モバP「天真爛漫な俺の嫁」 (15)

はじめに

蜜柑という名前のオリジナルの女の子(9)が出ますが、後にわかるモバPの娘です。

モバPは36歳、嫁は29歳の設定です。

あまりだしませんが、茂場(モバ)が名字だと思ってください。

嫁はもうアイドルやめてます。

都合上、最初の嫁の一人称は「私」にさせていただきます。

――――

私は、アイドルだった。

16歳でデビューして、19歳でみんな憧れるトップアイドル!

そのまま私の担当プロデューサーと結婚して、今では29歳になりました!

蜜柑「ママ!今日の夜ご飯何?」

私に聞いてきたのは、夫であり、私の元担当プロデューサーであるPとの娘の蜜柑。

Pサンに言わせると、あの頃の私そっくりの天真爛漫さだって!

「今日はみっちゃん(蜜柑の愛称)が大好きなハンバーグだよ!」

蜜柑「ハンバーグ!蜜柑も手伝う!」キラキラ

「おおっ!アリガト、みっちゃん」ナデナデ

蜜柑「ふふふ~」ニパニパ

みっちゃんは頭をナデナデされるのが大好き!

私もPサンによくしてもらってたから、遺伝カナ?

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そんなこんなで私たちは、近所のスーパーで買い物を済ませ、ハンバーグを作り、Pサンの帰りを待っていた。

蜜柑「もうパパ帰ってくる?」

「うん。今日は早く帰ってくるっていってたから!」

その時のことです。

ピンポーン

愛しのPサンが帰ってきたようです。

蜜柑「パパ来た~!」

いち早く駆け寄るみっちゃん。

私はその後に着いていきます。

蜜柑「パパ~おかえりなさい!」

モバP「おぉ~ただいま、蜜柑」ナデナデ

Pサンが頭を撫でると、みっちゃんの顔が忽ちフニャフニャになります。

あの頃のありすちゃんみたい!

「お帰り、Pサンっ!」ニパッ

モバP「ん、ただいま――」


「――柚」


そう、これは私、喜多見もとい茂場柚とPサンとみっちゃん、三人の幸せな物語ですっ♪

導入は以上ですが、隠してた意味はまるでないですね。

申し訳ないです。

亀更新になってしまいますが、お付き合いください。

柚「Pサン、ハンバーグ美味しい?」

三人揃っていただきますした少し後。柚はPサンに尋ねた。

隣ではお手伝いしてくれたみっちゃんも答えを気にしてソワソワしてる。

モバP「んー、上手いぞ?流石柚だな」ニカッ

まぁ、柚も響子ちゃんに教えてもらったりして頑張ったからね♪

柚「アリガト、Pサン。でも今日はね、みっちゃんも手伝ってくれたんだよ?ね、みっちゃん」ニパッ

蜜柑「うん!」パアッ

美味しいと言ってもらえて、 みっちゃんも分かりやすく喜ぶ。

可愛い♪

モバP「そうだったのか!蜜柑も、ありがとう」ナデナデ

蜜柑「わぁ~」ニパニパ

みっちゃん、またナデナデしてもらってるなぁ……うーん、柚もしてもらおっかな!

柚「Pサン、柚も頑張ったよ?」ウワメ

モバP「うっ…!あ、あぁ。柚もありがと」ナデナデ

あれ?違和感がする。

後で何かあったのか聞いてみよう!

夜ご飯の時間が終わって、今はPサンとみっちゃんの入浴タイム。

そこで柚は、さっきのPサンの感じの答えに近づくべく、ある人に電話をしていた。

prrr...

柚「出るカナ~?」

呟いたそのとき

『もしもし?どうしたの?柚ちゃん』

出ました!

電話の相手は柚が所属していたユニット、【フリルドスクエア】の元メンバーで、今でも大親友の忍ちゃん!

【フリルドスクエア】は今でも週に二回ぐらいのペースで集まってて、スッゴく仲がいいんだよっ♪

柚「んっとね、なんかさ、あの……」

忍『あぁ~、なんかあったんだね』

バレちゃった!?

柚ってそんなに分かりやすい?

柚「うん……今日ちょっと、よそよそしい気がしてね?」

忍『う~ん……普通の人なら浮気とかかな』

柚「えっ……」

えっ?ウワキって浮気?

嘘……幸せだったのに……

忍『ちょっ、違う違う違う!ちょっとした冗談だよ、冗談』

柚「冗談?よ、よかったぁ~」ヘニャヘニャ

ほっと一安心。

もうっ忍ちゃんのバカッ!なーんて言う気にもならない。

忍『まぁきっとさ』

忍ちゃんが電話の向こうで口を開く。

忍『柚ちゃんの笑顔が可愛くて直視できなかった、とかさ、そんなもんじゃない?』

柚「なんか投げ槍?」

忍『いやいや、真面目にさ』

うん、吹っ切れたかも!

柚「わかった!ウジウジしてるのは柚のショーに合わないもんね!」

忍『その意気だよ。そもそもあのPサンが柚ちゃんを選んだんだから。自信持ちなさい』

柚「うんっ!アリガト、忍ちゃん!また明日ねっ♪」

忍『ん。じゃね~』

プツッ

柚「ふぅ~」

深~く深呼吸。

両手で頬をパンッと叩いて。

よし、やるぞ!

作戦決行はみっちゃんが寝た後!

【何かあったのか聞いちゃおう大作戦】!頑張るぞ!

……あずきちゃんみたいに上手くはいかないなぁ、作戦名。

そして、みっちゃんが寝て、作戦決行の時間。

二人でクイズ番組を見ながら軽く晩酌をしていたとき。

柚「ねぇ、Pサン」

モバP「ん?どうした、柚」

思い切って聞いてみる。

自信を持って。

柚「夜ご飯の時さ、ちょっと素っ気なかった…」

モバP「あ……」

えっ?何その反応……

本当に何かあったのカナ?

モバP「いや、さ。久し振りに母親としてじゃなくて、俺の嫁としての柚の笑顔を見てさ、その……見とれてた」

柚「ふぇっ!?」

結果から言えば、忍ちゃんは大正解だった。

悩んでたのがバカみたいだなぁ…って思う。

柚「不安だった……浮気されちゃったんじゃないかって……」

モバP「……」ギュッ

柚「あっ…」

不意にギュッと抱き締められた。

痛いくらいに。

でも……

柚「安心する……」

モバP「ごめん柚。絶対に浮気なんてないけどさ、不安にさせちゃって…ダメだなぁ、俺」

柚「うん!まったくだよ!」

Pサン泣きそうになってる。

柚「まだ安心できそうにないからさ」

モバP「うん」

柚「朝まで、一緒にいて?」ニパッ

モバP「柚……」

そのあとは詳しく言えないケド。

まぁ多分、妹か弟が……

あぁ~っ何でもないっ!

ふふっ。やっぱりPサンは、柚のPサンでした!

一旦ここまで

午後に再開します。

今までの話の数年後、我が家はとても賑やかです。

蜜柑「柚ちゃーん、今日の夜ご飯なに?」

みっちゃんは今年で16歳。

高校一年生です!

柚のことを「柚ちゃん」って呼ぶようになりました。

「なにー?」

この子は、みっちゃんの妹の檸檬(レモン)。

今年小学生になったばっかりの7歳です。

柚とみっちゃんは「れいちゃん」って呼んでます。

そして、柚はもう36歳。

アラフォーだねっ!

蜜柑「柚ちゃん?」

檸檬「ママ、お熱ある?」

おっと、ボーッとしてた。

柚「ううん。大丈夫だよ、れいちゃん」ナデナデ

檸檬「ふぁ~」フニャ

流石、柚の血だね。

あ、そうだった――

柚「今日の夜ご飯はね、みんな大好きな――」


「――ハンバーグ、だよ♪」

柚(19)「……Pサン」

モバP(26)「ここまで来たな、柚」

柚「うん……ねぇ、Pサン」

モバP「ん?」

柚「アリガト」

モバP「なんだよ、急に」

柚「いや、なんとなく?」

モバP「そっか……柚、ここまで付いてきてくれて、ありがとな」ナデナデ

柚「んっ//うんっ♪…柚をここまで連れてきてくれて、アリガト」ニパッ

モバP「あぁ」

喜多見さーん!
スタンバイお願いしまーす!

柚「よし!行ってくるね」

モバP「おぅ!悔いの残らないようにな!」

柚「トップアイドル喜多見柚のラストステージ、しっかり見ててね!」

――――

懐かしい夢を見た。

このライブ後、柚はPサンに連れられて高級フレンチに行った。

そこで柚たちは、どちらからともなくキスをして。

その夜にお互いの気持ちを確かめ合った。

ちゃんとPサンは後々プロポーズしてくれたんだよね。

事務所で柚のトップアイドル&引退のパーティーで、みんながいる前で。

恥ずかしかったな///でも……

柚って幸せ者だね♪

大好きな旦那様がいて、可愛い娘が二人もいて。

柚「フフッ」

モバP「柚ぅ…どうした?」

柚「起こしちゃった?ごめんネ、何でもないよ」

モバP「ふぁ~っ……そっかぁ、もうちょい寝る」

柚「柚もまだ眠いなぁ~」ギュッ

モバP「おやすみ、柚」ギュッ

柚「おやすみなさい、Pサン」チュッ

やっぱり、幸せだな♪

これからは、これまでのこと、これからのことを少しづつ書いていきます。

【お忍び?デート】

あれは、柚たちフリルドスクエアがテレビなんかに呼ばれるようになってきたある日のこと。

柚は忙しないスケジュールの合間を縫って、Pサンに遊園地に連れていってもらった時の話。

柚「――次!ジェットコースター乗ろう!」ニパッ

モバP「柚、待てって!お前ただでさえ変装してないんだから」

柚「あ、あぁ~……ごめんなさい」テヘペロ

柚はあの頃からあんまり自分を偽るのが好きじゃなかったんだよね~

だからデートの度にPサンに頭をコツンッてされてたなぁ~

その後にいっつも、ナデナデしてくれるんだよね

モバP「てかさ、ダメならお化け屋敷入りたいとか言うなよな」

柚「でも…Pサンお化け屋敷好きだから……」グスッ

モバP「柚……」

Pサンはお化けとか大好きだけど、柚はそういうのダメダメだから大泣き!

モバP「観覧車、行くか?」ギュッ

柚「……うん」ギュッ

そのあとは二人で観覧車の中で抱き合った。

胸がポカポカして、柚とPサンは恋に落ちた。

でもまだその頃は柚は恋愛経験がなかったから、それが恋心だなんて気が付かなかった。

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