【モバマスSS】お題は星の数だけ 10夜目 (167)

飲みすぎてしまいました、が
前川さんにムラムラしたので立ててしまいました……
では、>>3のお題を頂戴します

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1473340224

コスプレ

では「コスプレ」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……

「おい、こんな格好させてどういうつもりだ」

ふわりとした白い猫耳、そして、しっぽをつけた晴が抗議する

やばい、可愛すぎる……

ロリコンじゃないよ? うん

でも、可愛いものは可愛いと思うんだよ、これは曲げられない

「なぁ、何か言ったらどうだ」

そんなに強い言葉を使うなよ、弱く見えるぞ?

「良く似合ってる、可愛いぞ」

本心も本心。心からの称賛だ

「なっ……」

ふん、小学生なんぞこの程度だよ

顔を赤らめて恥ずかしがる様子に興奮を覚えた

……あれ? 俺ノーマルのはずなのに、アブノーマルじゃないのに……

「べつにお前を喜ばすために着てるわけじゃねーぞ」

ふいっと顔を背ける晴にぞわぞわした

俺はスタイルが良い大人にしか興奮しない、OK?

深呼吸を一つしてから晴に向き合う

「もっと晴の可愛い姿を見たいな」

あれれー? 気持ちとは裏腹に口が動く

きょろりと辺りを見回して、早苗さんがいないかを確認する

ふぅ……どうやら俺の安全はまだ確保されているみたいだ

「きょろきょろすんなよ……オレだけ見てればいいだろ」

顔を赤くしながら言う晴、なんだこの可愛い生物は

好奇心が刺激されて、こいつにどんなリクエストをしてやろうかと考える

「ふぅん……」

あえて冷たく晴を見てから

「晴、膝においで」

いつもならトゥーキックを喰らうであろうセリフを言ってみた

「……猫だから仕方ねーよな」

信じられなかった

いつもは恥ずかしがる晴が俺の膝に

切れ長の瞳を少し歪ませて、恥ずかしさを気とられないように

けれど、子供っぽさを押し出して

あれ? これやばくない? みくのセリフをぱくっちゃうけど

……俺は自分を曲げるよ? だって無理でしょ、このシチュエーションは

「硬いな、座りご心地がよくねぇ」

ありがとうございます、ご褒美……かもしれません

顔を真っ赤にして言うセリフに信ぴょう性は全く無い

けれど、この状況はなんかこう……

いけない関係と言うか背徳感を感じてしまう

「晴、にゃんって言ってみろよ」

猫の姿をしているのだし、普通のことだろう

「ちっ……」

舌打ちをした晴に駄目かと思った時

「……はぁ、変態プロデューサーには困ったもんだ……にゃん」

背筋を電流が走った

そっぽを向いて可愛いセリフを言う猫を、もっといじめてみたいと思った

「な、なんだよ……もう変なことは言わねーからなっ!」

俺の視線に何かを感じたのだろうか、晴が強がる言葉を発するが

もう遅い

「ほら、舐めてごらん」

俺のごつごつした指を、晴の口の前に突き出す

「な、何言ってるんだお前……」

否定の言葉がきこえるけれど、それは薄っぺらい嘘

「晴? できるよな……?」

少し強く、晴の背中をむりやり押してやる

「……仕方ねーな」

効果は抜群だった

ぬるり、とした生暖かい感触と柔らかな舌の感覚

丁寧に指が舐められていく

不規則に乱れた吐息を発する晴の顔が実に色っぽい

「はぁ……ん、小学生にこんなことさせるとか、お前は変態だな」

そんなことを言ってはいるが

口角を上げて、嬉しそうな声色で言う晴

こいつ、いじられる資格があるなと思ってしまう

舐めている指を離さないのは何故なのか?

ふるりと体を震わせて、これは拒絶の言葉だけではないと直感で感じる

「晴、今度はこれに着替えてみようか」

取り出したのは、前に用意したうさぎを模した衣装

「ったく、本当に変態だなお前は」

ふん……そんなに嬉しそうに言うお前もだろう?

現に、衣装を持ったお前がいやらしく笑っているのはわかっているんだぞ

「着替えるから外に出てろ」

飛び上がって喜びたいのを抑えて

「ああ、わかった」

と、焦り気味に返事をした

背中をぐいぐいと押されて部屋から退場する俺

分厚い扉からは衣擦れの音なんて全くしない

けれど、恥ずかしそうに着替える晴は容易にイメージできた

「は、入っていいぞ……」

緊張したような固い言葉にこちらも緊張してしまう

すぅはぁと深呼吸をして、部屋に入ることにする

「じろじろ見るなよ?」

そう言う晴に、視線は釘つげだった

恥ずかしそうに局部を隠し、顔を赤くしている

けれど、何かに期待するような眼差しは大人の女を感じさせた

「な、なぁプロデューサー?」

「どうした晴」

ぎくしゃくとした問答

「これはさ、聞いた話なんだけど……」

勿体ぶるように言う晴にもどかしさを感じる

「うさぎは寂しいと死んじゃうらしいぜ」

「そうか、それは聞いたことがあるな。晴はどうなんだ?」

それは迷信らしいが、目の前のウサギの答えが聞きたい

「オレは……」

ちらりとこちらを向いて、うつむいた後に

「お前が……構ってくれないと死んじゃうかもしれない」

その言葉が引き金になって

「うわっ、……急にびっくりするだろ」

可愛いウサギを強く抱きしめていた

そう言いながら、背中に手を回してくる晴

「仕方ねーな……今日はオレが可愛がられてやるから」

そのセリフを言い終わる前に俺は

「んんっ……痛い、けど、良いよ」

きつく、強く抱きしめて

晴の体に刻むように抱きしめる

「オレは逃げないから」

不意に頭を撫でられた

「今だけはプロデューサーの……ペットになるから」

ことさら強く抱きしめられて

「だから、だからオレのこと……もっと可愛がって良いから、な?」

そのセリフに、くらくらして

晴がまだ未成年、小学生なのに……

体を貪りあった……とはいかず

「「プロデューサーさん?」」

にこやかな笑顔のちひろさんと

ハイライトを消したまゆに、優しく止められた

「……オレはお前がよければいつでも」

うん、ちょっとだけ静かにしててくれ晴

この二人をどうしようかと思う反面

晴のことを思うと、力がわく自分であった




おしまい

前川さんと同じくらい晴が好きなんです、すみません!
もう訳わからなくなってしまいました……
寝て、頭をリフレッシュしようと思います

早くゆかりちゃんのソロが追加されますように……

おはようございます
深酒はほどほどにしようと強く思いました
さて、昼食の前に一つ書きたいと思います
では>>28のお題を頂戴します

プラグスーツ

では「プラグスーツ」で一つ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……

……これ何?

目の前に置かれている物体

危険物ではなさそうだけど……

意を決してとりあえず手に取ってみる

手触りはちょっと固いゴムみたいな革みたいですべすべしている

広げてみると、つなぎのようなライダースーツのような……

衣装でもないよなぁ、見たことないし

でも私服って感じじゃないよなぁ

まじまじと見てみると、近未来的というかサイバーチックだ

子供のころによく見ていた特撮ヒーローを思い出した

変身するおもちゃを買ってもらったっけ

おっと、今はどうでもいいことだ

誰かの私物なのは間違いないよな

うん? 俺以外の誰かの私物……

これ女物だよね、それ勝手にいじくってんのまずくない?

今更ながら気付いた

やべえ、これ犯罪一歩手前じゃないか?

女物の服の手触りを確認して、まじまじと広げて観察して

ゆっくりと見回して一人なのを確認する

ふぅ……

深呼吸を一つして自分を落ち着かせる

今更ながら気付いた

やべえ、これ犯罪一歩手前じゃないか?

女物の服の手触りを確認して、まじまじと広げて観察して……

うん、思いっきり変態だ

こんなん誰かに見られた日にゃあ……

ゆっくりと見回して一人なのを確認する

ふぅ……

深呼吸を一つして自分を落ち着かせる

クールになれ、大丈夫だ、うん

匂いなんて嗅ぐなよ?

元にあったところに返して放っておこう

そう頭が指令したのだが、手が反乱を起こした

マジかー、謎の服がどんどん顔に近づいていくわー

もう駄目だ、と言うかもう良いや

なんとかなるの精神だよ

ここまで来たらもう匂いかいじゃお?

そうだよ、べつにやましいことじゃないよ

頭の中で誰かが囁く

……そうだよ、俺は悪くない

そこからはもう簡単だ

流れるような動作で鼻先まで持っていき

上等な酒の匂いを楽しむように、ゆっくりと匂いを嗅いだ

……こ、これはっ!

甘くて包み込まれるような、そんな安心感のある匂い

女の子ってより、女性って感じの匂いだ

いかん、これは癖になってしまうかも……

うちのケミカルアイドルの気持ちが少しわかってしまった

けれど、この匂いどこかでかいだことがあるような……

匂いを確かめるべく、謎の服に顔をうずめようとした時

「お疲れさまです」

「あ……」

戻ってきたちひろさんと目が合った

この展開を読めていなかった自分をぶん殴ってやりたい

「プロデューサーさん? な、なにをしてるんですか?」

おそるおそる尋ねてくるちひろさん

「えーと、その……ハスハスしていました」

おそるおそる返す俺

「そうですか……あーっ!」

俺が握っている謎の服を見ると驚いたような声をあげた

「そ、それ……」

口をぱくぱくさせているちひろさんが可愛い

こんな表情してるちひろさん見られなんてラッキー

そう思っていたのもつかの間

花が咲くような笑顔に変わり(ただし目は全く笑っていない)

その眼光の鋭さに、まるで蛇に睨まれたカエル状態になってしまった

ゆっくりと近づいてくるちひろさん

……やべぇ、こりゃあ血を見るかもしれねぇ

覚悟を完了させた俺を、ちひろさんが見下ろす

ひぃ……おっかない

ちひろさんの瞳の中は暗闇

見るもの全てを飲みこんでしまいそうな深淵

ああ、馬鹿な事しなけりゃ良かった

ゆっくりとちひろさんが右手を振りかぶる

肩の稼働できる限界まで、必殺の右を放つ準備が徐々にととのっていく

ぴたり、と右手が止まり、神速の右手が――

――振り下ろされなかった

右手の行き場は俺が持っていた謎の服

ごうっという風切り音と共に、謎の服を奪っていった

あれが俺に当たっていたらと思うと、ぞっとしない

そして、先ほど嗅いだような匂いが……

あれ? もしかして

ゆっくりと見上げると

「プロデューサーさんのばか……」

ああ、どうやら予想は当たってしまったらしい

「ちひろさん……」

どうすればいい、俺はちひろさんに何をすればいいんだ

「ぐすっ……」

ちひろさんを泣き止ますためには……

「ちひろさん」

ゆっくりと立ち上がる

「そのままでいいですから聞いてください」

「……」

ちひろさんからの返事はないが、続ける

「俺の行為は許されることではないでしょう」

はたから見たらただの変態だもんね

だが、このままにしておいてはいけないんだ

「さぞ醜い姿だとお思いでしょう」

そりゃ自分の持ちものの匂い嗅いでる男とか恐怖の対象だよ

「ですが、止まることができなかったんです」

ちょっと興奮したのは秘密だよ?

「それほどまでに魅力的な匂いだったんですよ!」

ちひろさんを近くに感じましたよ、はい

「ちひろさん、とてもいい匂いでした」

できるだけ良い声で、そして笑顔で

自分ができるだけのことはした、あとはちひろさん次第だ

「プロデューサーさんの気持ちはわかりました」

にこりと笑うちひろさん

「死んじゃってください♪」

あまりに突然な死刑宣告

その言葉を最後に、自分の感覚すべてが消えうせた




おしまい

読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました
昼食をとってきますのでしばらくお待ちください

お待たせしました
それでは再開したいと思います
では、>>49のお題を頂戴します

大病で寝込んでるPの泊り込み看病する恋人藍子

では「大病で寝込んでるPの泊り込み看病する恋人藍子」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……

カレンダーを見ると12月の31日

ああ、今年も終わってしまうのか……

奇しくも俺が入院したのがちょうど一年前

365日間も病院にいるなんて信じられないな

事務所に帰りたいな、皆と仕事がしたいなぁ……

まだ涙もろくなる歳ではないけれど、皆のことを思い出すと自然と涙が零れる

肉体が弱くなると精神も弱くなってしまうみたいだ

そもそも、何で俺なんだよ?

普通に生きて、結婚して家庭持って、子供や孫に看取られて生を終わる

贅沢なことなんて何も望まない、ただ、普通に人生を過ごしたい

けれど、今の俺にとって、その『普通』は普通ではない

徐々に病魔に蝕まれていくこの体

いつまで生きられるのだろうか、そう考えることが多くなった

外を見ると、木々が枯れ、寂しい風景を見せてくれる

今の俺にはこのくらいがちょうどいいのかもしれないな

自分を卑下していると、控えめに病室のドアがノックされた

「どうぞ」

「失礼します」

ひょこりと顔をのぞかせたのは、俺の担当アイドルであり恋人でもある藍子だ

「あっ……泣いていたんですか?」

うぐ、痛いところを突かれた

「あくびをしただけさ」

苦し紛れの言い訳

「ふふ、ここのベッドは寝やすいですからね」

悪戯っぽい笑顔を見せる藍子

ああ、こんな俺の見舞いに毎日来てくれる優しい子だ

「今日は凜ちゃんからのお花を持ってきましたよ」

「おお、綺麗な花だな」

あいつのことだから蒼い花かと思ったが違った

黄色やオレンジをベースにした、藍子のイメージカラーのような柔らかい優しい色合い

「凜ちゃんったら、私に気を使ってくれたみたいですっ」

そっか、お前たちが楽しそうで何よりだ

「それに手作りのお菓子を持っていきたいって子がたくさんいて」

あはは、うちのアイドルたちのお菓子は絶品だからな

……また食べたいなぁ、皆の笑顔に囲まれて

「そうか、ありがたいなぁ」

駄目だ、こんなことで泣くんじゃない

せっかく藍子が来てくれているんだ、笑顔を見せないと

けれど、零れ落ちる涙が止まることはなかった

「また、食べたいなぁ……」

「プロデューサーさん」

柔らかさと良い匂いに包まれる

「大人の男性だって泣いても良いんです」

柔らかく優しい声色

俺より10近く年下なのに、何故か安心してしまう

「私はいつも貴方のお傍にいますからね」

その言葉がとどめとなって、声を上げて泣いてしまった

「藍子、藍子ぉ……」

「はい、ここにいます」

藍子の腰に手を回す

折れてしまいそうなほど華奢だ

けれど、藍子はタフで強い

「良い子良い子……」

まるで子供のようにあやされるが、不思議と嫌な気分にはならなかった

「嫌だよ、死にたくないよ」

お前と離れ離れになりたくない

「大丈夫、きっと大丈夫です」

藍子の体が震えている

不安からなのか、それとも泣いているのかはわからない

「もっとお前たちと一緒にいたいよ」

ずっと、俺がじいさんになって死ぬまで……

「私がおばあさんになったら、お世話してくれますか?」

震えながら、くすりと笑って冗談を言ってくる

お前の世話なんて楽勝だ、任せておけ、そう胸を張って言いたい

「世話したいよ、お前のためなら何だってしてやる」

ゆっくりとした老後とか楽しそうだなぁ……

「ふふ、ありがとうございますっ」

お互いが強く抱きしめあって、そして、泣いた

藍子の柔らかさと匂いで荒んだ気持ちが少しずつ落ち着いていく

小さな手で優しく頭も撫でてくれている

その気持ちに情けなく感じ、同時に嬉しくも感じた

「すまない、もう大丈夫だ」

藍子から手を離すと

「あっ……」

と、残念そうな声が聞こえた

「な、なんでもないですっ! 貴方が大丈夫なら良いんです」

顔を赤くしながら慌てる藍子がたまらなく愛おしい

「はは、藍子は甘えん坊だからな」

お返しに撫でてやる

「んっ……」

猫のように目を細めて気持ちよさそうにしている

癖っ毛だが、さらりとした感触が気持ちいい

「よしよし」

藍子の撫で心地を堪能していると、アラームが部屋に鳴り響いた

「あっ……」

びくりとした藍子が時計を確認して笑顔を崩した

「そろそろ行かないといけません……」

そうか、今日は年末の恒例ライブだもんな

「もうすこし……」

「ファンを待たせないようにな?」

意地悪なことをいってやる

「もうっ! ……そんな意地悪を言う口はこうです」

唇に柔らかな感触

「んんっ……」

最近藍子が受け入れてくれるようになった深いキス

お互いの舌が絡んで、まるで別の生き物になってしまったような感覚

「ぷは……ぁ」

唾液がつぅっと一筋の糸を作る

顔を赤くして瞳を潤ませる藍子に興奮を覚えた

「ほ、ほら! もう行く時間だろ?」

まだ夢見心地の藍子を優しく揺さぶって声をかける

本当は返したくないが、藍子を待っている皆、ファンを待たせる訳にはいかない

「はい……また明日来ますからね」

残念そうな笑顔とウィンクを残して

藍子がゆっくり出ていくのを見送った

プロデューサーさんの病室を出て、ぺたりと座り込んでしまう

さっきまで感じていたあの人の体温が徐々に消えていく

それがたまらなく怖くて、震えを止めようと自分の体を抱きしめる

「大丈夫、大丈夫……」

最近、この言葉を使うことが増えた

自分に言い聞かせるように、そしてあの人も大丈夫だと信じるために

皆が、ファンの人たちも待ってる

行かなくちゃ、プロデューサーさんのためにも

ゆっくりと立ち上がり、涙を拭って前に進む

今はライブを成功させて、明日プロデューサーさんに報告しないと

うん、足もちゃんと動くし気持ちを切り替えよう

変装用の眼鏡とハットをかぶって、タクシーで会場へと向かった

――トラブルもなく、そろそろ私の番がやってくる

今まで何度も歌ってきた私の持ち歌

ダンスのステップだって数え切れないほどこなしてきた

でも、なんだろうこの不安は……

胸がぎゅーっとしめつけられているように苦しい

まるで今まであったものがすーっとなくなっていくみたいな感覚

……駄目、このくらいで立ち止まっちゃ駄目

あの人のぶんまで私が頑張るんだからっ!

光り輝くステージ、なにもかもキラキラしてとても綺麗

私の声とダンスにファンから大きな声援が上がる

あの人が育てくれた私というアイドルが皆を笑顔にしている

嬉しいですね、プロデューサーさん

アイドルの皆もファンの皆もみーんな笑顔ですよ

貴方はここにいないけれど、私の声が届くように精いっぱい歌いますから

明日のお土産話は期待して良いですからねっ♪

「ふぅ……」

舞台袖に戻り水分補給をして息を整える

うん、今日は今まで一番の出来かも

これならプロデューサーさん喜んでくれますっ

顔がにやけるのが抑えられない

ん? なにやら騒がしいのに気付く

そして、慌てたようなちひろさんが駆け寄ってきた

「あ、藍子ちゃん……」

どうしたんだろう、ちひろさんの顔色がよくない

なにより、がたがたと震えている

「よく聞いてね……プロデューサーさんが」

プロデューサーさんが?

「プロデューサーさんが……」

早く、その先を言ってくださいちひろさん

胸騒ぎが止まらなくて、胸のあたりを抑える

「――――たの……」

聞きたくなかった言葉、絶望の言葉

目の前が暗くなってふらふらする

ちひろさんの慌てた声を最後に意識が徐々になくなっていく

きっと、次に起きたら夢で

私を待ってくれているプロデューサーさんが笑顔で私をお迎えしてくれて

よく頑張ったなって撫でてくれるんです

……だって約束したんですもの

プロデューサーさんが嘘つくはずないですっ

そうですよね? プロデューサーさん




おしまい

読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました
今日の藍子は酔っぱらっておりません!
私も来世は藍子Pになりたいなぁ……

少し休憩させて頂きます

お待たせしました
それでは再開したいと思います
では>>78のお題を頂戴します

みく「個室サウナにPちゃんと閉じこめられた!?」P「みくのバスタオルが透けてきたのと柔らかい感触でやばい(ムラムラ)」

では みく「個室サウナにPちゃんと閉じこめられた!?」P「みくのバスタオルが透けてきたのと柔らかい感触でやばい(ムラムラ)」 でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……

前川ァ!!! さん……

仕事終わりの一杯

それはまさに社会人に与えられた最高のひと時

この最高のひと時を楽しむ前に、俺はあることを行う

そのあることとは……

「会社にサウナあるとか福利厚生やばいわー」

説明口調なのは気にしないでほしい

誰だってこんな風に独り言を言う時あるだろ?

サウナに入って、がーっと汗をかいて

そして、一杯ひっかけに行く……

うん、最高じゃないか!

さてさて、善は急げといいますし

早速汗をかいちゃうとしましょうかねっと

手際よく準備をしてサウナへと向かう

あ、ちゃんと男性用と女性用に分かれてるから安心だね!

それに個室だから、気楽に入れるわけだ

さて、開いているのはっと……

「キミに決めた!」

適当な部屋を指さし、入ることにした

この後の飲みが楽しみでテンションが無駄に高いのは気にしないでほしい

「おじゃましまーす」

俺は礼儀正しい男なので、挨拶はかかさない

「はい?」

中に誰もいま……した

「前川さん家のみくちゃんじゃん」

みくは目を丸くして口をぱくぱくさせている

おいおい、魚類嫌いなくせに鯉のモノマネか?

「い……」

い?

「いやぁぁぁぁぁ!!!」

大ボリュームの悲鳴で鼓膜がやられるかと思った

「みく、落ち着け!」

まぁ普通は叫ぶよね、俺だって叫ぶわ

「Pチャン!? な、なにしてるの!」

「サウナ入りに来たんだよ」

そのくらい察してほしいなぁ……

「そんなのわかってるにゃ! なんでみくの所に入ってきたか聞いてるの!」

なんでってそりゃあ……

「にょわー☆」

最近きらりのモノマネにはまってるんだよね

「あ、いらっとした……もう一回叫ぼうかな」

「おっと、それはやめたほうがいい、俺が捕まる」

みくの顔がマジだったのでふざけるのはおしまいだ

「すまなかった、この通りだ」

素直に頭を下げる

「もう、次は気を付けてよね?」

そうだな、まゆや大人組に当たってしまったら責任問題に発展する可能性がある

いわゆる給料3か月分的なアレだ

「ああ、迷惑をかけて本当にすまなかった」

もう一度頭を下げて、みくに飯でも奢ってやろうかと考えた

「晩飯も奢るからさ」

「んー……それなら許してあげようかな」

くくく、美味い魚介類をたらふく食わせてやるからなぁ

いやらしい笑みがばれないようにして、サウナを出ようと

出ようと……出よう……出れない……

「Pチャンどうしたの?」

「扉が開かない……」

「嘘でしょ?」

プロデューサー嘘つかない

「マジで開かないんだ」

びくともしやしねぇ……

おかしいな、近くにほたるちゃんでもいるのか

あ、茄子ちゃんの大福をかってに食べたのがいけなかったのか

思い当たる節が何個かあるが、直接は関係ないだろう

「えー、どうするのPチャン?」

不安そうな声のみく

「心配すんな、そのうち誰か通るはずだ」

みくの頭を撫でながらそう言った

「あ、こっち見ちゃ駄目だからね?」

ウス……

「ふぅ……」

それにしても暑いな、サウナだから当たり前だけどさ

しかし、立ったままだと体力の消費が激しい……気がする

つれーわー、座りて―わー

ちらりと隣は開いてますよね? アピールをしてみる

「Pちゃんのえっち! 変態! ロリコン!」

おい、そこまで言われる筋合いは……あるかもしれない

「あの、そこで笑顔になられると怖いにゃあ……」

「違うよ、立ったままだと辛くてね、座らせてくれないかなって」

そうだ、俺は隣の空間を見ていたんだ

太腿が視界にたまたま入ってしまったとしても、不慮の事故だ

「んー……変なことしない?」

「お前、プロデューサーがアイドルに手ぇ出すわけないだろ」

俺はスケベで変態だが、その信念だけは曲げない

俺は自分を曲げないよ!

「仕方ないか……お隣どうぞ」

みくがしぶしぶと隣を開けてくれた

「ありがとう、みく」

できるだけイケボでお礼を言う

「ふんっ、晩御飯に期待しちゃうからね」

ああ、魚介類じゃなくてみくの好きなものをご馳走しよう

「了解だ」



「Pチャンはよくここ使うの?」

閉じ込めらて少し経った時、みくから質問された

「わりと使うな」

飲みに行く前以外でも、結構な頻度で使用している

「そうなんだ」

「みくはどうなんだ?」

「……み、みくはたまーにって感じ」

なんだ今の間は……

「最近どうだ、アイドル楽しいか?」

「うん♪ Pチャンのとこに来てから毎日楽しいよ」

お、良い笑顔するじゃんか

「そうか、そりゃプロデューサー冥利につきますな」

「変なPチャン」

俺が変なのは前からだ、ほっとけ

ふぅ……それにしても喉が渇くな

「あー、ビール飲みたい」

今日はエールじゃなくてラガーの気分だな

それもキンキンに冷えたやつ

「Pチャンが変な笑顔してる……」

うるせー生まれつきだ

「ビールって美味しいの?」

はん、これだからお子ちゃまは……

「そりゃお前、おビール様は美味しいよ」

俺のビール談義聞いちゃう? 朝までやっちゃうよ?

「でも苦いんでしょ?」

甘いビールもあるにはあるが、ビールというイメージはやはり苦い、だろうな

「まぁな、お前が大人になったら飲みに連れて行ってやるよ」

「……考えておくにゃ」

あらあら、顔を真っ赤にしちゃって

……気のせいかな?

初めはふとした違和感だった

けれど、それが徐々にではあるが確実なものに近づいている

「どうしたの? そんな真剣な顔して」

たまにはシリアスな表情しないとね

しかし、これはもう間違いない

「いや、なんでもない」

なんでもなくなくないって感じだけれど

……みくのタオルが透けていっている

このタオルの素材は何だ?

あれか、特殊なプレイできるお店とかのか?

それとも晶葉ちゃん特製なのか?

「んー?」

おい、こちらを覗き込むな

お前のワガママボデーがうっすらと……

「具合悪くなっちゃったの?」

柔らかいものがちょっと当たってるんですけど

ああ、森久保は元気かなぁ……

「大丈夫だから心配するな」

どっちかと言うと、血流が良くなってますから

「具合悪くなったらちゃんと言ってね?」

こくりと頷いて返事をする

うーむ、これはまずい

不安感からなのか、俺に対する距離感が近くなっている

こんなところでデレられても困る

どうせなら、もっと広くてゆっくりできるところでデレてくださいお願いします!

「ねぇ、Pチャン」

「どうした?」

やはり不安そうな顔をしている

閉じ込めれてから時間がだいぶ経っている

不安になるのも無理はないか……

「みくね、怖いの」

「みく……」

瞳を潤ませたみくの顔が近い

で、でた! 女の子の最大最強の武器、上目遣いだ

やめてくれ、その眼は俺に効く

「Pチャン」

再び呼ばれた時、みくが俺にその体を預けていた

「にょわぁぁぁ!」

「ふふっ、変なPチャン」

流れるような怒涛の展開に俺の我慢が耐えきれるかどうか

ああ、柔らかい……ああ、良い匂いがする……

くそっ! 最近の子は発育が良すぎるだろ

ああ、みくの柔らかいものが気持ちいい……

「ねーえ、ぎゅってしてくれないの?」

「みく、さっきも言ったけどそれはまずいよ」

そうだ、俺は自分を曲げないよ!

「じゃあみくからなら良いよね」

……こいつ天才か

悪戯っぽい笑みで、みくが手を回してきた

ぷちんと俺の中でなにかが弾けた

お父さんお母さん、僕は大人になります

「みくぅぅぅ!」

「にゃあっ♪」

その時、とてつもない轟音

サウナの扉が冗談みたいな勢いですっ飛んでいった

……ああ、ものすごくいやな予感がする

扉のほうを見ると、ちひろさんを筆頭に、大人組とヤンデレ組が集合していた

すげえ戦闘力だ、こりゃあ俺だけじゃ対応できねぇ……

「プロデューサーさん?」

ちひろさんの冷たい声

「は、はい……」

俺はただ縮こまることしかできない(色々な意味で)

「未遂とはいえ、やってはいけないことをしてしまいましたね」

にこりと悪魔の口が開く

ああ、もう俺はおしまいだ……

「さて、どうしましょうか?」

くるりと振り返ると皆、笑顔を見せている

獲物を前にして喜ぶ猛獣のようだ

「皆さんの気持ちは決まったみたいですね」

た、頼む! 慈悲を……

「あー困っちゃったわ、サウナの入り口も開かなくなっちゃった」

棒読みじゃないですかー!

「お、おい! 離してくれ」

ちょっとふざけた間に両腕を固定された

「みくちゃん、行きますよ」

「う、うん……」

み、みく……助けてくれ!

「Pチャン……」

みくの口がゆっくりと開く

さ・よ・う・な・ら

口の動きだけで、そう伝えてからみくは一筋の涙を流した

「あ、ああ……」

俺の腕が、足が、体が、頭が

柔らかくて、良い匂いに包まれていく

俺は自分を曲げ……

俺は考えるのをやめた




おしまい

読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました
さて、最後のお題といきたいところですが
都合により明日か明後日に書かせて頂きます

中締めとして、読んでくれた方に心からの感謝を

こんばんは
長らくお待たせしてごめんなさい……
最後のお題の前にもう一つお題を頂戴します
では>>123のお題を頂戴します

歌鈴「一人5役でアニメ出演でつか!?」P「一話だけの出演キャラも含めると20超だな」

それでは 歌鈴「一人5役でアニメ出演でつか!?」P「一話だけの出演キャラも含めると20超だな」 でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……

P「ああ、マジカルドジ巫女カリーンという作品だ」

歌鈴「巫女さんのアニメなんですか?」

P「ああ、魔法の力で変身して敵を倒すっていう定番のやつだね」

歌鈴「なるほど、声優さんは初めてなので緊張します!」

P「なーに、歌鈴なら大丈夫だ」

歌鈴「プロデューサーさん……」

P「話題性もばっちりだ、精一杯やっておいで」

歌鈴「はいっ!」

【スタジオ】

歌鈴「(ここでお仕事をするんですね)」

歌鈴「(それにしても、私以外誰もいないですね……)」

P「歌鈴?」

歌鈴「きゃあっ! ぷ、プロデューサーさん!?」

P「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ」

P「この作品の声優はお前しかいないんだから」

歌鈴「えっ?」

P「そりゃお前、一人で何役こなすと思ってるんだ」

歌鈴「そ、それはそうですけど……」

P「俺は歌鈴を信じてるよ、歌鈴ならきっとできるって、いや、これは歌鈴にしかできないことなんだ」

歌鈴「私にしかできない……」

P「ああ、本番まで台本に目を通しておいて」

歌鈴「はいっ!」

P「そうそう、台詞は噛んでもいいから続けること」

歌鈴「は、はい?」

【本番】

歌鈴「ある時、空から不思議な生き物が落ちてきたのでしゅ……」

歌鈴「た、頼む! ボクを崇めたてまちゅって巫女さんになってくれないか?」

歌鈴「ぐはは! そんものかカリーン?」

歌鈴「私は負けません! 皆の信心がある限り!!」

歌鈴「そ、その力は!?」

歌鈴「(アニメの声優さんって大変ですね……)」

歌鈴「カリーン、このマジカルおおぬさをちゅかうんだ!」

歌鈴「やあああああ!!!」

歌鈴「やられたー!」

歌鈴「皆さん、氏子募集中でしゅ♪」

―――

――



歌鈴「何かとても寂しかったです……」

P「よう、お疲れさま」

歌鈴「あ、お疲れ様でした」

P「なかなか良かったぞ」

歌鈴「そうでしょうか……」

P「ああ、歌鈴らしさがよく出てたよ」

歌鈴「それなら良かったです、それにしても」

P「どうした?」

歌鈴「この作品、大丈夫なんですかね」







おしまい

読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました
本当に短くてごめんさい……

さて、それでは最後のお題を頂戴します
>>139の方、とびっきりのお題をお願いします

早耶「懐のナイフ」日菜子「毒の小瓶のネックレス」

それでは 早耶「懐のナイフ」日菜子「毒の小瓶のネックレス」 でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……

「ええ~、早耶ぁ、プロデューサーさんと一緒が良かったのにぃ……」

「ごめんごめん、どうしても外せない会議があるんだよ」

早耶の頭を撫でる大きな手

ごつごつしてて、とっても男らしさを感じる

けれど、その手つきはとても優しくて……

「もう……今度はご一緒しますからねぇ」

簡単に許してしまう自分が情けない

「むふふ、プロデューサーさん……」

「日菜子? 戻っておいで」

日菜子を呼ぶ、優しい声

「あ、プロデューサーさんがこんなに近くに」

焦ったような表情で可愛いですね

年上の頼りになる男性が見せる、ふとした表情……

妄想が捗っちゃいます

「むふふ、プロデューサーさん……」

「日菜子? 戻っておいで」

日菜子を呼ぶ、優しい声

「あ、プロデューサーさんがこんなに近くに」

少し顔を近づけると、そっぽを向いてしまいました

年上の頼りになる男性が見せる、ふとした表情……

妄想が捗っちゃいます

今日の帰りは一人ぼっち

「はぁ……」

いつの間にかため息をついていた

いつもならプロデューサーさんと一緒に帰れるのに……

顔をぶんぶんと振って、ネガティブな考えをふきとばす

早耶のために仕事してくれてるんだから

そう考えると、寂しい帰り道も少しはましになった

「ふぅ……」

今日は妄想が捗らないですね

それもこれも、プロデューサーさんが日菜子を一人にするからいけないと思います

さっき日菜子を呼んでいたプロデューサーさんの声を思い出してみる

「むふふ♪」

日菜子、プロデューサーさんの声とっても好きなんですよ

待ち人はいつまでも来ないので、一人寂しく帰るとしますか……

寮に着いて倒れるようにベッドに倒れこむ

「……」

胸がちくりとした

なんだろう、レッスンでぶつけたりしてないはずだけど……

まぁいいや

何の音もなくとても静かなお部屋

いつもは落ち着く空間なのに、今日はなんだか変な感じ

「はぁ……プロデューサーさぁん」

ぼそりと呟いた早耶の声が少しだけ部屋に響いた

自室へと着いて、お風呂までまだ時間がある

……こういう時は決まって妄想にふけってしまう

「むふふ……」

とっても甘くて幸せな時間

「ん……?」

いつもとは違うくらくらとする感覚

お仕事で疲れちゃったのでしょうか?

……今日は早めに休みましょう

ベッドに入って天井を見つめる

レッスンで疲れているのに、意識がはっきりしてなかなか眠れない

早耶、おかしくなっちゃったんでしょうかぁ

大丈夫と自分の体を抱くと、女の子の部分が敏感になってしまって……

「はぁ……ん……」

こんなはしたない姿、貴方には見せられません

いつもと同じようにベッドに入って、目をつぶる

「……」

……今日もたくさんプロデューサーさんの妄想をしたのに、瞼の裏にあの人の顔が思い浮かびます

日菜子は欲張り屋さんなんでしょうか?

もじもじと太ももをこすり合わせると、なんだかいけない気分になってきました

妄想の中のプロデューサーさんが優しくほほ笑んで

ああ、日菜子をもっと駄目にしてください

じりじりと鳴るアラームで目を覚ます

昨日のもんもんとした気分が嘘のように目覚めが良い

「んん~!」

じりじりと鳴るアラームで目を覚ます

昨日のもんもんとした気分が嘘のように目覚めが良い

「んん~!」

伸びを一つすると体がほぐれていく

「今日も頑張りますかぁ」

早耶、今日も頑張りますからねぇ♪

準備をして、事務所へ行くことにする

「日菜子、朝だよ?」

プロデューサーさん? んん、あったかいです

「日菜子は甘えん坊だねぇ」

はい、日菜子はプロデューサーさんにべったりですから

……この時間がずっと続けばいいのに

そう思ったのもつかの間

聞きなれた電子音が鳴り響いて

「プロデューサーさん、また事務所で」

妄想のプロデューサーさんが消えると同時に目を覚ましました

「おはようございまぁす」

事務所のドアを開けると、プロデューサーさんが初めに目についた

何やらパソコンで作業に没頭しているみたい

ゆっくりと近づいて、驚かせてみようかな

一歩、また一歩と近づく

「だーれだ?」

掌で目を隠す定番のアレをやってみた

「早耶だろ? おはよう」

「すぐばれちゃいましたぁ」

ちょっとつまらないけど、すぐに私とわかったのがとても嬉しかった

「おはようございます」

「おはよう、日菜子」

むふふ、一番にプロデューサーさんに挨拶してもらえるなんて……

「どうした? 具合でも悪いのか」

ぐいぐいと近づいてくるプロデューサーさんの顔に驚いてしまって

「な、なんでもないですよ~」

赤くなる顔を隠すようにそっぽを向きました

「あ、日菜子ちゃんお疲れ様ですぅ」

午前中の仕事が終わって事務所へ戻ると、日菜子ちゃんがソファで休憩をしていた

「早耶さん、お疲れ様です」

ふんわりとした笑顔で返す日菜子ちゃん

んー、早耶とは違ったタイプだけど

この子もきっとプロデューサーさんのことを……

そんなことを思っていると胸のあたりがちくちくと痛む

少し前に感じた感覚と一緒だった

ソファで休憩していると早耶さんから声をかけられた

当たり障りない返事を返すと、じぃっと見られていることに気付きました

むふふ……日菜子にはわかりますよぉ

早耶さんもきっとプロデューサーさんのことを想っているって

恋する乙女の目をしていますし

女の勘っていうのは当たるものなんです

プロデューサーさんのことを妄想すると、とっても甘くてとても切なくて

自分の体を駄目にしていく、まるで優しい毒のような……

はぁ……

プレゼンを終わらせて事務所へと足早で向かう

早く帰って一息つきたい気持ちとなぜか胸騒ぎがしたからだ

胸ポケットを確認すると、ちょうど煙草が切れていることに気付く

近くにコンビニはないし、あとで買うことにしようか

「ただいま戻りました」

事務所へ戻ると、早耶と日菜子が飼い主を待ちわびる犬のように待っていた

「おかえりなさぁい」

「むふふ、お疲れさまですプロデューサーさん」

ぱたぱたとこちらに寄ってきる二人

「お疲れさま、二人とも」

「ちゃんと早耶のこと呼んでくださいよぉ」

「日菜子もです」

ちょっとした気迫に一歩引いた

「ねぇ、プロデューサーさん?」

早耶が左腕に抱き着きながら言う

「今日は早耶と一緒に帰ってくれるんですよねぇ?」

確かに今日は定時で帰れそうではあるが……

「駄目ですかぁ……」

しょんぼりとする早耶を見ると胸が痛む

「むふふ♪」

今度は右腕に日菜子が抱きついて言う

「日菜子も一緒に帰ってほしいです」

いつもよりも真剣な顔

これはこれで、売り出すのも面白いかもしれない

「じゃないと、妄想して帰れなくなっちゃいます」

そこは大人しく帰ってほしいな……

「「プロデューサーさん?」」

2人の声が重なる

ねっとりとした甘い声

「早耶、胸が痛いんです……しかも日に日に痛みがひどくなって」

胸を抑えるようにする早耶、胸が強調されて目のやり場に困る

「日菜子、プロデューサーさんの妄想をするとおかしくなっちゃうんです」

頬を赤くして瞳をうるわせる日菜子にどきりとした

「早耶のちくちくした痛み、見てくれませんか?」

気付けば、ブラウスのボタンが意味をなしていないレベルの格好だ

「日菜子にもっとプロデューサーさんをください」

だらしない顔をする日菜子に加虐心がそそられる

「早耶を……」

「日菜子を……」

2人がぼそりと耳元で囁く

何かに期待するような赤色と茶色の瞳

頭がくらくらしてまともな思考ができない俺は……





おしまい

以上で【モバマスSS】お題は星の数だけ 10夜目をお開きとさせて頂きます
暇つぶしで作ったスレがいつの間にかこんなに続きました
これも、お題を出してくれる皆さんのおかげです
また読んで頂く機会があればよろしくお願いします

では、改めて読んでくれた方に心からの感謝を

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom