【SS】音乃木坂フリーマーケット (35)

絵里「今日は音乃木坂学園でフリー
マーケットだわ。今までは生徒会で
運営の方に携わっていたから……
今日は暇ね。一人で見て回ろうかし
ら。」

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絵里「しかし、結構みんなやってる
のね。私もなにかあれば出店したん
だけど……マトリョーシカくらしか
ないしね。」

希「えりちー。」

絵里「…希。」

希「えりち、ウチの見てってよ。」

凛「凛もいるよ!」

絵里「凛もいたのね。二人は今日
何を売ってるの?」

希「ウチはやっぱりスピリチュアル
ガールやからこれ!」

絵里「壺?」

希「うん。これはね幸せになれる
壺なんよ。」

絵里「そうなの?」

希「うん。本当は20万するんやけど
えりちは特別に2000円で売ってあげ
るけど。」

絵里「いや、怪しいにもほどがある
わ。絶対幸せになれないわよ。」

希「えりちが買ってくれれば少なく
ともウチが幸せになれるんよ。」

絵里「わたしは!?」

希「2000円で幸せになろうとする
あたり甘いよ。」

絵里「あなたがいったんでしょ。」

希「あ、じゃあこの壺をえりちが
買うやん?この買った壺をえりち
が別の人に今より少し高値で…」

絵里「ストップー。詐偽じゃない。」

希「ねずみ講ではないよ?」

絵里「ないけどね?友達減るわよ。」

希「えりちは厳しいな~。」

絵里「あなたの為に言ってるの。」

希「で?」

絵里「へ?」

希「買わないの?さっきのは冗談として2000円で買わないの?」

絵里「…買わないわよ。」

希「なんで?」

絵里「…必要ないし。」

希「えりちは必要ないと買わないの?」

絵里「そうだけど。」

希「親友が壺を買ったはいいけど置き場に困ってしかも騙された事に気づいて落ち込んでいるのにえりちはほっとくんや。」

絵里「あなたも騙されたんじゃない。」

凛「希ちゃん可哀想。」

希「やろ?」

凛「うん。絵里ちゃん、凛からもお願いするよ。買ってあげて?」

絵里「いらない。」

希「もう、最悪無料でええから持ってって?」

絵里「ほんとにいらない。」

希「あんな、えりち?無料やよ?ウチはこれを2万円で買ったんよ?普段スピリチュアルだなんだ言っといて騙されたんよ?もう笑い者よ?痛々しいやろ?この壷のせいで部屋が狭いんよ?」

えりち「全部自業自得じゃない。」

希「うーわ。もう、最悪や。いらない物を人に押し付けられるいい機会やと思ったのに。」

絵里「ねえ、本音がただ漏れよ?」

凛「希ちゃんは正直者だね。」

絵里「絶対買わないから。」

希「ブー。」

凛「ねえ、凛のも見てってよ。」

絵里「えっと、凛は何を売ってるの?」

凛「これ。」

絵里「石?」

凛「うん。海で拾って来たんだ。凄く綺麗でしょ?こんなに綺麗な丸い石なかなかないにゃ。」

絵里「えっと……商品は?」

凛「だから、これ。」

絵里「…凛はそこら辺で拾った石を売るつもりなの?」

凛「ダメなの?」

絵里「商品価値があると思うの?」

希「えりちはだからダメなんよ。すぐ価値観だなんだって堅苦しい事を。それで、一回失敗してるやん?」

絵里「えっ?どれのこと?」

希「価値観なんて人によって違うんやから。どっかの誰かが勝手に価値をつけて値段を決めてるんよ?この凛ちゃん石だっていつか価値が出るかもしれないやん。」

絵里「じゃあ、希が買えば?」

希「へ?」

絵里「凛、いくらなのかしら?」

凛「800円。」

希「川越シェフが可愛く見えるよ?」

絵里「買いなさいよ、希。ね、凛?」

凛「凛はそれでも構わないにゃ。」

希「うわ、最悪や。壺は買わないし石は押し付けるし踏んだり蹴ったりやん。」

絵里「自業自得でしょ。」

凛「凛は800円の黒字だにゃ~。」

希「買うこと決定してる!?」

絵里「それじゃあ、私は行くわね。」

希「えりち~、覚えてろ~。」

凛「希ちゃん、お金。」

絵里「いつものお返しよ。」

絵里「さてと」

真姫「あら、絵里じゃない」

絵里「真姫も出していたのね」

真姫「そうなの。少し見ていかない?」

絵里「真姫ならまともなもの売ってそうだし…そうね、少し見ていこうかしら」

真姫「ふふ、いらっしゃい。」



絵里「このサングラス…ブランドものじゃない?こんなに安いの?」

真姫「パパが…じゃない、お父さんが買ったんだけど結局使わなかったみたいだから。」

絵里「」

絵里「この帽子も結構高いやつよね?」

真姫「それも、パパが…じゃない、お父さんがいらないって」

絵里「そうなの。この時計は?」

真姫「それもパパが…じゃない」

絵里「いや、もういいわよ?パパで」

真姫「は?なんの話?パパって?お父さんの事?絵里はお父さんをパパって読んでるの?」

絵里「よく誤魔化せると思ったわね」

真姫「イミワカンナイけど」

絵里「結構率直にいったつもりだけど」

真姫「そんな事はどうだっていいわ。何か買ってくの?」

絵里「えっと…あら?このお人形可愛いじゃない」
ヒョイ

真姫「あ、それは…」

絵里「何?」

真姫「それはパパが前に酔っぱらって帰って来た時に買ってきたんだけど…」

絵里「西木野家もそんな事あるのね」

真姫「なんか気味が悪くない?」

絵里「そう?可愛いじゃない」

真姫「その人形ね…髪が伸びてる様な気がするのよ」

絵里「へ?」

真姫「それに気味が悪いから捨ててもパパが拾って来たり気づいたら玄関にあったり」

絵里「ち、ちょっと、なんて物をフリマで売ってるのよ」

真姫「だから、今躊躇したんじゃない。別に持ってる分には何もないし。やっぱり、こんな物を他人に…ましてや、友達に押し付けらないわ」

絵里「でも、これから呪われるかも」

真姫「変なこと言わないで。とりあえず、やっぱり他人には売れないわ」

絵里「早くお寺に持っていった方がいいわよ」

真姫「そうね。そうよね?」

絵里「うん、そう。」

真姫「じ、じゃあそうするわ」

絵里「ええ、そうね…私行くわね?」

真姫「他は買ってかないの?」

絵里「…じゃあ、サングラスを」



絵里「別に欲しくなかったんだけど…しょうがないわね」

穂乃果「絵里ちゃん、そのサングラス格好いいいね」

絵里「あら、穂乃果じゃない。そう?似合ってるかしら?」

穂乃果「うん。穂乃果なら絶対に買わないけど凄く似合ってるよ。穂乃果なら絶対に買わないけど」

絵里「…そう」スチャ

穂乃果「あれ?はずしちゃうの?」

絵里「まあ…ね」

穂乃果「そんな事より見てってよ」

絵里「そうね…何を売ってるのかしら?」

穂乃果「これだよ」

絵里「…お饅頭?」

穂乃果「うん。穂乃果ん家で作ってるやつの売れ残り。」

絵里「えっと…頭が痛いんだけど…穂乃果、フリーマーケットって知ってる?」

穂乃果「家にあるいらなくなった物を売るんでしょ?」

絵里「間違ってないけど売れ残りの饅頭を売るのは違うと思わない?」

穂乃果「そうなの?でも、穂乃果は他にいらない物なんて…あっ!そうだ、これ買っていかない?幸せになれる壺らしいんだけど」

絵里「これって…どうしたの?」

穂乃果「希ちゃんから貰った。無料でくれるって言うから貰ったんだけど邪魔で。中に石がいっぱい入ってるし。」

絵里「なるほどね。純粋で優しい穂乃果につけこんで…希。後でお説教ね」

穂乃果「え?なんで?やめてよ絵里ちゃん。穂乃果が欲しいって言い出したんだよ?希ちゃんはなんとしてでも絵里ちゃんに売るって言ってたのを穂乃果が欲しいって言ったからくれたんだよ?」

絵里「どっちにしてもよ」

穂乃果「で?買ってかないの?」

絵里「じゃあ、お饅頭を…食べても平気よね?」

穂乃果「うん。一日くらい平気だよ。多分…」

絵里「やっぱりやめとくわ」

穂乃果「え~」

絵里「じ、じゃあね」

絵里「穂乃果も希も…だからお笑いグループって揶揄されるのよね」

花陽「こ、これは伝説の武道館ライブだよぉ」

にこ「そうよ。で、こっちがスーパーアリーナの」

絵里「花陽…にこ…。」

花陽「にこちゃん、本当にいいの?」

にこ「部室も少し整理しなきゃいけないしね」

絵里「そう言うこと。感心だわ」

にこ「絵里」花陽「絵里ちゃん」

絵里「そう言うことなら私も買おうかしら。アイドルの勉強になるし」

花陽「…絵里ちゃん。私、感動しました。にこちゃん、これとこれとそれからあれと」

にこ「随分買うわね。まあ、いいわ。花陽だし全部で500円でいいわ」

花陽「そんなの悪いよぉ」

にこ「花陽にはにこのアイドル魂を受け継いでほしのよ。だからいいの」

絵里「よかったわね。花陽」

花陽「うん」

絵里「でも、そんなにいっぱい持って帰れるの?」

花陽「…しばらく、部室に」

絵里「所有者が変わっただけじゃない」

にこ「結局こうなるのね」

ことり「にこちゃん。困るよ~」

絵里「あら?ことり」

にこ「どうしたのよ?」

ことり「私のサイン…売らないで欲しいんだけど」

花陽「ミナリンスキーのサイン…にこちゃん、売っちゃうのぉ?」

にこ「だって、友達のサイン持ってても」

ことり「じゃあ、私が買い取るから…いくら?」

にこ「100円」

ことり「へ?」

にこ「いや、100円よ?」

ことり「にこちゃんはいくらで買ったの?」

にこ「1万よ?伝説のカリスマのサインだからね」

ことり「うん。100円?」

にこ「そうよ。友達のサインだからね」

ことり「…」

絵里「あ、わ、私他の所見て回ろうかな~」

花陽「わ、私もぉ」

絵里「じゃあ!」

花陽「またね」

ことり「花陽ちゃん、待って」

花陽「え?そ、そんな。ダレカタスケテー」

絵里「ごめんなさい、花陽。私はあの空気に耐えられないわ」

絵里「はあ、にこももうちょっと気の効いた言い方できないのかしら?気持ちはわかるけど」

海未「ふむ。なるほど」

絵里「あら、海未?」

海未「あ、絵里。ごきげんよう」

絵里「何してるの?」

海未「これを見てください。」

絵里「石?」

海未「はい。これを買おうかなと」

絵里「海未は本当にそれが欲しいの?」

海未「ええ。」

絵里「石なら凛が売ってたわよ?」

海未「ああ、あれは只の石でしょう?これは、エベレストの石なのです。ですよね?」

店主「お、おう」

絵里「私には違いがわからないけど…いくらなの?」


海未「3000円です」

絵里「高いわよ」

海未「しかし、私はエベレストに行けないですし。ですが、登山家として…」

絵里「あなたはいつから登山家になったの?」

希「あー。こないだウチに壺を売った人や」

絵里「希!?」

海未「急に現れてびっくりするでしょう」

希「あの、壺。偽物じゃないですか」

店主「いや、あの」

海未「偽物?では、この石は?」

通りすがりの子供「ママー、あのおじさん。さっき石を拾って遊んでたー。」

海未「ほう」

店主「いや…」

海未「ちょっと、あちらでお話ししましょう。」

希「ウチも手伝うよ」

絵里「あの、程々にね?」

海未「ええ」

絵里「…騙される方もどうかと思うけど」

亜里沙「あ、お姉ちゃん」

雪穂「本当だ」

絵里「亜里沙、雪穂ちゃん。来てたの?」

雪穂「来年からここの生徒ですから」

亜里沙「受かればね」

絵里「そうなの。なんか良い物あった?」

雪穂「亜里沙が変な壺を買おうとしてから止めました」

絵里「ありがとう雪穂ちゃん。…今は穂乃果が所有してるんじゃないのね」

亜里沙「でもね、その壷の中に可愛いお人形さんが入ってたからそれだけ単品で売って貰ったの。ほら、可愛いでしょ?」

絵里「…その人形って」


ー完ー

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