まる子「クラスみんなで限定ジャンケンの巻」 (27)

戸川先生「今日は一学期最後の授業ということでレクリエーションをしたいと思います」

戸川「みなさんに配布するものがあるので学級委員のお二人は手伝ってください」


たまえ「レクリエーションだってまるちゃん、何するんだろうね」

まる子「あたしゃレクリエーションよりも明日からの夏休みが楽しみで頭がいっぱいだよ」

たまえ「アハハハハ、確かにそうだよね」

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戸川「はい。では全員に配り終えたようなのでゲームの説明をします」

まる子「なんだろう……A、B、Cが書かれた紙袋が3つ……」

まる子「しかもこのCって奴はすっごく重いねぇ」

戸川「今日はみなさんに限定ジャンケンをしてもらいます」

戸川「ルールは一度しか言わないのでよく聞いてくださいね。質問も受け付けません」

まる子(ジャンケンって……何も今更説明されなくたってジャンケンくらい知ってるよ)

戸川「まずAの紙袋の中身を出してください」

まる子(でもジャンケンに使う物ってなんだろう?)ガサガサ

戸川「Aの中にはカードが9枚入っています」

まる子「あっ、これって……」

はまじ「グー、チョキ、パーだっ!」

戸川「グー、チョキ、パーが3枚ずつあることを確認してくださいね」

戸川「限定ジャンケンの戦い方は、まず対戦相手を探すことです」

戸川「お互いに勝負を承諾したら立会人のもとでジャンケンをします」

戸川「立会人は町内の方々と学級委員の2人にお願いしてあります」

友蔵「こんにちは」ガラッ

まる子「お、おじいちゃん!?」

友蔵「やあ、まる子」

中野「し、失礼します……」

佐々木・川田・ヒデ爺・みまつや「こんにちは」ゾロゾロ

戸川「ジャンケンのやり方は、チェックでカードを確かめ、セットでカードを伏せて提示する」

戸川「そして、オープンで互いにカードを開示して勝負する。と、このようにやってください」

戸川「この時使ったカードは立会人に回収されるため再度の使用はできません」

戸川「黒板には場に残っているカードの枚数をグー、チョキ、パーの種類に分けて表示しておきます」

戸川「すぐにというわけにはいきませんが立会人がカードを回収したら随時反映させるので目安にしてみてください」

戸川「ゲームは120分間。チャイムが鳴ってからスタート」

戸川「2回目のチャイムでちょうど半分の60分経過、3回目のチャイムが鳴ってゲーム終了です」

戸川「時間内にカードを全部使いきれなかった場合にはペナルティがあるので注意してください」

戸川「カードの破棄は禁止です」

はまじ「なんだか、分かったような分からないような……」

戸川「浜崎君の指摘ももっともです。これでは何のために戦っているのか分かりませんからね」

戸川「では次にBの中身を出してください」

 ☆☆☆

まる子(厚紙と……星が3つ……?)

戸川「この厚紙を胸につけて、そこに星を貼り付けてください」

まる子「こ、こうでいいのかな……」ペタッ

戸川「はい、みなさん付けましたね。では今からこの星について説明をします」

戸川「この星はみなさんの夏休みです」

生徒たち「「「「――えっ!?」」」」

  ざわ…
          ざわ…

まる子(ちょ、ちょっと……星が夏休みってどういうことさ……)

まる子(言ってる意味が分からないよ……)

戸川「星1個が夏休み10日分に相当します」

戸川「ですから皆さんが今持っている夏休みは30日ということになりますね」

関口「30日!?今年の夏休みは40日のはずじゃ!?」

関口「どういうことですか先生!?」

戸川「関口くん、話は最後まで聞いてくださいね」

関口「す、すみません……」

戸川「限定ジャンケンでは星……つまり夏休みを賭けて戦ってもらいます」

戸川「カードで優劣がついた場合は、勝った人が負けた人の星を1個もらうことができます。あいこの場合星の移動はありません」

戸川「このようにして頑張って星を獲得し夏休みの日数を増やしていってください」

戸川「もしも星がゼロになったら夏休みは1日もない……ということになってしまいますよ」

生徒たち「……………………」ざわ…

戸川「星ゼロになった人には教室の隅に作った敗者ゾーンに行ってもらいます」

戸川「その時残ったカードは立会人が全部回収するので黒板のカード枚数表示に狂いは生じません」

戸川「それから星を持っていてもゲーム終了時点でカードを消費しきれなかった場合は星を全部没収するので注意してくださいね」

戸川「さっき関口くんが言っていましたが、今年の夏休みは通常なら40日です」

戸川「普通の夏休みを過ごしたかったら星を4個持った状態でゲームを終了してください」

戸川「もちろんそれ以上星を集めて夏休みの日数をどんどん増やしてもらっても構いませんよ」

ブー太郎「夏休みが増えるなんて夢のようだブー!」

はまじ「手持ちのカードは9枚だから、もしも全勝できた場合は、えっと……」

丸尾「ズバリ120日!一年の3分の1が夏休みになる計算でしょう!」

関口「すっげえええええ!!そんだけ夏休みがあったら天国だあああああ!!」

男子たち「「「「うおおおおおおおおおお!!!!」」」」


たまえ「バカな男子たちは盛り上がってるみたいだね……下手したら夏休みが無くなるかもしれないのに……」

たまえ「とんでもないことになったね、まるちゃん」

まる子「夏休みが増えればあんなことやこんなこと、それにもっとぐうたらもできるねぇ」ポワ~ン

まる子「たまちゃん!あたしゃ何としても夏休みを50日!いや、60日以上にはしてみせるよ!」

たまえ「ま、まるちゃん……」

戸川「では最後にCの封筒を開けてください」

まる子(これ以上何があるっていうのさ)

まる子(せっかくまる子でも勝てそうなジャンケンなのにルールがややこしくなるよ)

まる子「うっ……こ、これは……」ズシッ

戸川「中身は夏休みの宿題です。ルールの説明は以上です」

生徒たち「「「「えっ!?」」」」ざわ…

笹山「先生!宿題はレクリエーションに関係あるんですか?」

戸川「ルール説明は以上です。質問は受け付けないと言ったはずですよ」

笹山「えっ……」

戸川「質問すればいつも答えが返ってくると思ったら大間違いです」

戸川「世間はみなさんのお母さんではありません」

戸川「ここからはひとりひとりが自分で考えて行動してください」

生徒たち「…………」ざわ…


戸川「チャイムが鳴るまでもう少しですね。今から私の言う通りに机を動かしてください」

キーンコーンカーンコーン

キートン「限定ジャンケン開始」

G114枚 C114枚 P114枚


ブー太郎「はまじ!さっそくオイラと勝負するブー!」

はまじ「望むところだ!」


まる子「とうとう始まったね、たまちゃん」

たまえ「そうだね……さっそく戦ってる人もいるみたいだよ……」

まる子「慎重に行きたいけどカードを使いきらなきゃダメだし……これからどうしようか……」

たまえ「な、何も私たちで勝負して星を取り合うことないよね?」

まる子「そ、そりゃそうだよ!それじゃたまちゃんと夏休みを一緒に遊べないもん!」

たまえ「じゃあ、ここからは別行動だね。まるちゃんの健闘を祈ってるよ」

まる子「うん……」

藤木「はぁ……ジャンケンかぁ……勝てる自信ないなあ……」

永沢「藤木君、良いことを教えてあげるよ。夏休みを増やそうなんて欲を出さなければいいのさ」

藤木「えっ?どういうことだい永沢君?」

永沢「誰かと組んで9回連続のあいこ勝負をすればカードを使いきってゲームを終えることができる」

永沢「この方法ならわざわざ勝負に行かずとも星は現状維持できるのさ」

藤木「な、なるほど……」

永沢「どうだい藤木君?僕と組まないかい?」

藤木「ん……でもそれじゃ夏休みが普通より10日少なくなるじゃないか!?」

永沢「夏休みが無くなるかもしれないリスクを取るか、堅実に夏休み30日を取るか」

永沢「まあ別にいいよ。僕は君に断られても他の人と組めばいいだけの話だしね」

藤木「ぜ、是非やらせてくれよ!」

永沢「あっ中野さん、立会人をお願いします」

中野「は、はぃ……」

永沢「いいかい?カードを出す順番はグー、チョキ、パーの繰り返しだからね」

藤木「うん」


 「チェック」

 「セット」スッ

 「オープン!」ペラッ


藤木『グー』
永沢『グー』


藤木(よし……永沢君のおかげで僕の夏休みは守られたぞ……)

藤木(夏休みは多ければ多いほど良いに決まってるけど、無くなってしまったら元も子もないもんな)

キートン「藤木と永沢は6回連続であいこによるカードの消費を続けた」

キートン「そして7枚目……」

 オープン

藤木『グー』
永沢『パー』


藤木「えっ!?」

永沢「あっ!ご、ごめん藤木君!出すカードを間違えちゃったよ……」アセアセ

永沢「次は僕がグーを出して負けるから、藤木君はパーを出しておくれ。それで帳尻を合わせよう!」

藤木「そ、そういうことなら何も永沢君を責めたりしないよ。次は僕がパーだね」

永沢「じゃあほら、早く星を。中野さんが見てる手前、僕が星をもらわないわけにはいかないだろ?」

藤木「う、うん」スッ


キートン「藤木はこの時に気付くべきだったのである、永沢の仕掛けた罠に……」

キートン「8枚目セット、オープン」

藤木『パー』
永沢『チョキ』


藤木「――は、はぁっ!?」

永沢「じゃあこの星ももらって行くよ」ガシッ

藤木「ど、どういうことだよ!?」

永沢「どうもこうも僕が藤木君から2勝を勝ち取った、ただそれだけのことさ」

藤木「は、初めから僕を騙すつもりだったんだな!卑怯だぞ!」

永沢「ふん!喰うか喰われるかの勝負で卑怯なんて言葉を出してくる方が卑怯なんだよ」

藤木「くっ……」

永沢「藤木君も早くこのゲームの本質を理解することだね。もっとも今頃気づいてももう遅いだろうけど」

藤木「そ、そんな……永沢君、夏休みは一緒に遊ぼうって約束したじゃないか……」

藤木「約束したじゃないか……」ガクッ

中野「ぁ…あのぉ…だ、大丈夫ですか…?」

藤木「ぅぅぅぅぅぅ……」


永沢 ☆☆☆☆☆ 手札 グー1枚

藤木 ☆ 手札 チョキ1枚




賭博黙示録まる子 第1章

おわり

ずっと前から考えてたんですが
やる気を出すために導入の部分だけ書き込みました
続きはたぶん半年後くらいになると思います

一方まるこはーーーー


まるこ「ひえぇー!こりゃやばいねぇ!」


まるこ「まさか二回連続で負けるなんてねぇ...」


たまこ「ま、まるちゃん...私の星、あげようか?」
☆☆☆☆☆☆


まるこ「ほ...星6つ!?」


たまこ「まるちゃんはグー?チョキ?パーで出して。私は三回連続で負けるから。」


まるこ「も、持つべきものは親友だねぇ!ありがとうたまちゃん。」

一行SSの要領でリレー形式に書き繋ごう。
それしかない

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