末原「コレデイイノダコレデイイノダ」洋榎「ホンマにそれでいいんか?」 (99)

   全国大会会場にて

恒子『試合!終!了っ!全国大会2回戦がいま終わりましたァァァァ!!』

咲「お疲れ様です」ペッコリーン !

末原「ハァ……」

霞「ふぅ肩が重いわ……」

健夜『そりゃあんなおっきなおっぱい持ってるんだから肩もこるよ……』

恒子『小鍛冶プロも年がら年中肩こり状態じゃないですか!』

健夜『私のはただの加齢……ってなに言わせるのこーこちゃん?!』

恒子『俗に言う百球肩ってやつですか?!』

健夜『それを言うなら四十肩でしょもう……』

恒子『え!小鍛冶プロは五十肩では?』

健夜『……ハァどっと疲れが……』

姉帯「うううひぐひぐ……」ポロポロ

咲「また今度一緒に麻雀やろうね!」グッ!

姉帯「うんいいよ……」グジュグジュ

霞「そうね~」ウフフ

末原「そうですね……」

咲「それでは末原さんまた準決勝でよろしくお願いします」ペコーン

末原「それじゃまた……」トボトボ

霞「しゃらんら~♪」

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  姫松高校控室にて

末原「……」

洋榎「よっしゃ恭子!これで準決勝やで!」

由子「凄いのよー!ベスト8なのよー!」

絹恵「末原先輩かっこよかったです!」

漫「あまりハラハラさせんといてくださいよ……どうなることか心配でしたよ……」

洋榎「漫は黙っとき!」

末原「ハァ……」

由子「なにため息なんかついてるのよー」

洋榎「どうやらお疲れみたいやな恭子は」

絹恵「あの大丈夫ですか先輩……」

末原「いいえ……」

漫「もしかしてあの日……」

洋榎「シャーラップや漫!!」

末原「名門にあるまじき情けない麻雀をしてしまいました……本当にすいません……」

由子「そんなことないのよー!」

洋榎「そうやで情けないのはどっかの元都知事やで恭子はホンマに立派やった!」

末原「いいえ私は……」

絹恵「2位やないですか!あのモンスターである姉帯豊音や石戸霞から2位を勝ち取ったんですよ!」

由子「胸を張るのよー!」

漫「まぁ張るほどの胸もないですけどね……」

末原「違います私が勝ち取ったわけではありません……すべて宮永咲の手のひらの上だったんです……」

洋榎「なんやと!?それどういうことや!」

漫(うちのボケは無視かいな……)

末原「宮永はプラマイゼロで和了るために私を生かしたんです……準決勝進出は私の力ではないんですよ……ハァ……」

絹恵「いえ末原先輩の実力ですよ!あまり自分を卑下しないでください!」

漫「そうですよ!ほら先輩見てください!ヒゲ!!」

由子「そうなのよー!恭子の実力は折り紙付きなのよー!」

洋榎「手のひらの上でもまな板の鯉でもなんでもええわ!だったら準決勝で返り討ちにすればいいだけやんか!」

末原「主将……」

漫「あのうちのボケ……」

絹恵「そうですよ!宮永咲なんか麻雀して無きゃただのポンポコピーですよ!」

末原「それはちょっと意味分からないですけど……」

由子「恭子なら絶対に勝てるのよー!」

末原「それはどうでしょうか……」

漫「うちも末原せん……」

末原「分かってます私も漫ちゃんこと愛してますよ」

漫「いやうちそんなこと言おうとは……」

末原「まぁ自分なりに頑張りますよ準決勝も……ハァ……」

洋榎「恭子……」 由子「すっかり意気消沈なのよー……」 絹恵「先輩……」

末原「ハァ……」

  ガチャン

赤阪「はっと見りゃ湘南御母堂~はっと見りゃイヒヒヒヒヒヒ!!」

洋榎「あ!」

由子「絡んだら負けの人が来たのよー!」

赤阪「華やかな女が通るで~」フラフラー

洋榎「けったいな女やないか!」

絹恵「あっち行ってください!代行が関わるとグチャグチャに混ぜ返してしまいますから!」

赤阪「ええ~ライス&カレーやってグチャグチャに混ぜ混ぜするのが美味しいんや~ん」

漫「いやカレーはごはんの上にルーを掛けるのが普通では……」

赤阪「ノンノン!ライス&カレーやで漫ちゃん!ピザはピッツァや!」

漫「……」

洋榎「せやから反応したら負けや漫」フンッ

絹恵「まともに相手しても疲れるだけやからね……」

末原「私はルーとご飯をフィフティーフィフティーにする派です」

由子「恭子が食いついてしまったのよー……」

赤阪「末原ちゃんそれは邪道やで~目玉焼きにソースをぶっかけるがごとき暴挙やん」

末原「目玉焼きにソースは最高の組み合わせじゃないですか、代行のことですから目玉焼きには塩コショウや言うんやろ?」

赤阪「当たり前やん目玉焼きはシンプルに塩コショウだけで十分やで、末原ちゃんのお子ちゃま舌にはおにぎりにツナマヨが十分やな」

末原「ツナマヨは最高やないですか!!ツナマヨの良さも分からない年寄りは梅干しでも食べててくださいよ!

赤阪「梅干しの悪口は許さへんで!さすがに仏のいくのんも今の暴言には堪忍袋がプッチンプリンや!」

洋榎「喧嘩やめんかい!」 絹恵「先輩落ち着いて!」 由子「代行も大人げないのよー……」

末原「ちなみに焼き鳥はタレ派です!!代行はどうなんですか!!」

赤阪「うちもタレ派や!塩なんて邪道やで!」

末原「代行!」

赤阪「末原ちゃん!」

末原「「!!」」赤阪 ガシィッ!

赤阪「なんやうちら気が合うや~ん」ニコニコ

末原「代行とはこれからもやっていけそうです」ニコニコ

洋榎「なんやねんこの茶番……」

漫「え、焼き鳥といえば塩やないですかタレなんてぬちゃってしてるだけで美味くないですやん」

末原「は?」

赤阪「チッ」

漫「タレなんて焼き鳥本来の良さを損ねてますやんかやっぱ焼き鳥と言えば塩しかないですって」

洋榎「漫……空気読もうや……」

漫「空気は読むモノでなく吸うモノですやん」

赤阪「ところでなんでさっき末原ちゃん落ち込んでた~ん?」

末原好きでSS書く奴って咲をボロクソ言うくせに末咲が好きなが多いから不思議、実に興味深い

末原「それは……」

赤阪「あ!わかったで!宮永咲ちゃんに勝てなくて落ち込んでるんやろ~!」

洋榎「分かっとるならそっとしといてやらんかい!曲りなりにも顧問やろ!」

赤阪「高橋Qちゃんのライバルちゃうでうち」

由子「それはシモンなのよー……」

末原「もう大丈夫ですから、実際それほど落ち込んでませんし」

絹恵「でも元気ないやないですか……」

末原「ちょっと疲れただけです、私の実力ではとうてい宮永咲に太刀打ちできないと分かってましたしいまさら落胆なんかしませんよ」

由子「自分を傷つけるようなこと言うのはよしてなのよー……」

末原「コレデイイノダコレデイイノダ」

洋榎「ホンマにそれでええんか恭子」

末原「ツギモセイイッパイガンバリマスミヤナガニカツヨウガンバリマス」

漫「なんですかその感情のこもってへん棒読みのセリフ……」

赤阪「……」

末原「ふん……」

赤阪「なぁ末原ちゃん、あの子に勝ちたいと思わへん?」

末原「え……」

B'zかと思った

赤阪「えらいいじけ虫になっとるけどホンマはあの子に勝ちたいんやろ?」

末原「そりゃまぁ勝てる方法があるなら……」

赤阪「実はあるんや勝てる方法が……!!」

末原「なんですて……」

洋榎「恭子!騙されてはあかんで!そのオバハンはウソツキや!」

赤阪「そうやで~いくのんはキツツキやで~!」チュチュチュチュッ!

漫「ちょ!!うちのデコにキッス連発するのやめてくださいよ!!」

赤阪「蒲焼の味がしたで~」

末原「わ、私も……」

由子「恭子はやらんでええのよー」グイッ

絹恵「そんな……宮永咲に勝つ方法なんてあるんですか……」

赤阪「あるで~いくのんスマイルに偽りは無しやで~」

洋榎「胡散臭いスマイルやで……」

末原「……」

赤阪「このまま負け戦に挑むか勝てる方法があるならそれに賭けるかどっちにするん末原ちゃん」

末原「私は……」

洋榎「恭子!」 由子「ダメなのよー!」 絹恵「先輩!」

末原「その勝てる方法を教えてください……」

>>7
いきなり何言ってんのこいつ

まーた改造されるのかぁ

赤阪「イヒヒヒヒヒ!!」

洋榎「早まってはダメや恭子!考え直すんや!」

由子「そうなのよー!!痛い目に遭ってしまうのよー!!」

末原「それは覚悟の上です、宮永咲に勝つにはそれぐらいの試練は必要でしょう」

絹恵「お願いします先輩行かないでください!もしも先輩の身になにかあったら私……」ポロポロ

末原「大丈夫ですよ絹ちゃん安心してください、私はきっと生きて帰ってきます」

赤阪「まぁそんな痛いことするわけやないから安心してや~ただし!」

漫「杉浦?」

赤阪「一歩間違えば己の精神が破綻するかもしれへんけどな……イーヒッヒッヒッ……」

末原「うぐ……」 漫(またボケ無視かいな……)

洋榎「恭子!」

末原「だ、大丈夫です!行きます!!」

赤阪「その対馬いや意気やで末原ちゃん!ほないこか~」

由子「ホンマに大丈夫なん恭子……」

末原「人生なんでも挑戦することに意義があるんです……いま私はそれを思い出しました……」

絹恵「先輩……」

末原「ゆとり溢れる日々なんて私にはまだ必要ありません、強い相手に勝負したいという欲求が沸々とまた湧いてきました」

漫「それならうちとやればええやないですか」

洋榎「その根拠のない自信はどこから湧いてくるんや漫……」

末原「とんでもない努力をしてきます、では行って参ります」スタスタッ

洋榎「大丈夫やろかホンマ……」

  ブロロロロロロロ・・・・・・

末原「……」

赤阪「ゴッホより普通に~末原ちゃんが好き~」

末原「……」

赤阪「なに緊張してるん末原ちゃ~ん、別にそんな気に病むことちゃうで~」

末原「いえそんな……」

赤阪「大丈夫やってそのうちまたジェフ千葉はJ1に帰ってくるで安心し~」

末原「私ジェフサポちゃいますけど……」

赤阪「チャイコフスキーとか良い選手やったな~懐かしいで~」

末原「リトバルスキーでしょそれやと音楽家やないですか……」

赤阪「いくのんは恭子が好きー!やで~」

末原「はぁ……」

赤阪「イヒヒヒヒヒヒ!!」

  ブロロロロロロロ・・・・・・

赤阪「愛のない長い長い道を末原ちゃんと一緒にぶっ飛ばすで~!」

  キキキキィ!!!!

末原「ひぃ!安全運転でお願いしますよ!」

赤阪「イーヒッヒッヒ!!スピード狂の血が騒ぐでしかし!」

末原「取りあえずラジオつけますね……」カチッ

恒子『……続いてラジオネームむっきーさん』

健夜『うん』

恒子『福与さん、荒川博さんこんばんは』

健夜『荒川博じゃなくてアラサーだよ!!わたし王さんの師匠じゃないから!!』

末原「……」

赤阪「末原ちゃんなに緊張しとるんほら肩の力を抜いてや~」モミモミ

末原「あ!べ、別に緊張なんか!」

赤阪「もう2年以上末原ちゃんの指導してるからわかるで~いくのんには
   末原ちゃん緊張してるときは決まって頬杖ついて眉間にしわ寄せとるからな~」

末原「……意外と私のことしっかり見てるんですね」

赤阪「当たり前田のクリントンや~ん、こう見えてもいくのんは監督なんやで~」

末原「ふん……」

赤阪「末原ちゃ~ん照れてるやんかわええな~」モミモミ

末原「ってハンドルから手ェ離さないでくださいよ!!ホンマに危ないやないですか!!」

赤阪「イヒヒヒヒヒ!!!」

  こうして二人は夜の街に消えていったのだった……

    そして準決勝当日 副将戦後

絹恵「ごめんみんな……」ポロポロ

洋榎「泣くことあらへんって絹!」

由子「そうなのよー!元気出してなのよー!」

絹恵「私のせいでみんなの点棒が……」ボロボロ

漫「気にせんでええと思うできっとこのあと末原先輩が取り返してくれるハズ……」

洋榎「漫も点棒失いまくったほうやないか!」

由子「爆発しても勝てなきゃ意味ないのよー!」

漫「全部あのヤクザガールが強すぎるのは悪いんや……」

由子「あんなのただ粋がってるだけなのよーあんなのグーパンチで一発なのよー」

洋榎「ゆーこ……地が出とんで……」

絹恵「そういえば末原先輩は……」

漫「実は……」

由子「まだ帰ってきてないのよー……」

絹恵「そんな……」

洋榎「ああもうどこに行ったんやホンマに!」

漫「失踪でもしたんですやろか……」

由子「縁起でもないこと言わないでなのよー……」

洋榎「やっぱあのオバハンの妄言を信用したんが間違いやったんや!」

絹恵「どこらへんに行ったんでしょうか……」

由子「噂では立山連峰で目撃されたみたいなのよー」

漫「そんなイエティの目撃情報みたいな……」

洋榎「イエティでもウーでもなんでええけどいい加減早くせんと……」

由子「不戦敗なのよー……」

洋榎「こうなったら補欠から代役を頼むしかないやろ!新井とかどうや!」

絹恵「新井さんとっくの昔に広島の高校に転校したでお姉ちゃん……」

洋榎「ああもうどないすりゃええんやもう!!」

  ガチャン

赤阪「おまたやで~」

絹恵「代行!」

赤阪「恥ずかしながら帰ってまいりました!!」ビシッ!

洋榎「なにふざけとんねん!こっちがどんなだけ心配した思うてるんや!!」

赤阪「いくのんのことそんなに心配しとったん?!洋榎ちゃんも素直やないな~!」

由子「心配してるのは恭子のことなのよー、代行のことなんてどうでもいいのよー」

赤阪「真瀬ちゃんは毒舌やな~、でも知ってるで本当はココロの奥ではいくのんのことをとっても慕ってるってこと」

洋榎「そんなんいいから早う恭子を連れてこんかい」

赤阪「ホンマ最近の子供はノリが悪いで~、なぁデコちゃん」

漫「誰がデコちゃんやねん……」

赤阪「指を銃の形にしてバーン言うたら痛がる振りするのが大阪人ってやつやで、ほら鰻ちゃんバーン!!」

漫「え?あ!かはっ!!やられた!ぐぅ……」

赤阪「残念やな漫ちゃんこの銃な弾入ってへんから空砲やで~」

漫「なんやねんそれ……」

絹恵「そんなことより!!代行!!」

赤阪「イヒヒヒヒ!!落ち着いてや絹ちゃんもう末原ちゃんはこっちに来とるで~」

  カツン・・・ カツン・・・

洋榎「恭子……」

赤阪「末原ちゃんはすっかり新しい力を手に入れたんや……イヒヒ……」

絹恵「ゴクリ……」

由子「ドキドキするのよー……」

  ガチャン

洋榎「恭子!」

由子「のよー?!」

絹恵「え……」

漫「なんですて!」

赤阪「おニューな末原ちゃんやで~」

そこでみんなが見たものは……

末原「遅れてすいませんみなさん、ただいま帰ってまいりました」

なんと今まで通り普通の末原恭子の姿だった……!

漫「お、おかえりなさい先輩!!」

洋榎「きょ、恭子……」

末原「ん?どうしましたか主将?私の顔になにかついてますか?」

洋榎「いやそういうわけとちゃうけど……なんや普通やな思って……」

末原「なにを期待してたんですかまったく、私はいつも通りですよ」フフフッ

絹恵「先輩!」ダキィ!

末原「ちょ!絹ちゃん!」

絹恵「先輩が無事に帰ってきてくれて私嬉しいです!ホッとしました!」

末原「だから言ったじゃないですか私は無事に帰ってくると」

由子「良かったのよー」

赤阪「赤阪道場はどんな女の子でもウェルカムやで~」フラフラー

漫「あの末原先輩うちにお土産は……」

洋榎「あるわけないやろなに言うてん……」

末原「ありますよ」

洋榎「ほらないやろ、漫ちゃんはそういうとこ直さなあか……ってあるんかい!」

絹恵「いったいなにを買ってきたんですか?」

末原「由子の大好物のマカロンですよ」

由子「マカロン!?私マカロン大好きなのよー!」

末原「会場近くのパン屋で買ってきました、みんなで食べてください」

絹恵「うわぁ美味しそう!」

洋榎「マカロンとかあまり馴染みないで」

由子「マカロンはフランスを代表するお菓子なのよー、正式にはマカロン・ムーと言って贈り物として人気があるのよー」

洋榎「なんやゆーこ、マカロンにえらい詳しいな」

由子「マカロンには目が無いのよー」

漫「ンマーイ!!けっこうイケますやんこれ!!」モッキュモッキュ

絹恵「うん!美味しい!お姉ちゃんも早く食べてみ!」モグモグ

洋榎「そ、そうやな……」クッチャクッチャ

絹恵「美味しいやろ!」

洋榎「なかなか悪くない味やな」クッチャクッチャ

赤阪「どんどん食べてや~」

由子「では私もさっそく!」ヒョイッ

由子がマカロンを食べようと口元まで持っていく、しかし……

末原「ちょっと待ってくださいゆーこ」

由子「どうしたの恭子?早く私がマカロンが食べたいのよー」

末原「食べる前にこれを見てくれませんか」サッ

そう言って末原恭子は由子にあるモノを見せたのだ……!

由子「紐にぶら下がった五円玉……?」

末原「くくく……」ニヤリ

由子「それがどうしたのよー早く食べたいから早く用事済ましてなのよー」

末原「早く終わりますから大丈夫ですよ、ではこの五円玉をしばらく見つめてください」

由子「分かったよのよー」

末原「では……」ブラブラブラ

すると末原恭子はその五円玉を振り子のように振りだしたのだ……!

由子「……」チラッチラッチラッ

それを目で追う真瀬由子……

末原「ココロを落ち着かせてください息をゆっくり吸ってください……」ブラブラブラ

由子「うん……」チラッチラッチラッ

洋榎「いったいなにが始まるんや……」

漫「いくらでもイケますねマカロン」モッキュモッキュ

末原「意識をこの五円玉に集中させてください……雑念を消してください……」ブラブラブラ

由子「のよー……」チラッチラッチラッ

絹恵「これは……」

末原「あなたはマカロンが嫌いだ……あなたはマカロンが怖くて怖くてしょうがない……」ブラブラブラ

由子「うん……うん……」チラッチラッチラッ

末原「あなたはマカロンを見るのもイヤなほどマカロンを嫌っている……
   マカロンを見るとあまりの恐怖心で体の震えが止まらなくなる……」

由子「うん……うん……」トローン

赤阪「イヒヒヒヒヒ……」

末原「はい!」

由子「のよ!!」

末原「はいあなたが手に持っているモノを見てください!」

由子「手に持ってるモ……ってぎゃああああああ!!!」

なんと由子は手に持ってるマカロンを投げ捨てたのだ……!

由子「マカロン怖い!!マカロン怖いのよー!!!」スタタタタタタッ!!

由子「いやああああああ!!!!」ガタガタ!

洋榎「ゆーこ!」 絹恵「真瀬先輩!!」

由子「マカロンイヤなのよー!見たくないのよー!」プルプル

末原「……」

漫「真瀬先輩どうしたんですか急に……」モッキュモッキュ

由子「怖いのよー!マカロン怖いのよー!」ジタバタ!

洋榎「マカロンが怖いって……」

赤阪「ほーれパスやで~」ヒュッ!

由子「ぎゃあああああ!!!マカロンが飛んできたのよー!!」スタタタタッ!

由子は部屋の中を逃げ惑った……

由子「怖いのよー……」ガタガタ

末原「……」

絹恵「末原先輩!真瀬先輩にいったいなにしたんですか!」

末原「それはやな……」ジャラ

そういうと末原恭子は先ほどの五円玉をみんなの前にかかげる……

末原「催眠術や」ニヤリ

洋榎「催眠術!?」

そう末原恭子は催眠術を習得したのだった……!

由子「ううう……」ガタガタ

由子「怖いのよーマカロン怖いのよー……」ポロポロ

洋榎「尋常やないでこの怖がり方は……」

絹恵「早く解いてあげてください末原先輩!真瀬先輩が可哀想です!」

由子「はやくそのマカロンの大群をどうにかしてなのよー……」ボロボロ

漫「うちが全部平らげてあげますわ!」モッキュモッキュ!

赤阪「真瀬ちゃんも1個食べてみたらええや~ん!」ヒュッ!

由子「やめろ言ってるのよー!!!!」ビシュッ!

赤阪「ひぃ~投げ返してきたで~」

由子「怖いって言ってるのよー!!なんでそんな意地悪するのよー!!」

洋榎「お、落ち着けゆーこ!!」

由子「いい加減にしなさいなのよー!!!」ジタバタ!

絹恵「せ、せやから早く真瀬先輩を解いて……」

末原「絹ちゃん」サッ

絹恵「え……」

末原恭子はスッと絹恵の目に手をかざし視界を遮った……

末原「絹ちゃ……」ボソボソボソ

絹恵「え……」

そして耳元でなにかを囁いたのだ……!

漫「全部平らげました!」モッキュモッキュ

由子「ハァハァハァ……!」

洋榎「大丈夫かゆーこ!もうマカロン無うなったで!」

由子「ううう怖かったのよー……」グジュグジュ

洋榎「もう大丈夫や大丈夫!もう怖くないで!」ポンポン!

由子「ううう……」ギューッ

絹恵「……」ポケーッ

末原「……」

洋榎「あ!恭子!今度は絹になにしたんや!」

末原「別におかしなことはしてませんよ」フフフッ

洋榎「絹大丈夫か!絹!」ユサユサ

絹恵「え!あ!大丈夫やでなんともないでお姉ちゃん……」

洋榎「でも恭子になにかされてたやろ!」

絹恵「なにか言われた気がするんやけど……うーん……」

末原「そんなことより絹ちゃんいまJリーグやってるで」

絹恵「あ!そうやった!速報見なきゃ!」カチャ!

末原「……」

絹恵「Jリーグ速報っと……」

由子「そういえば絹ちゃんはガンバ大阪のファンだったのよー……」グジュ

洋榎「絹はなにかと言えばガンバガンバやで、大阪の女なら黙ってオリックスやろフツー……」

絹恵「どれどれ……」

洋榎「どうや今日もガンバは勝って……」

絹恵「あああ!!ガンバ勝ってるやん!なんでやねん!」バシィ!!

洋榎「え……」

絹恵「なんで勝ってんねん!ああもう!!いい加減負けろやァァ!!」イライラッ!

洋榎「なにキレとるんや絹はガンバのファンやないか……」

絹恵「ああぁ?!私がいつガンバなんかのファンになったん!?私は根っからのガンバアンチやで!!」

洋榎「どういうことや……は!もしや!」

末原「私が暗示をかけたんです、絹ちゃんはガンバ大阪が嫌いだと」

絹恵「むきぃ!!また優勝してまうやん!!くぅぅぅぅ!!」ジタバタ!

洋榎「あんな熱烈的なガンバサポだった絹が……」

由子「凄い変貌なのよー……」

漫「うわっ!巨人負けとるやん!また沢村が最後の最後打たれたんかい!!なにやっとんねん!」

洋榎「便乗しなくてええで漫」

末原「主将」ポンッ

洋榎「な、なんや恭子!ふん!うちは催眠術なんぞ信じとらんから引っかからんで!」

末原「では私の指先をジッと見てください」ピッ

そういうと末原は人差し指を洋榎に向けた

末原「見ててください」グルグル

そして指を回し始めたのだ……

洋榎「うぐっ!」

末原「あなたはだんだん標準語になる……関西弁が話せなくなる……」グルグル

洋榎「そんなのうちに効くわけないやん……」

末原「関西弁が話せなくなる……話せなくなる……」グルグル

洋榎「……」

末原「はい!」

洋榎「……」

由子「洋榎……」

洋榎「ふん!残念だったな恭子!あたいにそんなちゃちな術なんて通用しないんだぜ!……あれ?」

漫「めちゃくちゃ通用してますやん!!」

洋榎「どういうことだよ!なんであたいが関東弁なんて使ってるんだよ!おかしいだろ!」アタフタ

末原「フフフ……」ニヤニヤ

赤阪「イヒヒヒヒヒ!標準語の洋榎ちゃんもなかなか新鮮やで~!」

洋榎「おいババァ!恭子になんてことさせるんだ!ってか早く関西弁に戻せ!!」

赤阪「もうちょいそのままでええや~ん、おもろいし~」

由子「そうなのよー」

洋榎「なにゆーこも少し楽しくなってるのさ……」

絹恵「ムッキー!!セレッソも勝ってるやん!ケンユーハットトリックとかありえへんやろ!」

洋榎「セレッソ嫌いはそのままなのか絹……」

末原「そして最後はもちろん……」スッ

漫「え、なんですか先輩……」

末原「最後の締めは漫ちゃんですね」

赤阪「やっぱトリは鰻ちゃんやな~メインディッシュやで~」

漫「ええ……うちは遠慮しときますよ……」

赤阪「いったい鰻ちゃんにはどんな術を掛けるん?」

末原「漫ちゃんにはポンポコピーになってもらおうと思います」

赤阪「なに言うてるんや恭子ちゃ~ん鰻ちゃん元々ポンポコピーや~ん」

末原「それもそうでしたね!アハハハハハ!」

漫「なんやめっちゃ腹立つな……てかなんやねんポンポコピーって……」

末原「まぁここはベタに漫ちゃんには眠ってもらいましょう、ではこの五円玉をジッと見つめてください」ブラブラブラ

漫「はぁ」

末原「あなたはだんだん眠くなーる……あなたはだんだん眠くなーる……」ブラブラブラ

漫「……」

末原「あなたはだんだん眠くなーる……あなたはだんだん眠くなーる……」ブラブラブラ

漫「……」

末原「眠くなーる眠くなーる……漫ちゃんはもうすぐ眠くなーる……」ブラブラブラ

漫「……」

末原「眠くなる眠くなる……漫ちゃんは眠くねる……」ブラブラブラ

漫「……」

末原「あなたはだんだん眠くなーる……眠くなる……」ブラブラブラ

漫「……」

末原「漫ちゃんは絶対に眠くなる……」ブラブラブラ

漫「あの先輩……」

末原「眠くなる眠くなる……」ブラブラブラ

漫「全然眠くならないんですけど……」

末原「眠れ眠れ……」ブラブラブラ

漫「欠伸ひとつ出ないんですけど先輩……」

末原「眠れ……」ブラブラブラ

漫「ホンマにこの催眠術効果あるんですか……」

末原「……」ブラブラブラ

漫「効かないならもうやめてもいいですよ末原せ……」

末原「寝ろ!!」パチコン!

漫「ギニヤ!!」バタンッ!

末原「ハァハァ……」

漫「ううう……」

末原「ど、どうですか!すっかり爆睡ですよ!」

洋榎「殴って失神させただけじゃんか……」

由子「力技なのよー……」

末原「な、なかなか漫ちゃんには効きませんでしたね……」

赤阪「単純で空気の読めない子には催眠術は効果ないのかもしれんな~てか末原ちゃんそろそろ時間やで~」

末原「は!もうそんな時間ですか!」

洋榎「まぁ取りあえずその催眠術を使って頑張ってきなよ……」

由子「がんばなのよー」

絹恵「ガンバガンバ言わんでください!!」

末原「それじゃ郁乃ちゃん行ってきますね!」チュッ!

洋榎「は?」 由子「のよ?」

赤阪「イヒヒヒヒヒ!!みんな見とるやん末原ちゃ~ん!」

末原「ほな行ってきます!」スタタタタタタタッ!

赤阪「さてさてどうなることやら……おもろなってきたで……!」

洋榎「ちょいちょいちょーい!なんなのささっきのアレは!!」

由子「キスしてたのよー!まるで恋人同士みたいだったのよー!」

赤阪「だってうちら恋人同士やし、いくのんもな末原ちゃんに催眠術掛けたんよ~
   三日三晩ずっとあんたはうちの恋人やあんたはいくのんが大好きでたまらんのやと耳元で言い続けたんやで~」

洋榎「もはや催眠じゃなくて洗脳じゃんかそれ……」

漫「う~ん……」

由子「漫ちゃんが起きてなくて良かったのよー……さっきの見てたらショック受けてたハズよー……」

絹恵「あ!お姉ちゃん見て見て!川崎負けとるで!いっしっし!いつもの夏の大失速が始まったで楽しみやな!お!浦和も負けとるやん!よっしゃ!」

洋榎「あんたいったいどこのチーム応援してんのさ……」

取りあえず今日はここまで
寝るお


すげー久しぶりな気がする

絹ちゃんと洋榎の冷静なツッコミにワロタ

  準決勝会場にて

みさき『ついに全国大会準決勝も大詰めの大将戦です』

野依『くらいまっくす!』=3=3

みさき『野依プロの人生もクライマックスかもしれませんよ』

Σ野依『えっ!?』

みさき『なーんて冗談ですよ』

野依『みさき!!』プンスコ!

みさき『でもちゃんと解説をしないと解説者としての人生はクライマックスですけどね』

野依『ううう……』

みさき『なーんて冗談ですよ、なにがあっても私が野依プロを解説からは外させませんから』

野依『みさき!!』

みさき『まぁ以前みたいになに喋っていいか分からないからといきなりポケモン言えるかな歌いだすのはやめてくださいね』

野依『そ、それは……』

みさき『今度歌いだしたら見限りますからね』

野依『ううう……』グジュ

みさき『なーんて冗談ですよ、私も好きですよニョロボン』

野依『みさき!!』=3=3=3=3

みさき『でも解説はちゃんと真面目にやらないと野依プロが育ててるピカチュウにかみなりの石ぶつけますからね』

野依『やめて!!』プンスコ!

みさき『では選手の紹介です』

咲「よろしくお願いします」ペッコリン

みさき『現在首位の長野代表清澄高校の大将は宮永咲、ここまで快進撃を続けている清澄高校の中心選手です』

野依『りんしゃんかいほー!!』プンスコ!

ネリー「ふふふここからネリーの独壇場だよ!まさにイッツネリータイムだよ!」

みさき『そして2位はトップ清澄を僅差で追う東東京代表の臨海女子ネリーです』

野依『じょーじあ!!』=3=3=3=3=3

爽「おいーっす!みんなよろしくー!」

みさき『南北海道代表の有珠山高校は現在最下位、果たして大将の獅子原爽は最下位に沈むチームを救えるでしょうか』

野依『きゅうさい!』

みさき『野依プロの精神年齢がですか?』

野依『ちがう!!』=3=3=3=3=3=3=3=3

末原「さぁショータイムの始まりですよ」ブラブラブラ

みさき『そして最後は3位の南大阪代表の姫松末原ですが』

末原「フフフ……」ブラブラブラ

みさき『なんでしょうかヒモで五円玉をぶら下げてますね』

末原「今回は私が勝つで……」ブラブラブラ

爽「なんのマネさそれ……」

咲「末原さんになにやってるの……」

みさき『なにかの策でしょうか』

野依『すりーぱー!すりーぱー!みさき!すりーぱー!』=3=3=3=3=3

みさき『野依プロ、試合中にポケモンの話はやめてくださいとあれほど言ったではないですか』

野依『ち、ちがう!すえはら!スリーパー!』

末原「どうや……」ブラブラブラ

みさき『こうですか』グキィ!

野依『アジジ!!』

みさき『……』グググググッ!

野依『やめ!みさ……くるし……!』ジタバタ!

みさき『……』グググググッ!

野依『やめっ……!!』

みさき『なーんて冗談ですよ』ガバッ

野依『かはっ!かはっ!かはっ!』

みさき『大丈夫ですか野依プロ?』

野依『ばか!みさき!おばか!』ポロポロ

みさき『スリーパーホールドしろって言ったではないですか』

野依『いってない!!』プンスコ!!

末原「そういえば宮永咲、なんか疲れた表情をしてますね」

咲「え?」

末原「目の下にくまが出きとんで」

咲「ホントに?」

爽「ああなんかうっすら出来てるねぇ」

ネリー「顔に熊が出来るの?!がおー!食べちゃうぞー!」

末原「昨日は眠れなかったんですか」

咲「うん……和ちゃんと色々と……」

爽「(一緒に練習でもしたのかな)だからそんな疲れた顔を……」

ネリー「お元気出して!お元気出して!」

末原「それなら私がその疲れをとってあげますよ」スクッ

咲「え、なにするんですか?」

末原「ちょっとしたマッサージですよ」

そういうと末原は宮永咲の後ろへとやってきたのだ……

末原「目をつぶってください」

咲「う、うん……」パチッ

末原「肩の力を抜いてください……」

咲「うん……」

末原「力を抜いて力を抜いて……」

ネリー「あんまさんだ!座頭市だよ!」

爽「よく知ってるね座頭市なんて……」

末原「……」モミモミ

咲「気持ちいいよ~」

ネリー「ガイトさんが好きでメグとよく一緒にビデオ見てるんだ!座頭市ごっこもよくするよ!」

爽「へぇあのアメリカンとチャンバラごっこをね」

ネリー「我が名は座頭市!!まずは貴様の生き血を啜ってやろうかぁ!ぬははははははは!!ってね!」

爽「それ絶対座頭市じゃないよね」

末原「さぁ目を閉じて」サッ

咲「うん……」

そういうと末原は咲の目の前にさっと手を翳し……

末原「…………せん……」

ある言葉を耳元で囁いたのだ……!

咲「え……」

末原「はい!マッサージ終わりです!どうでしたか私の肩もみ」

咲「え、あ!うん良かったよ!ありがとう末原さん!」

ネリー「あんまさんあんまさん!ネリーにも肩モミモミやって!」

末原「私はカターレ富山をJ3に落とした人ではありませんから」

みさき『さぁ試合開始です』

ネリー「どりゃ!」カチャ!

咲「えい!」カチャ!

爽「ザンギ!」カチャ!

末原「ほいさ」カチャ

みさき『静かに始まりました準決勝大将戦』

野依『……!!』=3=3=3

みさき『野依プロ、この大将戦はどのような展開になるとお……』

野依『や、やはりぜっこうちょうのみやながさんがたいしょうせんのちゅうしんになるとおもいます!
   しかしいちばんのかぎはさいかいのししはらさんでかのじょのかつやくしだいでこのしあいもにてんさんてんするとおもいます!』

みさき『凄い野依プロ、ちゃんと解説できるじゃないですか』パチパチ

野依『えっへん!!』=3フンス!

みさき『でも完全にカンニングペーパー読んでましたよね』

Σ野依『よ、よんでない!』

みさき『ではその手元のメモはなんですか?試合前に新道寺女子の比与森監督に書かせてましたよねちゃんと見てましたよ』

野依『ひどい!みさきひどい!』ポロポロ

みさき『別に責めてるわけではありませんよ、私は変に野依プロが無理をしては欲しくないだけです』

野依『みさき……』

みさき『野依プロは野依プロのままが一番良いんですよ』

野依『みさき……』ポロポロ

みさき『よしよし』ギュッ……

  姫松高校控え室にて

野依『みさき……』ダキィ!

みさき『よしよし』ポンポン

洋榎「なんだよこいつら……」

由子「全国放送でなにやってるのよー……」

赤阪「イヒヒヒヒヒ!!相変わらず村吉ちゃんは策士やな~!」

絹恵「なにか知ってるんですか代行……」

赤阪「村吉ちゃんはああやって突き放したり引き寄せたりして野依ちゃんのココロを自分のモノにしようとしてるんやな~」

野依『みさき!だいすき!』プンスコ!

赤阪「ダメな自分を優しく包んでくれるのはみさきちゃんだけというのを野依ちゃんのココロに植えつけとるんやな~」

由子「そんなことやってるん……」

赤阪「ある意味催眠術と一緒やな~」

洋榎「だからと言って公共の電波を使ってやることじゃないじゃんかよ……楽屋でやれ楽屋で……」

ネリー『良い牌きなさい!』カチャ!

洋榎「ええいチャンネル変えろ!NHKで見るのが一番だ!やってるだろBS-NHKで!」

由子「ここのテレビBS映らないのよー」

洋榎「チッ……安いビジネスホテルかよ……」

絹恵「このチャンネルで我慢するしかないでお姉ちゃん」

洋榎「くそお……これだから民放は……」

咲『!!』カチャ!

みさき『おっと宮永咲、ここでリンシャンカイホーなるか』

  準決勝会場にて

咲(きた!これでカン出来る!)

みさき『さぁ伝家の宝刀リンシャンカイホーなるか』

ネリー(咲ちゃんリンシャンだね!)フフン!

爽(リンシャン地獄が来るぞ……くわばらくわばら……)

末原「……」

咲「(行くよ!)カ……!」

みさき『リンシャン炸裂です』

咲「……っ!!」

ネリー「咲ちゃん?」

咲「あれ?!……っ!!……っ!!」

みさき『どうしたのでしょうか宮永咲、カンしませんね』

咲「あれ?あれ?!なんで……」

爽「どうしたの宮永さん……」

咲「そんな……なんで……」ガタガタ

ネリー「どうしたの?!もしかして妖怪ウォッチ予約し忘れたの?!」

咲「そうじゃないよ!……っ!!」

末原「……」

咲「……っ!!……っ!!」

末原「フフフ……」ニヤリ

そう末原恭子は宮永咲にカンが出来なくなるよう暗示を掛けたのだ……!

末原≪あなたはもうカンが出来ません……≫

咲≪え……≫

末原(これであんたはもう二度とリンシャンカイホーが出来ひんで……!)

咲「……っ!!……っ!!」ポロポロ

咲「ううう……」ポタポタ

みさき『いったい宮永咲になにが起こってるのでしょうか』

咲(どうして……どうして……ができないんだろう……)

野依『きもち!わかる!』=3=3=3=3=3

咲「……っ!!ううう……」

末原「宮永咲、早くしてくれませんかこのままだと試合が深夜になってしまいます」

咲「ご、ごめんなさい!」

みさき『たしかにタモリ倶楽部がかなり遅くなりますね』

咲「(取りあえず今回はしないでいこう!)えい!」カチャ!

みさき『宮永まさかのカンせずです』

爽(ホッ……良かった……)カチャ!

末原「……」カチャ

野依『……!!』=3=3

みさき『野依プロ、いったいなぜここで宮永咲はカンをしなかったのでしょうか?』

Σ野依『そ、それは!きまぐれ!』

みさき『乙女のココロはきまぐれと言いますからね、ってそんな解説が視聴者に許されると思ってるんですか?』

野依『ううう……』

みさき『まぁ私はそんな野依プロを許してますけど』

野依『みさき……!』ニパァ!

ネリー「ローンだよ!!」

咲「うう!!」

久しぶり改造ニキ!

みさき『おっと私たち二人がじゃれあってるうらで宮永咲がネリーに振り込みました』

ネリー「ホンイツドラドラマンガーン!」

咲「ううう……」

みさき『これで清澄高校2位に転落、そして臨海女子は首位に躍り出ました』

ネリー「ぬははははは!!」

爽「怪物はこっちにもいたか……」

咲「次だよ次!」

末原「そうですね次いきましょう」

ネリー「はいよろこんでー!」

みさき『大名門の臨海がトップに出ましたがこれも想定内でしょうか野依プロ』

野依『そうですね、ねりーはよーろっぱでもじっせきのあるじゃんしですしこれぐらいはやってくれるとおもいました』

みさき『なるほど、また比与森さんメモですか野依プロ』

野依『いわないやくそく!!』=3=3=3=3=3=3=3

ネリー「ががまる!」カチャ!

  姫松高校控え室にて

赤阪「ついに末原ちゃんの催眠術が炸裂したな~」

咲『とりゃ!』カチャ!

洋榎「宮永咲、カン出来なかったな」

由子「恭子凄いのよー……」

赤阪「そりゃいくのん印の催眠術やも~ん!もっと褒めてや~!」

末原『……』カチャ

漫「ううう頭が……」クラクラ

絹恵「あ!上重さん起きたでお姉ちゃん!」

洋榎「おう漫大丈夫か?」

漫「ううん?誰やあんた」

洋榎「は?」

漫「てかなんでうちこんなとこおんねん……はよう帰って店番せなあかんな……」

由子「記憶失ってるのよー!」

赤阪「さすが末原ちゃん!催眠術で記憶も奪ったで!」

絹恵「殴られて記憶がおかしくなっただけやないですか……」

漫「てかそもそもうち誰やねん、なぁうちは誰なんやいったい」

洋榎「かなり重症じゃんかよ!!」

爽『リーチ!!』

  準決勝会場にて

爽「リーチだぜ!」スタッ!

みさき『有珠山獅子原、早くもテンパりました』

ネリー「ふん!ちょこざいな!」

爽「ギアフルスロットルで行くぜ!」

末原「……」

みさき『獅子原爽についての資料はあまりありませんがいったいどのような打ち手なのでしょうか野依プロ』

野依『とにかくすごい!』プンスコ!

みさき『なるほどシンプルザベストな答えですね』

咲(ここはひとまずオリようっと……)カチャ

みさき『宮永咲とネリーはひとまず無理はせずオリみたいですね』

末原「……」カチャ

みさき『しかし末原はオリずに勇猛果敢に攻めていきます』

野依『むぼう!』プップスー!

末原「……」カチャ

爽「キタコレ!」

みさき『そして案の定獅子原に振り込んでしまいました末原』

爽「はいそれロ……」

末原「あのちょっと待ってください」

爽「ん?」

みさき『おっとどうでしたのでしょう末原恭子、待ったです』

爽「なにどうしたのさ末原さん、ウンコならこの和了のあとに……」

末原「いいえそうではありません、とりあえずこの五円玉をジッと見ててください」

爽「五円玉……?」

みさき『例のヒモにぶら下げた五円玉を取り出しました』

末原「ジーッと見ててくださいね……」ブラブラブラ

爽「うん」チラチラ

野依『ひも!ごえんだま!さいみんじゅつ!』=3=3

みさき『野依プロも私のヒモみたいなモノですよね』

野依『ちがう!!』=3=3=3=3=3

末原「あなた……しか……なる……」ブラブラブラ

爽「……」チラチラ

みさき『なにやらブツブツ囁いてますね』

野依『すこやみたい!』プップスー!

みさき『小鍛冶プロは独り言が凄いみたいですね普段』

野依『ほとんどびょーき!!』=3=3

末原「あなたは……ンズ……なる……」

爽「……」

末原「はい!!」

爽「!!」

みさき『おっと末原の催眠術が終わったみたいですね』

末原「さぁどうぞ獅子原さん、ロンしても良いですよ」

爽「……」

みさき『さぁ和了るか獅子原』

爽「デ……」

咲「デ?」

爽「デストラーデ!!」

まさかライオンズの選手の名前しか喋られなくなったとか

ネリー「え……」

爽「デストラーデ!デストラーデ!」

みさき『おっと獅子原爽、いきなりなにを言い出すんでしょうか』

爽「バークレオ!カブレラ!!」

咲「ど、どうしたの獅子原さん!」

爽「ブコビッチ!ホセ・フェルナンデス!」

末原「……」

みさき『どうしたのでしょう獅子原、意味不明なことを喚きだしましたが……』

野依『らいおんず!』プンスコ!

爽「郭泰源!ミンチェ!」アセアセ

末原「フフフ……」

そう末原恭子は獅子原爽に西武ライオンズ歴代外国人しか言えなくなる催眠を掛けたのだ……!

爽「ブコビーッチ!!ブコビーッチ!!」

みさき『これではロンが出来ません獅子原』

末原(それどころかカンポンチーはおろかツモも出来ませんよ……!)クククッ

爽「ジンター……ギブンス……」

みさき『居ましたねそんな微妙な外人も』

爽「テリー!テリー!!」

ネリー「ネリーだよ!!」

爽「ポール……」

みさき『獅子原落胆です』

爽「メヒア……」カチャ

末原「ロンや!」スタタタタッ!

爽「ギッセル!」

みさき『なんと末原恭子もテンパってしました、そして獅子原爽振り込んでしまった』

爽「ジェリー……」

ネリー「だからネリーだよ!!」

ネリー「え……」

爽「デストラーデ!デストラーデ!」

みさき『おっと獅子原爽、いきなりなにを言い出すんでしょうか』

爽「バークレオ!カブレラ!!」

咲「ど、どうしたの獅子原さん!」

爽「ブコビッチ!ホセ・フェルナンデス!」

末原「……」

みさき『どうしたのでしょう獅子原、意味不明なことを喚きだしましたが』

野依『らいおんず!』プンスコ!

爽「郭泰源!ミンチェ!」アセアセ

末原「フフフ……」

そう末原恭子は獅子原爽に西武ライオンズ歴代外国人しか言えなくなる催眠を掛けたのだ……!

爽「ブコビーッチ!!ブコビーッチ!!」

みさき『これではロンが出来ません獅子原』

末原(それどころかカンポンチーはおろかツモも出来ませんよ……!)クククッ

爽「ジンター……ギブンス……」

みさき『居ましたねそんな微妙な外人も』

爽「テリー!テリー!!」

ネリー「ネリーだよ!!」

爽「ポール……」

みさき『獅子原落胆です』

爽「メヒア……」カチャ

末原「ロンや!」スタタタタッ!

爽「ギッセル!」

みさき『なんと末原恭子もテンパってしました、そして獅子原爽振り込んでしまった』

爽「ジェリー……」

ネリー「だからネリーだよ!!」

爽「ランサム……」ショボン

咲「獅子原さん……」

みさき『催眠術恐るべしです』

野依『ぷぷぷ!おもしろい!』プップスー!

みさき『普段の野依プロもあんな感じですよ』

野依『ちがう!』プンスコ!

みさき『たしかに野依プロでもロンとツモぐらいは言えますからね』

野依『もっといえる!!』=3=3=3=3=3

末原「では次行きましょうか」カラカラ

みさき『さぁ全く先が見えない準決勝大将戦、最後に勝利を掴むのは果たして誰か』

爽「レイノルズ……」カチャ

末原「……」カチャ

ネリー「てい!」カチャ!

咲「むぅ……」カチャ

みさき『獅子原はいったいこれからどうするのでしょうか』

爽「ペンバートン……」

みさき『まさに何も言えなくて……夏ですね、これ野依プロの出囃子にしたらどうです?』

野依『しない!!』プンスコ!

みさき『そうですよね野依プロの出囃子はオフコースの言葉にできないですからね』

 カチャ カチャ カチャ! カチャ

ネリー「カーン!!」

咲「ぅわ……」

みさき『ネリーは調子が良さそうですね』

咲「私も……をしたいのに……」シュンッ

みさき『しかしここまでの宮永咲は全くカンをしようとしませんね、いったいなにがあったのでしょうか』

m9野依『ん!』ビシッ!

みさき『綺麗な指してたんですね知ってましたけど』

m9野依『ちがう!!ん!!』ビシィッ!

末原「ほいさ!」カチャ!

みさき『なるほど末原の催眠術ですか、マホトーンでも掛けられたんですね』

爽「リーファー……」

みさき『おっと獅子原爽早くもテンパりました』

爽「マルちゃん……」

みさき『しかしロンと宣言が出来ないため意味がありません』

末原「フフフ……」

ネリー「そおれリーーーーチ!!」カチャン!

みさき『っとここでネリーがすかさずリーチです』

爽「ブラゼル!」

咲「早い……」

末原「……」

ネリー「ぬははははははは!ネリーは誰にも止められないのだよ!」

みさき『なかなか調子に乗ってますね』

末原「グラッデンさん」スッ!

ネリー「ネリーだよ!それじゃなにひとつ違うじゃん!」

みさき『おっと末原恭子、先ほどの五円玉をまた取り出しました』

末原「この五円玉をジッと見つめてください」ブラブラブラ

ネリー「!!」

末原「あなたはだんだ……」

ネリー「お金!!」バチコン!!

末原「ギニヤ!!」

ネリー「お金!お金!いただきぃぃぃ!!」

みさき『なんとネリー、末原からお金を奪い取りました』

末原「なにすんねん!」

ネリー「このお金はネリーがもらうね!ネリーにはお金が必要なの!」

みさき『軽くカツアゲな気もしますが』

ネリー「うしししし!このお金をテイルズを買うための足しにするんだ!」

みさき『後悔しなきゃいいですね』

末原9m「臨海女子の監督はいったいどういう教育をしてるんやまったく……」スッ

みさき『おっと末原恭子、今度はネリーに人差し指を突き出しました』

末原9m「この指の先をジーっと見つめてください……」

ネリー「え?キャメラマンがいるよ!」

末原9m「指してる方角ではなく私の指を見てくださいと言ってるんですよ……」グルグル

みさき『なんと末原恭子指をグルグルと回し始めました』

ネリー「ネリーはトンボじゃないもんね!」

末原9m「フフフそうですねあなたはだって鳥なんですから」グルグル

ネリー「え……」

末原9m「あなたはだんだん鳥になる……あなたはだんだん鳥になる……」グルグル

ネリー「……」

末原9m「あなたは鳥になる……あなたは鳥になる……」グルグル

ネリー「ううう……」クラクラ

末原9m「あなたは鳥だ……この大空を自由に羽ばたく鳥なんだ……」グルグル

ネリー「うわあああああ……!」グワアアアアアア!!

末原9m「ドーーーーーーン!!!!」

ネリー「!!」

咲「ネリーちゃん……」

ネリー「……」

みさき『果たしてネリーは鳥になったのでしょうか』

ネリー「グ……」

爽「グラマン?」

ネリー「グエェェェェ!!!グエェェェェェェエエエエ!!」バタバタッ!

みさき『なんとネリーホントに鳥になりました』

ネリー「グエェェェェェェェェ!!」バタバタ!!

咲「ネリーちゃん落ち着いて!」

ネリー「グエッ!!グエッ!!グエェェェェェェ!!」ピョンピョン!

みさき『鳥みたいに手をばたつかせてピョコンピョコン飛び跳ねだしましたネリー』

ネリー「グエアァァァァァッ!!グエアァァァァァァァッ!!」バタバタ!

末原「フフフ……」

ネリー「グエアオワオワオワーーー!!!グエアシャシャシャシャーーーー!!!」

爽「ボカチカ!!(なんの鳥だよ!!)」

ネリー「ギアホアホアヒアーーーーー!!!」スタッ!!

みさき『おっとネリー雀卓の上に飛び乗りました』

ネリー「キシャー!!!」クワッ!

みさき『そして威嚇を始めました』

ネリー「キシャーーーー!!!キシャーーーーー!!!」バタバタ!

咲「ネリーちゃん……」

ネリー「ハシェミアーン!!」

みさき『まさか全国大会の舞台に催眠術師が登場するとは思いませんでしたね野依プロ』

野依『……』

みさき『野依プロ?』

野依『ポー!!ポッポー!!ポポポー!!ポッポー!!』バタバタ!

みさき『……』

野依『ポッポー!!ポポー!!ポッポ!!ポッポ!!』バタバタ!

みさき『……』

野依『クエー!!ポッポ!!ポッポポッポポーーーー!!!』バタバタ!

みさき『あなたが催眠術に掛かってどうするんですか』パコーン

野依『ピジョン!!』

野依『は!!みさき?!』

みさき『いまのパンチで術が解けたみたいですね』

野依『ううう……』

みさき『末原の催眠術で野依プロ、ポケモンのポッポになってましたよ』

野依『ごめんなさい……』

みさき『しっかり気を引き締めてないから今みたいな醜態を晒してしまうのですよ、ちゃんとピッとしてください』

野依『ううう……』グジュ

みさき『これではポケモンGOならぬのよりんGOではないですか』

野依『え?』

みさき『……そんな目で見ないでくださいまるで私がすべったみたいではないですか』

野依『みさき!すべってる!』プップスー!

ネリー「グエェェェェェェェェェ!!!」ピョーン!!

みさき『おっと野依プロがすべってる間にネリーが雀卓から飛びました』

野依「ちがう!!」プンスコ!

ネリー「コッカイ!!」バキィ!

みさき『もちろん空を飛べるハズもなく着地の際に足を思いっきりぐねったみたいです』

ネリー「いたたたたたたた!!!突然足が痛いよ!!」ジタバタ!

みさき『いまの着地ミスで目が覚めたみたいですね』

咲「ネ、ネリーちゃん大丈夫?」

ネリー「大丈夫じゃないよ!急に足に謎の激痛だよ!なんなのさこれ!」

爽「シコースキー!ブロッサー!」

ネリー「日本語で喋ってよ!」

咲「ネリーちゃんが急に麻雀卓に飛び乗って暴れだしたんだよ……」

ネリー「そんな記憶ないよ!」

末原「まるでタモリみたいでしたよ」クククッ

ネリー「さてはこの末原恭子の仕業だな!がるるるるるる!!!」

末原「それよりいいんですか、卓の上」

ネリー「え、あああ!!ネリーの牌が!!」

雀卓の上で暴れた影響でネリーの配牌がバラバラになっていたのだ

末原「なるほどイーピンと撥のシャボ待ちやったんか」

ネリー「見ないでよ!!このエッチスケッチワンタッチ!!」

末原「あんたが自分で見せたんやないか、自業自得やで」

ネリー「うぐぐ!!」

みさき『ネリー以外の3人はしっかり自分の手牌をがっちり守っていたので無事だったみたいですね』

ネリー「くそー!!こうなりゃツモってやる!!」カチャ!

みさき『なんだかんだで再開です』

野依『……!!』=3=3=3

末原「ツモ!!イッツードラドラ!満貫や!」

ネリー「な!!!」

みさき『なんといつの間にかテンパっていた末原が先にツモりました』

末原「残念やったなデシンセイさん」ニヤリ

ネリー「ネリーだよ!いい加減にしなさァァい!」プルプル!

その後も末原恭子の快進撃は続いた……!

爽「ジャン!ズージャ!」カチャ!

末原「ロン、ホンイツドラドラドラでハネ満です」

爽「マクレーン……」

獅子原爽は相変わらず和了することができないために振り込みマシーンと化し……

ネリー「えい!」カチャ!

みさき『おっとネリー、和了牌をツモりました』

ネリー「ひぃぃぃぃ!!和了牌きちゃったよ!!怖い!!怖いよ!!」

咲「ネリーちゃん?!」

ネリー「和了牌怖い!和了牌怖い!捨てちゃえ!!」カチャ!

みさき『なんとネリー、和了せず牌を捨てました』

末原「それロンや、イーペーコードラや!」

ネリー「ホッ……怖かったよ……」

ネリーはただの操り人形として末原恭子の掌で面白いように転がされていたのだった……

末原「ほいさ!」カチャ!

爽「ヤング!!」ギリッ!

みさき『末原が獅子原に放銃です、しかし獅子原は和了ることが出来ません』

爽「ジャクソン……クーパー……タイロン……タイロン?!」

末原「ん?」

爽「タイローン!!タイローン!!タイローーーーン!!!」スタタタタッ!

みさき『なんと獅子原爽がタイロンのロンで和了しました』

末原「くっ……!」

爽「タイローーン!!タイローーーン!!!」

みさき『まさか和了できるとは、まぁロンが付いてますし多分OKでしょう、そもそもタイロンなんて外国人いたんですね西武に』

野依『いた!!ぐぐれ!!』プンスコ!

末原9m「それならこうや!」グルグル!

爽「うぐ!!」

みさき『おっと末原また獅子原に催眠術を掛けています』

爽「トレーシー!!シピン!!ポンセ!!」

みさき『次は横浜の歴代外国人ですか』ジトーッ

爽「ミヤ~ン!!」ウルウル

末原「フフフ……」

翻弄される獅子原爽とネリー、しかし……

咲「ううう……」

一番末原恭子の催眠術に惑わされていたのは宮永咲だったのだ……!

咲(なんで……なんでいつものアレができないんだろ……)

咲「なんで……」カチャ

末原「ニヤリ」

みさき『しかしここまでまるでカンができない宮永咲、顔も暗いです』

咲「ううう……」

末原(どうや宮永咲、お得意のリンシャンカイホーができない気分は?)カチャ

咲「変だよ今日の私……」

困惑……疑念……恐怖っ……宮永咲の頭はそれらの感情でいまはいっぱいなのだ……!

末原(別にカンをしなくても宮永咲の雀力なら私の数倍は上……)

咲「どうしよう……」

末原(普通に麻雀をしても宮永咲は私に勝つでしょう……しかし……!)

咲(なんでできないの……助けてよ和ちゃん……)ウルウル

末原(今の宮永咲はカンができないことで頭がいっぱい……パニック……)クククッ

咲「あ!」カチャ

みさき『宮永咲にカン材が入りました、しかし』

咲「……ッ!!……ッ!!ううう……」ポロポロ

みさき『相変わらずカンができません』

末原(いきなり自分の武器が取り上げられて頭が真っ白……宮永咲は他のことがなにも考えられないんや……)

咲「なんでダメなの……」ポロポロ

末原(演奏の直前にいきなり楽器を取り上げられたバイオリニスト……戦う前に仕込み杖を奪われた座頭市と一緒や……!)

咲「ううう……」

末原(いくら居合の達人の座頭市でも突然仕込みが無くなればカタカタするしかない赤子も同然……つまり……!)

咲「くぅ……」カチャ

みさき『またもカンするのを諦めました宮永咲』

末原「(今の宮永咲もそれと同じ状態や!)それロンです!!」

咲「そんな……!!」

みさき『宮永咲振り込んでしまいました、末原恭子今日は絶好調です』

末原「フフフ……」

みさき『今ので前半戦は終了、そして臨海女子をまくり姫松高校がトップに立ちました、清澄は3位に転落です』

咲「ハァ……」

ネリー「2位じゃガイトさんにどやされるよ……」

爽「ホージマー……」

末原「フフフ……」

野依『はーふたいむ!!』=3=3

みさき『では一旦CMです』

今日はここまで
寝るお

リアタイで立ち会えたの久しぶりだわ。懐かしくて楽しいわ


みさき「一旦CMです」

カラダジュウミチアフレルヤセイノエナジー~♪

野依「きゅうけい!!」プンスコ!

みさき「理沙ちゃん大丈夫?疲れてない?」

v野依v「だいじょうぶい!」=3=3=3

みさき「あまり無理しなくても大丈夫だからねありのままの理沙ちゃんでいいんだから、厳しいときは私がフォローするから」

野依「みさき……」ジワッ…

みさき「ふぅ、ちょっとお手洗いにでも行ってこようかな、理沙ちゃんはどうする?」

野依「まってる!!」=3=3=3

みさき「それじゃ行ってくるね」

  ガチャン

野依「……」=3=3=3

野依「……」=3=3

野依「……」=3

野依「……」

野依「みさき……」

無理しなくてもいいありのままの野依理沙でいい―――そう言われたものの野依理沙は悩んでいた

野依「ううう……」

村吉みさきに心配させたくない……立派な解説をして村吉みさきを喜ばせたい……野依理沙はそう思った……

末原≪フフフ……≫

野依「!!」

と、そこでふと野依理沙の頭に末原恭子の不適な笑みが浮かんだのだ……

野依「……」

  準決勝会場にて

ネリー「ふぃぃぃ……」

咲「……」

末原「ふぅ」コキコキ

爽「パチョレック……」

ネリー「あーあガイトさんに会いに行きたくないよ~絶対グチグチ言われるよ~」

末原「言い返せばいいじゃないですか、うるせーこのやろーみたいに」

ネリー「そんなこと言えるわけないじゃん!言ったらどうなるか想像しただけでホラーだよ!」

末原9m「大丈夫ですよあなたならあの辻垣内智葉にも勝ちますよ」

ネリー「え……」

末原9m「勝てる勝てる喧嘩で辻垣内に勝てる……」グルグル

ネリー「ううう……」グワアアアアアア!

末原9m「はいっ!あなたは辻垣内に勝てます!あなたはこの世で一番強い!」

ネリー「そうだよ!ネリーはあんなデメキン女なんかよりも全然強いんだよ!勝てる勝てる!!」ギラギラ!

末原「さァ控え室に行って辻垣内に会ってきなさい、そしてナシをつけてきなさい」

ネリー「分かったよ!よおし待っていろ辻垣内智葉ァァァァァ!!がるるるるるるる!!」スタタタタタタッ!!

和「咲さん!」

咲「和ちゃん!」

優希「私もきたじょ!」

久「なかなか苦労してるみたいね」

まこ「しょぼくれちょるのう」

咲「優希ちゃん!部長!染谷先輩!」

和「みんな心配になって会いにきたんです」

真屋「私もきました」

爽「ポゾ!ポゾ!」

真屋「私はポゾではありません」

末原「……ん?」

野依ノシ「……」ヒョイヒョイ

末原(あれはたしかプロ雀士の野依理沙やないか、私を呼んでるみたいやな、なんやろか)トコトコ

久「どうしたのよ咲?いつものあなたらしくないじゃない」

咲「ごめんなさい……」

優希「毎度おなじみのリンシャンボンバーはどうしたんだじょ!」

咲「だ、だってできないし……」

まこ「あの催眠術師気取りのせいじゃな」

咲「ううう……」

優希「リンシャンが自由に出せないとは……あの魔術師はいったい咲ちゃんになにをしたんだじぇ!」

和「自由にリンシャンなんて……そんなオカルトありえません」

久「う~んどうやったら催眠が解けるかしらね~」

まこ「よしワシこの拳で……」

咲「い、痛いのはイヤです!」ガタガタ

和「染谷先輩やめてください!殴るならこの私を殴ってください!」

まこ「冗談じゃって、ワシはカタギには手ェ出さん」

真屋「てい!」パコン!

爽「マラベ!!」

優希「殴られてるじぇ!」

爽「ベタンコート!!ベタンコート!!」

久「深く術を掛けられてるから治らないみたいね」

爽「グスマン……」グスンッ…

真屋「諦めないで」

爽「ポゾ……」

和「そうです咲さん!決して諦めてはいけません!」

優希「そうだじぇ!」

久「そうよ、なにもかも末原さんの思い通りなんて悔しいじゃない」

まこ「少々痛めつけてやらんかい」ニヤニヤ

咲「みんな……」ジワッ…

優希「ぶちかましだじぇ!」

和「咲さんならできます」

咲「うん!」

久「あ、ちょっといいかしら咲」

場内放送『後半開始5分前です、出場者は速やかに……』

末原「ふぅ……」トコトコ

優希「末原も帰ってきたじぇ!さっさとトンズラこくじょ!」

和「末原さんですよ優希」

久「……じゃあ頑張ってね咲」

咲「は、はい!」

まこ「咲になにを吹聴したんじゃ……」

久「とっておきの秘策よ」ウフフ

真屋「では私は帰ります」

爽「ポゾ!マホームズ!マホームズ!」

真屋「揺杏先輩ならDSでロックマンやってますよ」

和「意味が通じてますね……」

  ワーワー ザワザワ ガヤガヤ ワッハッハー

みさき『それでは後半戦に突入です』

ネリー「前が見えねぇ……」

みさき『どうしたのでしょうかネリー、顔がシュークリームみたいになっています』

咲「ど、どうしたのネリーちゃん!?」

ネリー「ガイトさんに挑んだらジンジョーじゃないぐらいぶん殴られたよ……」

爽「ハーパー……」

ネリー「しかもメグもハオもよってたかってのリンチだよ!いったいネリーがなにをしたって言うのさ!」

みさき『挑発しに行ったのが悪いのではないでしょうか』

ネリー「おかしいよ!こんなのっておかしいよ!」

末原「フフフ……」

ネリー「やいやい!なにがガイトさんに勝てるだだよ!全然勝てないじゃん!信じられないぐらいにボコボコにされたよ!」

末原9m「いつから自分が負けたと思ったんですか?」

ネリー「え……」

末原9m「あなたは勝ったんや!辻垣内智葉に勝ちました!はいドーーン!!」

ネリー「そうだよネリーは勝ったんだよ!試合に負けて勝負には勝ったよ!」ギラギラ

みさき『試合にも勝負にも惨敗かと思いますけどね』

野依『だけどこういう前向きなメンタルはぼかぁ好きだなぁ!えっへっへ!』

みさき『そうですか、って急にどうしたんですか野依プロ?!』ギョッ!

野依『なにっていつも通りですよ村吉さぁん!』

みさき『いつもはそんなにテンション高くないですし第一そんな喋れないではないですか……』

野依『いやね僕もね、なんとか解説者としてのね人気が欲しくてね』

末原≪人気解説者になりたいんですか……≫

野依≪うん!!≫=3=3=3

野依『というわけでね!僕も掛けたんだよね催眠術!』

みさき『は、はぁ……』

野依『村吉さんにいつまでも迷惑を掛けるわけにはいかないからね、いやぁ楽しみだなこりゃあ!』

みさき『……』

ネリー「喧嘩にも勝って麻雀でも勝つよ!!」カチャ!

みさき『さ、さて後半戦のスタートです』

野依『ここ大事ですよここ!後半スタートというのは一番集中力がなくなる時間帯なんですよ!集中集中!』

みさき『はぁ』

咲「……」カチャ

ネリー「それポーン!」

野依『いやぁナイスポンだな!ナイスポン!』

爽「ピータース!!」カチャ!

野依『最低でもテンパイまで行こうテンパイまで!テンパイまでもってくりゃこっちのもんだからね!えっへっへ!』

末原9m「ネリーさんはいドーーーン!!」

野依『PKだよPK!PK!PK!いやぁふざけた麻雀しますねぇ末原ってのはァ!』

みさき『人気解説者になりたいからってサッカーの松木さんみたいな解説やめてください……』

野依『なにっていつも通りですよ村吉さぁん!』

みさき『いつもはそんなにテンション高くないですし第一そんな喋れないではないですか……』

野依『いやね僕もね、なんとか解説者としてのね人気が欲しくてね』

末原≪人気解説者になりたいんですか……≫

野依≪うん!!≫=3=3=3

野依『というわけでね!僕も掛けたんだよね催眠術!』

みさき『は、はぁ……』

野依『村吉さんにいつまでも迷惑を掛けるわけにはいかないからね、いやぁ楽しみだなこりゃあ!』

みさき『……』

ネリー「喧嘩にも勝って麻雀でも勝つよ!!」カチャ!

みさき『さ、さて後半戦のスタートです』

野依『ここ大事ですよここ!後半スタートというのは一番集中力がなくなる時間帯なんですよ!集中集中!』

みさき『はぁ』

咲「……」カチャ

ネリー「それポーン!」

野依『いやぁナイスポンだな!ナイスポン!』

爽「ピータース!!」カチャ!

野依『最低でもテンパイまで行こうテンパイまで!テンパイまでもってくりゃこっちのもんだからね!えっへっへ!』

末原9m「ネリーさんはいドーーーン!!」

野依『PKだよPK!PK!PK!いやぁふざけた麻雀しますねぇ末原ってのはァ!』

みさき『人気解説者になりたいからってサッカーの松木さんみたいな解説やめてください……』

ネリー「ネリーいまキューワン待ちだよ!これで和了したらホンイツ南ドラで満貫だよ!」

みさき『自分でいまの待ちを言ってしまってますね、これも末原の力でしょうか』

末原9m「これでネリーは待ちはみんなに筒抜けや……フフフ……」ニヤリ

野依『これルール違反じゃないですんかね!へへっ!明らかにファールな気がするんですけどね!』

みさき『まぁルールブックには催眠術を使ってはいけないと書いてはいませんし……』

咲(危ない危ない……)カチャ

みさき『宮永咲、キューワンを切ろうとしていただけに命拾いしました』

ネリー「そりゃ!」カチャ!

末原「ロンや!」スタタタタッ!

ネリー「どひゃー!」

みさき『おっとネリー、末原恭子に振り込んでしまった』

ネリー「ううう酷いよ……」

野依『いいんですかねぇアレで、ぼかぁファールだと思うけどなぁ!』

みさき『麻雀にファールとかありませんから……』

末原「さァ次行きましょう」カラカラ

みさき『このまま末原が突き抜けていくのでしょうか』

末原「フフフ……」

咲「ううう……」

ネリー「どうしよ……」

野依『点差はだいぶ離れてますがまだ時間はあります!絶対に諦めてはいけまんせんよ絶対に!』

爽「ギャラード……!」ギリッ!

爽「バワーズ!バワーズ!」カチャ!

野依『見てくださいあの獅子原の目を!あれはまったく諦めてない目ですよ!いやぁ良い目してんなおいっ!』

末原「悪あがきやな」カチャ

ネリー「ネリーはいまイーシャンテンだよ!」カチャ!

咲(……っ!うううアンコは一杯くるのに……が出来ないよぉ……)カチャ

爽「ワン!イーゼン!」カチャ!

みさき『さきほどより元気が出てきましたね獅子原爽』

野依『よしっ!まずはリャンシャンテンだ!その調子だその調子!』

みさき『松木……いや野依プロも元気ですね……』

爽「モーガン!!」カチャ!

野依『おーっ!!イーシャンテン!!このまま行けっ!行けっ!!獅子原っ!!行けーっ!!!』

末原「無駄ですよそんな頑張っても……」カチャ

ネリー「へいネリーはテンパイしたよ!ウーパーソー待ちだよ!」カチャ!

みさき『ネリーがテンパりましたがやはり自分の待ちを教えてしまいましたね』

爽「ラミレス!」カチャ!

野依『よしっ!!テンパった!まずはテンパイまで持っていくことが大事ですよっ!テンパイまで持ってくりゃなにが起こるかわかりませんからねっ!』

末原「だから頑張っても無駄だと言っ……」

爽「リーチ!!」シュバッ!

末原「なん……やと……」

みさき『おっと獅子原爽まさかのリーチです』

末原「そんなアホな……私の催眠術が破られるハズが……はっ!!」

野依『そうなんですよね何年か前にいたんですよねリーチって外人がね!まったく活躍できずに帰りましたけどね!えっへっへ!』

みさき『しかしリーチは出来ても和了出来なければ意味がありません、果たして獅子原はどうするのでしょうか』

末原「盲点やったな……」カチャ

ネリー「誰かウーパーソー振り込んでよ!」カチャ!

咲「え、えい!」カチャ!

みさき『おっと宮永咲、獅子原爽に放銃です』

爽「……」

みさき『しかし獅子原これをスルー、やはりロンとは言えないのでしょうか』

野依『違いますよこれは!これは獲物を狙う目ですよ!』

末原「フフン」カチャ

爽「!!タイローン!!タイローーーーン!!」スタタタタタッ!

末原「なんですて!!」

野依『よしっ!!よおしっ!!よおおおおおしっ!!!ナイスロン!ナイスロンだァァァァ!!』

みさき『なんと獅子原、末原恭子を狙い撃ちです』

爽「タイローン!!タイローーーーーン!ウッズ!」

野依『獅子原は最初からこれを虎視眈々と狙ってたんですよね!えっへっへ!諦めてはいけないということですよこの和了は!』

みさき『はぁ……』

末原「くっ……!」

爽「サンダース!シュワーズ!」

みさき『獅子原が野依プロの大好きなポケモンの名前を言ってますよ、野依プロはたしかリーフィアが好きとかなんとかで』

野依『……』

みさき『野依プロ?』

野依『……そんなことは今はどうでもいいので黙って試合を見ましょう、村吉さん』

みさき『……』イラッ!

末原9m「こうなりゃこうや!」グルグル!

爽「ガルベス!!ガルベース!!」

みさき『とうとうガルベスとしか言えなくなりましたね』

野依『おーいっ!!PKだろ!PK!PK!PK!レッドだろ!!』

みさき『だから麻雀にPKなんてありませんから……』

野依『おかしいよなアレ!えっへっへ!レッドカード3枚分ぐらいあるんじゃないかな!』

爽「バルビーノ……ガルベス……」

野依『さすがにこりゃもう打つ手なしだな!えっへっへっへ!』

爽「ガル……べス……」

咲「ううう……」

ネリー「ぐぬぬ……」

末原「さァ次行きましょうか」

みさき『末原以外の三人はもう気力が果てたって感じですね』

野依『やりたい放題だなこりゃ!もう麻雀じゃなくてびっくり人間ショーに出たほうがいいんじゃないかな!』

咲「……」

野依『でも僕はね、宮永さんがここで終わるような選手ではないと思います、必ず末原恭子に一矢報いてくれるハズですよ』

末原「それポンや」

爽「ガルべス……」

野依『末原さんはねもう一点欲しいねぇ!まだまだ安心出来る点差ではありませんからね!』

咲「……」

末原「ほいさ!」カチャ!

みさき『末原イーシャンテンです』

野依『ここは大丈夫ですよ末原!他の三人を見てもテンパイまで行きそうなのは誰もいませんからね!』

ネリー「チョーシ乗りすぎだよまったく!」カチャ!

咲「……」カチャ

爽「ガルベス……」カチャ

野依『しかしまだ諦めてはいけません取りあえず頑張ってテンパイまで行きましょうテンパイまで!』

末原「フフフ……!」カチャ!

みさき『おっと末原がテンパイしました』

野依『ここは末原に和了らせないために誰か一人でも行かなきゃダメだっ!今の末原には個の力だけではダメですからね!
   一人でも末原のテンパイを察して少しでもチャンスの目を摘み取るのが大事ですよ!諦めちゃダメだァ!諦めちゃ!』

ネリー「(テンパイしたみたいだよ……)そい!」カチャ

みさき『ネリーはオリみたいですね』

野依『いまはそれでいいでしょうね!まだまだ時間はたっぷりありますからね!逆襲はこれからですよこれから!えっへっへ!』

咲「……」カチャ!

末原「!!」

みさき『おっと宮永咲、末原に振り込みました』

野依『おいっ!!おーいっ!!おいっ!!違う違うそうじゃないだろっ!!』

末原「宮永咲、それロ……」

咲「クククッ……本当にそれでいいのかな末原さん……」ニヤリ

末原「え……」

みさき『宮永、不敵な笑みを浮かべ末原になにかを言っています』

咲「ククク……」

末原「……なにが言いたいんや宮永咲、時間がないのでロ……」

咲「本当にそれは末原さんのロン牌なのかな……」ニヤッ…

末原「なにを言ってるんですかどこをどう見ても正真正銘の私の和了牌ですよ……」

咲「それ本当に断言出来る?」

末原「なんですて……」

ネリー「咲ちゃん……?」

爽「ガル……」

咲「もしかしたら末原さんが今見てるのは夢で現実の末原さんはまったく違うことをしてるかもしれないよ……」

末原「なにを言うてるんや……まさか催眠術のせいで頭のネジが数本抜けて……」

咲9m「催眠術に掛かってるのは私じゃなくて……末原さん自身かもしれないよ……」スッ…

末原「な……」

みさき『いったいどういうことでしょうか宮永』

咲9m「ククク……」

末原「あまりふざけたこと言わないでくださいよくだらない……」

咲9m「私はふざけてないよ、本当に?本当に自分が催眠術に掛かってないと断言できるの?」

末原「モチロンや!私は催眠術に掛かったなんて記憶いっさいありませんし……」

咲「催眠術に掛けられた人はみなそう言うんだよね……クククッ……」

末原「だから悪ふざけはよして……」

咲「末原さんはね……最初から掛けられてたんだよ……催眠術に……」ニヤリ

末原「なんですて……」

みさき『まさに衝撃の事実です』

野依『シリア戦で川島が退場させられたぐらいびっくりだなこりゃ!』

末原「私が最初から催眠術に掛かってた……そんな……」

咲「気づいてなかったんだね……」

末原「そういえば代行になにかされた記憶が……ううう……頭がううう……」

咲「この試合も末原さんが見てる幻覚なんだよ……」

末原「幻覚……?」

咲「末原さんが見てる夢……辛い現実から逃げるための楽しい楽しい邯鄲の夢……」

末原「辛い現実って!私は逃げてなんか!」

咲9m「違うよ末原さん……赤阪さんの親心だよ……」

末原「代行の……」

咲9m「そうだよ……勝てない末原さんのために勝ってる夢を見せてるだけなんだよ……辛い現実を見せないために……」

末原「ち、違う……私は夢を見てない……催眠術になんか掛かってない……!」グニャー!

咲9m「末原さん……もう目を覚まそう……これは夢なんだよ……」

末原「ううう視界が歪む……頭が……頭がァァ……!」グワアアアアア!!

咲9m「さァ目を覚ましなさい!!末原さん!!!」

末原「!!」ガバッ!

みさき『末原が卓の上に突っ伏しました』

末原「ううう……」

咲「……」

末原「ここはどこ……私はいったい……」

咲「……」

末原「あれ……私の手牌……全部おはぎ……」

咲「そうだよ……末原さんはおはぎを並べて麻雀ごっこを……」

末原「んなわけあるかい!!」パチコン!

咲「エドゥ!!」

みさき『効かなかったみたいですね』

咲「ううう……」

末原「なんや私に催眠術を掛けようと思ったんかい!掛かるわけないやろ!アホか!」

咲(全然ダメだよぉ部長……)

久≪催眠術に掛かってるのは本当はあなたよ!末原さん!!って言い返せばいいのよ催眠術返しね!≫フフン!

咲≪は、はい!≫

久≪そうすれば自分が催眠術に掛かってると思ってパニックになるハズだからね≫フフッ!

咲(末原さんに催眠術効果ないよぉ……こっちがパニックだよぉ……)ポロポロ

末原「私に催眠術を掛けるなんて100年早いですよ!」

みさき『見事大失敗ですね宮永咲』

野依『しかしこういう駆け引きも時には大事だからね!ラモスさんなんかも現役時代はよく相手とやりあってましたからね!』

咲「ナ、ナーンチャッテ!ちょっとしたユーモアだよぉ末原さん!」

末原「おもろないでその冗談、それロンや」

咲「ううう……」

みさき『奇策功を奏さず宮永咲』

野依『やはり奇を衒わず正攻法で行くのが麻雀もサッカーも一番なんだね!へへへっ!!』

咲「和ちゃん……」

   清澄高校控え室にて

末原『そんな簡単に催眠術は使えないんですよ』

咲『うぐ……』

久「う~ん引っかかると思ったんだけどねぇ」

まこ「咲になにやらせちょるんじゃわりゃあは……」

久「私はいったい何者なんだァ!ってなるのが私の立てたシナリオだったんだけどねぇ」

和「部長は漫画の読み過ぎです……」

久「こう見えても私は家では静かに聖書を読んでるのよ?」フフン

まこ「嘘をこくな嘘を……チャンピオンしか読んでないじゃろ……」

優希9m「お前はどんどん腹ペリーニョになるじょ……お前はどんどん腹ペリーニョになるじょ……」

京太郎「そりゃ昼間からなにも食べてないんだから腹も減るに決まってるだろ……」

優希「だからって私のタコスを黙って食べるのは許せないじぇ!」

京太郎「悪かったって!今度また作ってやるから!」

野依『非常に苦しい時間帯ですけど決して諦めてはダメだ!』

ネリー『ポン!』

野依『よしっ!そうだ!ナイスポン!ナイスポーン!!』

まこ「居酒屋みたいな解説じゃのう……」

咲『ううう……』

和「咲さん……」

  準決勝会場にて

咲「和ちゃん……」

みさき『止まらない末原、果たしてこのまま姫松が決勝まで突き抜けるんでしょうか』

野依『こっからでしょ!勝負は!まだまだ時間はたっぷりありますからね!諦めちゃダメだ!諦めちゃ!』

末原「今の気分はどうや宮永咲……」ニヤリ

咲「最悪だよぉ……」

末原「さすがのあんたも催眠術には勝てないみたいやな」フフフ

咲「ううう……」

みさき『カンが出来る状態にはなるのですけどね、そこからが二進も三進も行きません』

野依『ミドルシュートを禁止にされてるようなもんだからね!もう構わず蹴っちゃえばいいんだけどなっ!』

みさき『だからサッカーではありませんから……』

咲(うううまたアンコばっかし増えてくよぉ……)カチャ

爽「ガルベス……バルビーノ……」カチャ

みさき『試合もそろそろ終盤、これからどういう展開になるのでしょうか松木プロいや野依プロ……』

野依『はいっ!そうですねっ!やはり末原以外の三人も準決勝までやってきた曲者揃いですからね!ここからまだまだ挽回すると思いますよ!はいっ!』

咲「ううう……」ガシガシッ!

みさき『しかし宮永咲は頭を抱えてしまいました』

咲(なんでいつものアレが出来ないんだろう……)ガシガシッ!

みさき『カンは出来なくて相当悩んでるみたいですね』

野依『悩み多きお年頃だからねっ、でもぼかぁ宮永に期待してるけどなァ!』

咲(どうすれば……)

ネリー「まぁネリーは2位でいいや……」

咲(このままだと準決勝で終わっちゃうよ……お姉ちゃんにも会えない……)

爽「ガルベス……」

咲(和ちゃんたちもがっかりさせちゃう……)

末原「ほいさ!」カチャ!

咲「ううう……」

みさき『でも戦意喪失って感じですよ宮永咲は』

野依『諦めちゃダメだ!まだまだ時間はたっぷりあるんだ!下を向くな下を!』

咲(どうしよ……)

和≪咲さんならきっとできます!≫

咲(和ちゃん……ごめんなさい……)ジワッ!

野依『行けーっ!宮永!!』

咲「……」カチャ

みさき『またカン材です』

咲(うううまた……が出来ないよぉ……)スタッ

みさき『しかしカンはせず捨てました』

咲(……が出来るだけの手牌なのに……は!!)

そのとき宮永咲に電流走るっ……!

咲(そ、そうだ!!あの手があるよ!!)

ネリー「どうしたの咲ちゃん!?」

咲(なんで今まで思いつかなったんだろ……こんな目の前に勝つ方法あったのに……)

末原「フフンフフン♪」

咲「末原さん……!」ギリッ!

思いつくっ……この土壇場でっ……!末原倒しの圧倒的秘策っ……!

咲(絶対私が勝つよ!末原さん!)ボワッ!

野依『宮永の目に力が漲りましたよ!いやぁ楽しみだなこっから!』

咲「……」

末原(無駄なあがきや……)カチャ

みさき『姫松の決勝進出は盤石な気もしますが』

ネリー「ネリーはいまイーシャンテンになったよ!」カチャ!

爽「ガルベスガルベス……」カチャ

野依『麻雀とサッカーには絶対はありませんからね!いやぁネリーや獅子原にも頑張ってほしいなァ!!』

末原「ほいさ!」カチャ!

野依『末原はもう1点目欲しいねっ!お金と点棒はいくらあっても困らないからねっ!へへっ!』

咲「……」カチャ

野依『ここ大事な時間帯ですよっ!苦しいでしょうがなんとか我慢して次につなげていってほしいですねっ!』

ネリー「よおし!テンパったよ!イーピンの単騎だよ!バッチコイ!」

野依『いいですねっ!ナイステンパイっ!最低でもねっ!テンパイまで持ってくるのが大事ですよ!ロンがダメならツモりゃいいんだツモりゃなァ!』

みさき『しかしすでにイーピンは1枚捨てられてますし残りがすべて末原がアンコってますよ』

末原「フフフ……」

野依『たまにはあきらめも肝心だなこりゃ!えっへっへ!』

末原「!!」カチャ

みさき『おっと末原がテンパりました』

野依『おい絶好調だな末原!中身すこやんなんじゃないか本当は!』

末原「フフフ!リーチや!」シュバッ!

みさき『果たしてこのまま本当に姫松高校末原が突き抜けるんでしょうか』

咲「あ、それロン」

末原「え」

みさき『おっとなんと宮永咲もテンパってました』

咲「スーアンコー!ショースーシー!」

末原「な……!」

野依『おおおおおおおお!!!うあぁぁぁああああ!!!宮永ァァァァァァァ!!!』

みさき『ちょっとうるさいですよ松木さん……』

野依『ナイスロンだ!ナイスローーーン!!!宮永ァァァァァァ!!!』

末原「な、なんで……」

野依『ここに来て役満って凄いね!えっへっへっへ!!しかもダブルだよダブル!俺たちもカツ丼食ったからね!ねぇ村吉さん!』

みさき『食べてませんから……野依プロ食堂で食べたの鴨南蛮だったではないですか……』

咲「……」

ネリー「ダブル役満凄いよ!」

爽「ガルベス!!」

末原「なんで……そんな……」

みさき『まさかのダブル役満直撃で末原も茫然自失です』

咲「……」

みさき『おっとなんと宮永咲もテンパってました』

咲「スーアンコー!ショースーシー!」

末原「な……!」

野依『おおおおおおおお!!!うあぁぁぁああああ!!!宮永ァァァァァァァ!!!』

みさき『ちょっとうるさいですよ野依プロ……』

野依『ナイスロンだ!ナイスローーーン!!!宮永ァァァァァァ!!!』

末原「な、なんで……」

野依『ここに来て役満って凄いね!えっへっへっへ!!しかもダブルだよダブル!俺たちもカツ丼食ったからね!ねぇ村吉さん!』

みさき『食べてませんから……野依プロさっき食堂で食べたの鴨南蛮だったではないですか……』

咲「……」

ネリー「ダブル役満凄いよ!」

爽「ガルベス!!」

末原「なんで……そんな……」

みさき『まさかのダブル役満直撃で末原も茫然自失です』

咲「……」

末原「な、なぜ!役満なんかを!和了できるハズないのに!」

咲「それが出来るんだよ末原さん……」

末原「だからなんで!」

咲「いつものアレができないからずっと戸惑ってたよ……正直そのことでずっと頭がいっぱいだったよ……でも」

末原「でも?」

咲「よくよく考えたらアンコは一杯来るんだよ!だからスーアンコーで和了ればいいんだよ!」

末原「なん……やと……」

野依『えっへっへっへ!それ気づくの遅すぎないすかね!普通ね、術かけられてすぐ気づくと思うけどなァ!視聴者みんな気づいてたよね!』

みさき『ちょくちょく毒づくのやめてください……』

咲「仕込み杖が無くたって最後は座頭市が勝つんだよ……」

末原9m「なに言うてるんや!勝負はまだまだこれからや!よっしゃこうなったらもう次はホラリラローとしか言えなくなる催眠術を……!」

咲「無駄だよ末原さん……私の待ちをよく見てよ……」

末原「え……あ!!」

みさき『スーアンコー単騎だったためダブル役満です、つまりショースーシーと合わせてトリプル役満で末原飛びで試合終了です』

野依『うおーーーい!!ハットトリックで末原飛んだよっ!!飛んだ飛んだァァァァァ!!!』

末原「そ、そんな!!」グニャー!!

みさき『これで清澄が首位に浮上し姫松が最下位に転落、2位は臨海女子で清澄と臨海女子が決勝戦に進出です』

野依『おーし!よしっ!そうだっ!ナイスだ!ナイス!』

末原「なんで……そんな……」カタカタ

  姫松高校控え室にて

みさき『清澄高校と臨海女子が決勝戦に進出です』

洋榎「恭子……」

由子「あと一歩だったのよー……」

絹恵「先輩……」ポロポロ

赤阪「イヒヒヒヒ!!!まさに催眠術師術に溺れるやな!!カン封じだけで満足せずもっと術を掛けとけば良かったんやで~」

洋榎「笑ってる場合じゃないだろ!!」ググッ!

由子「洋榎!暴力はダメなのよー!」ガシィッ!

漫「そうですよ、うちのお姉さまに暴力を振るわんといてください」

洋榎「くっ!しょうがないな……ってお姉さま?!」

漫「はい、ねぇお姉さま!」ゴロニャーン

赤阪「そうやろ漫ちゃん!やっぱ漫ちゃんはかわええな~」ナデンコナデンコ

洋榎「なんだよこれ……」ゾゾゾゾッ!

赤阪「漫ちゃんに催眠術を掛けたんやで~あんたはいくのんの大事な妹やって~」

由子「記憶を失った漫ちゃんに間違った記憶を植え付けただけなのよー……」

野依『いやね!すごい試合見ちゃったね僕たちも!もうこれ清澄高校優勝でいいんじゃないかな!決勝やらないでさ!』

みさき『ダメですからそんなの……無茶言わないでください……』

絹恵「終始清澄寄りの解説やったな!」プンプン!

誓子『爽大丈夫!?』

みさき『有珠山高校の桧森誓子が獅子原爽の元に駆け付けました』

爽『ガルベス!ガルベス!』

誓子『うん誰も爽のこと怒ってないわ!だからそんな悲しまないで!』

爽『バルビーノ……』グジュッ…

誓子『ううんあまり自分の責めないで、そういうこと言う爽を見てると私まで悲しくなっちゃうわ……』ギュッ…

由子「意味が通じてるのよー……」

野依『しかし宮永は凄かったなっ!まるですこやんが四人いるみたいだったねっ!』

絹恵「意味が分からんで……」

末原『ううう……』

洋榎「恭子そんな落ち込むなよ、十分頑張ったって」

由子「そうなのよー、笑顔で帰ってきてなのよー」

末原9m『……』ビシッ!

みさき『おっと末原、自分に指を向けました』

末原9m『私は頑張った……だから落ち込むことはない……元気だせ元気だせ……』ブツブツ

洋榎「まさか……」

末原『よっしゃ!私は頑張りました!これから胸を張ってみんなのとこに帰りますよ!』ギラギラ

由子「自己暗示を掛けたのよー!」

末原『フフンフフンフフ~ン♪』ピョンピョン!

野依『シミュレーションだよ!シミュレーション!』

みさき『……時間も来たのでそれでは次は決勝戦でお会いしましょう』

カダラジュウミチアフレルヤセイノエナジー♪

洋榎「終わったか……」

赤阪「でもいくのんと末原ちゃんと漫ちゃんの輝かしい未来はこれからやで~」ナデンコナデンコ

漫「ねぇお姉さま!」スリスリ!

洋榎「……」

絹恵「うわぁ!!セレッソが試合終了間際に山口蛍のゴールで勝利とかありえへんやろ!!」ジタバタッ!

洋榎「ハァ……どっと疲れが……」

由子「元気出してなのよー……」

テレビ『小鍛冶プロも大絶賛!老若男女に愛されるエナジードリンク!パワードケーフィア!
    私は老若男女の若のほうだからね!タンタタンタターンタタン♪モグロ製薬!!』

由子「あとでこのCMの栄養ドリンクでも買って飲むのよー」

洋榎「そうだな……」

こうして末原恭子の夏は終わったのだった……

テレビ『みんな大好き!ヌルポ製菓のおいしいマカロン!』

由子「マカロン怖いのよーーーーーー!!!!」バチコーーーン!!!

洋榎「うわっ、テレビぶっ壊した」

みさき「ふぅ……」

野依「みさきちゃんおつかれっ!いやぁ今日も疲れたなしかし!」

みさき「そうだね……」

野依「いやこういう試合見ちゃうとねっ!他の試合の解説なんかやりたくないなって感じだね!」

みさき「そう……」

野依「でも職場放棄になっちゃうからね!真面目に解説しないとね、いつもセルジオさんに怒られるんだよなっ!えっへっへ!」

みさき「セルジオ越後さんに会ったことないでしょ理沙ちゃん……」

野依「いやぁ今日は良い試合だった!良い試合だったね!もうねこれだけでもう今日は満足だよね!」

みさき「取りあえず落ち着いてよ理沙ちゃん……」

野依「今日はもう眠れないね!もうすこやんとか集めて徹夜で麻雀しちゃおうかね!いやぁ良かった!」

みさき「理沙ちゃん……」

野依「あ、そうだみさきちゃん、実は美味しいカツ丼が食べれる店を見つけてね、今から二人でその店に……」

みさき「行きません」スタッ

野依「みさきちゃん?」

みさき「私が好きな理沙ちゃんはそんな変な喋り方をする理沙ちゃんじゃありませんから
    私が大好きな理沙ちゃんはいつものポンコツでくちべたでポケモンの話になると目を輝かせる理沙ちゃんですからっ!!」スタスタスタッ!

野依「ちょ!みさきちゃん!おーい!」

みさき「さようなら」

  ガチャン!

野依「おーい!おーーーい!!おーい……」

  シーン……

野依「なんなんすかこれ」

AD「あの……もうそろそろ次の予定がありますのでここから出てっていただいてもいいですか……」

野依「なんなんすかこれ」

  10年後  演芸場にて

  ワイワイ ザワザワ ガヤガヤ ニシシシシ

洋榎「ふぅ、こういうとこ初めてだな」

絹恵「そうやね、普段こういうとこは用がないからね」

あの夏の大会から10年が経ち……洋榎たちはすっかり大人になっていた……

洋榎「しかしけっこう人いるな、人気あるんだなぁあいつ」

絹恵「お姉ちゃん結局関西弁に治らんかったね、催眠術解けなかったんかな」

洋榎「もう諦めたよ……どうせいま関東のチームにいるしこれでもいいよもうあたいは……」

絹恵「代行はそのうち自然に解けると言うてたのにね」

洋榎「あのババァの言うことは嘘ばっかだ、存在自体がデマだろあいつ」

絹恵「いまや日本を代表する雀士やのにね代行……って!ちょっと!」

洋榎「どうしたんだ絹……ばっちぃ劇場だしゴキブリでも出たのか?」

絹恵「ガンバ今日も勝ってるやん!ムキーッ!このままやとまた今年もガンバの優勝やで!」

洋榎「絹もまったく催眠術解けてないじゃんか……しかしまさか藤ヶ谷が監督としてガンバ大阪をJリーグ5連覇に導くとは……夢にも思わなかった……」

絹恵「くやしいー!!」ジタバタッ!

  チャンチャカチャンチャンチャカンチャチャンチャン♪

洋榎「あ!始まるぞ絹!静かに!」

舞台の緞帳が上がっていくとそこには……

由子「えー皆様方、えーどうも今北亭野ん陽でございますのよー」

なんと真瀬由子が座布団の上で鎮座していたのだ……!

由子「しかし今年も暑くなってきましたななのよー、夏と言えば怪談なのよー、幽霊とか妖怪の類は本当に怖いのよー」

そう真瀬由子は落語家として活動していたのだった……

由子「怖いと言えば幽霊ですが、昔大坂の下町にマカロンが怖いという変わり者がいたのよー」

  ドッ!! アハハハハハハ! オモシローイ! ワッハッハー!

由子「マカロン怖いからやめてなのよー!そんな物騒なモン私に見せないでなのよー!」

由子「そう言われると余計見せたくのが人情ってもんや!ほれマカロン!マカロンやで!」

由子「やめてなのよー!マカロンを見るとカタカタしてしまうのよー!」

由子「おいおいあの由子がホンマにマカロンを見て恐れ戦いてるで!こら傑作やで!」

由子「マカロン怖いのよー……」ポロポロ

由子「おいおいとうとう泣き出しよったで!よっぽどマカロンが怖いんやな!よっしゃ!どんどんあいつの部屋にマカロンを投げつけるんや!」

由子「ひぃぃぃぃ!なのよー!」

由子「おーいみんなどんどん投げろどんどん!」ビシュビシュッ!

由子「痛いのよー!痛いのよー!うううどんどん増えていくのよー……」

由子「ハハハハハハ!!部屋の中がマカロンだらけやで!!」

由子「マカロンが一杯なのよー……うううもう食べちゃえ……」モッキュモッキュ

由子「おい!あいつマカロン食べ始めたで!」

  ドッ!! アハハハハハハ! チョーオモシロイヨー! イヒヒヒヒヒ!

由子「うううマカロン怖いのよー……マカロンおいしすぎて怖いのよー……」モッキュモッキュ

由子「みるみるうちにマカロンが無くなっていくで!」

由子「うううごちそうさまなのよー……怖かったのよーマカロン……」

由子「やいやい由子!お前マカロンが怖いんじゃなかったんか!」

由子「マカロンは怖いのよー……怖いから食べて無くしたのよー……」

由子「嘘をつけ嘘を!お前がホンマに怖いモンはなんや!」

由子「ここいらでひとつ、ダージリンティーが怖い!お後がよろしいようでなのよー」   

  チャンチャカチャンチャンチャカンチャチャンチャン♪

洋榎「イヨーッ!由子!日本一!!」

こうして真瀬由子は落語家として活躍していくのだった……

      末原「コレデイイノダコレデイイノダ」洋榎「ホンマにそれでいいんか?」  カン

以上ですお
読んでくれた人ダンケシェーン&いくのんとユキちゃんハッピーバースデイ

終わってた 乙

謎の安心感がある

乙です

乙!

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