文香「映画部野外活動記録4」 (57)

※ここに警告文のあるものとする




奈緒「汝に問う……夏といえばなんぞや……」

文香「夏といえば…海ですか…?」

奈緒「一理ある」

奏「夏といえば、花火じゃないかしら」

奈緒「一理ある。だが、映画部的な夏といえば…」

小梅「ホ、ホラー…♪」

奈緒「待ちに待ったぜ!ゴーストバスターズ!」

文香「ホラーはホラーでも、コメディホラーですが……」



『映画部と幽霊おばさん』

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1473735074


小梅「ひゃっはーーーー!」

奏「キャラがブレてるわよ」

奈緒「輝子テイストなテンションだな」

小梅「ライブの輝子ちゃん…かっこよかった…ね…」

奈緒「な~。小梅も可愛かったぞ?」

小梅「え、えへへ…♪」

文香「…奈緒さんもとても素敵でした」

奏「ええ、そうね。でも、2nd SIDEの最後のところ、ちょっとかっこつけすぎじゃない?」

奈緒「い、いいんだよ!ライブなんだからちょっとオーバーなくらいが丁度いいんだって!」

文香「…私達も次のライブで頑張らないといけませんね」

奏「精一杯、最大限の私達をお見せするわ。そうよね?」

ヘレン「………………」

奏「あっ」

ヘレン「…………さあ、映画館に行くわよ」

奈緒「ヘ、ヘレンさんもすぐにライブ出れるって」

ヘレン「行くわよ」

奈緒「ハイ」

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映画館



奈緒「今日は字幕?」

ヘレン「字幕よ。コメディホラーだから、吹き替えと迷ったんだけどね」

小梅「ホラーは…吹き替えも割りと…いいよね……ハズレ吹き替えはとことんハズレだけど…」

奏「今作は主人公が女性なのよね」

文香「はい…だいぶ試行錯誤したみたいです」

ヘレン「結構製作の進行にぐだつきがあったらしいわね」

文香「その結果、オリジナルメンバーではなく、新たなキャストで…とのことで」

奈緒「へぇ~」

小梅「ゴーストバスターズのお化けは……可愛いのが…魅力だ…ね…」

奏「またマシュマロマンとかでるのかしら…」

小梅「楽しみだなぁ……♪」

ヘレン「さあ、行きましょう」

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館内



小梅「予想以上に……混んでる…ね…」

文香「…有名な作品の新作となると、やはり集客率は高そうですね」

ヘレン「シン・ゴジラとかそうよね。名前は知ってる、じゃあ観に行ってみよう、という」

奈緒「映画然り、アニメ然り、漫画然り……最近、昔の作品の続編とかリブート多いよなぁ」

文香「今はリバイバルブームですからね……もう少しだけこういう風潮は続くのではないでしょうか」

小梅「そのおかげで……ゴーストバスタ-ズの新作が…観れる……最…高…!」

奏「ほら、始まるわよ」

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上映中



奏(出た…謎の緑ゲロ……)

ヘレン(女性主人公とはいえ、キャラの個性が強いわね……いいわ…)

小梅(わあ…オジー・オズボーン……輝子ちゃん…喜ぶだろうな…)

文香(でましたね…マシュマロマン……)

奈緒(おおー……戦闘シーン、クッソかっこいいなあ……)



一同(…………………………)

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上映終了




ヘレン「…………」

奏「…………」

小梅「…………」

文香「…………」

奈緒「…………」

ヘレン「行きましょう。近くに小梅オススメのゾンビ喫茶があるわ」

文香「ゾンビ喫茶…?」

奈緒「めっちゃ興味そそられる」

小梅「なかなか…クオリティ高いよ……あ、サントラ買ってこ……」

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ゾンビ喫茶




ヘレン「さあ、感想戦よ」

奈緒「小梅先生、どうぞ」

小梅「最……高……!」

奈緒「最高いただきましたー」

奏「見事なまでにオリジナルリスペクトだったわね」

小梅「開幕緑ゲロ……緑のアイツ……とんでも機械……マシュマロマン……最高……」

奈緒「最高」

ヘレン「オリジナルのキャストもカメオ出演していたし」

文香「リスペクトを込めた上で、また更に新しいゴーストバスターズを展開……という」

ヘレン「上手な新作よね」


奈緒「キャラがとにかく濃かったよなぁ~」

小梅「うん…発明家のホルツマン…かっこよかった…」

奏「まともかと思った主人公も、割とアレな人っていう」

ヘレン「基本的にみんなどこかトんでるわよね」

奈緒「びっくりしたのがクリス・ヘムワーズだよ。予告PVからは予想できなかった」

奏「マイティ・ソーの人よね。あの面接のシーンとか多分、アドリブでしょ?」

文香「……メインキャストがコメディアンの映画だと、アドリブの応酬が多用されがちですが、彼は見事についてきていましたね」

ヘレン「むしろ、面接のシーンは彼の独壇場だったんじゃない?コメディいけるわね、彼」


小梅「お化けとの戦闘シーン…最高だった…ね…!」

奈緒「かっこよかったよなー!」

小梅「お化けの色が…すごくカラフルで……観てて楽しい…」

奏「新しい武器の演出も良かったわよね。いろんな種類の武器を使ってお化けをなぎ倒していく…」

ヘレン「あそこは3Dが映えるでしょうね」

奈緒「そういえば、エンディングのダンスなんだけど……」

奏「ああ、本編のラスト付近のアレから続くやつよね」

奈緒「あれを本編でやってほしかったなぁ」

文香「わかります……尺の問題でしょうね」

奈緒「尺なぁ~……」

ヘレン「こればっかりはどうしようもないでしょう」

文香「……大人の事情がありますからね」

小梅「BDで…ディレクターズカット版が販売されるのに…期待……だね…」

ヘレン「さて、評価に移りましょう」

小梅「Sランク…です……求めていたものを…しっかりやってくれた…」

奈緒「うーん、Sかなぁ……」

奏「私もSかしら」

文香「……私はA+でしょうか。テンポがオリジナルよりもよくなっていました」

ヘレン「私もA+。では、総評価S-といったところかしら」

一同「異議なし」

奏「スタッフロールの後も楽しめる、良い作品だったわね」

小梅「うん……ゴーストバスターズを……知っていても……知らなくても……満足できると…思う…」

店員「あ゛ー……」

奈緒「うあっ…!?」ビクッ

奏「ゾンビ…!?」

店員「あ゛ー……」コトッ

文香「て、店員さんですか……」

小梅「うわあ……♪臓物スパゲティ…美味しそう……♪」

ヘレン「…食欲失せないかしら、これ」




『映画部と婚活おばさん』に続く

おしっこ

でた


喫茶店

文香「うーん……」

奈緒「うーん……」


カランカランカラン


ヘレン「ヘーイ、待たせたわね」

奏「ふぅ…まだまだ暑いわね」

奈緒「おー、お疲れっすー」

文香「……お疲れさまです」

奏「小梅がいないってことは、今日は年齢指定がある作品なのかしら?」

文香「いえ……1時間後にここにくる予定になっています」

ヘレン「ふぅん、仕事?」

奈緒「いや、休みのはず。ただ、ちょっと今日観ようかと思ってる作品で相談があってさぁ…」

奏「相談?」

文香「……後妻業の女を観ようかと思っているのですよ」




『映画部と婚活おばさん』


ヘレン「ああ……なるほどね」

奏「あれって小梅ちゃんでも観れるの?」

文香「…PG12ですね。ギリギリ観れます」

奏「うーん……どうなのかしら」

奈緒「予告を観る限り、絶対濡れ場あるよなぁ…」

文香「……見せてしまって良いのでしょうか」

ヘレン「これは大人としての責任が問われるわね」

小梅「濡れ場の話?」ニュッ

奈緒「おわぁっ!?」


奏「い、いつから…」

小梅「えへへ…♪び、びっくり…した…?」

文香「全然気がつきませんでした……」

小梅「ホラー映画を観てれば……濡れ場なんて腐るほどあるから……心配しなくて…大丈夫だよ…」

ヘレン「そ、そう…」

奈緒「じゃあ……観に行く?」

文香「……行きましょうか」

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映画館




ヘレン「じゃあチケットを買ってくるわ」スタスタスタ

奈緒「空いてるかなあ」

奏「空いてるんじゃない?お客さんはビッグタイトルに集中しているでしょうし」

小梅「落ち着いて……観られる…ね…」

文香「……映画はいかに没入できるかが重要ですからね」

小梅「没入感…大事…」

文香「映画を観る時はですね…誰にも邪魔されず、自由で、なんといいますか…救われてなくてはならないのです。独りで、静かで、豊かで……」

奈緒「孤独のグルメが映画化したら観る?」

奏「あれはテレビドラマで観るからいいのよ。映画化なんて野暮でしょう」

奈緒「やっぱり?」

ヘレン「ヘーイ、席の確保ができたわ。けど…」

小梅「けど…?」

ヘレン「ほぼ満員」

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館内





奈緒「うわぁ…本当だ、中高年ばっかりだ…」

文香「そういえば、原作は黒川博行さんでしたね……サスペンスドラマでおなじみの」

ヘレン「なるほど、その年代層がターゲットだったわけね」

奈緒「なんかかなり浮いちゃってるな…」

奏「まあ、しょうがないんじゃない?始まるわよ、観ましょう」

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上映中




奏(ほぼベテランのキャスト陣……流石、演技が安定している…)

ヘレン(大竹しのぶ……上手いわね……)

文香(細かな演出がニクいですね……)

奈緒(おおぅ、案の定濡れ場が…しかも結構ガッツリ……大丈夫かな、小梅…)ドキドキ

小梅(奈緒さん…大丈夫かな、小梅……とか思ってるんだろうな……)



一同(…………………………)

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上映終了




ヘレン「………………」

奏「………………」

文香「………………」

奈緒「………………」

小梅「…………………」

ヘレン「……移動しましょう。近くに世界レベルのほうじ茶喫茶があるわ」

小梅「おっぱい……すごかったね……」

奈緒「い、言うんじゃありませんっ!めっ!」

小梅(ちょろい……)

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ほうじ茶喫茶


ヘレン「さて、感想戦よ」

文香「……思っていたより面白かったですね」

奏「そうね、ちょっと意外だったかも」

奈緒「大竹しのぶ、上手かったな~」

ヘレン「時間の長さは感じたけれども、なかなかいい運びだったわね。もう少し余分なところをスパッと飛ばしてくれれば、もっとダレずに観れたのだけれど」

奏「豊川悦司の濡れ場は飛ばしてよかったかもしれないわね」

文香「…BGMバックのシルエット演出とかでしょうか」

奏「探偵が出てきてからの展開も、もう少しパパッとやってほしかったわ」


奈緒「あー……そういえば、音楽も結構良かったよなー」

小梅「うん……あのテーマソングのおかげで……この映画の観方がわかる…感じ……」

ヘレン「ベット・ミドラーのドゥ・ユー・ウォントゥ・ダンスね。世代に合わせたのかもしれないけれど、いい雰囲気をだしていたわね」

奏「ラストの展開であの曲が流れていたおかげで、楽な気持ちで観れるのよね。それでいて、この後どうなるのかが予想できなくなる」

小梅「あのシーン…良かった……よね」

奈緒「あたしは中盤の葬儀場のシーンが良かったな~。あの、大竹しのぶが葬儀中に遺体にいきなりキスしに行くシーン」

文香「あそこはニクい演出でしたね……頬にキスするために添えた手が、相手の口角をくいっと上げて…」

ヘレン「それも上手いことラストに繋がるのよね」

文香「あ、私、あれ好きです……」

奏「あれ?」

文香「焼肉屋でのキャットファイト」

奈緒「あー、あれクッソ笑った。あんなのなかなか観れるもんじゃないよ」

ヘレン「釣瓶師匠のケツ、金蹴りされる豊川悦司、ツイストを踊る大竹しのぶ……名シーンが多かったわね」


小梅「笑えるシーンが…いっぱい…だった…」

ヘレン「基本的にコメディなのよね、この作品」

文香「はい、驚きました……とりあつかっている題材や、お話上の事件はかなり重く、展開も徐々に重くなっていくのに、最後にはスッキリとした気持ちで終れるんですよね」

奏「振り幅が緩やかだから、無理なく話が観れたわ」

奈緒「ただなぁ……閉めのキレの悪さはどうなのよ?」

文香「惜しいですよね……構成を入れ替えれば、もっといいオチになるように思えたのですが…」


ヘレン「では、評価に移りましょう」

奈緒「Aランク。あんまり期待してなかった分、ちょっと高めかな」

奏「A+かしら」

文香「……Aランクでしょうか。最後に海見て終るエンドはやめてほしかったです」

奈緒「海見るな」

小梅「A…ランク…です…」

ヘレン「私はA。では、総評価Aランクってところかしら」


奈緒「いやぁ、おじさんおばさんに囲まれて、気疲れしちゃったなあ」

小梅「お腹…空いちゃった…」

ヘレン「焼肉でも食べに行く?」

文香「……ハラミが食べたいです」

奏「いいわね。どこか良いお店知ってる?」

小梅「この前…拓海さんに連れて行ってもらった……焼肉屋さんが…近くにある…よ…」

奈緒「拓海と?」

小梅「細すぎて……心配だから…いっぱい食えって……幸子ちゃんと……輝子ちゃんも…一緒に…」

ヘレン「なら、そこに行きましょうか」

奈緒「よーし、いっぱい食べるぞ~!」



『映画部とマジックむむむ~ん!』に続く

奏「ヘレンさん」

ヘレン「ンーフン?」

奏「今日はなんでこの作品を観ようと?」

ヘレン「予告PVでダニエル・ラドクリフ演じる悪役が、パープル・ヘイズをバックにタラーンってしてたからよ」

奏「そ、それだけ…!?」

ヘレン「映画を観るきっかけとしては十分すぎるわ」

奈緒「正直あんまりノらないなあ…」

小梅「マジック…嫌い…?」

奈緒「そういうわけじゃないけど…」



『映画部とマジックむむむ~ん!』

文香「グランド・イリュージョンの2作目ですか……」

小梅「どう…なんだろうね…」

ヘレン「まあ、観てみないことにはね」

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映画館




ヘレン「チケットを発券してくるわ」スタスタスタ

奏「前作は観た?」

奈緒「観てないなぁ」

小梅「ヘレンさんと…一緒に…観た…よ…」

文香「……観ていません」

奏「私は観た。前作はなかなか良かったわよ。今作も期待できるんじゃないかしら?」

文香「………奏さんは映画のとある法則を御存知ですか?」

奏「法則…?」

文香「……2作目と記念映画に当たり無し」

ヘレン「発券してきたわ。なかなかに混んでるわね」

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館内




小梅「マジック…楽しみ…♪」

奏「前作のマジックは凄かったわよね」

奈緒「ふーん、気になるなぁ。ヘレンさんはマジックとかできるの?」

ヘレン「できるわ。試したことはないけど」

文香「……始まりますよ」

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上映中




小梅(マジック…凄いなぁ……♪)

奏(画の映し方や色合いが前作と違うわね……あれ?誰よこの女……)

ヘレン(ダンは初悪役だったかしら……なかなか良い線いってるわね)

奈緒(戦闘シーン……うわぁ……観辛い……)

文香(なんとなく前作のあらすじは読めました……が…しかしこれは……)


一同(………………………)

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上映終了




奏「……………」

小梅「……………」

ヘレン「……………」

奈緒「………………」

文香「………………」

ヘレン「移動しましょう。世界レベルの瞬間移動よ」

小梅「タラ~ン…♪」

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レストラン




文香「…感想戦です」

ヘレン「何故同じ手を使ってしまったのか」

奏「それ」

文香「…というと?」

奏「前作のラストはそれは見事などんでん返しだったわ。今回はそれを上回るどんでん返しを期待していたの……それなのに、何故あんな終り方で…」

ヘレン「タネのばれてる手法を何故繰り返してしまったのか、ということよ」

奈緒「なるほどなぁ……だいぶ解りやすい伏線だったけど、前作もあんな感じ?」

小梅「ううん……もうちょっと……上手に隠してた…よ……」

ヘレン「今作はミスリードさせるのが下手だったわね」

奏「そしてびっくりしたのが、前作の主人公のうち、1人が降板。そして新キャラで新たな女性主人公が…」

文香「もうひとり別のキャストがいたのですか……」

奏「なんでよ……やめてよ……あの新キャラ、嫌いじゃないけれどもやめてよ……」

ヘレン「他のキャラの印象が変わっているように感じたわ。『ブレている』というよりは、今作でキャラクターの深部を映そうとしているから、『ブレて見えた』のかしらね。ディランのブレは酷かったけど」

奏「うーん……スピンオフと捉えればまあ……」


小梅「空気感も…前作の…雰囲気とは……全然違った……」

奈緒「戦闘シーン酷かったなぁ……バトルをマジックで切り抜けるのに、肝心のマジックがなにやってるのか全然わからない」

ヘレン「肝心のマジック自体は前作よりも現実寄りだったわね。トランプの投げあいとか。あれは良かったわね」

奈緒「あれ凄かったなぁ。ちゃんとCG使わずにやってたんだろうなあ」

文香「…私としては少し物足りなかったですね。映画なのですから、もっと虚構であることを上手く利用してほしいです」

ヘレン「もう評価に移っていいかしら?」

小梅「どうぞ…」

ヘレン「それでは評価を」

文香「Cランクですね……悪役も悪役で、キャラが薄いのがどうも……」

奈緒「C+かな。一応、観れなくもない作りだったし」

奏「Cよ……」

小梅「B…です……なんとなくキャラが……可愛かった……」

ヘレン「私はB-かしらね。色々残念なところはあったけれど、ダンの悪役ヒゲ面が観れたからいいわ。今度はとびっきりクソ野郎の役を演じてほしいわね」

ヘレン「では、総評価C+ってところかしら?」

奏「文香……あなたの言っていた法則、当たっていたわ……」

文香「…当たり作品もごまんとあるので、あまりその法則に当てはめ過ぎないように注意してくださいね」

ヘレン「そうね、人の話は話半分で心に留めておくのが一番よ。結局、あなたの好き嫌いの判断は、あなたにしかできないのだから」

奈緒「うぅーん、疲れた~!この後、撮影なんだよなぁ…」

小梅「じゃあ……早めに……解散…だね…」

奏「なんの撮影?」

奈緒「裕子のサイキックショーのアシスタント役。巨大スプーンを曲げるんだってさ」

奏「うーん……賭ける?」

小梅「賭けに…ならない…よ…」




『映画部と悪者軍団』に続く


奈緒「待ちに待ったぜ!スーサイド・スクワッド!」

文香「…キャラクターが本当に魅力的ですよね」

奈緒「ああ、特にハーレイ・クイーンとかヤバい」

小梅「私は…エンチャントレスが…好み…」

奏「好きそうよね、ああいうの」

ヘレン「ジャレッド・レト版のジョーカーも気になるわね」

奈緒「早くいこう!もう待ちきれないよ!」



『映画部と悪者集団』

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映画館




奈緒「ヘレンさん、今日は当然、字幕版なんだろ?」

ヘレン「残念、吹き替え版よ」

奈緒「はあああ!?なんでだよ、絶対字幕の方がいいって!」

ヘレン「ヘーーーイ!!!」スパーン

奈緒「痛っ!?」

ヘレン「わがままを言うんじゃないわ。時間が合わなかったのよ。それに今回は……3Dよ」スタスタスタ

奈緒「嘘だ!チケットの予約忘れてたんだろ!」

ヘレン「世界レベルは嘘をつかないわ!」ヘーイ


奈緒「えぇ~…字幕で観たかったぁ~……3D疲れるからヤダぁ~……」

奏「吹き替え版ならずっと画面を見る必要がないじゃない。疲れないでしょう?」

奈緒「映画館に来てるんだからずっと画面見るよ!家じゃないんだから!」

奏「ぐだぐだ言わないの」

奈緒「やーだやだやだやだ!役者のそのままの演技が観たい!吹き替えやーだー!」ジタバタジタバタ

小梅「奈緒さん…子供……みたい…」

奏「ほら、小梅ちゃんにまで言われちゃってるわよ?」

文香「……ジョーカーの声、子安武人らしいですよ」

奈緒「観る」スッ

奏「な、なんなのよ…」

小梅「扱いやすくて…助かる…ね…」

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館内




文香「……端の席ですか」

奏「ちょっと3D酔いしそうね」

ヘレン「まあ、大丈夫でしょう」

小梅「始まるよ…」

奈緒「おぉ~…飛び出してる…!」ワクワク

奏(なんだかんだ言って一番楽しんでるのよね…)

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上映中




奈緒(おぉー!思っていた以上にキャラが馴染んでる…!)

文香(音楽のセンスがいいですね……テンポ良く観れます)

小梅(あれ…意外な展開……)

ヘレン(時間を感じさせない……凄いわね)

奏(この展開は……)




一同(うーーーーん………)

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上映終了



ヘレン「………………」

奈緒「うぁぁあ……?」

文香「……うーん」

奏「……………」

小梅「……………」


ヘレン「……移動しましょう。近くに世界レベルのイタリアンレストランがあるわ」

文香「…その前に、パンフレットとサントラCDを買ってきます」

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イタリアンレストラン





ヘレン「感想戦よ」

奈緒「うぇぇあ…?」

奏「これは…どうなの?」

奈緒「後半の展開、なんだあれ……」

小梅「悪者…とは…?」

文香「……わかります。わかりますが、あの展開は漫画的解釈という意味では、ある意味正しいのではないでしょうか」

ヘレン「まあね。かなり古臭い演出だけど、マーベルが漫画だということを思えば筋は通っているかもしれないわね」

文香「はい…ですが、筋が一応通っているとはいえ、あのセリフや言動だとキャラがブレますよね。特にハーレイなんか…」

奏「やりたいことは分からなくもない、ないけれど……というところかしら」

小梅「ちょっと…がっかり…だね……」

奈緒「なんかこう……バイキンマンがたまにアンパンマンを助けたりするだろ?なんかあれを思い出した」

奏「あー……」

奈緒「あたしが見たかったのはヘルシングのナチス陣営なんだよなぁ…」


文香「……しかし、それを無視できるほど、素晴らしい演出の映画でしたね」

ヘレン「ええ、前半のBGMを巧みに利用したまったくダレないキャラ紹介。しかも、歌詞がキャラクターや場面にちゃんとリンクしていたりと」

奈緒「センスいいよなー!」

奏「本当に時間を感じさせないのよね。完全にスクリーンに見入っちゃってたわ」

文香「色使いも抜群でしたね……カラフルでとても素敵でした」

奈緒「変な液体の中のジョーカーとハーレイのシーンは最高だったなあ!」

文香「あの色使い……あの色使いなのですよ……ちゃんと画として見せてくれています」

ヘレン「素晴らしいわね。世界レベルよ」


小梅「登場キャラも……本当に…良かった…」

奈緒「気合の入れ方がハンパないよなー。もうビジュアルだけで大勝利でしょ。ハーレイ最高」

小梅「エンチャントレスも……すごく…危ない雰囲気を…漂わせてて…最高……」

ヘレン「ジョーカーも良かったわね。過去、名俳優たちが演じたジョーカーに負けていなかったわ」

奏「ウィル・スミスの起用はどうなのかと心配していたけれど、まったく問題なかったわ」

文香「……政府側の人間もなかなか印象を残してくれました」

奈緒「演技も申し分ないしなー。あれだけ気合入ってたんなら、字幕版で観たかったなぁ…」

文香「……意外だったのですが、あまり3Dが映えない作品でしたね」

小梅「言われてみれば…あんまり印象……ないかも…」

奏「席が端の方だったからかしら」

ヘレン「銃のエフェクトとか、もっと3D感出しても良かったかしらね。爆発とか」

ヘレン「さて、評価に移りましょうか」

文香「A+です……脚本のことを含んだ上でも、テンポと色使いがとても良く、爽快でした」

奏「私はSランクね。ちゃんと画で説明できていたし」

小梅「A+…です……悪は…ちゃんと悪でいて…欲しかった…かな……」

奈緒「うーん……A+!後半はちょっとがっかりだったけど、全体としては最高の出来だった!」

ヘレン「私はS。やはり、演出が素晴らしかったわ」


ヘレン「総評価はA+?S-?」

文香「…S-でよろしいかと」

ヘレン「では、総評価S-!」

一同「異議なし」

小梅「そういえば…ハイロー……観れてないね…」

文香「あれは観ておきたかったですね……絶対脳みそ蕩けますよ、あれ」

ヘレン「今月は気になる作品が多いわね。次の候補が多くて困るわ」

奏「ゴッドオブエジプトとか多分良いクソ映画だと思うのよね。気になるわ」

奈緒「君の名は観たいなぁ……だいぶ評判良いしさあ。傷物語も観たいんだけど、1を観損ねちゃったからなぁ…」

文香「……私は怒りでしょうか。山田孝之と妻夫木聡のホモカップル……すごく観たいです」

奈緒「めっちゃ笑う」

小梅「私は…高慢と偏見とゾンビ……アタック・オブ・ザ・キラー・ドーナツも……観たかったな……」

奏「気づいたら終っちゃってたものね」

文香「……ヘレンさんはどうですか?」

ヘレン「そうね……大体言われちゃったかしら。あとで適当に探しておくわ。世界レベルのチョイスよ」

奏「じゃあ、解散しましょうか」

奈緒「そうだな~」

小梅「みんな…お仕事…頑張って…ね…」

文香「…お疲れ様でした」

ヘレン「Bye」



終劇

これにて終了ですー
わんわーん

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