桃華「肝試し、ですわ」 (23)

アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。
短め、書き貯めありです。

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桃華「皆さんごきげんよう!櫻井桃華ですわ!」

ありす「こんばんは、橘ありすです」

梨沙「的場梨沙よ!」

桃華「本日わたくし達は、xx県某所にあります廃校に来ておりますわ」

ありす「今回は肝試し企画として、この学校を散策します」

梨沙「ただし!流石にアタシ達だけじゃ危ないからつきそってくれるゲストが居るわ!」

桃華「では、ゲストの皆さんをお呼びしましょう、どうぞ!」

歌鈴「は、はい!道明寺歌鈴です!本日はよろしくおねがいしゃましゅ!(噛んだ…)」

小梅「こんばんは…!白坂小梅だよ…今日は…楽しくなりそうだね…!」

芳乃「依田は芳乃でしてー、本日はお呼びいただきましてまことに嬉しく思いましてー」

ありす「以上3名のゲストと共にお送り致します」

梨沙「それで今日これから散策する廃校は何かいわくとかあるの?」

小梅「う、うん…」

桃華「あら小梅さん、何かご存じなのですか?」

小梅「この学校はね…」

ありす「ごくり…」

小梅「その昔…」

梨沙「ゴクッ…」

小梅「生徒数減少で普通に廃校になっただけだよ…」

(ズザーッ)

桃華「な、なんですのそれ!?」

ありす「ただ雰囲気があるだけってことですか!?」

梨沙「というかそれここで言っちゃもうビクつくだけでお笑いじゃないの!」

芳乃「しかしー、この場は風水的にあまり良くない場所でしてー」

歌鈴「そ、そうですね…こういう所は周囲から色んな霊が集まってきちゃいますよ…」

小梅「う、うん…さっきから…あの子も…凄く元気…」

桃華「それってつまり…」

ありす「あの廃校舎は…」

梨沙「幽霊の巣窟になってるってコト…?」

芳乃「その通りでしてー」

小梅「うん…た、楽しみ…!」

歌鈴「このお二人はどうしてこんなにリラックス出来るんですかぁ!」

桃華「それはもうお二人だからとしか…」

ありす「むしろ歌鈴さんからまともな反応をいただけてありがたいです」

梨沙「あの二人だけだったらこっちまで感覚がおかしくなりそうだしね…」

歌鈴「そういうものでしょうか…」

小梅「さぁ…廃校舎探索ツアー…早く逝こう…?」

桃華「文字!!!不穏な物言いをしないでくださいまし!」

芳乃「れっつらごー、でしてー!」

ありす「何か古めかしい言い回しですね…」

芳乃「はてー?ばばさまのお家にありました漫画にそのような言い回しがありましたが…」

梨沙「アタシ達はそういうネタが来ても分かんないわよ…杏とかならわかるかしら」

ありす「ちょっと調べてみましょう…あれ?」

桃華「ありすさん、どうかしまして?」

ありす「いえ…ネットワークに繋がらなくて…おかしいですね、さっきまでは使えていたのに…」

梨沙「田舎だからかしらね?まぁ、別にすぐに知りたいわけでもないから後で繋がったらで良いわよ」

ありす「わかりました」

桃華「それでは…館内見取り図で入口から入りまして、この中庭まで進んでみましょうか」

『はーい!』

桃華「うう…荒れ果てた建物というのは、それだけでも不気味ですわね…」

ありす「それでも、日が出ているのは救いですね、真っ暗だったら一歩も進めないと思います」

梨沙「そんな時間はアタシ達お仕事出来ないからしょうがないわね」

小梅「真っ暗な廃墟も…慣れれば…結構楽しい…よ?」

歌鈴「そんなの慣れなくって良いですよぉ!」

芳乃「小梅さんー、そういう所にはよからぬ輩も潜んでおります故ー」

小梅「だ…大丈夫…あの子がそういう人は追い返してくれるから…」

芳乃「それなら安心でしてー」

桃華「そういう問題じゃありませんわ!」

ありす「桃華さん、この異次元会話にはツッコミを入れても疲れるだけですよきっと…」

梨沙「というかありす、怖がりなのに今日は随分と余裕ね?」

ありす「なっ…!?わ、私がどうやって怖がりだって証拠ですか!?」

芳乃「動揺し過ぎて日本語が滅茶苦茶でしてー」

ありす「動揺なんてしていません!それに私は怖がりじゃありません!」

梨沙「でも、CAERULAの打ち上げでお化け屋敷に行った後文香に泣きついてたって」

ありす「なんでそれを知っているんですか!!!」バン!

歌鈴「ひゃぁっ!あ、ありすちゃん、壁叩いちゃダメですよぉ…!」

梨沙「なんでって……飛鳥」

ありす「把握しました、ふふっ…飛鳥さんには橘流イタリアンのフルコースをご馳走してあげないといけませんねぇぇぇ…」

小梅「わぁ…ありすちゃんの顔…フレディみたい…!」

桃華「ありすさん、アイドルがして良いお顔じゃありませんわ…」

梨沙「というか、橘流イタリアンが生物兵器だってのは自覚しているのね」

ありす「う”っ…」

芳乃「食べ物を粗末にするのは感心しないのでしてー」

ありす「粗末じゃありません!相手がちゃんと残さず食べれば無駄になりませんから!」

梨沙「今までそれが出来たのって巴だけじゃない」

ありす「大丈夫です!飛鳥さんを椅子に縛りつけて口にねじ込みますから!」

桃華「何が大丈夫なのかわかりませんわ…」

芳乃「おやー?中庭というのはここでしてー?」

桃華「あら、話しながら進んでいたらいつの間にか到着していたのですわね」

ありす「ふふん!このくらいなら全然余裕ですね!」

歌鈴「ふぅ…緊張しました…」

梨沙「歌鈴どうしたのよ、一人妙に気張っちゃって」

小梅「ふふ…気が付かなかったなら…その方が幸せだと思うよ…」

桃華「どういうことですの!?」

ありす「な…何か居たんですか!?居たんですね!?」

芳乃「小梅さんー?いたずらに不安を煽るのはやめてさしあげるのでしてー」

小梅「ちぇ…はぁい」

梨沙「…結局歌鈴は何に気を張ってたのよ?」

歌鈴「いえ…そこかしこの床に穴が空いていたので転ばないようにしていたんれふ(噛んだ…)」

桃華「そういうことでしたのね…まったく!小梅さんはいたずらがお好きですのね」

ありす「142'sの皆さんは見た目に寄らずアグレッシブですよね…」

梨沙「普段はその矛先が幸子だから周囲に被害は無いんだけどね…」

小梅「幸子ちゃん…良いリアクションしてくれるから…」

芳乃「してー、この先はどうするのでしてー?」

桃華「次は2回の音楽室跡…はい?全部を回ると時間が足りない…ですの?」

カンペ「ですので、ここから3組に分けて散策していただきます」

梨沙「まぁ時間が足りないんじゃしょうがないわね…とりあえず属性別で…」

桃華・ありす「ジャンケンにしましょう!!!」

梨沙「チッ…時間も無いらしいからここでもめてもしょうがないわ、どうなっても恨みっこなしよ!」

桃華「のぞむところですわ!」

ありす「では…」

桃華・ありす・梨沙「じゃ~んけ~ん!」

ありす「では依田さん、私たちはこちらから音楽室跡を通ってゴールの屋上に向かいましょう」

芳乃「了解でしてー」

梨沙「アタシ達はここから家庭科室跡を通って屋上に向かう感じね」

歌鈴「梨沙ちゃん!がんばりましょうね!」

桃華「ええ…わたくし達はここから…理科室跡を通って屋上に向かいますわ…」

小梅「理科室は…不思議がいっぱい…えへへ…楽しみ…!」

ありす「桃華さん…頑張って下さい」

梨沙「小梅も、頼んだわよ~」

桃華「はい…」

小梅「えへへ…任せて…」

梨沙「じゃあそれぞれの目的地へ、出発~!」

桃華「ううう…辺りも薄暗くなってきましたわね…」

小梅「そうだね…このくらいの時間は…逢魔時って言ってね…この世ならざるものに出会いやすい時間…らしいよ…」

桃華「ひぃっ!…こ、小梅さん!そういうことを言って脅かさないでくださいましぃ!」

小梅「えへへ…ごめんね?でも…こういう所だとテンション上がりすぎちゃって…むり」

桃華「無理じゃありませんわ!後生ですから普通に歩いて下さいましぃぃぃぃぃ!!!」

小梅「ふふ…桃華ちゃん…幸子ちゃんみたいに…良いリアクションだね…」

桃華「先ほどまでの発言を受けてのそれは全く嬉しくありませんわ!!!」

カラン・・・コロン・・・

小梅「も…桃華ちゃん…あんまり騒ぐのは…良くないよ…?」

桃華「誰がそうさせていますの!?」

カラン・・・コロン・・・

小梅「いや…騒いでいると…寄ってきちゃうよ…?」

桃華「ま…ままままさかそんな幽霊だなんて非科学的なものがいるわけわけわけ…」

カラン・・・コロン・・・

桃華「…先ほどから聞こえているこの下駄の足音みたいなのは何ですの?」

小梅「あぁ…これ…?…桃華ちゃん」

桃華「な、何ですの?」

小梅「絶対に…後ろ、見ちゃダメ…だよ?」

桃華「えっ?」ヒョイッ

小梅「あ…」

桃華(えっ…大きめの日本人形…?でも歩いていますわ…凄くぎこちない動きですが…)

桃華「こ…小梅さん!あれは一体…!?」

小梅「わぁぁぁ…すごい…」キラキラ

桃華「あれがこの世ならざるものだってことは理解できましたわありがとうございますわ!」

???「ぞ…」

桃華「ぞ?」

???「ぞな”だあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!」カラコロカラコロ…

桃華「ひぃぃぃぃぃぃ!!!お、追いかけてきましたわ!!!」

小梅「も…桃華ちゃん…!逃げよう…!」ダッ!

桃華「どうしてわたくしがこのような目にいいいいい!!!」ダダダダッ!

桃華「はぁ…はぁ…こ、ここまで来れば…大丈夫…」

シクシク…シクシク…

小梅「ってわけじゃなさそうだね…」

桃華「あの女の子はどうしてこんな所で泣いているのでしょうか…」

シクシク…シクシク…

小梅「ねぇ…あなたは…どうしてこんな所で泣いているの…?」

桃華「ちょっ…!どうして普通に声をかけていらっしゃいますの…!?」

???「アタシね…お顔を怪我しちゃったの…」

小梅「そうなんだ…」

???「お顔を怪我しちゃって…もうパパに可愛いって言って貰えない…」

桃華「…かわいそうですわね」

???「だから…アナタ達のその可愛いお顔、頂戴?」クルッ

小梅「わぁぁぁ…血みどろ…すごい…!」キラキラ

桃華「小梅さん!そんなことおっしゃっている場合ですか!刃物を持っていますよ!」

小梅「ジ…ジェイソンみたいだね…」

桃華「知りませんわ!に、逃げますわよ…!!!」

???「まあああああああああてえええええええええ!!!!!」

桃華「ひぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」

小梅「も…桃華ちゃん…こっち…2階に…!」

桃華「わ…わかりましたわ…!」

桃華「はぁ…はぁ…どうしてこんな…怪奇現象のオンパレードに…」

小梅「ふふ…ここ凄いね…」

桃華「小梅さんがいつもの調子なのが…今は少しありがたいですわ…」

小梅「だって…このくらいはいつもの事だし…」

桃華「小梅さん…密かに修羅場をくぐり抜け過ぎですわよ…」

ピンポンパンポーン

桃華「ひっ!?こ、今度は何ですの!?」

???「校内…ザザッ…放送です…」

桃華「どうして廃校舎で放送が…」

???「これより…橘…さんの…ザザッ…処刑を行います…」

桃華「えっ」

???「ご覧になりたい方は…至急音楽室まで…お越し下さい…」

桃華「ど…どういうことですの!?」

prrr…prrr・・・

桃華「電話…ありすさんからですわ!」

ありす『桃華さん…』

桃華「ありすさん!どうなされたのですか!?先ほどの放送は一体…!」

ありす『桃華さん…ハヤクキテ…ハヤクキテ…ハヤクキテ…ハヤクキテ…』

桃華「ありすさん!?」

小梅「桃華ちゃん…」

桃華「なんですの!?今ありすさんが大変で…!」

小梅「ここ…圏外だよ…?さっきもありすちゃんのタブレット使えなかったでしょ…?」

桃華「えっ…ですが、現にここに電話がかかって…」

ありす?『ハヤクコイ…ハヤクコイ…ハヤクコイ…ハヤクコイ…ハヤクコイ…………………桃華さん今すぐ逃げ…きゃぁっ!』ブツン

桃華「…圏外なのに電話がかかってきた理由はわかりませんが、ありすさんが危ないということはわかりましたわ」

小梅「どうしよう…皆と合流してからの方が良いかな…」

桃華「あちらもご無事でしたら先ほどの放送を聞いていらっしゃるはずですわ!今は一刻も早く音楽室に向かうべきですわ!」

小梅「…桃華ちゃん、さっきまで震えていたのに…大丈夫?」

桃華「友人の一大事に縮こまって震えているなど…櫻井家の名折れですわ!小梅さん、行きますわよ!」

小梅「う…うん…!」

桃華「音楽室は…確か3階でしたわね」

カンカンカン…

桃華「3階!音楽室はこの先ですわね!」

???「モモカチャン…」

桃華「えっ…屋上への階段の上に誰かが…?」

???「モモカチャン…コッチニオイデ…」

小梅「桃華ちゃん…!音楽室は…こっち…!」グイッ

桃華「あっ…そ、そうでしたわね!急ぎましょう!」

[音楽室]

桃華「ここですわね…」

小梅「そ…そうだね…」

ガチャガチャ

桃華「扉は…開きませんわね…」

小梅「鍵はかかっていないはずなのに…おかしい…ね…」

桃華「こうなったら体当りですわ!」

小梅「えっ…う、うん…桃華ちゃん…大胆…」

桃華「ありすさんが危ないかも知れませんのに、悠長になどしていられませんわ!」

小梅「そ…そうだね…じゃあ…いちにのさんで…いくよ?」

桃華「わかりましたわ!では…いち!」

小梅「にの…」

桃華「さん!」

バリッ!

桃華「ありすさん!お怪我は…きゃぁっ!」

ボフッ…

桃華「けほっ…こほっ…な…なんですのこの粉は…」

ありす「桃華さん」

桃華「あっ、ありすさん…?」

ありす「この看板の文字、読めますか?」

[ドッキリ大成功!]

桃華「…どっきり…ですの?」

ありす「はい、見事に引っ掛かりましたね」

梨沙「ありすのために危険を顧みずここまで来るとか、やるじゃない桃華!」

芳乃「友情とは美しいものでしてー」

小梅「あの時の桃華ちゃん…すごく格好良かった…よ」

桃華「ああああああ…わ、忘れて下さいまし!この回は放送NGですわ!」

カンペ「こんな良い回を、お蔵にするなんて、とんでもない」

桃華「あああああ…こんなことって…櫻井桃華一生の不覚ですわ…」

梨沙「だからアンタ一生の不覚多いって…」

ありす「桃華さん、ドッキリですけど、あんなに心配してくれて嬉しかったですよ」

桃華「…知りませんわ!橘さんのことなんてもう知りません!」

ありす「あっ!なんで橘さん呼びに戻るんですか!ドッキリのお仕事なんだからしょうがないじゃないですか!」

桃華「ふん!心配して損しましたわ!橘さんなんかどうにでもなってしまえばいいんです!」

ありす「そんなに言う事ないじゃないですか!あと、ありすって呼んで下さい!」

梨沙「あのありすが名前で呼べって言ってるのとか珍しい光景ね…」

バァン!

歌鈴「ご、ごめんなしゃい!床の穴にハマってしばらく動けなくて…桃華ちゃんに会えませんでした!」

桃華「えっ…わたくしここに来るまでお三方にお会いしたと思いますけど…?」

小梅「そうだね…3人に会ったね…」

桃華「最初の日本人形さんは…」

芳乃「それはわたくしてしてー、人形らしい動き方を再現するのに難儀いたしましたー」

桃華「その後の女の子は…」

梨沙「それはアタシね!血みどろで髪も降ろしていたから誰かわかんなかったでしょ!」

桃華「そうですわね…それで屋上への階段にいらしたのが…?」

歌鈴「それ…少なくとも私じゃないです」

梨沙「アタシも違うわよ」

芳乃「わたくしも違うのでしてー」

ありす「じゃあ…一体誰が…?」

小梅「あの子は…うん、ちょっと危なかったから…」

桃華「じゃ…じゃあ…あれは本物の…」

小梅「あのままあっちに行っていたら…引きずり込まれていたかも…ね」

桃華「…ふぅっ」バタッ

ありす「あっ!ちょっ!桃華さん!?桃華さ~~~~~ん!」

おわりです、お目汚し失礼しました。

↓ももありさがじゃれあうシリーズの過去作になります

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