姫川友紀「逆転サヨナラbirth day」(22)

-早朝、事務所-

友紀「おはよー!」

P「おはよう…今日の予定はホワイトボードに書いてあるぞ」カタカタ…

友紀「あ、うん…」

P「…」

友紀「…」モジモジ

P「どうした?」

友紀「…今日何の日か覚えてる?」

P「…何かあったっけ」

友紀「ほら!ほら!」クルクル…

P「キャッツが優勝するのか?」

友紀「出来なかったよ!今年は!嫌なこと言うね!…違うよほら!」クイッ!クイッ!

P「なんだなんだ?うーん…」




ちひろ「プロデューサーさん!」

P「はいはい!」

ちひろ「ゆっくりしてる場合じゃないですよ!研修会始まっちゃいます!」

P「あ!しまった!」ゴソゴソ

友紀「えっ、プロデューサーどっか行くの?」

P「あぁ、芸能プロダクション全体の研修会だとさ。…こっちは仕事で忙しいんだけどなぁ」

友紀「…今日中に帰ってこれる?」

P「ん?どうかなぁ…そう言えばなんか言いたいことがあったんだろ?」

友紀「…プロデューサーが帰ってきてから言う」

P「帰ってくるのは深夜だぞ?」

友紀「…待ってる」

P「マジで言ってるのか」

友紀「…」

P「…わかった、今日中には帰ってくるよ」

友紀「約束だかんね!?絶対帰ってきてよ!」

P「わかったわかった!じゃあ行ってきます!」ドタバタ!

ガチャ!…バタン!

友紀「…お仕事行こ」

-TV局、楽屋-

菜々「お誕生日おめでとうございます!友紀さん!」

響子・奈緒「おめでとー!!」

友紀「…ビックリした~!ありがと、みんな」

菜々「はい、これ菜々からです!」

友紀「わ、可愛いリストバンドだね!ありがとうウサミン!」

菜々「これを付ければ友紀さんもたちまち永遠の17歳になれますよ!キャハ!」

友紀「そ、それは遠慮しとくよ…でも大事に使うから」

菜々「やめて!菜々を痛々しい目で見ないで!」

奈緒「だんだんそういうあしらわれかたが定着してきたな、菜々さん…あ、友紀さんアタシからはこれね」ヒョイ

友紀「なんだろこれ?開けてもいい?」

奈緒「どうぞどうぞ!」

友紀「…お?ねこっぴーのフィギュアだ!」ガサガサ

奈緒「へっへーん!結構探したんだぞそれ!」

友紀「おぉ…こんなところまで再現されてる!」

奈緒「だろぉ?!そこの製造会社イロモノをたくさん作ってるんだけど造形はピカイチで…」ペラペラ…

友紀「イロモノって…」

奈緒「い、いや!ねこっぴーがイロモノって訳じゃなくてその…」アセアセ




響子「はーい!友紀さん!私からはこれです♪」

奈緒「いよ!待ってました響子ちゃん!」

菜々「今日のメインコンテンツですよ!」

友紀「うわ!ケーキ!これ手作り!?」

響子「はい♪奈緒さんと菜々さんにも手伝って貰いました!」

奈緒「ほら、このキャッツのロゴをチョコで書いたのアタシ!」

菜々「野球ボールとウサギさんを書いたのは菜々です!」

友紀「すごーい!…で、この歪なクマは…」ハッ!

響子「?」ニコニコ

奈緒「」ギクッ

菜々「」ギクッ

友紀「ち、違った!ねこっぴーだよね!いやー…味わい深いなぁ」

響子「そうですか!私一生懸命描いたんですけど…」

友紀「うん、こりゃねこっぴーにしか見えないな~…あははは…」

奈緒「き、気を取り直して祝っちゃおうよ!」

菜々「そ、そうですねぇ!アハハ…蝋燭も買ってきてるので!」

響子「それじゃあみんなで歌いましょうか♪」

-夕方、再び事務所-

友紀「ただいま~。いやー満足満足!」

ちひろ「おかえりなさい♪その様子だとみんなからお祝いしてもらったみたいですね!」

友紀「あれ、ちひろさんも覚えててくれたんだね」

ちひろ「勿論ですよ!…はい、私からもプレゼントです!」スッ

友紀「ありがとう!…沢山お祝いしてもらって嬉しいなぁ」

ちひろ「そんなこと言って…本当はお祝いしてもらって一番嬉しい人がいるんじゃないですか?」クスクス

友紀「…」ドヨーン

ちひろ「あ、あれ?プロデューサーさんからは…?」

友紀「…朝忙しかったから!仕方ないよね!…しょうがないなぁもう!」

ちひろ「友紀ちゃん…」

友紀「ちょっと忘れてたみたいだけど?!きょ、今日中には帰ってくるって約束したし!」プルプル

ちひろ「ごめんなさい…私がプロデューサーさんを急かしたから…」ショボン

友紀「な、なんでそんな暗い顔するの!ちひろさんは悪くないよ!」

ちひろ「でも…」

友紀「大丈夫大丈夫!プロデューサーは約束絶対守るから!…信じてるもん」

友紀「それにまだまだ今日は終わらないよ!TVでもみてよーっと!」タタタ…

ちひろ「…」ピッピッ…プルルル…

ちひろ「プロデューサーさんは電話出ないし…」

-夜、新幹線内-

P「女子寮の配備ねぇ…」パラ…パラ…

P「あまり気が乗らない研修会だったが…結構為になったな」バサッ!

P「…っとマナーモードにしたままだったが…電話来てないよな?」

着信履歴

ちひろさん

ちひろさん

ちひろさん

ちひろさん

友紀

P「な、なんでちひろさんからこんなに?…友紀も?…そう言えば出掛けになにか…」

鞄<ドサドサ!

P「うわっとと!中身が…」ヒョイヒョイ

P「…あれ、この包みなんだっけ」



友紀『…今日何の日か覚えてる?』

友紀『ほら!ほら!』クルクル…

友紀『…今日中に帰ってこれる?』



P「…あぁぁぁぁぁ!?」

-0時前、事務所-

カチッ、カチッ、カチッ…

友紀「…」ボー…

友紀「プロデューサーさ~ん…あと少しでユッキーの誕生日は終わってしまいますよ~」

扉<…

友紀「やっぱり無理だったのかなぁ…電話にも出ないし」

友紀「今日中に帰って来るって言ったのに…嘘つき」

友紀「ばーかばーか…鈍感の万年二軍選手!」

友紀「…」チラッ

扉<…

友紀「…部屋の入口がホームベース」ボソ

友紀「…」スゥゥゥ…

友紀「『さぁプロデューサー選手!日付けが変わるまでにホームベースを踏んで逆転サヨナラとなるか!』」

友紀「『アイドル姫川の親愛度を取り返せるのか!?』」

友紀「『おぉっと!ここでランナーホームイーン!!』」ビシィ!


シーン…

友紀「なんちゃって…」

バァン!




P「た、ただいま!友紀!誕生日おめでとう!!」ゼェ…ゼェ…

友紀「…!!」

-翌日-

ちひろ「あ、おはようございます♪友紀ちゃん」

友紀「おはよー♪さぁて、今日も頑張ってお仕事するよ~!」

ちひろ「その様子だと間に合ったみたいですね、プロデューサーさん」ホッ

友紀「だから心配しなくても良かったって~!フンフフーン♪」

ガチャ

P「おはようございまーす」

ちひろ「おはようございます、プロデューサーさん!」

友紀「あ…お、おはよう…」

P「ん?おぉ、やっぱり似合ってるぞ、その髪留め」

友紀「そ、そう?…ありがと」ボソッ

P「しかし元々着けてるのに二個目はいらないよな~髪留めなんて…うっかりしてたよ」

友紀「そんなことないよ!…ほら、二個着けてる方がアタシ!って感じしない?」

P「確かにそんな感じもするが…」

友紀「でしょ?へへへ…大切にするからね、プロデューサー」

おわり


友紀さんお誕生日おめでとうございます。ありがとうございました

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