七海「好感度が分かる眼鏡?」 (25)

七海「うーん、それにしても好感度かぁ」

七海「(好感度って事は恋愛ゲームでいう高い程好きだっていうあれだよね?)」

小泉「あれ、七海ちゃんその眼鏡どうしたの?」

七海「うーん…」

小泉「…七海ちゃん?」

七海「あ、小泉さん」

小泉「さっきから声かけてたんだけど…。所でその眼鏡どうしたの?」

七海「これ?左右田君から貰った相手の好感度が分かる眼鏡らしいよ」

小泉「好感度が分かる眼鏡?胡散臭いわね」

七海「んー…そうだ、小泉さんの好感度を見てもいいかな?」

小泉「私の?まぁ、見られて困る訳でもないしその眼鏡が本物かどうか試すのも兼ねれるしいいんじゃない?」

七海「じゃあ…ポチッとな」ピッ

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小泉「…どう?」

七海「なんかレンズ内で数値の計測画面が出てるよ」

小泉「こっちからだと普通のメガネにしか見えないけど」

七海「あ、計測されたよ。小泉さんの好感度は…55だね」

小泉「55…無難な数字ね。ちなみに好感度のめやすは聞いてるの?」

七海「あっ」

小泉「聞いてないのね」

七海「でも、他の人の好感度も照らし合わせれば基準も分かってくる…と思うよ?」

小泉「まぁそれもそうね。あ、その姿写真撮らせて」

十神「二人共、そこで何をしている」

七海「あ、十神君。丁度いいところに来たね」

十神「…そのメガネはどうした?」

七海「左右田君に貰ったの。何でも、好感度が分かるメガネらしいよ」

十神「好感度が分かるメガネか。信じられんがあいつなら作りかねないな」

七海「えーっと、十神君の好感度は…」ピッ

十神「おい、勝手に測定をするな」

小泉「いいじゃない別に。減るものじゃないでしょ?」

十神「それはそうだが…」

七海「十神君の好感度は…48だね」

十神「それは高いのか?低いのか?」

小泉「私よりは低いわね」

十神「ほう…なるほど」

澪田「白夜ちゃーん、見つけたっすよ!」バッ

十神「澪田、いきなり抱きついて来るなと何度言えば分かる!」

澪田「だって暇っすもーん。ってあれ、千秋ちゃんそのメガネどうしたっすか?」

七海「んーとね、左右田君から貰ったんだけど、好感度が分かるメガネらしいよ」

澪田「むっはー!楽しそうっすね、唯吹に貸してみるっすよ!」

小泉「はいストップ。一応所有者は七海ちゃんだからね」

澪田「ぶー」

七海「じゃあせっかくだし澪田さんの好感度も測ってみるね」ピッ

澪田「おーなんかハイテクな気配がするっす」

七海「澪田さんの好感度は…72。ハイスコアだよ」

澪田「わはー!唯吹が最高得点っすか!なんか嬉しいっすよ!」

小泉「あー、でも分かるかも」

十神「所で、そのメガネで分かる好感度は誰に対する好感度だ?」

七海「んー、マニュアルによるとデフォルトでは装着者への好感度に設定されてるみたいだよ」

小泉「マニュアルあるんだ…」

七海「ちなみに、16人全員分の対象者が設定されてるから他の人に対する好感度も分かるよ」

小泉「一気に万能性増したわね」

澪田「はい!はいはーい!じゃあ白夜ちゃんの澪田に対する好感度を見て欲しいっす!!」

十神「!?」

七海「オーケー。早速測ってみるね」ピッ

十神「おい、やめろ!勝手に計測するな!!」

小泉「そんなにうろたえなくてもいいじゃない。あんた男でしょ?」

澪田「白夜ちゃん、唯吹の事嫌いっすか…?」

十神「そういう訳では…」

七海「計測完了。十神君の澪田君への好感度は79だよ」

十神「」

小泉「………」

七海「最高記録更新だね」

澪田「白夜ちゃああああああん!!両思いと分かって唯吹は嬉しいっすよ!!」

十神「ええい、落ち着け!」

七海「ちなみに澪田さんの十神君への好感度は82だね」

十神「くっ、俺はもう行くぞ」ダッ

澪田「あ、待つっすよ白夜ちゃーん!照れなくてもいいんすよー!」

小泉「…七海ちゃん」

七海「ん?」

小泉「それが好感度が分かるメガネだって事は…無闇に言わない方がいいと思う」

七海「んー…そうかな?」

小泉「じゃないとややこしい事になるわよ」

七海「じゃあ無闇に言わない方がいい…のかな?」

ソニア「あら、七海さんに小泉さん!こんにちわんこです!」

七海「あ、ソニアさんオッスオッス」

小泉「ところで、その手に持ってるのは…種?」

ソニア「これは田中さんのハムスターにあげるひまわりの種です!」

小泉「田中ねぇ…」

小泉「(七海ちゃん、そのメガネでソニアちゃんの田中への好感度を測ってみて)」ヒソヒソ

七海「? 分かった」ピッ

ソニア「どうかしましたか?」

小泉「なんでもないわ。それより、これから田中のところに行くの?」

ソニア「はい、田中さんと一緒にハムスターと触れ合うつもりです!」

七海「(ソニアさんの田中君への好感度は81かぁ…)」


七海「(あ、そういえば左右田君がソニアさんの事好いてたっけ。せっかくだし左右田君への好感度も測ろう)」ピッ

ソニア「それにしても七海さんのメガネ、ハイカラですね」

七海「ハイカラ…かな?」

小泉「左右田が聞いたらハイカラだろ?って答えそうね」

七海「(ソニアさんの左右田君への好感度は…-82かぁ)」

ソニア「それでは、そろそろ田中さんの元に向かいますね」

小泉「気をつけていきなさいよー」

七海「(-って事は…どういう事なのかな?)」

狛枝「やぁ七海さん、それに小泉さんも!今日も希望溢れるいい日になるといいね」

小泉「げぇ、狛枝…」

狛枝「あぁ、ごめんね。僕みたいなゴミクズとは会いたくもなかったよね…」

七海「(狛枝君の好感度も測ってみよう)」ピッ

狛枝「あれ、七海さん…その眼鏡は?」

七海「左右田君から貰ったんだ。似合うかな?」

狛枝「素晴らしいよ!超高校級である七海さんに似合わない訳がないじゃないか!!」

七海「61…か」

狛枝「61?」

七海「んー…思ってたより低いね」

小泉「あー…あの二人見た後だとね」

狛枝「ねぇ、何の話?僕にも教えて欲しいな」

小泉「あんたに話したら面倒な事になるから却下」

小泉「しかししつこかったわね…狛枝」

七海「小泉さん、マニュアルによると16人の中で対象が一番好感を持ってる人が分かる機能もあるみたいだよ」

小泉「それって本命バレバレじゃない」

西園寺「あれ、小泉お姉に七海じゃん。どうしたのさ」

小泉「日寄子ちゃん、丁度いい所に来たわね」

七海「西園寺さんオッスオッス」

西園寺「…そのメガネ、何?」

七海「左右田君が作った好感度が分かるメガネだよ」

西園寺「何それ左右田キモっ」

小泉「あー…うん」

七海「せっかくだし西園寺さんが一番好感を持ってる人を測ってみよう」

西園寺「!? ちょっと待って、勝手に測るな!!」

小泉「ひ、日寄子ちゃん!?」

七海「一番高いのは…小泉さんの88だね」

小泉「あれ、一番高いのって…あたし?」

西園寺「う、うん…だって小泉お姉は私の一番大切な人だもん(ホッ」

七海「ちなみに二番目に高いのは日向君だね」

西園寺「」

西園寺「はぁ!?何言ってんの!?わ、私が日向お兄の事好きな訳ないじゃん!?」

小泉「日寄子ちゃーん、自分から言わなくてもいいから」

西園寺「ふぐぅ…」

七海「でも、ソニアさんの田中君への好感度よりは低いよ?」

西園寺「」ピキッ

小泉「日寄子ちゃん落ち着いて!」

ギャーギャー

七海「んー…好感度ってよく分からないね」

弐大「よし、今日のトレーニングはこれくらいでええじゃろ」

終里「あーくそっ、また勝てなかった」

七海「二人共オッスオッス」

弐大「ん?どうした、お前さんもわしのトレーニングを受けに来たのか?」

七海「それは違う…よ?」

弐大「ふむ、そうか…所でそのメガネはどうしたんじゃ?」

七海「左右田君から貰ったメガネだよ」

終里「おーいおっさん、早く飯食いに行こうぜ!」

七海「(そういえば弐大君と終里さんってよく一緒にいるよね…測ってみよう)」ピッ

弐大「何か電子音みたいな音が聞こえたが、そのメガネに何かからくりでもあるんかのう?」

七海「なんでも、好感度が分かるメガネらしいよ」

終里「メガネがどうかしたのか?」

七海「んー…終里さんの弐大君への好感度は63だね」

終里「?」

弐大「そいつは高いのか?それとも低いのか?」

七海「普通…かな?」

終里「なぁ、今の63って何だ?」

弐大「わしらの好感度らしいぞ」

終里「ふーん。なぁおっさん、それより早く飯食いに行こうぜ」

七海「ちなみに弐大君の終里さんへの好感度は60だね」

終里「なぁおっさん、飯ー」

弐大「分かった分かった、という訳じゃ。わしらはそろそろ行く。面白いもんを見せてくれて感謝するぞ」

七海「またねー」

七海「二人共一緒にいるからもっと高いと思ったんだけどなぁ…よくわかんないや」

日向「何がよくわかんないんだ?」

七海「あ、日向君オッスオッス!」

日向「オッス…ってそのメガネどうした?」

七海「これはね、左右田君が作ってくれたんだよ」

日向「あのな、七海…メガネは視力が悪い人がかけるもので、視力が普通なのにかけてたら目が悪くなるぞ」

七海「そうなの?」

日向「まぁ中には目が悪くない人がかけても平気な伊達メガネってのもあるけどな。基本目が悪い人が付けるものだ」

七海「じゃあ左右田君は伊達メガネって言ってたから問題ないね」

日向「…そうか。それにしても左右田が作った時点で何かしらありそうだな」

七海「何かしらって…例えば?」

日向「左右田の事だから壁を透過する機能だとか心が読める機能だとか、そういうのが付いててもおかしくないだろ?」

七海「さすがにそれは言い過ぎ…だと思うよ?」

日向「まぁそりゃそうか。でも似合ってるぞその眼鏡」

七海「そう…かな?」

日向「あぁ」

七海「(そういえば、日向君は私の事どう思ってるんだろう)」

七海「ねぇ日向君、一つ聞いてもいいかな?」

日向「ん?」

七海「日向君は私の事…好き…なのかな?」

日向「ブフォッ!?」

日向「な、七海?いきなりどうした?」

七海「んー…澪田さんやソニアさん達を見た後だから気になって」

日向「そ、その二人と今の話がどう関係あるんだ?」

七海「日向君は…私の事、嫌い?」

日向「(見るな、そんな純粋な目で見るな!!)」

罪木「あれ、日向さんに…七海さん?」

七海「(うわ、罪木さんが視界に入った途端罪木さんの日向君への好感度がオーバーフローを起こし始めたよ)」

日向「罪木、丁度いい所に来たな」

罪木「お二人共楽しそうですねぇ…私も混ぜてください」

日向「あ、あぁ…もちろんだ」

罪木「うふふふふ…」

七海「(これは…もしかして三角関係っていうやつなのかな?)」

<フハハハ、アマイゾザッシュゥ!センリツノカタストロフィー!!
<ギニャアアアアアアアアア!!


罪木「それでですね……その…日向さんさえよければ明日、一緒にお出かけとか……」

日向「明日か……明日は左右田と電気街にパーツを漁りに行く約束してるから無理だな。明後日なら空いてるから、明後日でもいいか?」

罪木「は、ひゃい!///」プシュウウ

日向「罪木? 顔赤いけど大丈夫か?」スッ

罪木「ぴゃひ、びゃいみょうみゅれひゅ!////」

日向「何を言っているかわからないから一旦落ち着こうか。ほら、深呼吸」

罪木「ひっひっふー、ひっひっふー」

日向「それ出る方のやつだぞ!?」

七海(日向君と罪木さん、楽しそうに話してる)

七海(羨ましい……なんでだろう、嫌な気分になる)ポスッ

日向「七海……? 眠くなって来たのか?」

七海「んー……」

日向「重症っぽいな……ごめんな罪木、一旦七海をコテージに送って来る」

罪木「あっ……はい……」

七海(結局、日向君が私の事をどう思っているのか……罪木さんの事をどう思っているのか)

七海(装置を使って確かめる事はなかった。確かめたくなかった)

七海(確かめるのが……すごく怖かった。なんでなんだろう)

七海(普段こんな気持ちになる事なんてなかったのに……私、どうしちゃったんだろう)

ウサミ「お悩みでちゅか、千秋ちゃん?」

七海「ウサミちゃん?」

ウサミ「分かっていまちゅよ、千秋ちゃんが悩んでいる事位は。あちし、教師でちゅから。さぁ、話してみてくだちゃい。話す事で楽になれる事だってあるんでちゅよ」

七海「ウサミちゃん……」

私は、ウサミ先生に日向君と罪木さんの事について話した。

2人が仲良くしている所を見ると寂しい気持ちになって、嫌な感じになる事。

日向君が私と罪木さんの事をどう思っているのか確かめるのが怖いと思った事。

全部全部、ウサミ先生に話した。

ウサミ「わかりまちた……そうでちゅね、千秋ちゃんは日向くんに恋をしているんでちゅよ」

七海「恋?」

ウサミ「千秋ちゃんは、日向くんと一緒にいて楽しいでちゅか?」

七海「うん、日向君と一緒にいると楽しくて、落ち着いて、安心するよ」

ウサミ「日向くんと、ずっとずっと一緒にいたいと思いまちゅか?」

七海「うん……叶わないってわかってるけど、できる事ならずっとずっと、何時までも一緒にいたいと思う」

ウサミ「それが恋なんでちゅ。千秋ちゃんは、日向くんの事が好きなんでちゅよ。らーぶらーぶでちゅ」

七海「そっかぁ……これが、好きっていう感情なのかな」

七海「罪木さんも……日向君の事、好きなんだね」

ウサミ「千秋ちゃん」ポンッ

七海「?」

ウサミ「思いに気づいたなら、それを隠しても辛いだけでちゅ」

ウサミ「千秋ちゃんが日向くんの事を好きなら、その気持ちに嘘をつく必要なんてないんでちゅ」

ウサミ「だから、千秋ちゃんも……まっすぐ、思いをぶつけていいんでちゅよ」

七海「……………………うん」

ウサミ「うふふ、大事なのはらーぶらーぶ、でちゅよ」

七海「ありがとう、ウサミちゃん。気持ちがすっきりした気がする」

ウサミ「あちしは応援してまちゅよ、千秋ちゃん!」

私は、日向君の事が好き。日向君が大好き。

きっと、罪木さんも日向君の事が大好きなんだと思う。

日向君は、私と罪木さん、どっちの方が好きなんだろう。

装置を使えば、一瞬で確かめる事もできた。けれど……




七海「おはよう、日向君」

日向「おはよう、七海。あれ、昨日かけてた眼鏡はどうしたんだ?」

七海「左右田君から借りたものだから、返して来たよ」

日向「そうか。まぁ、借りた物はしっかり返さないといけないからな」

罪木「お、おはようございまひゅ」

日向「おはよう、罪木。昨日はごめんな」

罪木「い、いえいえ……その、私みたいなゲロブタの事を考えてくださってありがとうございます」




私は、それをしなかった。

装置で気持ちを測るのは簡単だけど、それだけで片付けていい事じゃない気がしたから。

装置で出た数字が、きっと全てじゃないんだと思う。

だから、私は装置に頼らずに日向君と全面的に向き合っていく事にした。

日向君が、私と罪木さん、どっちを選ぶのかはわからない。もしかしたら他の女の子を選ぶかもしれない。

それでも、退いたら後悔しか残らない。だから……





七海「……大好きだよ、日向君」ボソッ

日向「何か言ったか、七海?」

七海「ううん、なんでもないよ」



私は、何時か必ずこの想いをぶつけるから。

だから、日向君も後悔しないようにまっすぐ気持ちをぶつけて欲しいな。

花村「ふんふん、九頭龍君と辺古山さんの好感度はお互いカンストしてるみたいだね!」ピピッ

九頭龍「ぶふぉおっ!?」

辺古山「な、ななな何を言っている!? そしてその眼鏡はどうした!?」

花村「これ? 左右田君から借りた面白グッズさ!」



終里

光のような速さで思いついたままに筆を進めた。後悔はしていない。HTML依頼してきます。
短い駄文でしたが読んでいただきありがとうございます。

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