ガチャバターン! ※モバマスSS (34)

書き溜めがございます。さささと投稿します。

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モバP「おや?」


モバP「おやおや?」



モバP「うおおおお!?」



モバP「なんか定時で帰れそうだぞ!?」




モバP「こんなことってあるのだろうか。

打ち合わせも収録も送迎もない!」


モバP「この見積りが終われば自由、
自由!
自由!!」


モバP「イヤッホオォォォウ!」

カタカタカタタタ!



モバP「わたくしモバP、4年9ヶ月ぶり……!
定時退社であります!」


カタカタカタッ!ッターーン!


モバP「終わったぞ……終わったぞおおお!」


モバP「わあ、どうしよう、帰って何しよう」


モバP「バカみてえに録りためたアニメを消化するか!

エロ同人のチェックもしてないんだよなあ。

それともいっそ寝倒してやろうか!」


モバP「……」


モバP「世界って……こんなにも美しいものなの?」


モバP「おっといかん、喜びにうち震えている場合ではない」


モバP「まごまごしてたら、どっかのあほがすぐにトラブルを持ち込んでくるのだ」





モバP「さあモバP立った、PCを今スリープに叩き込んで、バッグを手にした!」


モバP「あとは出口への直線だ!
妨げるものは何もない栄光へのビクトリーロード!」


モバP「アニメ!同人!すーいーみん!
アニメ!同人!すーいーみん!

モバP、今まさにドアノブに手をかけ」
ガチャバターーーーン!!







     堀 裕 子






堀裕子「んぐっ、ひっく」


モバP「えっ」





堀裕子「ぶろでゅーざああぁぁ!!」





モバP「……………………」



モバP「んもう!!!!」





裕子「わだじ落ぢ込んでばずううう!」


モバP「見りゃ分かるよ!一目瞭然!
顔から出る液体ぜんぶ出しやがって!なんだよ!」


裕子「ずぶーんが」


モバP「ずぶーん?スプーンか?スプーンがどうした?」


裕子「ずぶーんが」


モバP「なんだよ!無くしたのか?」


裕子「ずぶーんが、曲がりませえええん!」


モバP「………………」





モバP「このやろう!!!」





裕子「ぜんぜん曲がらないよおお」ぐいぐい


モバP「そりゃ曲がらねーよ!曲がった所をみた事ねーもん!
一度でいいから見てみたいです!」


裕子「違うんですってえ!
普段はもっとこう……違うんですってえ!」


モバP「そうだな、普段は筋力を入れると曲がるもんな」


裕子「そうで……違いますよ!

最近どうもパワーが分散するんですよねー?
 
ふだんはこう、曲がる準備くらいはしてくれるんですよ」


モバP「ははは、そうですね」


裕子「でえい!」ビュワ


モバP「あぶねっ!スプーンで突くのはやめろって言っただろ!」


裕子「すいません暴発しましたー」


モバP「帰る」


裕子「ちょっとお!」





モバP「止めるな!離せ!俺は帰ってエロ同人を見倒すんだ!」


裕子「え、えろどうじん……!
担当アイドルの一大事より、え、えええろどうじんが大事だと言うのですか!
離すもんかー!」


モバP「だって、スプーンが曲がらないと言われても、俺には何も出来ないって!」


裕子「担当アイドルのパフォーマンスに問題があったら、
修正するのがプロデューサーの仕事でしょお!」


モバP「ぜんぜん問題なくない!?
いつも通りじゃん!いつも曲がらないじゃん!」


裕子「実際見たら分かりますって!
お願いしますプロデューサー!ちょっとだけ、先っぽだけですから!」


モバP「さ、先っぽだあ?」


裕子「……」


モバP「恥ずかしいなら言うんじゃないよ!」


裕子「もにゃもにゃ」




モバP「頼む、頼むよユッコ、
帰りたいんだ、俺は帰りたいんだよお……」グスッ


裕子「どきっ。男のひとが泣いてるの初めて見ちゃった。
……エロ同人見たさに泣いてんじゃないですよ!」


モバP「よし、よしわかった!ユッコ!1分だけ時間をやる。
スプーン曲げを見せてみろ。それを見て判断するから」


裕子「プロデューサー……!はいっ!
任せてください、1本だけですね!すぐに曲げて見せます!」


モバP「1本じゃねえよ!1分!永遠に帰宅させねえ気かお前!」


裕子「ありったけのパワーをいま……!
私のぜんぶ!見せますっ!」


モバP「それだとヌード写真集のアオリ文みたいだぞ」


裕子「ぬぬぬぬーど!?
何言ってるんですかぷろ、プロデューサー!」 


モバP「いいから集中しろもう!」





裕子「む む む む」


モバP(……)


裕子「む む む む む む」


モバP(……)


裕子「む む む む む む む む」


モバP(……そろそろ諦めんだろうか)


裕子「むむむむむむむむ!」


モバP(それにしても今日のユッコは何だかいつもと違うなあ。
いつにも増して地に足が付いてないというか)


モバP(具体的に言うと、地面から1センチぐらい浮いてる様に見える)





モバP(……?)


モバP(1センチぐらい浮いてる様に見えるな)


モバP(…………)




モバP(ユッコ浮いてるなこれ)






モバP「ユ ッ コ 浮 い て る な こ れ」





裕子「え?なにか言いましたかプロデューサー」すとん


モバP「いや今お前、えっ?いや、えっ?」


裕子「もー、集中してるんだから声をかけちゃダメです」


モバP「えぇー気付いてないの……それとも俺の気のせいか?」


裕子「何言ってるんですか?
もう1回やりますから、黙って見ててくださいね?」


モバP「あ、あぁ」


裕子「む む む む」


モバP(そうだよ、そうだよな。人間が浮くわけがない。疲れてんだ俺。

ユッコが力技でスプーンを曲げたら終わりだ。さっさと帰っ)


裕子「む む む む む む」
ピッカアァァァァ


モバP(……)




ピッカアァァァァキラキラキラァァァァ




モバP「何 を 光 っ と ん ね ん」





裕子「なんですかもう!プロデューサー!」シュウン


モバP「光ったよ!お前いまキラッキラだったよ!なにそれ!?」


裕子「光った……?」


モバP「なにを不思議そうな顔してんの!?
さすがに自分で分かったろ!?」


裕子「いや私目を閉じてたから」


モバP「開いてろよ!なんだよお前!
いまユッコが発光してたんだよ、ライトみたいにさあ!」


裕子「あははー!人間が光るわけないじゃないですかぁ!
私はホタルイカかっつって!」


モバP「ちくしょう!腹立つなもう!そのうえつまんねーんだよ!」


裕子「つまらない!がーん!」




モバP「もっかい!もっかいやって!あと目を開けてて!」


裕子「やー、そうしたいのは山々なんですが。
すいません、ぱわー切れでして」


モバP「何ィ!?」


裕子「明日にならないと回復しなそうですね。ふーつかれたー」


モバP「何か方法無いのかよ!エナドリじゃダメなのか?」


裕子「あっ!良いこと考え……
じゃなくて、ひとつ方法がありますね!」


モバP「どんな方法!?」


裕子「私がプロデューサーと、て、手を繋いでですね……、
プロデューサーのぱわーをどれいんする、
というのは、どうでしょう……?」


モバP「わかった!!」

ぎゅっ


裕子「おおう」


モバP「んんんー!どうだ!?」


裕子「いい」


モバP「満タンか?もう離してもいいのか?」


裕子「いい」


モバP「じゃあ離すぞ」ぱっ


裕子「誰が手を離していいと言いましたかァ!!」


モバP「いやごめんなさい!何!?」


裕子「ふおおお……かつてない!かつてないですよこれは!
今なら空も飛べる気がします!」


モバP「だからさっき浮い……
もういいやとにかくやったれユッコォ!」


裕子「むむむむ、来てます……!来てますよこれえ!」


モバP「よし、よしいいぞ!でも目を開けろ目を!」


裕子「むむむむむー!
あっだめだ閉じたい、閉じていいですか!まぶたが超重い!」


モバP「頑張れよお前ぇ!
ほら今すげーって、髪の毛ブワーってなってるって!」


裕子「…………」


モバP「諦めてんじゃねーよ!」


裕子「あっ!!来る!きたきたきたきたあ!」


モバP「来い!」


裕子「おりゃあー!」




ズバババババババリバリバリィ



モバP「うおおおおおおおおおおおお



おおおおお俺の服がぁぁ!!??」




裕子「何か言いましたかプロデューサー!
スプーン曲がってますか!」


モバP「曲がってない!曲がってないからまだ目を開けるな!
全部いった!全部!」


裕子「まだですか!?さっき確かな手応えを感じたのに!」


モバP「それは分かるのか!ちょっと手を離してくれ、急用が出来た!」


裕子「こうなったら物理ぱわーでえ!」ぐにゃ


モバP「あっ」


裕子「あっ曲がった!曲がりましたよプロデュー……サー」


モバP「…………」


裕子「きゃーーーーー!」


モバP「…………」


裕子「ーーーあ、あ、あ」チラ


モバP「見てんじゃねーよ」




裕子「あのっ、えーと、その、スプーンが、曲がったので、
私、もうだいじょぶみたいです」


モバP「そうですね」


裕子「プロデューサー、本当にありがとうございました!」チラ


モバP「はい」


裕子「お、お先に失礼します!
わー……わー……」チラッチラッ

ガチャバターン


モバP「…………」


モバP「……何はともあれ」


モバP「これで帰れる。そうだ俺は自由になったのだ」


モバP「モバP、いま替えのシャツに袖を通した。
ズボンを履いてベルトを止めたー。

さあ帰宅だ、もう遮るものは誰もいないはずだ。

アニメ、同人、すーいーみん」


モバP「いままさにドアノブに手をかけ――」


???「見てたよ、プロデューサー」

ガチャ







     渋 谷 凛







バターン!




おわり




サイキックって言わなかったんですが、最低限ユッコに見えましたでしょうか。
では依頼を出してきます。

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