真ナル者(20)

女モンク「力が・・・強すぎるっ」
女モンク「力が・・・強すぎるっ」 - SSまとめ速報
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どうも
ちょっと別ネタ思い付いたので書いてみようと思いましてスレ建てました
今回は侍の物語
どこまで続くかは謎です

>>2からスタート

かつて、この星には3つの大陸に3つの大きな国が存在した
一つは、天ノ国
一つは、海ノ国
一つは、冥ノ国
いつからかは謎だが、ずっと戦を繰り広げていた
天ノ国は冥ノ国を
冥ノ国は海ノ国を
海ノ国は天ノ国と冥ノ国を
お互いが戦を仕掛け敗れる者あらば勝つ者も

“そんな戦中にそれは起きた”

突如空は真っ赤に染まり
大陸は黒く染まり、海は光輝く不可思議な現象

その“不可思議”な現象は、数分で収まった
その間、停戦状態にあった
しかし、次の瞬間!

“空気が振動した”

地が揺れている訳ではない
空気が振動していたのだ

またもや発生した“不可思議”な現象
しかも今度は収まるどころか激しさを増していく
兵達は、恐怖を覚えた
いったいこの世界に何が起きようとしているのかと

更に激しさを増し
兵達は吐き気や目眩に襲われ、立っていられなくなった

兵達は、ついに地に伏した
戦をしていた兵達だけではない
国で商売をしているもの
国政に携わるもの
外を無邪気に走り回るもの
全てが地に伏した

尚も空気の振動は収まらね
それどころか更に強さを増している

世界に住まう人々は薄れゆく意識の中で不思議なものを見た

それは“白く大きな化け物”と形容するに相応しいもの

そして全ての人は意識を失い
それと同時に世界は白き闇へと包まれた

“地ノ国”

男はぼけーっと突っ立っている
長い黒髪に鋭く尖ったような目、瞳は真っ赤に染まり、鼻筋はどこかでぶつけたのか殴られたのか、赤くなっている
口はへの字で、顎からは無精髭が乱雑にのばされていた
背丈は大男というには少し小さい

身長は大体170cmほど
ボロ布のような着物を羽織り、左腰には長刀が一本刺さっている

子供「おーいあんちゃん!そこのみすぼらしい格好のあんちゃん!団子買わないか?一つ一銭だ。安いだろ?」

子供が団子を売っている
男より酷いボロ雑巾のような服装で
髪はぼさぼさ
どこかでころんだのか、いじめられたのか
あちこちキズだらけだ

子供「なぁ、あんちゃん!俺の声きこえてっか?団子買ってくれよ!」

男「俺はあんちゃんではない」

子供「いやだって俺あんちゃんの名前知らねぇもん」
まったくだ
知らなくて当たり前だった
名乗ってすらいないのだから
だからとは言え名乗る気は毛頭ない
だが、このままここにずっといられても迷惑だと思った男は3銭を子供に差し出した

男「3つもらうぞ」

子供「まじで?!いやっほーぃ!はじめて団子売れた!!」

子供ははしゃいでいる
男は子供の言葉に違和感を覚えた
“はじめて団子が売れた”
はじめてとはどういうことなのか
その疑問はすぐに晴れた

厳つい男「おいボウズ、こないだからオジサン言ってるだろ?ここらで勝手に商売するなってよ!!」

厳つい男ははしゃいでいた子供に怒鳴り付け
更には思い切り蹴飛ばした
子供は宙を舞い、地に叩きつけられた
持っていた団子は道に散乱している
子供は咳き込み、口から血を吐いた
その子供の髪を掴み持ち上げた厳つい男は更に子供を殴り付けようとした
男は見ていられず、子供を助ける行動に出た

男「おいオッサン。いい大人が子供に手ぇだすなんざ恥ずかしくないのかい?」
厳つい男「あぁ?てめぇこのガキの保護者か?」

男「いや、違うが」

厳つい男「なら黙って見てな!!」

厳つい男は、男の制止を無視し、子供を殴り付け地面に叩きつけた
子供の歯が折れ、血が口からたくさん溢れ出してくる
子供は泣いていた
男は・・・

男「(何やってんだ俺は!小さな子供が助けを求めてるっつぅのによ!くそったれ!腹括れ!)」

厳つい男「おいクソガキ!二度とここで商売するなよ!次はこんなもんじゃすまねぇからなっ!!」

厳つい男は倒れている子供にトドメをさそうと蹴る体制に入った
そこに男が割って入る
いつの間に抜いたのか、左腰に携えていた長刀が右手に握られ抜き身の状態になっていた
男は厳つい男の首もとに刀を向けていい放つ

男「おいオッサン。そこまでだ」

厳つい男「あぁ?てめぇ、天下の往来で刀抜くなんざ正気かよ?しゃあねぇな!」

厳つい男も刀を抜いた
男 対 厳つい男
厳つい男は、刀をまるでナイフのように軽々と扱っている
対して男は長刀。両手で構えを取っている
二人の視線が混じりあい、そしてどこかで木と木がぶつかり合う音が鳴る
その音で戦闘開始した
まずは厳つい男が男に斬りかかる
上段からの斬り降ろし
男は最低限の動きで回避
そして男は刀を同じ高さで同じ構えを崩さずそのまま厳つい男の首に刀を刺した

厳つい男の首に、長刀が貫通している
厳つい男は、喋ること叶わず、右手から刀が地面に落ち
口からは大量の血を吐いた男は長刀を男の首から引き抜いた
それと同時に厳つい男の首から大量の鮮血が舞う
厳つい男は地に伏した
男は、長刀についた血を払い鞘に納めた
刀を鞘に納めたと同時に、周りにいつのまにか出来ていた人だかりから悲鳴があがる

住民「ひ、ひぃっ!ひ、人殺しだあぁぁぁぁ!!」

その声に呼応するかのように他の人からも悲鳴があがった
男は先程まで地に伏していた子供を探したが、見つからなかった

男「(子供は逃げたんか?まぁ生きてるならええわ。それよりまたやっちまったなぁ。役人来る前にトンズラしよ)」

男は子供を探したが見付からず
役人が来ては面倒だと、その場から駆け足で立ち去った


プロローグ 終

壱章

あれから1月経過していた
男は途中役人に見つかるもその足の速さで役人を撒いた
そのまま地の国を出て、今は金ノ国に向かっている
金ノ国に行く目的は、ある人物に会いに行くのが目的である
その人物とは顔馴染みであり、何かあるたびにいろいろ援助してもらっていた
その人物に会う為だけというわけではない
他にも理由はあるが、どのみち地ノ国には戻れぬため金ノ国を目指す他なかった

男「腹へったな・・・。もっと団子買っとけばよかった。」

男「しかしあれだな。毎度毎度貧乏クジばっかだな、俺。」

男「前は女の子助けるために刀抜いたら、刀折れてリンチに合って女の子には逃げられるし」

男「その前は大判が落ちてたから役人に渡しに行ったら盗人扱いで逃げるはめに」

男「そして今回の人斬り。はぁ、俺なんでこんなについてねぇんだろ」

男はため息が止まらなかった
しかし前に進む以外に道はない
男は気持ちを切り替え金ノ国に向かって歩きはじめる
ひたすらに歩く歩く歩く
地ノ国から金ノ国まで3日はかかる
まだ地ノ国を出て半日
しかも追い出される形で、役人から逃げるために走った
食べたものは、子供から買った3つの団子のみ
この先しばらく行けば小さな村はあるが
昔通ったときにあった食堂が今もあるかどうかはわからない
それでも進むしかなく、一歩一歩確実に歩を進めていく

歩を進め行く男の前に女が男の道を塞ぐ形で立っている
改造された着物といえばいいか、丈が短く少しでも動けば下着が見えてしまいそうな着物だ
色は黄色で所々に花の刺繍がされている
顔立ちは幼く、丸顔
目は少しつり上がり、瞳は澄み渡る青空のような色
小さな鼻に小さな口
実に可愛らしい女の子といった風貌だ
男は足を止めた

男「なぁ、お嬢ちゃん。ちょっとどいてくれないか」

女の子「それは無理ね」

男「何故だ?」

女の子「貴方が賞金首で私が賞金首を狙う狩人だから」

男「へ?俺が賞金首?」

女の子「そう。大判15枚の賞金首」

男「何かの間違いだろ。俺はそんな極悪人じゃない」

女の子は食い下がらない。目の前には大判15枚の賞金首。逃すわけはなかった
男はひたすら弁明に走る

男「それは俺じゃない。俺はそんな賞金首になるようなことはなにもしていない」

女の子「ふぅん?しらばっくれるなんていい度胸じゃない。じゃあ一つ一つ確認しましょうか」

女の子は距離を保ちつつ淡々と男にかけられた罪状を語り始める

女の子「まず一つ」

女の子「倒れていた女の子を連れ去ろうとした」

男「それは違う。助けようとしたんだ。無理矢理連れ去られそうになってたから。そしたら相手が刀を抜いてきたからやむ無しと思って刀を抜いたら折れてリンチにあったんだ。俺は被害者なんだよ」

女の子「ふーん。じゃあ二つ目。盗んだ大判を役者に届けて犯人は別にいるように仕向けた」

男「違う。落ちてた大判を拾ったから役所に届けたら盗人扱いされたんだ」

女の子「まったく見苦しい言い訳ばかりね」

男「事実だ」

女の子「でもこれで最後よ!地の国で殺人を犯したわね」

男「あぁ。目の前で子供が理不尽に殺されかけていたからな。さすがに黙っていられなかった」

女の子「そこは認めざるおえないようね。やはり貴方は犯罪者で賞金首ね。遠慮なく狩らせてもらうわ」

男「それは断る。俺は目的があるんだ。その目的を達するまでは死ねん」

男は長刀を抜き構える。突きの構えだ。対して女の子は小太刀を二本抜いて、腕を交わらせた構えを取る。刀は逆手持ち
女の子はどうやら二刀流の使い手のようだ

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