翠「美由紀ちゃんと」 (44)

短編集



映画館

ドカーン
ワー ウオオオオオオ

翠(すごい...本当に飛び出して見える...!)ドキドキ


事務所

ガチャッ

翠「おはようございます」

美由紀「あ!おはようございます、翠ちゃん!............?」

翠「おはようございます、美由紀ちゃん」

美由紀「翠ちゃん、なんで3Dメガネかけてるの?」

翠「おや?これはサングラスでは...あ」

美由紀「もしかして、ここまでずっとそのメガネで...」

翠「......美由紀ちゃん、実はですね、これはどんなものでも3Dに見える3Dメガネなのです」

美由紀「つけてなくてもそうみえると思うよ?」

翠「いえ、違います。例えばそう...このテレビ。この2Dなテレビでもこのメガネを通せば」

美由紀「ほんとーに3Dにみえてる?」

翠「今日はテレビの調子が悪いみたいですね...ですが、この紗南ちゃんから貸してもらったゲーム機、これを覗けば」パカッ

美由紀「それは元からだねー」

翠「美由紀ちゃん、いじわるです...」

美由紀「わ~!ごめんなさい翠ちゃん!」

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事務所

翠「はい、Pさん。コーヒーを淹れてみました」コトッ

モバP「おっ、サンキュー。...うん、なるほど」

翠「どうでしょうか?」

モバP「ああ、おいしいな。ちょっとしょっぱいかもだけど」

翠「ふふっ、Pさん。コーヒーは苦い物ですよ?」クスッ

モバP「ははは、気づいてないかあ。まあかわいいからいいか」

美由紀「......」ガクッ


美由紀「翠ちゃん!お塩とお砂糖まちがえてるよ~!」

翠「そ、そんな...Pさんはおいしく飲んでくれたのですが」

美由紀「Pさんはなんでもおいしいって言うから...とにかく!つぎいれる時はみゆきもいっしょにするからね!」

翠「わかりました、お願いします...」

後日

翠「はい、Pさん。コーヒーが入りました」コトッ

モバP「おっ、サンキュー。...おお、普通においしい」

翠「それはよかったです♪」

モバP「ふーむ、しかしどうやって...ん?」

美由紀「」グッ

モバP「...まあ、なるほどな」


さらに後日


翠「Pさん、よかったらこのおにぎりをどうぞ」スッ

モバP「おっ、サンキュー。...うん、なるほど」

翠「どうでしょうか?」

モバP「うん、おいしいぞ。おにぎりらしからぬ甘さがなかなか」

翠「お米にはでんぷんが入っていますからね」ニコニコ

モバP「ははは、気づいてないな。まあかわいいからいいか」パクパク

美由紀「」ガクー



スタジオ


翠「皆さま、こんばんは。『水野翠のグルメジャッジメント』、本日の料理はカレーです」

美由紀「はーい!」

翠「まずは材料を確認します」

美由紀「これでーす!」

翠「ではこれを切りま」

美由紀「完成品がこれでーす!」ゴトッ

翠「次にこれらを炒めます。まずじゃがいもから...」

美由紀「肉から入れまーす!」サッ

翠「ある程度しんなりしてきたら水を入れます」ジャバー


翠「これが沸騰するまで待ちましょう。沸騰したら灰汁をとります」

美由紀「灰汁だけをとりまーす!」

翠「ではしばらく、煮込みましょう。...ここで隠し味のお酢を」

美由紀「何もいれずに煮込みまーす!」

翠「煮込み終わったら、次はルウを入れましょう」ジャポン

美由紀「入れまーす!」

翠「ここから弱火でしばらく煮込むと...」

美由紀「かんせいでーす!」

翠「おいしいカレーの完成です♪ではメインシェフの水野翠と」

美由紀「おてつだいさんの柳瀬美由紀でしたー♪」

翠「では皆さま、ごきげんよう」

美由紀「ごきげんよー♪」



モバP(どうしてこうなった)



翠「美由紀ちゃん」

美由紀「なーに?翠ちゃ...あ、メガネかけてるー!」

翠「どうでしょうか?似合ってますか?」クイッ

美由紀「うん!すっごくにあってるよー!」

翠「ふふ、ありがとうございます」

美由紀「でも、急にどうしたの?」

翠「Pさんから、そろそろ変装しておくように言われまして。...そうだ、美由紀ちゃんも眼鏡、買いに行きませんか?」

美由紀「いいの!?」

翠「ええ、そのためのお金はある程度Pさんに貰っているので、美由紀ちゃんがよければ」

美由紀「わーい♪メガネだメガネだー!」

翠「では、Pさんがもうすぐ帰ってくるので、一緒に行きましょうか。...その間にお茶でも淹れてきますね」

美由紀「ありがとう翠ちゃん♪」



台所



翠「さて...」トポポポ

翠「!? め、眼鏡が曇って...!?」コト

翠「これは危険ですね...上げておきましょう」グイ

翠「さてと」トポポポ

談話室



翠「美由紀ちゃん、お茶が入りましたよ」

美由紀「ありがとう翠ちゃん!」

翠「いえいえ、しかしPさんも遅いです...あれ?」

美由紀「? どうしたの翠ちゃん?」ズズズ

翠「め、眼鏡が...眼鏡がないんです!」

美由紀「え?」

翠「さ、さっきまでちゃんと掛けてたはずなのに...」オロオロ

美由紀「うーん...えーとね」

翠「ちょっと台所をもう一度探してきます!」ダッ

美由紀「あっ...いっちゃった」



モバP「ただいま戻りましたー」

美由紀「あっ、プロデューサーさん!」

ガチャ

翠「Pさん...申し訳ありません!」

モバP「お、おう、どうしたんだ?」

翠「せっかく買ってもらった眼鏡を...失くしてしまいました!」

モバP「あー、なるほど」

翠「わ、わたし...大事な物だったのに...」グスッ

モバP「なあ翠、ちょっと頭に手をあててみな?」

翠「え?」スッ

翠「あっ//」カアアアア




ダンスレッスン場


翠「1、2、3、4、......」タン タン

美由紀「いち、に、さん、し、...」タン タン

ありす「1、2、3、...わわっ!」グラッ

美由紀「わっ!大丈夫、ありすちゃん?」

ありす「へ、平気です。あと、橘です」

翠「...そろそろ、休憩にしましょうか」

美由紀「はーい!」

ありす「は、はい」


翠「橘さん、よかったらこれを...疲れに効きますよ」スッ

ありす「あ......ありがとう、ございます」

翠「...もしかして何か、焦っていたりしませんか?」

ありす「えっ?」

翠「いえ、先ほどのレッスンでは何か動きや表情が固く見えたので...もしかしたら、と思いまして」

ありす「...自分ではそんなつもりはないのですが。そう見えたのなら、そうなのかもしれません」

翠「急いては事を仕損じる、ともいいます。あまり焦っていては出来ることもできなくなってしまいますよ?」

ありす「は、はい...」

翠「ふふっ、大丈夫です。私が言うのもおかしな話ですが、橘さんはまだまだ若いんですから。まだまだ、これからですよ」ニコッ

ありす「は、はいっ!」


ありす(水野翠さん...初めて会ったけど、凄い人だな)

ありす(真面目で、人のこともよく見れて、知性的で気品のある佇まい...)キュポン

ありす(......私もこの人からいろんなことを学ばなくちゃ)ゴクゴク

ありす「!!!???」ゴフッ

ありす(な...なにこれお酢?え?お酢?お酢ですよね?)

ありす(ちょっと薄いけど...たぶん間違いなく、これはお酢です。そのはずなんです)

翠「ふう...」ゴクゴク

ありす(ふ、普通に飲んでる...お酢って普通なんですか?)

ありす(も、もしかしたらこれはお酢ではなく、ちょっと酸っぱいスポーツドリンクなのでは?私が勘違いしてるだけなのかも)

ありす「あ、あの!おいしいですね、コレ」

翠「ええ、おいしいですね、お酢」ニコニコ

ありす(やっぱりお酢だったー!)


ありす(...でも案外、理にかなっているのかもしれません。疲れた時には酸っぱいものって言いますし)

ありす(ふ、ふふっ、さすが水野さんですね。発想がユニー)ガチャッ

美由紀「ふぅー疲れたあー!」

翠「美由紀ちゃん、これ、いかがですか?」スッ

美由紀「これって...翠ちゃんまたお酢もってきたのー?」

翠「ええ...おかしかったでしょうか?」

美由紀「みゆきはもう慣れてるけど...ありすちゃんがびっくりしちゃうよー?」ゴクゴク

ありす「えっ」

翠「そうなんですか?」キョトン

ありす「えっ、と、いえ、そんなことは」

美由紀「ありすちゃん、無理はしなくていいんだよ?」

ありす「あ、あはは...正直、ちょっとビックリしたかも...」

翠「それは...!申し訳ありません。そうとは知らず」

ありす「いえ、でもちょっと...面白いです。翠さんって意外と天然なんですね」

翠「そ、そんな!私は天然ではありません!」




事務所


翠「美由紀ちゃん、これ、何でしょう?」

美由紀「? あー!ペ○ングだー!」

翠「美由紀ちゃんが喜ぶと思って、買ってきました。ちょうどお昼ですし、いっしょに食べましょうか?」

美由紀「たべるー!」ハッ

美由紀(どうしよ、翠ちゃん...ちゃんとお湯すてられるのかなー?)

翠「美由紀ちゃん、私がお湯をすてられるか心配していますね?」

美由紀「えっ!そ、そんなことは...うー、ごめんなさい...」

翠「いえ、ごもっともです。私がいままで行ってきたうっかりを省みれば、そう考えられるのは当然のこと...」

美由紀「翠ちゃん?」

翠「私は少しでもこの自分の不甲斐なさを直してみたいのです...美由紀ちゃん、今回は私に全て任せてみてくれませんか?」

美由紀「翠ちゃん...わかった!みゆき、ここでまってるね!」

翠「ありがとうございます。では...いってきます」

台所

翠(集中です...ペ○ングはお湯切りが非常に困難であると聞きました。...下手を打てば持っていかれると)スゥー

翠(明鏡止水の心で、物事に取り組むのです...)ハァー

翠「まず...これがソース、かやく、ふりかけとスパイスですね」

翠「このかやくを面の上にあけ、お湯を注ぐ...」トポポポポ

翠「二つとも同時に入れておきましょうか」トポポポポ

三分後

翠「よ、よし...では次に、この蓋の湯切り口をあけ」ペキッ

翠「蓋が外れないようにして...お湯を切る」ダバババ

翠「最後にソースとふりかけ、スパイスをかけて」

翠「完成です!」デデーン

翠(やった...やりました!)グッ

翠「では、二つ目に取り掛かりましょう」

翠(思ったよりも簡単でしたね...これでカップ焼きそばはマスターしたも同然です)ペキッ

翠(これだけできれば、美由紀ちゃんも私を見直すことでしょう...ふふっ)ダバババ 

バカッ

翠「!!!???」ビクッ

ベシャッ

ズゾゾゾゾ

翠「あ、ああ、ああああ......」ワナワナ

居間


美由紀「......翠ちゃん、おそいなー。もしかしてやっちゃったかな...?」

ガチャッ

翠「お待たせしました、美由紀ちゃん」グスッ

美由紀「あ、翠ちゃん!」

翠「はい、どうぞ」

美由紀「わー!ありがとー!...あれ、翠ちゃんのは?」

翠「私は...まだ、おなかが空いていなかったから、いいのです」ニコッ

美由紀「え?で、でも...」

翠「私のことなら大丈夫です...さあ、食べてください?」ウルッ

美由紀「......翠ちゃん!」

翠「ど、どうしました?美由紀ちゃん」

美由紀「ぺ○ングおおきいから、みゆき、一人では食べられないかも...」

翠「み、美由紀ちゃん...」

美由紀「ペ○ングってね、こうやって二つにわけやすいようになってるんだよ!」

翠「な、なんと!これなら一つで二人分食べられることができます!」

美由紀「ペ○ング、こうひょうはつばい中!」

翠「お近くのスーパー、またはコンビニで!」





ファミレスJ


翠「............ええ、この間は席に戻ってきたときまだ注文していないことに気づかず、30分もファミレスで待っててしまい...」

ゆかり「それは...不注意でしたね。私もこの前、お金を入れてない自販機のスイッチを...」

翠「ああ、私も覚えがあります...私たち、天然ではないと主張し続けてはいますが、このままでは良くないのかもしれませんね」

ゆかり「...確かに、このままでは有香ちゃんや法子ちゃんに頼ってばっかりになってしまいます」

翠「私も、美由紀ちゃんには感謝してもしきれませんが...私たちも、もう少ししっかりすべきなんです」

ゆかり「同感です...しかし、しっかりするというのはどうすればよいのでしょうか?」

翠「やはり、ここは身近のしっかりした人に倣うのがよいかと」

ゆかり「身近でしっかりした人...でも有香ちゃんや法子ちゃんには言えないし...そうだ」

翠「誰か思いつきましたか?」

ゆかり「ええ、以前有香ちゃんは一緒にお仕事をした櫻井さんはしっかりしていると、言ってました」

翠「櫻井さん...なるほど、それは良いかもしれません」

ゆかり「では、連絡して...困りましたね、連絡先を知りません」

翠「うっかりしていました...!どうしましょうか」

ゆかり「では、有香ちゃんに連絡して...」

翠「待ってください!私たちでは有香ちゃんに隠しながら連絡先を聞けないかもしれません」

ゆかり「たしかに...!うっかり口を滑らせてしまうかもしれませんね」

翠「私、一人心当たりを思い出したんです。その人をお呼びしてもよろしいですか?」

ゆかり「ええ、翠さんの心当たりでしたら、大丈夫です」

翠「では、早速お呼びしますね」ポパピプペ

数分後


千秋「......成程、それで私が呼ばれた訳ね」

翠「ええ、千秋さん。どうか私たちに教えていただけないでしょうか?」

ゆかり「私からもお願いします。どうしてもしっかりとしたいのです」

千秋「と、言われても...私は別に意識しているわけではないから、特に言えることは...」

翠「意識していなくてそんなにしっかり...さすがは千秋さんですね」

ゆかり「感服しました...」

千秋「そ、そんなに褒められても...とりあえず、同じ天然な行動をしないことから始めるのはどうかしら」

翠「同じ...?」

千秋「ええ、例えば...もしかしたら天然なのかしら?と思うことを書き留めて、次はそれをしないように意識するとか」

ゆかり「なるほど...!」

翠「参考になります...!」

千秋「......でもね、私はそんなに無理して直すことはないと思ってるわ」

翠「な、なぜですか...?」

千秋「私たちはアイドル。ファンが求める私たちはあくまで自然体の私たちよ」

千秋「翠さんも水本さんも、その少し天然な所は自然な魅力の一部。それは無理に直さなくてもいいんじゃないかしら?」

千秋(そもそも、天然って直せるかどうかわからないけれども...)

翠「...なるほど」

ゆかり「黒川さん、ありがとうございます。...きっと、私たちはあせりすぎていたのですね」

千秋「参考になったのなら幸いよ。...それじゃあ、私も何か頼もうかしら。二人はもう済ませたのかしら?」

翠「いえ、それが...」

ゆかり「ずっと待っているのですが、なかなか来なくて...」

千秋「......それって、本当に頼んだのかしら?」

翠「...そういえば...」

ゆかり「まだ頼んでなかった、ような...」

千秋「...まあ、これで三人で食事ができると考えましょう」


書き溜めがなくなりました。今日はここまでにします




事務所

翠(昨日は美由紀ちゃんが出演したドラマの初放送日...)ピッ

翠(残念ながら、お仕事で直に見ることはかないませんでした)

美由紀『みゆき、いーっぱいがんばったから、翠ちゃんもみてね!』

翠(美由紀ちゃんの演技は目を見張るものがありましたから...楽しみですね)クスッ

翠(さて、録画しておいたものを見ましょう...)ピピピ 


早苗『ーー被害者の近くには凶器とみられるものはなく、あったのは身元不明のドーナツだけ。...名探偵ユカリ、この事件、あなたにはどう見える?』

ゆかり『これは、かなり難しい事件になりそうですね...でも、必ず犯人を見つけ出してみせます。星となったユカのためにも』グッ

早苗『いや、ユカちゃんまだ生きてるからね?』

翠(これは...途中からでしょうか?とりあえず見てみましょう...)

42分後


ゆかり『ーーーー今でも、信じられません...まさか、真犯人が女子高生のトキコさんだったなんて』

早苗『女子高生のトキコちゃん...彼女はまだ若い。きっとまだやり直せるわ』

有香『私には女子高生のトキコさんを責めることはできません...ノリコちゃんがああなってしまったのは、私にも責任があるのですから』


翠「ううっ、いい話でした...」グスッ

翠(途中からでも話にのめりこめる...非常に洗練された、いいドラマでした)グスッ

翠(ゆかりさんたちも頑張っています...私も精進しなくては)ピッ 

翠「ふぅ...」

翠 ハッ

翠「い、いけない!」

翠(ドラマは良かったのですが、肝心なことを忘れるところでした...美由紀ちゃんが出演していませんでした)

翠(...どういうことなのでしょうか?まさか私は録画を間違えてしまったとか...)

翠(いえ、そんなことはありません!何度も確認して間違いはないようにしたはずです!)

翠(し、しかし撮れていない...いったいなぜ...) ガチャッ

モバP「ただいま戻りましたー。...おお、翠、いたか」

翠「Pさん、おかえりなさい。...あの、一つお聞きしてもよろしいでしょうか?」

モバP「おう? いったいどうした」

翠「はい、美由紀ちゃん出演のドラマは昨日放送であってますよね...?」

モバP「ああ、間違ってないぞ。昨日の...そう、時間が40分ぐらいずれてたが、昨日だな」

翠「え......?」

モバP「うん、なんか番組の変更やらなんやらで、時間がずれてたんだ」

翠「そ、そんな!ということは、もしや...!」ピッ  ピピッ 



『川島さん 第一話』


翠「そ、そんな...これじゃあ、ほとんど撮れて、ない...」グスッ

モバP「あー...俺の家でちゃんと録画できてるから、また持ってくるよ」

翠「Pさん...!流石です。常に先を見据えた行動...感服しました」

モバP(実は、美由紀が出演するのは二話からなんだけどな...まあ、いいか)




事務所


翠『私は戦場を駆ける一陣の風...全身全霊で、参ります!』

美由紀「翠ちゃんこれすごいねー!どうやってるのー?」

翠「これは...いうなれば、着ぐるみのようなものです。私が馬の部分に乗る形で...」

美由紀「へえ~なんだかすごいんだねー!」

翠「初めての体験で、少し緊張しましたね。流石にこのまま動くことは出来ませんでしたが...」

美由紀「みゆきも、こんな撮影してみたいな~♪」

翠(美由紀ちゃんが、ダイスDEシンデレラに出演...?)

美由紀『じゃーん!かにさん星人だよ~♪みんなちょきちょきしてあげる!』

翠(こうでしょうか...それとも)

美由紀『わーい♪おっきなかにさんだ~♪そーれ、みんなふみつぶしちゃえ!』

翠(...いけません、これでは荒々しすぎます。だとしたら...)

美由紀『みゆきシェフだよ~♪みんな、料理してあげる!』

翠(...だめですね、やはりかにさん星人が...)

美由紀「翠ちゃん、どうかしたー?」

翠「はっ、かにさん星人!?」ビクッ

美由紀「!?」





ダンスレッスン場


翠「夏だ マジ恋だ アンビシャス♪」フリフリ

美由紀「さ~けんじゃ、お~♪」フリフリ

ルキトレ「はーい、オッケーです!ちょっと休憩にしましょうか」

翠「はい...ふう、疲れましたね」

美由紀「ふう~~」ゴクゴク

ルキトレ「翠ちゃん、美由紀ちゃん、二人ともすごい上達ぶりですね!」

翠「ええ...かに、ですから」

美由紀「かに、だもんね!」

ルキトレ「??? ま、まあともかく、このままなら明日にはとりあえず一通りできそうですね!」

翠「ありがとうございます。そうだ、慶さん。これを...」スッ

ルキトレ「これは...かにかま、ですか?」

翠「はい、かにかまです♪」

美由紀「みゆきもちょーだーい!」

翠「ええ、もちろんです♪」スッ

ルキトレ「えっと、なぜ...かにかまを」

翠「? サマカニだからですよ?」キョトン

ルキトレ「あはは...まあ、そうですよね」

翠「かにかまを食べることにより、より一層かにの心に向き合うのです」キリッ

美由紀「おいしー!」

ルキトレ「あ、あはは...まあ、集中できるならそれでいいかな」

美由紀「でも翠ちゃん、かにかまってかにのお肉は入ってないんだよ?」

翠「ええっ!?」ガーン

●長め



帰り道


翠「......あら?」

美由紀「♪~」テクテク

翠(美由紀ちゃん...学校帰りでしょうか?ちょっと声をかけてみましょうか)

翠「みゆ......」

珠美「おーい!美由紀ちゃーん!」

美由紀「あっ、珠美ちゃーん!」

翠(おや、あれは...珠美さん、でしたでしょうか)

珠美「いやー偶然ですなー!美由紀ちゃん、これから帰りですか?」

美由紀「ううん、今日はじむしょに行くの!」

珠美「成程!ではこの珠美と共に参りましょう!」

美由紀「わーい♪」

翠(機会を逃してしまいました...仕方ありません、ついていきましょう)

珠美「そうだ美由紀ちゃん、これを!」スッ

美由紀「? わー!キーホルダーだー!」

珠美「以前、佐賀で仕事をしたときのお土産です。よかったら使ってください!」

美由紀「うん!大事にするねー!」

翠(ふふっ、見ているとなんだかほほえましいですね。まるで同級生のよう)クスッ

美由紀「珠美ちゃん、今日は何のおしごとー?」

珠美「いえ、お仕事ではなく、あやめ殿と時代劇鑑賞をですね...」

美由紀「じだいげき!忍者がでるんだね!」

珠美「そうです。そして侍と死闘を繰り広げ、最後は侍が勝利するのです!」

美由紀「すごーい!」

珠美「美由紀ちゃんは今日、何かあるのですか?」

美由紀「ううん、今日は翠ちゃんにプレゼントするんだー!」

翠(!?)ビクッ

珠美「ほほう、それはサプライズというものですな?」

美由紀「うん!ないしょにしてたから、よろこんでくれるといいんだけど...」

珠美「大丈夫です!美由紀ちゃんが送る物ならきっと喜んでくれますとも!」

美由紀「うん、ありがと!珠美ちゃん!」

翠(これは...聞いてはいけないことを聞いてしまいました)オロオロ

翠(私がこそこそとしたりしなければ...水野翠、一生の不覚です)グッ

翠(しかし、聞いてしまったものは仕方ありません。ここは冷静になり、がっかりさせないようにしなければ...)キリッ

事務所


珠美、美由紀「おはようございまーす!」

翠「み、美由紀ちゃん、珠美さん、おはようございます」ビクッ

美由紀「? 翠ちゃん、どうしたの? なんだか汗いっぱいでてるけど...」

翠「な、なんでもありませんよ、何も聞いていません」アセアセ

美由紀「?」

珠美「あやめ殿ーー!いませんかーー!」ドタドタ

翠(ふう...なんとかごまかせました)ホッ

珠美「......ああ!また忍者が!ずるい!」

あやめ「悲しいけどこれ、忍法なので」ドヤ

美由紀「あはは、忍者つよーい!」

翠(三人で時代劇鑑賞...美由紀ちゃんはいつ、そのプレゼントを下さるのでしょうか)ソワソワ

翠(...はっ!いけません、欲に駆られては...ですが、聞いてしまったものはやはり、気になってしまいます)ソワソワソワ

あやめ「......おや?」

翠 ソワソワ

あやめ「翠殿、よかったらわたくし達と時代劇を見ませんか?」

翠「はいっ!?」ビクッ

珠美「おおっ、翠殿も時代劇に興味があるのですか!?」

美由紀「翠ちゃん、いっしょに見る?」

翠「え、ええ、もちろん」

翠(これは困りました...近くにいて動揺を隠しきれるでしょうか)アセアセ

30分後

翠「はあ、時代劇...なんと熱いものなのでしょう」ジーン

あやめ「ぬううう...忍者が、忍者が負けてしまった...」ガクッ

珠美「わーい勝ったー!」ピョンピョン

美由紀「わあ...お侍さん、つよかったね!」

翠(やはり殺陣というのは、見ていてこみ上げる物がありますね。まさに一種の芸術...)

翠(私もいずれ、あのような様になる演技をしてみたいものです。...あれ?)

翠(何か、忘れているような気が...?)

あやめ「かくなるうえは珠美殿!いざ真剣に勝負です!」

珠美「ふふふ、この流れで珠美に勝てますかな?今の珠美は強運で守られているッ!」

ダダダ ガチャッ

美由紀「あ...いっちゃった」

翠(うーん...いったい、何を...)ムー

美由紀「あ!ねえねえ、翠ちゃん!」

翠「? どうしましたか、美由紀ちゃん?」

美由紀「えーとね...はい!これあげる!」スッ

翠「これは...小物入れ、ですか?」

美由紀「うん!このまえ、小物入れがやぶれちゃったっていってたから...」

翠「美由紀ちゃん...」

美由紀「それで、作ってみたんだけど...どうだった、かな?」

翠「......美由紀ちゃん、ありがとうございます。私...とっても、うれしいです」

美由紀「ほんと!?わー、よかったー!」

翠「この小物入れ...大切に、大切に使わせてもらいます」

美由紀「うん!だいじにつかってね!...ところで翠ちゃん」

翠「どうしました?」

美由紀「みゆきになにか隠しごとしてるでしょ!」

翠 ハッ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

美由紀「あはは、なーんだそんなことかー!」

翠「ううう...恥ずかしいです」

美由紀「でも、みゆきががっかりしないために隠しごとしてたんでしょ?」

翠「は、はい...」

美由紀「えへへ、それはうれしいな!...そもそも、聞いちゃったことをわすれてたんだよね」

翠「そ、それも重ねて恥ずかしいです...」

美由紀「でもでも!そのおかげでサプライズになったんだから結果オーライだよ!」

翠「そう言われれば...そう、なのかもしれませんね」

美由紀「うんうん!翠ちゃんの天然のおかげだね!」

翠(...怪我の功名とはいえ、こうやって喜んでもらえるなら...天然であっても良いのかもしれませんね)クスッ




見てくださった方、本当にありがとうございました。
ここで一度終わります。

●おまけ



事務所


ゆかり「♪~~♪~~」

有香(ゆかりちゃんのフルートやっぱりすごいなあ...)

ゆかり「♪~~♪~」

有香(とても優しくて、癒されます。普段ふわふわしてるゆかりちゃんを体現してるような...)

ゆかり「♪~~」

有香(なんというか、音に気品?みたいなものすら感じますね...あれ?)

ゆかり「♪」

有香(なんだか音が小さくなっている、ような気が...)

ゆかり「」

有香(いや、間違いなく小さくなってる!)「ゆ、ゆかりちゃん?」

ゆかり「くぅ...」スヤスヤ

有香「ちょ、ちょっと!演奏中に寝ちゃだめですよ~!」


また似たタイトルで建てるので、次も見てくだされば幸いです。

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