さそうなので、これで終了とさせていただきます。今日はやらかしてしまいましたね…。

これからは、始める前に募集する安価の説明をした方が良さそうですね…。

次回の更新は、一週間ほど空くと思います。また、始める前日にスレをageるので、よろしくお願いします。皆さん、お疲れ様でした!

お待たせしました!今日の24時頃に再開します!

すみません遅れました!今から再開します!

わーいやったー!

どきどきだー

>>361>>362、けもフレ見れてないんですよ…。面白そうだったんですがね…。後悔中です…。


一週間後 アマナツ家

死闘になるかと思われたマシロ救出作戦も、恐ろしく感じるほどに円滑に進んだ。

隣の部屋で安らかに眠っているマシロを見れば、結果は分かるだろう。

一番の悩みの種が無くなったから、キーボードを叩く音が軽快に感じられる。

次の問題は『if』の運営と、間近に迫った学園祭の開催だ。

学園祭…というより、催し物自体は嫌いではない。

むしろ、好きだと言ってもいい。

バカ騒ぎをする人には嫌気が差すが、楽しい雰囲気を感じることができるのはいいと思う。

それに、低コストで利益を出す、ということがしやすいのも理由かもしれない。

縁日の屋台がいい例だろう。

値段が高くても、「仕方がない」と納得できてしまうのは恐ろしいと思う。

お祭り恐るべし。

っと、こんなことを考えるのは卑しいかもしれないな。

ともかく、お祭り自体は好きな方とだけ言っておこう。

「おはようございます…」

天使さんもお目覚めのようだ。

「おはよう。よく眠れたかい?」

はい、と返事をしながら、背中に抱きついてくるマシロ。

いくら家族とはいえ、中学生にもなってこういうことをするのはどうかと思う。

もっと慎みを持ってほしい。

…だが、先週まであんなことがあったから仕方ないのかもしれない。

しばらく甘えさせてあげよう。

「…温かいですね…」

「…生きてるから当然だと思うけどね」

「何て言えばいいのでしょう…」

「優しさというか…そういうのを感じます」

「…そうかい」

こういう時は、どう答えればいいのだろう。

それが、分からない。

そういえば、来週の学園祭、俺は何か予定があっただろうか。

あるのなら、準備をしておきたいところだ。


直下コンマで判定します。

1~3:優秀だからこそ、仕事がいっぱいなのだ。行動不能。
4~6:いくつか仕事を任されている。少しの間、自由行動。
7~9:できるイツキくんは全てを終わらせている。自由行動。
0、ゾロ目:むしろ休んでくださいと言われ、仕事を取られた。

では、イツキが任されてる仕事とは?↓1、2にお願いします。よっぽど逸脱したものじゃなければ、採用します。

今残っている仕事は二つ。

どちらとも、当日に行うものだ。

それに、スケジュール帳を見たところ、昼からはフリーだ。

たまには、流されるままというのも悪くはないだろう。

何気なく天井を見上げたところで、誰かの腹の虫が鳴る。

俺ではない。

となると…。

「…お腹空きました…」

…しょうがない。

食糧は残り少ないが、全部食べさせてあげるか。

マシロが食事をしている間、外に出ておく。

ついでに涼むことも出来るから、ちょうどいい。

まだ朝とはいえ、捜査官の姿はめっきり減った。

『天使』の姿が消えたからなのだろうか。

それとも、別の案件が発生したのか。

『天使』もといマシロは、かなり安定している。

もう、無差別に襲うことはないだろう。

トラウマを再発しない限りは。

マシロをどうにかできたことだし、親睦会もボチボチ進めていくべきか。

やることが多くて困ってしまう。


↓1、2に、朝の行動をお願いします。

↓1コンマで調査判定、↓2コンマで入手判定です。5以上で成功です。

情報の入手と、食糧の確保を目的として数時間行動したが、結果は芳しくなかった。

朝から行動するのは無理があったか。

喰種自体、人間の世界で生活している者以外は基本、夜まで出てこない。

接触するのすら難しいだろう。

食糧の確保も、民間人を襲うのが一番確実で簡単だ。

だが、『if』の目的上、実行することはあまり出来ない。

せめて、捜査官に絞ろうと思ったが、そもそも捜査官が見つからないというオチだ。

あまりにマヌケで笑えてきた。

だが、落ち込んでいる暇はない。

迷ったり、悩んだりしてる暇があったら、行動する方が百倍マシだ。

そろそろ昼時だ。

一時間ほど前に連絡したのに、メールが何度も送られてくる。

どれだけ心細いのだろうか。

あ、そろそろ50件を越えそうだ。

…これからどうしようか。


↓2、3に、昼の行動をお願いします。

今日の更新は、これで終了です。次回の更新は、火曜日の23時頃に行います。

もう少しスピードを上げたいですが、なかなか上手くいきませんね…。皆さん、お疲れ様でした!

あああ…。安価を踏まないように配慮したつもりだったのですが…。ごめんなさい…。自分のミスです。

上のレスと、今回のレスは安価下でお願いします。すみません…。


死体が出やすい国から食料を輸入

家族や『if』の仲間の中で、喰種だと思われているものがいないか念のため調査

すみません…。また忙しくなってきましたので、1週間ほど更新出来ないと思います…。すみません…。

生きてるかどうかといったら生きてます(瀕死)

ほんとすみません…。いきなり2ヶ月も蒸発していて申し訳ありませんでした…。

色々不幸事があったので触れる時間がありませんでした…。

来週の月曜くらいに再開できる…はずです。

お待たせしました。今から再開しますが、久しぶりなのでグダグダしそうです…。申し訳ない…。

それと、今更ではありますが、番外編はなかなか進んでおりません…。自分の脳みそ低スペックなので…。気長に待ってもらえたら、と。

今回の安価は、>>380>>381となりますが、>>380は無条件で失敗となります(明らかに現在行動できる範囲を逸脱してるので)。

これが『組織』だったらセーフだったのですが…。直下コンマが3以上で誰もバレておりません。

コンマ判定:8 セフセフ!


食糧不足を解消するために、輸入することを考えた。

が、財閥は現在マトモな行動ができない状況に陥っている。

それもこれも、あの頭がいい(はずの)エリカお嬢様が、大ポカをやらかした結果なのだが。

何らかの組織に交渉するのもアリかもしれないが、ことを起こすなら、まずは彼女を回収してから行うのがいいだろう。

今は、財閥が絡んだ行動のリスクが大きすぎる。

せめて、一度権利が手放される瞬間…CCGが屋敷を訪問するあたりまで、待機しておくべきだ。

「…そうだ、これから活動する時に、足が付いていたらマズいね…」

表向きには、メンバーは全員が一般人か、存在しないことになっている。

いちおう、メンバーの周辺状況を調べておくか。

プライバシー侵害になりそうで、申し訳ないのだが。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

結果は上々だった。誰も、喰種だと思われている人はいなかった。

マドカちゃんは、普段は半ニート状態なので怪しく思われてないかヒヤヒヤしたが、上京してきた、と皆認識していたので大丈夫みたいだ。

何でも屋を営んでいるとは聞いているが、依頼が無ければ無職と変わらないのではないか?

そんなツッコミが頭に浮かんだが、本来ものぐさな彼女にはうってつけなのかもしれない。

それにしても、依頼とはどういうものなのだろうか。

失せ物探しや迷子捜索等だったら可愛らしいのだが。

日が傾いてきたからか、ほのかに薄暗くなってきている。

…マシロは大丈夫なのか心配である。

夕方の行動を↓1、2にお願いします。

いいことを思いついてしまった。きっと、今の顔は結構あくどいだろう。

初めて会った時に貰った、仕事用の連絡先に公衆電話から掛ける。

『はい、お電話ありがとうございます。本日はどのようなご用件ですか?』

仕事モードに切り替わっていると、最初の『はい』のところを聞いただけでも分かった。

普段はあんなにガサツなのを知ってる身としては、驚嘆する。

『…どうしました?』

少しだけ面食らって無言のままでいたら、心配したのか、問いかけてきた。

ここで返事をしなければ、更に怪しまれてしまうだろう。

「いえ、少しばかり相談がありまして…」

『…分かりました。ご依頼ですね。では、内容をお聞かせいただけないでしょうか?』

これは予想外だ。

てっきり、自分の声を聞いたらすぐいつもの口調に戻るとばかり思っていた。

仕事は仕事、プライベートはプライベート、と完全に分けているようだ。

ここまで徹底していれば、身内であっても安心して任せられる。

意外な一面が見られたかもしれない。

軽い気持ちでやってみたことだが、ここまで真面目に答えられるとは、正直思ってもいなかった。

これで、『ただのいたずらです』なんて言ったら今度会った時に暗器が間違いなく飛んでくる。

対喰種用に改良されてるから地味に痛いから困る。

あんなものを生産している彼女の故郷は下手したら、CCGレベルの技術力を持っているのではないだろうか。

何を頼めばいいのだろう。

直下に、お願いの内容をお願いします。もし無ければ、こちらで進めていきます。

エリカちゃんらを迎え入れた時、彼女たちを同じ場所にいさせるわけにはいかない。

性格上の問題から、隔離…もとい、避難させておかなければならない。

疑っているわけではないのだが、それでも、懸念材料を減らすべきだと思っている。

できればこの区内の方が嬉しいのだが、そこまで高望みはできない。

「…ちょっと家が必要でして…。なるべく、人目に付かない安全な家が」

「どこか、いい場所を知ってはいませんか?」

なぜ必要なのかは伏せておく。

これは、今言っていいことではないと思ったからだ。

『…事情は分かりませんが、了解いたしました。後ほど連絡します』

そう言って、電話を切られてしまった。

直後、スマートフォンの方に電話が掛かってくる。

「もしもし」

『さっきの電話は何だよ!?いたずらなのか!?』

流石に突拍子もなかったか、と少しばかり反省する。

だが、これは大真面目な依頼である。

伝達方法がアレだったのには目を瞑ってもらおう。

『…真面目な話みたいだな。分かった。引き受ける…しかないよなコレ』

『それで、いつまでとかどの場所とかの要望はあるかい?なるべく要望に沿えるように努力はするけど』

『絶対じゃないことは憶えていてくれよ』

「…期限は3週間後、場所は14区内が望ましいけど、入手してくれたらそれで大丈夫だよ」

『3週間ねぇ…。ちと厳しいかもしれないな』

『あ、重要なことを忘れてた。いくら出せる?』

「いくら、ねぇ」

友人関係なのに、金銭を要求するのはおかしく思えるが、これはビジネスだ。

無銭で働かせるなど、違反にも程がある。

相応の対価を支払って当然なのだ。

…正直、エトのアシスタントをしているが、そこまで財政が潤っているわけではない。

なので、法外な値段は払えないのだが。

『…まぁ、今回は初めてのタイプの依頼だからなぁ』

『いつもは臨時のウェイトレスとか失せ物探しとかだし』

結構可愛らしい仕事であったが、他にも何かしている可能性がある。

「他には?」

好奇心には勝てない。だから聞いても仕方ない。

『んー…。要人警護とか暗殺かな』

『忍者らしいだろ?』

へへっ、と可愛らしく笑うマドカちゃん。

普段はアレだが、彼女はれっきとした忍者なのだ。

こういう仕事をしていても当然だった。

『…とりあえず、10万くらいは貰うよ。こればっかりは親父とかとも連携しないと無理っぽいしな』

「了解」

『事態が進展したらまた連絡するよ』

そして通話が途絶えた。

彼女も手を汚していることは知っていた。

喰種が生きるためには、人を喰らう必要があるから。

だが、仕事としても汚しているのは予想外であった。

「…やはり、喰種が生きるには、少々厳しい世界みたいだね…」

他の喰種は、何を思っているのか。

それを知りたいと思ったひと時だった。


夜の行動を↓1、2にお願いします。

今日はこれで終了です。次回は今日の24時くらいになると思います。皆さんには迷惑を掛けてしまい申し訳ありませんでした…。

今日はお疲れ様でした!安価を踏んでいたら下にずらします。

おつおつ

安価ならマシロの様子を見に帰る

数日開けて申し訳ありませんでした…。これからの行動安価は一つだけにしようと思います。

一日に何度も行動してたらすぐやることが無くなりますし…。今回は三時くらいまで進めたいですね。

採用するのは>>400です。直下コンマが3以下で取り乱し中です。

コンマ判定:8 めっちゃ元気に積みゲー消化してました。精神は現在完全に安定してます(次回より外出時の判定なし)。

そういえば、昼はあんなに通知があったのに、今は完全に途絶えている。

嫌な汗が首筋を流れる。

流石にそれはない、と言いたいが、前の不安定具合を知っていれば、そうは言えなくなる。

周りに誰もいないことを確認して、地面を蹴る。

ここからなら、10分も掛からないはずだ。

道中に捜査官がいたが、避けて通るのも面倒なので峰打ちで済ませておいた。

たぶん2分もすれば気が付くはずだ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

玄関に到着して、まず気になったのは、異常に部屋が暗いことだ。

とはいえ、何やら電子音が聞こえることから、マシロがいるのは間違いない。

安心して、家へと入ったら、いきなり布団に包まれて拉致られた。

布団をこじ開けると、そこには笑みを浮かべたマシロの顔が。

妙に怖い。これは絶対何かを企んでいる顔だ。

「おかえりなさいです。では、一緒に遊びましょうか」

そう言って、マシロはコントローラーを手渡してきた。

テレビ画面には、某FPSゲームのデモムービーが映っている。

「…俺に何をしろと」

「気になって仕方がなかったんですよ?だからその償い的な」

その割には、ソフトのフィルムがゴミ箱に捨てられていたが。

おそらく、遊ぶための口実だろう。

「…分かった分かった。それで、俺は何を担当すればいいんだい?」

「前線で壁になっててください」

あ、これただの肉壁だ。

一週間後


あの日は結局、10連勝したあたりで部屋から蹴られたので、色々なゲームで遊んでいた。

殆どの時間がモン〇ンに取られていたが。

どれだけフレーム回避を連発するのだろうか。

頑張った結果、数発当てた程度で終わってしまったから正直悲しい。

マシロに付き合っていたら、朝まで対戦してたのだから笑いものだった。

流石に頭痛が酷かったので、その日の講義は地獄だった。

意地で小テストは満点を取らせてもらったが。

さて、今日は待ちに待った学園祭だ。

点検は全て済ませたので、今日の仕事は午前の見回りだけである。

喧騒が凄まじいが、怒号自体は聞こえてないので、結構気楽に見回りができている。

そういえば、今日の学園祭には誰か来ているのだろうか。

直下コンマで来てるメンバーの簡単な判定です。

1~3:誰も来てない。かなしみ。
4~6:『if』主要メンバーはいた。
7~9:塾生も来ていた。ただしお嬢様、テメーはダメだ。
ぞろ目、0:『あんていく』組やエト、タタラさんまで勢揃い。
00:まさかの有馬さんが警備(は建前で楽しみに来た)してる。

コンマ判定:6 『if』幹部勢揃い。

次に、何かアクシデントやハプニングが起きたかの判定です。直下コンマ5以下でアクシデント発生です。

それと、この大学に通っているミユさんの仕事も↓2で募集します(お任せも可)。

見回りを続けているが、特に目立ったことはなかった。

何か喧嘩でもあったら面白かったのだが。

見回りの途中に、いくらか飲み物や料理が差し入れされた。

残すのは不自然なので素早く食べて、ありきたりな感想を言う。

マシロが殺意を込めた目で、相手を睨んでいたので、それを隠すのも忘れないようにした。

どれも世界の悪意を凝縮したような味しかしないので困る。

だが、振舞われたコーヒーだけは美味だった。

これくらいの味を出してみたいものだ。

インスタント頼りな自分では無理な話だが。

「あれ」

校舎の中に入ると、そこには見知った顔が揃っていた。

「この子がツッキーのСестра(妹)ですカ。とってもМило(可愛い)ですネー!」

「お初にお目にかかります。私はイツキさんの友人のマドカと申します。以後お見知りおきを」

「どもども、俺はマンバローって名前だよ。こんな見た目だけど引かないでほしいな。ホントマジで」

「ふふ、成長してるわねぇ。ま、貴女は憶えていないでしょうけど。ワタシはキヨノリよ」

「………」

お願いだから、目立つようなことはやめてほしい。

ヨスケさんはまだマシだ。何も喋っていないから存在感ゼロだ。

だが他の四人はヤバい。

オカマにヤクザ(風のおじさん)、ロシアとのハーフと和服少女。

どう見ても異端です本当にありがとうございました。

「…お兄さん」

声の温度が完全に違う。

これには俺も苦笑いすらできない。

「詳しく…説明をお願いしますね?」

あの時から、マシロがちょっと変になった気がする。

マシロへの説明は、『ちょっとした仕事をした時の協力者で、その時から個人的な付き合いをしている』とだけ伝えておいた。

事実を知ったら、間違いなく参加しようとする。

それだけは避けておきたい。

「…なるほど。そういうことでしたか」

理解していただいたようで何よりだ。

まだ見回りが残っているので、マシロを彼らに預けて校舎を進む。

「先輩」

三年生が担当しているところに差し掛かったあたりで、声を掛けられた。

「ん?…なんだミユちゃんか」

「急に呼び止めて申し訳ありません」

「あぁ、それなら気にしてないから」

この程度のことで気にするのはバカバカしい。

「それよりその恰好…」

気になったのは、彼女の恰好だ。

ステレオタイプのメイドにしか見えない。

「私の学科はメイド喫茶でしたので」

「私はなし崩し的に選ばれました。昼には終わりですが」

「先輩は、クイズ大会に参加するんですか?」

今回の学園祭では、一般のお客様も参加できるクイズ大会が開催される…と企画書に書かれてあった。

その時は予定が分からなかったので、いったん参加は保留にさせてもらっていた。

「…君は参加するのかい?」

「はい。これは裏で勝手に進められてました」

「嫌なら断ればよかったのに…」

「そうできない流れでしたので」

「あと一名、大学側から出場させたいらしいのですが、どうでしょうか?」

ぶっちゃけ言うと、これからの時間はフリーだ。

別に、大会に参加しても問題はない。

…優勝することが義務のようになるのは問題か。


参加するかを直下にお願いします。

時間潰しにはちょうどいいし、引き受けてもいいだろう。

「…じゃあ俺も参加するよ。いい暇つぶしになりそうだ」

そもそも、優秀な人ばかりなこの大学の学生を、クイズに参加させる時点で、クリアさせる気は無いな。

参加するのを決めていてアレだが。

「ではそう伝えておきますね。会場には遅れないように来てください」

「ん。分かったよ」

さて、どれくらいのレベルの問題が出るのだろうか。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

開始時間ちょうどに会場に到着した。

見た限り、観客席に『if』幹部らはスタンバイしているようだ。

一言も伝えていないのだが。

「さあいよいよスタートとなりましたクイズ大会!」

「参加者は総勢32名!全員知識に自信のある方たちです!盛大な拍手をお願いしまーす!」

思いのほか、観客が多い。

外の観客席は満員で、凄まじい熱気が伝わってくる。

システムはこうだ。

まず一回戦で8名に絞られ、準決勝で二名に。

決勝戦は1対1のタイマンである。

一番手なので、俺はステージへと登るが、おかしい。

「ふふふ」

ドウシテアナタハソコニイルンデスカ?

「兄さんいるところにマシロあり、です」

もうやだこの妹。もはやヤンデレだ。

その片鱗は前から見せていたことに気が付いて、軽く絶望した。

マシロにはもっとまっとうに生きてほしかった…。

「では出題を始めまーす!」

地獄の戦いが今、始まった。

本日の更新はこれで終了です。次回は再来週の月曜あたりになりそうです…。申し訳ありません…。

夜遅くまでお疲れ様でした!皆さんも健康第一でお過ごしください!

だいぶ遅れましたが、今からチマッと再開です。直下コンマが3以上で一回戦突破です。

コンマ判定:8 余裕のよっちゃん


「第一問!現時点で最も古い人類とされている種族の名前は?」

手を顎にあてて少しの間黙考する。

最古の人類には候補が二つあり、アレが含まれるか、によって答えが変わるのだ。

マシロが一番に解答ボタンを押す。

「あ、アファレンシス!」

「残念!」

何だよそれ、という言葉がチラホラ聞こえる。

マシロは間違えたのが恥ずかしいようだ。

赤面した顔を隠している。

「アウストラロピテクス」

他の人がドヤ顔で答えるが、そもそも年代的にはアファレンシスの方が古い。

少々卑怯な手になるが、答えないよりはマシか。

「おっと!ここで優勝候補のイツキさんが解答です!」

「…答えは二つです。解答としては不適切ですが、仮説を入れるか、によって答えが大きく変わりますので」

「…では仮説の方からお願いします」

「…仮説を有効とするなら、サヘラントロプス・チャデンシスが最古の人類ですかね」

「これは、大後頭孔…脊髄の通る穴が下方にある。つまり、直立していた可能性が高い、ということになります」

「…しかし、生息年代があまりにも古すぎるので、脚の化石、および、足跡化石が未だに発見されていません」

「故に、仮説の域を出ないのです。人類として確定しているのはアルディピクス・ラミダスですね」

司会の顔が固まる。俺は失敗したのだろうか。

「あ、えーっと…。正解ではあるんですけどねぇ…。そのー…」

しどろもどろに話す司会。どうやら、予想外の解答だったようだ。

「…まぁ、不正解でもいいですよ。取り返しますので」

「…正解を言ってるし、もっと詳しいことを知れたから正解です!」

正解したのならいいが、そもそもこれは何点取れば勝ちなのだろう。

7問ほど進んだところで、リーチが掛かる。

どうやら5問正解で勝利のようだ。

何問か落としてしまったが、ソロゲーの内容なんか知らないから仕方がない。

アルカキルティ大平原(FF13-2Ver)で戦えるシ骸を7匹答えろ、とかそういう問題を出されても困る。

「さぁ、イツキさんは勝利することができるのか!?8問目です!

「骨g」

「テクネチウム」

「せ、正解…!イツキさん、準決勝進出でーす!っていうか答えるの早すぎでは」

最後の問題は基本みたいなものだから、当たって当然だ。

「む~…。負けました…」

「…マシロはまだ中学生だし仕方ないさ。知識自体の差は、埋まらないよ」

「元ですけどねぇ~」

拗ねてらっしゃる。こうなったら長いから困る。

「はぁ…。帰りに何かゲーム買うからそれで手打ちにしてくれ」

「言質取りましたからね?やりました♪」

「…高いゲームを選ぶのだけは勘弁してよ…」

「~♪」

ステージを降りてどこかに消えたマシロ。

お兄さんは君のことがよく分からないよ。

ちなみに、準決勝は完封した。

一般常識なら負ける気はしないからね、仕方ないね。

「…レディースアーンドジェントルマン!いよいよ決勝戦です!」

「ぶっちゃけ予想通りのメンバーですが、まぁそのへんは許してください!」

「なんせ二人ともこの大学随一の頭脳を持った化け物なんで!」

「向かって左の席に座るのは、誰が呼んだか『人間ヴェーダ』!」

「思考が10年先を行ってると言われても納得できる正真正銘のチートヒューマン!」

「経理や設営、人間のする仕事なら何でもござれな白髪マン!天奈津 樹!」

「…帰りたい」

ここまで注目を浴びるとは思わなかった。

横をチラリと覗いたら、いつになくやる気な顔をしたミユちゃんが。

何だというのだ。

「右に座るは、我が大学が誇るクールビューティー…。人呼んで『アイスプリンセス』!」

「彼女に解けない問いはない!その眼差しに堕ちた男は星の数とも言われている…。天音 実結!」

「そんな呼び方初めて聞きましたが…」

「今考えましたから!」

司会のドヤ顔は何だろう、凄く殴りたい顔をしている。

それを差し引いても、ここまで口上がペラペラと出てくるのは称賛に値するが。

テレビ出演を考えてもいいレベルだと思う。美人さんだし。

「…ッ!?」

底知れぬ殺気がいきなり向けられる。

向けられた方向を見ると、マシロが笑ってる。

怖い。マジ怖い。

「先輩」

「な、なにかな?」

意識をずらせたのはありがたい。ホントありがとう。

「負けませんからねっ」

今日も一日頑張るぞい!と言ってるような感じで宣戦布告をされた。

彼女にしては珍しく無邪気な感じがする。

ともかく、宣戦布告をされたのなら全力をもって応えるしかないだろう。

「へぇ…。じゃあ、俺も叩き潰す気で行くけど、いいかな?」

「ええ。貴方にどれほど歯が立つか、試させてもらいます」

「いや~すでに火花が散ってる気がしますねぇ」

「今回は三問先取で勝利となります!では、第一問!」

遥か未来のチートコンピューターと、姫君の戦いが、今始まった。

本日はこれで終了です。次回は木曜日くらいになりそうです…。短くて申し訳ありません…。お疲れ様でした!

更新できなくてすみません…。今日の夜は更新できます。すみません…。

お待たせして申し訳ございません…。今から再開です。仕事中にも問題を考えていたけど思いつかない…。

今回はコンマ三回取得で勝利です。直下コンマで判定します。5以上で取得です。

人間ヴェーダ:+2
アイスプリンセス:-1

「トルネコの大冒険3に登場する石像の中で、『魔物の巣』にのみ出現するものは?」

「無理」

マシロがやっているゲームなのは憶えている。

だが、魔物の巣とやらがどんな所なのかすら分からない。

ましてや、その中に出現するオブジェクトなど知る由もない。

「インパスの石像とゴールドの石像です」

「正解!」

驚いた。どうやらミユちゃんはゲームにも精通しているようだ。

「いえ、ただお父さんがしていたのを見ただけですので…」

「このゲーム、だいぶ昔のゲームだったんですがねぇ」

「しかし、流石の人間ヴェーダも、サブカルには対応できないか…!?」

「…ゲームなんてそこまでしないからね」

対戦系のゲームを少し齧った程度なのに、過剰な期待をされても困るのだ。

「まぁ、これから挽回の機会はあるので大丈夫大丈夫!」

「二問目行きますよー!」


さっきと同じ条件で直下コンマ判定です。

「英語で言えば『moment』、日本語で言え」

「1/75秒」

「正解です!」

問題に出すくらいなら、多少の変化球を投げてくると考えていて正解だった。

その裏をかかれる可能性もあるのだが。

「ちなみに、問題の全文は「英語で言えば『moment』、日本語で言えば『刹那』と言われている、仏教の時間の概念がありますが、
『阿毘達磨大毘婆沙論』で比定されているのはいくらか?」でした!」

「…早いですね。私はもう少し聞かないと判断できませんでした」

「…まぁ、こういうので名前を聞くのは安直すぎるかな、と考えただけだしね」

「…単位としても、ある程度の範囲がある方を聞くのは、問題として微妙な気がするし」

「流石先輩です」

「特に凄いことではないと思うんだけどね」

こんなことを知っていても、社会で役に立つとは到底思えない。

ならなぜ知っているんだ、っていう話になるわけだが。

「そーいうのはクイズ大会中に言うのはタブーですよ!タブー!」

「ん、そうかい。なら気を付けるよ」

「正直すぎて逆に心配になってきました」

俺は心配されるほど情けないのか…。

「えっと、落ち込まないでほしいんですが…」

「…落ち込んでいるわけじゃないさ」

少し、考え込んだだけである。

「気を取り直して、三問目に入りますよ!」


直下コンマが5以上で取得です。

人間ヴェーダ:+2
アイスプリンセス:-1

「これは簡単かもしれませんね…。磁束密度の単位にもなってい」

「ニコラ・テスラ」

「正解!しかし解答するのが早すぎですねぇ」

「私は磁束密度とか聞いたことないですよ」

「答えを絞るのに時間がどうしても掛かるからね」

「もう少し早く答えられたはずなんだ」

「もうやだこのチーター」

「…もう後がない…」

「…そこまで気負う必要はないんだよ?」

所詮余興の大会だ。優勝したところで何かメリットがあるわけじゃない。

「…貴方の心に残るくらいの存在になりたいんです…」

「えっ?」

外野の喧騒が凄まじいせいで、聞こえなかった。

喰種の聴力でも捉えられないほど騒がしいのは恐ろしい気がする。

「…ちょっとミユさんの気迫がヤバいですね…。このまま逃げ切るのか…?それとも喰らい付くのか…?第四問!」


直下コンマが5以上で取得です。 これを取れれば勝利となります。

人間ヴェーダ:+2
勝利直前:+1
アイスプリンセス:-1

「悪魔の証明として名高い『フェルマーの最終定理』ですが、とある哲学が」

「ラングランズ哲学」

「ッ…!」

「…せっ、正解です!欠点を補って余りある凄まじい知識量!」

「これには私も恐怖してしまいます。いやおかしいでしょうなんでそこまで速く答えられるんですか」

そんなことを言われても、知ってることをそのまま使ってるだけだから、説明のしようがない。

「何はともあれ、クイズ大会はイツキさんの優勝で終わりです!」

「参加者の健闘を称え、盛大な拍手を送りましょう!」

「…疲れた」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「最後の問題の意味が分からなかったんだけど…」

観客席にいたマドカちゃんたちと合流する。

他の人には、席を外してもらった。

「…俺の推測だけど、「ある哲学がきっかけとなって証明されました。その哲学とは?」っていう問題だったんだろうね」

「…?つまり?」

「…ラングランズ哲学っていうのは、「全部深い所で繋がってるんじゃないか?」ってことだよ」

凄い簡単にしたけどね、と付け加える。

「よく分からん」

「…だろうね」

「…例の件はどうなってる?」

「んっと…」


直下コンマが5以上で候補(チンピラ喰種が占領中)、7以上でマドカ一派が制圧しています。

忍者:+1
家族もお手伝い中:+1

コンマ判定:7 できるニンジャは格が違った

セーフハウスの場所と特徴をお願いします。場所は直下、特徴は↓2です。おまかせで良ければおまかせ、とお願いします。

先に場所を決めた方が特徴も決めやすいですかね…。場所のおまかせは…。コンマ神様におまかせとなります。直下です。

1~3:1区~4区、11区 スーパーヤベェどすばい
3、5:その他の区 危険かもしれないし安全かもしれない
5~9:14区or20区 あ ん し ん
0、ゾロ目:24区 死 ぬ が よ い

あ…見たら範囲地味にミスってますね…。次にどちらの区か、の判定です。直下コンマが奇数で14区、偶数で20区です。

待っていても来なさそうですし、眠気も限界に到達したので、このレスのコンマを採用します。

特徴は直下に書いてもらえたらOKです。おまかせにしても大丈夫です。自分で考えますので…。

次回は今週の水曜日予定です。更新が遅れて申し訳ありませんでした…。遅くまで、お疲れ様でした!


セーフハウスってえと大きな橋のたもとに建ってる、雨露がしのげる程度のプレハブ小屋しかないっしょ(偏見)

>>449、あぁ^~いいっすねぇ^~。もっと酷い目に遭ってもらいましょうか(ゲス顔)。

今から再開しますが、コンマ次第でキャラメイクが発生するかもです。

思案しているような声を出しながら、マドカちゃんは胸元に手を突っ込む。

こんなところを見られたら警察沙汰だ。

流石に、猥褻罪で捕まるのだけは嫌だ。

「っと…。やっと取れた」

「この紙に詳細は載ってる」

紙を受け取り開こうとすると、マドカちゃんが申し訳なさそうな顔をしている。

「あー…。時間が無かったからさ…。ショボい場所しか確保できなかった」

「ゴメン…」

「…いやいや、期限は再来週だよ?」

「むしろここまで早く仕事を終えてるだけで、称賛するレベルだよ」

「そうは言ってもなぁ…。パp…ゲフン、親父の助けがあってこそだったし…」

「…親父さんは強いのかい?」

「…化け物さ…!勝ち筋が一切見えないくらい強いよ…!」

「まぁ、指名手配とかはされてない無名の喰種だけどな」

そこまでの実力を持ちながら、指名手配されてないのは不思議だ。

「俺の家系は忍者だからな。情報抹消なんてお手の物なのさ」

「それより、早く確認した方がよくないか?」

「あ、そうだね」

マドカちゃんに促され、紙を開く。

そこには「14区 波羅勝橋 プレハブ小屋」とだけ書かれていた。

「何に使うかは知らないけどさ、もっといい所の方が良かっただろ?」

「…いや、あの子にはここが相応しいよ」

「あの子が誰かは知ったこっちゃないけど。まぁ、依頼主の期待に応えられたならそれでいいか」

「ありがと」

「気にすんなよ~」

「…ツキさんに用がある人がいるし、俺は帰るよ。じゃな」

「用…?」

視線が気になって後ろを振り向くと、ミユちゃんが立っていた。

「お時間はおありでしょうか?」

「いきなりそんなことを言われてもね…。何の用なんだい?」

俺がそう聞いた瞬間、何やらミユちゃんはモジモジし始めた。

何だというのだろう。

「あのっ…。その…。夜時間が空いているのなら、夕食を一緒にしませんか…?」

「ゴメン理解が追い付かない」

大学内で、授業のことや経済のこと、職場見学会の感想について話し合ったことは何度もある。

だが、彼女に食事に誘われたのは初めてだ。

他の人にはたまに誘われるが、うまく帳尻合わせをして丁重に断ったり、仕方なく参加したりはしているが。

「今日のクイズ大会の打ち上げです。と言っても、私たちだけですが…」

「無理だったり、嫌ならいいんです…。はい…。

「急に言われたからなぁ…」

まさか今日、誘われるとは思っていなかった。

参加してもいいのだろうが、その時はマシロに連絡しなければならない。

もし、マシロが連絡を聞いて暴走でもしたら…。

ああ恐ろしい。

地獄が始まってしまう。


直下コンマが奇数で二人きりの打ち上げ、偶数で人数が一人追加されます。

↓2に、参加するか否かをお願いします。(マシロが暴走する可能性は)ないです。

あんなことがあったとはいえ、今のマシロなら暴走はしないはずだ。

…だよね?

断る義理はないし、ここで断って疑われても困る。

「…俺は構わないよ」

「…!そうですか…!」

そんな笑顔になることだろうか。

「…場所はどこなんだい?俺はそこまで食べない方だから、少ない所ならありがたいんだけど」

「あ、もともと二人でやる予定でしたので、レストランの個室をお借りしてます」

「うん、正装必須の高級店だね」

お金はそこまであっただろうか…。

ダメだ、通帳を見ても20万ぽっちしかない。

「いえ、個室の大衆向けレストランとかあったらウケるんじゃね?という考えで建てられた店です」

「ですので、いつも通りの恰好で問題ないですよ」

「そんな軽いノリで建てちゃうかぁ…」

人間とは分からないものである。

「場所は駅横のビルの3階です。それではまた」

「ん。またね」

約束の時間になったので例の場所に向かうと、すでにミユちゃんは待っていた。

「…ゴメン。待たせたみたいだね」

「いえ、問題ないですよ」

「では入りましょうか」

店員に導かれ、個室へと案内される。

内装は昔のカフェを彷彿させる木製の物がメインで、非常に落ち着くいい部屋だ。

料理も大衆向けなだけあって、和洋中全てをバランスよく揃えている。

人間にとっては美味しい物なのだろう。

喰種の味覚では、何を食べても不味く感じてしまう。

「…俺はコーヒーと鯖の塩焼きセットで」

「私はウーロンハイとエビドリアをお願いします」

「…そういえば、ミユちゃんは成人してたね」

「お酒には強い方なのかい?」

「弱い方です」

ノータイムでキッパリ言っちゃったかぁ。

「ですが、限界の量は自覚していますので」

「一、二杯ほどで済ませますよ」

「そっか」

会話が途切れ、静寂が訪れる。

お互い、そこまで会話は得意じゃないので、案外助かっている。

「お待たせしました。鯖の塩焼きセットとエビドリア」

「…美味しそうだね」

「ですね」

「「いただきます」」

パリパリに焼けた皮に、箸を置く。

すると、フワフワの身に箸が沈んでいく。

一口分摘まんだ後、白飯の上に乗せ、口に運ぶ。

慣れてはいるが、どうしようもないほど不味い物質を素早く呑み込み、咀嚼しているフリをする。

限界が近づく度に、不自然に思われないように、コーヒーを飲む。

「あ…。このコーヒー、焙煎からしてるのか…」

家で飲むのに比べたら、明らかに香りとコクが違う。

ここまで本格的なコーヒーが200円で飲み放題。

これから、暇な時はここで勉強しよう。

「んっ…。ぷはぁ…」

目の前では、ミユちゃんがウーロンハイをショットグラス一杯分だが、一気に飲み干す。

大丈夫なのだろうか。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

食事を開始して20分。

すでに料理は平らげており、進路について話し合っていた。

「先輩は未定なんですね」

「まぁ…ね。まだ時間は残ってるからさ」

「ゆっくり決めていくよ」

「先輩は引く手数多ですからね」

「そうでもないよ」

「…君は何を目指してるの?」

「私は小説家ですね」

「え」

彼女が専攻しているのとは真逆で驚いた。

「…小学生の頃に読んだ小説のおかげで、私の世界は広がりました」

「その時の感動を、私は忘れていません」

「…他の人にも、感動してほしいんです」

「…いい夢だと思うよ」

「俺なんかより、ずっといい」

「いえ、あなたも素晴らしいですよ」

「…むぅ」

どうやら、俺は口で勝つのは苦手のようだ。


特殊判定です。直下コンマが5以上で…?

「あの…」

「ん?」

「…いえ、何でもありません」

何でもないにしては、妙に暗く感じる。

…深入りしない方がよさそうだ。

「…もうすぐ10時だね。お開きにしないかい?」

「そうですね…。本日は急なお誘いだったのに、本当にありがとうございます」

「こちらこそ。今日は楽しかったよ」

会計を済ませ、店を出る。

人通りはすっかり無くなっており、閑散としている。

「…家まで送るべきかな…」

女性一人で歩くのはあまりよくないだろう。

こんな情けなさそうな男でも、いるだけでだいぶ違うはずだ。

「…はい。いえ、そういう関係では…。まだ…。…分かりました。はい」

「お父さんが近くの駐車場で待っているそうです」

「あ、ならよかった」

明らかに会話がおかしかったが、きっと勘違いだろう。

「また今度、大学でお会いしましょう」

「うん、今日はお疲れ様」

ミユちゃんを見送り、通知欄を確認する。

「…今日も徹夜かぁ…」

どうやら、打ち上げはまだまだ終わらないようだ。

ゲームの中ですら打ち上げられるとは、今の俺は予想すらしていなかった。

ヒルドルブにライザーのBD格はやめて。

次のイベントは、二週間後のお嬢様回収のための奇襲(モドキ)作戦ですが、直前まで時間は飛ばしますか?

少しアンケートを取りたく思います。

もう夜も更けてますので、今日はこれで終了にします。スキップするかどうかは、次回更新まで意見を受け付けます。

次回の予定は来週火曜日です。次回の更新では、キャラメイクは確定で行います。お疲れ様でした!

>>459、たしかに、あまり交流していないですね…。次回あたりにでも投下できたらしますね。

お待たせしました!今から再開します!

とうとう、草野財閥の一斉摘発の日がやってきた。

あと一時間ほどで捜査官が屋敷に到着するだろう。

それまでに、エリカちゃんや物資を回収しなければならない。

今回の作戦は、俺一人で行う。

フットワークを軽くするためなのと、このことを知ってるのは組織の中で自分だけだからだ。

彼女のことが漏れたらマズいので、そのリスクを最小限に抑えるための措置だ。

「…時間だ。手短に済ますか」

赫子を出し、屋敷の壁に六つの穴を空ける。

続けて、鉄球状の赫子をぶつけ、壁を吹き飛ばす。

屋敷内部に入った後は、足元を幾つか破壊して退路の確保と妨害を行う。

「よし。これで逃げるのは簡単だ。…っと」

警備の喰種だろう。勢いよく飛ばされた赫子を回避し、破壊した穴に入り込む。

下に降りたら、喰種のいる場所を確認し、走る。

自分を追って穴を降りてきた喰種に、赫子を撃ち出す。

「ぐあっ…」

赫子は四肢と赫包は貫き、貫かれた衝撃により喰種は壁へと吹き飛ばされる。

「…あちら側も、このことを知っている人は殆どいないから襲われて当然か」

歩きだそうとした瞬間に気配を感じたので、その方向を向く。

「…あ、イツキさんでしたのね」

「…お嬢様がそんなことするのはどうかと思うよ」

すると、上に空いた穴から頭を出してこちらを覗いているお嬢様がいた。

「…準備はできてるの?」

「…お金以外は」

「…後で金庫を壊すから大丈夫だよ」

「化け物ですか…」

「というか、壊すまでもないと思うけどね」

そのための道具も、幾つか用意している。

今からキャラメイクに入りますが、まずは人数を決めます。直下コンマで決定します。

1~5:一人
6~9:二人
0、ゾロ目:三人
00:化け物三人衆

今回味方になるのは二人です。まずは一人目から。直下に性別をお願いします。

次に外見です。これも直下でお願いします。

ヒップホッパー風
(デカTシャツに腰パンに平行帽)

>>478、チャラそう(小並感)

次に性格です。これも直下でお願いします。同時に、直下コンマでNT力の判定もします。

この人って人間よりも感覚鈍いのではないだろうか…。

次は喋り方です。これも同じく直下でお願いします。同時に戦闘力と赫包の判定も直下コンマで行います。

赫包は直下コンマの下一桁/2した数です。小数点以下切り上げとなります。

うーん…。Oの意味が分からないですね…。いったん保留にしましょうか。

名前を直下でお願いします。これで一人目の設定は一回終了にします。直下コンマで好感度も判定します。

すみません…。寝落ちしてました…。今回の更新はこれで終了です。本編が進んでなくて申し訳ない…。

次回の更新まで間があるので安価を投げておきます。もし合わないものがあれば、その都度下にずらします。

↓1は性別、↓2は外見、↓3が性格とコンマでNT力、↓4が喋り方とコンマで戦闘力と赫包、↓5で名前と好感度です。

あと、仁の喋り方を再度安価です。↓6でお願いします。

次回の更新は火曜の予定です。皆さん、お疲れ様でした。それと、寝落ちして申し訳ありませんでした…。

変な書き込みをしてしまった、赫包は決まってないようなので鱗赫で。……安価取ったことになるならだけど


二人目のジンか

>>494、赫胞の種類等を決める安価はまだです。前回の安価はあくまで数だけですので…。誤解を招いてしまったのなら申し訳ありません…。

>>496、たしかに2人目ですね。今回はマシロも暴走してないので、しぶとく生きてくれるでしょう。何より強いですし。イツキがプッツンしたら消し飛びますけど!

明日の更新時に、今回追加されるキャラについて軽くまとめたものを投下する予定なので、その最後の仕上げ的な感じのことを今からしようと思います。

↓1、2に仁くんさんの赫子の種類と特徴、↓3に陽羽ちゃんさんの赫子の種類と特徴をそれぞれ一まとめにお願いします。

例:甲赫 エク○カリパーみたいなのがニョキニョキ生えてる…などなど

あと、仁くんさんと陽羽ちゃんさんの年齢の設定です。大雑把でもキチッとしてても大丈夫です。↓4が仁くんさん、↓5が陽羽ちゃんさんでお願いします。

ゾロ目が出てるので、直下コンマ分陽羽ちゃんさんのNT力に加算されます。

安価だけ投げて皆さん頼りな感じになって申し訳ないですね…。もっと円滑に進められるように努力しなければ…。

お待たせしました。今から小話と新キャラまとめを投下して再開です。

小話 運命の邂逅~ヤンデレとヤンデレ~


今日は休日。

つまり、マシロと強制お出かけの日だ。

向かう場所はラウワン内のゲーセンで、目的はマキブオンだ。

嫌って言ったら泣いちゃうから断れないよね。

肝心のマシロは超ご機嫌だ。

ポニテが上下にブンブン揺れている。

「今日は何連勝できますかね~」

「…そんなの誰にも分からないよ。ガン逃げされたら勝つことも厳しいし」

「まぁ、お兄さんと一緒だから絶対負けませんけどね」

残念ながら、俺はそこまで強くありません。

最善と思う行動を取っているだけなので。

「うわー…。多いですね…」

「当然だよ」

休日なだけあってゲーセンエリアは大繁盛だ。

やはりと言うべきか、この場所には殆ど女性がいないので、マシロに注目が集まっている。

見た目は中学生だから珍しい、というのもあるだろうが。

待ち時間の間、家で静かに積まれていた本を読み進めていく。

「お兄さんは何を使いますかー?」

「…Zで。あと抱き着くのはやめてね」

「嫌ですー…はふぅ…」

他の客の視線が凄い。

10回くらい死んでもおかしくないくらいの殺気を感じる。

横を通るたびに舌打ちするのもやめてください。

「…今舌打ちした人たち憶えていてくださいね…」

「マシロ、ステイ」

早く順番は回ってこないだろうか。

このままでは、遊ぶ前にマシロがパーティーしてしまう。

暴走しかけるマシロを抑えていると、やっと順番が回ってきた。

俺はZ、マシロはクアンタフルセイバーで、基本的には俺が支援、マシロが荒らしを担当している。

異常なまでにマシロの反応は早く、俺は中距離で弾を撒いていたら勝手に終わる。

「ふふっ、まずは軽く7連勝です」

次の戦闘で強制的に終了になるので、荷物をまとめる。

次の対戦相手は片方がCPUだった。

「アルケーとデルタプラスか…。とはいえ、デルタプラスはCPUだから相手はアルケーだけだね」

「私がやりますね」

「ん」

案の定、瞬殺だった。

勝負が決まった瞬間、聞いたことのある声が聞こえる。

「あーっ!一発も当たらないとかマジっすか…」

「…エト?」

「…おおぅ!?イツキくんじゃないか」

「…ずいぶん可愛らしい彼女さんですな」

「…妹ですよ」

「…カブってる」

何がだろう。

「立ち位置がカブっています!」

「同感だねぇ」

「何となくですけど、このままじゃ、お兄さんの隣の位置が女狐に奪われそうな気がします!」

「それを言うなら私のパートナーがガキンチョに占領されそうなんじゃが」

「私のお兄さんですー!」

「いいやッ!私のパートナーだねッ!」

…話についていけない。

「…あなたも匂い的に喰種っぽいですし、ここで勝負しますか」

「乗った。生き残った方が伴侶っていうことで」

「それでいいです」

俺の意志は無関係なのか。

「危ねぇぇぇぇ!」

マシロが答えた瞬間、エトの頭を羽が横切る。

間一髪で、エトがしゃがんで避けた形だ。

近くの観客は…。

真っ黒焦げだ。

「躊躇なしとかマジですか…。っていうかその赫子ヤバいでしょ」

エトも対抗して赫子を出すが、マシロの方が圧倒的に危険な感じがする。

「いやー。目と目が合う瞬間殺すと決めましたから」

「はっはっは。私を殺すとか大きくd…ってうおぉぉぉお!?」

「…チッ」

「あんなのマトモに食らったら死ぬわ!かすっただけで腕両方とも飛んだじゃないか!」

マシロの赫子から放たれた電撃は、エトを覆う怪物のような赫子を根こそぎ吹き飛ばす。

すでにラウワンは崩壊している。

「…どないしましょ。私が勝てる気しないんだけど」

目を少し離していたら、エトの周りをマシロのビット赫子が囲んでいた。

それに対して、エトの赫子は肩のブレード一本のみだ。

…無理やりにでも止めるしかないな。

「それじゃ…。さよならでs」

「あふんっ」

少し強めに赫子を二人の首に当てる。

意識を飛ばすくらいで済んだはずだ。

瓦礫の上で、近づいてくるサイレンの音を聞きながら、一人呟く。

「ヤンデレって怖いなぁ…」

この怒りの矛先が自分に向かないよう、頑張ろう。

でないと、俺が死ぬ気がする。


~Fin~

超短編ですみません…。相変わらずの駄文ではありますが、少しでもご期待に応えられたのなら幸いです。

次はまとめ投下です。

草野 仁 種族:喰種 赫子:羽赫&尾赫 14区在住 備考:赫者(不完全)

ステータス 戦闘力(84) NT力(04) 好感度 イツキ(08)


あの高飛車お嬢様エリカの弟で、どういうわけか道を踏み外している。本来は後継者だったのだが、絶賛グレ中。

実は小心者だが、それがバレたら情けないと思っているので、よく大言を吐いてハッ!と笑い捨てている。

このSS二人目の仁で、初代と違って戦闘力は圧倒的に高い。が、感覚はアホみたいに鈍い。後ろにコッソリ移動しても気付かない。

姉とは違い、人間でも喰種でも美味しくいただくタイプ。小心者らしく、ピンチと思ったらスタコラ逃げる。

姉には全く頭は上がらなく、姉の言うことなら渋々従う。戦闘スタイルは羽赫と尾赫で離れた所からネチネチと戦う。

羽赫は自前で、ナッツクラッカーさんの赫子のような設置トラップ型。一定範囲内に入ったものに大きな麻痺針を一本発射する。

毒はタンパク質がRC細胞の影響を受けて変質したもの。30個も設置できるが、イツキくんには全く効果はない(速攻で特性を分析されるので)。

尾赫は『共喰い』の影響でなんか増えたもの。トカゲの尻尾と同じ特性を持つ。切り離すとピチピチ跳ねる。活きがいい。

小心者故か、イツキくんから何か感じ取ったらしく、めちゃくちゃビビってる上に怪しく思っている。


Q:どうしてそんな恰好なんですか?

A:「カッコよかったから(真顔)。なぜかこの服装にしてから敬遠されてるけどな。解せぬ」

Q:ぶっちゃけダサいですよ。

A:「これの良さが分からないとか時代遅れだな。ハッ!」

Q:最後のって和田ア〇子さんの真似ですか?

A:「ぶっ殺す」

冷泉 陽羽 種族:喰種 赫子:羽赫 14区在住 

ステータス 戦闘力(32) NT力(54) 好感度 イツキ(57)


なんと冷泉天皇の子孫!…なんてことはなく、ただの同姓なだけの無関係な人。(松前さんポジでは)ないです。

草野財閥に所属するまでは、一人でコソコソと喰種社会で生きてきた。なので、性格は結構冷酷だし、言葉遣いは荒い。

かなり厳しく指導されたらしく、基本誰とでも敬語で話す。戦闘時は本性が出て罵言雑言が飛び出るが、敬語は崩れない。

自分が弱いことを自覚しており、基本手を出すことはない。昔も、他の喰種の食べ残しに与っていた。

服装は正統派メイドで、動きやすいようにロングスカートにスリット加工がされている。

目つきは鋭く、眼鏡を着用している。他の従業員にとっては、その視線が堪らないらしいが真相は藪の中。

赫子は羽赫で、東方のチルノの羽っぽい感じの外見をしている。

温度調整をすれば、傷口を凍結させて凍傷を与えられる。常に冷気を放出しているので寒い。体が冷えて相手の動きも鈍る。

原理としては、タタラっちのファイヤーと同じもので、性質が逆転している。

RC細胞が多い(圧縮されている)ほど温度は下がるが、逆に言えば、捕食していなければ充分な冷気を放てない(威力が下がる)。

イツキくんのことは警戒していない。


Q:草野財閥で働いている理由は?

A:「求人広告を見て何となく受けました。そうしたら、喰種だとバレたので受かりました(ダブルピース)」

Q:草野財閥のことはどう思いますか?

A:「コソコソ周りを窺う必要もない、気楽に過ごせるいい所ですね。就職できて良かったです」

Q:イツキさんのことはどう思いますか?

A:「能力を分けてほしいです。チートスペックすぎて笑えません。なろうの主人公と言われても納得できます」

それでは、本編を再開していきます。

「…それで、今回脱出するのは君一人かい?」

エリカちゃんは、首を振って否定する。

「いえ、あと二人います」

エリカちゃんの言葉に合わせ、上の穴から二人が降りてきた。

「冷泉 陽羽です。ヨウハとお呼びください」

「…ジンだ。不本意だがお前の力を借りてやる。光栄に思いな」

「…ずいぶん上から目線だね」

「そりゃそうだ。俺の方が格上だからな」

どうやら、相当拗らせているようだ。

「んー…。とりあえず四肢を捩じ切った方がいいかな…?」

「暴れられたら面倒だし、ね」

さて、この露骨な挑発にはどう出るかな?

「…暴れはしねえよ。そんなことで時間を取ったら、俺らが捕まる可能性もある」

「無意味なことをすることもないだろ」

しっかり物事を考える頭はあるか。

「言っておくが、俺はお前を信用しないからな」

「別に構わないさ」

むしろ、その方がありがたい。

ぽっと出の俺を無条件で信用するなど、おめでたいにも程がある。

こうやって疑ってくれる方が、かえって制御しやすい。

「…それじゃ、金庫を開けてくるよ」

「ロックはどうするんですか?」

「…まずは指紋を検出して、使用されている数字を判断する」

「その後は虱潰しさ」

「もしダメなら、その時は扉を壊すだけだよ」

「最初から壊すべきでは?」

「証拠は残したくないのさ」

壊すといっても、爆発させたりするわけじゃない。

赫子で固定部品を破壊して、扉を外すのだ。

侵入した時は、爆撃を何度か行ったので証拠の赫子痕は検出されない。

だが、金庫を壊す場合は嫌でも残ってしまう。

俺の存在自体はCCGに認識されている。

今回の作戦の首謀者が俺だと判断されたら困る。

「10分で済ませてくるよ」

「いってらっしゃいませ」

さて、人間ヴェーダの本領発揮といきましょうかね。


直下コンマが5以上で成功です。

人間ヴェーダ:+2

コンマ判定:6 イツキの前では金庫の鍵など無力


金庫のテンキーボードに粉を少し掛けると、幾つかの部分が白くなる。

指で触れた場合に付着する、皮脂に粉が付くからだ。

なお、手袋をやっている場合は、文字の削れ具合等から判断する予定だった。

「番号は…1と9だけか…」

たった二つの数字で、4桁のパスワードなら、組み合わせはかなり絞れる。

一つ一つ順番に試していくと、数分でロックが解除された。

「番号は1919か。何の意味があるんだろうね」

金庫の中には、数百億はくだらない量の札束が入っていた。

用意していたスーツケースに、綺麗に収納していく。

15個ものスーツケースが満杯になったところで、銃声が聞こえてきた。

「おっと、そろそろ退散しないとね」

天井を爆発させて、瓦礫でバリケードを作る。

バリケードで隔てられたのを確認し、三人の所へと戻る。

「…本当に解除してきたのか…」

「…できるって言っただろう?」

「…みんなは動かないでね。移動の邪魔になるから」

三本の赫子でスーツケースを抱え、残りの赫子で三人を縛る。

「離せよ!おい!」

「…静かにして。ちょっと本気で走るからね」

「っ…」

床を蹴り、入ってきた時の穴から飛び出る。

その後は、電柱や建物の屋上を使い、移動する。

「ひぃぃぃ…」

「…落としたりはしないから安心していいよ」

「速すぎるんですよ…!」

ちょっと本気だから、多少速くてもおかしくないと思うのだが。

草野財閥の屋敷を脱出して10分。

セーフハウスである波羅勝橋のたもとにある、プレハブ小屋へと到着した。

「…ここですか?」

「そうだよ」

「こんな所に住めるかよ…」

お嬢様たちは不満そうだが、当然のことだろう。

清潔で荘厳だった屋敷から、申し訳程度に吊るされた電球とガスコンロ、シャワーのみが配置されているプレハブ小屋へと変わるのだ。

不便というレベルではない。

「…たしかに不便だけど、隠れるのならここが一番だと思うよ」

「どうしてですか?」

「まず、君たちは財閥の令嬢と御曹司だ。つまり、裕福な人なわけだ」

「そんな彼らをぞんざいに扱うわけがない…。CCGたちはそんな固定観念に囚われるのさ」

「だから、こんな汚いプレハブ小屋は、真っ先に潜伏場所の候補から外される」

「快適に暮らせないのは嫌だろうけど、捕まるのに比べたら数倍マシだろう?」

「…限度ってものがあるだろ!」

「…君たちがものを言える立場じゃないんだよ」

「…クソが…」

こちとら慈善事業というわけじゃない。

かなりのリスクを背負っているのだから、これくらいは受け入れてもらわなければ。

「…食料は定期的に送るから安心して」

「用があったら連絡する。それまではここで待機すること」

「…分かった」

「了解です」

「み、見捨てないでくださいね…?」

「…そんなことはしないさ」

エリカちゃんが安堵した表情になったのを見て、小屋を出る。

急いで家に帰らないと、マシロにも怪しまれるな。

これで今回の更新は終了です。次回から、いよいよアオギリ編が進んでいきます。カネキくんは拷問回避ができるのでしょうか…。

次回の更新は再来週になると思います。更新する日が決定したら、その時にお知らせします。皆さん、お疲れ様でした!

今日の深夜は更新できそうです。なお、一時的に視点がアサヤになります(アオギリ編のため)。

また更新時にお会いしましょう!

深夜もいいとこですが、今から書けるだけ書いていきます。

話は変わりますが、:reの11巻の終盤からたまに出てくるロリ喰種が可愛い。養いたいです(真顔)。

12巻で出てくる話も、考えてみればそうだよな、と思いますね。

面倒な案件が片付いたので、仕事をする手が軽く感じる。

いつもよりも美味しいコーヒーを淹れているとさえ思えるほどだ。

兄貴に頼られたってのは、とんでもない進歩だよな。

「エスプレッソ二つです。どうぞ」

「ありがとう。…いい匂いだね。ニコ」

「ホントねぇ。しかも店員さんもイイカラダしてるし…。じゅるり」

うっ、何か嫌な感じがしたぞ。

具体的には、股間とかケツとかが酷い目に遭う感じだ。

「えっと…。アサヤさん…」

謎の恐怖に悩まされていた時に、二階から降りてきたヒナミが呼んできた。

こりゃちょうどいいな。

「おう。今行くわ」

しっかし…。このおっさんずいぶんガタイがいいが、匂いからして喰種だよな…。

それも、血の匂いがプンプンしやがる。

まぁ、何かあったらぶっ殺せばいいか。

二階に上がると、ヒナミとリョーコさん、カネキとトーカがいた。

「どうした?」

「あの…。コーヒーをお願いします…」

「ん。深煎りの方がいいか?」

「私は普通ので…」

「私のは深煎りでお願いね」

「僕はエスプレッソ」

「カプチーノのミルク抜き」

それただのエスプレッソじゃねぇか。

と、心の中でツッコミを入れる。

「あ、お兄ちゃん。イツキさんっていつ来れるのかな?」

「え?うーん…。イツキさんも今年で卒業だし忙しいんじゃないかな…」

「そっか…」

弟の俺がいるのに、わざわざカネキに聞くのか…。

やっぱり距離を置かれてるな。分かっちゃいたけどちょっと堪えるわ…。

…整形してみるか?

「いちおうメールを送ってはみたけど期待しない方がいいと思うよ」

「ありがと、お兄ちゃん」

「…チッ」

「痛ッ!蹴らないでよトーカちゃん!」

…こんなもんかな。

「ほい、できたぞ」

「サンキュ」

「ありがとう」

「いいってことよ…。ん…?」

客が三人か。にしては、なんかおかしいな。

「ちょっと下に行ってくる」

「何かあったら呼べよー」

下に降りると、そこにはガスマスク三人組と、マッチョな男が一人いた。

「あれ…。俺の感覚も鈍ったか…?」

「悪いんだが、店長と話せないか?」

さすがに急じゃねぇかな。これは。

…見たところ、この四人組も喰種か。

敵意はなさそうだし、上げてもいいかな。

「…ついてきてください」

「おう」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「どうぞ」

「ありがとな」

「…美味いなコレ!」

「ど、どうも」

「あ、いちおう赫眼は見せてもらうぜ。万一の場合があるからな」

「…これでいいか?」

その両目は、しっかりと紅く光っていた。

「オッケーだ。で、何の用だ?」

「…唐突だが、リゼさんって知ってるか」

「ホアッ!?」

「カネキ、落ち着け」

「…そこの眼帯から匂ってるのってもしかして…」

「たぶんリゼさんのだろ?」

「なんだとぉぉぉ!?」

「あ、その、これには深~い事情がありまして…」

「深い事情って何だ!?そんなディープなところまで進んでるのか!?」

「「ちげぇよ」」

「問答無用じゃぁぁ!」

いきなり殴り掛かってきたなら、仕方なく対応するしかないよな。

後ろに回りこんで、脚を払って相手を転ばせる。

「カネキ、任せた」

「う、うん」

転んでいる男の上に乗っかったカネキは、キャメルクラッチを極める。

「いででででで!ギブギブ!」

「あっ、すみません!」

「…ちったぁ頭は冷えたか?なら、こっちの話をちゃんと聞け」

「…はい」

大の男が正座して俯いているのを見ると、なんか自分たちが悪人みたく感じるな。

「端折って説明すると、コイツはリゼさんとデートしてなんやかんやあって、リゼさんは死んだ」

「で、瀕死だったカネキはリゼさんの内臓を移植してもらって、喰種と人間の間の存在になったってわけだ」

「なるほどな。道理でリゼさんの匂いがするわけだ…」

「早とちりして、大変申し訳ございませんでした」

「土下座はやめろ」

「うごぉっ!?」

「まぁ…なんだ。悪意があったわけじゃないから気にしてねぇよ。俺は」

「ここに来た理由はそれだけか?」

「…いや、俺たちは警告しに来たんだ」

さっきまでの空気が一変する。

これは真面目ムードだな。

「『アオギリの樹』って知ってるか?」

「まぁ、多少はな」

「今、アオギリは何かとんでもないことをするつもりらしいんだ」

「なんでも、『白鳩』をみんな潰すとかそんなことらしいんだが…」

「絶対無理だろ」

あの『死神』がいるのに、勝てるとは思えない。

「悪いことは言わねぇ。もし、アオギリのやつらが来ても、逆らわない方がいい」

「バンジョーさん、さっき下にヤモリとかいましたよ?」

「…しまったぁぁぁぁ!」

あいつらもアオギリだったのか。

潰しても全然問題は無かったわけだ。

「…静かにしろ」

この建物の屋上に、数人がいる気配を感じる。

(来る…!)

刹那、窓ガラスを破って青年が蹴り込んできた。

「キャー!」

その足を、両手でしっかりと固定する。

「チィ…。邪魔すんなクソ野郎が!」

「ハハハッ!ずっと見ねぇから野垂れ死んだと思ってたぜ!」

「テメェの兄貴のせいで少し前までマジで死に掛けだったっつの!」

「プッ。よく生きてたな」

「ホントマジでそう思うって笑うなクソがぁ!」

「…アヤトォ!」

「ゲッ!?姉貴ィ!?」

「…兄ィ、どうすりゃいいんだ?」

「…様子見しとくか」

「あら、賑やかねぇ」

「僕たちも混ぜてよ」

「もうわけが分からねぇ」

「ちょっと状況を整理するぞ?」

バンジョーとかいう男は、俺たちの安全のためにも逆らわない方がいいと言っていた。

名前を聞いただけではあるが、ニコとかいうホモとヤモリとかいう鼻デカ野郎はペア。

で、トーカの弟と双子の弱そうなやつらは、窓から特殊部隊みたいに突入してきた。

たぶん、こいつらの目的はカネキだ。

隻眼だから珍しそうだし。

こいつらに対して、こっちはカネキとトーカとヒナミとリョーコさんと俺。

「こんな感じか?」

「That's right」

無理だろ。

俺一人とかならまだマシだった気がしないでもないが、ヒナミとリョーコさんが一番困る。

こんなところにいたら間違いなく巻き添え食らって乙るし。

今取れる俺たちの手は二つ。

一つ目は、ダメージ覚悟で戦うこと。

まぁ、これはオススメできねぇわ。

何人か死にそうだし、正体がバレるのが早くなりそうだ。

二つ目は、一時的に従って、アジトから逃げることか。

連れていかれるのはカネキだけな気がするが、戦力も求めてるなら俺が付け入る隙もある。

最悪、頑張って尾行するしかないな。

4、500mならほぼ状況は認識できるから、見逃すことはそうそう無いし。

さて、どうするべきか…。

↓1~3で、戦うか一時的に従うかをお願いします。

時間もそろそろヤバいので、今日はここまでにします。アサヤ視点は次回までの予定です。

次回更新は、まだいつになるかは分かりませんので、また日時が判明したら報告に来ます。皆さん、遅くまでお疲れ様でした!

いつになるか分からないと言いましたが、今日の夜(22:00頃)再開可能となりました。

カネキくんは綺麗なままでいられるのでしょうかねぇ…(ゲス顔)

思わずこけそうになったw
嬉しいお知らせサンクス

アサヤマジがんばれ

そういえばマシロはしばらく戦線には戻ってこないのかな?

やったぜ(ガッツポ

アマナツきょうだいがコンマ神の寵愛を受けすぎてるから
カネキが覚醒したら戦闘力のバランスがいい感じになるのでは
だからカネキはヤモリの兄貴とキャッキャウフフ(マイルドな表現)するとよい、と思ってしまうわ
でもその辺はコンマで判定するのかな

遅れながら乙

久しぶりの原作側進行ですね

>>536、マシロ自体は、戦闘を行うことは可能です。イツキくんがそれを許すとは思えませんが…(暴走の件があったため)

>>537、だいたいの流れは原作と同じです。今回カネキとヤモリの兄貴がイチャイチャするのを阻止する条件は、アレです(無責任)
原作の方でも、あることがきっかけになって、あんなことやこんなことをすることになったのでわかるかな、と。

>>538、リョーコさん生存と、亜門さん昇天くらいしか大きな違いはありませんからね。そろそろ進めないとヤバいですし…。
カネキくんはかなり強いですが、メンタル面は迷ってばかりの黒カネキのままですよ(亜門との対話を行っていないので)

いちおう、今までに起きたことは全て反映しているので、実際のシーンとは結構異なったりします。

特に、攻略編が(あったら)分かりやすいのかな、とは思っています。

今から再開していきますね。

後ろを見ると、怯えた表情のヒナミとリョーコさん、青筋を立てて弟…アヤトを見るトーカがいる。

また、隣には諦めたような感じで本を読んでいるカネキがいる。

「…お前たちの目的はカネキだろ?だったら、とっとと連れていってくれ」

「アサヤくぅん!?」

「いや、ここで抵抗したらヒナミとかが絶対死ぬし」

「あ、そっかぁ…」

(後で尾行するから、今は我慢してくれ…。コーヒーも淹れてやるから…)

「それじゃ遠慮なく」

「オカヒラッ」

ヤモリの赫子が、カネキの腹を貫く。

痛みに耐えきれなかったようで、カネキは意識を失い、倒れた。

「テメェ!」

「動くなクソ姉貴!」

「やめろって!」

ヤモリに向かって走るトーカを左腕で静止させ、アヤトが撃ち出した赫子を、鱗赫で防ぐ。

甲赫は、この小さな密室だと使いづらいから仕方ない。

「アサヤ!カネキが連れていかれるんだよ!?」

「かと言って、ここで手を出したらもれなくヒナミたちがお陀仏だ」

「こいつらがカネキを殺すことはありえないからな」

「なら、俺は一番被害が小さくなるように動くぜ」

「くっ…」

「…今は堪えてくれ」

「クソォ…」

「ねぇ君」

「あ?」

「君のそれって鱗赫だよね?」

「まぁ、そうだな」

「どれくらいのダメージなら再生できる?」

なんでニヤニヤしながら聞くんだコイツは。

気色悪い。

「んーっと…。胴体から真っ二つにされても、いちおう再生はできたぞ」

「つっても、数年前のことだから詳しいことは憶えてねぇけどな」


直下コンマが、ヤモリ→アサヤの好感度です。合計が70以上だと…?

凄い再生能力:+30

コンマ判定:119 カネキ?そんな人もいましたね(すっとぼけ)


俺の答えを聞いた瞬間、ヤモリの顔がヤバいことになる。

「それだけ凄い再生能力か…。ヤベェ…。絶対楽しい…!」

「ヒヒ…ヒヒヒヒ…!」

頭壊れたか?

「決めた。アサヤくんも一緒に来てよ」

「は?」

「君が僕の部下になってくれるなら、ここには二度と手は出さないよ」

「おいヤモリ、勝手な行動は慎め」

「あァン?今回はアレを回収しろって言われただけだろうが」

「別に俺が部下を増やしても問題ねぇだろ?」

「どうせアレをするために部下にしたんだろ…」

「ごちゃごちゃウルセェよ。死にてえのか?ン?」

「チッ…」

今の態度で確信した。

コイツ頭はおかしいけど、それなりにはやるやつだ。

「…本当に手を出さないんだな?」

「もちろん。つまらないことはしない主義だからね」

「…分かった」

「…ッ!おいアサヤ!」

「アサヤくん…」

「なぁに、やることをやったらすぐ戻ってくるさ」

「じゃあな」

窓から飛び出し、ヤモリたちについていく。

服が『あんていく』の制服のままだが、別にいいだろ。

上手いこと中には潜り込めたし、何とかカネキを救出しないとな。

アレが何なのかは気になるが、ろくでもないことなのは分かる。

再生能力がどうとか言われたし、指を詰めたりするのか?

ヤモリたちの後を追い、数時間ほど移動すると、大きな廃墟が見えた。

ざっと百人以上の喰種がいるな。

『アオギリの樹』のアジトってとこか。

アジトの集会所にあたる場所に入ったと同時に、カネキが目を覚ました。

「あれ…僕は…」

「よっ、カネキ」

「アサヤくん!?どうして君が一緒に…」

「色々あって同行してる」

「ほらシャキッとしろ。みんなが見てるぞ」

集会所には無数の喰種がおり、全員がカネキを見ている。

「えっ?状況が飲み込めないんだけど」

「俺もよく分からねえから安心しな」

カネキと話をしていると、ステージに上がってくる二人の喰種が見えた。

他の喰種が敬礼しているところを見ると、リーダー格なのは間違いない。

「君の眼は?」

「え?」

『君の名は』のパクリだろうか。

「赫眼。さっさと答えろ」

「左ですけど…」

「…ダメだ、使えない。リゼは本当に消されたのか…?」

「…リゼさんのことを知ってるんですか?」

「それを答える義理はない」

「…そうですよね…」

「…唐突だけど、『長槍』って知ってる?」

「『長槍』…?あ、イツキさんですか?」

「…少しだけヒントだ。君に移植された臓器が、腎臓だけならそうはなっていない」

「そして、嘉納も、赫子が出せるようになっているのだから、何らかの数値が変わっているのも知っているはず」

「…ということは、移植されたのは赫包…かな…」

「俺もう出ていいですか?」

「君誰?」

「アサヤでーす」

「…イツキの弟か…。これは幸運だ」

「何がです?」

「いや、なんでもない。ゆっくりしていくといい」

なんだか、はぐらかされたような気がする。

「はあ」

「…カネキはこっちだ。ついてこい」

「アサヤくんはこっちねー」

「うぃーっす」

突然ですが、ここで運命のコンマです。直下コンマが3以下だと何かが起きます。

コンマ判定:4 何も起きませんでした


ヤモリに連れてこられた場所からは、かなりキツい血の匂いがした。

「君には、ここで人間の解体をしてもらうね」

「解体っすか」

「うん。僕たちは外で人を狩ってくるから、それを食べやすいようにするんだ」

「了解っす」

「今日は特に予定はないから、もう休んでいいよ」

「分かりましたー」

他の喰種に指示された場所には、粗末なシーツが敷かれているだけだった。

「うわー…。これなら家の毛布を持ってくりゃ良かったな…」

エアコンを効かせながら毛布に包って寝る。コレ最高。

(カネキたちは最下層の牢屋か…。昼間のやつらもいるな)

思ったよりも疲れていたみたいで、横になった直後に眠りについた。

アオギリで生活をし始めて2日が経過した。

もともと死体を見るのには慣れていたので、手際よく解体を進めていた。

カネキは全く慣れておらず、リバースしてばっかりだったので代わりに処理しておいた。

まぁ、元人間には辛いわな。

仕事を終え、寝床に戻ろうとしたら、カネキが俺の耳に小さな声で呟いた。

「今日の深夜2時に、ここを逃げる」

どうやら、今日脱走するようだ。

わざわざこのタイミングで言ったということは、今日が一番守りが薄い日なんだろう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「アンタ、凄く強いんだってな」

「バンジョーだっけ。まぁ、弱くはないぜ」

「ヤモリとかより強かったりするのかなぁ」

「それは分からねえな」

「っと、前の草むらから一人出てくるぞ」

俺がそう言った直後、ゾンビのようなアホ面をした喰種が出てきた。

「そらよっと」

その顔面を、一気に手刀で割る。

喰種はあっけなく地面に倒れ伏した。

「今の喰種にバレてたら瓶兄弟にもバレてましたよ…」

「どこに誰がいるかは分かるからなぁ」

「…前方100mの林にヤモリがいるな」

「なんでですか!?今日は街で遊ぶ日のはずじゃあ…」

「たぶん、お前たちの会話が聞かれてたんだろ」

「終わった…。俺たち全員ここで死ぬんだ…」

「どうするの?アサヤくん…」

「どーすっかなぁ」

↓1~3に、どうするかをお願いします。

選択候補

1:カネキとコンビでヤモリ討伐すっぞオラー!
2:一人でヤモリを抑えるor潰して、その間に別ルートから逃がす。
3:諦めて戻る。

その他の意見でも構いません。

時間もかなり遅くなりましたので、今回はこれで終了です。

次回はいつになるのか分かりませんので、分かった時に報告しますね。

なお、現在のカネキかアサヤ一人でも、ヤモリの駆除は充分可能です。コンマ次第ではありますが…。

このレスが安価を踏んでいる場合は安価下でお願いします。遅くまで、お疲れ様でした!

仕事が辛くてアーイキソ 再開は今週の土日ですかね…。

スレ見直したら、イツキ兄貴アオギリ本部の場所ほぼ突き止めてましたね…。これは情報が入ったら壊滅待った無し。

というわけで直下コンマが5以上で芳村さんから伝達済みとなります。つまり大惨事アオギリ大戦が始まります。

再開まで待て、しかして希望せよ(巌窟王並感)。なかなか再開できなくてすみません!許してください!なんでもしますから!いやホントすみません…。

更新は今日の深夜と明日に変更させてくだしあ…。シフトが急遽変更になりましたので…。

お ま た せ 今から再開ですぞー!こんなに空いてたのに待ってくれて感謝感激ブレイクピラーです!

まず、今の状況を確認する。

現在、アオギリのアジトからは200mほど離れていて、屋上には瓶兄弟がいる。

先ほど見回りの喰種を始末したが、100mほど進めばヤモリと鉢合わせする。

先回りしているということは、脱走することが既にバレていると見て間違いない。

確実に、殺しにくる。

「はぁ…」

この時点で戦闘は避けられないのだから、仕方がない。

面倒だがやるしかない、とアサヤは落ち込むようにため息をつく。

「…ヤモリはここで潰す。どうせどっちかが死ぬんだからな」

この中で最も喰種の世界を知っているのは、おそらくアサヤだ。

幼い頃から、兄の戦いを生き方を見てきた。

そして、家族の中で最も要領が悪かったアサヤは、人の世界には入れない、と悟った。

――アサヤ自身は要領が悪い方ではない。他の二人が異常なだけである。

事実、アサヤは『あんていく』の中で上手くやっていけている。

喰種の世界を知っている、ということは即ち、手を汚してきた、というのと同義である。

アサヤがSSレートに指定されているのが、それを如実に表している――。

――手を汚すのは、俺だけでいい。

二番目に強いであろうカネキは元人間。

殺人への耐性はそこまで無いだろう。

たとえ喰種を何人も殺していても、彼の本質にある弱さは変わらない。

きっと、今も心のどこかで――。

――俺も昔はそうだったしな、と自嘲気味に吐き捨てる。

しかし、その呟きは誰にも聞こえなかった。

否、皆が恐怖する者の登場で搔き消された。

「ハハハハ、どうしてここにいるのかなぁ?」

大きな白スーツの上からでも分かる筋肉をしたヤモリと、クネクネと体を動かすオカマ野郎。

二人を横目で見ながら、アサヤはカネキの耳元で囁く――。

――カネキ、お前は俺のサポートと追撃してくるやつの牽制を任せる――。

――アサヤくんは――!?

――コイツらを殺す。

「何コソコソくっちゃべってんだゴラァ!」

無視されたことに怒りを覚えるヤモリに、ハッキリと言い放つ。

「テメェには関係ねぇよ」

――どうせここで死ぬんだからよ。

Rc細胞の影響で紅く光る眼は、鋭い眼光を放ち目の前のデカブツを見据えていた。

何となくで選んだ参考BGM https://www.youtube.com/watch?v=W-xjb-AWEFQ

直下コンマ判定 ルールの詳細は>>251-252を確認してネ!

1:ファンブル
2~4:失敗
5~7:成功
8、9:クリティカル
ゾロ目、0:特殊判定
00:特殊判定(SP)

戦闘力差(100:80):+1 人数差:+1 赫子の相性:-1

すみません、勝利条件は3ポイント入手です…。

コンマ判定:1 失敗回数:2/4


大振りの右ストレートをスレスレまで引き付け、上体を逸らして回避。

続けて撃ち出された鱗赫を、地面を蹴り体を浮かせて避ける。

「そぉ…らっ!」

空中で回転のベクトルを無理矢理変え、左の回し蹴りを当てる。

が、それは鱗赫によって防がれた。

「…っと。結構硬いな」

興奮しているのか、呼吸が荒いヤモリを尻目に、まるで確認しているかのように呟くアサヤ。

「ガアアッ!」

「フッ!」

ヤモリの鱗赫を、両腕で受け止めるアサヤ。

しかし、赫子を纏っているわけでもない腕では、流石に防御しきれない。

力を受け止め損ねたアサヤは腕が半分千切れ、吹き飛ばされた。

「~ってぇなぁ~!」

腕をプラプラ振り、傷口を赫子で修復する。

この間、僅か1秒足らずである。

「フヒヒひヒ…。いイなぁその再生力!」

「もっと楽シマせろぉ!」

涎を垂らし、ダッシュをするヤモリを見て、アサヤは顔を歪める。

「それが気持ち悪いんだよ!死にさらせやクソが!」


直下コンマ判定

1:ファンブル
2~4:失敗
5~7:成功
8、9:クリティカル
ゾロ目、0:特殊判定
00:特殊判定(SP)

戦闘力差(100:80):+1 人数差:+1 赫子の相性:-1

コンマ判定:2(ゾロ目) さよなら兄貴(鼻ホジ)


こちらへと疾走するヤモリ。その動きは、あまりにも単調になっていた。

単調な動きの隙は大きい、いや、大きすぎる。

普通であればまず食らわないはずの膝蹴りをあっさりと顔面に受けてしまった。

「グガァ」

歯が数本へし折れ、口から零れ落ちる。

続けて、アサヤは足を体操座りの要領で抱きかかえ、背中を向ける。

「大サービスだ。有難く受け取んな」

そして、4本もの巨大な鱗赫が、ヤモリの肉を、赫子をすり潰す。

貫いた鱗赫をヤモリの後ろで絡ませ、固定する。

着地を済ませたアサヤは、マトモに動けないヤモリに、赫子を纏った拳でラッシュを叩き込む。

「オラオラオラオラオラァ!」

まるで肉塊をハンマーで叩き潰すかのような、お世辞にも聞き心地の良いとは言えない音だけが響く。

Sレートに指定されるヤモリ、しかし、SSレートのアサヤはそれを歯牙にも掛けなかった。

「…そこまで強くなかったか。じゃあな、ヤモリ」

鱗赫を解き、顔の前に向ける。

「ア…アァ…」

既に虫の息のヤモリの眼に、嘗ての情景が映る。

ああ――。これは俺が――。僕が昔されたことだ――。

ひたすら、CCGの職員に拷問をされる自分。

それは、チャンスを掴んだことで成し遂げた報復によって乗り越えた。

二度と同じ目に遭わないように強くなった――。

家族を理不尽で奪われないために。

また同じ目に遭うのが怖かったから。

そんな自分が惨めだったから。

だけど――。僕はそれでも弱いままだった――。

地獄を見た自分よりも一回り、いや二回り若い少年を見て思う。

――僕にも、君ほどの力があったなら。

おかあさんを護れたのかな――。

「おか…あさん…。ごめん…ね――」

それが、ヤモリの最後の言葉だった。

直下コンマで瓶兄弟の判定をします。3以上で追撃されます。

逆だ!3以下です!判定は下にずらしてください!

コンマ判定:9 完 全 勝 利


「チッ…」

ヤモリの顔を貫いた鱗赫の血を拭い、体へと仕舞う。

「…なんでそんな悲しい顔をすんだよ…。クソが」

これじゃ俺たちが悪者じゃねぇか、とアサヤは呟く。

近くにいたはずのオカマ野郎は既に姿を消していた。

「えっと…。僕、すること無かったね」

「寧ろ無くて良かったよ」

カネキにはサポートを任せてはいたが、自分一人で終わらせられるのなら、それが一番良かった。

「さっさと行くぞ。追われてない今がチャンスだ」

「う、うん」

脅威が取り除かれたことに、後続の脱アオギリ組は心から喜んでいた。

その中でただ一人、アサヤだけは心に暗雲が立ち込めていた。

――なぁヤモリ、お前は奪われた側だったのかよ。

だとしたら、お前の怒りはたぶん見当違いだ。

いくら恨んだって、喪った物は帰ってこねぇんだぜ。

だから、割り切って生きてくしかねぇんだ。

過去を変えることなんか出来やしないんだからな――。

それが、アサヤが今までの人生で得た答え。

ヤモリの死が、彼らに与えた影響は――。

因みに、この脱走劇がアオギリ側に判明したのは次の日の早朝だった。

場所は変わって『あんていく』。

店長を務める芳村と、裏方を務める四方、そして『あんていく』の庇護下にいる笛口リョーコが、準備をしていた。

『――本当にいいのですか?』

『はい。いざとなったら切り捨てて構いません』

『それだとヒナミが…』

『――ヒナミには、頼もしい子が付いていますから。トーカちゃんやカネキくん、アサヤくんが』

『だから、きっと私がいなくなっても大丈夫です』

『それに、私たちを救ってくれたアサヤくんに、死ぬ前に何かしてあげたいの』

『――できる限りのカバーはします』

『そこまで言われたら断れませんね』

『…!ありがとうございます…!』

――もしかしたら死ぬかもしれない。

死への恐怖、そして、アサヤの死の危険を想像したことにより呼吸が乱れるリョーコ。

豊かな胸に両手を当てて蹲り、念仏のように同じ言葉を繰り返す。

「大丈夫…。きっと大丈夫…」

あの人なら、きっと――。

呼吸を整え、二階で待つ二人の元に進もうとする。

だが、それはドアのノック音により中断された。

閉店しているのに、わざわざノックをする客がいるのだろうか。

無くはない、が、現実的ではない。

もしや捜査官が――。

と思ったが、この考えが一番あり得ないものだった。

まさか――。

そう思った瞬間、胸の鼓動が高鳴った。

恐る恐るドアに手を掛け、鍵を開ける。

開かれたドアの向こうにいたのは――。

「あー。ただいま戻りました。スタッフのアサヤと」

「スタッフのカネキ…です」

「オマケもいるぞー!」

「あ…あぁ…!」

涙が止まらなかった。

何故なら、ドアの向こうにいたのは。

彼女が夫と同じくらい、いやそれ以上に愛した、愛してしまった男がいたから。

――恋した時点で、女は等しく乙女になる。

恋した乙女はもう、止まらない。

「良かった…!」

涙を流しながら、リョーコはアサヤへと抱き着く。

女性からの抱擁など、産まれてこの方一度も無かったアサヤはひどく狼狽える。

「かっ、カネキっ、どうすればいいっ!?」

「さあ…?」

その後、二階から降りてきた二人からめでたく誤解されましたとさ。

「それで、どうやって戻ってきたんだい?」

普段の視線から察しが付いていた芳村は、すぐに誤解を解いていた。

――その上で、乗ってくるくらいには興味があるみたいだが。

「とりあえず見張りとヤモリを殺して、そのまま流れで」

「流石…としか言えないね…」

アサヤの実力は、SSレートの時点で分かっていた。

本局から派遣された捜査官すらも軽くあしらっていたのだから猶更だ。

しかし、あのアオギリからこうも簡単に抜け出してくるとは。

オマケの人たちも連れて。

流石に、これには芳村も苦笑するしかなかった。

「…うん、元アオギリの方たちはコンテナに移住してもらおうかな」

「…あの」

「なぁに、ちょっと食料が厳しくなるけど、そこは四方くんがどうにかしてくれるさ」

「…もういいです」

ニコニコ顔を絶やさない芳村と、諦めたような顔の四方が対照的だ。

「え…。つまり俺たちはこれで安全なのか…?」

歓声が辺りから出てくるが、深夜に騒がれるのはマズい。

アサヤは冷静に注意をする。

「人様の迷惑になるから…やめような!」

「アッハイ」

「それじゃ四方くん、彼らの誘導は任せたよ」

「…はい」

仕事が増えたからなのか、肩を落としながら歩いていく四方。

これで全て終わった。はずだ。

「んじゃ、俺も帰って毛布のお世話になりますかね」

窓を開けて飛ぼうとしたら、裾が引っ張られた。

「ん?」

そこには、赤面したリョーコの姿が。

眼を潤わせながら、リョーコは言う。

「…今からだとトーカちゃんたちに迷惑だから、アサヤくんの家に泊めてもらえないかしら…?」

「へ?」

アサヤの頭の中は、疑問符で埋め尽くされた。

さあ、ドキがムネムネな判定の時間ですぞー!直下コンマが5以上で成功やで!

相手は未亡人:-1 突然のお願いで困惑なう:+1 女性耐性/Zero:+1

コンマ判定:6 イッツターイムナーウ


「あ…えーっと…」

アサヤは芳村へと、視線で助け舟を出す。

しかし、芳村はニッコリと笑ってこう返した。

You、ヤっちゃいなYo。

アサヤは心の中で叫ぶ。某何とか太夫のように。

そもそも、止めるべき立場であるはずの人が煽ってくるのはどうなのか。

そんな考えが浮かんでくる。

だが、今の時刻は深夜2:00を過ぎている。

たしかに、彼女だけでは危険だろう。

いや、それでも彼女は未亡人だろう。ダメだ、ダメダメ。

と、理性が何とか抑えようとする。

しかし、それは最後の一撃によって無慈悲に葬られた。

「私、アサヤくんと一緒なら安心するんです」

「もう、一人になるのは嫌なんです…」

抱きしめられて、正常な判断ができなくなっているアサヤは白目を剝きながら肯く。

「…ハイ」

それが、(社会的な)死への片道切符だとも知らずに。

家に戻り、敷布団を二つ用意する。

――因みに、敷布団の片方は来客用(カネキとか兄妹とかの)である。

その間、浴室からはずっとシャワーの音が聞こえてくる。

――落ち着かねぇぇぇぇぇぇぇ!

それがアサヤの胸中だった。

流石にアウトだとは分かっているので、決して一線は越えないし越えさせない。

だが、先ほど一回天に召したクソザコナメクジな理性が保つとは到底思えない。

それに、彼女が精神的なダメージを負っているのも分かっている。

冷やしていたコーヒーを一杯飲み干し、思案する。

どうすれば、このピンチを乗り越えられるのか。

兄貴に頼りたい気持ちでいっぱいだが、絶対に拒否される。

兄貴が解決策をホイホイ出すところを想像したくない、というのもあるのだが。

「ヘブライッ!?」

シャワーの音が止まった。

それから数分が経って、脱衣所の扉が開かれる。

そこには、着替えが無いので仕方なく貸した、ダボダボのパジャマを着たリョーコが立っていた。

マズい。アサヤは確信する。

そう一瞬で確信できるほど、目の前のそれは破壊力が高かった。

湯気が立ち上り、湿って色気を増した肌。

サイズが合わないが故に、大きく開いて少し見えている双丘。

これは俺には刺激が強すぎる、と半ば反射的にアサヤはそっぽを向く。

こういう時こそ、兄貴の精神力が心から羨ましくなる。

あの人なら真顔で、興味が無いので、とか言い出しかねない。

クスリ、と微笑みながら、リョーコはゆっくりと近づいてくる。

ああ、どうか生き延びてくれ。俺の貧弱なる理性くんよ。

その祈りは、届くのか――。

これが(たぶんお泊り編)最後の判定となります。直下コンマ7以上で、その欲望は加速して、遂には危険な領域に突入します。

もうゴールしちゃってもいいよね…?:+2 クソザコナメクジ鋼の理性くん:-1 風呂上りの色気ぱぅわー:+1

コンマ判定:7 そして、アサヤの未来は終焉へと至った…。

今日はこれで終了です。次回は土曜日(つまり今日)の夜10辺りを予定しています。もし無理だったとしても許し亭許して。

さぁ、盛り上がってまいりました。R-18な描写は流石にキンクリさせてもらいますね…。こ↑こ↓は全年齢板なので…。

遅くまでありがとうございました!お付き合いいただける皆様に只々感謝です!

あ、コンマ判定は0ですね…。展開どないしましょ…。それでは皆さん、おやすみなさいです。

お待たせしました!今から再開です!正直展開が全く思いつかない(真顔)

毛布を頭から被り、姿を隠すアサヤ。

隣に座ったリョーコはそれをゆっくりと引き剝がす。

アサヤは戦慄する。

今までの彼女が出していた力ではない。

いや、実際には彼女の力はそこまで変化していない。

アサヤの心が気圧されて、力が出なくなっているのだ。

若しくは、心のどこかで期待しているのかもしれない――。

――なんだかんだで他人のことを気にするアサヤがするなどあり得ないのだが。

「…俺はそんなことしませんからね…」

辛うじて残っている理性が拒む。

だが、それは一瞬の抵抗だった。

「ん…」

「んぐぅっ!?」

脳が痺れるような、濃厚なディープキス。

超が付くほどのチェリーボーイのアサヤには、些か刺激が強すぎた。

そして、その時アサヤの中で何かが切れた。

「やんっ!」

「…あなたが誘ってきたからいけないんですよ」

リョーコは蠱惑的な笑みを浮かべ、答える。

「気にしなくていいわ。悪いのは私」

「愛する夫がいながら、娘とさほど変わらない男の子に迫ってしまった私なのよ」

それは、ある種の懺悔。

禁断の行為を為そうとしている、愚かな自分への罰。

だけど、一度火が付いたら止まらないのが乙女なのだ。

「…でも、ここまで来たからにはもう止まれないの」

「あなたは悪くない。だから、ね?」

まるで、子供をあやすような優しい抱擁。

もう、アサヤは拒むことができなかった。

――ごめんな、ヒナミ、兄貴、マシロ。

どうしようもない男だよ、俺は。

ここから、アサヤの記憶は途絶えた。

沈んだ日は、また昇る。

いつものように朝が来た。

だが、年季の入ったアパートの朝はいつものものではなかった。

「死にたい…」

上半身裸で体操座りをするアサヤ。

その隣には、ニコニコと微笑んでいるリョーコが。

そして周りには、10個を超えるほどの丸まったティッシュが。

死にたい、と言っていたアサヤだが、既に瀕死の状態だ。

――股間と心が痛い。

如何なる理由があろうとも、未亡人と寝た事実は変わらない。

どうしようもないクズ喰種として、周囲に認知されるであろう。

一番不憫なのはヒナミだ。

大好きな母親が、嫌っている男と肉体関係を持っているなど、地獄でしかない。

どう対応すればいいのかも分からないだろう。

――もういっそ殺せ。

そんな気持ちでいっぱいになる。

「…だけど、いつもはあんなに強気なアサヤくんがあそこまで甘えてくるなんて…」

「やめろぉぉぉぉぉ!」

無意識に押し込めていた醜態を思い出して絶叫する。

――今までアサヤは甘えてこなかった。

いや、甘えられる相手がいなかった。

兄はいつも忙しそうにしていて、両親は幼い頃に他界。

そんなアサヤが、未亡人の醸し出す母性に抗えるわけがなかった。

――とどのつまり、バブみには勝てなかったよ。

「うぉ~いアサヤ~。リョーコさんはいるのか~?」

「オイオイオイ死んだわ俺」

死の宣告にも聞こえる同僚の声。

対抗策なんてあるはずがない。

グッバイクソッタレワールド。グッバイマイブラザーアンドシスター。

「あら、トーカちゃんじゃない」

いつの間にか、リョーコはドアを開けていた。

乱れたパジャマ姿で。

「…オイアサヤ」

「…ハイ」

「いっぺん死ね」

ああ、この世界は無情なり。

うーん…。何も思い付かねぇ!(ちほー)すみません、朝が早いのでこれで終了です。全然書けてない愚かな私に罰を…(プリン)

次回更新は来週の金曜でしょうか…。状況が変わったら報告に参ります。お疲れ様でした!(土下座)

おつおつ
R送りにならないギリギリまで書いてくれるなんて……
取り敢えずアサヤ爆発

アアアアアアア!!! 乙
そういえばヒナミはアサヤのこと嫌いだったなw
えらいことになってきやがった…!


アサヤだけが序盤に引っ越したのはこの日のためだった…?

イツキに比べれば9割殺しで済むからセーフでしょ(エトとマシロを横目で見ながら)

>>609、無い頭で考えたから大変でした(ゲッソリ)

>>610、ちゃんヒナにとっての地獄が始まるゾイ…。カネキチとイツキくんへの依存がマッハ(好感度的に)

>>612、アサヤ超能力者説が浮上してきましたね…(してない)

>>613、イツキくんもほぼ恋愛関係は詰んでる感じが…。エトはまだしもマシロが一番ヤバいですよ。

今週の金曜更新と言ったな、アレは嘘だ。今日の夜に更新できそうなので更新します!

ところで、今回の更新はイツキくんかアサヤァ!のどちらがいいでしょうか?

意見がありましたら、お書きください。予定としては、アサヤを少し進めてからイツキくんにジャンプします。

お待たせしました!今から再開します!また、アオギリ対CCGが発生する確率が低くなっております(きっかけになるヤモリ昇天のため)

言葉の割に、そこまで手痛い攻撃は食らわなかった。

せいぜい、腕が一回吹っ飛んだ程度だ。

「だいぶ手加減したな」

「そりゃ…。そんなやつれた顔見たら躊躇するでしょ…」

トーカの言葉が気になって、鏡を見る。

「…誰これ」

「ほら、自分ですら分からなくなってるくらいだから相当だよ」

やつれたというよりは、もはやミイラである。

「…うふ」

死に掛けのアサヤに対して、つやつや卵肌のリョーコ

「対比が凄くて、アサヤが死人にしか見えない」

「…俺も正直生きてる実感がない」

未だに、アサヤの体には力が入らない。

アレによる股間の痛みと、精神的なストレスによる腹痛、その他諸々でアサヤの体はボロボロだからだ。

――リョーコさんヤバい、ヤバすぎる。

戦ったわけでもないのに、ここまで疲弊させたリョーコは、ある意味最強の喰種であった。

「…そういえばさ」

不意に、トーカが口を開いた。

「ヒナミのこと、どーすんの?」

アサヤの胃痛が加速する。

「そこなんだよなぁ…」

コーヒーを淹れて、二人に振舞う。

今の三人の関係はドロドロすぎて、ヘドロすら腐ってしまう。

愛する母親は、苦手意識を持つ従業員と不倫関係になっている。

今は気付いていないだろうが、このまま関係が続けばやがて気付かれるだろう。

アサヤとしては、それは避けたい事象だ。

だが、これで関係を終わらせるのも、それはそれでクズでしかない。

『あんていく』でリョーコが言っていた『一人は嫌』という言葉に、嘘は入っていない。

彼女も心細かったのだ。

突然、心の支えだった夫を喪い、娘と二人きりになった。

そして、自らの命の危機を救ったアサヤは、リョーコにとって眩しすぎた。

眩しすぎたが故に、その光に縋ってしまった。

アサヤ自身、リョーコが自分という存在に縋っているのは、一夜の中で理解した。

その上で、リョーコとの関係を終わらせられるほど、アサヤは出来た人間ではない。

――だから、俺は。

「…過ぎたことは、どう悔やんだって変わりはしない」

「なら、俺は受け入れる。どんなにクズと罵られようが構わない」

「今の俺にできることは、リョーコさんを、ヒナミを、皆を守ることだ」

「…それさえできなかったら、俺はクズ以下の何かになっちまうからな」

アサヤの顔を見て、トーカは険しい顔つきになる。

「ヒナミから嫌われても?」

「ああ。どんなに俺が嫌われようが、それが守らない理由にはならないだろ」

力強く言い切るアサヤに、トーカはこれ以上問い詰める気は無かった。

「…じゃあ、守ってあげな」

「…一番辛いのは、きっとヒナミだから」

トーカは、空になったコーヒーカップを流しに置き、外に出る。

「…分かってる」

アサヤの犯した罪は、許されるようなものではないだろう。

それでも、背負っていくしかない。

責任から逃げることは、最低な男がすることだから。

既に人としては最低だとアサヤは思っているが、そこだけは譲れない。

譲ってしまったら、今までの全ても無駄になりそうで。

「あなた…。ヒナミ…。アサヤくん…。ごめん…なさい…」

自分のしたことを思い出し、愚かさに涙を流すリョーコ。

アサヤは、座り込むリョーコの傍に近寄り、抱きしめる。

「リョーコさん一人で背負う必要もないでしょう」

「これからは、俺にも背負わせてもらいますよ」

「ごめん…なさい…!」

リョーコの涙が枯れるまで、アサヤは抱きしめ続けた。

ヒナミに好かれれば万事解決!

『天使』失踪から四週間が経過した。

警備が薄くなったと思ったら、今度は『13区のジェイソン』が死亡した可能性が浮上し、近場のここの警備が再強化された。

行動し難くなったことに、若干の苛立ちを覚えながら、車を出す。

今日の目的は、イトリさんの所への顔出しと、エトの仕事のアシスタントだ。

最近顔を出していなかったので、久し振りに顔を出して情報を入手しよう、という目的だ。

その思惑すら見透かされていそうで、気になるのだが。

今回はマシロには留守番をしてもらっている。

本人も、あまり迷惑は掛けたくないようで、素直に了承してくれた。

相手が女性だと知ったら、特攻をかましてくる可能性が否定できないことに恐怖を覚える。

――もう少し、依存性が和らげばいいんだけどね。

そんな思いが片隅にあるが、マシロが望むことなら受け入れるまでだ。

――俺の存在理由など、それ以外にないのだから。

車を駐車場に停め、いつものようにノックをする。

そしてドアを開けると、ワイン――血酒――が既に開けられていた。

「いらっしゃい、イツキン」

「…今日はもう少し熟成したもので」

「オッケー。まっ、勿体ないからこれも飲んどいて。サービスよん」

言われるがままに、グラスに注がれていたそれを口にする。

「…美味しい」

「それは嬉しい言葉だねぇ」

ニヒヒ、と笑うイトリをよそに思考する。

さて、どんな情報を貰うべきか。

>>621、そうだよ(便乗)

直下コンマで、情報の量を判定しまっす。

1~3:残念ながら…(目を伏せる)
4~6:まあまあの情報
7~9:あったよ!いい情報が!
0、ぞろ目:ヤバい(確信)情報が
00:???

コンマ判定:6 まあまあの情報が手に入りました。

あっそうだ(唐突)コンビニで売ってる、ブルガリアの飲むヨーグルト(ブルーベリー&三種のベリー)がめちゃんこ美味しいのでぜひご賞味あれ!

↓1、2に、情報をご記入ください。

あー…。まあまあの情報といっても、どれくらいがまあまあに入るのか分からないから書きにくいですよね…。

こんな喰種や捜査官がいる!や、近々オークションがあるらしい!といった情報です。

体のほとんどがクインケでできてるやべー捜査官がいるらしい

>>627、『アラタ』の実戦投入早すぎやしませんかね…。

『if』を騙るクソ喰種の設定を軽くします。↓1に外見、↓2に性格、↓3に赫子の種類と特徴をお願いします。

このレスのコンマが奇数で女性、偶数で男性となります。戦闘力は直下コンマで判定します。

とりあえず、現在注意するべき情報でも貰っておくべきか。

そう判断し、数万円程度をカウンターの上に置く。

「だから多いんだってばぁ」

そう言いながらもしっかりと枚数を確認し、収納するイトリ。

「今回の情報はこれくらいね。量が少ないのは謝るわ」

手渡されたのは二枚の書類。

片方は、噂を纏めた物なのか、いずれの情報も『らしい』という文末表現になっている。

「…体の殆どがクインケで構成されている捜査官…か」

頭の中で、対象がどういうものなのかを推測する。

最も可能性が高いのは、自分のような身に着ける赫子をそのままクインケ化することだ。

つまり、赫者をクインケにしている、ということになる。

――装着タイプの捜査官は喰種を相手にする、と思った方がよさそうだね。

全身にクインケを装着するのだから、防御力を目的としているわけではないだろう。

いや、防御力の強化も含まれているのだろうが、あくまでそれは副産物。

メインは、身体能力の増強のはずだ。

そうでなければ、貴重な赫者の赫子を、わざわざ装着タイプのクインケに加工したりしない。

「…直接見たと思われる人は全員駆逐されてるの。だから、確定した物言いになっていないのよ」

「でしょうね」

並の喰種では、喰種の動きをする捜査官に対応できるはずもない。

厄介な敵が増えた、と眉を顰めるイツキだった。

もう片方は、『if』を騙って人を殺めている喰種の情報だった。

まだ行動を始めていないが、始める前から評判を悪くするわけにはいかない。

速攻で処理をする必要がある。

赫子は甲赫で、本人自体の実力は低い。

簡単に殺すことはできるはずだ。

居場所は不明だが、昼に顔を出すことはありえないだろう。

あちらも、そしてこちらも、表立って行動するのには多大なリスクが付きまとうのだから。

――そろそろエトの手伝いに行こう。

ここでの用が無くなったので、グラスの残りを飲み干して、店を出る。

しかし、ドアノブに手を掛けたところで、店主の声に制止される。

「頑張っておくれよ。こっちも楽しみにしてるからさ」

「善処します」

短く返し、そのまま店を出た。

誰もいなくなった店内で、イトリは呟く。

「やっぱり、キミとの駆け引きは楽しいねぇ」

――下手な嘘だと一瞬でバレちゃうから、そう簡単には混ぜられない。

――だけど、キミの思考を掻い潜って騙せた時は至上の悦びが感じられる。

――まぁ、そんな瞬間は一生来ないだろうけどね。

クスリ、とイトリは笑い、イツキが口を付けたグラスにワインを注ぎ、それを一息に飲み干す。

――甘いねぇ。これが青春の味なのかねぇ。

その瞳は、楽しそうに嗤っていた。

車を走らせ、渋滞に差し掛かったと同時に電話を掛ける。

一回目の呼び出し音が鳴り終える前に、それは出た。

『ほいほいほい!何か用ですカナ?』

「…相変わらず早いですね」

記憶が正しければ、今までの電話のほぼ全てが一回目の呼び出し音で反応されている。

思考を戻し、話を切り出す。

「…今、そちらの方に向かっています」

『マ!?』

ガタタッ、と電話越しで聞こえるのだから、よっぽど大きな音だったに違いない。

そんなことを考えながら、冷静に返していく。

「はい。今渋滞に引っ掛かってるので、あと20分ほど時間が掛かります」

『オッケーオッケー』

「失礼します」

『ん。まったね~』

通話が切れると同時に、横を警察車両が通っていく。

スピーカー機能の便利さを改めて感じながら、アクセルを踏む。

少しずつ解消されていくが、未だ続いている渋滞に、僅かながら不満を覚える。

――渋滞さえなければ、気軽に車を出せるんだけどね。

一度家に車を置くべきだった、と後悔しながらイツキはハンドルを切り、左折する。

渋滞を無理矢理脱し、別ルートでのアプローチを試みる。

同じ頃、マンションの近くだけで何故か起きている渋滞に頭を抱えるエトの姿があった。

「こんな時に飛び降り自殺なんて勘弁してクレメンス…」

野次馬が野次馬を呼び、大渋滞となったマンション周りは、マトモに進むのさえ困難だったと、後にイツキは語った。

あまり更新できていませんが、今回はこれで終了です。次回は今日(水曜日)の夜の予定です。

エトと何をするか(どんなイベントが起こるか)の安価を直下に出しておきます。皆さん、お疲れ様でした!

前回は更新できなくてすみませんでした!今日は夜9時頃から再開します!

あかん遅れてもうた…。今から再開です!

「…飛び降り自殺か。お悔やみ申し上げます」

遺体を中心としたドーナツ状に広がる野次馬。

そして、道路まで広がった野次馬のせいで、渋滞が発生している。

イツキはそんな惨状を尻目に、別ルートから駐車場に停車、マンション内を目指す。

その間に野次馬の数は更に膨れ上がり、マンションへ入るのが困難になった。

「…マンションの構造は…。見取り図でも見ておくべきだったかな」

外から見て得た情報で、移動ルートを構築していく。

しかし、跳躍などを使わずに辿り着くのは不可能だった。

「…しょうがない。無理矢理押し通るしかないね」

前傾姿勢になり、人波の隙間を無理矢理進んでいく。

が、どうにも人が少なくならない。

周りを見ると、スマートフォンを片手に持った女性たちが。

イケメンに惹かれたのか、その白髪が気になったのか、はたまたその両方か。

考えるのも面倒なので、イツキは歩くスピードを速め、マンション内に突っ込む。

「…通路を塞がないでよ。迷惑じゃないか」

悪態をつき、エレベーターのボタンを押す。

降りてきたエレベーターの扉が開く。

中には、エトがスルメを食べながら立っていた。

「…何食べてるんですか」

「スルメ。まっずいけどね」

「…当たり前です。俺たちの体が受け付けないんですから」

喰種が満足に食せるのは、コーヒー(淹れた方がいい)、人肉(というより人体なら大丈夫)の二つだけだ。

それ以外は、体そのものが拒絶してしまい、万一体内に残留している場合は、激しい吐き気に襲われ、著しく身体能力が低下する。

また、途轍もなく不味く感じてしまうため、喰種であることを隠すためにも、普通に食べるスキルは人間社会で生きるなら必須だ。

同種である喰種も捕食自体は可能だが、他の食べ物と同じく不味く感じる。

だが、身体能力の向上が見込まれ、赫子の強化や赫者化することもある。

「だけど、人間のように振舞うのもネタになっていいぞよ」

「…変なお方だ」

「よく言われるさ。それよりも、ほれ」

投げ渡されたのは、一つの鍵。

「合鍵だよ。好きな時に来てどうぞ」

「…軽率すぎでしょう。そう軽々しく渡していい物じゃありません」

イツキの言葉を聞いたエトは、腹を抱えて笑う。

「あっははは!かったいねぇイツキくんは」

「私が君を信頼してるだけだ。だから渡した。それでいいじゃないか」

「まったく…」

手招きをするエトを追い、エレベーターの中に入る。

扉を開いてまず目に入ったものは、夥しい数のゴミ。

「これはひどい」

無意識のうちに口から出た言葉は、分かりやすくその地獄のような光景を表していた。

「…まずは掃除ですね。これじゃ捗るものも捗りませんよ」

「いや、そうでもないけどね」

欠伸をするエトを尻目に、イツキはゴミを整理していく。

ゴミの中から飛び出ている、一本の黒い紐が気になった。

「なんだろコレ…」

「ん?ちょ待っ」

何かに気付いたのか、走って制止してくるエトだがそれも遅く、その何かが引きずり出される。

「………」

何かはブラジャーだった。

ブラジャーを見たイツキは真顔でエトを見る。

「マニアワナカッタ…ホアッ!?」

止められなかったエトは、間に合わなかったことを悲しそうに口にし、足元のレジ袋で滑る。

「大丈b…あっ」

こけるエトを助けに行こうとするイツキだが、近づいた瞬間に悟る。

――これは、フラグだ。

その悟りは正しく、カーリングよろしく滑って来たレジ袋に足を滑らせ、イツキもこける。

仰向けにこけるイツキの上に、うつ伏せでこけるエト。

そこから導き出される結論は一つ。

「………」

「ナイスクッションだよイツ…キ…くん…」

そう、ラッキースケベ、通称ラキスケだ。

かの大英雄であるリト兄貴や、主人公の座を奪われたシンちゃんなど、様々な主人公が習得している基礎技術である。

今の状況は仰向けに倒れているイツキの上、もっと言うなら、イツキの顔面にエトの胸が押し付けられている。

「…下着付けてないですよね」

「アッハイ」

イツキが先ほど手にしたブラジャーは、エトが邪魔で脱ぎ捨てたものだ。

つまり、両者を隔てるものはシャツ一枚。

「…いくら自宅とはいえ、下着はちゃんと着けましょうね」

だが、合理化モンスターのイツキの心は動じない。

「…はい」

全く動じないイツキを見て、女のプライドが傷ついたエトだった。

プライドが傷ついてヤムチャしてるエトをよそに、掃除を済ませるイツキ。

大量に積まれた原稿(試作品)にチェックを入れていく。

「これは…喰種のことが露骨すぎてNG。こっちは…ただのゲームの感想だ。何やってるんだ…」

チェックを入れていくが、その全てがどこかがおかしい。

どこかというか、根本的に。

「…大丈夫なんですか、これ。このままじゃ締め切りに…」

心配するイツキを見て、エトは口を開く。

「既に新作は渡したよ。締め切りは当分ないからダイジョブ…」

それならよかった、とイツキは安堵する。

「あ、そーいやさ」

「はい?」

「どういう活動をしてるの?『if』」

イツキはその言葉を聞いて、数秒間思考に耽り、答える。

「…今は休止中です。安全なアジトを揃えるまでは、組織全体で動くわけにはいかないですから」

「とりあえず、今は俺単独で色々しています。今後の活動に備えた資金準備とか、懸念材料の処理とか、です」

帰る場所が約束されていない以上、組織を動かすのは多大なリスクが生じてしまう。

故に、リスクが小さいイツキ単独での活動に頼るしかないのだ。

「大変だねぇ…」

いつの間にか手にしていた缶コーヒーを飲みながら呟く。

「それでも、やると言った以上はします」

「そっか。命は落とさないようにね」

「…こんな命、目的達成のためなら喜んで捨てますよ」

――それが一番効率がいいし、確実だから。

そんな思いを胸に秘めながらイツキは言う。

エトは、イツキの胸中に気付かない。

イツキの本質を知っている人は、イツキ以外にはいないのだから。

野次馬は興味を失い、マンション付近は普段の静寂を取り戻した。

それを見たイツキは、外出の準備をする。

「およ、もう帰るのかい?」

「ちょっとした仕事がありますから」

エトの後ろのテレビには、全身から紫色の光を放つΖガンダムが。

ほとぼりが冷めるまで、エトと対戦をしていたのだが結果は完勝。

格闘しか振らないグフカスタムでは、勝てるはずもなかった。

もっとヒートロッドは上手く扱いましょう。

「…せっかく優秀なメインがあるのに勿体ないですよ」

「うぐ」

「失礼しました」

「ん。今日は楽しかったよ。バーイ」

扉を閉め、外を見る。

既に夜の帳が降りているので、視界が悪い。

好機と見たイツキは、すぐさま車目掛けて飛翔する。

あまりに速いそれを、常人が認識することなど不可能。

ものの数秒で、駐車場へと辿り着いた。

エンジンを掛け、車を出す。

目的地は特にないが、目的はある。

『if』を騙る不届き者をこの手で始末するのだ。

『長槍』の標的になったそれは、果たしてこの先生き残れるか。

直下に移動する区をお願いします。コンマが5以上で発見、奇襲をオートで行います。

10区に入って、駐車場に車を停める。

11、12、13、14区を軽く回ってみたが、怪しい人はいなかった。

「…まぁ、そう簡単には…」

気配を感じた。

視線の先、路地裏に続く通りに、ぼさぼさな髪をして猫背な女性と、ホームレスか、みすぼらしい服装の男性が入っていく。

手元の書類を見直すと、女性の方は件のものに酷似している。

「…尾行(つ)けるか」

相手の姿が見えなくなったことを確認して、イツキは近くの建物の天井に飛び乗る。

後を追い、路地裏の行き止まりに到着すると、男性は周りを見渡す。

「あれ、俺と同じような人がいるって…」

その言葉を聞いた瞬間、女性の顔が歪む。

「ごめんなさぁい。全部嘘なの」

「あなたはここで死んで、私の餌になるのよ」

「共存を目指す『if』?馬鹿馬鹿しいわ。どうせ人間なんか食料でしかないのに」

イツキは冷静に話を聞く。

これで条件は整った。

そう思ったイツキは、一本の尾赫を出す。

「『ピエロ』にいきなり声を掛けられた時は死ぬかと思ったけど、いい奴じゃなっ」

そして、一瞬で女性の頭を切り裂いた。

「へ?」

男性は、何が起こったのか理解できずに呆然としている。

仕事を終えたイツキは、すぐ車に戻り、10区を離れる。

「…別に、怒ったわけじゃないさ」

「邪魔したから消したまで、だよ」

車の中でそう吐き捨て、家へと戻る。

まだ、表立った活動をしていない『if』の名前を知っていたことに対する疑問が、イツキの中に残っていた。

本日の更新はこれで終了です。頭がボーっとする…。次回更新はたぶん月曜日になるかと思います。お疲れ様でした!

だいぶ遅くなってしまった…。今から再開します!

そろそろ原作ではアオギリ戦が起きる頃なので、直下コンマがゾロ目or0で、(このスレ内での)次週で戦闘が発生します。

コンマ判定:8 今週は起きないようですね。アオギリ戦が発生するか否かの判定はあと二回行う予定です。少々お待ちください…。

テレビでは、10区で女喰種が殺害されたというニュースが流れている。

「…昨日の今日でニュースになるのか。変なところで優秀だね」

「お兄さんがやったんですよね」

「…まぁ、色々あってね」

何をしているかを隠さないといけないイツキは、ありきたりな返答で流そうとする。

マシロも、そんな兄の思いを汲み取って追及しない。

イツキは、今の組織の現状をもう一度確認する。

現在拠点にしている廃工場は、月一程度だが捜査官が近寄り、未だにマークが続いている。

安全地帯…アジトにする予定の場所は17区にあり、移動するのなら何らかの騒動に乗じた方がいい。

喰種の悩みを聞いてくれるカウンセラーの情報を所持しており、必要に応じて利用することができる。

草野財閥の令嬢のエリカ、ジン、付き人のヨウハを波羅勝橋のたもとのプレハブ小屋で匿っている。

財産はそちらに預けており、必要ならば裏社会での取引材料として活用できる。

コーヒーカップを手に持ち、窓から外を眺める。

捜査官の姿が無い、いい朝だ。

「まだ組織としての活動をするべきではない…。分かってるけど…」

イツキは、大きなため息を吐く。

「アオギリとかがいる都合上、存在を知らしめたいんだよね…」

最低でも、我々が普通の喰種と違うと認識させなければ、共存など夢のまた夢だ。

CCG側との交渉は、あくまで優位に立ってから。

まずは、組織として認識されて、基盤を固めていかなければ、どうにもならないことを理解している。

理解しているからこそ、ため息が止まらない。

「…手詰まりなのが一番腹が立つよ」

悩みの種が残っているのが何よりも腹立たしいイツキだった。

直下に朝の行動をお願いします。(制限は特に)ないです。

ふと、電子音が鳴り始めたので後ろを向く。

そこには、某暗殺海賊ゲームをしているマシロが。

「むむむ…。戦列艦に何回も追われるのは苛立ちますね…」

開始早々、敵に追われるマシロだが、あっさりと無力化し、直接プレイヤーだけ乗り込ませて暴れ回っていた。

見張り台の狙撃兵を後ろからShooooo!して、上から銃が届く範囲を狙撃していく。

甲板に落ちた狙撃兵は、手足が変な方向を向いて痙攣していた。

それから殲滅した後、ゲームのディスクを入れ替える。

次はFPSゲームだった。

「このステージはSR…。いや、逆にSGやアキンボで荒らすのもアリですね…」

装備はstrikerとFMG9。

特に、strikerは拡張マガジンとサイレンサーを装着しており、PERKはブラインドアイとアサシン、シットレップ。

パッケージはスカベンジャーとスライハンド、ステディエイムだ。

分からん殺しする気満々で恐ろしい。

ガチ勢であることを知っているイツキはそう思い、マシロの横に座る。

「好きだよね。サイレンサー装備で奇襲したりするの」

「慌てふためく姿が面白いですから」

その後、マシロはノーデス30キルを成し遂げるが、VCからブーイングされて、渋々退室した。

「冗談じゃないですよぅ。あっちは談合試合してたのに…」

ブーイングしていた人たちとの戦闘をリプレイで見るが、VCをしていた人は決まって一つの場所に集まっていた。

そこに、アサシン装備で認識されづらいマシロが侵入、敵側を全滅させてマシロは別のエリアに移動。

そんな行動が繰り返されていた。

「…あちらも稼ぎたかったんだろうね。もっとも、通報されたら即アウトの無謀な行為なわけだけど」

悪くないはずの自分が退席する羽目になったからか、マシロは頬を膨らませている。

「あーもうむしゃくしゃします!異世界攻略してやりますからねー!」

そう言って、今度はPS2を起動させる。

「…交代交代でやるかい?」

イツキが問うと、マシロは満面の笑みで答える。

「はい!3回ずつやって、一番深くまで進めた方の言うことを聞く、というルールでしましょう!

笑顔のマシロを見て、イツキも微笑む。

――いつものように過ごせるっていいなぁ。

↓1コンマがイツキの到達階層、↓2コンマがマシロの到達階層です。勝った方から、負けた方に向けて安価を出します。

準廃人の知慧:↓2コンマ+↓1コンマの下一桁

結果:イツキ 26階で力尽きた マシロ 27階で力尽きた

準廃人のマシロと天才(天災)のイツキですら1/4程度しか進めないとは…。異世界怖い。

それぞれが攻略を始めるが、なんと、最初の二回は一階で倒れてしまった。

「…冗談じゃないよ。三匹もスライムが近くにいたら死ぬじゃないか」

「開幕が地獄すぎましたね…」

ラストチャンスに望みを懸け、イツキは慎重に進めていく。

「10階…。モンハウ発見、トンネル…よし!世界樹も取れた!」

「あっこれヤバい」

焦るマシロを無視して、レベル上げと食料入手をしながら、進んでいく。

「…最初の大部屋は金縛りで越えられる。大丈夫だ…」

50分掛け、26階へと到達した。

マップでは、遠くにモンスターが一匹だけが確認できる。

「…待って。足元にアイテムとか嫌な予感しかしないんだけど」

恐る恐る一歩進むと、画面外から壷が投げられてきた。

「「あっ」」

世界樹?なにそれおいしいの?

何があろうと強制死亡、最凶最悪の攻撃『閉じ込め投げ』である。

「…流石にこれは」

「最悪すぎますね…」

イツキは、これを攻略した人が心の底から恐ろしく感じた。

「私が同じ目に遭うことは無いはずです…」

余計なフラグを建てたマシロだが、思いの外スイスイ進んでいく。

イツキが昇天した26階も、神階段ですぐ次に進んだ。

「負けたかぁ…」

「このまま先に…!」

しかし、現実は非情である。

「開幕モンハウゥゥゥゥ!?」

残念ながら、対応できるアイテムは、既に使い切っている。

一か八か、足元のルーラ草を使うが、まさかの祝福。

あっちに行って、こっちに行って。

結局モンハウに戻ってきて、嬲り殺しにされて終了した。

「…ま、まあ、一応私の勝ちですし…」

「…異世界って、理不尽すぎるよね」

「はい…」

落ち込むマシロの肩を叩き、慰める。

多少は効果があったのか、マシロは顔を上げる。

「命令をどうぞ。お嬢様」

直下に、マシロからのお願いをお書きください。朝が早いので、申し訳ないですがこれで終了にさせていただきます。

全然更新できてなくてすみません…。次回は金曜日にできると思います。…夜勤ドゥーエさえなければ。皆さん、お疲れ様でした!

すみません…。風邪をひいてしまいました…。少し療養するので月曜日に更新を変更でお願いします…。すみません…。

何日か休んで、熱と怠さは改善しました。相変わらずクシャミが止まりませんが…。まぁクシャミはいつもしてるので大丈夫でしょう。

お待たせしました。今から再開しますが、直下コンマでマシロのお願いの度合いを設定します。

1に近いほど束縛(強)…どんな時でもいてほしい、という思いに、9に近いほど、一緒に生きていけるならそれでいい、という思いになります。

ヤンデレ:-1 マリのトラウマ:+2

「何でもいいんですよね?」

マシロの問いに、イツキは当然のように答える。

「…俺に出来ることなら、ね」

その言葉を聞いたマシロの目が、濁ったように見えた。

「じゃあ、ずっと一緒にいてください」

それだけ?とイツキは疑問に思うが、マシロの顔つきが妙だ。

違和感を感じたイツキは、軽く鎌をかける。

「…今と変わらないと思うな」

「いえ、違います」

即答だったマシロの声は、今までで一番冷えたものだった。

「起きた時もご飯を食べる時も大学に行く時もお仕事の時もお風呂の時も全部、どんな時でも一緒です」

「…俺の生活が壊れやしないかな」

イツキの指摘はもっともだが、今のマシロには通用しない。

「嫌なんですよォッ!」

叫びにも似た怒号が、部屋に響き渡る。

「もう嫌なんですよ…!一人でいるのが…。あの時のことを思い出して…!」

「もしかして嘘だったんですか…?言うことを聞いてくれるっていうのは…」

「…嘘じゃないよ。ただ、俺にも色々とやることがあってね」

「嘘じゃないならできますよね?」

マシロの顔が目の前まで近づく。

その目は、イツキを映しているようで何も映してない。

深い深淵のような闇を湛えている。

――まずいな。このままだと暴走しかねない。

イツキは内心焦るが、そんなことは露知らず。

マシロはただ、真っ直ぐこちらを見つめている。

――多少の気分転換に、と思ってやったことが裏目に出たか。予測できなかった自分が恨めしいよ。

心の中でそう吐き捨て、打開策を考える。

直下に受け入れるかどうかorどうするかをお願いします。なお、最低値が先ほど出てしまったので、マシロは一時的に不安定になっております。

考えた結果、根本的に解決する方法は無い、という結論に達した。

――下手に拒絶したらどうなるか分からない。条件付けをした上で警告しておかないとね。

今まで散々甘やかした結果がこれだとしたら、少しは矯正しなければならない。

「…マシロ」

「ッ!?」

マシロはイツキの声色からどこか怒っていると判断し、距離を置く。

「…君のそれは、俺たち喰種にとっても致命的なものになる。だから全部を受け入れることはできない」

「えっ…」

この世の終わりのようなをするマシロを諫め、話を続ける。

「全部は無理なだけだよ。そもそも、マシロの言う通りにしたら俺はすぐCCGに手配されるよ」

「ずっと妹と一緒にいる兄とか怪しさ満点だからね」

「う…」

マシロの言葉にそのまま従うと、発見されるリスクが桁違いに上がる。

正直、イツキの頭脳があろうと誤魔化すことはできないだろう。

「…それに、モラルの問題もあるでしょ。マシロはもう15だよ?色々とアウトになるよ」

シスコンを越えて犯罪者になってしまう。

それだけは避けなければいけない。

というより、中学で学んでいたのだから、どれほど不味いことなのかは予想が付くはずなのだが。

「…今まで敢えて触れなかったけど、この際はっきり言わせてもらうよ」

「マシロ。君は他人のことを気にしないで、自分の考えばかりを優先する節があるね」

「…厳しい言い方になるけれど、それだとただの猿と変わらない。いや、猿以下だ」

「………」

悲し気に下を向くマシロ。

そこに、イツキは更なる追い打ちを掛ける。

「…本当に大切に想っているのなら、その人の意志も尊重するべきだ」

「押し付けてばかりでは、やがて全てを喪うよ。そして、その後に後悔するんだ」

「『こんなことになるのなら、しなければ良かった』ってね」

「うぅ…。ひぐっ…」

思い当たる節があるのか、涙を流すマシロ。

――やりすぎたかな。まったく…。加減ができない男だな。俺は。

マシロの頭に手を置き、優しく呟く。

「俺は怒ってないよ。ただ、今言った言葉は記憶に留めてほしいんだ」

マシロは鼻をすすりながら肯く。

――これで、少しは矯正できたかな。

ふと外を見てみると、太陽が空高く昇っていた。

直下に、昼の行動をお願いします。他の時間帯までキンクリするのも大丈夫です。

殆ど更新できていませんが、また早朝から出勤なので誠に勝手ながら、ここで終了させていただきます。すみません…。

次回更新は木曜日予定です。お疲れ様でした!

すみません!仕事が忙しいのと、休日にやる気が何も起きなくて再開できませんでした。本当に申し訳ありません…。

今日の夜なら、問題なく再開できます。お待たせしてすみませんでした…。

申し訳ありません…。祖母が高血圧で倒れて、対応していたらこんな時間になってしまいました…。

今日の昼に今度こそ再開です…。何度もごめんなさい…。本当にごめんなさい…。

先月は何も言わずに空けて申し訳ありませんでした…。これで何度目なんだろう…。今から再開します。

話をした後、マシロは無表情で天井を眺めて、イツキは卒業試験の対策書を作っている。

無言の空間が、アマナツ家を支配する。

その雰囲気がいたたまれなくなったイツキは、車の鍵を手に取る。

「…マシロ、『あんていく』に行こうか。気分転換も兼ねて、ね」

「はい…」

とてとて、とイツキの傍に寄り、裾を握る。

まるで子供みたいだな、とイツキは思い、頭を撫でる。

「ん…。ふふ…」

顔をほころばせながら、マシロは更に身を寄せる。

戸締りを済ませた二人は、『あんていく』に向けて車を走らせる。

そんな中、イツキのスマートフォンに着信が入った。

「…ヨーコちゃんから?ごめんマシロ、今手が離せないから耳の所に置いてくれない?」

「分かりました」

「ありがと。…もしもし」

「おはよーセンセ。今だとこんにちは?」

生徒の明るい声が耳に響く。

「どっちでもいいと思うよ。それで、何か用なの?」

「前のテスト、いい点取ったら遊ぶって約束だったっしょ?保留されてたけど、そろそろいっかなって」

「…あ」

イツキが忘れていたわけがない。

ただ、色々とあったから後回しにしていただけである。

…ホントデスヨ?

「…前にも言ったけど、生徒と教師って関係上、遊ぶのは不味いんだ」

「たかが塾とはいえ、こっちは君たちの身を預かってるんだ。そういうのは駄目」

「約束した時はいいって言ってたじゃん!」

「…そこは俺のミスだよ。ごめん」

――知り合いに頼まれたらイエスマンになるからなぁ。どうにかした方が良さそうだ。

謝罪する傍らで、そんなことを考えるイツキ。

対するヨーコは、イツキの言葉を聞いて慌てふためいていた。

「いや、その、あたしも少し考えたら分かることなのに、我が儘言って…ごめんなさい」

「…埋め合わせは今度するよ。またね、ヨーコちゃん」

「あ…はい。また塾で会おうね、センセ」

通話が切れたのを確認して、マシロはスマートフォンを耳から離した。

どういう埋め合わせをするのか。

それを考える必要が出て、内心頭を抱えるイツキであった。

チリンチリン。

扉を開けると鳴る鈴の音。

これが聞こえるということは、誰かが入って来たか出ていったということだ。

「いらっしゃいませ」

聞きなれた弟の、聞きなれない言葉。

「エスプレッソを一つと、ブラックを一つ」

「かしこまりました」

オーダーをしてから、手ごろな席に座る。

見たところ、客は自分たちだけのようだ。

「兄貴、ちょっといいか?」

「うん」

弟の呼ぶ声に答え、二階の部屋に移動する。

どうやら、誰にも聞かれたくないことのようだ。

「…ここならよし、と」

「どうしたんだい?」

「あー…。女性と上手く付き合える方法って知らないか?」

――ああ、ついにアサヤが遠い所へと旅立ってしまった。

「…真面目な話だっつーの」

流石アサヤさんです、と頭を垂れるイツキに、不機嫌そうに答えるアサヤ。

「…俺は知らないよ。経験無いし」

「…でも、一つだけ言えることがあるよ」

「マジか!?」

ずいっ、と身を乗り出すアサヤに、冷静に言葉を返すイツキ。

「うん。動画や漫画を参考にしないこと。あんなのただのフィクションだから。あてにならないよ」

「…ウス!」

頭を下げて、アサヤは下に降りていく。

――何だったんだ、いったい。

少し、アサヤのことが分からなくなった。

直下に、夕方の行動をお願いします。

>>1さんに負担を掛けるようで申し訳ないですが、時間が経つと何したら良いのか分からなくなるからできる行動とか期限とかまとめていただけると有難い
イベントは消化しないと溜まりまくって大変な事になるし

>>698、あー…。たしかにそうですね…。今所用で家を出てますので、戻り次第一覧を投下したいと思います。夜10時くらいにはできるはず…。

駄目だ…。また遅くなってしまった…。予定一覧です。安価は直下で継続中です。


実施日未定

『if』親睦会 理由:マシロ対策のために保留にしたため。話を行えば進行していく。

アジト大移動 理由:目立つ行動のため。行動自体はいつでも可能だが、何らかの戦闘に乗じれば確率が上がる。

コネクション形成 理由:まだ無名な組織のため。エリカを利用すれば可能ではある。

ヨーコとのデート 理由:倫理的にアウトのため。別の行動(勉強会等)に変えることは出来る。

アジト大移動ですか…。了解です。手段等の安価に入ります。再開は今日の夜です。いつにも増してグダグダですみません…。

↓1

1:√24区(地下経由で直接移動) 有馬(モグラ叩き部隊や0番隊)、強力な喰種と戦闘になる可能性あり。時間は掛からない。
2:√地上 何らかの手段を用いて、複数の区を跨いで移動する。比較的安全ではあるが、時間が掛かる。

↓2

1を選んだ場合

1:部隊を複数に分散し、少しずつ移動させる。敵にはバレにくいが時間が更に掛かる。
2:全員を纏めて一気に送り込む。バレやすいが時間は掛からない。
3:その他 自由安価。

2を選んだ場合

1:徒歩 時間は掛かるが、臨機応変に対応できる。
2:車 スピーディに動けるが、戦闘になった時に色々と困る。
3:その他 自由安価。

お待たせしました。今から再開ですが、もう一つ安価です。

直下

1:イツキが囮となって、CCG及び喰種の気を引く。
2:一つに纏まって、一気に目的地を目指す。
3:自由安価。

『あんていく』を後にして、帰宅した頃には、マシロもいつものようになっていた。

急ではあるが、アジトの移動を夜に行うことにした。

何かの戦闘に乗じて行った方がいいからと保留していたが、いつまで経っても実行できない可能性がある。

それに、気を引く程度なら、イツキ一人で充分である。

帰宅してすぐ、幹部たちにその旨を伝えたところ、快くとはいえないが、了承の意を示してきた。

「陽動は俺一人でいい。場所は…CCGの支部で軽く暴れて、適当に移動して引き離すかな」

既に眠ったマシロの頭を撫でながら呟く。

団体を纏めるのに、ヨスケ以上の適任者はいない。

日頃から冒険し、色々な経験をしているヨスケになら任せられる。

そんな判断をした。

「…そろそろ時間か。目立ちましょうかね」

部屋の電気を消し窓から、夜の街に飛翔した。

~~~~~~~~~~~~~~~

「…時間だ。こちらも移動を開始する」

「了解です」

ぞろぞろ、と先導するヨスケとマドカ。

後を追う『if』メンバーの顔には、不安の色が見え隠れしている。

裏路地から顔を出し、辺りの様子を窺う。

「視たところ、出ても問題なさそうだ。マドカ、そっちはどうだ?」

「…こちらも確認しました。数百m内に『白鳩』、喰種の存在はありません」

「そうか。まったく、イツキ一人でできることを俺たちは、複数でしかこなせないとは…」

「…誠、凄い方ですね」

火の手が上がるCCG14区支部を見やりながら、愚痴を零す。

「…囮。ただそれだけのために支部を襲うなど…。あいつくらいなものだ」

「ツッキー…。Удачи(頑張って)」

「あの人なら、スパパパパーンと終わらせてくるよ」

「そうねぇ。ワタシたちにできることは、あの子の頑張りが実を結ぶように全力を尽くすことよ」

人気のない路地裏を疾駆する。

リーダーが死なないように、各々が祈りを捧げながら。

本隊が移動を開始する数分前、イツキは近くのビルの頂上に座っていた。

「…うん。合流は終わったみたいだ」

双眼鏡で確認し、目を閉じる。

――殺さずに大暴れ。矛盾してるようでそうでもないことだけど、大変だなぁ。

尾赫を展開、指でなぞりながらイツキは思う――。

イツキの赫子、とりわけ尾赫は、殺すことに特化した赫子だ。

本来は、最弱と言っても差支えがなかったほどに貧弱な赫子だった。

しかし今では、彼という喰種の象徴、命を刈り取る死神の鎌へと変貌した。

過去を知っている者は皆こう言った。

『真に恐ろしいのは、あいつ自身だ。あらゆる手段を講じても、全てを見抜き、無駄にする』

『赫子なんて、彼の強さの要素の一つに過ぎない。あの知性があるからこそ、最強なのさ』

紅く染まった瞳に映るは、特異なカタチをした建物。

軽やかに飛び降りた青年の身体を、赫子が包む。

「…さあ、『長槍』が姿を現しますよ。今まで手掛かりが無かったんだから、嬉しいでしょう?」

最強の喰種、天災を凌ぐ白き絶望が今、14区の守護者の下に舞い降りた。

――どうしますか?俺を殺しに掛かるか、尻尾を巻いて逃げ出すか。どうぞ、お好きな方を。

呆気に取られた人々の顔が、恐怖に染まる。

「ふざけんなよ…。ふざけんなよ…!なんで…こんな時に…」

「なるべく沢山の特等を呼べ!アオギリの行方を追う暇なんかねぇぞ!」

「クソッタレ…。お前に何人殺されたと思ってるんだ!?おめおめ顔なんか出しやがって!嘗めてるのかよ…」

彼らの怒号を聞いてイツキは苦笑する。

――その顔は誰にも見えないが。

「…あなたたちだって、沢山殺めているでしょうに」

「…化け物風情がぁぁぁぁぁ!」

クインケを手に、捜査官が迫る。

――その化け物と戯れるんですよ。あなたたちは。

怒りを乗せた凶刃は、揺らぐことなくカタチを持った絶望の頸へと吸い込まれる。

勝利条件:特になし。いつでも撤退は可能。

敗北条件:戦闘不能。または死亡。

直下コンマ判定

備考 判定表は>>251から抜粋。戦闘力の補正は>>252から。敵の戦闘力は現在70で固定(援軍により変動)。
   援軍は毎ターン判定。場合によってはストーリーに影響有り。
   撤退したい時はその旨を記載願います。
   今回の戦闘でターンを稼ぐほど、本隊の遭遇判定が免除されます(5回行う予定。5ターン稼げば目的達成)。

1:ファンブル
2~4:失敗
5~7:成功
8、9:クリティカル
ゾロ目、0:特殊判定
00:特殊判定(SP)

戦力差ボーナス:+2 プレッシャー:+1

援軍の判定を行います。直下です。

1~5:援軍来ず
6~9:上等クラスが到着(真戸コンビや平子さん)
0、ゾロ目:特等クラスが到着(篠原コンビやいわっちょ等)
00:有 馬 降 臨

クリティカル:+1

時間も遅くなってまいりましたので、今回はこれで終了とさせていただきます。もっと早く始められれば…。

次回更新は水曜日予定です。お疲れ様でした。

お待たせしました。今から再開します。

首元に迫るクインケを、指二本で挟んで蹴り上げる。

飛んでいく勢いに負け、両腕が上がった捜査官の腹部に掌底を打ち込む。

「ゲボッ…」

石を投げたように転がっていく捜査官を、また別の捜査官が受け止め、陣形を整える。

「羽赫隊、撃て!」

二十人ほどの羽赫持ちが射撃する。

「一本」

しかし、それは全て、たった一本の尾赫で撃ち落とされた。

「…は…?」

「嘘…だろ…。速すぎる…」

捜査官の顔が、みるみる絶望に染まっていく。

一度は、恨みを原動力とすることで塗りつぶすことが出来た。

だが、二度目は出来なかった。

誤魔化せた一度目とは違い、眼前に広がった光景は、いとも容易く彼らの心を踏み躙った。

「…っと」

危険を察知したイツキは、バックステップでそれを回避する。

「ふむ、やはり外れるか」

「アキラ、お前はまだ『フエグチ壱』に慣れていない。当たるとは思わないことだ」

「了解」

短い返事で話を切り上げ、赫者を睨む二人。

「単身で支部を襲うとはな。梟の真似事か、それともただの無謀か」

チラリ、と怯える捜査官を一瞥し、声を上げる。

「諸君、君たちの救援要請は特等らにもしっかりと届いている」

「もうしばらくの辛抱だ。奮起し、戦いたまえ」

特等がやって来る。

その言葉を聞いた捜査官は立ち上がり、再びクインケを構える。

「…真戸上等。私は『アマツ』で援護する」

「では、私は『黄泉比良坂』で切り込むか。どれほど肉薄出来るかは分からんがね」

たとえ自分が死のうと、情報を残せればそれだけで充分だ。

赫者を殺す覚悟も、自分が死ぬ覚悟も、あの時からしている。

――惜しむらくは、アキラのこれからが分からなくなること、だな。

微笑みを湛え、真戸呉緒は突撃する。

――その命、私が貰うぞ。『長槍』よ。

身を焼き焦がす黄泉の炎と雷は、両手に番えた剣に宿り、命を刈り取らんとイツキを狙う。

直下コンマ判定 成功数:1 援軍:真戸コンビ 戦闘力:80に上昇

1:ファンブル
2~4:失敗
5~7:成功
8、9:クリティカル
ゾロ目、0:特殊判定
00:特殊判定(SP)

戦力差ボーナス:+2 プレッシャー:+1

判定:9 クリティカル! 

援軍判定 直下コンマ判定

1~5:援軍来ず
6~9:特等クラスが到着(篠原コンビやいわっちょ等)
0、ゾロ目:色んな区の強い人とか(髭紳士や鉢の人、宇井さん)
00:舞い降りる有馬

平子さんは存在を忘れてたので、次のレスで突っ込みます。

「フッ!」

左手の蛇腹剣は電撃を帯び、右上に向かって振るわれる。

イツキは上体を反らし回避、そのままサマーソルトへと転じる。

「そこだ」

宙に舞ったイツキを、アマツの尾赫が捉え、突撃する。

「…二本」

片方の尾赫でアマツを弾き、もう一方の尾赫は、真戸上等のクインケ目掛けて放たれる。

「ぐっ…。速い上に、一撃一撃が重い…!」

クインケを連結させ、前、後ろ、左、右とあらゆる方向から襲い掛かる赫子。

一つに対応した直後に、別の方向から同じ赫子が迫りくる。

そして、それに遅れて対応すると、また別の方向から。

後手後手になっていることを歯痒く思い、少しずつ後退する。

「上等!」

それに対し、真戸二等は弾かれた尾赫で援護し、真戸上等へと接近する。

「私の援護では意味が無い!ここは一度…」

「ならんよ。ここで引けば、他の者が皆殺しだ」

「誰かが犠牲にならねば、被害が増える」

「ッ…」

淡々と言う真戸上等だが、心中では違和感が燻っている。

――なぜだ、どうして死者が出ていない。それに、なぜ『長槍』は急所を狙わない。

全身に切り傷が増えていくが、致命傷は一つもない。

守っているからにしても、一度も狙わないのはおかしい。

実力差は歴然で、いつでもこちらを殺せるはずなのに。

暗くなる思考を振り払い、眼前の地獄を切り抜けるために、剣を振るう。

「お覚悟を」

「お断りします」

ぬるり、と突然湧き出た捜査官は、ユキヒラ1/3で急所を狙う。

それを避け、お返しに、と二本の尾赫で包囲、全方位攻撃をするが、ギリギリのところで往なされる。

――駄目だな。あと6撃でこちらがやられる。

冷静に分析しながら、対処する平子。

しかし、流れる汗に血が混ざっていき、状況が悪化しているのが見て取れる。

「…邪魔だな」

イツキは平子への攻撃を突然中止し、後ろの真戸二等のアマツを尾赫で貫く。

「なぁっ…!?」

「アキラ!」

クインケの尾赫が、力なく地面に落ちていく。

あまりにも突然、あまりにも一瞬で行われた早業。

それを理解した瞬間、真戸二等は恐怖した。

――そういうことか。我らヒトなど、いつでも殺せる取るに足らない存在だと。そう言いたいのか。

「はは、ははは」

乾いた笑いを零し、真戸二等は俯く。

一度刻まれた恐怖は、消えない。

そして、それは着実に伝播していく。

「くっ…」

ユキヒラ1/3を吹き飛ばされた平子が地面に倒れ伏す。

せめて一撃、と懐に潜り込もうとした平子だが、あっさりと、本当にあっさりと妨げられた。

「ハイアー…マーインドー!」

空間を裂く砲撃も回避し、悠然と『長槍』は電灯に立つ。

「おいおい…。お前らどんだけ酷い目に遭ってんだ」

嬉しいはずの援軍も、これからの悲劇の糧にしかならない。

そんな考えに覆われ、虚しさだけが広がる。

直下コンマ判定 成功数:2 援軍:真戸コンビ、平子上等、鉢川班(梟戦のあのメンツ)、田中丸特等、(忘れてた)宇井准特等

戦闘力:100に上昇

1:ファンブル
2~4:失敗
5~7:成功
8、9:クリティカル
ゾロ目、0:特殊判定
00:特殊判定(SP)

戦力差ボーナス:+1 プレッシャー:+1

判定:4 失敗 

援軍判定 直下コンマ判定

1~5:援軍来ず
6~9:特等クラスが到着(篠原コンビやいわっちょ等)
0、ゾロ目:舞い降りる有馬

(突然流れるMeteor) 盛り上がってきたところで、申し訳ありませんが、本日は終了とさせていただきます。

次回予定は明日です。有馬さんとどれほど肉薄出来るのか…。お疲れ様でした!

遅くなりましたが、今から再開ですー。

※いんふぉめーしょん

有馬さんが来てしまったので、ストーリーが変化します。
撤退時はコンマ判定(偶数か奇数か)を行います。失敗したら、失敗したままになります(ファンブルにはならない)。

回避、攻撃、また回避。

ルーティーンのように、同じ行動をローテーションする。

「はぁっ!」

「………」

ぐにゃり、と曲がる『タルヒ』。

甲赫のクインケだが、内蔵されたギミックにより、柔軟な対応が出来る。

初めて経験したであろうそれを、錐もみ回転をすることで往なすイツキ。

「うわ、これを初見で避ける喰種は初めて…」

回転を活かした回し蹴りを柄で止め、上に逃げるようにクインケで薙ぎ払う。

「穴ぼこになんなぁ!」

「ハイアーマインド!略してハイマイ!」

「…チッ」

乱射される射撃を尾赫で弾き、眼前に迫るゲロビを赫子による立体機動で避ける。

「ふむ…。今のを避けるとは…」

「あ゛ー!ちょこまかとウゼェ!」

「…うるさいの」

「どーしましょ。近接じゃあ入り込めない。マトモに戦り合えてる宇井さんは流石だねぇ」

苛烈に斬り結ぶ二人を遠目で見る伊東と穂木。

それは、徐々に捜査官側が有利になっていた。

――太刀筋は読めてきた。だが、『タルヒ』をぶち込む隙が無い。

――二本じゃ押し切られるかな。次も出すべきか。出さないべきか。

クインケで、二本の赫子を上に弾く宇井。

「そこだッ!」

千載一遇の好意を見逃さず、『タルヒ』で突く。

「っとと」

「また避けた…!」

しかし、それをしゃがんで避け、それに対応し手前側の下に向けて曲げた『タルヒ』を更に回避、足場にして跳躍する。

――かなりの手練れだ。手加減はしない方…。あ。

空中に漂うイツキを、無数の雷撃が襲う。

「…危ないな」

正確な射撃をひらり、と避けて着地する。

マンホールを通って到着した『CCGの死神』有馬は、無表情で二本のクインケを構える。

「…臭ッ!有馬さん、下水道の水浴びました!?」

「ん?ああ。少し足を滑らせた」

「誰かー!ファブリーズ持ってきてー!」

有馬が来て、空気が変わった。

沈んでいた捜査官の心に、光が差したのだ。

――絶望したり、希望を抱いたり。忙しいなぁ。

首を鳴らし、有馬の装備を分析する。

――槍は甲赫。剣は羽赫。羽赫が雷撃を放ったんだろうし、槍は防御型か、搦め手か。

『ナルカミ』は電撃を帯び、『長槍』へと向けられる。

天災同士の戦闘の火蓋は、今に斬り落とされようとしている。

誰もが固唾を飲み、戦闘が始まる瞬間を待つ。

しかし、その中でただ一人、別のことで思考している捜査官がいた。

――どうして『長槍』は、支部を襲撃した?

普通に考えれば、単騎で襲撃するメリットなど無い。

捜査官を殺すのなら、パトロールしている捜査官を狙えば済む話だからだ。

――もし、もしも、有馬くんを引き寄せるのが目的だとしたら。

真戸呉緒の頭の中で、最悪のパターンが映し出される。

「…不味い。非常に不味いぞ。これは」

汗を流し、真戸呉緒は他の捜査官に言う。

「至急『コクリア』の防衛に向かえ。おそらく、奴の狙いは…『コクリア』の襲撃の幇助だ」

現時点では情報が無いので、ただの勘に過ぎない。

しかし、真戸呉緒は確信していた。

――長年捜査官をしてきた私の勘だ。間違いない。

最強の捜査官と、多数の捜査官が一箇所に引き寄せられているこの状況。

それが、『アオギリの樹』にとってどれだけ助かることなのか。

それを捜査官たちは一切、理解していない。

「…行きますよ」

「ああ。来るがいい」

知る由もなく、激闘は始まった。

直下コンマ判定 経過ターン:3 失敗数:1/4

援軍:真戸コンビ、平子上等、鉢川班(梟戦のあのメンツ)、田中丸特等、宇井准特等、有馬特等

戦闘力:105に上昇、固定されました。

1:ファンブル
2~4:失敗
5~7:成功
8、9:クリティカル
ゾロ目、0:特殊判定
00:特殊判定(SP)

戦力差ボーナス:+1 プレッシャー:+1 CCGの死神:-1

※もう一ついんふぉめーしょん

CCGの死神は、有馬さんの固有スキルです。こちらが失敗する度に、補正値が強化されていきます。戦闘が終わると初期値に戻ります。

また、イツキの固有スキルで、人間ヴェーダがあります。こちらは、一度判定に成功したら敵のスキルを永続無効、補正値を+1します。

コンマ判定:8 クリティカルでヤンス!

援軍はこれ以上来ません。来たら有馬さんの邪魔になる、という判断が下されたのと、これ以上防御を手薄に出来ないから、だそうです。

「負荷90%」

夥しい数の雷撃がイツキを襲う。

だが、一度見たイツキには、通用しない。

軌道を予測、分析し、最善のルートを瞬時に判断する。

脳内で描いたルートを辿ると、その脇を雷撃が穿つ。

「あれを避けた!?」

驚愕した宇井は思わず、クインケを落としてしまう。

それを拾い、手渡す平子は、無表情で戦闘を眺める。

――赫子が増えた。数は計四本。まだありそうだ。

両手のクインケで赫子を打ち払うが、追い付かない。

最強の捜査官たる有馬でさえ、完全に対処出来ていないのだ。

「守るか」

その一言を発した有馬のクインケ『IXA』は、盾となり主を守る。

「…固いですね」

何度も赫子をぶつけるが、有効打にはなり得ない。

しかし、イツキは対応策を練り、実行する。

「…では、全方位からなら、どうですか?」

四本の尾赫を伸ばし、有馬の周りを囲む。

そして、あらゆる方向から、高速の槍が放たれ、赫子の檻に消えていく。

「………」

先ほどとは比べ物にならないほど、攻撃の数は増した。

流石に対応出来ず、弾き損ねた赫子が、手足を貫く。

「ッ…」

よろめく有馬に追撃をせんと、イツキは接近する。

「『IXA』…遠隔起動…!」

しかし、それは地面から飛び出したクインケで阻止される。

「有馬さんが負ける…。そんなわけが…!」

歯軋りをする宇井は、クインケを片手に突撃しようとする。

だが、平子によって引き止められた。

「俺たちではお荷物だ。抑えろ」

「でも、有馬さんが!」

「考えてみろ。有馬さんでも苦戦する相手なのに、俺たちが生きているのはおかしい」

「…あっ…」

宇井は気付いた。

『長槍』の目的が、時間稼ぎでしかないことに。

どういうわけか、こちらを殺す気など更々無いことに。

「報告!『コクリア』が襲撃、多数の脱走者が出ました!」

そして今、最悪の報せが届いた。

「…『コクリア』襲撃…か…」

赫子を一旦収納し、呟くイツキ。

――利用されたか。『アオギリ』に。

してやられたな、と苦笑し、有馬を見やる。

腱を狙ったつもりだったが、ギリギリのところでずらされ、外れた。

――最強の捜査官は伊達ではないね。

無言で『ナルカミ』を構えた有馬は、電撃を放つ。

――直撃しなくても、牽制にはなる。

今出来る最善の手を、一つ一つ打つしかなかった。

直下コンマ判定 経過ターン:4 失敗数:1/4

援軍:真戸コンビ、平子上等、鉢川班、田中丸特等、宇井准特等、有馬特等

戦闘力:105

1:ファンブル
2~4:失敗
5~7:成功
8、9:クリティカル
ゾロ目、0:特殊判定
00:特殊判定(SP)

戦力差ボーナス:+1 プレッシャー:+1 人間ヴェーダ:+1 クリティカル:+1

有馬さんフルボッコが確定したところで、本日の更新はこれで終了です。もう少し速く始められればいいのですが…どうにも上手くいかず。

次回予定は来週の火曜日となっております。お疲れ様でした!

明けましておめでとうございます。新しい年に突入するのも二回目ですね。

なのに…。どうしてッ!まだ一周目なんでしょうかッ!?(自業自得)せめて一周目は終わらせないと、ですよね…。

二年掛けて一周終わるというのもアレですけど…。再開です。

放たれる雷撃は、絶死の雷。

それを軽々と避ける『長槍』は、よろめく『死神』を見据え、ただ一撃。

「っ…」

ブチン。

そんな嫌な音が聞こえた。

それが何を意味するのか。

それを理解するのに、時間は大して掛からなかった。

『死神』の足が、力なく垂れる。

『長槍』が狙ったのは、脚の腱、即ちアキレス腱だ。

ここは人間、喰種は関係ない、人体の急所。

ここが断裂するということは、その脚が使えなくなることを意味する。

捜査官全員が今、確信した。

――この喰種には勝てない。

『IXA』を杖に立ち、『ナルカミ』を撃つ。

たとえ当たる兆しが無かろうと、攻撃を止めるのは許されない。

無抵抗は敗北を示す。

有馬はまだ負けていない。

CCGはまだ負けていないのだから。

――そろそろいいかな。

攻撃をピタリ、と止めて、おもむろに瓶とペットボトルを取り出す。

「そぉれっと」

瓶に水を注ぎ、大きく振りかぶって、投擲。

後方のCCG支部内、事務課に吸い込まれる。

そして、数秒ほどすると、燃え上がった。

「何となくで作った『なんちゃって火炎瓶』です。さようなら」

ガッチャ!とでも言いたそうなポーズを取り、空に消える。

「ふざけた奴だ…。散々荒らし回って、満足したかのように去っていく」

「『長槍』…。この区で稀に確認されていた喰種…」

「…本部に連絡だ。14区の警戒レベルを最大に。アレを仕留めない限り、人類の敗北は確定する」

僅か一時間で起きた惨状。

それは、過去の災害を容易く塗り替えた。

「…とりあえず消火しないとな。動ける人は消火器を抱えて消しにっ」

平子が言い切る前に、地面が揺れた。

舞う土煙の中に、黒い異形の影が浮かぶ。

「…来たか」

それの正体を理解している有馬は呟く。

土煙が消えた瞬間、悲鳴が上がった。

「ふ…『梟』だぁぁぁ!」

捜査官が慌てふためく中、『梟』はぐるり、と見渡し、問う。

「『長槍』サン。ココニイルハズナンダケド…。シッテル?ソコノシラガ」

「どこかに消えた」

「ソデスカ…。バイチャ!」

そして、『梟』は飛び立った。

「ふぁ…。やることが無いって暇だぞい…」

薄手のシャツで転がる高槻。

その手には、バナパスポートが握られている。

「この時間からやってもカモられるしなぁ。テレビでも見るか」

バナパスを投げ捨て、リモコンを赫子で引き寄せる。

投げたバナパスを、後ほど焦って探すのまでがテンプレだ。

しかし、今回はそのテンプレをなぞらなかった。

「緊急速報ねぇ。地震とかは来てないけど。…ファッ!?痛ぁ…」

驚いた高槻は壁まで後ずさり、後頭部を強打した。

「『長槍』が14区支部に出没って…。何やってんのさイッキュン…」

急いで包帯を全身に巻き、襤褸切れを羽織る。

「死ぬなよ死ぬなよ…。今から助けに行くからね!」

窓を開け、そこから跳躍して、ビル伝いに移動する。

大きく開けたところに辿り着くと、赫子を展開する。

空を駆ける異形の怪物。

愛する男を助けるため。

ただそれだけのために、身バレの危険を冒してでも、姿を見せに行った。

結局のところ、意味は無かったのだが。

「…恐ろしいくらいに静かだねぇ」

スキンヘッドの任侠のような棋士、マンバロウが呟く。

「Да(はい)…」

キョロキョロ、と周りを警戒しながら、ジンコは頷く。

その右目は、紅く輝いている。

「…あの倉庫か。大きいな」

森に囲まれた倉庫が姿を現す。

僻地に建てられたそれは、手を付けていない様子が見て取れた。

「雑草ばかりね。刈る…のは駄目ね。怪しまれちゃう」

オカマのキヨノリが雑草を手で撫でる。

その目は、廃倉庫の扉に向けられている。

「…内部に喰種を確認。数は二人です」

本性を隠した少女が伝える。

両手の苦無は特別製で、喰種の肉をも容易く切り裂ける、いわば『クインケもどき』だ。

「どうしますか?私一人でも、確殺出来ますが」

「…念には念を、だ。ジンコ、お前もやれ」

「ウー…。Костюм(スーツ)が汚れマース…」

「なぜそれを着た」

どうして、他の人は皆動きやすい服装なのに、彼女はスーツなのか。

ヨスケには理解出来なかった。

「見ろ。マドカに至っては忍装束を着ているんだぞ。際どいのは問題があるが」

「…それは言わないでください。これでも恥ずかしいんです」

「…ったく。パパったら…俺だけ見た目をこんなのにして…」

外套で肌を隠し、マドカは愚痴を零す。

そして、扉へと体を向けた。

「…まあ、いいです。私が仕留めてきます」

ダッシュで扉に向かい、赫子を隙間に差し込み、鍵を内部から外す。

扉が開いたと同時に、羽赫で飽和攻撃。

一体の喰種は息絶えたが、もう一体の喰種が突進してきた。

「終わりっ」

後ろに移動していたマドカは、首元に苦無を当て、首を落とした。

ニンジャの強さは伊達ではないのだ。

「…戦闘終了。呆気ないですね」

苦無を太腿のホルダーに仕舞い、扉を見やる。

事を済ませたのを確認したヨスケは、リーダーへと連絡する。

はぁ、とため息を吐き、マドカは思う。

――少しは、忍者らしくツキさんの役に立てたかねぇ。

年相応なあどけなさを残した顔に、アクセントの返り血が付いている。

しかし、彼女は確かに忍者の顔、冷徹な表情を、つい先ほどまでしていたのだ。


アジト大移動編 終了

キリが良いので、本日はこれで終了です。次回の行動を直下で募集しておきます。

14区の警備はめっちゃ厳しいです。旧多さんが経営していた時並です。散々暴れていたから是非もないネ!

アオギリ軍団はホクホクしております。フカさんもお仲間になっていたり。ドナートさんはぼっちで残ってます。

次回予定はちょっと分かんないですね…。分かり次第連絡します。お疲れ様でした!

報告です。明後日には再開出来そうでございます。死ぬかと思った(小並感)。報告が遅れて大変申し訳ございませんでした。

いちおう最新巻もチェックしてるんですが、いやーおったまげた…。反映出来るかなぁ。

自分のイメージはこんな感じです。

イツキ:武装をワイヤーアンカーに取り替えたΞ
マシロ:クシャトリヤ
アサヤ:ヴァーチェ

お待たせしました!今から再開です!久しぶりなので、いくつか現状を纏めておきますね。


☆現状まとめ

・イツキが原因で14区の警戒が超強化。アオギリとの関係が予想されている。

・相対的に他の区の警戒が緩和。喰種たちの行動がしやすくなった。オークションとかも増えるゾ。

・お嬢様一行の危険性上昇。早急に救助しないと、駆除される可能性大。今後を考えると、助けた方が都合がいいかも。

・『アオギリの樹』がコクリア襲撃を達成。有馬がいなかったため大部分の喰種を吸収。7区の攻防戦が消滅し、嘉納の捜索にシフト。

・また、シロクロコンビの手術時期が原作で示唆されていないため、現在未施術とする。

カネキの後なのは確定だし、カネキのデータを基にやった的なことが書いてた気がする。
本来、攻防戦後に半年くらい空くからその間にオペッたと思います。カネキはすぐ回復したから合ってる…と信じてる。確認不足なのかもしれない。

・嘉納のことをイツキは把握していないが、エト、カネキから情報は貰える(エトの方が詳しい)。その気になれば、居場所を推測出来る。

・有馬が戦闘不能なので、当分の0番隊はお休み。モグラはしばらく叩かないので、地下利用が容易に。

他に何かあったら追記します。忘れてる可能性が高いので…。

場所は変わって20区。

地下通路を介して、安全な場所へと移動した。

実質副リーダーのヨスケに、作戦が終了した旨を伝えるために電話を掛ける。

二回呼び出し音が鳴り、スピーカーから渋い声が響いてくる。

「…こちらイツキ。作戦は予定通り終了しました」

『ニュースで確認した。が、少々不味いのではないか?』

深夜とはいえ、今回の事件は大事だ。

CCGを喰種が単騎で襲ったなど、『梟』の襲撃以来のことだからだ。

「…問題ありません。警戒を他所に集中させることで、別の区にいる皆さんは行動しやすくなります」

「…俺はまだ14区から出ることは出来ませんが、警戒されるような状況ではないはずです」

――妹たちを弱冠22歳の学生が養っている時点で、どうかと思うがな。

そんな言葉を出しそうになったが、噛み殺す。

不自然ではないように、特待生だったり塾講師のアルバイトだったりをしているのだろう。

表向きでは品行方正もいいところ、な彼を疑うのは考えにくい。

『そうか。それで、お前はどうする』

「…まだ用事があるので。落ち着いてから連絡するので、皆さんは普段通りの生活を」

『了解だ』

プツリ、と通話が切られ、スマートフォンをポケットに直す。

追手を警戒して20区まで移動してきたのは良かったが、今の状況では14区に戻らない方が良さそうだ。

「マシロに誤魔化すメールを送って…。仕方ない、地下で休憩するか」

もう一度、イツキは地下へと潜った。

数時間後の早朝の14区。

公園をジャージ姿で走る青年の姿が。

「…そろそろ戻ってもいいか。ジョギング帰りと言えばどうにかなる」

一般人と変わらないペースで走りながら、悟られないように注意を払い、周囲を一瞥する。

――数が尋常じゃない。5人一組で公園内だけで3班もあるとはね。

お嬢様たちの安否が気になる。

が、日が沈まないと行動出来ない。

少しだけペースを上げ、捜査官たちの横を通り過ぎる。

「ちょっと、すみません」

「はい」

声を掛けられてすぐに踵を返す。

下手に遅れたら怪しまれる。

「こんな早朝からランニングですか。運動好きなんですか?」

「いえ、最近は卒論を書いてばかりだったので。少しは身体を動かして、リフレッシュをしようかと」

「…へぇ。リフレッシュ、ですか」

ジロジロ、と身体を隅々まで見られているようで、気味が悪い。

「ところで、最近凶悪な喰種が出たので外出時は注意するよう言われてたはず…なんですがねぇ」

――なるほど、誘導尋問か。

目的を察知したイツキ。

瞬時に思考して、対応を行う。

「すみませんが、家を出る時点ではまだご近所さんは誰も起きていなかったもので。テレビを見てもいませんし」

「…そういえば、その凶悪な喰種って、夜の何時ごろに出たんですか?」

「…どうして、夜だと?」

「だって、自分が就寝した12時まででは、そんなニュースは無かったものですから」

「それに、喰種の犯行は夜が殆どだって、小倉さんが」

「…ああ、なるほど」

また小倉か、とでも言いたげな表情をし、捜査官は表情を曇らせる。

――まぁ、これ以上つつかれることは無いだろう。

捜査官たちの態度からして、これ以上聞くことが無いと見える。

「…では、失礼しますね。捜査官さんたちのおかげで、今は危ないと分かったので。早く帰らないと」

「…そうですね。お気を付けて」

意外とすんなりと引き下がったのが気になるが、彼らにも余裕が無いのだろう。

特に気にすることも無く、一礼だけして帰りを急いだ。

ドアを開けた直後に抱き着いてきたマシロ。

ヒョイ、とそれを避けて、テレビを点ける。

どこのチャンネルでも『長槍』・『梟』特集が行われていた。

「守秘義務があるだろうに。…それだけ、本気ということか」

「…何をしてたんですか?」

ドアにぶつかったからか、赤くなった額を押さえながらマシロが問う。

「秘密。…どうせ、分かってるんだろうけど」

「ええ。ですが、意味が分からないんです。態々警戒レベルを引き上げさせるなんて」

「…それでも、言えないよ。マシロを関わらせるわけにはいかない」

「…仲間外れですか。家族なのに」

「違うよ。危険な目に遭ってほしくないだけさ。もしもの時は、『あんていく』に匿ってもらうから」

真っ直ぐこちらを見つめるマシロ。

だが、視線が交わることは無い。

諦めたようにはぁ、とため息を吐き、マシロは口を開く。

「…いいです。私も、散々迷惑を掛けましたから。お兄さんがダメと言うなら、踏み込む気はありません」

「だけど、死なないでくださいね。もし死んだら、後を追いますから」

「…はは、それは怖い」

冗談ではなく本気で言っているであろうところが恐ろしい。

どこで育て方を間違ったのだろうか。

――これは私の精神性の問題なので。お兄さんは関係ないはずですよ。

脳内に…直接…ッ!?

朝の行動を直下でお願いします。目立つ行動を行う場合は、コンマ判定を追加で行います。

「…さて、と。まだあの子たちを失うわけにはいかないし、別の場所を探さないとね」

100%イツキが原因のことなのだが、それは置いといて。

まだ、彼女たちをメンバーと会わせることは出来ない。

行動理念が正反対だから、速攻で殺しに掛かりかねないのだ。

「うーん…。調べた限り、ちょこちょこ手放された建物があるなぁ」

住宅街にあるものは当然論外。

人目に付きにくい、山奥だとかの建物がよろしい。

「だけど。情報が出てる時点で怪しいんだよね」

家から出ずに調べた場合、安全の保障が出来ない建物ばかりがピックアップされる。

こういう時こそ他人を頼るべきなのだろうが、下手に動くとマークされかねない。

特に、『Helter Skelter』に行った場合は、色々とヤバいことになるだろう。

「…皆、天才だ何だと持ち上げるけど。俺一人で出来ることなんてたかが知れてるんだよなぁ」

天才だろうと、ただの喰種一人でしかない。

一人で何でも出来ていたら、それこそ神という存在なのだろう。

「…人は神に憧れるけど、神になることは出来ない」

「人は人でしかないのだから。別の存在にはなれないのだから」

――カネキくんだって、外側が変わっただけで、本質は人間と変わらない。

「…まったく、嘉納先生。あなたは神を気取っているのでしょうかね」

度々ワイドショーや討論番組で姿を見せた医者。

カネキの話を聞き、彼が喰種化させたのだとすぐに分かった。

「…まぁ、俺には関係ないことだ」

目的を為すために、動くだけ。

直下で探す方法を決定します。

1:とにかく自分で探す!これが一番!(成功率、バレる可能性共に大。だが、チートなイツキが頑張れば安住の地を見つけられるかも)

2:助けてエトしゃん(成功率普通。バレる可能性は低いが、アオギリが把握している可能性が)

3:イトリえもんに助けを乞う(成功率特大。バレる可能性は???)

「…あ、喰種関係で詳しい人はいたな。あの人なら」

そう思い、スマートフォンを手に取る。

「あれ、メールがいっぱい来てる。迷惑メールはあり得ないし。誰だろう」

受信ボックスを開いてみる。

そこには、夥しい量のメールが。

「………」

無言で読んでいくイツキ。

――何で同じメールを繰り返し送るのかな。エトは。

これじゃあまるでヤンデレじゃないか、と心の中で思い、メールを一つだけ残して消去する。

流れるように電話帳を開き、通話を始める。

今度は、コールが始まった瞬間に出てきた。

『怪我は大丈夫!?腕とか千切れてない!?』

「…大丈夫です。怪我はしてません」

『良かったぁ…。有馬と戦り合ったから、てっきりどこか持っていかれたと…』

「…それより、少し聞きたいことがあります」

『…なんだい?私に出来ることなら何でもするよ』

何でも、という言葉が引っ掛かるが、まあいい。

「…『白鳩』に見つかることのない、喰種が使える隠れ家を知ってますか?」

『まあ、多少は。…でも、それを知ってどうするの?』

「俺が原因なんですが、必要になりまして」

『…分かった。ちょっと待って』

どこか元気の無さげな声で答え、ミュートになった。

直下コンマが5以上で情報が入手出来ます。捜査官に発見される可能性は低いですが、成功時に↓2が3以下だと…。

数分して、ミュートが解除される。

『…ごめん。私が持ってた場所はたぶん、全部アオギリが接収したと思う』

『言いたくないんだけど…。イッキュンは利用されてた。アオギリの方が上手だったね』

「…でしょうね。組織に気を取られて、アオギリの動向を気にしなかった俺のミスです」

『…でも、気になることがあるんだ』

「何ですか?」

『どうして、イッキュンの襲撃に合わせられたのか、なんだよね』

『私も速報を見て知ったくらいの極秘行動。それを知れたということは…』

「内通者がいる、と」

『うん』

確かに、心配する気持ちは分からないでもない。

イツキが集めた、信頼出来る人は幹部たち。

他の人は、幹部たちが集めた人や、集まった人が更に集めた人たちだ。

そこに、部外者が紛れ込む可能性もあり得る。

「…俺の予想は、既に準備を終えていて、どこかで大きな行動を起こしたらそれに便乗する、ですかね」

「まぁ、真相は分かりませんが。準備を終えていたのは確定でしょう」

「そうでないと、行動を起こすなんてあり得ないですから」

『…とにかく、私はアオギリの動向は見張っておく。何かあったらすぐ連絡するね』

「分かりました。エトも気を付けて」

『うん。またね』

一難去ってまた一難、とはこのことを言うのだろう。

一難は去ってすらいないのだが。

「…アオギリ。本当、厄介な連中だよ」

コーヒーを一杯飲み、イツキは頭を抱えた。

さっきの判定にデメリットはそこまで無かったのでご安心を。外に出ていた場合は…(目を逸らす)。

次は昼の行動です。直下でお願いします。今更ですが、休んだりして時間をある程度進めることも可能です。

隠れ家探しは続くよどこまでも。直下で方法を選択してください。

1:自力で捜索(先ほどと同じ)

2:イトリ姉貴なら何とかしてくれる(先ほ(ry)

3:自由安価

えー、特殊判定です。直下コンマが3以下だと、捜査官たちに検問されます。検問されたら50%で戦闘になります。

「…多少のリスクは仕方ない。原因は俺にあるしね」

車のキーを手に取り、外に出る。

万一に備えて、マシロはお留守番だ。

車を出して大通りを進むが、やはり数が尋常じゃない。

というより、ところどころに検問所を設置するだなんて本気過ぎる。

「…不味い。検問所が多すぎて、安全なルートがない」

引き返したいのは山々だが、そうしたら余計に怪しまれる。

もし捕まった場合、大学を諦めて隠れなければならない。

当然、塾講師のアルバイトもそこで終了する。

戸籍があるため、マシロたちも匿う必要が出てくる。

――Rcゲートを設置したりは…ないよね?

専門的な検査をされたら、一発で終わってしまう。

血を抜くとしても、普通の針は通らないのだから。

それが、喰種の証明になってしまう。

「…クソ、車なんか使うんじゃなかったな」

CCGの本気度を見誤っていた自分を、殺したくなった。

――何が天才だ。どうしようもないほどの阿呆だよ、俺は。

そして、心の中でそう吐き捨てた。

直下コンマ判定です。奇数の場合はアウト、偶数の場合はセーフです。ダメだったら戦闘です。

ちょっとしたアナウンス


今回の判定で、成功だったらRcゲート、失敗だったら血液検査を行う予定でした。

また、成功したので『V』とCCGの関係にイツキが完全に気付きました。

目の前の車の運転手が外に連れ出され、ゲートの真下を通り抜ける。

それを確認した捜査官は車を検問所の先まで運転し、運転手と交代する。

――Rcゲート。Rc細胞に反応する仕組みの識別装置か。

最悪な状況だが、どうしようもない。

ここで逃げても、ゲートをくぐっても変わらない。

――仕方ない、か。指示に従って、警報が鳴ったらすぐに逃げよう。

もしもすらあり得ないがそれでも、一度は経験しておいた方がいい。

ゲートまであと三歩。

二歩。

一歩。

ゼロ。

「…ん…?」

鳴るはずの警報が作動しない。

捜査官たちも、それが当然だとでもいうかのように車を進めていく。

「ご協力ありがとうございました」

「…いえ。お仕事、頑張ってください」

アクセルを踏み、先を急ぐ。

「どういうことだ…。動作不良はあり得ない。配備しているのなら、メンテナンスをしているはずだ」

そこで、図書館での出来事を思い出す。

『CCGもきな臭くなったけど』

「…そうか。そういうこと、か。それなら納得だ」

――CCGは『V』と手を組んでいる。それも、現在進行形で。

両親は元『V』でCCGと結託しているのなら、Rcゲートに検知されないのも当然だ。

そうでなければ、『V』が報告する時にゲートをくぐると、検知されてしまう。

喰種がCCGと手を組んでいるのが知れたら、とんでもない大問題になるだろう。

そのため喰種だと他の人には知られてはいけない彼らなら、システムを弄っているはずだ。

『V』メンバーの赫包を検知しないように、設定しているはずだ。

そして今、イツキがRcゲートを突破出来たこと。

それは、今もなお関係が続いていることを意味していた。

「既に終わっているなら、そんなシステムは解除してるはずだからね」

「見えた。どうして両親が殺されたのか。全ての謎が解けたよ」

『V』にとって都合の悪い存在だった両親を殺すよう、『V』からCCGに依頼が出される。

それを受けた上層部が、正式な指令として辻褄を合わせ、処分に向かわせた。

新聞には『子供はいない』とあったが、おそらくそれは世間を騙すためのブラフ。

子供がいること自体は掴んでいるはずだ。

そして、両親の願い。

それが叶うということは、今までの関係が崩れるということになる。

「喰種は駆逐される存在でなければならないんだ。彼らにとって」

「だから、両親は殺されたんだ。その関係を崩しかねない危険因子だったから」

目的が、行動理念が分からない敵は厄介だ。

だが、それさえ分かれば、対処は簡単だ。

髪を軽く掻き上げ、青年は笑った。

本日の更新はこれで終了でございます。久しぶりの更新でしたが、まだお付き合いいただける方がいてくださって良かった…。

まだ仕事が忙しくて、いつ更新出来るか分かりません。申し訳ない…。いつになったら、まとまった休みが取れるんだろう(遠い目)

皆さん、お疲れ様でした!そしてありがとうございました!

やっと予定が取れました(ゲッソリ)。本日の昼から再開したいと思います!

前回から数ヶ月も経過してて危機感をずっと憶えてました…。申し訳ありません…。

夕方になってしまいましたが、今から再開したいと思います。


アドバイス?

クロシロの手術は、作中時間で四週間が経過するとオートで実行されます。手術後二週間で実戦投入。

また、アオギリによる捜索判定が一週終了毎に行われます。発見された場合でも、上記のカウントは進行していきます。

つまり、アオギリの庇護下で実験が行われる状況になります(原作十一巻辺りと同じ感じ)。

助けたいのなら、早いうちに何かしらのアクションを起こした方がいいのかも…?

検問を突破したイツキは、目的地に向けて車を走らせる。

(…俺の身体が反応しないということは、CCGの中に立ち入っても問題ないということだ)

(そんな機会は無いだろうが。だけど、気に留めておいて損は無い、か)

駐車場に車を停め、外に出る。

いつもなら人通りがそれなりにあるはずなのだが、今日は違うようだ。

閑散とした裏通りには、人っ子一人見当たらない。

「…まあ、当然か。リスクは避けたいだろうしね」

静かな通りに靴音が反響する。

角を曲がり、建物に入る。

扉に掛けられている看板は『CLOSED』。

気にすることなく、イツキは扉を開けた。

「…看板見たわよね?何用でここに来たのよ」

「君のセイで大変なんだから。何とんでもないことしでかしてんのよぅ」

大変な割には、楽しそうな顔をしているが。

「…罰ゲームですよ。ちょっとしたゲームで負けてしまいまして」

「アハハハハ!そんな罰ゲーム、アタシだったら断ってるね」

そりゃそうだ。

「…で、何が入用なの?ここに来たってことは、そういうことでしょ?」

表情に変化は無いのに、その声色だけは冷徹なものになっていた。

「…ええ。依頼に来ました」

小さく頷き、椅子に座る。

昼から飲酒は如何なものかと思ったのか、缶コーヒーがカウンターに置かれる。

店で缶を振舞うのもどうかと思うが。

「とは言っても。こんだけ警備されてちゃ、情報なんて期待出来ないのよね」

くあぁ、と大きな欠伸をするイトリは横目でイツキを見つめる。

「…それでも、イトリさんなら問題ないと思いました」

「イトリさんの情報収集力は信用してますから」

「信用ねぇ…」

(信頼されるほどじゃないってこと、ね。ちょっち凹むわ~)

「なら、その想いに応えてあげたくなるのが乙女心よね」

「…乙女?」

「あぁ~ら。ひっぱたかれたいの?」

「………」

「ちょ、否定してくれないとアタシがおばさんってことに…」

「…自覚してるんですか」

「むぐ!?」

ワインに口を付けていたイトリは、堪らず吹き出した。

直下コンマに新しいセーフハウスの場所(地区名。14区は除外)と特徴をお願いします。直下コンマが3以上で成功です。

成功時に↓2コンマが3以下だった場合は…?

アッアッアッ… 00とか物語壊れちゃーう。どうしよ、ホントどうしよ。ちょっと考えさせてください…。

漸く思いついたので、再開していきます。遅くなってすまない…。

「…という茶番は置いておいて。依頼というのは、隠れ家が欲しいんです」

「ここはいつから不動産屋になったのかしら」

イツキ自身、情報屋に聞くようなことではないと分かっている。

だが、一番確実だと思ったのが彼女だった。

ただそれだけのことだ。

「まっ、それだけアタシの能力を認めてると思っておきましょうかね」

おもむろに取り出したUSBメモリ。

投げ渡されたそれを、左手で取る。

「望んでいる情報はその中よ。…それと、少しだけサービスしてあげる」

「サービス…?」

「耳、貸して」

イトリの手招きに従い、顔を近づける。

イトリは耳元に口を近づけ、囁いた。

「…アオギリよりも警戒すべき相手がいるわ。『白鳩』とは違う…いえ、『白鳩』と喰種、そのどちらにも存在する奴らよ」

「それは遠いところにも、意外と近いところにもいる。そして、強大な力を持っている」

「その内一つは…既に君の中に潜んでいる、カモ。…喰われないように、注意することね」

「…『V』ですか」

「…さあ?どうかしら」

「ほら。必要なのは渡したから、早く出ていきなさい。お客様に取る態度じゃないけど」

「…そうですね。今長居するのは得策じゃない。失礼しました」

情報をくれた感謝を込めて一礼。

素早く踵を返し、外に出た。

イツキが外に出て数分後。

店主は壁にもたれ掛かり、呟く。

「…なーにやってるんだ私は。余計な情報まで渡してさ」

「…いや…。これは先行投資。娯楽を提供してくれることを見越しての、ね」

「そう思ってないと…やってられないわ…。これは立派な裏切りですもの」

「これは…情報屋にとって致命的な失態ですもの…」

見上げた天井の照明が、イトリを照らす。

後悔先に立たず。

そんな諺を思い出し、イトリは頭を抱える。

「…一回寝ますかね。嫌なことがあった時は、寝るのが一番よ」

入口に鍵をかけ、照明を消す。

カウンターは思ったよりも温かかった。

自宅に戻ったイツキは、PCにUSBを挿し込み、ファイルを開く。

そこには、一軒家の間取りについて纏めた書類データと、メッセージが添えられていた。

「…これか」

データを開示すると、ディスプレイ一杯に情報が広がる。

「…プレハブ小屋よりは当然マシだな。管理者は…実質芳村さんか。書類上は別の人だけど、放棄してるみたい」

一通りデータを確認した後、メッセージを開く。

書かれていたのは、僅かな文章。

『獅子人面像の下に箱がある』

それを見たイツキは、そっとPCを閉じた。

「おちょくっているのか…。あの人は…」

TVに映る自分の顔。

無表情なそれを掻き消すように、電源を点ける。

『赫者』特集は未だに続き、荒唐無稽な推測ばかりが伝えられている。

静かに眠る妹にブランケットを掛け、考え事をするでもなくただTVを眺めていた。

直下に夜の行動をお願いします。終了後にコンマ判定です(行動無しも可)。

全然進んでいませんが、今回はこれで終了とさせていただきます…。仕事のピークは過ぎたので、ボチボチ更新出来るはず。

来週頃に更新予定でございます。お疲れ様でした!

イツキがまた女の人たらしこんでる…

おほー追いついたじぇー
イトリさんの好感度ってどれくらいだっけか

>>824、このままハーレムを作ってしまいそうな雰囲気。

>>825、不明(ただ判定するタイミングを逃しただけ)なのですが、判定により100(仲良し二人組(95)以上)となりました。

状況にもよりますが、基本イツキ達に+となる行動しかしなくなります。どんどん活用しましょう。


熱中症、久し振りになりましたがキツいですね…。ちょっと、再開の目処は分からないです…。すみません…。

最終巻、拝見させていただきました。ネタバレは伏せますが、ロリコンになるかと思いました。見てない方は是非。

お詫びと言ってはなんですが、ジューゾーと篠原さんのお話を少しだけ。

番外編 怪物との談話


「お、ジューゾー。まぁたこんなところに立って…。落ちても知らないよ?」

「大丈夫ですよ篠原さん。僕がそんな失敗…おっとっと」

「ほらもう言わんこっちゃない!」

歩道橋の欄干を平均台のように歩くジューゾー。

案の定と言うべきか、一度バランスを崩してあわや大惨事になるところであった。

そんなジューゾーは今、篠原の脇に抱えられている。

「はぁ…まったく、お前は手が掛かるなぁ…」

「放っておけばいいじゃないですか。僕が死んでも、誰も悲しまないですよ?」

「…っ!…お前…は…」

まるで『それが当然』とでも言わんばかりに、平然とジューゾーは言い放つ。

(あまりにも軽すぎる。コイツにとって命の重さなんてのは、紙切れ一枚みたいなもの、か…)

ジューゾーからしてみれば、誰が死のうと、自分が死のうと、それを気にするのがおかしいのだ。

命は皆、消えるのだから。一々気にしていたら、心が保たない。

――彼にとって、それは一種の防衛機構なのだろう。

凄惨な生き地獄を乗り越えるために、心が無意識に課した、最後の砦。

資料でしか見たことのない篠原には推測することしか出来ないがそれでも、そうせざるを得ないほど追い詰められていたこと、それだけは理解出来た。

「…私は」

「???」

「私は…悲しいよ。ジューゾー。お前が死んだら、悲しいと絶対思う」

「どうしてです?」

「…お前は、私の大切なパートナーで、部下だ。…そもそも、私は誰が死んでも、きっと悲しいと思うさ」

「命ってのは、尊い物なんだ。失ってしまえば、二度と戻らない。だから、不必要に奪ってはいけない」

分かっている。自分が言っていることは矛盾していると。

それでも、篠原は最後まで言う。

「…誰かを想い、悲しむ。それは、私たち人間にしか出来ないことなんだ。それを棄てるのは…無理なんだよ」

いまいち理解出来ていないのか、ジューゾーは首を傾げる。

だが、これでいい。今は理解らなくとも、いつか理解る日が来るはずだ。

いつかのきっかけになってくれれば、それで。

「…まぁ、お前が大切ってことさ。息子みたいなもんだからね」

「気持ち悪いです…」

「傷つくなぁ…」

再び歩き出した二人は、沈みゆく太陽に目を向ける。

「おぉ~。綺麗な夕日ですねぇ~」

「だねぇ。これを見ると、仕事が終わった実感が湧いてくるよ」

「お仕事って夜に始まる方が多くないですか?」

「…そういうの、思いついても口には出さないのが出来る大人ってもんだよ」

「そういうものですか」

「そういうものです」

「はむっ。むぐっ」

「おーおー…。素晴らしい食べっぷりなことで…」

財布の中身が心配になる篠原をよそに、リスのようにドーナッツを頬張るジューゾー。

傍から見れば、親子で楽しんでいる微笑ましい光景だ。

「そういや、何でクインケの名前をアレにしたのさ?」

「むぐむぐ…ゴクン。篠原さんはどうしてだと思います?」

「んーと。CCGの誇る怪物…強い捜査官になってやるっていう抱負かな?」

「違います」

「あらら、即答…」

指でバッテンを作り、否定するジューゾー。

その目は、どこか悲し気だ。

「…僕は、色々な人から変な目で見られます。まるで、気持ち悪いものを見るように」

「別に気にしてはいないです。だけど、何となく思ったんですよ」

「僕は化け物でしかない、と。それが理由です」

「………」

篠原は悲しかった。只々悲しかった。

たしかに、彼は普通の人とは少し感性が違う。

だが、彼には心がある。楽しいと思う心が。美味しいと思う心が。

ならば、彼だって立派な人間だ。化け物で、怪物である筈が無い。

「違う…違うよジューゾー。お前は人間だ。化け物なんかじゃない」

「お前は什造!CCG20区所属、三等捜査官『鈴屋什造』だ!…それを、忘れるな…」

途中で大声を上げていたことに気付き、頭を下げて篠原は席を立つ。

ジューゾーはただ、それを見つめていた。

篠原が退店して十分後、ドーナッツを食べ終えたジューゾーがやって来る。

特に何か言うこともなく傍に来て、歩き続ける。

不意に、篠原が口を開いた。

「…万が一、万が一だ。もし、ジューゾーが化け物だとしたら」

「したら?」

「私は、共にいるよ。お前を一人になんか出来ないからね」

「へー」

「…お前は。自分の思っているほど、どうでもいい存在じゃない。それを理解することだね」

「………」

その言葉が届いたのか、それは定かではない。

しかし、無言のまま歩いているジューゾーの顔は、笑っているように見えた。

いつものような笑顔ではなく、子供が褒められて照れているような、そんな笑顔。

「…篠原さんが隣、ですか」

「特等が付くっていうんだ。不満かい?」

「ドーナッツの貢ぎ物があれば許します、かねぇ」

「はっはっはっは。私よりもドーナッツの方がヒエラルキーは上か。…嘘でしょ」

「…どうですかねぇ」

楽し気に歩く二人の姿。

それは、美しい夕日が霞むほどに輝いていた。


おしまい

1ヶ月の時を経て、SS速報は蘇った!
というわけで明日の昼から再開したいと思います。いや、まさか鯖が落ちるとは思いませんでした。

上げ忘れてました…すみません。

すみません…寝落ち&PCフリーズからのデータ破損コンボが起きました…。
頑張って復旧してみますが、本日中に更新するのは無理かもしれません…。

新年明けましておめでとうございます。色々あって死にかけてましたが私は元気です。
突然ではありますが、本日の夜(いつになるかは不明ですが、割と早く開始するかも)更新予定です。
全く進んでないグダグダ具合ですが、それでも付き合っていただけたら幸いです。

今から更新開始です。イツキとかが持ってる戦闘時のスキルですが、廃止にさせていただきます。
代わりにネームド補正が掛かります。いくら何でもイツキがチート過ぎるので…。

「…よし、丁度いい。この家は有効活用させてもらうか」

プレハブ小屋に、今のところ安全な場所にいるとはいえ、警備が厳重な14区にいる以上、見つかる可能性は存在する。

移動という行為自体にリスクがあるだろう。が、放置していたら、そのリスクを放置するリスクが上回るのは確実だ。

利用価値がある彼女たちを、このまま喪うのは勿体無い。

「…はぁ、甘いね。俺も」

多少関わったからと言って、手助けをしてしまうのは悪い癖だ。身を亡ぼす事態を招かなければいいのだが。

しかし、性分だから如何にもならないものだ。仕方ない、と割り切り、補っていくしかない。

「…行くか」

妹を布団まで運び、窓から外を眺める。人は誰もいないようだ。

今回は車を使う余裕は無い。地下通路を利用することにしよう。

度々探索を行っていたから、構造は把握している。14区から20区に移動する程度なら、造作もない。

「…嫌な予感がするな」

この予感が的中しなければいいのだが。

直下コンマが3以下でプレハブ小屋が襲撃されています。

「うぅ…。CCGが来ないか心配ですわ…」

小屋の片隅でお嬢様は、自慢の艶やかな黒髪を弄っている。

「…誰もいねえよ。大丈夫だ、姉ちゃん」

「暇ですね。珈琲でも淹れましょうか」

「こんな状況で良くもまあ…。…道具が無いのに如何やって淹れるんだ?」

「…先程の言葉は無かったことにしてください」

「…はぁ」

こんな汚い場所にいるだけでも苛立っているのに、CCGという脅威に怯えている自分そのものが一番苛立つ要因になっている。

もっと力があるならば。小心者でなかったら。

皆を守ることが出来るのに。あんな怪しい奴に頼らなくても済むのに。

「…クソッ!」

「きゃっ!?」

「…ごめん」

苛立ちを壁にぶつけると、ただでさえ強度の低い壁は老朽化によって更に脆くなっていたようで、音を立てて崩れてしまった。

ああ、イライラする。

「…五月蝿いな。外まで丸聞こえだよ」

「っ!?」

「あぁ…!来てくださいましたのね!」

「有難いです。このままだと、ジン様が暴走しかねなかったので」

「言うな…」

「失言でした」

神を崇めるようにイツキを見るエリカと、心底憎そうにイツキを睨むジン。

ヨウハは特に感情を抱いていないらしく、無表情で眺めている。

「…ハッ。俺がああするまで待っていたのか?趣味が悪いな」

「まさか。ここまで来ている途中に聞こえたから、急いだだけだよ」

「随分と耳が良いことで」

皮肉を込めて、そう吐き捨てる。尤も、本性は見抜かれているかもしれないが。

「…誉め言葉として受け取っておくよ」

随分と、余裕を持っているようで。

「移動するよ。セーフハウスを手配しておいたから」

「何区ですか?」

「20区」

「ぬるい連中のとこか。まぁ、安全かもしれないな」

「24区の浅層を経由するから、気を付けてね」

「迷ったりしないんですの?」

「…だとしたら、そもそも使いはしないよ」

「だな」

コイツはいったい、何者なんだ。

「はい、ここを入ってね」

「げ、下水道ぅ…」

「失礼します」

一切の躊躇いも無しに、ヨウハが飛び込む。経歴を考えれば納得は出来るが、仮にも女性なのに、よくもまあ。

「…どうしたの?早く行かないと、死ぬよ」

それだけ言って、イツキも中に入った。こちらのことを分かってやってるんじゃあるまいな。

「…うう。わ、私も参ります!」

スカートを押さえながら、意を決して飛び込む姉。もう後には引けない。

「…ハッ!むざむざ死ぬ気はねえからな!従ってやるよ!」

もう如何にでもなれ。

直下コンマが3以下で喰種と交戦します。

下水道を進む一行だが、途中から周囲の様相が変わる。

多少荒れてはいるが、しっかりとコンクリートで固められた通路が通っている。

目を凝らしてみると血痕が幾つも見えるが、敢えて無視をする。こんなことに一々気を取られては堪ったものじゃない。

「…前方30Mの曲がり角に喰種3人。迂回するよ。音は立てないで」

「…ああ」

「…四時方向から4人。気付いているみたいだから急ごう」

「………」

指示に従って行動する。信じられないほど、スムーズに進んでいる。

コイツの勘の良さは何なんだ。さっきから、誰よりも先に危険を察知している。

これが『長槍』の力だとでもいうのか。

「ここを上ったらもう終点だよ。お疲れ様」

「………」

癪だが、認めるしかない。コイツは本物だ。本物の化け物だ。

「はふぅ…。これで…助かりますのね…」

「外出は無理だけどね。顔が割れてるし」

「私も無理ですね。付き人である以上、把握されてるでしょうから」

しかし、心を許すわけにはいかない。利用されている可能性だってあるのだ。

大切な人は、何があっても護ってみせる。

漢なら、そうする義務がある。

『アオギリ』による嘉納先生捜索判定です。直下コンマが1だと発見されて、『アオギリ』傘下になります。

あ゛あ゛あ゛あ゛!(声にならない声)

当たり前のように0出すのやめちくり^~(ちょっと待ってください)

お待たせしました。追加で判定を行います。直下コンマです。


1~8:機械や身体データに不備を発見、施術までの時間が二週間延期。情報漏れも同時に発生。イツキらが干渉しやすくなる。
9、0、ゾロ目:クロシロ姉妹が脱走し、『if』or『あんていく』に居候しに来た(どちらにするかは安価、施術後かは後ほど判定)

ああああああああああもうやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

はい、というわけで大幅に物語が変更になりました。嘉納先生が可哀想。

『if』、『あんていく』どちらに所属させるかアンケートを取ります。先に二票入った方を採用です。

同時に、直下コンマで施術判定をします。どちらでもメリットはありますよ。

奇数:施術前。CCGなどに潜入出来る。
偶数:施術後。色々と使い道がある。

朝。人によっては地獄とも言える時間帯。イツキは大学のための支度をしていた。

入社試験や国家試験対策をするためなのだが、はっきり言ってイツキには必要ない。頭の出来が違うのだ。

しかし、品行方正と認識されている以上サボるわけにはいかず、出ていかなければならない。

体裁を守るのも一苦労だと思いながら、荷物を放り込む。何気なくスマートフォンを起動させると、一通の留守電が入っていた。

「…?」

再生すると、キヨノリの声が聞こえてくる。いつもの番号とは違うから、何か事情があるようだ。

『えーっと…。ごめんなさいね、直接話せなくて』

『手が空いた時でいいから、折り返し電話をしてくれたら嬉しいわ。ちょっと…特別なお客様がいるの』

『よく分からないけど、マドカちゃんたちと同じ子なのかもしれないわ。眼の色…』

『…ごめんなさい。一回切るわね』

最後は焦ったような声色になり、そのまま音声が途切れた。

異常事態なのは間違いないが、状況が読めない。連絡するよう言われているならした方が良いのだろうが。

「…一難去ってまた一難、か」

何時になったら、問題が全て解決するのだろうか。

直下に朝の行動をお願いします。

本日の更新はこれで終了です。間が空いてしまい申し訳ございませんでした…。皆様も、健康診断は定期的に受けてください。
手遅れになる前に見つかることほど、幸せなことは無いと思います。勿論、病気に罹らないのが一番なんですが…。
説教臭くなっちゃいましたね…。すみません。本日はお付き合いいただきありがとうございました!

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