ダイヤ「夕暮れ、千歌さんとふたり」 (15)

・微百合描写有り?
・短編です

~~~

ー部活後・生徒会室ー

ダイヤ「...はぁ」

ダイヤ(まだ処理しないといけない書類がこんなに...。また最終下校時刻を回りますわね...)

コンコン

ダイヤ「...? どなたですか? 鍵は開いておりますが」

千歌「お、お邪魔しま~す」ガチャ

ダイヤ「千歌さん? どうかしたのですか? 先程、曜さん、梨子さんと帰られたのでは?」

千歌「えっ? う、ううん...、2人は用があるからって先に帰っちゃったんです。私はまだ帰っても暇ですし...」

ダイヤ「...。そうですの。だからって何故、生徒会室に? 見ての通り、わたくしも暇ではありません。千歌さんの相手はできませんよ?」

千歌「む~! そんな冷たい言い方しなくても良いじゃないですか...。良いですよ、別に構ってくれなくたって...」

ダイヤ「それに、もうじき最終下校時刻ですわ。生徒会以外の生徒は帰らないといけないはずでしょう?」

千歌「...私だって今、生徒会室にいるし。だからセーフ! です♪」

ダイヤ「...頭が痛くなりますわ、好きになさい。しかし邪魔だけはしないでくださいね?」

千歌「...はーい♪」


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ダイヤ「......」

千歌「......」

ダイヤ「......」

千歌「...あの」

ダイヤ「...邪魔はしない約束です」

千歌「そこをなんとかっ! ちょっとだけ! 静か過ぎて息が詰まっちゃいそうで」

ダイヤ「...もう、本当に貴女は何をしに来たんですの。...まあ、少しくらいなら良いですよ。わたくしも少しだけ休憩をしようか、と考えていたところでしたの」

千歌「やたっ♪」

ダイヤ「少しだけ、ですよ? それで、何です?」

千歌「ええと、ダイヤさんは『先輩禁止』って知っていますか?」

ダイヤ「何を言うかと思えば。当然です。μ'sがチーム内でより強い結束を図るために実施した試みで、その結果として上下関係なく協力そして切磋琢磨できる環境ができあがったのですわ」

千歌「おぉ~! さすがですね、ダイヤさん」

ダイヤ「わたくしにとってはこの上ない愚問ですわ...」フッ

千歌「それで、です。ダイヤさん、Aqoursでも『先輩禁止』やってみませんか?」

ダイヤ「Aqoursで?」

千歌「はい、μ'sと比べると...というとダイヤさんに怒られそうだけど、Aqoursはまだ少し、年上の人には敬語は絶対! みたいな文化が残ってると思うんです」

ダイヤ「なるほど...。千歌さんにしては非常に良いアイデアだと思いますわ。しかし、ルビィや花丸さんのように、敬語以前に人と接するのが得意でないメンバーもいますし、私自身、この口調は口癖のようなものですから...。実践するのは少し難しいかもしれませんね」

千歌「ダメですよ、ダイヤさん。何かをしようとするとき、最初からダメなんて思ってできることなんてないです」

ダイヤ「...! 千歌さん...」

千歌「それにルビィちゃんや花丸ちゃんも、別に人と話すのが苦手なわけじゃないと思うんです。ルビィちゃんはちょっと恥ずかしがり屋なだけ、花丸ちゃんはおっとりしてるから積極的に話しに行かないだけで、話をするときはすごく楽しそうに笑うんですよ?」

ダイヤ「...ふふ」

千歌「何かおかしいこと、言いましたか?」

ダイヤ「いえ。まさか、わたくしが貴女に諭されることがあるなんて、と思いまして。...今の話は、千歌さんの言う方が正しいのだと思います」

千歌「...えへへ、なんか照れますよ」

ダイヤ「本気で一度考えてみましょうか『先輩禁止』を」

千歌「はい! それなら、ついでに提案があるんですけど...」

千歌「試しにやってみないですか? ダイヤさん。私と『先輩禁止』」

ダイヤ「わたくしと千歌さんで?」

千歌「はい! 具体的には『~さん』呼びを『~ちゃん』呼びか、呼び捨てに変えて、敬語もできるだけ使わない。...どうでしょうか?」

ダイヤ「そうですね...。千歌さんのせっかくの提案を邪険にしたくないですし...上手くできるかはわかりませんが...」

千歌「ふふ、それは私もなので、おあいこです。なら、さっそくはじめましょう! スタート!」

ダイヤ「......」

千歌「......」

ダイヤ「......」

千歌「...って何か喋ってよ!」

ダイヤ「で、ですが!」

千歌「...それ、敬語だよね?」

ダイヤ「うっ...。だ、だって...いざとなったら、何を話せばいいか、分からないのです...じゃなくて...分からないじゃない」

千歌「...やっぱり違和感あるなあ」

ダイヤ「もうっ! 千歌さんっ!?」

ダイヤ「ですからわたくしのこれは敬語ではなく口癖なのです! 無理に変えようとしても変になるだけですから、諦めてください!」

千歌「あははっ、みたいだね?」

ダイヤ「...千歌さんは随分と自然に話しますのね?」

千歌「ふふ、そうかな? これくらい普通だよ。むしろダイヤちゃんが、少し緊張しすぎなんじゃない? 私のことまだ『~さん』ってまだ言ってるし...」

ダイヤ(だ、ダイヤちゃんって...)

ダイヤ「ですから、これは口癖で...!」

千歌「私の名前に口癖も何もないでしょ? 千歌ちゃん、もしくは呼び捨て。はい、できるよね?」

ダイヤ「うぅ...」

ダイヤ「ち、ちか...」

ダイヤ「千歌ちゃん...」ボッ

千歌「...んー、まあ、ギリギリ合格点かな? ふふ、顔真っ赤だよ? ダイヤちゃん」

ダイヤ(な、何ですのこれぇ!?)

ダイヤ「も、もう作業に戻りますからっ」

千歌「え~っ? もう~?」

ダイヤ「最初に少しだけ、と言ったでしょう?」

千歌「...は~い」

ダイヤ「......」

千歌「......」

ダイヤ「......」

千歌「...あ、あのっ」

ダイヤ「そういえば今、ルビィはどこにいるか、千歌ちゃんはご存知ですの?」

千歌「はい?」

ダイヤ「ルビィは今、曜さん、梨子さんと一緒にいるそうですよ? 帰りに少し遊びに行くと、時間があるならわたくしも一緒にどうかと、連絡がありましたの」

千歌「あっ...」

ダイヤ「千歌さんは...家で用事があると、遊びには行かなかったそうですわね?」

千歌「......」カァァ

ダイヤ「わたくしと、μ's談義に花を咲かせたかった...ということですの?」

千歌「う、うん! そうだよ!」

ダイヤ「それ、別に明日でも良いですわよね」

千歌「うう...っ」

ダイヤ「...わたくしを気遣ってくれてるんですか?」

千歌「へっ...?」キョトン

ダイヤ「違うのですか? 果南さんと鞠莉さんが仲直りをしてから、わたくしが孤立気味だ、とでも考えて、気を回してくれたのでしょう?」

千歌「......」

千歌「はぁ...」

ダイヤ「な、何ですのそのあからさまな溜息は。わたくし、何か間違ったことを言いましたか? あっ! 言っておきますけど、わたくしは別に寂しくなどありませんからね?」

千歌「...ダイヤちゃん。μ'sの曲では何が好き?」

ダイヤ「と、唐突に何ですの? そうですわね、曲ができるまでのストーリーを含めて考えるとやはりスノハレが一番好きかもしれません。千歌ちゃんは?」

千歌「ラブノベルスかな」

ダイヤ「ラブノベルス...。もしかして千歌ちゃんって...」

千歌「...ん」

ダイヤ「結構、乙女ですのね?」クス

千歌「はぁ...」

ダイヤ「だから何でそこで溜息ですの!?」

ダイヤ「な、何かわたくし、千歌ちゃんに失礼なことを言ってしまいましたか?」アセアセ

千歌「別にそんなことないけど...」ムス

ダイヤ「怒っていらっしゃるじゃありませんか!?」

千歌「別に怒ってないもん...」ムス

ダイヤ「うぅ...ち、千歌さん?」

千歌「千歌ちゃん」

ダイヤ「ち、千歌ちゃん?」

千歌「ん」

ダイヤ「これでも、わたくしは貴女に感謝しているのです、よ? わたくしは最初、貴女に強く当たることしかできなかったと言いますのに...」

千歌「あれがダイヤちゃんなりの優しさだったことは、もうみんな知ってるよ?それに今はこうやって、みんなを引っ張ってくれてる。感謝しないといけないのは、私たちだよ」

ダイヤ「...そんな大層なものではないですわ。そういえば...千歌ちゃんは何故スクールアイドルを、ラブライブを目指そうと思ったのです? 今まで聞いたことがありませんでしたわね」

千歌「...一目惚れだよ。興味なかったはずなのに、一目見た瞬間気付いたら好きになってたの」

ダイヤ「ふふ、そうですか」

千歌「...ねえ、ダイヤちゃんって」

千歌「好きな人、いる?」

ダイヤ「うえっ!?」カァ

千歌「一目惚れの話になったから、聞いてみただけ、だけど...」

ダイヤ「ええと...」

千歌「もしかしてAqoursのメンバーの中にいたり、する?」

ダイヤ「なななななな...!?」

千歌「ルビィちゃん...ではないだろうから、花丸ちゃん?」

千歌「善子ちゃんとか」

千歌「鞠莉さん?」

千歌「果南ちゃんかも」

千歌「りこちゃ...」

ダイヤ「ま、待ってください!! だいたい何故Aqoursのメンバーに限定するんですの? まず浦の星は女子校で同性しかおりませんのに...」

千歌「それ、何でこのタイミングで言うの? 違うなら、最初に違うって言って終わりでしょ?」

ダイヤ「......っ」

千歌「図星だから何も言えなかったんだよね?」

ダイヤ「た、確かに...。気になる方なら、います...」

千歌「そっか...」

ダイヤ「相談に乗ってくれますか、千歌ちゃん」

千歌「うん」

ダイヤ「正直、何故好きになったのかは、よくわからないんです。けれど、その人の言葉が、行動が、最近妙に気になってしまって。時々すごく大人びていて輝いていて、それがすごく魅力的に感じられるんです」

千歌「うん」

ダイヤ「それに、わたくしの自惚れでなければ、きっとその方も、少なからずわたくしを好いてくださっていると思うんですの。でも万が一、私の思い過ごしだったら、勘違いだったらと思うと...」

千歌「...意気地なし、だね。ダイヤちゃんは」

ダイヤ「...辛辣ですのね。まあ、その通りなんでしょう。さて、わたくしは、どうするべきだと千歌ちゃんは思いますか?」

千歌「...それを私に聞くんだ?」

ダイヤ「相談、聞いてくれるのでしょう?」

千歌「聞くとは言ったけど、答えるとは言ってませんよ~だ!」ベーッ

ダイヤ「ふふ、千歌さんは、意地悪ですわね?」

ダイヤ「って、もうこんな時間じゃありませんの!! 千歌ちゃん、急いで帰り支度をしますわよ!?」

千歌「うぇっ!? 本当だ!?」

ダイヤ「もう...! 千歌ちゃんに付き合うと碌なことがありませんわ!!」

千歌「ええ~っ!? 全部私のせい!?」

~~~

ダイヤ「もう真っ暗ですわね」

千歌「そうだね~」

ダイヤ「仕事はほとんど進みませんでしたが」

千歌「あはは、...ごめんなさい」

ダイヤ「ふふ、いえいえ。むしろ...千歌ちゃん、今日はありがとうございました」

千歌「な、何言ってるの? 私は暇だから遊びに行っただけだよ」

ダイヤ「そうでしたわね」クスクス

千歌「...ねえ」

ダイヤ「はい?」

千歌「...ダイヤさんの考えてること。勘違いじゃないから」

ダイヤ「...! そう、そうですか。...それは良かった」

千歌「よ~しっ、このまま遊びに行っちゃおうか!」

ダイヤ「ええっ? この時間から、ですか?」

千歌「やっぱりダメ?」

ダイヤ「...でも今日くらいは良しとしましょうか。せっかく千歌ちゃんに相談を聞いてもらったことですし。お礼をさせてくださいな」

千歌「...本当に?」

ダイヤ「ええ、それじゃあ行きましょうか」

ダイヤ「千歌」

終わりです。

過去に2作ほど書かせていただいています。

ルビィ「私、本当は『悪い子』なんです」
千歌「Aqoursのみんなにドッキリをするよ!」

前作も宜しければご覧くださいませ。
ありがとうございました。
HTML化依頼行ってきます。

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