提督「妙高との新婚生活」 (54)

提督(俺は妙高にケッコンを申し込んだ。妙高はそれを受け入れてくれた。その日から俺たちは夫婦になった)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1473083726

一応『提督「妙高は空を見る」』と世界観を共有しています。

妙高とケッコンしていることだけわかっていれば大丈夫です。


『妙高との今後』


提督「そういえば話し合っておかないといけないことがあるな」

妙高「なんでしょうか?」

提督「住居のことなんだが……妙高さえ良ければうちに住まないか?」

妙高「よろしいのでしょうか?」

提督「ああ、平屋だが一軒家だ。一人で住むにはちょいと広すぎる」

妙高「わかりました。こちらこそお願いします」

提督「これから毎日俺に味噌汁を作ってくれないか」

妙高「気障なセリフは言わないんじゃなかったんですか」

提督「これは……俺の素直な気持ちだ」

妙高「全く……調子がいい人ですね」


『妹たちへの報告』


妙高「妹たちへの報告もしないといけないですね」

提督「そうだよな……」

妙高「どうなされたのですか?」

提督「少し気が進まなくてな」

妙高「どうしてですか?」

提督「あいつらになんて言われるか」

妙高「みんな受け入れてくれますよ」

提督「そうか」

妙高「では善は急げです。さっそく向かいましょう」

提督「いや、少し待て。後日にしないか?」

妙高「どうしてですか?」

提督「心の準備をさせてくれないか?」

妙高「男らしくないですよ」

提督「ううむ。それを言われると弱い。わかった行こうか」

妙高「はい」




ガチャ

妙高「あ、羽黒。那智と足柄はいるかしら?」

羽黒「おかえりなさい、妙高姉さん。那智姉さんと足柄姉さんは奥にいますよ」

妙高「ちょっと呼んできてもらってもいいかしら」

羽黒「わかりました。少し待っていてくださいね。那智姉さん、足柄姉さん」

那智「どうした?」

足柄「あら妙高姉さん。それと提督じゃない」

妙高「あなたたちに話しとかなきゃならないことがあって」

羽黒「なんでしょうか」

提督「えっとだな……つまりだな……」

那智「どうした、男の癖に歯切れが悪いぞ!」

提督「ええい、俺は貴様らの姉、妙高とケッコンした!」

足柄「ええっ!」

妙高「はい、プロポーズされちゃいました」

羽黒「おめでとうございます!」

足柄「おめでとう!」

那智「姉さんも提督もおめでとうございます」

足柄「いやーめでたいわね」

那智「ああ、姉さんも提督もこれを祝して一杯やらないか?」

提督「お、いいな」

妙高「ね、受け入れてもらえましたね」

提督「ああ。本当に良かったよ」

羽黒「なんの話ですか?」

提督「こっちの話だ」





『妙高の手料理』


妙高「提督は和食と洋食、どちらがお好きでしょうか?」

提督「急にどうした?」

妙高「提督に毎日朝食作るのですから好みを把握しておこうと思いまして」

提督「お、おう」

妙高「自分で言ったことなのになんで照れているのですか?」

提督「やっぱり気障なセリフは得意ではないのだ」

妙高「ふふ、わかりました。それでどちらがお好きですか?」

提督「ああ、俺は和食が好きだ」

妙高「わかりました」

提督「しかし和食以外に好きなものがある。毎日食べてもいいぐらいに」

妙高「なんですか?」

提督「カレーだ。妙高はカレーを作るのが上手いと聞いている。すごく……すごく期待している」

妙高「いい事を聞きました。腕を振るわせていただきます」


『我が城』


妙高「早速ですが提督のお家に伺いたいのですが」

提督「どうしてだ?」

妙高「自分の住処になる場所を見たいというのが一つ」

提督「他には?」

妙高「今まで提督のプライベートな部分などは知りえなかったので色々知りたいのです」

提督「そうか……しかし、すぐには呼べん」

妙高「どうしてでしょうか?」

提督「人を呼ぶ準備が出来ていない」

妙高「大丈夫ですよ。多少汚くとも男の人の家はそういうものだと理解していますから」

提督「わかった……腰を抜かすなよ」

妙高「そこまでですか……」


提督「ここが俺の家だ」

妙高「立派な家じゃないですか」

提督「深海棲艦の出る海辺にわざわざ家を買うものも少なくてな。安く手に入った」

妙高「私たちが平和な海を作っていきましょうね」

ガラガラガラ

提督「まあ、汚いところだがあがってくれ」

妙高「おじゃまします。思っていたよりも綺麗ですよ。……ふふ」

提督「どうした急に笑い出して」

妙高「いえ、提督は鎮守府だとしっかりしているイメージが強かったのですが案外ずぼらなんですね」

提督「男の一人暮らしなどみなこんなものだ」

妙高「しかし、どうみてもお酒の空き缶や空き瓶が多いのは目を瞑れませんね」

提督「ついついだな」

妙高「あまり外で飲まずに家で飲んでいらっしゃったのですね」

提督「酒は静かに飲むほうが好きでな」

妙高「お体は大事にされないとダメですよ」

提督「これからはしっかりと管理されそうだな」

妙高「一応私も理解があるほうだと自負していますが度を越されるととめますよ」

提督「しっかりしている奥さんだ」


『呼び方』


提督「ううむ……」

妙高「難しい顔をしてどうなさいました?」

提督「妙高にお願いしたいことがあるのだが……」

妙高「なんでしょうか?」

提督「妙高は今、俺のことを提督と呼ぶよな」

妙高「はい。そうですが」

提督「二人きりのときだけでいい、いや自宅にいるときだけででいい。もしよければ俺のことをあなたと呼んでくれないか?」

妙高「わかりました。時と場所を弁えて呼ばせていただきます」

提督「早速呼んでみてはくれないか?」

妙高「今は執務室ですよ」

提督「他に人はいないし」

妙高「今は執務時間ですよ」

提督「そうか……」

妙高「はぁ……、ねえ、あなた」

提督「…………」

妙高「なんか言ってくださいよ」

提督「すまない、少し感動していた」

妙高「どうしてですか」

提督「あなたと呼んでもらうのは男の夢だ!」

妙高「わかりません」




『夏が終わり』


提督「今年も夏が終わってしまったな。寂しくなる」

妙高「あれだけ夏は暑いから嫌だって言っていたじゃないですか」

提督「それとこれとは話が別だ。暑いのは嫌だが夏は大好きなんだ」

妙高「毎度毎度わがままな人ですね」

提督「妙高は天候とかに文句付けたくなることはないのか?」

妙高「ありませんよ」

提督「本当か?」

妙高「……雨続きだと洗濯物を干せなくてやだなーと思うときもありますけど」

提督「だろ?俺は人より少し素直なだけなんだ」

妙高「少しの範囲が大きすぎますよ」

提督「嫌なものに嫌と言える。これがこれからの日本人に求められるものだと思うぞ」

妙高「提督は古き良き日本人ではないんですか?」

提督「それは……俺はハイブリッドなんだよ」

妙高「燃費が良さそうですね」


『秋が始まる』


提督「しかし、涼しくなってきて過ごしやすくはなったな」

妙高「秋ですからね」

提督「秋か……」

妙高「戦艦と空母の皆さんが食欲の秋だって言ってましたよ」

提督「あいつらは年がら年中食欲の季節だろうに」

妙高「軽巡と駆逐艦の皆さんはスポーツの秋だと言ってましたよ」

提督「子どもたちは元気でいいねえ」

妙高「あと一部の潜水艦の子が読書の秋だと言ってましたよ」

提督「それははっちゃんだけだろ」

妙高「芸術の秋という人はいますかね?」

提督「熊野とか鈴谷とかいいそうだろ。育ち良さそうだし」

妙高「提督は秋といえばなにを想像しますか?」

提督「うーむ、俺もなんだかんだで食欲の秋かな」

妙高「ふふふ、好きなものとかはあるのですか?」

提督「やっぱり秋といえば秋刀魚だな」

妙高「鎮守府でもPRの一環として漁のサポートをしていますもんね」

提督「あー、なんか話していたら秋刀魚が食いたくなってきた」

妙高「わかりました。今日の夕飯は秋刀魚にしましょう」

提督「ありがとう」


『呼び方2』


妙高「あなた、ちょっといいでしょうか」

提督「どうした」

妙高「お願いがあります」

提督「なんだ」

妙高「私のことをお前と呼んでくれませんか?」

提督「いいのか?」

妙高「はい、私がそう呼ばれたいのです」

提督「なあ、お前」

妙高「なんでしょう、あなた」

提督「……はは」

妙高「……ふふ」

提督「なあ、お前」

妙高「なんでしょう、あなた」

提督「いいものだ」

妙高「いいものですね」



『服装』


提督「ううむ、妙高のエプロン姿は新鮮だな」

妙高「いつも制服ですもんね。そういうあなただって軍服ではないではないですか」

提督「甚平は涼しく動きやすく日本男児の必需品だからな」

妙高「とはいえ少し肌寒くなってきたのではありませんか?」

提督「そうだな」

妙高「暖かい服も出しておきますね」

提督「もう服の位置も覚えたのか」

妙高「はい。妻としてやれることはやっておかないとと思いまして」

提督「お前は本当にいい妻だ。俺にはもったいないくらい」

妙高「いえ、あなた以外夫は考えられません」

提督「……少し恥ずかしいな」

妙高「素直な好意には弱いんですね」

提督「そ、そんなことより家でも髪はおろさないんだな」

妙高「家事の邪魔になりますから」

提督「風呂上りの黒髪も綺麗なのだが普段も見てみたい」

妙高「あなたが私より早起きすれば見れますよ」

提督「そうだな。どれ、明日は頑張ってみるか」



『呼び方3』


提督「那智に羽黒、おはよう」

那智「おはよう」

羽黒「お、おはようございます」

提督「今日は二人とも出撃の予定だ。頑張ってくれ」

那智「ああ、勝利を約束しよう!」

提督「那智は頼もしいな」

羽黒「が、頑張ります!」

提督「羽黒はどうした、そんなに緊張して。いつも行く海域だ。そんなおびえるほどでもないだろう」

羽黒「い、いえ……大丈夫です……」

提督「そんな強い深海棲艦のいる海域ではないにしろ慢心は事故に繋がる。なにか悩み事があるなら言ってくれ」

羽黒「は、はい……ごめんなさい……」



那智「ははは、羽黒は貴様のことをどう呼んでいいかわからなくて悩んでいるのだ」

提督「どうしてだ?」

那智「貴様が姉さんとケッコンしたからな」

提督「ああ、そういうことだ」

那智「義兄さんと呼んだほうがいいか?」

提督「義兄さん……悪くないな。俺は姉はいたが下の兄弟はいなかったから新鮮だ」

羽黒「えっと……じゃあ私もお義兄さん!」

提督「うむ」

羽黒「お義兄さん!」

提督「うむ!いいな」

那智「羽黒に鼻の下を伸ばしていたと姉さんに報告しておこうか」

提督「それだけはやめてくれ」


『追求』


妙高「提督、少しお話があるのですがよろしいでしょうか?」

提督「ど、どうした。そんな怖い顔して」

妙高「いえ、いつも通りですよ」

提督「俺の知ってる妙高さんはもっと優しい笑顔だったかなと」

妙高「そんなことないですよ。やっぱり可愛くないとだめですかね、羽黒みたいに」

提督「那智ぃ、言いやがったな。妙高には言わないと約束させたのに」

妙高「いえ、私は足柄から聞きましたよ」

提督「足柄との酒の肴にしやがったな」

妙高「確かに羽黒は可愛いです。私の自慢の妹です。しかし鼻の下を伸ばされるのはちょっと……」

提督「違うんです、妙高さん。本当に違うんです。少し妹というものに憧れがあっただけなんです」

妙高「浮気は男の人の甲斐性だと頭では理解してますけど……」

提督「いや、本当に違うんです。元々大切な艦娘達でしたけど妙高の妹だと思うとより大切に思えてきて」

妙高「……怪しいですね」


提督「俺が愛しているのは妙高だけだ」

妙高「普段はそんなこと言ってくれないのにこんなときだけ……。わかりました許します。ただし」

提督「ただし?」

妙高「条件をつけます」

提督「なんですか?」

妙高「毎日一回私に愛してると言ってください」

提督「……嫌だ」

妙高「どうしてですか?」

提督「大事な思いは言葉にすると軽くなる気がする」

妙高「言ってくれないのは寂しいし不安になります」

提督「行動で示すように努力する」

妙高「行動では十分に示されてますよ」

提督「なら「しかしですね」

妙高「寂しいものは寂しいのです」

提督「……わかった」

妙高「では早速お願いします」

提督「……ううむ。妙高、愛している」

妙高「はい。私もあなたを愛しています」


『威厳』


妙高「提督、そろそろ休憩なされてはいかがですか?」

提督「おお、そうだな。少し疲れた」

妙高「コーヒーでもお淹れしましょうか?」

提督「今日はお茶が飲みたい気分だ」

妙高「わかりました」

提督「時に妙高、一つ尋ねてもいいだろうか?」

妙高「なんでしょうか?」

提督「間宮のところではあんまんなどは売ってないのか?」

妙高「確か売っていたと思いますが……どうしました?」

提督「好物なのだ。一つ買ってきて欲しいのだ」

妙高「時間もありますし買いにいかれてはどうですか?熱々のほうがおいしいでしょう」

提督「それではいかんのだ」

妙高「どうしてですか?」


提督「間宮といえば艦娘たちの憩いの場所。そこに俺のような上官が行けば皆萎縮してしまうだろう」

妙高「そうですか」

提督「だからそんなことを起こさないためにも行ってきて欲しい」

妙高「本音は?」

提督「甘味買っているところを見られたくない」

妙高「……そんな理由ですか」

提督「そんなとはなんだ!大切なことだぞ!」

妙高「なにが嫌なんですか?」

提督「大の大人の男の俺が甘味など買っているのを見られたら女々しいなどと噂されるのではないだろうか」

妙高「被害妄想豊かですね」

提督「男は常にかっこつけている生き物ゆえそんなかっこ悪いところは見せられないのだ」

妙高「私はいいのですか?」

提督「お前はいい、俺の家内だからだ」

妙高「……ふふ、わかりましたよ。買ってきます。二つ」

提督「ああ、ありがとう。やっぱり俺がお茶を入れておこう。後で二人で食べよう」


『秋の夜』


妙高「はい、あなた。お酒と軽くつまめるものです」

提督「おお、ありがとう」

妙高「でも急に縁側でお酒が飲みたいなんてどうしたんですか?」

提督「秋だからな、虫の声が楽しめると思って。今日は付き合ってもらっていいか?」

妙高「ここで私が嫌だって言ったらどうするんですか?」

提督「それは困るな。まあ言われないとわかっていてこちらも提案している」

妙高「ひどい人ですね」

提督「こういうやつだってわかっていただろ?」

妙高「まあ、わかっていました。はぁ、好きになってしまった私の責任なんでしょうか」

提督「そうだそうだ」

妙高「……今からでも片付けますよ」

提督「おふざけが過ぎましたごめんなさい」

妙高「ふふ、冗談ですよ。ささ、飲みましょう」

提督「ああ」




チリリリリリン

提督「……」

妙高「……」

チリリリリリン

提督「……たまにはこういう静かなのも悪くないな」

妙高「ここでいいって言い切らないのがあなたらしいですね」

提督「素直じゃないからな」

妙高「知ってます」

提督「あーあー、それにしても少し寒くないか?」

妙高「もう少しお酒持ってきますか?」

提督「いや、そういうことじゃない」

妙高「じゃあ毛布でも」

提督「いや、そういうことでもない。ええい、もう少しそばによれい」

妙高「……わかりました」

チリリリリリン

提督「……たまにはこういうのも悪くないな」

妙高「ええ、悪くないですね」

チリリリリリン


『耳かき』


提督「うーん……」

妙高「どうしたんですか、あなた。かなり難しいお話なら、向こうの部屋でいたしましょう……か?」

提督「いや、別に執務のことで悩んでいるわけではない」

妙高「それではなぜそんな難しい顔をしているのですか?」

提督「俺は今そんな顔をしているのか。いや、耳の中が少しかゆくてな」

妙高「そうなのですか!それならば私が耳かきをしましょう!」

提督「どうした、テンション高いな」

妙高「あ、失礼しました……。実は私、耳かきをするのが好きで昔から妹達にやっていたのですが最近あの子達が恥ずかしがってやらしてくれないのです」

提督「なるほど。じゃあお言葉に甘えて耳かきをしてもらおうかな」

妙高「はい、ではこちらに頭を置いてください」ポンポン

提督「膝枕か、確かに少し恥ずかしいな」

妙高「ふふ、今日は存分に甘えてください」

提督「わかったわかった」

妙高「あ、やっぱり少し溜まっていますね。これは腕の見せ所です」

提督「ああー、耳の中でバリバリと音が響くな」

妙高「今とってしまいますからねっと。よし、とれました。反対側も見せてください」

提督「わかった」


妙高「あれ、なんで立ち上がろうとしているのですか?」

提督「そうじゃないと反対側を見せられないだろ」

妙高「寝返りを打つようにすればいいじゃないですか」

提督「お腹に顔を突っ込むことになるぞ」

妙高「それもいいじゃないですか!」

提督「ダメだ、今日の妙高さんテンションがおかしいですぞ」

妙高「最近耳かきがご無沙汰だったんです。那智は自分でなんでもやろうとするし、足柄は甘えてくれないし、羽黒も最近は少し恥ずかしがるし」

提督「あー、わかりました。今日は妙高さんの言うとおりにします」

妙高「ふふ、なんか大きい弟が出来たみたいで新鮮ですね」

提督「あいつらも苦労してそうだな。今度酒でもおごってやるか」

妙高「もう、失礼ですね」

提督「はいはい、妙高姉さん、お願いしますっと」


『こたつ1』


提督「こたつが欲しい」

妙高「急にどうしたんですか?」

提督「寒くなってきたからな。そろそろこたつの季節だ」

妙高「そういえばこの家にありませんね」

提督「前にあったんだけどな。一人で入ってるのも寂しくなって談話室に寄付した」

妙高「今はみんなの憩いの場所になってますもんね」

提督「流石に返せとも言えない、が、お前とこたつに入りたい」

妙高「色々恥ずかしがるくせにどうして欲望だけには忠実なんですか」

提督「悲しきかな、男とはそういう生き物なんだよ」

妙高「はぁ……全く理解できませんね」

提督「そのうちわかってくるさ」

妙高「あんまりわかりたくもない気がします」

提督「そう?」

妙高「そうです。わかりました、今度一緒にこたつを買いに行きましょう」

提督「ああ、行こうか」


『11/22』


妙高「そういえば今日はいい夫婦の日だそうですよ」

提督「語呂合わせでイチイチフタフタでいい夫婦か、しゃれてるな」

妙高「私達はいい夫婦なんでしょうかね?」

提督「妙高はいい妻ではあるがいい夫婦かと言われると……」

妙高「あら、なにが問題なんですか?」

提督「夫側に問題があるきがして」

妙高「ふふ、そんなの知ってますよ」

提督「否定してくれないのか」

妙高「素直じゃないし、いじわるするし、捻くれものだし、恥ずかしがりやだし、あんまんは私に買わせるし、妹達に手も出すけど」

提督「おいおい、最後のは違うぞ」

妙高「それでもあなたは私の最高の夫ですよ」

提督「……うむ」

妙高「恥ずかしがっているんですね」

提督「うるさい!」

妙高「ほら、素直じゃない。それでも私はあなたを選んだんです。胸を張ってください」

提督「ああ、やっぱりお前は最高の奥さんだ」


『ねぎらい』


提督「このたびの作戦でまたも大活躍だったな、ご苦労だった」

妙高「いえ、提督こそお疲れ様でした」

提督「なあ、妙高よ」

妙高「どうなさいました?」

提督「ボーキサイトは簡単に飛んでゆくのだな」

妙高「ぎりぎり三桁にならないくらいになってましたからね」

提督「猫って怖いな」

妙高「怖いですね」

提督「なにはともあれ誰も失わず作戦を完遂できた。それだけが誇りだ」

妙高「これからも無事故を目指して頑張っていきましょう」


『こたつ2』


提督「ということで作戦が終わったので少しの休暇をもらった。鎮守府の敷地内のショッピングセンターだ」

妙高「提督であるあなたと秘書艦の私が敷地内とはいえ執務室を空にして大丈夫なんですか?」

提督「大淀に任せてきた。なにかあったら連絡を寄越すように言ってある。しかし、お土産を要求されたがな」

妙高「ふふ、私達のために頑張ってくれているんです。少しお高いお酒でも買っていきましょう」

提督「そうだな」

妙高「それにしてもなんで敷地内にショッピングセンターがあるんですか?」

提督「それはだな、君たちは今は艦娘として産まれてきたが解体されれば人間になる。その際に社会常識がゼロだと困るだろ。関係者しかいないが学習のためのショッピングセンターだ」

妙高「なるほど、私達のその後のことを考えてくれているのですね」

提督「もちろんだ。それにぶっちゃけた話をすると深海棲艦が現れてから海の近くの土地が余っていてな。それの再利用と雇用のためでもある」

妙高「だからこんなに大きいのですね」

提督「まあ、今はそれが嬉しい。こたつとその他もろもろを見て回ろう」

妙高「まずはどこから周りますか?」

提督「お前はどこから周りたいか?」

妙高「そうですね、最初にこたつを買うと当たり前ですがその後に支障が出るので冬物のお洋服を見たいです」

提督「服か……」

妙高「どうなさいました?」

提督「女性の吹く選びは長いと聞いてな……」

妙高「ふふ、出来るだけ急ぐので付き合ってください」


『こたつ3』


妙高「ふう、これで周りたい店は大体周れました。……どうされました?」

提督「いや、急いでくれたのか?」

妙高「はい!姉妹で見に行くともっと長くなりますね」

提督「そうか……そうか……」

妙高「それではこたつを買いに行きましょうか」

提督「おぉー……」

妙高「どうしたんですか、元気ないですよ」

提督「いや、うん。大丈夫」

妙高「わかりました……?」

提督「それよりどんなこたつにするか」

妙高「種類があるんですか?」

提督「大きさとか、正方形か長方形かとか」


妙高「大きさはそんなに大きくなくていいですね」

提督「二人だし、そうだな」

妙高「そういえば談話室にあるこたつは無駄に大きかったですもんね」

提督「そうなんだよ。大きすぎるこたつは一人暮らしの家には無用の長物でな」

妙高「今は駆逐艦の子たちが姉妹では入れると評判ですけどね」

提督「それで形は長方形にしたいんだ」

妙高「どうしてですか?」

提督「だって横になれるだろ」

妙高「……正方形にしましょう」

提督「えっ……」

妙高「正方形にしましょう」

提督「はい……」


『こたつ4』


提督「ふう、設置も終わったな」

妙高「お疲れ様です」

提督「早速入ろうじゃないか」

妙高「そうですね」

提督「やっぱりこれは冬の必需品だな」

妙高「暖まりますね」

提督「それはそうと、みかんが食いたくなってきた」

妙高「今日箱で買ってきたのが玄関にありますよ」

提督「……とってくるか」

妙高「私の分もお願いします」

提督「ああ、わかった」

妙高「ありがとうございます」


提督「……」

妙高「……」

提督「……」

妙高「……行かないんですか?」

提督「もう少しだ!もう少し覚悟を決めたら行こうか」

妙高「はい」

提督「おおー、俺は行くぞー」

妙高「全然出てませんよ」

提督「……わかった。男らしく行ってくるぞ!」

妙高「はい、頑張ってください」

提督「こたつはこれが辛いんだ」


『クリスマス』


足柄「メリークリスマァースッ!」

妙高「メリークリスマス!」

羽黒「メ、メリークリスマス!」

那智「ふふ、メリークリスマス」

提督「……メリークリスマス」

足柄「どうしたの提督、せっかくのクリスマスなのにテンション低いぞ」

提督「いや、俺がここにいていいのかなって」

妙高「提督にクリスマスの予定を聞いたらなにもない、普通に過ごして寝るだけだって若干ふてくされながら言ってたので」

提督「不貞腐れてなんかないやい」

那智「飲むのは人数が多いほう楽しいだろ」

羽黒「むしろ姉さんと二人で過ごさなくていいのかなって……」

提督「士官学校ではこういうイベントには興味がなかっただ」

足柄「男しかいないもんね……。だが安心して、今日はこの足柄がいるわ!」

妙高「足柄、それはどういう意味ですか?」

足柄「ひっ、姉さん。顔が怖いわよ」


那智「早く乾杯しようじゃないか」

足柄「そうよそうよ」

妙高「あ、足柄!」

羽黒「まあまあ、姉さん。それではみなさんグラス持ってください」

「「「「「乾杯」」」」」

提督「お、この酒上手いな」

那智「そうだろう。私秘蔵の酒だ」

足柄「さあさあメインは私特製のカツよ!」

妙高「食べ終わったらケーキを焼いてますよ」

羽黒「私も手伝いました」


提督「……にぎやかだな。毎年こんな感じなのか?」

那智「ああ、そうだよ。楽しいだろ、義兄さん」

提督「なっ……」

足柄「あら、確かそう呼ばれるのをお望みでしたよね。お義兄さん」

羽黒「えっと……お義兄さん」

提督「はは……いたい!」

妙高「鼻の下が伸びてますよ」

提督「いきなりつねらないでおくれよ」

足柄「姉さん、嫉妬ですかー」

那智「お熱いことだ」

妙高「足柄、それに那智まで」

羽黒「ふふ、仲がいいですね」



『おわりに』


提督「もう今年も終わりだな」

妙高「そうですね」

提督「大掃除も終わったし今年やり残したことはないな」

妙高「はい、もうありませんね」

提督「今年は色々あったな」

妙高「あなたが鎮守府に着任したり」

提督「お前と結婚したり」

妙高「幾多の作戦を成功させたり」

提督「来年も色々あるかな」

妙高「あるでしょうね」

提督「今年は楽しい一年だった」

妙高「来年もいい年になるといいですね」

以上で終わりです。

ちょうど区切りがいいので終わりとします。また妙高さんのSSを書きたくなったらだらだら始めると思います。

最後に、妙高さんのSSがもっと増えることを心から願っています。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年11月26日 (土) 18:48:45   ID: 0Gu1CF-0

艦隊娘のなかで『あなた』と呼ばれるなら、妙高さんか鳳翔さんが一番グッとくるのでは?と個人的には思います。

と同時に
○○は俺の嫁!
とかありますが、妙高さんと鳳翔さんは
○○は私の妻
と、紹介したい、そんな素敵なイメージです。

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom