阿笠「すまん光彦くん、部屋に歯ブラシを持ってきてくれんか」 (27)

阿笠「あー、光彦くんかね?」

光彦「どうしたんですか博士、こんな時間に電話だなんて?」

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阿笠「家の歯ブラシのストックが無くなってしまってのう」

阿笠「光彦くんに今から持ってきて欲しいんじゃ」

光彦「は――?」

光彦「一体今何時だと思ってるんですか!真夜中の2時ですよ!」

阿笠「礼儀知らずなのはわしも重々承知しとる」

阿笠「しかしこんなお願いは光彦くんにしか出来んのじゃよ」

光彦「博士は僕を何だと思ってるんですか!」

光彦「歯ブラシが無くなったくらいで電話してこないでください!」

阿笠「大至急必要なんじゃ」

阿笠「とにかく早く持ってきてくれ!」

光彦「まったく。わかりましたよ……」

光彦「ちょっと待ってください。家に未開封の歯ブラシがあるか確認してきますから」

光彦「すみません博士、どうやらうちにもストックはないみたいです」

阿笠「なに?そうか……」

光彦「じゃあもう電話切りますよ、おやすみなさい」

阿笠「あー待て!待ってくれ光彦くん!」

ちょっと中断します。

阿笠「どうしても今すぐに歯ブラシが必要なんじゃ!」

阿笠「わしを見捨てんでくれ!」

光彦「じゃあ僕にどうしろと言うんですか」

光彦「無い物を持っていくことは出来ません」

阿笠「贅沢は言わん。わしは使用済みの歯ブラシでもいい」

光彦「気持ち悪いことを言わないでください」

光彦「だいたい歯ブラシを何に使うつもりなんですか」

阿笠「詳しく説明してる時間は無いんじゃ!!」

阿笠「とにかく歯ブラシなら何でもいい!」

阿笠「日の出までに持ってきてくれ!」

阿笠「確かに頼んだぞ」ガチャッ

光彦「あ、ちょっ――」

光彦「僕はこれからどうすればいいんでしょうか」

光彦「さすがに誰かの使った歯ブラシを渡すようなことはしたくありません」

光彦「コンビニなら歯ブラシを売っているかもしれませんが……」

光彦「夜ももう遅い。小学生1年生の僕では補導されてしまいます」

光彦「そうだ!この探偵団バッジでコナンくんに相談してみましょう!」

光彦「彼なら何か良いアイデアを思いつくかもしれません」

光彦「あ、コナンくんですか?夜遅くにすみません」

コナン「おい誰だこんな時間に?」

光彦「僕です、光彦です。起きててくれて助かりました」

コナン「なんだ光彦か。すまねえが今ちょっと忙しいんだ」

コナン「今から博士の家に歯ブラシを持って行かなくちゃならねえんだ」

光彦「えっ、コナンくんもですか!?」

コナン「ん……どういうことだ光彦?」

光彦「実は僕もですね…………」

コナン「なるほど……妙だな」

光彦「ええ。博士は何故2人に歯ブラシを……」

コナン「もしかしたら俺たち以外にも歯ブラシを頼まれた人がいるかもしれねえな」

コナン「確かめてみよう」

元太「え、お前らもかよ!?」

光彦「探偵団のみんなに連絡したところ元太くんも歯ブラシを頼まれたことが分かりました」

光彦「しかし、歩美ちゃんと灰原さんには連絡が取れませんでした」

光彦「2人は寝てるんでしょうか」

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