爆発系能力者「村を救ってくれ? ――よかろう!」 (22)


能力者「村を救ってくれ?」

村長「はい……このままでは我々の村は村として存続することができません」

村長「どうか……助けていただけないでしょうか?」

能力者「よかろう!」

能力者「ではさっそく、あなたの村へ向かおうか」

村長「はいっ!」


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能力者「いやはや、交通の便がこんなに悪いとは思わなかった」

能力者「さて、村は……」

能力者「うーむ……さびれてるなぁ……。まるでゴーストタウンだ」

村長「はい……」

村長「若者はみんな大都市に出てしまうので、今一つ活気が……」

能力者「なにか……この村ならではの名物みたいなものはないのか?」


村長「我が村で収穫した果物を使い、村独自の製法で作ったフルーツケーキです」

能力者「どれどれ……」モグッ

能力者「おおっ、おいしい! うま味が舌の上で爆発するような味だ!」

村長「ありがとうございます。他になにもない村ですが、そのケーキの味だけには自信があるんです」

能力者「たしかにこのケーキなら観光客を呼べる!」

能力者「となれば……さっそく作業を始めていくかな」


能力者「まずは……やはり交通の便をよくしなくてはな」

村長「はい……しかし、村には若者にはおりませんので、大規模な工事は……」

能力者「ふふっ、私に任せておけ」

能力者「ようやく私の“能力”の出番だ!」


能力者「とりあえず……近くの町から人が来やすいようにしなきゃならない」

能力者「この近辺は通行の邪魔になる大きな岩が多いから……岩を壊す」



ボガァンッ! ズガァンッ! ドカァンッ!



村長「どうやってもどかせなかった岩を軽々と爆破していく……!」


能力者「さらに、道を平らにする!」



ボォンッ! ドォンッ! バァンッ!



村長「爆発を手加減して、道を平らにしておる……! なんて器用な……」


山賊A「おい、さっきからドカンドカンうるせーんだよ!」

山賊B「静かにしねえとブッ殺すぞ!」

能力者「なんだこいつら?」

村長「近くの山に巣食う山賊どもです! 逃げましょう!」

能力者「なるほど、村がさびれたのはこいつらにも原因がありそうだな……」


山賊A「俺らをシカトして、なにゴチャゴチャいってやがる!?」

山賊B「やっちまえ!」

能力者「お前らを退治すれば、この地域の治安は回復するだろう」

能力者「ってことで、爆破!」



ズガァァァァァンッ!



村長「すげえ……山賊が全滅した!」


能力者「これで交通の便はよくなり、治安も回復した」

能力者「あとは名物であるフルーツケーキを売り込むだけだ!」

能力者「爆発の音を工夫して、国じゅうに宣伝を行う!」



フルーツケェェェェキッ!

タベニキテェェッ!

オイシィィヨォッ!



村長「おおっ、これなら……タダで宣伝を行うことができる!」


ワイワイ…… ガヤガヤ……



村長「ありがとうございました……!」

村長「あなたのおかげでフルーツケーキを食べにくる観光客が増え……」

村長「元々自然豊かな地域なので、それ目当てで移住してくる人も多くなって……」

能力者「お役に立てたようでなによりだ」

能力者「ではさらばだ!」



ボカァンッ!



村長「自分の足元を爆破することで、どこかに飛んでいった……!」


村人「村長、あの能力者のおかげでこの村は救われましたね」

村長「うむ……あの方はこの村に人口爆発をもたらしてくれたのだ……」







<終わり>

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