神風「口噛み酒?」 (50)

神風「呼び出されて来てみればいきなり何なの?」

提督「いや・・・神風、ちょっと焦りすぎた」

提督「すまない、ただちょっと神風の口噛み酒が飲みたくて・・・」

神風「え?まぁいいけど、それでその口噛み酒って?」

提督「なんでも日本最古のお酒らしい、それで居ても立っても居られなくて」

提督「是非神風に作って欲しい!」

神風「そ、そう?私に・・・ふーんいいわよ、どうやって作ればいいの?」

提督「それはだな───

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神風「い、いやよ!」

提督「なんで?乗り気だったのに」

神風「それは頼られたのが嬉しかったから・・・っていやったらいや!」

神風「もうお話は終わり?私帰る」

提督「くっこのままではマズイ、神風こっちを見ろッ!」

神風「え・・・5円玉・・・?」

提督「・・・本当に見てしまったのか」

神風(!?体が・・・動かない)

提督「安心していい、ただの催眠術だ」

提督「これから言うことを復唱して実行するんだ、いいな?」

神風「くっ・・・はい」

提督「よし・・・神風は今すぐ口噛み酒を作りこの瓶に入れて提督に渡す・・・復唱して?」

神風「よし・・・神風は今すぐ口噛み酒を作りこの瓶に入れて提督に渡す・・・復唱して?」

提督「あ゛?」

神風「あ゛?」

───────────

─────

──

神風「・・・うーんあれ?私・・・」

提督「どうしたんだ神風、眠いんだったら寝てくるといい」

神風「ええそうするわ」

神風「ところで私に何か用事でもあったの?」

提督「いや、もう済んだから大丈夫だよ」

神風「そう?じゃあね司令官」

提督「フフフ、我ながら恐ろしい力を身につけてしまった」

提督「さて、あとは放置して発酵させればいいのだが・・・」

提督「その時間すら惜しい」

提督「今すぐ飲みたい気分」

提督「となればあの御方に頼ろう!」

─工廠─

提督「明石えも~ん」

明石「もう・・・またですか?提督」

明石「この間大淀に大目玉くらったばっかじゃないですかー」

提督「資材10万」

明石「しょうがないにゃあ・・・いいよ!」

提督「やったーーーーーーー」

明石「タイムふ○しき~~」

明石「はいどうぞ、くれぐれも悪用はしないで下さいね」

提督「分かってるとも!」

提督「ついに出来たぞ」

提督「タ○ムふろしきで時間経過させ完全体となった神風汁」

提督「自室で静かにゆっくり堪能しよう」

クックックック

提督「いかんいかん、にやけが止まらない・・・こらえるんだ」




ポーラ「あっ提督だぁ、なーんか嬉しそうですねぇ~」ニコニコ

提督「ぽ、ポーラ!?いや別に・・・普通だぞ」

提督(くっ酒臭い、こいつ酔っ払ってやがる)

ポーラ「えぇそうですか~」

提督「そうそう、じゃあ俺はこれで」

提督「昼間っから飲み過ぎるのは感心しないぞ」

ポーラ「くぅ~耳が痛いです」


ポーラ「ところで提督ぅ、そのお酒飲みたいです、飲んでもいいですか~?」

提督「!?」サッ

ポーラ「あ~今隠した、よっぽど大事なんですねぇ~」

ポーラ「尚更飲みたくなりました、んふふふふ」ジュルッ

提督「ヒィ、逃げるんだよォォォ─────ッ」

ポーラ「あっ鬼ごっこ~?ポーラから逃げられると~お思いですか~?」

─30分後─

提督「ハァハァハァハァ」

ポーラ「あれ~もう終わりですか?案外粘りましたね~うぃっひっひっひ」

提督「隠れてもすぐに見つかるってどういうことだ」

ポーラ「あれで隠れたつもりだったんですか~?お酒の匂いがプンプンしてて丸分かりですよ~」

ポーラ「そんな神秘的な匂いのお酒なんて~一発です!」

提督「くっ、酒の亡者か!!」

ポーラ「さぁさぁ、大人しく観念するのです~」ジリジリ

提督「伸ばされてる腕と相まって本当にゾンビみたい」

ポーラ「勝利の美酒~勝利の美酒~」

提督「こうなりゃ最終手段だ!」

ポーラ「悪あがきなんて意味ないですよ~」



提督「ザラーーー!!!はやくきてくれーーっ!!!」

ポーラ「ダニィ!?」

ザラ「呼びました?」ヒョイ

提督「流石だザラ!よく来てくれた!」

ポーラ「あわわわわわわわわわわ」プルプル

ザラ「ポーラ!?て、提督ごめんなさい!ちょっとぉ!」

ポーラ「へっへへへザ、ザラ姉様、ポーラちゃ~んといい子に───

ザラ「うわっ酒臭い、問答無用!!」ガシッ

ポーラ「うひぃいいいいいい、て、提督助け」ズルズル

提督「ふぅ・・・ようやく脅威が去ったか」

提督「これで安心して飲めそうだ」


ザラ「あっ長門さん、こんにちは」

長門「あ、あぁ」


提督(・・・?長門の足取りがおぼつかない、なんかおかしいぞ)

長門「やぁ、提督」ハァハァ

提督「な、長門?どうしたんだ」

長門「むっはぁぁぁ・・・ああ

    柔らかな甘味と・・・ビターな酸味・・・

    芳醇なハーモニー・・・」

長門「やはりそれか、その酒瓶に入っているのがっ」スーハースーハー

提督「くそっロリの亡者まできてしまった!」

長門「あぁぁぁぁ甘美な匂いで何も考えられない・・・」ブルブル

長門「この香りに包まれて犯されて・・・骨の髄まで溶けてしまいそうだ・・・!!!」

提督「長門ォこれを見ろッ!!」

長門「ぬ?5円玉か、それがどうした?」ピタッ

提督「ふふふ見たな、見てしまったな!これでもう動けまい!」

長門「くくくっ何かと思えば・・・そんなものか」チッチッチッ

提督「ば、馬鹿な!何故動ける!?」

長門「あまり舐めないでいただこう」

長門「私は聯合艦隊旗艦長門ッ!世界のビッグ7!]

長門「そんな小細工など効かぬわああああああああああああああッ!!!」

提督「なん・・・だと・・・」

長門「ハァ・・・ハァ・・・

    近づいていくたびにクレッシェンドしていく香りッ!

    最後には私がッ!!
   
    ・・・・・・フォルティッシモ!!!!」


提督「へ、変態だぁ・・・」

長門「変態?私が?心外だな・・・仮にそう感じたのなら」

長門「そうさせているのはその物なのだから速く渡してもらおう」

長門「あはぁぁぁその輝かしい・・・神々しさ・・・まさしく神の雫ッ!!」

提督「お前と神風の進水日は3年しか違わないんだぞ!正気に戻れ!」

長門「それがどうしたァ!!可愛いは正義ッ!!」

ガラララ

神風「もう!仮眠室の前なんだから静かにしなさい!」

提督(しまった!走り回ってたらこんなところに来てしまってたか)

長門(女神降臨っ!!)

神風「あれ?司令官・・・その瓶なんだか見覚えが・・・」

提督(マズイ!今思い出されてしまったら更に邪魔が)

提督(どうする・・・)

長門「スキ有り!」ダダダッ

提督「しまった!」


ツルッ  パリーン  ビチャアア


「「あっ」」

提督「・・・」

長門「す、すまん提督」

提督「誰にも邪魔されず・・・自由に飲みたかっただけなのに・・・」

提督「独りで静かで豊かで・・・」

長門「て、提督・・・その」

提督「俺が片付ける、お前は自室に戻れ」

長門「・・・」

神風「わ、私ぞうきん持ってくるね」

長門(あの落ち込みよう・・・あんな提督の姿見たことがない)

長門(雰囲気に圧倒されてあれ以上言葉が続かなかった・・・)

長門(初めて見る)

長門(今までも多くの苦境があったが最後まで諦めなかったあの提督が・・・)

長門「・・・?なんだこの違和感は」

長門「何か・・・見落としている?」

提督「くくくっ今更気付いたところで遅い!!」

長門「なっ、瓶が元通りになっているだと!?」

提督「タイムふろ○き様々だな」

長門「クソッ!」

提督「ふふふ、その距離では飲み干す方が速い!」

長門「貴様!一人でゆっくりと飲みたいんじゃなかったのか!?」

提督「もういいのだ、人の歪んだ表情を肴に飲む酒こそ至高の愉悦と見つけたり」

神風「司令官ぞうきん持ってきたわ・・・ってあれ?どういうこと?」

提督「神風に・・・乾杯」ゴクッ

長門「くそぉおおおおおお!!」

提督「トレ!!!ビアンッ!!

    何だこの味は・・・ッ!

   体験したことのない・・・

   ・・・舌の上で深く絡み合うハーモニィィィ!!」

神風「思い・・・だした!」

神風「ああああああああああああああ司令官のバカバカバカーーーーーーー」ポカポカ

提督「最高の美食だ、フルコースのドリンクに加えてもいいくら───

提督「うっ!ぐ、苦じい・・・」


神風「し、司令官!?」

長門「おい!どういうことだ・・・毒だったのか!?」


提督「うがぁあああ・・・はぁ・・・」

提督「う!!!」

提督「ふぅ・・・とても清々しい気分だ、まるで一皮剥けたような」

神風「し、司令官体は大丈夫なの?」

提督「ああ、何ともない」

長門「提督、心なしか目の模様が渦巻状になってるような」

提督「何の問題もない」

提督「あぁ解る、解るぞ深海棲艦共の弱点、基地の所在、暗号」

長門「なに!?それは本当か!?」

提督「勿論だ、神風が今日もノーパンだってことも」

神風「!!??」ビクッ

神風を讃えよ!ドンドコドンドコ

ワッショイワッショイ

\神風は女神/\神風は女神/\神風は女神/


神風「は、春風助けてえええええええええええ」

春風「超神水をお造りになるなんて、流石ですお姉様!!」


神風ちゃんを讃えよ!ドンドコドンドコ




提督の指揮によって深海棲艦は駆逐され世界は平和になり、神風は唯一神になった

おわり

口噛み酒・・・エリート塩・・・

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